JPH04169539A - 消化器疾患治療・予防剤およびその製造方法 - Google Patents

消化器疾患治療・予防剤およびその製造方法

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JPH04169539A
JPH04169539A JP2296609A JP29660990A JPH04169539A JP H04169539 A JPH04169539 A JP H04169539A JP 2296609 A JP2296609 A JP 2296609A JP 29660990 A JP29660990 A JP 29660990A JP H04169539 A JPH04169539 A JP H04169539A
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JP
Japan
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helicobacter pylori
milk
disease treatment
gastrointestinal disease
prevention agent
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JP2296609A
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Tetsuo Nakamura
徹雄 中村
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IMUNO JAPAN KK
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、消化器疾患に対する治療・予防剤ならびにそ
の製造方法に関する。
(従来の技術) 胃潰瘍や十二指腸潰瘍に代表される上部消化管疾患に対
しては、現在、胃酸分泌を抑制するシメチジンやラニチ
ジンのようなヒスタミンH2受容体遮断剤(H2b 1
 ockers)、あるいは−括して細胞保護剤と称さ
れる種々雑多な薬剤群を用いた治療が主として行われて
いる。ヒスタミンH2受容体遮断剤の出現によって、9
0%以上の消化性潰瘍患者が手術なしに治癒できるよう
になり、これまで外科手術に依存していた消化性潰瘍の
治療体系に画期的な変化をもたらすものであった。
しかし、これらの特効薬にも大きな欠点があることが徐
々に判明してきた。すなわち、これらの特効薬によって
一旦は治癒と判断された後でも、高率で再発することが
知られるようになった。例えば、ヒスタミンH2受容体
遮断剤を内服することによって一旦治癒と診断された十
二指腸潰瘍患者であっても、1年以内に再発する危険性
は70〜90%の高率に達すると言われている。
このため、患者は一旦治癒したと診断された後にも、再
発予防のためにヒスタミンH2受容体遮断剤を長期にわ
たって連日内服し続けなければならず、これによる社会
的経済的損害は極めて太きかった。
他方、最近になって上部消化管における疾病、例えば急
性または慢性の胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍等の病因に
細菌の怒染が重要な関与をしていることが指摘され、国
際的にも大きな反響を呼んでいる。
従来から、Doenges、Freedberg、Ba
roon、5teerら数人め病理学者が上部消化管疾
患の病因に病原性細菌が関与する可能性を腕曲な表現で
示唆していた。
すなわち、DoengeliPr、oc、Soc。
Exp、Bi o 1.Med、38 : 536−5
38.1938において、病理解剖した両組織標本中か
らスピロヘタ−様の細菌を最初に認めて報告し、ついで
FreedbergとBaroonはAm、J、Dig
estive  Dis、7:443−445.194
0において、胃摘出標本35例中の13例で粘膜上にス
ピロヘータ様の細菌を観察し報告した。
さらに、1975年5tee r (J、 CI i 
n。
Pathol、28:639−643. 1975>は
、胃炎患者の胃粘液層と粘膜上皮の間隙に、健常者には
見られない細菌が多数存在し、細菌存在部位には同時に
多核白血球の浸潤を認めたと報告した。
しかし、学会全体のコンセンサスとしては、これら疾患
の病因はストレス、アルコール、過食、食塩の過剰摂取
が主要と考えられていた。
その後、1983年にWarren(Lancet  
I;127B、、1983)が慢性胃炎患者の胃粘膜生
検組織を鍍銀染色して検鏡して、粘膜表層ムチンの下に
上皮細胞に接して彎曲した多数の桿菌を見出し、胃を永
続菌叢のない無菌の臓器と考えるべきでないこと、この
桿菌と胃炎との関係を研究する必要があると提唱した。
さらに、彼の共同研究者であるMarshallはカン
ピロバクタ−属細菌のために使用される分離培養法を胃
粘膜生検材料に適用して、この菌の分離培養に成功し、
