JPH0948178A - 印画紙 - Google Patents

印画紙

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JPH0948178A
JPH0948178A JP7219821A JP21982195A JPH0948178A JP H0948178 A JPH0948178 A JP H0948178A JP 7219821 A JP7219821 A JP 7219821A JP 21982195 A JP21982195 A JP 21982195A JP H0948178 A JPH0948178 A JP H0948178A
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JP
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meth
copolymer
acrylate
resistance
receiving layer
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JP7219821A
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English (en)
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Fui Samu
フイ サム
Hidemi Tomita
秀実 冨田
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 昇華型熱転写記録方法に使用する印画紙にお
いて、画像形成時の転写感度を向上させ、かつ形成され
た画像の耐光性、耐暗退色性、耐皮脂性、ブリードアウ
ト特性などの保存特性を向上させる。 【解決手段】 シート状基材2と染料受容層3とからな
る印画紙1において、染料受容層3を、置換又は非置換
フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレー
トと、紫外線吸収性ベンゾフェノン基を有する(メタ)
アクリレートとの共重合体から構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、昇華型熱転写記録
に適した印画紙に関する。さらに詳しくは、印画紙の染
料受容層に、置換又は非置換フェノキシポリエチレング
リコールアクリレート又はフェノキシポリエチレングリ
コールメタクリレート(以下、これらを併せて置換又は
非置換フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アク
リレートと略する)と、紫外線吸収性ベンゾフェノン基
を有する(メタ)アクリレートとの共重合体を含有させ
ることにより、その染料受容層の画像感度と、耐皮脂
性、耐可塑剤性、耐光性等の保存性との双方を向上させ
た印画紙に関する。
【0002】
【従来の技術】昇華性又は熱拡散性の染料からなるイン
ク層を有するインクリボンと、染料受容層を有する印画
紙とを重ね合わせ、そのインクリボンのインク層をサー
マルヘッド等により画像情報に応じて加熱し、インク層
から印画紙の染料受容層に染料を移行させて画像を形成
する昇華型熱転写記録方法が知られている。この方法に
よれば、連続的な階調のフルカラー画像を形成すること
ができるので、ビデオ画像をハードコピーする方法とし
て注目されている。
【0003】図1は、昇華型熱転写記録に使用される一
般的な印画紙1の断面図である。同図に示したように、
印画紙1はシート状基材2と染料受容層3との積層構造
をなしている。ここで、染料受容層3は、熱転写記録時
にインクリボンから移行してくる染料を受容し、それに
より形成された画像を保持する層である。このような染
料受容層3は、従来よりポリエステル、セルロースエス
テル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル等の染着性樹
脂から形成されている。
【0004】ところで、図1に示したような印画紙に
は、近年、高速化プリンターに対応できるように、次の
ような性質が要求されている。(i) 高感度で染色性が高
く、高濃度で光沢のある鮮明な画像を形成できること、
(ii)画像の保存安定性がよいこと、即ち、(a) 耐指紋性
や耐皮脂性に優れていること、具体的には、手、指等の
人体の一部等に画像が接触した場合に、画像を形成する
染料が凝集や退色を起こさないこと、(b) 耐可塑剤性に
優れていること、具体的には、可塑剤を含むプラスチッ
ク消しゴムあるいはその消し屑に画像が接触した場合
に、画像を形成する染料が凝集や退色を起こさないこ
と、(c) 光に暴露した場合に画像の退色や変色が起こら
