JPH09503754A - 初乳から免疫グロブリンを得る方法および医薬組成物におけるそれらの使用 - Google Patents

初乳から免疫グロブリンを得る方法および医薬組成物におけるそれらの使用

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JPH09503754A JP7509434A JP50943495A JPH09503754A JP H09503754 A JPH09503754 A JP H09503754A JP 7509434 A JP7509434 A JP 7509434A JP 50943495 A JP50943495 A JP 50943495A JP H09503754 A JPH09503754 A JP H09503754A
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Abstract

(57)【要約】 (i)初乳から乳脂肪を除去して低脂肪初乳を得ること;(ii)低脂肪初乳を低温殺菌すること;(iii)低温殺菌された低脂肪初乳を凝固させ、そしてカゼインを含有する乳カードを除去すること;(iv)残液を遠心して、沈殿物を除去すること;(v)乳糖、無機質および水を除去して、抗体含有画分を得ること;(vi)抗体含有画分をTRIS−HClバッファーに溶解し、そして同一バッファーに対して透析すること;および(vii)抗体含有溶液を濃縮して、10重量%の抗体溶液を得ること:を含む抗体に富む初乳から高純度の免疫グロブリン調製物を得る方法。コア要素が錠剤形状で存在し、そして錠剤を調製するために使用される圧縮力が、それが、活性抗体を損傷しないか変性しないようなものである、上記方法によって得られた活性抗体成分を含むコア要素を含んでなる医薬組成物。

Description

【発明の詳細な説明】 初乳から免疫グロブリンを得る方法および医薬組成物における それらの使用 本発明は、医薬組成物、特に抗体を含む医薬組成物、および同組成物を調製す る方法に関する。 抗体は、ヒト血液から分離され、種々の伝染病を治療するために使用できるこ とが知られている。特に、血清から分画されたγ−グロブリンは、病気の治療お よび予防に有効であることが知られており、そして麻疹や他の伝染病の治療のた めに注射によって投与されてきた。後になって、実際に、γ−グロブリン、およ びβ−グロブリン画分の一部は、5種の主構成成分:IgG,IgA,IgM, IgDおよびIgEからなり、その各々が、独自の生理学的特性をもつことが分 かった。しかしながら、そのような血清抗体は、収集することが困難であり、そ の結果、医療用の大量の抗体の商業生産は、非経済的である。IgAは、血清中 のみならず乳腺のような分泌器官においても産生されることが分かった。分泌器 官において見いだされたIgAは、IgAの2分子からなる二量体の形で存在し 、それは、分泌成分の1分子と架橋されている。IgAのこの形態は、プロテア ーゼや酸性条件に対して非常に安定であり、そして血清IgAとは異なる分泌I gAとして知られている。他の免疫グロブリンとは違って、粘膜の上皮細胞に分 泌IgAの形で存在するIgAは、そこで細菌やウイルスを攻撃し、かくして、 局所免疫において重要な役割を演じている。このために、分泌IgAの経口投与 は、患者に免疫防御を与えるために用いられ、そして、このことが、母乳保育児 とは反対に人工乳保育児に見られる感染に対する弱い抵抗力を、自然に生 じさせていると思われる。 分泌IgAは、初乳において特に高濃度に見いだされる。初乳は、誕生前後の 短い期間にわたって、哺乳動物によって産生される乳である。初乳は、成熟乳で の分泌IgA50mg/dlに比較して平均300mg/dlを含む。特異抗原 を用いて雌牛のような哺乳動物を免疫化することによって、特異抗体を含む初乳 が収穫され、伝染病、特に腸の疾病を治療するために使用される。多くの応用に ついて、血清からγ−グロブリンを単離するのに好適な商業的諸法が立証されて きた。 初乳は、分泌IgAの有用な給源であることが立証されたが、初乳抗体の精製 と保存には、困難が経験された。