その形態を電子顕微鏡で観察した。その結果、分離され
た新種の細菌は鞭毛に鞘があり、極単毛でなく極多毛で
あることからカンピロバクタ−属でなくスピリラム属に
属すると考察した。
だが、彼は翌年この菌をカンピロバクタ−属に属する新
菌種としてCampylob、acterpylori
disと正式に命名し、RoyalPerth  Ho
5pita1 13487株をこの種の標準株に指定し
な。なお、本菌の名称は1987年にMarshall
とG o o d w inによって、生息場所である
幽門pylorusの所有格がpy l or iであ
ることから、campylobacter  pylo
riに変更され、さらに1990年本菌の形態学的特徴
がカンピロバクタ−属と異なることを理由に、新しくへ
りコバフタ−属が新設され、ヘリコバクター・ピロリ(
Helicobacter  pylori)と最終的
に改名された。
胃粘膜上に増殖するヘリコバクター・ピロリと胃炎や胃
潰瘍、十二指腸潰瘍との因果関係は完全には解明されて
いない。しかし、少くとも胃炎と十二指腸潰瘍における
病像の変化は本菌の消長と密接に関連していると最近で
は考えられている。
現に、1990年8月にオーストラリアのシトニーで開
催された国際消化管学会において、ヘリコバクター・ピ
ロリと消化性潰瘍との関係を検討する作業部会は、ヘリ
コバクター・ピロリの感染、増殖が十二指腸潰瘍の一義
的な原因であり、特に難治性の十二指腸潰瘍患者に対し
ては、ヘリコバクター・ピロリを駆除する抗菌剤療法を
第一選択として試みるべきであると勧告した。
ヘリコバクター・ピロリを上部消化管から完全に駆除す
る療法は一種の完治療法であるため、再発率の高い消化
性潰瘍の再発率を大巾に低下させる特徴がある。
実際に、ヘリコバクター・ピロリに対する駆除療法を用
いることによって潰瘍が治癒した場合には、消化管粘膜
を内視鏡で観察しても癲痕化した潰瘍跡が見出されない
ことが多いと報告されている。
胃炎についても、国際消化器学会の第二作業部会は、胃
炎の一義的な原因がヘリコバクター・ピロリの感染、増
殖にあると断定する新しい病因論まで提唱するに至った
(発明が解決しようとする課題) ヘリコバクター・ピロリは他種類の抗菌剤に対して感受
性が極めて高いことが知られている。したがって、本菌
を上部消化管から安全に駆除する方法としては抗菌剤の
長期経口投与が最善と考えられた。
ところが、現実は予期に反して、抗菌剤を単独投与して
も、全ての患者から本菌を完全に除去して消化器疾患を
治癒させるには成功していない。
その理由は、ヘリコバクター・ピロリは厚い粘液層で覆
われた上部消化管粘膜表層において増殖するため、本菌
に対していかに強い抗菌活性を有する抗菌剤であっても
、上部消化管には短時間しか滞留しないので、作用時間
が短く、粘液層を浸透して作用部位にまで到達できる量
は極めて限定されるためであると考えられる。
すなわち、ヘソコバクター・ピロリに対する抗菌剤とし
ては、β−ラクタム系抗生物質、例えばアモキシシリン
、チニダゾールやエリスロマイシンが知られている。し
かし、試験管内では顕著な抗菌活性を有するこれら抗菌
剤も患者が現実に保菌するヘソコバクター・ピロリに対
する除菌率は低い。
この点を調査したのがBayerdoerfferと○
ttenhann (Scand、J、Ga5troe
ntero1.2B、5uppl。
142:93−100.1988>であって、彼らは多
数の研究報告を調査し、胃炎患者におけるヘリコバクタ
ー・ピロリに対する抗菌剤療法の除菌率を、抗菌剤単独
、蒼鉛単独(colloidal  bismuth 
 5ubcitrate)ならびに抗菌剤+蒼鉛併用の
三者について比較した。これによるとβ−ラクタム系抗
生物質であるアモキシシリンの単独投与では治療終了後
12ケ月で除菌率が26%であった。また、別の研究者
によると治療終了2週間後で0%であった。
これに対し、抗菌剤と蒼鉛併用群の治療終了後12ケ月
の成績は、抗菌剤としてアモキシシリンを併用した場合
の除菌率が47〜50%、エリスロマイシンを併用した
場合が65%、チニダゾール(Ethyl [2(2−
methyl−5−nitro−1−imidazol
yl)ethyl]5ulfon)を併合した場合は7
5%であって概して好成績であった。
へ1ノコバクター・ピロリに対する蒼鉛剤MIC9oの
使用量は64μg / mlに過ぎないので、蒼鉛剤が
抗菌作用を発揮しているとは考えられない。ヘリコバフ
タ−ピロリは抗菌剤に対して容易に耐性を獲得するが、
蒼鉛剤の作用機作の1つはヘリコバクター・ピロリの抗
菌剤に対する耐性獲得を抑制することにあると考えられ
る。また、蒼鉛剤は上皮細胞増殖促進因子(epide
rmalgrowth  factor)と同様の活性
を有し、胃壁におけるプロスタグランジンと炭酸塩の産
生を増加させる作用を有し、またビスマスはヘリコバク
ター・ピロリ菌体に結合し、抗菌剤の活性を高めると学
説もある。
このように、抗菌剤と蒼鉛剤を併用することが有効であ
るとの研究結果があることから、ヘリコバクター・ピロ
