JPH06194003A

JPH06194003A - 空気調和機

Info

Publication number: JPH06194003A
Application number: JP4345994A
Authority: JP
Inventors: Mitsuo Kudo; 光夫工藤; Toshihiko Fukushima; 敏彦福島; Mari Uchida; 麻理内田; Hiroshi Kogure; 博志小暮
Original assignee: Hitachi Ltd
Current assignee: Hitachi Ltd
Priority date: 1992-12-25
Filing date: 1992-12-25
Publication date: 1994-07-15

Abstract

(57)【要約】【目的】圧力損失が小さく、冷媒の分流を均一化できる
分流器を備え熱交換性能が大幅に向上するヒートポンプ
型空気調和機を提供する。【構成】平行に多数並べられた複数の円孔を有する伝熱
フィン８に、この円孔を介して伝熱管９を直角に挿入接
合して構成した複数個のクロスフィン型熱交換器と、圧
縮機１，四方弁２，減圧器４からなる冷凍サイクルを含
み、熱交換器のうち冷媒蒸発器として使用される室内熱
交換器５の冷媒回路を形成する伝熱管群の途中に冷媒を
２回路の伝熱管群に分けて流すためのＴ字型冷媒分流器
１０を備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はヒートポンプ型空気調和
機の性能向上に関する。

【０００２】

【従来の技術】ヒートポンプ型空気調和機は、冷房時に
は室内熱交換器を暖房時には室外熱交換器をそれぞれ蒸
発器として使用する。この場合、熱交換器は、例えば、
特開平3−194370 号公報に示すように多数のフィンを所
定の間隔をおいて並置しこれに直行するように複数の伝
熱管を全体として千鳥状になるように貫通して構成され
たクロスフィンチューブ型熱交換器が使用される。

【０００３】冷房運転の場合、圧縮機から吐き出された
高温高圧の気相冷媒は室外熱交換器で空気によって冷却
されて凝縮液化し膨張機構部で減圧されて低温の気液２
相冷媒となって室内側熱交換器に流入し、室内空気との
熱交換によって蒸発潜熱を奪われて蒸発し、再び、気相
冷媒となって圧縮機に吸入されて循環を繰り返す。この
時、例えば冷房運転時に蒸発器として使われる室内熱交
換器において２回路の伝熱管群に流入する冷媒の分流が
均一でない場合には、各々の管群で熱交換器の温度差が
発生し、冷房能力が大幅に低下するという問題や、冷却
されない空気と、冷却された空気とが混合するため下流
側に配置されている送風機やケーシング等に露付きして
しまうという問題があった。

【０００４】そこで従来、冷媒の流れを均等にするた
め、例えば、特開昭64−58998 号公報に記載の分流器が
発明されている。この分流器は２方向に分流するための
Ｕ字状の流出管の曲部中央で流入管と接続されており、
流入管の一方の先端は、流出管に挿入され２方向に向か
って直径方向に対となる小孔が設けられている。膨張機
構部で減圧膨張し流入管内に流入した気液２相冷媒は、
流入管の一端に設けられた小孔より２方向に向かって噴
霧状となって噴出される。また、分流器の片側のパイプ
の径を細くして分流を均一化するものも開示されている
（実開昭63−104952 号公報）。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、小孔や絞り部
を設けるといった上記のような構成では、冷媒回路の圧
力損失が大きくなるとともに、重力の影響によって比重
の大きい液相冷媒が下側に偏流して分流が不均一になり
冷房能力の低下を生じてしまうという問題点や、小孔及
び細径部での急激な減圧によって冷媒流動音が発生する
等の問題点があった。

【０００６】本発明の目的は、簡単な分流器構造で、圧
力損失が小さく、冷媒の分流を均一化でき熱交換性能が
大幅に向上するヒートポンプ型空気調和機を提供するこ
とにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この発明による空調機
は、平行に多数並べられた複数の円孔を有する伝熱フィ
ンに、この円孔を介して伝熱管を直角に挿入接合して構
成した複数個のクロスフィン型熱交換器と、圧縮機，四
方弁，膨張機構からなる冷凍サイクルを有する空気調和
機であって、前記熱交換器のうち冷媒蒸発器として使用
される熱交換器の冷媒回路を形成する伝熱管群の途中に
冷媒を２回路の伝熱管群に分けて流すためのＴ字型冷媒
分流器を備え、前記Ｔ字型冷媒分流器は中央部に流入孔
を穿ったＵ字状の２方向の流出管と、流入孔を介して連
通するように直交して接合された流入管とからなり、前
記流出管の流入口に対抗する壁面には管軸に略直交する
ように半月状の突起部を流入口の中心線に対して重力方
向下側に偏心して設けた空気調和機である。