ないように高い耐光性を有すること、(d) 耐暗退色性に
も優れていること。
【0005】このような要求に応えるために、印画紙の
構成に対して種々の提案がなされている。例えば、上記
(i) の要求に対しては、染料受容層の主成分としてポリ
ビニルアセタール系樹脂を使用することが提案されてい
る(特開平4−10339号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、染料受
容層をポリエステル等の染着性樹脂から形成した従来の
印画紙では、そこに形成された画像の耐光性、耐暗退色
性、耐皮脂性、耐可塑剤性が十分でなく、したがって画
像の保存性が低いという問題があった。また、染料受容
層の主成分としてポリビニルアセタール系樹脂を使用し
た印画紙においても、保存性に関しては十分とはいえ
ず、更に向上させることが望まれていた。
【0007】これらの保存性の問題に関し、耐皮脂性や
耐可塑剤性を向上させるために、画像が形成された印画
紙の上にカバーフィルムをラミネートすることもなされ
ている。しかし、従来の熱転写記録の画像形成工程に加
えてラミネート工程を追加することが必要となるという
問題があり、またカバーフィルムのラミネート後の外観
や厚みについても問題をきたしている。
【0008】また、耐光性、耐暗退色性などを向上させ
るために、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の保存性向上剤
を染料受容層に添加することが行なわれている。しか
し、十分な効果は得られていないというのが現状であ
る。特に、紫外線吸収剤を添加する場合、昇華熱転写時
に染料受容層表面近傍の紫外線吸収剤が熱により染料受
容層内部へ拡散するので、染料受容層表面の紫外線吸収
剤濃度が低下し、その結果、画像が浴びる紫外線エネル
ギー量が増大し、それに伴い画像の耐光性が大きく低下
するという問題がある。このため、紫外線吸収剤が拡散
してもその表面濃度が画像の耐光性を保持するのに十分
な量となるように、染料受容層に多量の紫外線吸収剤を
添加すると、染料受容層表面にブリードアウトしたり結
晶化したりするという問題がある。
【0009】本発明はこのような従来技術の欠点を解消
しようとするものであり、高感度で、かつ耐皮脂性、耐
可塑剤性、耐光性、耐暗退色性等の保存特性に優れた画
像を形成することのできる印画紙を提供することを目的
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、印画紙の染
料受容層を構成する樹脂のモノマー成分の一つとして、
置換又は非置換フェノキシポリエチレングリコール(メ
タ)アクリレートを使用することにより画像の転写感度
と、印画紙に形成される画像の保存特性、特に耐皮脂性
とを大きく向上させることができること、更に、紫外線
吸収性基であるベンゾフェノン基が分子内に導入された
(メタ)アクリレートをモノマー成分の一つとして使用
することにより、紫外線吸収剤のブリードアウトや結晶
化の現象を防止しつつ良好な耐光性を画像に付与するこ
とができることを見出し、本発明を完成させるに至っ
た。
【0011】即ち、本発明は、シート状基材と染料受容
層とからなる印画紙において、該染料受容層が、置換又
は非置換フェノキシポリエチレングリコール(メタ)ア
クリレートと、紫外線吸収性ベンゾフェノン基を有する
(メタ)アクリレートとの共重合体を含有することを特
徴とする印画紙を提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】本発明の印画紙は、図1に示した印画紙と
同様に、基本的にシート状基材と染料受容層との積層構
造を有するが、染料受容層が置換又は非置換フェノキシ
ポリエチレングリコール(メタ)アクリレートと、紫外
線吸収性ベンゾフェノン基を有する(メタ)アクリレー
トとの共重合体から形成されていることを特徴としてい
る。
【0014】ここで、置換又は非置換フェノキシポリエ
チレングリコール(メタ)アクリレートとしては、例え
ば、式(1)のフェノキシポリエチレングリコールアク
リレートや式(2)のフェノキシポリエチレングリコー
ルメタクリレートをあげることができる。
【0015】
【化2】 式(1)又は式(2)中、R2としては水素原子又はC
3、C25等のアルキル基、シクロアルキル基などを
挙げることができる。また、nは1〜16の数である
が、中でも1〜3が好ましく、特に1が好ましい。R2
のフェノキシ核上の置換位置としては、オルト位、メタ
位又はパラ位のいずれでもよい。
【0016】共重合体中、置換又は非置換フェノキシポ
リエチレングリコール(メタ)アクリレートユニットの
含有量は、多過ぎるとガラス転移点が低下するので90
重量%以下とすることが好ましく、50〜90重量%と
することがより好ましい。
【0017】また、紫外線吸収性ベンゾフェノン基を有