リ駆除療法として抗菌剤と蒼鉛剤を併用する研究がなさ
れている。ビスマス化合物を中心とするこの併合投与は
一種の完治療法であり、従来の胃酸分泌抑制を目的とす
るヒスタミンH2受容体遮断剤投与のように、多年にわ
たる内服継続の必要がないことが長所であるが、しかし
、副作用の発現率が異常に高く、実用に耐えられない。
この療法の服薬期間は通常1〜4週間にわたるが、この
間患者の25%に悪心、11%に下痢、5%に眩電、2
%に0渇の副作用が認められるからである。
(課題を解決するための手段) 本発明者は、上記のような従来療法とは全く異なる方法
で上部消化管疾患に対する治療・予防剤ならびにその製
造方法を開発することに成功した。
すなわち、 本発明者は、動物の生理活性物買を研究することにより
、哺乳動物の初乳、常乳ならびに血液中にヘリコパクタ
ー・ピロリを凝集するポリクローナル抗体が多量に含有
していること、ならびに該抗へリコバクター・ピロリ抗
体を主成分とし、あるいはこれと抗菌剤を併用すること
により上部消化管疾患に対する治癒過程を著しく促進し
、また消化器疾患の再発を予防する有益な予防・治療薬
が得られることを見出した。
さらに、本発明者はこれら治療・予防薬の好適な製造方
法を開発した。
すなわち、本発明は、 (1)ヘリコバクター・ピロリ(He 1 i cob
acter  pylori)菌体に対する凝集活性因
子を主成分とする消化器疾患治療・予防剤、(2)ヘリ
コバクター・ピロリ菌体に対する凝集活性を有するポリ
クローナル抗体を主成分とする消化器疾患治療・予防剤
、 (3)請求項第2項記載のポリクローナル抗体含有の哺
乳動物乳を主成分とする消化器疾患治療・予防剤、 (4)請求項第2項記載のポリリフローナル抗体含有の
哺乳動物血液を主成分とする消化器疾患治療・予防剤、 (5)請求項第1項ないし第4項記載の消化器疾患治療
・予防剤を抗ヘリコバクター・ピロリ抗菌剤と混合製剤
した消化器疾患治療・予防剤、(6)ヘリコバクター・
ピロリ菌体に対する凝集活性を有するポリクローナル抗
体を哺乳動物乳から分離・精製することを特徴とする消
化器疾患治療・予防剤の製造方法、 (7)ヘリコバクター・ピロリ菌体に対する凝集活性を
有するポリクローナル抗体を哺乳動物血液から分離・精
製することを特徴とする消化器疾患治療・予防剤の製造
方法、 (8)哺乳動物乳を遠心分離して得た脱脂乳を酸性下に
擬乳酵素で処理し、これを濾過して得たホエイを減圧濃
縮し、または分画分子量10万ダルトンのモジュールで
限外濾過して濃縮した後、沈殿または粉末化して抗ヘリ
コバクター・ピロリ凝集抗体を採取することを特徴とす
る消化器疾患治療・予防剤の製造方法、 (9)初乳ホエイまたは素孔から得るチーズ・ホエイ、
酸ホエイを分画分子量30万ダルトンの限外r過膜装着
の限界濾過機で処理し、分子量30万ダルトン以上の乳
清蛋白質を選択的に採取することを特徴とする消化器疾
患治療・予防剤の製造方法、 (10)哺乳動物乳または哺乳動物血液の蛋白画分を、
ヘリコバクター・ピロリ菌体を固定化したアフイニティ
・カラムに吸着させてヘリコバクター・ピロリ凝集抗体
を選択的に分離・濃縮することを特徴とする消化器疾患
治療・予防剤の製造方法、(11)請求項第1項ないし
第4項記載の消化器疾患治療・予防剤を抗ヘリコバクタ
ー・ピロリ抗菌剤と混合製剤することを特徴とする消化
器疾患治療・予防剤の製造方法、 の発明である。
本発明者の研究により、哺乳動物の乳汁および血液中に
はヒト胃炎患者の生検材料から分離されたヘリコバクタ
ー・ピロリN0.153株の菌体を強く凝集するポリク
ローナル免疫グロブリンが多量に含有されていること、
ならびにこの凝集活性因子を主成分として消化器疾患治
療・予防剤となしうろことが見出された。これは後記実
施例に示すように哺乳動物の種類を問わないのであり、
また該物質が初乳中に特に多量に含有していることが見
出された。
また、ヒトを宿主とするヘリコバクター・ピロリに対し
て、異種呻乳動物乳汁または血液由来の抗ヘリコバクタ
ー・ピロリ抗体かヒト乳汁と同程度の凝集活性を示すこ
とも見出された。
このことから、宿主を異にするヘリコバクター・ピロリ
間にも、菌体表層に存在する主要な抗原決定基(エピト
ープ)に関し著しい相同性があることが推定された。
ヘリコバクター・ピロリ菌体に何種類の抗原決定基が存
在するかは未だ解明されていないのて、精製したウシ初
乳免疫グロブリンが、抗菌剤に対して感受性を異にする
50〜52株のヘリコバクター・ピロリ(胃炎患者から
分N)に対してどの程度の凝集活性を示すかを試験した
試験に用いたウシ初乳免疫グロブリンは、初乳から乳脂
肪を除去した後、pH4,6でカルシウム存在下にレン
ネットを作用させてカゼインを除去した乳清を、分画分
子量10万の限外濾過膜で処理して免疫グロブリンを濃
縮・精製してから凍結乾燥して得た粉末で、免疫グロブ
リン含量は各ロットとも約75%である。
試験の結果を第1表に示すが、精製ウシ免疫グロブリン
の凝集抗体価希釈倍率2.56X106(濃度0.39