特に、これまでに知られている方法によって単 離された初乳抗体は、医薬組成物の調製および保存の間に見られる条件、あるい は、活性化の意図される部位に到達する前に、医薬組成物の遭遇するであろう生 理的状態のいくつかに耐えるには、十分安定ではないかも知れないことが分かっ てきた。 さらなる問題は、初乳抗体の投与において見いだされる。以前には、初乳抗体 は、薬学的に許容されうる添加物を大きいパーセンテージで含む組成物で投与さ れてきた。これは、次第に、抗体投与が望まれるレベルに達するために多量の医 薬組成物を必要とするので、結果的に非実用的な投与ということになった。先行 技術の方法は、経口投与のために液体に溶解されるかまたは懸濁される散剤、あ るいは経口投与のための初乳抗体の造粒およびカプセル化を必要としていた。こ れらの両方法は、有効な抗体レベルに確実に達するために、高い投与レベルの療 法を必要とする。 また、投薬は、抗体の起源によって複雑になる。それは、乳製品から 得られるので、多量の乳糖は、しばしば分離された抗体と会合される。このこと は、抗体を含む医薬組成物の全体容量の増加という結果になり、その組成物を、 乳糖に寛容性のない個体への投与には不適切なものとする。 したがって、本発明の目的は、先行技術において起きる1つ以上の難題を克服 するか、または少なくとも軽減することである。 驚くべきことに、本発明の方法により収集され、精製された初乳抗体を、活性 の実質的損失なしに錠剤形態に圧縮することが可能であることを発見した。これ は、圧縮錠剤を作製するのに必要な力は、その錠剤に存在するいかなる抗体をも 変性し、破壊するであろうと考えるこれまで受け入れられてきた見解と反するも のである。 したがって、本発明の第一の態様においては、 (i)初乳から乳脂肪を除去して低脂肪初乳を得ること; (ii)低脂肪初乳を低温殺菌すること; (iii)低温殺菌された低脂肪初乳を凝固させ、そしてカゼインを含有する 乳カードを除去すること; (iv)残液を遠心して、沈殿物を除去すること; (v)乳糖、無機質および水を除去して、抗体含有画分を得ること; (vi)抗体含有画分をTRIS−HClバッファーに溶解し、そして同一バ ッファーに対して透析すること;および (vii)抗体含有溶液を濃縮して、10重量%の抗体溶液を得ること: を含む、抗体に富む初乳から高純度の免疫グロブリン調製物を得る方法が提供さ れる。 次いで、免疫グロブリン調製物は、抗体溶液を急速(snap)凍結および凍 結乾燥することによって保存されてもよい。 段階(v)における乳糖、無機質および水の除去は、逆浸透または限外濾過の ような技術上既知のいかなる方法によって実施されてもよい。好ましくは、飽和 硫酸アンモニウム溶液が、段階(iv)で得られた上澄液に添加されて、抗体含 有画分を沈殿させ、そして得られる混合液が遠心される。次いで、乳糖、無機質 および水を含んでいる上澄液は捨てられる。 段階(vi)のバッファーは、好ましくは、0.01MTRIS−HClバッ ファーpH8であり、そして0.32MNaClを含有する。免疫グロブリン・ バッファー溶液は、好ましくは、同じバッファーの約5倍量に対して透析され、 そしていかなる既知の装置を用いて透析されてもよい。好ましくは、Amico nスパイラルメンブレンシステムまたは中空繊維法が使用される。特異初乳抗体 は、初乳が収集される哺乳動物を免疫化することによって得られる。好ましくは 、免疫化される動物は雌牛である。例えば、本発明の免疫グロブリン調製物は、 E.コリ(E.coli)、サルモネラ(Salmonella)、シゲラ( higella )、ビブリオ・コレラ(Vibrio cholera)のよう な腸内毒性細菌、原生動物クリプトスポリジウム(cryptosporidi um)、腸内毒性ウイルス、および特定の毒素に対する特異抗体を含んでもよい 。 上記方法により得られる免疫グロブリン調製物は、高純度と同様に改善された 安定性を有するであろう。 本発明の第二の態様では、好ましくは初乳から得られる活性抗体成分 を含むコア要素(core element)(この場合、コア要素は、錠剤の 形状で、好ましくは圧縮錠剤の形状で存在する)を含む医薬組成物が提供される 。その錠剤を調製するために使用される圧縮力は、それが、活性抗体を損傷しな いか変性しないようなものである。