JPH0949671A - 冷凍空調装置 - Google Patents

冷凍空調装置

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JPH0949671A
JPH0949671A JP13336196A JP13336196A JPH0949671A JP H0949671 A JPH0949671 A JP H0949671A JP 13336196 A JP13336196 A JP 13336196A JP 13336196 A JP13336196 A JP 13336196A JP H0949671 A JPH0949671 A JP H0949671A
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JP
Japan
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refrigerant
flow
passage
evaporator
flow path
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JP13336196A
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English (en)
Inventor
Kazuhiro Endo
和広 遠藤
Hiroaki Matsushima
弘章 松嶋
Masayuki Nonaka
正之 野中
Hiroshi Kogure
博志 小暮
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 蒸発器の各冷媒経路への冷媒分配不均一によ
る蒸発器の熱交換性能の低下を改善する。 【解決手段】 複数の冷媒経路をもち冷媒が複数の冷媒
経路に分流後、各冷媒経路間の冷媒の位置ヘッドに差の
生じる蒸発器を構成要素とする冷凍空調装置において、
蒸発器の冷媒経路の途中に断面縮小流路部を設け、この
流路部と、この流路部より冷媒位置ヘッドが小さい他の
冷媒経路の途中の流路底部とを連通した冷媒経路連通流
路を設ける。 【効果】 冷媒低流量時、冷媒が流れにくくなった蒸発
器冷媒経路へ、冷媒経路連通流路を通して他の冷媒経路
から液冷媒が供給されることにより、蒸発器の熱交換性
能の改善が図れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は冷凍空調装置に関す
る。
【0002】また、本発明は冷凍空調装置において、蒸
発器の複数冷媒流路への冷媒分配不均一により生ずる蒸
発器の熱交換性能低下の改善に関する。
【0003】
【従来の技術】冷凍空調装置において、複数の冷媒経路
を持つ蒸発器に気液二相状態の冷媒を均等に分配する分
流器に関しては、例えば、特開平6−117725号公
報に示されている。これは、分流器内にねじれテープを
挿入し、気相と液相を撹拌し、分流器内での冷媒の偏り
をなくし、各冷媒経路に冷媒を均等に分配するようにし
たものである。
【0004】一方、複数の冷媒流路から構成される蒸発
器は、複数流路へ冷媒を分流する分流器の取付け誤差
や、分流器に流入する二相冷媒の気液の偏り等により、
冷媒分配が均等に行われず、一部の流路内の冷媒が先に
過熱してしまい、蒸発器の熱交換性能が低下するという
問題がある。
【0005】これを改善する方法が、実開平6−550
67号公報に示されている。これは、複数冷媒流路間
を、曲がり流路の外周側壁面に設けた通孔を介して連通
している。この複数冷媒流路間を連通する連通流路は冷
媒の合流及び分流を起こす混合部となる。この構成にお
いて、複数の各冷媒流路内の流体の運動量が、混合部と
なる連通流路に流入する流体の運動に寄与し、各流路か
ら冷媒が連通流路内に流入する。各流路から連通流路内
に流入した冷媒は互いに衝突、混合し、さらに下流の各
冷媒流路に分流される。このとき、複数流路内の冷媒の
温度が混合部となる連通流路内において均一となり、一
部の流路内の冷媒の過熱が緩和されるという効果があ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の分流器は冷媒循
環量が変化する場合は考慮されておらず、特に、冷媒循
環量が低下した場合には問題となる。したがって、従来
の分流器を、複数の冷媒経路をもち冷媒が複数の冷媒経
路に分流後、各冷媒経路間の冷媒の位置ヘッドに差の生
じる蒸発器に用いる場合、冷媒流量が低下すると、蒸発
器の各冷媒経路の位置ヘッド差が冷媒の分流に与える影
響が大きくなり、冷媒分配が不均一となり、蒸発器の熱
交換性能が低下するという問題が生じる。
【0007】以下、図面を用いて上記課題について説明
する。図9は従来の分流器を用いた蒸発器の斜視図、図
10は図9の蒸発器の冷媒経路、図11は冷媒循環量が
変化する冷凍空調装置のブロック図である。図9におい
て、106は蒸発器である。1は所定の間隔をおいて並
列に置かれた複数の伝熱フィンで伝熱管挿入用の円孔の
列が長手方向に沿って開けられている。2は伝熱フィン
1の円孔に直角に挿入接合された内部を冷媒が流動する
伝熱管で水平管となるように配置される。3は二つの伝
熱管を接続するベンド、4は冷媒を2経路に分流する分
流器で流れ方向と重力の方向が一致するように配置さ
れ、特開平6−117725 号公報に示されているように、分
流器の内部にねじれテープを挿入し、気相と液相の撹拌
を促進する構造としている。5は分流器4と伝熱管を接
続する接続管、6は2経路の冷媒を合流する合流器、図
中矢印は冷媒の流れ方向を示す。蒸発器106は図10
に示すように、上下に2経路の冷媒経路を形成してい
る。上側冷媒経路Aは、冷媒分流後、経路A1からA3
までベンド部で上昇流となり、経路A4からA6までベ
ンド部で下降流となる。一方、下側冷媒経路Bは、冷媒
分流後、経路B1からB3までベンド部で下降流、経路
B4からB6までベンド部で上昇流となる。
【0008】冷媒循環量が変化する冷凍空調装置の構成
図を図11に示す。101は圧縮機、102はインバー
タで、圧縮機101はインバータ102により駆動さ
れ、冷房高負荷時には高速回転で運転され、負荷が小さ
くなるにつれて低速回転となるように制御されている。
103は凝縮器、104は凝縮器用送風機、105は減
圧器としての電動膨張弁で負荷に合わせて制御される。
106は蒸発器、107は蒸発器用送風機である。冷媒
は単一冷媒、共沸混合冷媒、非共沸混合冷媒いずれが封
入されていてもよいが、ここでは単一冷媒が封入されて
いるとする。矢印は冷媒の流れ方向を示す。
【0009】以上のように構成した冷凍空調装置におい
て、圧縮機高速回転時と圧縮機低速回転時の蒸発器の冷
媒分配及び蒸発器の熱交換性能について説明する。圧縮
機高速回転時、冷媒は高流量で冷凍サイクル内を循環す
る。このとき、電動膨張弁105により減圧され、乾き
度の小さい気液二相状態となった冷媒は、蒸発器106
の冷媒分流器4に入り、上側冷媒経路Aと下側冷媒経路