μg/ml)にピークがあり菌株の違いのよる凝集抗体
価の差がごく保かであった。
この事実はヘリコバクター・ピロリ菌体の抗原決定基に
対して、異なる宿主から得られた抗ヘリコバクター・ピ
ロリ抗体がよく反応すること、したがってヘリコバクタ
ー・ピロリの抗原決定基には宿主による大きな差異が存
在しないことを示唆している。
凝集を起こさせる免疫グロブリンの最小濃度が上記(0
,39μg/ml)のように非常に低いことは、未変性
の免疫グロブリンを含む牛乳(高温滅菌した市販牛乳は
免疫グロブリンが失活しており、適さない)をそのまま
ヒトが摂取した場合にも、ヘリコバクター・ピロリを充
分に凝集させる濃度の免疫グロブリンが胃の中に到達す
る(免疫グロブリンは乳清蛋白の約10%を占め、その
濃度は、600μg / mlであるから、仮りに胃の
中で100倍に希釈されたとしても、その抗体濃度は6
μg/m1であって、凝集に必要な上記濃度(0,39
μg/m1)よりもはるかに高い。
このように、牛乳の免疫グロブリン濃度が高いのは、草
食動物であるウシが第−胃ないし第四胃の巨大な胃をも
ち、その粘膜表面積が体容積に比して極めて大きく、ヘ
リコバクター・ピロリを常在菌として有しているから、
これに対する抗体である免疫グロブリンがウシ母乳中に
高濃度で分泌されるものと考えられる。また、免疫能が
未発達の子ウシは、母親から感染したヘリコバクター・
ピロリの増殖を、摂取した牛乳中の抗体の作用により抑
制し、これにより胃炎から消化性潰瘍への進展を防いで
いるものと推認される。
吐乳動物の乳汁または血液から杭ヘリコバクター・ピロ
リ抗体を含む免疫グロブリン分画を分離・精製するため
には、低温下における減圧濃縮、逆浸透脱法による水分
の除去、分画分子量1万ダルトンのモジュールによる限
外濾過、硫酸アンモニウム半飽和による免疫グロブリン
の選択的な分画沈殿法、分画分子量10万ダルトンのモ
ジュールによる限外濾過およびこれらの組み合わせが用
いられる。これらの工程には若干の時間を要するため微
生物の繁殖が起こる場合がある。それを避けるためには
、あらかじめ除菌フィルターを通して濾過して、無菌化
しておくことが望ましい。
本発明の製造方法で採用する分画分子量10万ダルトン
のモジュールによる限外濾過法は、単にホエイ中の低分
子化合物とミネラルなどを除去できるばかりでなく、分
子量10万ダルトン以下の蛋白質をも濾過できるので、
分子量が14万ダルトン以上である免疫グロブリンをレ
チンティト(retentate)中に選択的に濃縮し
、他の乳蛋白質、例えば、αラクトアルブミン、βラク
トグロブリンおよび血清アルブミンと免疫グロブリンと
を分離することができる。
牛乳の場合、免疫グロブリンはGl、G2、A、Mより
なり、分子量は各々153.000〜163.000.
146,000〜154,000.385.000〜4
17,000.960,000〜1,000,000、
沈降定数は各々6.3〜7.0.6.5〜7,1.10
.8〜11.18゜2〜1つ、8、等電点はG1で5,
5〜6゜8、G2で7.5〜8.3である。
他方、哺乳動物の血清からグロブリン分画を沈殿させる
には硫酸アンモニウムによる沈殿法を用いるのが簡便で
ある。しかし、免疫グロブリンの回収率が50%と低率
であること、および大量の硫酸アンモニウムを含む廃液
を生ずることなどの理由で、その経済的な効率は限外濾
過法にはるかに及ばない。いずれの分離・濃縮法を採用
した場合でも、抗ヘリコバクター・ピロリ抗体を含む免
疫グロブリン分画は、凍結乾燥法ないし噴霧乾燥法など
により無色粉末化することができる。
このようにして初乳ホエイないし素孔・酸ホエイから分
離・精製した抗ヘリコバクター・ピロリ抗体分画は、蛋
白1g当たり希釈倍率として100万〜1000万倍の
菌体凝集抗体価を保有している。従って、そのまま−日
当たり0.5〜15gを内服しても、胃炎および十二指
腸潰瘍患者の治療および再発予防に有用である。
さらに抗ヘリコバクター・ピロリ抗体を濃縮するために
は、紫外線ないしマイトマイシンC処理したヘリコバク
ター・ピロリ死菌体を適当な担体、例えばポリアクリル
アミド或いはアルギン酸に封入したビーズを充填したカ
ラムによるアフィニティ・クロブトグラフィーが最も適
している。すなわち抗ヘリコバクター・ピロリ抗体を含
む免疫グロブリン分画を水に溶かして、前記のアフィニ
ティ・カラムを通過させ、抗ヘリコバクター・ピロリ抗
体を選択的に吸着させる。次にカラムを水で洗浄してか
ら、3M  Na5CNまたは食塩水を流下させカラム
から溶出してくる抗ヘリコバクター・ピロリ抗体を含む
分画を集め、分画分子量1万ダルトンの限外濾過膜で処
理すると、極めて高い抗ヘリコバクター・ピロリ抗体価
を持った抗体を得ることができる。この操作による抗体
価の上昇は、103〜104倍、希釈倍率であられすと
ヘリコバクター・ピロリ菌体105cells/mlを
凝集させる最大希釈倍率は、蛋白質1g当たり109〜
1011倍にも達する。このようにして調整された高力
価の抗ヘリコバクター・ピロリ抗体は、−日当たり0.