好ましくは、その圧縮力は、約0.1トン/ cm2〜42.1トン/cm2;より好ましくは、約1.3トン/cm2〜10. 5トン/cm2;より好ましくは、約8トン/cm2である。 本発明のコア要素は、同時投与のための抗体の混合物を含んでもよい。また、 コア要素は、他の有効成分、例えば抗ヒスタミン薬、抗生物質、抗結核薬、コリ ン性薬、抗ムスカリン様薬、交感神経興奮薬、交感神経遮断薬、自律神経作用薬 、鉄製剤、止血剤、強心薬、抗高血圧症薬、血管拡張薬、非ステロイド性抗炎症 薬、アヘン作動薬、鎮痛剤、トランキライザー、覚醒薬、催眠薬、鎮静剤、去痰 薬、鎮吐薬、胃腸薬、重金属拮抗剤、抗甲状腺薬、性尿器平滑筋弛緩剤およびビ タミン類を含んでもよい。 本発明のコア要素は、初乳から得られた活性抗体を約20〜90重量%、好ま しくは40〜80重量%含有するのが好適である。コア要素のほかには、上記の 他の有効成分を含んでもよく、さらに、薬学的に受容できる担体もしくは添加物 、賦形剤、安定剤、可塑剤、界面活性剤、滑沢剤、発泡剤、結合剤および着色剤 を含んでもよい。 適切な賦形剤は、不溶性物質、例えば、二酸化ケイ素、タルク、二酸化チタン 、アルミナ、澱粉、カオリン、ポラクリリン(polacrilin)カリウム 、粉末セルロース、微結晶セルロース、アミロペクチンN、Aerosil(商 標)、Sipernat22(商標)、Si pernat22S(商標)およびそれらの混合物のような合成シリカ、そして マニトール、蔗糖、乳糖、デキストロース、塩化ナトリウム、ソルビトールおよ びそれらの混合物から選ばれる可溶性賦形剤から選ばれてもよい。 結合剤は、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキ シプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース 、カルボキシメチルセルロース、糖類およびそれらの混合物から選ばれてもよい 。 発泡剤は、好ましくは、クエン酸と重炭酸ナトリウムの混合物である。 ステアリン酸マグネシウムは、 である。 本発明の好適な形態においては、コア要素は、腸溶コーティングを施される。 腸溶コーティングは、酸性媒体中では不溶性であるが、中性もしくはアルカリ性 媒体中では可溶性であって、そのために腸溶コーティングは、錠剤を保護し、錠 剤が腸内でその薬理活性を発揮できるようにする。腸溶コーティングは、技術上 既知のいかなる腸溶コーティングであってもよい。そのようなコーティング剤は 、酢酸フタル酸セルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢 酸クエン酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メタアクリル酸コポリマー、 セラック酢酸トリメリット酸セルロースおよびそれらの混合物を包含する。特に 好適な腸溶性ポリマーは、商品名Eudragit L 100−55の固体で あり、そしてメタアクリル酸:アクリル酸エチルエステル 1:1コポリマーで ある。 本発明のさらなる実施態様においては、腸溶コーティングは、コア要素に含ま れる有効成分の徐放性を提供するために適応されてもよい。そ のような実施態様においては、また腸溶コーティングは、ポリビニルピロリドン 、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリ エチレングリコール、ポリビニルアルコールのようなポリマー、および糖類、塩 類もしくは有機酸およびそれらの混合物のようなそれらのモノマーから選ばれる 少なくとも1種の部分的酸可溶成分を含んでもよい。また、腸溶コーティングは 、エチルセルロース、アクリル酸および/またはメタアクリル酸エステルポリマ ー、またはそれらの混合物から選ばれる少なくとも1種の不溶性骨格ポリマーを 含んでもよい。 部分的酸可溶成分は、いずれか賦形剤もしくは可塑剤の重量を除く腸溶コーテ ィングの全重量に基づき、腸溶コーティング中に約1〜60重量%、好ましくは 15〜40重量%、より好ましくは20〜35重量%存在してもよい。不溶性骨 格ポリマーは、いずれか賦形剤および可塑剤の重量を除く腸溶コーティングの全 重量に基づき、腸溶コーティング中に約1〜85重量%、好ましくは35〜75 重量%、より好ましくは45〜65重量%存在してもよい。 