する(メタ)アクリレートとしては、式(A)又は式
(B)で表される化合物を好ましく挙げることができ
る。
【0018】
【化3】 式(A)及び(B)中、R1は水素原子又はメチル基で
あり、Xは−(OCH2CH2)n−、−(OCH2CH2CH
2)n−又は−(OCH2CH(OH)CH2)n−(ここで、n
は1〜16、好ましくは1〜6、特に好ましくは1であ
る。)である。ここで、置換基Xのベンゼン核上の置換
位置には特に限定はなく、カルボニル基に対してオルト
位、メタ位もしくはパラ位のいずれでもよい。
【0019】なお、共重合体中、紫外線吸収性ベンゾフ
ェノン基を有する(メタ)アクリレートユニットの含有
量としては、好ましくは50重量%以下、より好ましく
は0.02〜20重量%とする。
【0020】本発明の印画紙の染料受容層を構成する共
重合体においては、そのモノマー成分として置換又は非
置換フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリ
レートと紫外線吸収性ベンゾフェノン基を有する(メ
タ)アクリレートとに加えて、更に共重合体のガラス転
移温度を上昇させることのできるモノマーを使用するこ
とが好ましい。このようなモノマー成分を更に使用する
ことにより、画像の耐可塑剤性、耐ブロッキング性、特
に耐皮脂性などを向上させることができる。
【0021】このような、共重合体のガラス転移温度を
上昇させることのできるモノマーとしては、単独重合体
のガラス転移点が55℃以上となるもの、あるいはその
モノマーが複数の官能基を有し、共重合体の架橋成分と
なるものをあげることができる。より具体的には、例え
ば(i) メタクリル酸エステル又はアクリル酸エステル
(フェニルメタクリレート、イソボロニルメタクリレー
ト、シクロヘキシルメタクリレート、メチルメタクリレ
ート、エチルメタクリレート、アリルメタクリレート、
アミノエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタク
リレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート等)、(i
i)ビニル芳香族カルボン酸エステル(安息香酸ビニル、
クロル安息香酸ビニル等)、(iii) ビニル系モノマー
(スチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、アセト
キシスチレン、メトキシスチレン、メチルスチレン、エ
ポキシヘキセン、ビニルフェノール等)をあげることが
できる。これらは単独で使用してもよく、複数種を併用
してもよいが、中でも、転写感度を低下させないという
観点から、置換又は非置換のビニルフェノールを使用す
ることが特に好ましい。ここで、置換ビニルフェノール
の置換基としては、メチル基などの低級アルキル基、ス
ルホン基、アミノ基などを挙げることができ、その置換
位置としてはパラ、メタ位を挙げることができる。
【0022】なお、本発明で使用する上述の共重合体の
重量平均分子量は、5万〜100万程度が好ましい。分
子量が大きすぎると染料受容層形成時に使用する塗液
(共重合体を含有する塗料)が高粘度となり、反対に小
さすぎると塗膜特性が悪化するので好ましくない。
【0023】共重合体の製造方法については特に制限は
なく、懸濁重合、塊状重合、溶液重合、乳化重合等任意
の重合様式により得ることができる。
【0024】本発明の印画紙の染料受容層には、以上の
ような共重合体の他に、必要に応じて、染着性、保存性
を向上させる化合物を含有させることができる。このよ
うな化合物としては、例えば、一般に可塑剤として使用
されている各種エステル化合物(多価フェノールエステ
ル、多価アルコールエステル、フタル酸エステル、リン
酸エステル等)や、ポリエステル、ポリカーボネート、
ポリアクリル酸エステル、ポリ塩化ビニル系樹脂等の種
々の樹脂をあげることができる。
【0025】このような化合物又は樹脂を前述の共重合
体と共に染料受容層に含有させる場合、共重合体が、染
料受容層の50重量%以上となるようにすることが好ま
しい。共重合体の含有割合が少な過ぎると本発明の効果
を得ることができない。
【0026】更に、本発明の印画紙の染料受容層には、
他に種々の添加剤を加えることができる。例えば、染料
受容層の白色度を向上させて画像の鮮明度を高め、また
画像表面に筆記性を付与し、さらにまた熱転写により形
成された画像の再転写を防止するために、蛍光増白剤
(蛍光染料)や白色顔料を含有させることができる。こ
のような蛍光増白剤としては、チバガイギー社製のユビ
テックスOB等の市販品を使用することができる。ま
た、白色顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、カオリ
ン、クレー、炭酸カルシウム、微粉末シリカ等を含有さ