01〜1.0gを経口投与すると胃炎および十二指腸潰
瘍のような上部消化管疾患に対し特異的かつ強力な治療
および予防効果を発揮し、しかも副作用は皆無である。
このように杭ヘリコバクター・ピロリ抗体は上部消化管
疾患の治療および予防に極めて有用であるが、病原菌、
ヘリコバクター・ピロリを抗体を使って駆除するため、
これらの疾患を根治させるまでには至らない弱点を有す
る。しかしこの弱点はヘリコバクター・ピロリに対し抗
菌活性を有する抗菌剤と併用することにより克服するこ
とができる。
例えば、再発を含むヘリコバクター・ピロリ陽性の胃炎
および十二指腸潰瘍患者37例を無作為に3群に分け、
その1群13例に粉末1g当たりの抗体価が107倍で
ある抗ヘリコバクター・ピロリ抗体を一日1回、14日
間連続して毎日1g内服させた場合、3か月を経過する
までに2例が再発し、胃生検材料のヘリコバクター・ピ
ロリ陰性化率は62%であったが、上記の抗ヘリコバク
ター・ピロリ抗体に加え、テトラサイクリン250■と
メトロニダゾール400■を連日2週間、経口投与した
他の群の患者12例では、3か列後でも再発は認められ
ず、胃生検材料におけるヘリコバクター・ピロリ駆除率
は100%(P<0゜05)であった。一方、前記の抗
体1gのみを単独で3か月間連日内服した12例からは
、ヘリコバクター・ピロリは検出されず、再発もなかっ
た。
従って、抗ヘリコバクター・ピロリ抗体による上部消化
管疾患の治療および予防効果は、長期間内服を連続した
場合には明瞭である。しかし、短期で服薬を打ち切った
場合には本菌の再感染に伴い再発が起こり得る。だが、
上記のようにヘリコバクター・ピロリに対し強力な抗菌
活性を示す抗菌剤を併用すると、本菌を長期にわたって
完全に駆除し上部消化管疾患に対し根治的な効果を発揮
することができる。
免疫グロブリンの粉末は椀水性があり、容易に水に分散
・溶解しない。しかし抗ヘリコバクター・ピロリ抗体の
作用部位は、厚いムチンで覆われた胃粘膜表面であるか
ら、胃に到達した抗体は2速に水に溶解し、ムチン層を
浸透して粘膜表面の感染部位に到達する必要がある。従
って、製剤化検討は、抗ヘリコバクター・ピロリ抗体を
実用化するに際し特に重要であった。
本発明者は胃の内部で粉末である抗ヘリコバクター・ピ
ロリ抗体を急速に溶解させ、ムチン層に浸透させるため
に次に述べる2つの方法を採用して目的を達成すること
ができた。一つは抗体粒子の粒末直径をできるだけ微細
にすることであり、噴霧乾燥により粉末化する場合には
免疫グロブリン濃度が5%以下の稀薄な溶液を、細いノ
ズルを通して噴霧することによって微粒子化することに
成功した。また、凍結乾燥により粉末化した場合には、
アトマイザ−のように粉末を物理的に粉砕する機器で処
理することにより微粉化することに成功した。微粉化す
る場合、好ましくは粒径80μ以下、さらに好ましくは
粒径40μ以下とするのがよい。
つぎに、抗体微粉末が水に馴染みやすい性質を与えるこ
とが必要である。このためには、抗体微粉末1部に対し
ぶどう糖、果糖、マルトース、イソマルトース、乳糖、
蔗糖等の糖類の微粉末を2〜3部を加えてよく混合し、
さらに全量の5%に相当する蒸留水をよくかきまぜなが
ら吹き付け、抗体粒子表面を糖類で被覆した。このよう
な操作により水に馴染み難く、水中では塊となって浮遊
しやすい抗体が、容易に分散溶解するように性質を変化
せしめることに成功した。粒子表面が糖類で被覆された
抗体は、水に加えて顆粒状に加工すること、或いはその
ままカプセルに充填することも可能である。さらに糖類
被覆抗体粉末に、乳糖、ステアリン酸マグネシウム、カ
ルボ゛キシメチル・セルローズ、ハイドロキシプロとル
セルローズなどの製剤添加物を加えて錠剤化することも
可能である。また、根治療法を目的とする場合には、抗
ヘリコバクター・ピロリ抗体にアモキシシリン等β−ラ
クタム系抗生物質、チニダゾール、メトロニダゾール等
ニトロンイミダゾール系抗生物質やエリスロマイシン、
テトラサイクリン、シメチジンなどの各種抗菌剤を併用
することが有益であるが、前記の糖類で被覆した抗体に
これらの抗菌剤を混合して製剤化することもできる。
第1表 ウシ初乳免疫グロブリンの各種へりコバフタ−
ピロリ(50〜52株)に対する凝集抗体価 希釈倍率は、原末の希釈率を1として算出(実施例) 以下、本発明の実施例を示すが、もとより本発明の範囲
が本実施例に限定されるのではない。
実施例1 哺乳動物の乳汁中に含まれる抗ヘリコバクター・ピロリ
抗体のヘリコバクター・ピロリNa 153株菌体(ヒ
ト胃炎患者の生検材料から分離)に対する凝集価を研究