Bに等量づつ分流される。分流後の乾き度の小さい冷媒
は蒸発器用送風機107により送られてくる空気から吸
熱し蒸発し、乾き度の大きい冷媒へと変化して行く。上
側冷媒経路Aに分流された冷媒は、乾き度の比較的小さ
い領域、具体的には経路A1からA3まではベンド部で
上昇流、乾き度の比較的大きい領域、具体的には経路A
4からA6まではベンド部で下降流となり、一方下側冷
媒経路Bに分流された冷媒は、乾き度の比較的小さい領
域、具体的には経路B1からB3まではベンド部で下降
流、乾き度の比較的大きい領域、具体的には経路B4か
らB6までは上昇流となる。すなわち、気相に比べ密度
の大きい液相の割合が大きい乾き度の比較的小さい各冷
媒経路の前半の領域では、各冷媒経路内の冷媒が高低差
をもつことにより位置ヘッド差を生じている。なお、気
相に比べ液相の割合が小さくなる乾き度の比較的大きい
各冷媒経路の後半の領域では、前半に比べ冷媒の位置ヘ
ッド差は小さく、この影響は小さい。冷媒高流量時にお
いては、冷媒分流後の蒸発器伝熱管内の冷媒の流速、圧
力損失が大きいことと、伝熱管内の冷媒の気液混合が強
いため、分流後の各冷媒経路の位置ヘッドの違いが、分
流器4の冷媒分配性能に与える影響は小さく、分流器4
により均等に分流された冷媒はそのまま各冷媒経路に分
配される。
【0010】一方、冷房負荷が小さい圧縮機低速回転
時、循環冷媒流量は小さく、伝熱管内の冷媒流速、圧力
損失が小さくなり、伝熱管内の冷媒の気液混合も弱く、
分流後の各冷媒経路の冷媒位置ヘッドの違い、特に各冷
媒経路の前半の位置ヘッド差が分流器4の冷媒分配性能
に与える影響が大きくなる。すなわち、冷媒分流後、気
相に比べ密度の大きい液相の割合が大きい乾き度の小さ
い冷媒は、位置ヘッドが増加する上昇流となる上側冷媒
経路Aより、位置ヘッドが減少する下降流となる下側冷
媒経路Bの方に流れやすくなり、下側冷媒経路Bの方に
より多量に冷媒が流れるといった冷媒分配の不均一を生
じる。
【0011】図12に、圧縮機高速回転時と圧縮機低速
回転時の蒸発器106の冷媒温度分布を示す。圧縮機高
速回転時には、冷媒分配が均等に行われているため、上
側冷媒経路Aと下側冷媒経路Bの冷媒温度分布は同じと
なり、蒸発器で良好な熱交換が行われているのがわか
る。ここで、冷媒温度が入口から出口に向かって低下す
るのは、伝熱管内の圧力損失によるものである。一方、
圧縮機低速回転時の蒸発器冷媒温度分布は、冷媒分配の
不均一により、多量の冷媒が流れた下側冷媒経路Bにつ
いては出口に向かって低下する分布となるが、少量の冷
媒しか流れない上側冷媒経路Aについては、分流直後
(A1)から空気から吸熱し冷媒温度が上昇し、経路の
途中A3で空気入口温度付近まで達し、これ以降の冷媒
経路では有効な熱交換は行われておらず熱交換性能低下
となっている。図13に、このときの蒸発器冷媒経路の
位置A3とB3付近の伝熱管内冷媒流動状態を示す。こ
こで、上側冷媒経路の位置A3と下側冷媒経路の位置B
3は、分流器4からの冷媒経路の距離がほぼ等しい。下
側冷媒経路の位置B3付近では冷媒は気液二相状態であ
るが、上側冷媒経路の位置A3付近の冷媒は空気によっ
て過熱されたガスが流れている。
【0012】さらに上記従来例では、混合部となる連通
流路内において、冷媒の温度はほぼ均一となるが、二相
冷媒の衝突による混合のため、連通流路内では気液状態
が均質とはならず、混合部となる連通流路の下流の各冷
媒流路に冷媒を均等に再分流できず、蒸発器の熱交換性
能をさほど改善できない。
【0013】本発明の目的は、蒸発器の複数冷媒流路へ
の冷媒分配不均一により生ずる蒸発器の熱交換性能低下
を改善し、冷凍空調装置の成績係数(COP)を向上さ
せることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、少なくとも圧縮機、凝縮器、減圧器、複数の冷媒経
路をもち冷媒が複数の冷媒経路に分流後、各冷媒経路間
の冷媒の位置ヘッドに差の生じる蒸発器を接続し、単一
冷媒または共沸混合冷媒または非共沸混合冷媒を封入し
た冷凍空調装置において、蒸発器の複数に分れた冷媒経
路の途中に断面縮小流路部を設け、この流路部と、この
流路部より冷媒位置ヘッドが小さい他の冷媒経路の途中
の流路底部とを連通した冷媒経路連通流路を設ける。
【0015】上記構成により、冷媒低流量時、冷媒が流
れにくくなった蒸発器の冷媒経路へ、冷媒経路連通流路
を通して他の冷媒経路から液冷媒が供給され、蒸発器の
熱交換が有効に行われる。
【0016】また、上記目的を達成するために、少なく
とも圧縮機、凝縮器、減圧器、蒸発器を接続した冷凍空
調装置で、蒸発器が複数の冷媒流路をもち、その複数の
冷媒流路両端のうち一方に冷媒を複数冷媒流路へ分流す
る分流部、他方に複数冷媒流路の冷媒を合流する合流部
を設けるものにおいて、分流部から冷媒流路に沿ってほ
ぼ等距離の位置にある複数の冷媒流路間に圧力差が生じ
た場合、圧力差により冷媒が複数の流路間を移動する手
段を設ける。
【0017】具体的には、圧力差により冷媒が複数の流
路間を移動する手段として、まっすぐな流路の壁面、ま
たは、曲がり流路内周側の壁面、または、曲がり流路内
周と外周の境界にある壁面に設けた通孔を介して複数流
路間を連通する。
【0018】上記構成において、複数流路間を連通する
通孔をまっすぐな流路の壁面、または、曲がり流路内周
側の壁面、または、曲がり流路内周と外周の境界にある
壁面に設けたため、複数の各流路内の流体の運動量が、
複数流路間を連通する連通流路に流入する流体の運動へ
の寄与が無いか小さくなり、連通流路において、複数の
各流路内の冷媒が合流、衝突、混合するという現象が起
きにくくなる。それに代わって、連通された複数流路間
の圧力差が連通流路に流入する流体の運動に寄与する割
合が大きくなるため、連通流路内では一方向のみの流れ
が生じ、複数流路間の圧力差に応じた冷媒の移動が行わ
れる。
【0019】また、このとき壁面に設ける通孔を壁面下
部に設けることにより、重力の作用により通孔には液の
割合の大きい冷媒が流入するため、複数流路間で主に液
冷媒の移動が行われ、蒸発器の冷媒分配の改善に寄与し
ないガス冷媒の移動は抑えられ、効率的である。
【0020】また、圧力差により冷媒が複数の流路間を
移動する手段を、同一高さとなる複数流路間に設けるこ
とにより、流路間の位置ヘッド差による冷媒の移動をな
くすことができる。
【0021】ところで、冷媒分配不均一時、冷媒分配比
の小さい方の流路では、分配比の大きい方の流路に比べ
て、先に冷媒の乾き度が大きくなり、圧力損失の増加も
先に大きくなるため、分流部からほぼ等距離にある位置
では、冷媒分配比の小さい方の流路の圧力は、分配比の
大きい方の流路の圧力に比べて低い。したがって、上記
構成において、複数流路間の冷媒の移動は、冷媒分配比
の大きい方の流路から小さいほうの流路へと行われるた
め、各流路への冷媒分配が適正化され、蒸発器の熱交換
性能が改善し、冷凍空調装置のCOPが向上する。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面を用