せることができる。これらは単独で又は複数種を併せて
使用することができる。
【0027】また、染料受容層には、酸化防止剤、表面
改質剤等の保存性向上剤を使用することができる。
【0028】また、染料受容層には、熱転写時のインク
リボンとの離型性を向上させるために離型剤を含有させ
ることができる。離型剤としては、ポリエチレンワック
ス、アミドワックス、テフロンパウダー等の固形ワック
ス類、フッ素系、リン酸エステル系の界面活性剤、シリ
コーンオイル、高融点シリコーンワックス等を使用する
ことができる。なかでも、離型性、耐久性の点からシリ
コーンオイルを使用することが好ましい。
【0029】この場合、シリコーンオイルとしては、油
状のものも反応(硬化)型のものも、適宜選択して使用
することができる。ここで、反応(硬化)型シリコーン
オイルとしては、アルコール変性シリコーンオイルとイ
ソシアネートとの反応硬化物、エポキシ変性シリコーン
オイル(エポキシ・ポリエーテル変性シリコーンオイ
ル)とカルボキシ変性シリコーンオイル(カルボキシ・
ポリエーテル変性シリコーンオイル)との反応硬化物、
アミノ変性シリコーンオイル(アミノ・ポリエーテル変
性シリコーンオイル)とカルボキシ変性シリコーンオイ
ル(カルボキシ・ポリエーテル変性シリコーンオイル)
との反応硬化物等を使用することができる。
【0030】更に、染料受容層には、皮膜特性を向上さ
せるために、種々の硬化剤を含有させることができる。
このような硬化剤としては、例えば、エポキシ系硬化
剤、イソシアネート系硬化剤等を使用することができ、
なかでも、無黄変タイプの多官能イソシアネート化合物
が好ましい。このような多官能イソシアネート化合物と
しては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(H
DI)、ビウレット等の脂肪族ポリイソシアネートや、
トルエンジイソシアネート(TDI)、キシレンジイソ
シアネート(XDI)等の芳香族ポリイソシアネートを
あげることができる。これらは、単独で使用してもよく
複数種を併用してもよい。
【0031】また、染料受容層には、印画紙の加工工程
あるいはプリンター内での走行時における静電気の発生
を抑制するために、帯電防止剤を含有させることができ
る。帯電防止剤としては、陽イオン型界面活性剤(第4
級アンモニウム塩、ポリアミン等)、陰イオン型界面活
性剤(アルキルベンゼンスルホネート、アルキル硫酸エ
ステルナトリウム塩等)、両性イオン型界面活性剤、非
イオン型界面活性剤等の種々の界面活性剤を使用するこ
とができる。なお、このような帯電防止剤は、染料受容
層内に含有させる他、染料受容層の表面にコーティング
等により塗布してもよい。
【0032】以上のような各種添加剤は、単独を使用し
ても複数種を併せて使用してもよいが、その合計量が前
述の共重合体の50重量%以下とすることが好ましく、
0.5〜30重量%とすることがより好ましい。
【0033】染料受容層の形成方法としては、染料受容
層を形成する各成分を、必要に応じて溶剤と共に均一に
混合して塗料を調製し、その塗料をシート状基材に塗布
するか、あるいは各成分の熱溶融物をシート状基材上に
塗布し、キュアリングを行うことにより形成することが
できる。
【0034】一方、本発明において、シート状基材とし
ては、上質紙、コート紙、合成紙等の紙類、種々のプラ
スチックシート、あるいはこれらの複合シート等を使用
することができる。
【0035】また、シート状基材の染料受容層と反対側
の面には、印画紙のプリンター内での走行性を向上さ
せ、また印画紙の重送を防止するために、アクリル樹
脂、シリコーン樹脂等からなるバックコート層を形成し
てもよい。
【0036】本発明の印画紙に対する画像形成方法には
特に制限はなく、例えば、昇華型熱転写記録用インクリ
ボンを使用し、市販のビデオプリンター等により、昇華
型熱転写記録を行うことができる。
【0037】以上説明したように、本発明の印画紙にお
いては、置換又は非置換フェノキシポリエチレングリコ
ール(メタ)アクリレートと紫外線吸収性ベンゾフェノ
ン基を有する(メタ)アクリレートとの共重合体を含有
する。従って、昇華型熱転写記録方法によって染料受容
層に形成される画像の感度が高まり、かつ形成された画
像の耐光性、耐暗退色性、耐皮脂性、耐可塑剤性等の保
存特性が著しく向上し、ブロッキングも防止されたもの
となる。また、耐水性も向上する。
【0038】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。
【0039】実施例1〜16及び比較例1〜10 シート状基材として、150μm厚の合成紙(王子油化
(株)製、FPG−150)を用意した。
【0040】一方、表1の成分を含有する染料受容層形
成用塗料を調製した。この場合、染料受容層樹脂成分と