【０００８】

【作用】この発明では、流入管が接合されている流入孔
に対抗して流出管壁面に半月状の突起部が、液冷媒の流
れを上下に分流できるように流入孔の中心線に対して重
力方向下側に偏心して設けられているので、重力の作用
で下側へ偏るように流入孔から２方向流出管へ流入し、
突起部に衝突した冷媒噴流は上下にほぼ均一に分流され
る。また、従来の絞り等に比べて突起部による流路の閉
塞は少ないので冷媒回路の圧力損失が少ないため熱交換
器の性能が改善されヒートポンプ型空気調和器の性能が
大幅に向上する。

【０００９】

【実施例】本発明の空気調和器を図１ないし図５に示す
実施例に基づいて説明する。

【００１０】図１はクロスフィン型熱交換器の側面図、
図２はＴ字型分配器取付け状況を示す要部斜視図、図３
はＴ字型分配器の斜視図、図４は突起部の偏心量を説明
するための、分配器中心軸線に沿う断面図、図５は本発
明に係るヒートポンプ型空気調和器冷房機として使用す
る時の冷凍サイクルを示す。

【００１１】冷凍サイクルは、冷媒圧縮器１，四方弁
２，室外熱交換器３，減圧器４および室内熱交換器５を
冷媒配管で接続して冷媒が循環するように構成されてい
る。

【００１２】圧縮器１は室内熱交換器から送られてくる
冷媒ガスを圧縮して、高温高圧の冷媒ガスを実線矢印で
示すように、四方弁２を通って室外側熱交換器３へ吐出
する。室外側熱交換器３は凝縮器として作用し、室外熱
交換器４内部に流入した冷媒ガスを、送風器６を介して
外部を通過する空気と熱交換させることによって凝縮液
化させる。室内熱交換器５は蒸発器として作用し、減圧
器４によって減圧された低温の気液２相冷媒１５を、送
風器６を介して外部を流れる室内空気と熱交換させるこ
とによって冷媒ガスとする。なお、この時冷却された空
気を室内に放出して冷房する。冷媒ガスは室内熱交換器
５を通過した後、四方弁２を通って圧縮機１に戻り再び
圧縮されて循環する。

【００１３】室内熱交換器５は、図１ないし図４に示す
構造となっている。図１において、矢印１５は熱交換器
５に対する空気の通過方向を示す。８は所定の間隔をお
いて並置された多数のフィンで、９はこの伝熱フィン８
に直角に挿入接合され内部を冷媒が流動する冷媒管、１
４は冷媒管を接続するベンドで、１０は冷媒を分流させ
るＴ字型冷媒分流器である。このＴ字型冷媒分流器１０
を介して熱交換器内部で冷媒回路が上下に２回路構成さ
れており、上側分岐管１０２ａ及び下側分岐管１０２ｂ
は各々上側冷媒回路及び下側冷媒回路に接続されてい
る。

【００１４】Ｔ字型冷媒分流器１０は、図１ないし図３
に示すように、曲部中央に冷媒流入孔ａが穿設されたＵ
字状の２方向流出管１０２に、この流入孔ａを介して流
入管１０１を接合して構成されている。流入孔ａに面し
た２方向流出管１０２の管壁には半月状の突起部１０３
が管内に突出して設けられており、半月状の突起部１０
３の弦部は、流入孔ａの孔面に対して平行で、図４に示
すように流入孔ａの中心線Ｃに対しては重力方向下側に
Ｌ寸法だけ偏心して設けられている。

【００１５】以上のように構成された本実施例の作動に
ついて図１ないし図４に基づいて説明する。

【００１６】圧縮機１から吐出された高温高圧のガス冷
媒は、室外熱交換器で凝縮液化された後、減圧器４を通
って膨張して低温低圧の霧状の気液２相冷媒となって室
内熱交換器５に流入する。室内熱交換器中央部に配置さ
れた冷媒入口パイプ１１から流入した気液２相冷媒は、
２本の伝熱管９をベンドで接続して形成した冷媒回路を
通る際に、外部を通過する空気と熱交換して気相冷媒の
割合を増しながらＴ字型分流器の流入管１０１へ流入す
る。