いて説明する。
【0023】図1は本発明の第一の実施例に係る蒸発器
側面の冷媒流路を形成したプレート形配管10の平面
図、図2はプレート形配管10を用いた蒸発器109の
斜視図、図3はプレート形配管と蒸発器の説明図、図4
は蒸発器109を用いた冷凍空調装置のブロック図を示
す。プレート形配管10は図3に示すように、所定の形
状をプレスにより凹凸成形した一対の金属製プレート1
0a,10bをロウ付等により接合し、冷媒流路を形成
したものである。11はプレート10aに成形された凹
部、12は伝熱管2に接続される円孔であり、プレート
10a,10b接合時、11はプレート10b上の対応
する凹部と共に冷媒流路を形成し、伝熱管2を接続する
ベンド部を形成する。同様に13は冷媒分流部、14は
キャピラリ管路、15は冷媒合流部、16は低圧管路を
形成している。17は断面縮小流路部をもつ冷媒流路
で、この流路17はこれより冷媒位置ヘッドが小さい、
すなわち、高さの低い冷媒流路18の底部と冷媒経路連
通流路19により連通している。冷媒経路連通流路19
の途中には逆流防止部20が形成され、逆止弁を構成す
るボール31が収容される。108はキャピラリチュー
ブ、30は低圧配管である。プレート形配管組立時、キ
ャピラリチューブ108の一端はキャピラリ管路14上
に、他端は凹部21上に、キャピラリチューブ本体は低
圧管路16内に配置され、低圧配管30は低圧管路出口
部22上に配置されるように、プレート10aとプレー
ト10bに挟まれて接合される。コンパクトにするため
にプレート形配管は点線41,42で直角に折り曲げら
れる。その後、プレート10a上の円孔と伝熱フィン1
に挿入されている伝熱管2群とが接合され、図2に示す
蒸発器109が形成される。図2において、冷媒は矢印
で示すように、キャピラリチューブ108より流入し、
低圧配管30より流出する。蒸発器109を用いた冷凍
空調装置のブロック図を図4に示す。課題のところで示
した図11の冷凍空調装置との違いは、減圧器として電
動膨張弁105とキャピラリチューブ108を用い、キ
ャピラリチューブ108内の冷媒と蒸発器109出口の
低圧管16内の冷媒を熱交換可能に構成している点であ
り、110はその熱交換部を示す。
【0024】図1を用いて蒸発器109及びプレート形
配管10の冷媒経路を説明する。電動膨張弁105によ
り減圧された冷媒はキャピラリチューブ108及びプレ
ート形配管10上に形成されたキャピラリ管路14を通
り、冷媒分流部13に入る。このとき、冷媒はキャピラ
リ108,14により減圧されるとともに、キャピラリ
チューブ108でプレート形配管10上に形成された低
圧管路16内の低温の冷媒と熱交換し冷却されるため、
冷媒のもつエンタルピは減少し、冷媒分流部13入口の
冷媒乾き度は熱交換しない場合より小さくなる。したが
って、分流部内の気液二相中の液相の割合が増加し、冷
媒分流部内の冷媒の偏りの程度を小さくできる。また、
キャピラリ14で減圧された直後の、気液が混合された
冷媒が分流部13に流入するため、分流部内での気液状
態の均一が図れる。冷媒分流部13では、冷媒は円孔2
3及び24に接続する伝熱管に分流される。蒸発器109
の冷媒経路は図10に示した蒸発器106の冷媒経路と
同じで、冷媒分流後、各冷媒経路に位置ヘッドの違いが
生じる。上下の冷媒経路A,Bに分流した冷媒は、伝熱
管及びプレート形配管流路内を流動しながら、蒸発器用
送風機107により送られてくる空気から吸熱し蒸発
し、最後に伝熱管と接続する円孔25及び26を通っ
て、冷媒合流部15で合流する。合流した冷媒は、合流
部15と連なる低圧管路16内でキャピラリチューブ1
08内の高温冷媒と熱交換し加熱され、低圧配管30を
通って圧縮機101に戻る。
【0025】本発明の蒸発器109の上下各冷媒経路
A,Bへの冷媒分配は、課題のところで説明した蒸発器
106と同様に、冷媒高流量となる圧縮機高速回転時に
は、冷媒分流後の蒸発器伝熱管内の冷媒の流速,圧力損
失が大きいことと、伝熱管内の冷媒の気液混合が強いた
め、分流後の各冷媒経路の冷媒位置ヘッドの違いが冷媒
分流部13の分配性能に与える影響は小さく、各冷媒経
路に冷媒が均等に分配される。一方、冷媒流量が減少す
る圧縮機低速回転時には、伝熱管内の冷媒流速,圧力損
失が小さくなり、伝熱管内の冷媒の気液混合も弱く、分
流後の各冷媒経路の位置ヘッドの違い、特に各冷媒経路
の前半の位置ヘッド差が分流性能に与える影響が大き
く、上側冷媒経路Aより下側冷媒経路Bにより多量の冷
媒が流れるといった冷媒分配の不均一が生じる。
【0026】以下、低流量時、冷媒が流れにくくなった
蒸発器109の上側冷媒経路Aに冷媒経路連通流路19
を通して、下側冷媒経路Bから液冷媒を供給するメカニ
ズムについて説明する。ここでは、説明を容易にするた
め、図5に示すように、上側冷媒経路Aの途中の位置A
3の50の伝熱管に断面縮小流路部51を設けるととも
に、この断面縮小流路部51と下側冷媒経路Bの途中の
位置B3の52の伝熱管の底部とを連通した連通流路1
9を設けたモデルで説明する。ここで、流路51は管5
0の断面積をテーパをつけて絞り、わずかな平行部分の
のど部をつけた後、緩やかなテーパ管により元の断面積
まで広げている。プレート形配管10の流路17にも同
様の形状のものが形成されている。冷媒低流量時、冷媒
分配不均一により、上側冷媒経路Aには少量の冷媒しか
分流されず、分流後すぐに過熱されてしまい、過熱ガス
が断面縮小管部51に流入する。ガスは断面縮小部で増
速し、ベルヌイの定理により圧力は低下する。このと
き、上側冷媒経路Aの断面縮小管部51内の圧力は下側
冷媒経路Bの気液二相の冷媒が流れる52の管内の圧力
より低下し、位置ヘッド差に逆らって、連通管19が下
側冷媒経路Bの伝熱管52内の液冷媒を吸い上げる。こ
れにより、上側冷媒経路Aに液冷媒が供給され、A3以
降の冷媒経路においても空気との熱交換が行われ、蒸発
器の熱交換性能が改善される。
【0027】ここで、図1の連通流路19と連通する流
路17の断面縮小流路部、図5の連通流路19と連通す
る断面縮小流路部51と伝熱管52は直線流路部となっ
ている。このとき、図15で後述するように、直線流路
部内の流体の運動量は連通流路内の流体には作用しな
い。したがって、連通流路で連通された流路間には、位
置ヘッド差の他に圧力差のみが働くという効果がある。
【0028】一方、冷媒が分流部13により各冷媒経路
に均等に分配される冷媒高流量時には、図6に示すよう
に、冷媒経路連通管19の途中に設けられた逆流防止部
20の逆止弁となるボール31が、ボール31上の液冷
媒の重力により、逆流防止部20の底部の通孔に着座
し、冷媒の位置ヘッド差による連通管19内の逆流が防
止される。したがって、均等に冷媒が分流されている時
は、連通管19による冷媒の移動はない。
【0029】以上より第一の実施例では、冷媒低流量
時、冷媒が流れにくくなった蒸発器の冷媒経路へ、冷媒
経路連通流路を通して他の冷媒経路から液冷媒が供給さ