しては、表2〜表4の組成の共重合体を合成して用い
た。また、染料受容層形成用塗料は、表1の各成分の固
形分の合計が、2−ブタノン/トルエン(1/1容量
比)の混合溶媒で20%溶液となるようにした。得られ
た染料受容層形成用塗料を、ワイヤーバーを用いて、シ
ート状基材の表面に乾燥膜厚が5〜6μmとなるように
塗布し、温風乾燥機で120℃で1分間乾燥させ、さら
に50℃で24時間エージングすることにより印画紙を
作製した。
【0041】
【表1】染料受容層形成用塗料成分 (重量部) 染料受容層樹脂成分(表2〜表4の共重合体) 100 シリコーンオイル(*1) 5 蛍光増白剤(*2) 2イソシアネート化合物(*3) 5 (*1) SF8427、東レダウコーニング社製 (*2) UVITEX、チバガイギー社製 (*3) タケネートD110N、武田薬品工業(株)製
【0042】
【表2】 (重量部) 実施例 染料受容層形成用樹脂成分 1 2 3 4 5 6 7 8 9 フェノキシエチルメタクリレート 100 ← ← ← ← ← ← ← フェノキシエトキシエチルメタクリレート 100 式(A)の化合物 0.05 1 5 10 20 50 5 (R1=H,X=-OCH2CH2-) 式(B)の化合物 5 10 10(R1=H,X=-OCH2H(OH)CH2-)
【0043】
【表3】 (重量部) 比較例 染料受容層形成用樹脂成分 1 2 3 4 5 6 7 フェノキシエチルメタクリレート 100 ← ← ← ← ← フェノキシエトキシエチルメタクリレート 100 紫外線吸収剤(*4) 0.05 1 5 10 2.5紫外線吸収剤(*5) 2.5 5 5 (*4) UVINULD-50,BASF社製 (*5) SEESORB 100,シプロ化成社製
【0044】
【表4】 (重量部) 実施例 比較例 染料受容層形成用樹脂成分 10 11 12 13 14 15 16 8 9 10フェノキシエチルメタクリレート 90 ← ← ← ← ← 90 ←フェノキシエトキシエチルメタクリレート 90 90 式(A)の化合物 10 ← ← ← ← ← (R1=H,X=-OCH2CH2-) 式(B)の化合物 10 (R1=H,X=-OCH2H(OH)CH2-) p−ビニルフェノール 1 5 10 20 10 10 ← ← スチレン 10シクロヘキシルメタクリレート 10 紫外線吸収剤(*4) 5 5紫外線吸収剤(*5) 5 (*4) UVINULD-50,BASF社製 (*5) SEESORB 100 ,シプロ化成社製
【0045】(評価)実施例及び比較例の印画紙につい
て、「転写感度」、「耐光性」、「耐皮脂性」、「耐暗
退色性」及び「ブリードアウト性」を以下に説明するよ
うに試験し、評価した。得られた結果を表5〜表6に示
す。
【0046】「転写感度」試験 作製した印画紙に対し、昇華型熱転写インクリボン(V
PM−30STA、ソニー(株)製)を使用し、カラー
ビデオプリンター(CVP−G7、ソニー(株)製)で
イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各単
色のステップ印画を行い、得られた画像の最高濃度(O
D Max)をマクベス反射濃度計(TR−924)を
使用して測定した。そして、最高濃度の値によって、以
下の評価基準に従って評価した。
【0047】転写感度評価基準 ランク 状態 ◎: OD Max≧2.5 ○: 2.5>OD Max≧2.3 △: 2.3>OD Max≧2.0 ×: 2.0>OD Max
【0048】「耐光性」試験「転写感度」試験の場合と
同様に印画紙に画像を形成し、その画像をキセノンフェ
ードメーター(スガ試験機製)で90000KJ/m2
照射し(30℃、65%RH)、この場合の照射前後の
光学濃度(OD)をマクベス反射濃度計(TR−92
4)を使用して測定し、染料残存率を次の数式(a)に
従って算出し、その算出された染料残存率の値を以下の
評価基準に従って評価した。
【0049】
【数1】 染料残存率(%)=(照射後のOD/照射前のOD)×100 (a)
【0050】耐光性評価基準 ランク 状態 ◎: 染料残存率≧80% ○: 80%>染料残存率≧70% △: 70%>染料残存率≧50% ×: 50%>染料残存率
【0051】「耐皮脂性」試験 「転写感度」試験の場合と同様に印画紙に画像を形成
し、その画像を人工皮脂に35℃で2分間浸した後に取
り出し、画像上に残存していた人工皮脂を拭き取った。
そして、この人工皮脂の処理前後の画像の光学濃度(O
D)をマクベス反射濃度計(TR−924)を使用して
測定し、「耐光性」試験の場合と同様に染料残存率を算
出し、以下の評価基準に従って評価した。
【0052】耐皮脂性評価基準 ランク 状態 ◎: 染料残存率≧80% ○: 80%>染料残存率≧70% △: 70%>染料残存率≧50% ×: 50%>染料残存率