可塑剤は、腸溶コーティングの全重量に基づき、腸溶コーティング中に好まし くは0〜50重量%存在してもよい。可塑剤は、セチルアルコール、フタル酸ジ エチル、クエン酸トリエチル、クエン酸トリエチルアセチル、トリアセチン、ク エン酸トリブチル、ポリエチレングリコールおよびグリセロール、等から選ばれ てもよい。可塑剤の選択は、大きくは、腸溶コーティングに使用されるポリマー 、およびコーティング溶液または分散液と、可塑剤との適合性によって決定され るであろう。 賦形剤は、腸溶コーティングの全重量に基づき、約0〜75重量%存 在してもよい。賦形剤は、二酸化ケイ素、二酸化チタン、タルク、アルミナ、澱 粉、カオリン、粉末セルロースおよび微結晶セルロース、およびそれらの混合物 のような不溶性物質から選ばれてもよい。 本発明のさらなる態様においては、初乳から得られる免疫グロブリン調製物を 含むコア要素を含む医薬調製物を調製する方法が提供されるが、その方法は、 (a)抗体に富んだ初乳を提供すること、 (b)初乳から免疫グロブリン調製物を単離すること、そして (c)該免疫グロブリン調製物からコア要素を形成すること: を含む。 本方法によって製造されるコア要素は、好ましくは錠剤、より好ましくは圧縮 錠剤である。圧縮錠剤は、それらが、活性抗体を損傷または変性しないような圧 縮力を用いて形成される。 特に好適な実施態様では、本コア要素は、腸溶コーティングを施される。これ は、パンコーター中のコア要素上に、コーティング剤を噴霧するような慣用的方 法によって行われてもよい。好ましくは、コーティング剤は、医薬調製物の2〜 5重量%を含む。適切な腸溶コーティング組成物は、それに関して前述したいか なる化合物をも含んでもよい。 ここに、本発明は、実施例に関して、より完全に説明されるであろう。しかし ながら、次の記述は、単に具体的な説明であると理解すべきであり、そしていか なる場合にも、前記本発明の普遍性を制限するものとして取らえるべきではない 。 実施例1 抗体の生産 酪農乳牛2頭が、旅行者の下痢に関与する体細胞の血清グループO8およびO 15を表す腸内毒素生成菌E.コリの混合株を用いて免疫された。細菌は、加熱 して不活性化され、そして生理食塩水2ml中菌数2x109の懸濁液を、同容 量のMontanideISA70アジュバントを用いて乳化した。得られるワ クチンを、妊娠期間の最後の8週間に週1度投与した。 抗体の単離および精製 初乳を、授乳の最初の2日間収集した。乳脂肪を除去し、そして脱脂乳を、5 6℃で30分間低温殺菌し、次いでHilpert,Human Milk Banking 1984における ようにレンネットにより凝固させた。カゼインを含有する乳カードを除去した後 、ホエーを遠心し、その微細沈殿物を捨てた。 Brandon et al,Aust.J.Exp.Biol.Med.Sci.,1971,v 40,p613記載のよ うに、等容量の飽和硫酸アンモニウム溶液を連続的に混合しながら、その上澄液 に徐々に添加した。遠心後、得られる沈殿物を保存し、乳糖と塩類を含む上澄液 を捨てた。 その沈殿物を、0.32MNaClを含む0.01MTRIS−HClバッフ ァーpH8(始発容量の30%)中に溶解した。この溶液を、Amiconスパ イラルメンブレンSIY30カートリッジを用いて5倍量の同一バッファーに対 して十分に透析した。次に、抗体溶液を10%まで濃縮し、急速凍結し、そして 凍結乾燥した。 抗体錠剤の調製 凍結乾燥した抗体粉末を、各重量500mgの高い溶解性の錠剤に成形した。 各錠剤は、次のように含む: 初乳抗体 80% 微結晶セルロース 6% カルボキシメチルセルロース 3.2% クエン酸 6% 重炭酸ナトリウム 6% ステアリン酸マグネシウム 0.8% 全成分を、圧縮前に、コニカルミキサー中で乾式混合物として混合した。得ら れる粉末混合物を、ローラーコンパクターを用いて引き締めた。造粒は、単発式 Manesty錠剤機で圧縮された。 腸溶コーティング 可塑剤として3%セチルアルコール(w/w)を含むEudragit L1 00−55ポリマーの水性分散液を含む腸溶コーティング剤を、慣用のパンコー ター中で、錠剤上に噴霧した。