れることにより、蒸発器の熱交換性能の改善が図れる。
また、凹凸成形した一対の金属製プレートを接合し、蒸
発器の冷媒経路の一部を形成したプレート形配管に、冷
媒経路連通流路を設けたため、構成を簡単かつコンパク
トにできる。また、プレート形配管に形成したキャピラ
リと低圧配管を熱交換可能な構成としたので、冷媒分流
部内の気液の偏りの程度を小さくでき、分流性能の向上
を図れる。
【0030】図7に他の実施例のプレート形配管10の
構成図を示す。図1のプレート形配管との違いは、キャ
ピラリ管路14を低圧管路16に沿うようにプレート上
に形成し、キャピラリ管路14内の冷媒と低圧管路16
内の冷媒とを熱交換可能にしている点である。32はキ
ャピラリ接続管である。本実施例は、第一の実施例に比
べ、キャピラリチューブ108を挟んでプレートを接合
することがないので、構成がより簡単になり、コスト低
減が図れる。
【0031】図8は図5の断面流路縮小部51の他の実
施例である。冷媒経路連通管19を流路50内に突き出
している構造としている。この構造でも、ガスの流線が
突起部で曲げられることにより、突起部の圧力が低下す
るため、液冷媒を吸い上げることが可能であり、第一の
実施例と同様の効果が得られる。
【0032】実施例では、蒸発器の分流後の冷媒経路を
2経路で説明したが、3経路以上の複数の冷媒経路を持
つ蒸発器についても、本発明を適用でき、同様の効果が
図れる。
【0033】図14は本発明の第4の実施例に係る蒸発
器の側面図、図15、図16はプレート形U字管を示す
図、図17は冷凍空調装置の構成図、図18は蒸発器の
冷媒温度、圧力変化を示す図、図19は蒸発器の冷媒分
配比とCOPの関係を示す図である。
【0034】図14において620は蒸発器である。5
01は所定の間隔をおいて並列に置かれた複数の伝熱フ
ィンで伝熱管挿入用の円孔の列が長手方向に沿って開け
られている。502は伝熱フィン501の円孔に直角に
挿入接合された内部を冷媒が流動する伝熱管で水平管と
なるように配置される。503aは二つの伝熱管を接続
するU字管、564、565はプレート形のU字管で、
凹凸成形した一対の金属製プレート564a、564b
及び565a、565bをロウ付等により接合したもの
である。572、575はプレート形U字管564、5
65に設けられた分岐流路である。U字管503a、5
64、565で伝熱管2群が接続され、上下に二つのU
字形の冷媒流路A、Bが形成されている。なお、紙面裏
側の伝熱管の連結を点線で示す。566はプレート形U
字管564、565を互いに連通する連通管である。5
67は二また管で、冷媒流路A、Bの入口、出口に接続
され、冷媒の分流及び合流を行う。568に冷媒の流れ
方向、510は空気の流れ方向を示す。A0〜A8、B
0〜B8、E、Fは冷媒流路位置を示す。プレート形U
字管564、565は冷媒流路A、Bの入口から等距離
の位置A2、B2に配置されている。
【0035】図15、図16にプレート形U字管56
4、565の構成を示す。図15(a)において、57
1aは金属製プレート564aに成形されたU字流路を
形成する凹部、572aはU字流路571aの流入口付
近の直線流路下部に垂直に設けられた分岐流路を形成す
る凹部でともに紙面表側に張り出ている。573は分岐
流路572aに設けられた通孔である。矢印568は冷
媒の流れ方向を示す。図15(b)おいて、571b、
572bは金属製プレート564bに形成された凹部で
紙面裏側に張り出ており、564aに形成された凹部5
71a、572aに対応する。また、図16(a)、
(b)おいて、金属製プレート565a、565bに成
形された凹部574a、575a、574b、575
b、及び通孔576は図15と同様に形成されている。
プレート形U字管564は冷媒が下側流路より流入、プ
レート形U字管565は上側流路より流入する構成とな
る。通孔573、576は連通管566により連通す
る。
【0036】図17に図14の蒸発器620を用いた冷
凍空調装置の構成図を示す。601は圧縮機、622は
凝縮器、604は減圧器、620は前記蒸発器であり、
順次配管接続され、冷媒が封入されている。冷媒は矢印
568の方向に流れる。また、623は凝縮器用送風
機、625は蒸発器用送風機である。
【0037】以上のように構成した冷凍空調装置の動作
について説明する。ガス冷媒は圧縮機601により圧縮
され、高温高圧のガス冷媒となり、凝縮器622におい
て、凝縮器用送風機623により送風される空気へ放熱
して凝縮し、減圧器604で減圧され低温低圧となり、
蒸発器620において、蒸発器用送風機625により送
風される空気から吸熱して蒸発し、圧縮機601に戻る
サイクルを繰り返す。
【0038】この時の蒸発器での冷媒の動作状態を詳細
に説明する。減圧器604で減圧され、乾き度の低い気
液二相状態となった冷媒は、図14の矢印568の方向
に蒸発器620の入口側二また管567に流入し、上側
冷媒流路Aと下側冷媒流路Bに分流される。この時、分
流器となる二また管の取付け誤差や二また管に流入する
二相冷媒の気液の偏りにより、冷媒分配が均等に行われ
ない。流路Aに流入する冷媒流量をGa、流路Bに流入
する冷媒流量をGbとし、冷媒分配比をGa/(Ga+
Gb)で定義すると、ある条件で測定した分流直後の冷
媒分配比は0.41となった。上側流路Aに分流された冷媒
は経路A0〜A8、下側冷媒流路Bに分流された冷媒は
経路B0〜B8を通る際、空気から吸熱し蒸発し、蒸発
器の出口側の二また管507で合流し、圧縮機601に
戻る。
【0039】比較のため、本発明適用前の蒸発器の冷媒
温度、圧力変化を図18(a)に示す。これは、連通管
566を閉塞した状態で測定したものである。冷媒分配
比0.41の流路Aでは位置A6で冷媒が過熱しており、A
6以降では有効な熱交換が行われず、熱交換器の性能低
下を示している。また、冷媒分配比の小さい方の流路A
では、分配比の大きい流路Bに比べて、先に冷媒の乾き
度が大きくなるため、圧力損失の増加割合が大きく、し
たがって、冷媒分配比の小さい方の流路Aの圧力は、冷
媒分配比の大きい方の流路Bの圧力に比べて低いことが
わかる。本発明はこの圧力差を利用したものである。
【0040】流路Aと流路Bに設けられた分岐流路57
2、575は、直線流路下部に垂直に設けられたため、
各A、B流路内流体の運動量が分岐流路572、575
内に流入する冷媒の運動に寄与することはなく、分岐流
路572、575内の冷媒には流路A、B間の圧力差が
作用するとともに、重力の作用により液の割合の大きい
冷媒が流れ込む。そのため、連通管566内では、流路
A、B間の圧力差に応じた液冷媒の移動が行われ、蒸発
器の冷媒分配の改善に寄与しないガス冷媒の移動は抑さ
えられ、効率的である。液冷媒の移動は冷媒分配比の大
きい方の流路から小さい方の流路へと行われるため、各
流路への冷媒分配が適正化され、蒸発器の熱交換性能が
改善される。図18(b)に本発明適用時の本実施例で
の蒸発器の冷媒温度、圧力変化を示す。冷媒分配比は0.