【００１７】流入管１０１へ流入した気液２相冷媒１５
は、冷媒流入孔ａから噴霧状に噴出して２方向流出管１
０２の内壁面に設けられた突起部１０３に衝突して上下
２方向に分流する。この際、流入管１０１内を流れる気
液２相冷媒は、気相冷媒の割合が多いので管中心部を気
相冷媒１５ａが流れ、管周壁に沿って液冷媒１５ｂが環
状液膜を形成して流れている。環状液膜は、重力の作用
によって下側の液膜が厚くなるため、流入孔ａから噴霧
状に噴出して２方向流出管へ流入する冷媒量は、流入孔
ａの中心線Ｃよりみて下側に偏っている。この冷媒偏流
に合わせるように中心線Ｃに対して重力方向下側にＬ寸
法だけ偏心して、２方向流出管１０２の管内壁に設けた
半月状の突起部１０３の作用によって図４に模式的に示
すように冷媒流量を上下２回路に均等に分流させること
ができる。また、偏心寸法Ｌを調節することによって上
下に分かれている二つの冷媒回路の熱負荷に合うように
分流量が変えられる。冷媒が上下に分流するとき突起部
１０３は、冷媒の流れを案内するだけであり流動抵抗に
はならないので、圧力損失が小さく熱交換性能を大幅に
向上できる。

【００１８】本実施例では室内熱交換器を蒸発器として
用いる冷房運転のとき、室内熱交換器の内部に冷媒分流
器を配置したが、暖房運転の時には蒸発器として作用す
る室外熱交換器に配置しても本実施例と同様の効果を有
する。

【００１９】第１の実施例では冷媒分流器を熱交換器の
中に１個配置しているが熱交換器の大きさや冷媒流量，
管群配列などによって複数個、適宜配置しても良いこと
は当然である。

【００２０】本実施例に示した冷媒分流器に設けられた
突起部は、半月状の板で形成したが冷媒の流れを２方向
に分割できるように弦頂部が峰状に連なった形状であれ
ば、流出管と一体にプレス成形しても良い。

【００２１】

【発明の効果】本発明によれば、冷媒の分流量が上側冷
媒回路及び下側冷媒回路で均等になり、各々の管群での
熱交換器の温度も略均一になって冷房能力が向上し、下
流側に配置されている送風機やケーシング等への露付き
を生じることもない。また、偏心寸法Ｌを調節すること
によって上下に分かれている二つの冷媒回路の熱負荷に
合うように分流量が変えられる。冷媒が上下に分流する
とき突起部１０３は、冷媒の流れを案内するだけであり
流動抵抗にはならないので、圧力損失が小さく熱交換性
能を向上できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の熱交換器の説明図。

【図２】図１の要部の斜視図。

【図３】本発明の一実施例の冷媒分流器の斜視図。

【図４】冷媒分流器の中心線に沿う断面図。

【図５】本発明の空調機冷房時の冷凍サイクルの系統
図。

【符号の説明】

１０…冷媒分流器、１０１…流入管、１０２…２方向流
出管、１０３…突起部。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者小暮博志栃木県下都賀郡大平町富田800番地株式会社日立製作所リビング機器事業部内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】平行に多数並べられた複数の円孔を有する
伝熱フィンに、前記円孔を介して伝熱管を直角に挿入接
合して構成した複数個のクロスフィン型熱交換器と、圧
縮機，四方弁，膨張機構からなる冷凍サイクルを有する
空気調和機であって、前記熱交換器のうち冷媒蒸発器と
して使用される熱交換器の冷媒回路を形成する伝熱管群
の途中に冷媒を２回路の伝熱管群に分けて流すためのＴ
字型冷媒分流器を備え、前記Ｔ字型冷媒分流器は中央部
に流入孔を穿ったＵ字状の２方向の流出管と、前記流入
孔を介してこれに直交して接合された流入管とからな
り、前記流出管の流入口に対抗する壁面には管軸に略直
交するように半月状の突起部を前記流入口の中心線に対
して重力方向下側に偏心して設けたことを特徴とする空
気調和機。