JPH09500786A - 携帯式動力機械の振動絶縁具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 内燃エンジンと、エンジンにより駆動される工具と、エンジンと工具間に延設されたブームと、クラッチハウジングと、スタータユニットと、絶縁具とを有する手持式動力機械である。クラッチハウジングとスタータユニットと絶縁具は動力機械のブームを備えた後方部に設けられている。絶縁具は熱可塑性ゴムで形成するのが望ましく、クラッチハウジングとスタータユニット間に設けられる。クラッチハウジングとスタータユニットはそれらの間に延びる止め具により接続されているが、止め具は絶縁具を貫通しない。絶縁具は柔軟に設置されているので、絶縁具は使用者にとっては効果的にエンジンの振動を減衰し、局部応力が発生せず、初期の破損が防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】 携帯式動力機械の振動絶縁具 技術分野 本発明は手持式動力機械に関し、特に手持式動力機械の使用者にエンジン振動 が伝達するのを減衰させるための振動絶縁具に関する。 背景技術 ライントリマ(line trimmer)のような手持式動力機械は、通常電動モータ又は 小型の単気筒内燃エンジンにより動力を得ている。エンジンを装備した動力機械 の場合、使用者が作業を続行したくない時にエンジンの作動を停止させるための 何らかの手段が設けられている。これを行うため広く採用されている方法の一つ として、スパークプラグへの電力の供給をアース側に流すオン／オフスイッチ又 は遮断スイッチの使用によるものがある。例えば、タグル氏(Tuggle)による米国 特許第4,286,675号には、ライントリマ等に用いられる動力ハンドルであって、 後方ハンドルの握り部分近くに位置したイグニッション遮断スイッチを有する細 長形状の動力ハンドルが示されている。通常、エンジンが使用者の背面側にあり 、イグニッション遮断スイッチがエンジンの直ぐ近くに設けられたライントリマ のような動力機械は、そのスイッチを操作するために使用者は通常の操作位置か ら片手又は両手をずらる必要があった。 手持式動力機械にしばしばあらわれる別の問題点としては、エンジンの振動が 使用者に伝わることが挙げられる。動力機械はパッド付ハンドルや振動をいくぶ ん低減するための低価格な装置が設けられていることもあるが、エンジンを使用 者や動力機械の他の部分と絶縁する改良されたシステムが必要とされる。 発明の開示 本発明は、内燃エンジンと、そのエンジンにより駆動される工具と、エンジン と工具間に延設されたブームとを有するライントリマのような手持式動力機械で ある。クラッチハウジングとスタータユニットと絶縁具がブームを備えた動力機 械の後端部に設けられる。この絶縁具は熱可塑性ゴムで作られるのが好ましく、 クラッチハウジングとスタータユニットとの間に設けられる。クラッチハウジン グとスタータユニットは、それらの間に延びる止め具により接続されるが、止め 具は絶縁具を貫通しない。絶縁具はソフトに設置されているので、使用者へのエ ンジン振動を効果的に減衰し、局部応力の発生がなく、初期の破損が生じない。 したがって、本発明の目的は、使用者へのエンジン振動の伝達を減衰させる上 述したタイプの動力機械を提供することである。 本発明による上述の又は他の目的、特徴、利点は、添付の図面を参照にして、 以下に記述する本発明を実施する最良の形態についての詳細な説明から容易に理 解される。 図面の簡単な説明 図１は本発明による手持式ライントリマの斜視図である。 図２は手持式ライントリマの概略図である。 図３はエンジン遮断スイッチ用のアクチュエータアセンブリを有するライント リマの破断斜視図である。 図４は図３の線４−４に沿ったライントリマの縦断面図である。 図５は図２に示したアクチュエータアセンブリ、ブーム及び遮断スイッチの斜 視図である。 図６は図４の線６−６に沿った断面図である。 図７は図４の線７−７に沿った断面図である。 図８はクラッチハウジング及び絶縁具を含むライントリマの分解斜視図である 。 図９はクラッチハウジング、絶縁具及びスタータハウジングの分解斜視図であ る。 図１０は絶縁具の他の実施例の斜視図である。 図１１は絶縁具のその他の実施例の斜視図である。 