41から0.47に改善されており、過熱域の領域が減少し、
蒸発器の熱交換性能が向上したのがわかる。圧力変化は
流路A、Bともほぼ同じ傾向を示すようになっている。
なお、流路間を連通する位置は、2流路間の圧力差が大
きい位置が良い。本実施例では、中央部より上流側の位
置に設けている。流路の下流ほど、すでに冷媒が過熱し
てしまっている可能性があり、その位置で流路を連通
し、冷媒の移動を行わせても過熱域がすでに生じている
ことにより熱交換器の性能低下があるため、できるだき
上流で連通した方が良い(図18(a)参照)。
【0041】図19に計算で求めた冷媒分配比と冷凍空
調装置のCOPの関係を示す。冷媒が均等分配された場合
のCOPを1とした相対値で表している。本発明により
蒸発器の冷媒分配比が0.41から0.47に変化することによ
り、冷凍空調装置のCOPを4%向上することができ
る。
【0042】本発明の第5の実施例を図20〜図34を
用いて説明する。図20は室内熱交換器の冷媒流路を示
す図、図21は室外熱交換器の冷媒流路を示す図、図2
2はヒートポンプ式空調装置の構成図、図23〜図34
は二つの冷媒流路間を連通する連通部の構成を示したも
のである。
【0043】図22において、601は圧縮機、602
は室内熱交換器、603は室外熱交換器、604は減圧
器、605は冷房暖房切り替えのための四方弁で、配管
接続され冷媒が封入されている。冷媒は冷房運転時、実
線矢印611方向へ、暖房運転時、点線矢印612方向
へ流れる。606は室内熱交換器用送風機、607は室
外熱交換器用送風機である。
【0044】図20は室内熱交換器の側面図で、冷媒流
路を示したものである。501は伝熱フィン、502は
伝熱管で、a1〜a8、b1〜b8は伝熱管の位置を示
す。503の実線は紙面表側での伝熱管502の連結を
示し、504の点線は紙面裏側での伝熱管502の連結
を示す。505は二また管、506はT字形二また管、
507は複数流路間を連通する連通部を示す。冷媒流路
は一部N字形をした2流路C、Dが形成され、流路Cは
二また管505、伝熱管a8、a7、a2、a1、b
4、b3、b2、b1、T字形二また管506を連結、
流路Dは二また管505、伝熱管a4、a3、a6、a
5、b8、b7、b6、b5、T字形二また管506を
連結している。連通部507は冷媒分流を行う二また管
505から等距離の位置となる流路Cの伝熱管a7、a
2間の流路と流路Dの伝熱管a3、a6間の流路を同一
高さで連通している。冷媒は冷房運転時、実線矢印61
1の方向へ、暖房運転時、点線矢印612方向へ流れ
る。
【0045】図23、図24に二つの冷媒流路C、Dを
連通する連通部507の第1の構成を示す。図23は配
管の正面図、図24はその断面図を示す。511、51
2は冷媒配管で、U字形をしており、冷媒配管511の
両端は図20の伝熱管a3、a6と接続、冷媒配管51
2の両端は伝熱管a2、a7と接続される。冷媒配管5
11、512の中間部は偏平に加工され、連通孔513
が設けられ接合されている。
【0046】以上のように構成された室内熱交換器60
2の冷房運転時の冷媒の動作状態を説明する。冷房運転
時、室内熱交換器は蒸発器として働く。減圧器604で
減圧され、低温低圧の乾き度の低い気液二相状態となっ
た冷媒は、実線矢印611の向きに二また管505に流
入し、二つの冷媒流路C、Dに分流される。この時、冷
媒分配の不均一が発生した場合、各流路に分れた冷媒が
空気から吸熱し蒸発する際、冷媒分配比の小さい方の流
路では、分配比の大きい流路に比べて、先に冷媒の乾き
度が大きくなるため、圧力損失の増加割合が大きく、二
つの冷媒流路C、Dを連通する連通部507では冷媒分
配比の小さい方の流路の圧力は、冷媒分配比の大きい方
の流路の圧力に比べて低い。したがって、この圧力差に
より図23に示す冷媒配管511、512に設けられた
連通孔513を介して冷媒の移動が行われる(図2
5)。このとき、連通孔513は直線流路壁面に設けら
れたため、各C、D流路内の流体の運動量が連通孔51
3に流入する冷媒には作用しない。また、流路間を同一
高さで連通しているため、流路間の位置ヘッド差をなく
すことができる。冷媒流量が低いとき、流路の圧力損失
は低くなり、冷媒分配不均一時に生じる流路間の圧力差
も小さくなる。このとき、もし連通している流路間に位
置ヘッド差があると、この位置ヘッド差の影響が大きく
なり、流路間の圧力差による冷媒の移動が適正に行われ
ないということがおこる。したがって、流路間を同一高
さで連通することにより、流路間の位置ヘッド差による
冷媒の移動を抑えることができ、冷媒流量が低いときで
も流路間の適正な冷媒の移動が可能である。以上によ
り、連通孔513には流路間の圧力差のみが作用し、冷
媒の移動は冷媒分配比の大きい方の流路から小さい方の
流路へと行われるため、各流路への冷媒分配が適正化さ
れる。冷媒分配が適正化された冷媒は流路後半で空気と
有効な熱交換を行い、蒸発器出口でT字形二また管6で
合流し、四方弁605を経由して圧縮機601に戻る。
この時、蒸発器の熱交換性能が改善される。また、連通
部として、冷媒配管どうしを接合し、接合面に連通孔を
設けたため、構成が簡単である。
【0047】図26〜28に連通部507の第2の構成
を示す。図26は配管継手の正面図、図27、図28は
その断面図である。520は配管継手で、管を素材とし
て塑性加工され、合わせ部521(断面図では521
a)で接合されている。配管継手520は垂直方向に配
置される。522から525は冷媒配管で、配管継手5
20に挿入、接合されている。配管522、523、5
24、525の他端はそれぞれ図20の伝熱管a3、a
6、a2、a7と接続されている。配管継手520は図
27に示すように配管522、523の中継流路52
6、配管524、525の中継流路527、流路52
6、527を連通する連通流路528を形成する。この
構成における連通部での作用は第一の構成の場合と同じ
である。連通部として第2の構成を用いる時の、第1の
構成との効果の違いは、図20に示す冷媒流路だけでな
く、他の冷媒流路に対しても、配管継手20に接続され
る配管を変えることにより容易に対応できるという長所
がある。
【0048】図29から図21に連通部507の第3の
構成を示す。図29は配管の正面図、図30は要部側面
図、図31は断面図である。530、531は冷媒配管
で、配管の途中で位置ヘッドが等しい水平直線部を設け
ている。配管530は図20の伝熱管a3、a6と接
続、配管31は伝熱管a2、a7と接続される。532
は両端532aをつぶし接合した短管で、図31に示す
ように配管530、531の壁面下部に接合され、接合
部には通孔533、534が設けられている。配管53
0、531と短管532の接合部は水平となるように配
置される。この構成における連通部での作用を説明す
る。冷媒分配不均一時、二つの冷媒流路を連通する連通
部では、冷媒分配比の小さい方の流路の圧力は、冷媒分
配比の大きい方の流路の圧力に比べて低くなり、連通部
となる通孔533と534の間で圧力差を生じる。この
圧力差により、図32に示すような冷媒の移動が行われ
る。このとき、連通孔533、534は直線流路壁面に
設けられたため、各流路内の流体の運動量が連通孔に流
入する冷媒に作用することはない。また、配管530、