十分な皮膜強度は、コーティング混合物2〜5% (w/w)を用いて達成された。 試験 コーティングされた錠剤は、崩壊試験にかけられ、そしてpH6.5では9〜 12分内、pH8では5〜9分内に溶解された。 錠剤に圧縮される前の抗体顆粒中の抗体活性が、未コーティングおよびコーテ ィングされた抗体錠剤と比較された。 顆粒、未コーティング錠およびコーティング錠が、リン酸−生理食塩水バッフ ァーpH8 100mlに別々に溶解された。3種の溶液の抗体価は、ELIZ Aアッセイを用いて比較された。ELIZAプレートは、ワクチン接種に使用さ れた細菌の懸濁液で一夜塗膜された。次いで、そのプレートを、抗体溶液の血清 希釈液を試験するために、標準法で処理した。抗体価は、すべて3種の溶液につ いて同じであって、圧縮され 腸溶コーティングされた錠剤中の抗体活性の完全な維持を示した。 実施例2 初乳抗体の圧縮 抗体 E.コリK88に対する初乳抗体が、実施例1の方法に従って単離され精製さ れた。 圧縮試験のための抗体の製剤化 抗体を、ピンローラーによって粉砕し、30メッシュの篩にかけた。得られる 抗体粉末を、0.5%w/wSipernat22Sを含む混合容器に添加した 。十分な混合(5分間)の後、13.5%w/wSipernat22および8 .5%w/wAmylopectinNを添加し、さらに5分間抗体粉末と混合 した。最後に、0.5%w/wステアリン酸マグネシウムを添加し、2分間混合 した。得られる錠剤用混合物は、圧縮試験に使用される次の剤形を有した: 抗体粉末 77重量% Sipernat22 13.5重量% AmylopectinN 8.5重量% Sipernat22S 0.5重量% ステアリン酸Mg 0.5重量% 圧縮試験 圧縮試験は、注文製作の臼と杵のセットを用いる注文製作の圧縮装置を使用し た。5種の錠剤を、指定された圧力レベルで製造した。錠剤用粉末を含む臼と杵 のアッセンブリー全体を、圧縮装置の支持枠の中に設置した。5〜160キロニ ュートン(kN)の力を、水圧ピストンによっ て上杵に適用した。ピストンの作動表面は、73.1cm2であり、杵チップの 表面は、0.38cm2であった。錠剤に伝達される杵チップ圧の範囲は、それ ぞれ、1cm2当たり1.300〜42,100kgにわたった。 免疫活性の評価のための圧縮錠剤の調製 表1に示した各圧力点からの3種の錠剤を、乳鉢と乳棒で細粉に粉砕した。そ の粉末100mgを試験管に移し、リン酸−生理食塩水バッファーpH7.2 10mlを添加した。圧縮されなかった粉末状の錠剤用混合物100mgを、対 照として用いた。試験管をCoulterミキサー上に設置し、抗体を一夜室温 で抽出した。抽出後、その試験管を、3000rpmで1時間遠心し、上澄液の 一部を、ELIZA試験を用いて抗体活性をアッセイした。 E.コリに対する抗体活性測定のためのELIZAアッセイ ELIZAアッセイは、本質的に、Voller A.et al.(1980)Enzyme linked immunosorbent assay記載のように実施された。Manual of Clinical immunolog y,pp.359-371,Eds N.R.Rose & H.Friedman.American Society for Microb iology,Washington,D.C.に掲載。そのアッセイの変法が、E.コリK88抗 原に対する抗体活性を測定するために導入された。 簡単言えば、炭酸バッファー(0.1M,pH9.6)中、菌数109個のE. コリK88懸濁液100μlを、平底Nunc polysorbプレートの各 ウェルに入れ、4℃で一夜インキュベートした。 プレートを、PBS/Tweenバッファー(0.1MPBSおよびTwee n20,0.05%v/v)により3回洗浄した。 洗浄後、作業バッファー(0.25%w/wBSAが添加されたPBS/Tw eenバッファー)中に希釈された試薬を100μl/ウェル添加後に続く1時 間のインキュベートからなるプレートの処理は、その間に、各々3回の洗浄を行 って、次の規定で行われた: (1)作業バッファー中1:100に希釈された被検抗体は、プレートを横行し て連続的に希釈され、 (2)作業バッファー中、パーオキシダーゼ共役ウサギ抗ウシ免疫グロブリンは 、1:1000に希釈された。 