したところ次のとおりであった。
抗体価(希釈倍率) ウシ 初乳      2〜4X105常乳     
 5〜7X102 ヤギ 初乳      1〜2X105常乳     
   5X102 ヒツジ 初乳      1〜2X105常乳    
    5X102 ウマ 初乳      4〜8X10’常乳     
 1〜2X102 ヒト 初乳      3〜6 X 104常乳   
   1〜2×102 イヌ 初乳      not  tested常乳 
  素孔     102 ネコ 初乳      not  tested常乳 
  素孔      102 ブタ 初乳          106常乳     
      102 本実施例に示されるように、哺乳動物の乳汁を抗ヘリコ
バクター・ピロリ抗体の資源として利用することができ
、また哺乳動物乳をそのまま消化器疾患治療・予防剤と
なしうろことを見出した。
この場合には、分娩1週間後から採取される乳汁(素孔
)よりも、分娩直後から1週間にわたり泌乳される乳汁
(初乳)の方がはるかに抗体価が高く有用である。
哺乳動物の種類としてはウシが大量の乳汁を分泌し、か
つ高い抗体価を示すのでとりわけ好適である。
哺乳動物血液についても、上記と同様に抗ヘリコバクタ
ー・ピロリ抗体の資源として利用することができ、また
哺乳動物血液をそのまま消化器疾患治療・予防剤となし
うろことを見出した。
哺乳動物の乳汁や血液から抗ヘリコバクター・ピロリ抗
体を分離・精製する過程では、蛋白質である免疫グロブ
リンの失活をできるだけ避けること、とくに加熱を避け
ることが必要である(したがって、高温滅菌された市販
牛乳は資源とならない)。
また、微生物が好んで繁殖する条件に原料や中間生成物
を長時間放置しないことも重要である。
哺乳動物の乳汁からカゼインおよび乳脂肪を除去したホ
エイを資源として使用することも有益である。しかし、
免疫グロブリンの失活を防ぐ観点から、加熱殺菌工程を
経ていないものであることが望ましい。
実施例2 分娩48時間以内の乳牛から採取した初乳100リツト
ルに純水100リツトルを加えてよく混合し、クリーム
・セパレーターにかけて乳脂肪を分離した。得られた脱
脂初乳希釈液は187リットルであった。この脱脂初乳
に10%乳酸を加えてpH4,6に調整し、0.02%
の塩化カルシウムと0.002%のレンネットを添加し
て、室温に2時間放置してカゼインを凝固させた。凝固
したカゼインは濾過して除去し、得られた炉液は除菌フ
ィルターを通過させて無菌タンクに集めた。
無菌P液は平型で分画分子量10万ダルトンのモジュー
ルを装着した限外濾過機に圧力をかけて送入し、全容量
を10リツトルまで濃縮(20倍濃縮)し、さらにこの
濃縮液を水で10倍に希釈して限外濾過操作を2回繰り
返した。このようにして調整した濃縮液10リツトルの
蛋白質含量は20%であった。濃縮液をそのまま凍結乾
燥すると、固形物2.0kgが得られた。
得られた固形物は免疫グロブリンを83.1%含有し、
その分析値は、蛋白質98%、乳糖1%以下、灰分1%
以下、脂質0.5%以下であった。
またヘリコバクター・ピロリの菌体108ce11s/
mlを凝集させる抗体の希釈倍率(抗体価)は2.56
X106であった。
実施例3 常法通りヘリコバクター・ピロリを培養し、培養液を遠
心分離し、乾燥菌体としたうえ約0.2gを生理食塩水
100m1に懸濁した。次にこの懸濁液に60ワツトの
紫外線ランプを30センチの距離から約30分間照射し
て完全に滅菌した。この滅菌菌体をアルギン酸の水溶液
に混合し、10%塩化カルシウム溶液中に滴下して微細
なビーズを形成させた。このビーズを集めて十分に水洗
した後カラムに充填し、これに実施例2で分離した固形
物20gを含む水溶液500m1を1時間に20m1の
速度で通過させ、抗ヘソコバクター・ピロリ抗体を選択
的に吸着させた。吸着後のカラムは水で十分に洗浄し、
3M  ’Na5CN水溶液500m1を流下させて吸
着された抗体を溶出した。溶出液のp)(は速やかに7
.0−7.4に調節し、分画分子量1万ダルトンの限外
濾過膜を装着した限外濾過器で処理し、塩類を除去した
後、凍結乾燥によって粉末化した。
その分析値は蛋白質含量98%以上、乳糖1%以下、灰
分1%以下、脂質0,5%以下であった。
ヘリコバクター・ピロリの菌体106cells / 
mlを凝集させる抗体の希釈倍率(抗体価)は1×10
9〜1010であった。
実施例4 温度的10℃に冷却したウシ血清10リツトルに硫酸ア
ンモニウム飽和溶液10リツトルを攪拌しながら徐々に
加え、加え終ってのも3時間放置してグロブリン分画を