531の壁面下部に通孔533、534が設けられてい
るため、重力の作用により短管532内には液冷媒が流
れ込む。そのため、圧力差に応じた液冷媒の移動が行わ
れ、蒸発器の冷媒分配の改善に寄与しないガス冷媒の移
動は抑えられ、効率的な冷媒の移動を行うことができ
る。また、連通部を同一高さに設けているため、流路管
の位置ヘッド差による冷媒移動を抑えることができる。
以上により、液冷媒の移動は冷媒分配比の大きい方の流
路から小さい方の流路へと行われるため、各流路への冷
媒分配が適正化され、蒸発器の熱交換性能が改善され
る。
【0049】図33に連通部507の第4の構成を示
す。図33は配管継手の平面図、図34はその断面図で
ある。535は配管継手で、管を素材として塑性加工さ
れ、合わせ部521で接合されている。配管継手は水平
方向に配置される。冷媒配管522〜525は配管継手
535に挿入、接合されている。配管継手535は2流
路の下部を連通する連通流路536を形成する。この構
成における連通部での作用は第3の構成の場合と同じで
ある。連通部として第4の構成を用いる時の、第3の構
成との効果の違いは、図20に示す冷媒流路だけでな
く、他の冷媒流路に対しても、配管継手535に接続さ
れる配管を変えることにより容易に対応できるという長
所がある。
【0050】次に、室内熱交換器602の暖房運転時の
冷媒の動作状態を図20と図22を用いて説明する。暖
房運転時、室内熱交換器は凝縮器として働く。圧縮機6
01で高温高圧となったガス冷媒は四方弁605を経由
し、図20の点線矢印612の向きにT字形二また管5
06に流入し、二つの流路C、Dに分れ、空気へ放熱、
凝縮し、二また間505で合流し、減圧器604に送ら
れる。凝縮器での冷媒の圧力損失は、蒸発器での圧力損
失に比べ約1/10程度となる。したがって、冷媒分配
不均一時に生じる連通部507の流路間の圧力差は非常
に小さく、流路間の冷媒の移動はほとんどなく、連通部
507があることによって凝縮時の冷媒分配に悪影響を
及ぼすことはない。
【0051】図21は室外熱交換器603の側面図を示
したものである。熱交換器下段にはU字形の2流路H
1、H2を形成し、熱交換器上段及び中段には、2流路
H1、H2をさらに二つずつ分ける一部N字形をした流
路G1、G2及びG3、G4を形成している。すなわ
ち、室外熱交換器603の冷媒流路は一部2流路の4流
路構成となっている。流路G1、G2及び流路G3、G
4は室内熱交換器602の流路構成と同じである。2流
路間を連通する連通部507a、507b、507cは
流路H1、H2間、流路G1、G2間、流路G3、G4
間にそれぞれ分流部となる二また管5から等距離の位置
に、同一高さで設けられている。
【0052】以上のように構成された室外熱交換器60
3の暖房運転時の冷媒の動作状態を説明する。暖房運転
時、室外熱交換器は蒸発器として働く。減圧器604で
減圧され、低温低圧の乾き度の低い気液二相状態となっ
た冷媒は、点線矢印612の向きに二また管505aに
流入し、2流路H1、H2に分流する。この時、冷媒分
配の不均一が発生した場合、室内熱交換器602のとこ
ろで説明したように、連通部507aにおいて圧力差に
より冷媒が移動し、流路H1、H2の冷媒分配が適正化
される。流路H1の冷媒は二また管505bで、流路G
1、G2に分れる。ここで冷媒分配の不均一が生じたと
きは、連通部507bにおいて、冷媒分配適正化が行わ
れる。一方、流路H2の冷媒は二また管505cで、流
路G3、G4に分れる。ここで冷媒分配の不均一が生じ
たときは、連通部507bにおいて、冷媒分配適正化が
行われる。以上より、4つの流路G1、G2、G3、G
4には分配がほぼ均等となった冷媒が流れるため、蒸発
器の熱交換が有効に行われる。
【0053】次に、室外熱交換器603が冷房運転時
に、凝縮器として働くときの連通部507a、507
b、507cの動作状態について説明する。凝縮器での
冷媒の圧力損失は、蒸発器での圧力損失に比べ約1/1
0程度となる。したがって、冷媒分配不均一時に生じる
連通部の流路間の圧力差は非常に小さく、流路間の冷媒
の移動はほとんどなく、連通部があることによって凝縮
時の冷媒分配に悪影響を及ぼすことはない。
【0054】以上、冷房暖房運転時とも、蒸発器として
働く熱交換器の各流路への冷媒分配が適正化され、熱交
換が有効に行われるため、ヒートポンプ空調装置のCO
Pが向上する。
【0055】本発明の第6の実施例を図35〜37を用
いて説明する。図35は蒸発器630の側面図、図36
はその冷媒流路図、図37はプレート形配管の構成図で
ある。
【0056】図36に示すように、蒸発器630は2流
路I、Jを形成し、流路Iの伝熱管a5、b4間の流路
と流路Jの伝熱管a4、b5間の流路を立体交差させ、
連通部508を設けている。図35に連通部508及び
冷媒分流部を金属製プレートで形成したときの熱交換器
の側面図を示す。540はプレート形の配管で541、
542、543からなる二また流路、連通孔546をも
つ立体交差流路544、545を形成する。
【0057】図37にプレート形配管540の構成図を
示す。プレート形配管540は凹凸成形及び通孔を設け
た金属製プレート540a、540b、540cを重ね
合わせロウ付等により接合したものである。金属製プレ
ート540a上の542、544は紙面表側に張り出し
ている凹部で、それぞれ金属製プレート540bととも
に冷媒流路J側のの二また流路及び交差流路を形成す
る。548は伝熱管と接続される通孔である。546は
流路I、Jを連通する連通孔で、交差流路544の下部
に位置する。金属製プレート540c上の543、54
5は紙面裏側に張り出している凹部で、それぞれ金属製
プレート530bとともに冷媒流路I側の二また流路及
び交差流路を形成する。547は凹部545の流路に対
し垂直下側に設けられた分岐流路を形成する凹部で、金
属製プレート540b上の連通孔546を介して流路J
と連通する。549は切り欠き部である。金属製プレー
ト540a、540b、540cを重ね合わせ接合する
際、配管541を切り欠き部まで挿入することにより、
金属製プレート540bで流路を分ける二また流路を構
成する。
【0058】上記蒸発器630を用いた冷凍サイクル構
成としては、図17に示したものと同じである。但し、
本実施例では図17において、蒸発器の符号620を6
30にする。
【0059】以上のように構成された蒸発器630の冷
媒の動作状態を説明する。減圧器604で減圧され、低
温低圧の乾き度の低い気液二相状態となった冷媒は、矢
印568の向きに配管541に流入し、切り欠き部54
9で分流され、二また流路542と543に分れる。こ
の時、冷媒分配の不均一が発生した場合、各流路に分れ
た冷媒が空気から吸熱し蒸発する際、冷媒分配比の小さ
い方の流路では、分配比の大きい流路に比べて、先に冷
媒の乾き度が大きくなるため、圧力損失の増加割合が大
きく、流路交差部では冷媒分配比の小さい方の流路の圧
力は、冷媒分配比の大きい方の流路の圧力に比べて低
い。したがって、この圧力差により連通孔546を通し
て冷媒の移動が行われる。交差流路は伝熱管内の冷媒が
進路を変える曲がり部を形成している。ここで、交差流
路544の連通孔546を曲がり流路内側となる金属製
プレート540b上に設けたため、流路J内の冷媒の運