図１２はライントリマのヘッドアセンブリの斜視図である。 発明を実施するための最良の形態 図面を参照にして、本発明の望ましい実施例を説明する。図１から図７、及び 図１２は芝刈りや園芸作業を行う際に使用する本発明によるライントリマ１０を 示している。ライントリマ１０は、動力ヘッドアセンブリ１３に収納された単気 筒２サイクル望ましくは４サイクルの内燃エンジン１２と、そのエンジ ンにより駆動される工具１４と、エンジンと工具間に延在した長尺の管又はブー ム１６とアクチュエータ１８とを有する。 エンジン１２の点火系としては、スパークプラグ２０、電子点火制御ユニット ２２及び電気回路内で電気的に接続されたオン／オフスイッチ又は遮断スイッチ ２４とを有する。スパークプラグ２０は、エンジン１２のシリンダ内で燃料・空 気混合物を燃焼させるためのスパークを発生させ、一方、電子点火制御ユニット ２２は公知のようにスパークプラグ２０によるスパークの発生タイミングを制御 するためのマイクロプロセッサを有する。 遮断スイッチ２４は、二分割されたハウジング部材２６、２８の下方位置で、 かつブーム１６の下側に設置されており、ブームは円筒状で均一な壁厚を有し、 その全長にわたってほぼ円断面を有することが好ましい。遮断スイッチ２４は、 ブームの下側でハウジング部材の内部に設けられていることから比較的保護され た位置に設けられており、この動力機械１０の使用者は、アクチュエータ１８を 介して遮断スイッチ２４を作動させて、エンジン１２を停止させることを可能と している。アクチュエータ１８は、カラー部３０と指あて部３２と延在部３４と を有し、それらの部材は射出成形したプラスチック部材のように一体構造である ことが望ましい。カラー部３０は、互いに反対方向に垂下し比較的柔軟な一対の 脚部３６が備えられ、この脚部３６はブーム１６の外周面を取り囲むように設け られてブームの外周面に対して摺動係合する。ブーム１６はアクチュエータの組 付けや操作の際に、アクチュエータ１８を滑らかに案 内したり保持する役割を果たす。 指あて部３２はカラー部３０の上部に接続され、第１位置又は定常作動位置と 第２位置間をカラー部３０と共に移動可能である。指あて部３２がエンジン１２ に向けて後方に摺動した第１位置では、エンジンの点火コイル３８の高電圧側３ ７と電子点火制御ユニット２２間で電気回路は閉成され、電流が点火プラグ２０ に供給可能となる。使用者がエンジン１２の作動を停止させたい時には、指あて 部３２をエンジンから離反する前方方向に摺動させてカラー部３０を移動させる 。 延在部３４はカラー部３０から垂下して設けられ、遮断スイッチ２４に係合す るように設けられる。即ち指あて部３２が第２位置へ移動したとき、遮断スイッ チ２４は点火コイル３８の低電圧側３９とアース間で電気回路を閉成する。この ことにより、スパークプラグ２０と電子点火制御ユニット２２間の電気回路はア ースされる。ただし、スパークプラグへの電気の供給を中断又は遮断する方法は 、他にもあり、またこのアクチュエータ及び遮断スイッチの構成は、電流をスパ ークプラグに供給する従来のマグネトを備えたエンジンにも同等に適用できる。 スロットルトリガ４０を操作するために、使用者の手の一方が通常はハウジング 部材２６、２８を把持しているので、指あて部３２は容易に触ることができ、前 方又は後方のいずれの方向にも移動可能である。従って、使用者の手を操作位置 から離すことなく、エンジンの作動を停止させることが可能となる。 図４に示したように、ブーム１８の中心軸を略水平面に沿わせると、指あて部 ３２が上方を向いており、この動力機械１０ の方向をアップライト方向とする。この動力機械の方向は、ブーム１６が使用者 の腰付近から地面に対して下方に角度をとる通常の操作位置とは異なる。このア ップライト方向では、指あて部３２と遮断スイッチ２４は水平面に対して互いに 反対側に設けられている。本発明のブーム１６は全長にわたってほぼ直線状であ ることが望ましいが、このブームは１本以上の直線部材を種々の角度で接続して 構成させることも、又は１本以上の湾曲部材を用いて構成させることも可能であ る。 本発明のアクチュエータには様々な利点があり、例えば、比較的安価なスイッ チでも高品質な使用感を与えることや、遮断スイッチ及び関連の配線を動力機械 の下側半分のアセンブリ側に配置可能なことである。