最後に、クエン酸バッファー(96ml)、過酸化水素(蒸留水10ml中3 0%過酸化水素126μl,2ml)、ABTS@(2ml)を含有する基質溶 液を、各ウェルに添加した。2.5時間後、プレートを、4.4nmにおける吸 光度について精査した。 結果 研究は、初乳抗体の免疫活性に及ぼす圧縮圧の影響を評価した。77%の抗体 粉末および23%の崩壊剤および他の添加物を含む錠剤用混合物を、1.3〜4 2.1トン/cm2の圧力範囲で圧縮した。対照を含む全ての抗体サンプルを、 同じELIZAアッセイで試験した。 研究の結果を、図1と表2に示した。図1は、圧縮にかけなかった対照抗体粉 末と、圧縮された抗体との免疫活性を比較する棒グラフである。表2は、ELI ZA吸収の読みの生データを含む。対照サンプル(圧縮にかけられなかった抗体 粉末)の平均Log変換値は、3.62±0.4であり、全部を含むサンプルの 平均は、3.37±0.6であった。 結論 最終圧42.1トン/cm2は、市販装置の最高承認圧を5倍超上回っ た。驚くべきことに、初乳抗体の免疫活性は、試験された圧力の全範囲にわたっ て保たれた。これらの結果は、本明細書記載のように製剤化された初乳抗体は、 免疫活性の有意な損失なしに錠剤化できることを示している。 種々の他の修飾および/または変更が、本明細書に概説された本発明の精神を 逸脱することなしに行われることを、理解すべきである。
【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】1995年8月9日 【補正内容】 5. TRIS−HClバッファーが、0.32MNaClを含有するpH8 の0.01M溶液である、請求の範囲1〜4のいずれか1つに記載の方法。 6. TRIS−HClバッファー溶液中の抗体が、Amiconスパイラル メンブレンシステムまたは中空繊維システムを用いて、同じバッファーの5倍量 に対して透析される、請求の範囲1〜5のいずれか1つに記載の方法。 7. コア要素が、圧縮錠剤形状で存在する、活性抗体成分を含むコア要素を 含んでなる医薬組成物。 8. 活性抗体成分が、初乳から得られる、請求の範囲7記載の医薬組成物。 9. 活性抗体成分が、請求の範囲1〜6のいずれか1つの方法に従って調製 される、請求の範囲7または8のいずれかに記載の医薬組成物。 10.錠剤を調製するために使用される圧縮力が、それが、活性抗体を損傷し ないか変性しないようなものである、請求の範囲7〜9のいずれか1つに記載の 医薬組成物。 11.錠剤を調製するために使用される圧縮力が、約0.1トン/cm2〜約 42.1トン/cm2の範囲である、請求の範囲7〜10のいずれか1つに記載 の医薬組成物。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI C07K 1/30 8517−4H C07K 1/30 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ),AM, AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE ,HU,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK, LR,LT,LU,LV,MD,MG,MN,MW,N L,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE ,SI,SK,TJ,TT,UA,US,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 抗体に富む初乳から高純度の免疫グロブリン調製物を得る方法であって 、(i)初乳から乳脂肪を除去して低脂肪初乳を得ること; (ii)低脂肪初乳を低温殺菌すること; (iii)低温殺菌された低脂肪初乳を凝固させ、そしてカゼインを含有する乳 カードを除去すること; (iv)残液を遠心して、沈殿物を除去すること; (v)乳糖、無機質および水を除去して、抗体含有画分を得ること; (vi)抗体含有画分をTRIS−HClバッファーに溶解し、そして同一バッ ファーに対して透析すること;および (vii)抗体含有溶液を濃縮して、10重量%の抗体溶液を得ること: を含む方法。 2. 