沈殿させた。10リツトルはどの上清を静かに除去して
から、沈殿を含む部分を連続型の遠心分離器にかけて上
清を除き、沈殿部を50%飽和の硫酸アンモニウム水溶
液に懸濁して洗浄して、不純物をできるだけ除去した。
このようにして分離したペースト状の血清グロブリン分
画を2リツトルの水に溶かし、p)(7’、 4に補正
してから分画分子量10万ダルトンのモジュールを装着
した限外濾過器にかけて115量に濃縮した。濃縮され
た蛋白溶液に水を加えて2リツトルとしたのち、限外r
過操作をさらに2回繰り返して硫酸アンモニウムおよび
その他の低分子物質を除去した。この様にして得たレチ
ンティトの蛋白質溶液を凍結乾燥し、ウシ血清のグロブ
リン85gを白色粉末として得た。この粉末の抗ヘリコ
バクター・ピロリ抗体価は、希釈倍率として5X104
〜1×105であった。
実施例5 実施例1の方法により製造した抗ヘリコバクター・ピロ
リ抗体(免疫グロブ刃ン含量、83.1%、1g当たり
の凝集抗体価、2.56X106)1部と微粉化したぶ
どう糖2部を混合し完全に混ぜ合わせてから、全体をゆ
っくりとかきまわしながら全量の5%に相当する純水を
スプレィして粉末に吹き付けた。このようにして抗体粒
子表面を糖で被覆してから2m/m (16−18me
sh)のネットを装着した押し出し造粒機にかけて顆粒
化し、得られて顆粒は流動乾燥機にかけ、温度70℃、
30分間乾燥した。このようにして製造した顆粒を1.
7gづつ分包し、ヘリコバクター・ピロリの怒染が確認
されている慢性胃炎患者に朝・夕食後各1包、−日当た
り2包を4週間与えて治療効果を検討した。すなわち慢
性胃炎患者18例を無作為に2群に分け、■一方の群(
n=9)には抗ヘリコバクター・ピロリ抗体を与え、■
他方の群(n=9>には抗体製剤と外見上見分けのつか
ない乳糖顆粒を与えた。効果の判定は両画門前庭部から
採取した生検標本におけるヘリコバクター・ピロリの消
失ならびに臨床症状(無酸性嘔吐、上腹部膨満、倦怠感
、口臭)の改善を指標として実施した。
まず胃内部におけるヘリコバクター・ピロリの消長は、
■抗ヘリコバクター・ピロリ抗体投与4週間後に全例が
陰性化した。他方■偽薬対照群では1例に消失が認めら
れただけであった(Pく0.01)。また、臨床症状も
第2表に示すように、抗体投与により有意な改善効果が
認められた。
実施例6 実施例1の方法で製造した抗ヘリコバクター・ピロリ抗
体(粉末1g当たりの凝集抗体価、5×106)をアト
マイザ−にかけて微粒子化し、その10kgに微粒子化
したアモキシシリン4kgと乳糖26kgを混合し、ゆ
っくり攪拌しながら純水1゜6 kgをスプレィして湿
り気を与えた。このようにして湿り気を与えた混合物を
2m/m(16−18mesh)のネットを装着した押
し出し造粒機にかけて顆粒化し、得られた顆粒は流動乾
煤機にかけ、温度70℃にて30分間乾燥した。乾燥後
の顆粒は著しい吸湿性を持っているので、1.5gづつ
アルミ包装して最終製剤として臨床的に使用した。21
例の十二指腸潰瘍の患者(再発を含む)を無作為に2群
に分け、一方を■抗体ヘリコバクター・ピロリ抗体投与
群(男性8例、女性3例、n=11>、他方を■シメチ
ジン投与群(男性8例、女性2例、n=10)とした。
抗体投与群は食間と就寝前にそれぞれ1包を内服し、シ
メチジン群は200■を含む錠剤を食後と就寝前に1錠
づつ毎日4錠内服した。両群とも投与期間は4週間とし
た。4週間後における効果の判定は、両画門前庭部から
採取した生検標本中におけるヘリコバクター・ピロリの
消失、ならびに臨床症状の改善を指標として実施した。
両画門前庭部から採取した生検標本中におけるヘリコバ
クター・ピロリの消長は、■抗ヘリコバクター・ピロリ
抗体投与群は4週間後に全例が陰性化した。他方■シメ
チジン群では4例に菌消失が認められただけであった(
P<0.05)。
臨床症状も第3表に示すように、抗体ヘリコバクター・
ピロリ抗体投与群はシメチジン群と同様の改善効果が認
められた。
実施例7 乳糖粉末2.5kgをかきまぜながら純水400m1を
噴霧し、実施例2の製法で調整した抗ヘリコバクター・
ピロリ抗体微粒子1kgとテトラサイクリン結晶粉末0
.5kgに加えて混合しな。この粉末は著しい吸湿性が
あるため2gづつアルミパックに充填し、使用する日ま
で保存した。両画門前庭部から採取した生検標本中にヘ
リコバクター・ピロリが検出された5例の十二指腸潰瘍
患者(再発を含む)に対し、来院の日から本製剤を午前
10時と午後8時の2回1パツクづつ2週間にわたって
内服させた。2週間後にはすべての患者でヘリコバクタ