動量が連通孔546に流入する冷媒の運動に寄与するこ
とは少ない。また、連通孔546を交差流路下部に設け
たため、重力の作用により連通孔546には液の割合の
大きい冷媒が流れ込む。一方、交差流路545に設けら
れた分岐流路547は、曲がり部となる交差流路545
の内周と外周の境界域に対し垂直下方に設けたため、流
路内の冷媒の運動量が連通孔546に流入する冷媒の運
動に寄与することは少なく、また、重力の作用により連
通孔546には液の割合の大きい冷媒が流れ込む。以上
より、連通孔546を介して、流路I、J間の圧力差に
応じて、液の割合の大きい冷媒の移動が生じる。このと
き、冷媒分配比の改善に寄与しないガス冷媒の移動を少
なくできるので、効率的である。また、交差流路部で流
路間を連通させているため、流路間の位置ヘッド差によ
る冷媒移動を抑さえることができる。冷媒の移動は冷媒
分配比の大きい方の流路から小さい方の流路へと行われ
るため、各流路への冷媒分配が適正化される。冷媒分配
が適正化された冷媒は流路後半で空気と有効な熱交換を
行い、蒸発器出口でT字形二また管506で合流し、四
方弁605を経由して圧縮機601に戻る。この時、蒸
発器の熱交換性能が改善される。また、二また流路及び
連通孔をもつ交差流路をプレート形配管で構成したた
め、簡単かつコンパクトにできる。
【0060】本発明の第7の実施例を図38を用いて説
明する。
【0061】図38は伝熱管が一列の蒸発器640の冷
媒流路を示したものである。冷媒流路は2流路P、Qが
形成され、お互いの流路を挟み込む形をしている。連通
部507は冷媒分流を行う二また管505からほぼ等距
離の位置に、同一高さで、流路P、Qを連通している。
連通部507の構成としては、図23〜34に示した4
つのうちいずれのものも適用でき、伝熱管が一列の蒸発
器についても第1〜3の実施例と同様に、各流路への冷
媒分配が適正化され、蒸発器の熱交換性能が改善され、
冷凍空調装置のCOPが向上する。
【0062】本発明の第8の実施例を図39〜図41を
用いて説明する。図39は蒸発器650の側面図で冷媒
流路を示す。550aは4流路に冷媒を分流する分流
管、550bは4流路を合流する合流管である。蒸発器
650は4流路R1、R2、R3、R4を形成してい
る。558(558a〜558e)は4流路を連通する
連通部であり、流路がUターンする位置に設けられてお
り、分流部から流路に沿ってほぼ等距離、同一高さとな
っている。図40、41に連通部558の構成を示す。
図40に示した550はプレート形の配管で、4流路の
Uターン部551、552、553、554を形成する
とともに、各流路壁面に通孔555と、4つの通孔を連
通する連通流路557を形成する。プレート配管550
は図41に示すように、凹凸成形及び通孔を設けた金属
製プレート550a、550b、550cを重ね合わせ
接合したものである。プレート550a上の流路551
〜554は紙面表側に張り出している凹部、プレート5
50b上の556は紙面裏側に張り出している凹部で、
プレート550a上の551〜554とともに流路を形
成し、伝熱管に接続される。プレート550b上に設け
られた通孔555とプレート550c上に設けられた紙
面裏側に張り出している連通流路557は4流路55
1、552、553、554を連通する流路となる。
【0063】上記蒸発器650を用いた冷凍サイクル構
成としては、図17に示したものと同じである。但し、
本実施例では図17において、蒸発器の符号620を6
50にする。
【0064】以上のように構成された蒸発器650の冷
媒の動作状態を説明する。減圧器604で減圧され、低
温低圧の乾き度の低い気液二相状態となった冷媒は、矢
印568の向きに分流管550aに流入し、4流路R
1、R2、R3、R4に分れる。この時、冷媒分配の不
均一が発生した場合、各流路に分れた冷媒が空気から吸
熱し蒸発する際、冷媒分配比の小さい方の流路では、分
配比の大きい流路に比べて、先に冷媒の乾き度が大きく
なるため、圧力損失の増加割合が大きくなり、4流路間
に圧力差を生じる。まずはじめの流路Uターン部にある
連通部558aで4流路間の圧力差により、冷媒の移動
は相対的に冷媒分配比の大きい方の流路から小さい方の
流路へと行われ、各流路への冷媒分配が適正化される。
しかしながら、流路が4流路と多いため、冷媒分配の適
正化は十分でない場合には、流路下流の連通部558
b、558c、558d、558eでさらに冷媒分配が
適正化される。分配が適正化された冷媒は空気と有効な
熱交換を行い、合流管550bで合流し、圧縮機601
に戻る。この時、蒸発器の熱交換性能が改善され、冷凍
空調装置のCOPが向上する。本実施例によれば、冷媒
流路が三つ以上の場合でも、圧力差に応じて冷媒が配分
され、冷媒分配の適正化が行われる。
【0065】
【発明の効果】本発明は、少なくとも圧縮機、凝縮器、
減圧器、複数の冷媒経路をもち冷媒が複数の冷媒経路に
分流後、各冷媒経路間の冷媒の位置ヘッドに差の生じる
蒸発器を接続し、単一冷媒または共沸混合冷媒または非
共沸混合冷媒を封入した冷凍空調装置において、蒸発器
の複数に分れた冷媒経路の途中に断面縮小流路部を設
け、この流路部と、この流路部より冷媒位置ヘッドが小
さい他の冷媒経路の途中の流路底部とを連通した冷媒経
路連通流路を設けることにより、冷媒低流量時、冷媒が
流れにくくなった蒸発器の冷媒経路へ、冷媒経路連通流
路を通して他の冷媒経路から液冷媒が供給されることに
より、蒸発器の熱交換性能の改善が図れる。また、凹凸
成形した一対の金属製プレートを接合し、蒸発器の冷媒
経路の一部を形成したプレート形配管に、冷媒経路連通
流路を設けたため、構成を簡単かつコンパクトにでき
る。また、プレート形配管に形成したキャピラリと低圧
配管を熱交換可能な構成としたので、冷媒分流部内の気
液の偏りの程度を小さくでき、分流性能の向上を図れ
る。
【0066】また、本発明は、分流部から冷媒流路に沿
ってほぼ等距離の位置にある複数の冷媒流路間に圧力差
が生じた場合、圧力差により冷媒が複数の流路間を移動
する手段、具体的には、まっすぐな流路の壁面、また
は、曲がり流路内周側の壁面、または、曲がり流路内周
と外周の境界にある壁面に設けた通孔を介して複数流路
間を連通する手段を有するので、複数の各流路内の流体
の運動量が、複数流路間を連通する連通流路に流入する
流体の運動への寄与が無いか小さくなり、連通流路にお
いて、複数の各流路内の冷媒が合流、衝突、混合すると
いう現象が起きにくくなる。それに代わって、連通され
た複数流路間の圧力差が連通流路に流入する流体の運動
に寄与する割合が大きくなるため、連通流路内では一方
向のみの流れが生じ、複数流路間の圧力差に応じた冷媒
の移動が行われる。
【0067】また、このとき壁面に設ける通孔を壁面下
部に設けることにより、重力の作用により通孔には液の
割合の大きい冷媒が流入するため、複数流路間で主に液
冷媒の移動が行われ、蒸発器の冷媒分配の改善に寄与し
ないガス冷媒の移動は抑えられ、効率的である。
【0068】また、圧力差により冷媒が複数の流路間を
移動する手段を、同一高さとなる複数流路間に設けるこ
とにより、流路間の位置ヘッド差による冷媒の移動をな
くすことができる。
【0069】さらにまた、本発明においては、複数流路