しかして遮断スイッチは修 理や交換がし易くなるが、通常の作業の際に離脱することはない。更に、このア クチュエータはブームによって案内され、かつ保持され、簡単に組付け及び取外 しができるようにブームにスナップ止め可能な弾性材料で製造することが可能で ある。 図８及び図９に示されるブーム部は、ブーム１６と、内燃エンジン１２と工具 １４の間に延びる上部ハウジング部材２８と下部ハウジング部材２６を含む。組 立に際しては、スタータユニット又はスタータハウジング５２はエンジン１２に 接続され、クラッチドラムを内蔵するクラッチハウジング５４は、クラッチハウ ジング５４とスタータハウジング５２間に延びる止め具５６によりスタータハウ ジングに固定される。熱可塑性ゴム（ＴＰＲ）製の絶縁具５８がクラッチハウジ ング５４とスタータユニット５２の間に設けらている。絶縁具５８の外縁はこれ らハウジング５２、５４の外縁輪郭を越えて外側に延び、絶縁具の外周部が上部 ハウジング部材と下部ハウジング部材によって形成された溝６０内に保持される 。絶縁具５８の内側周辺部は、クラッチハウジング５４から延びるフランジ６２ より保持され、絶縁具の上部左角と右角近辺は、スタータハウジング５２から延 びるフランジ６４及び６６により保持される。絶縁具５８の厚みは約１／２乃至 ３／４インチであるのが好ましく、輪郭全体が略均一な厚みを持つことが望まし い。このようにして、絶縁具５８はハンドル６８やブームを、エンジンクラッチ やスタータユニットから分離している。 絶縁具５８は、ブーム部へのエンジン振動の伝達を減衰する働きをする。ブー ム部は使用者により把持されるので、エンジンの振動が使用者に伝わる前に減衰 される。止め具５６は絶縁具５８を貫通しないので、絶縁具は上部ハウジング部 材と下部ハウジング部材内の溝６０により所定の位置に保持される。絶縁具５８ は柔軟に設置されており、機械的な取付けによって増大した負荷が直接作用する ような部分がないので、局部応力の発生を防止でき、絶縁具の初期の破損を避け られる。 絶縁具５８はエンジン全体を十分に支持できるサイズである。エンジンの振動 方向やモーメントに関係なく、この支持によりエンジンの振動を減衰できる。例 えば、エンジンによって発生した種々の振動は、半クランク(half crank)又は片 持ち支持のクランク軸付きエンジンの不釣り合い偶力や、不釣り合いの住復質量 によるＸ−Ｙ力、２サイクル又は４サイクルエンジンのＺ軸の回りの接線方向の トルク反応(tangential torque react ion)等による振動である。 図１０は、外縁部に沿って配置した複数の孔７２を有する絶縁具７０の別の実 施例を示す。孔７２により適切な共振が得られ、伝達率が低下可能な高度に変形 可能な構成部品となる。図１１は同じ目的を実現する絶縁具の別の実施例８０を 示す。 本発明は手持式ライントリマに基づいて説明したが、本発明はチェーンソーの ような他の手持式動力機械にも同様に適用可能であることは容易に想像できる。 本明細書に記載した本発明の形態は本発明の望ましい実施例であるが、本発明の 全ての考えられる形態を示すものではないことも理解されよう。使用された用語 は限定というより説明のための用語であり、本発明の精神と範囲から逸脱しない かぎり様々な変更が可能であることも理解されよう。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ブリングハースト、ローリー アメリカ合衆国、アリゾナ州 85019、フ ェニックス、エヌ．35ティーエッチ ドラ イブ 5530 (72)発明者 スッチデブ、ラクビア シング アメリカ合衆国、アリゾナ州 85044、フ ェニックス、イー．デザート ウィロー ロード 3503

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．内燃エンジンと、 該内燃エンジンにより駆動される工具と、 該内燃エンジンと該工具との間に延びるブームと、 該内燃エンジンに接続されたスタータユニットと、 該スタータユニットの前方側で該内燃エンジンとは離反した位置に該スタータ ユニットに接続されたクラッチハウジングと、 該クラッチハウジングと該スタータユニットの間に設けられたゴム製の振動絶 縁具を有することを特徴とする手持式動力機械。