段階(vii)で得られた抗体溶液が、抗体粉末を得るために、急速( snap)凍結および凍結乾燥される、請求の範囲1記載の方法。 3. 段階(v)における乳糖、無機質および水の除去が、飽和硫酸アンモニ ウム溶液を、段階(iv)で得られた上澄液に添加して、抗体含有画分を沈殿さ せ;その沈殿物を分離するために遠心し;そして、乳糖、無機質および水を含ん でいる上澄液を捨てることによって達成される、請求の範囲1または2のいずれ かに記載の方法。 4. 飽和硫酸アンモニウム溶液が、段階(iv)からの上澄液に等容量で添 加される、請求の範囲3記載の方法。 5. TRIS−HClバッファーが、0.32MNaClを含有するpH8 の0.01M溶液である、請求の範囲1〜4のいずれか1つに 記載の方法。 6. TRIS−HClバッファー溶液中の抗体が、Amiconスパイラル メンブレンシステムまたは中空繊維システムを用いて、同じバッファーの5倍量 に対して透析される、請求の範囲1〜5のいずれか1つに記載の方法。 7. コア要素が、錠剤形状で存在する、活性抗体成分を含むコア要素を含ん でなる医薬組成物。 8. 活性抗体成分が、初乳から得られる、請求の範囲7記載の医薬組成物。 9. 活性抗体成分が、請求の範囲1〜6のいずれか1つの方法に従って調製 される、請求の範囲7または8のいずれかに記載の医薬組成物。 10.錠剤を調製するために使用される圧縮力が、それが、活性抗体を損傷し ないか変性しないようなものである、請求の範囲7〜9のいずれか1つに記載の 医薬組成物。 11.錠剤を調製するために使用される圧縮力が、約0.1トン/cm2〜約 42.1トン/cm2の範囲である、請求の範囲7〜10のいずれか1つに記載 の医薬組成物。 12.錠剤を調製するために使用される圧縮力が、約1.3トン/cm2〜約 10.5トン/cm2の範囲である、請求の範囲7〜11のいずれか1つに記載 の医薬組成物。 13.錠剤を調製するために使用される圧縮力が、約8トン/cm2である、 請求の範囲7〜12のいずれか1つに記載の医薬組成物。 14.活性抗体成分が、腸内毒性細菌、原生動物、クリプトスポリジウム(c ryptosporidium)、腸内毒性ウイルス、および 特定の毒素に対する特異抗体から選ばれる1種以上の抗体を含む、請求の範囲7 〜13のいずれか1つに記載の医薬組成物。 15.腸内毒性細菌に対する抗体が、E.コリ(E.coli)、サルモネラ (Salmonella)、シゲラ(Shigella)およびビブリオ・コレ ラ(Vibrio cholera)に対する抗体である、請求の範囲14記載 の医薬組成物。 16.コア要素が、抗ヒスタミン薬、抗生物質、抗結核薬、コリン性薬、抗ム スカリン様薬、交感神経興奮薬、交感神経遮断薬、自律神経作用薬、鉄製剤、止 血剤、強心薬、抗高血圧症薬、血管拡張薬、非ステロイド性抗炎症薬、アヘン作 動薬、鎮痛剤、トランキライザー、覚醒薬、催眠薬、鎮静剤、去痰薬、鎮吐薬、 胃腸薬、重金属拮抗剤、抗甲状腺薬、性尿器平滑筋弛緩剤およびビタミン類から 選ばれるさらなる有効成分を含む、請求の範囲7〜15のいずれか1つに記載の 医薬組成物。 17.コア要素が、さらに、二酸化ケイ素、タルク、二酸化チタン、アルミナ 、澱粉、カオリン、ポラクリリン(polacrilin)カリウム、粉末セル ロース、微結晶セルロース、アミロペクチンN、Aerosil(商標)、Si pernat22(商標)、Sipernat22S(商標)またはそれらの混 合物から選ばれる合成シリカ、そしてマニトール、蔗糖、乳糖、デキストロース 、塩化ナトリウム、ソルビトールおよびそれらの混合物、から選ばれる賦形剤を 含む、請求の範囲7〜16のいずれか1つに記載の医薬組成物。 18.コア要素が、さらに、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセル ロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシ エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、糖 類およびそれらの混合物から選ばれる結合剤を含む、請求の範囲7〜17のいず れか1つに記載の医薬組成物。 19.