ー・ピロリが陰性化した。臨床症状も著明な改善が認め
られ、5例とも1年以上にわたって再発が認められなか
った。
実施例8 牛乳からチェダー・チーズを製造する際に副生じたホエ
イ(加熱殺菌を経ていないもの)100リツトルをP布
を張ったリーフ型濾過機を通過させて濾過し、得られた
透明な涙液を分画分子量2万ダルトンの限外濾過膜にか
け、分子量2万ダルトンまでの低分子物質を除去すると
共に容量を115まで濃縮した。この濃縮液をさらに分
画分子量30万ダルトンの限外濾過膜を装着した限外濾
過機で濾過してその容量を115まで濃縮した。
この濃縮液を純水で希釈して元の容量に戻し、再び限外
濾過して115まで濃縮する工程を2回繰り返し、分子
量30万ダルトン以下の乳蛋白質、例えばα−ラクトア
ルブミン、β−ラクトグロブリン、血清アルブミンおよ
びラクトフェリンなどを98%以上除去した。残された
りテンティト中には分子量30万ダルトン以上の免疫グ
ロブリン57gが残存した。この免疫グロブリン分画の
組成は、おおよそIgG86%、IgM12%、分泌型
IgA1.8%であった。血液中では分子量14万ダル
トンのモノマーとして存在するIgGが、本実施例では
2分子以上が重合した形で存在し、このため分画分子量
30万ダルトンの限外r過膜を通過せずレチンティト中
に回収された。本実施例により製造した免疫グロブリン
粉末1ピ当たりの抗体価は、凝集倍率で0.5−1.0
XIO7であった。
第2表 抗へりコバフタ−ピロリ抗体による胃炎第3表
 抗ヘリコバクター・ピロ1ノ抗体による十三NS  
in  X2test (作用効果) 本発明の治療・予防剤は、胃炎や胃・十二指腸潰瘍に対
して、既存の治療薬に比して優れた治療効果を有し、再
発率は低く、副作用の発現もない。
また本発明の製造方法は本発明の治療・予防剤を好適に
製造することができる。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)ヘリコバクター・ピロリ(Helicobact
    er pylori)菌体に対する凝集活性因子を主成
    分とする消化器疾患治療・予防剤。
  2. (2)ヘリコバクター・ピロリ菌体に対する凝集活性を
    有するポリクローナル抗体を主成分とする消化器疾患治
    療・予防剤。
  3. (3)請求項第2項記載のポリクローナル抗体含有の哺
    乳動物乳を主成分とする消化器疾患治療・予防剤。
  4. (4)請求項第2項記載のポリクローナル抗体含有の哺
    乳動物血液を主成分とする消化器疾患治療・予防剤。
  5. (5)請求項第1項ないし第4項記載の消化器疾患治療
    ・予防剤を抗ヘリコバクター・ピロリ抗菌剤と混合製剤
    した消化器疾患治療・予防剤。
  6. (6)ヘリコバクター・ピロリ菌体に対する凝集活性を
    有するポリクローナル抗体を哺乳動物乳から分離・精製
    することを特徴とする消化器疾患治療・予防剤の製造方
    法。
  7. (7)ヘリコバクター・ピロリ菌体に対する凝集活性を
    有するポリクローナル抗体を哺乳動物血液から分離・精
    製することを特徴とする消化器疾患治療・予防剤の製造
    方法。
  8. (8)哺乳動物乳を遠心分離して得た脱脂乳を酸性下に
    擬乳酵素で処理し、これを濾過して得たホエイを減圧濃
    縮し、または分画分子量10万ダルトンのモジュールで
    限外濾過して濃縮した後、沈殿または粉末化して抗ヘリ
    コバクター・ピロリ凝集抗体を採取することを特徴とす
    る消化器疾患治療・予防剤の製造方法。
  9. (9)初乳ホエイまたは常乳から得るチーズ・ホエイ、
    酸ホエイを分画分子量30万ダルトンの限外濾過膜装着
    の限界濾過機で処理し、分子量30万ダルトン以上の乳
    清蛋白質を選択的に採取することを特徴とする消化器疾
    患治療・予防剤の製造方法。
  10. (10)哺乳動物乳または哺乳動物血液の蛋白画分を、
    ヘリコバクター・ピロリ菌体を固定化したアフィニティ
    ・カラムに吸着させてヘリコバクター・ピロリ凝集抗体
    を選択的に分離・濃縮することを特徴とする消化器疾患
    治療・予防剤の製造方法。
  11. (11)請求項第1項ないし第4項記載の消化器疾患治
    療・予防剤を抗ヘリコバクター・ピロリ抗菌剤と混合製
    剤することを特徴とする消化器疾患治療・予防剤の製造
    方法。
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