間の冷媒の移動は、冷媒分配比の大きい方の流路から小
さいほうの流路へと行われるため、各流路への冷媒分配
が適正化され、蒸発器の熱交換性能が改善し、冷凍空調
装置のCOPが向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例のプレート形配管の平面
図。
【図2】プレート形配管を用いた蒸発器の斜視図。
【図3】プレート形配管と蒸発器の説明図。
【図4】本発明の冷凍空調装置のブロック図。
【図5】冷媒分流不適正時の冷媒経路連通流路の冷媒移
動メカニズムの説明図。
【図6】冷媒分流適正時の冷媒経路連通流路の冷媒停止
メカニズムの説明図。
【図7】本発明の第2の実施例のプレート形配管の平面
図。
【図8】本発明の第3の実施例の冷媒流路の要部の説明
図。
【図9】課題を説明するための蒸発器の斜視図。
【図10】蒸発器の冷媒経路の経路の説明図。
【図11】冷凍空調装置のブロック図。
【図12】蒸発器の冷媒温度分布図。
【図13】蒸発器の伝熱管内冷媒流動状態の説明図。
【図14】本発明の第4の実施例に係る蒸発器の側面
図。
【図15】プレート形U字管の構成図。
【図16】プレート形U字管の構成図。
【図17】冷凍空調装置の構成図。
【図18】蒸発器の冷媒温度、圧力変化を示す図。
【図19】蒸発器の冷媒分配比と冷凍空調装置のCOPの
関係を示す図。
【図20】本発明の第5の実施例に係る室内熱交換器の
側面図。
【図21】室外熱交換器の側面図。
【図22】ヒートポンプ式空調装置の構成図。
【図23】連通部の第1の構成図。
【図24】図23の断面図。
【図25】連通部の第1の構成の動作図。
【図26】連通部の第2の構成図。
【図27】図26の断面図。
【図28】図26の断面図。
【図29】連通部の第3の構成図。
【図30】図29の側面図。
【図31】図29の断面図。
【図32】連通部の第3の構成の動作図。
【図33】連通部の第4の構成図。
【図34】図33の断面図。
【図35】本発明の第6の実施例に係る蒸発器の側面
図。
【図36】蒸発器の冷媒流路図。
【図37】プレート形配管の構成図。
【図38】本発明の第7の実施例に係る蒸発器の側面
図。
【図39】本発明の第8の実施例に係る蒸発器の側面
図。
【図40】プレート形配管の側面図。
【図41】プレート形配管の構成図。
【符号の説明】
10…プレート形配管、11…ベンド部、13…冷媒分
流部、15…冷媒合流部、16…低圧管路、17…断面
縮小流路、19…冷媒経路連通流路、501…フィン、
502…伝熱管、507…連通部、511、512…冷
媒配管、513…連通孔、520…配管継手、528…
連通流路、532…短管、533、534…連通孔、5
35…配管継手、536…連通流路、540…プレート
形配管、542、543…二また流路、544、545
…交差流路、545…連通孔、550…プレート形配
管、564…プレート形U字管、566…連通管、60
2…室内熱交換器、603…室外熱交換器、620、6
30、640、650…蒸発器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小暮 博志 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 株式会社日立製作所冷熱事業部内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧縮機、凝縮器、減圧器、複数の冷媒経路
    を含み冷媒が複数の冷媒経路に分流後、各冷媒経路間の
    冷媒の位置ヘッドに差の生じる蒸発器を接続し、単一冷
    媒または共沸混合冷媒または非共沸混合冷媒を封入した
    冷凍空調装置において、前記蒸発器の複数に分れた前記
    冷媒経路の途中に断面縮小流路部を設け、この流路部
    と、前記流路部より前記冷媒位置ヘッドが小さい他の前
    記冷媒経路の途中の流路底部とを連通した冷媒経路連通
    流路を設けたことを特徴とする冷凍空調装置。
  2. 【請求項2】凹凸成形した一対の金属製プレートを接合
    し、前記蒸発器の前記冷媒経路の一部を形成したプレー
    ト形配管に、前記冷媒経路連通流路を形成し、または、
    前記減圧器としてのキャピラリと、前記蒸発器と圧縮機
    の間に位置する低圧管を、前記キャピラリ内の冷媒と低
    圧管内の冷媒を熱交換可能に形成した請求項1に記載の
    冷凍空調装置。
  3. 【請求項3】少なくとも圧縮機、凝縮器、減圧器、蒸発
    器を接続した冷凍空調装置で、蒸発器が複数の冷媒流路
    をもち、その複数の冷媒流路両端のうち一方に冷媒を複
    数冷媒流路へ分流する分流部、他方に複数冷媒流路の冷
    媒を合流する合流部を設けるものにおいて、分流部から
    冷媒流路に沿ってほぼ等距離の位置にある複数の冷媒流
    路間に圧力差が生じた場合、圧力差により冷媒が複数の
    流路間を移動する手段を設けたことを特徴とする冷凍空
    調装置。
  4. 【請求項4】圧力差により冷媒が複数の流路間を移動す
    る手段として、流体の運動量が作用しない流路壁面に設
    けた通孔を介して複数流路間を連通したことを特徴とす
    る請求項3記載の冷凍空調装置。
  5. 【請求項5】圧力差により冷媒が複数の流路間を移動す
    る手段として、流体の運動量が作用しない流路壁面の下
    部に設けた通孔を介して複数流路間を連通したことを特
    徴とする請求項3記載の冷凍空調装置。
  6. 【請求項6】圧力差により冷媒が複数の流路間を移動す
    る手段として、まっすぐな流路の壁面、または、曲がり
    流路内周側の壁面、または、曲がり流路内周と外周の境
    界にある壁面に設けた通孔を介して複数流路間を連通し
    たことを特徴とする請求項3記載の冷凍空調装置。
  7. 【請求項7】圧力差により冷媒が複数の流路間を移動す
    る手段として、まっすぐな流路の壁面下部、または、曲
    がり流路内周側の壁面下部、または、曲がり流路内周と
    外周の境界にある壁面下部に設けた通孔を介して複数流
    路間を連通したことを特徴とする請求項3記載の冷凍空
    調装置。
  8. 【請求項8】圧力差により冷媒が複数の流路間を移動す
    る手段を、同一高さとなる複数流路間に設けたことを特
    徴とする請求項3から7記載の冷凍空調装置。
  9. 【請求項9】分流部から冷媒流路に沿ってほぼ等距離の
    位置にある複数の冷媒流路を配管で構成し、その配管ど
    うしを接合し、接合面に圧力差により冷媒が流路間を移
    動する通孔を設けたことを特徴とする請求項6、7記載
    の冷凍空調装置。
  10. 【請求項10】凹凸成形し通孔を設けた金属製プレート
    を重ね合わせ接合したもので、複数冷媒流路間を連通す
    る流路を形成したことを特徴とする請求項3から8記載
    の冷凍空調装置。
  11. 【請求項11】凹凸成形し通孔を設けた金属製プレート
    を重ね合わせ接合したもので、複数冷媒流路間を連通す
    る流路及び冷媒分流部を形成したことを特徴とする請求
    項3から8記載の冷凍空調装置。
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