コア要素が、さらに、発泡剤としてクエン酸および重炭酸ナトリウムの 混合物を含む、請求の範囲7〜18のいずれか1つに記載の医薬組成物。 20.コア要素が、活性抗体約20〜90重量%を含む、請求の範囲7〜19 のいずれか1つに記載の医薬組成物。 21.コア要素が、活性抗体約40〜80重量%を含む、請求の範囲7〜20 のいずれか1つに記載の医薬組成物。 22.活性コア成分が、次のように構成される、請求の範囲7〜21のいずれ か1つに記載の医薬組成物。 初乳抗体 80% 微結晶セルロース 6% カルボキシメチルセルロース 3.2% クエン酸 6% 重炭酸ナトリウム 6% ステアリン酸マグネシウム 0.8% 23.コア要素が、次のように構成される、請求の範囲7〜22のいずれか1 つに記載の医薬組成物。 活性抗体 77重量% Sipernat22 13.5重量% AmylopectinN 8.5重量% Sipernat22S 0.5重量% ステアリン酸マグネシウム 0.5重量% 24.コア要素が、腸溶コーティングを施される、請求の範囲7〜23のいず れか1つに記載の医薬組成物。 25.腸溶コーティングが、酢酸フタル酸セルロース、フタル酸ヒドロキシプ ロピルメチルセルロース、酢酸クエン酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、 メタアクリル酸コポリマー、セラック酢酸トリメリット酸セルロースおよびそれ らの混合物から選ばれるコーティング材料を含む、請求の範囲24記載の医薬組 成物。 26.腸溶コーティングが、メタアクリル酸:アクリル酸エチルエステル 1 :1コポリマーである腸溶性ポリマーを含む、請求の範囲24記載の医薬組成物 。 27.また、腸溶コーティングが、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピ ルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレングリコール 、ポリビニルアルコールおよび糖類のようなポリマー、それらの塩類もしくは有 機酸、およびそれらの混合物から選ばれる少なくとも1種の部分的酸可溶成分を 約1〜60重量%含む、請求の範囲24〜26のいずれか1つに記載の医薬組成 物。 28.また、腸溶コーティングが、エチルセルロース、アクリル酸および/ま たはメタアクリル酸エステルポリマー、およびそれらの混合物から選ばれる少な くとも1種の不溶性骨格ポリマーを約1〜85重量%含む、請求の範囲24〜2 7のいずれか1つに記載の医薬組成物。 29.また、腸溶コーティングが、セチルアルコール、フタル酸ジエチル、ク エン酸トリエチル、クエン酸トリエチルアセチル、トリアセチン、クエン酸トリ ブチル、ポリエチレングリコールおよびグリセロールから選ばれる可塑剤を、腸 溶コーティングの全重量に基づき、約0〜5 0重量%含む、請求の範囲24〜28のいずれか1つに記載の医薬組成物。 30.また、腸溶コーティングが、二酸化ケイ素、二酸化チタン、タルク、ア ルミナ、澱粉、カオリン、粉末セルロース、微結晶セルロースおよびそれらの混 合物から選ばれる賦形剤を、腸溶コーティングの全重量に基づき、約0.75重 量%含む、請求の範囲24〜29のいずれか1つに記載の医薬組成物。 31.方法が、活性抗体を含む錠剤用粉末を提供し、そして錠剤用粉末を圧縮 して錠剤を形成することを含む、活性抗体を含むコア要素を含んでなる医薬調製 物を調製する方法。 32.活性抗体が、抗体に富む初乳から単離される、請求の範囲31記載の方 法。 33.錠剤が、約0.1〜約42.1トン/cm2の力を用いて圧縮される、 請求の範囲31または32のいずれかに記載の方法。 34.錠剤が、約1.3〜約10.5トン/cm2の圧縮力を用いて形成され る、請求の範囲31〜33のいずれか1つに記載の方法。 35.コア要素が、医薬調製物の2〜5重量%を含む腸溶コーティングを施さ れる、請求の範囲31〜34のいずれか1つに記載の方法。 36.実質的に、実施例1または2のいずれかに関して前述された医薬調製物 を調製する方法。 37.実質的に、実施例1または2のいずれかに関して前述された医薬組成物 。
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