【0053】「耐暗退色性」試験 「転写感度」試験の場合と同様に印画紙に画像を形成
し、その印画紙を恒温槽(60℃、85%RH)に14
日間保存し、この場合の保存前後の画像の光学濃度(O
D)をマクベス反射濃度計(TR−924)を使用して
測定し、「耐光性」試験の場合と同様に染料残存率を算
出し、以下の評価基準に従って評価した。
【0054】耐暗退色性評価基準 ランク 状態 ◎: 染料残存率≧80% ○: 80%>染料残存率≧70% △: 70%>染料残存率≧50% ×: 50%>染料残存率
【0055】「ブリードアウト性」試験 「転写感度」試験の場合と同様に印画紙に画像を形成
し、その印画紙に対してヒートサイクルテスト(−20
℃/2時間→25℃/2時間→50℃/2時間)を10
サイクル行った。テスト終了後に、印画紙の表面に粉噴
きが生じたか否かを目視及び50倍ルーペにて観察し、
それと同時に、印画紙の表面を指で軽く拭き、指に粉が
付着するか否かを観察した。粉噴きも粉の付着もない場
合を○と評価し、粉噴き又は粉の付着のいずれかが生じ
た場合を×と評価した。
【0056】
【表5】 転写感度 耐光性 耐皮脂性 耐暗退色性 ブリード Y M C Y M C Y M C Y M C アウト性 実施例 1 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ○ 2 ○ ○ ○ ◎ ◎ ○ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ○ 3 ○ ○ ○ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ○ 4 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ○ 5 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○ ◎ ○ ○ ○ 6 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 7 ○ ○ ○ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ○ 8 ○ ○ ○ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ○ 9 ○ ○ ○ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ○ 比較例 1 ○ ○ ○ × × × ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ 2 ○ ○ ○ × × × ◎ ◎ ◎ ○ △ △ ○ 3 ○ ○ ○ △ △ △ ○ ○ ○ ○ △ △ × 4 ○ ○ ○ ○ ○ ○ △ △ △ △ △ △ × 5 ○ ○ ○ △ △ △ ○ ○ ○ ○ △ △ × 6 ○ ○ ○ △ △ △ ○ ○ ○ ○ △ △ × 7 ○ ○ ○ △ △ △ ○ ○ ○ ○ △ △ ×
【0057】
【表6】 転写感度 耐光性 耐皮脂性 耐暗退色性 ブリード Y M C Y M C Y M C Y M C アウト性 実施例 10 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ○ 11 ○ ○ ○ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ○ 12 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ○ 13 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ○ 14 ○ ○ ○ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○ ◎ ◎ ◎ ○ 15 ○ ○ ○ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○ ◎ ◎ ◎ ○ 16 ○ ○ ○ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ○ 比較例 8 ○ ○ ○ △ △ △ ○ ○ ○ ○ △ △ × 9 ○ ○ ○ △ △ △ ○ ○ ○ ○ △ △ × 10 ○ ○ ○ △ △ △ ○ ○ ○ ○ △ △ ×
【0058】表5〜表6の結果から、染料受容層を、置
換又は非置換フェノキシポリエチレングリコール(メ
タ)アクリレートと紫外線吸収性ベンゾフェノン基を有
する(メタ)アクリレートとの共重合体から形成した実
施例1〜9の印画紙は、転写感度、耐光性、耐皮脂性、
耐暗退色性、ブリードアウト性のいずれの評価項目につ
いても、好ましい結果を示していることがわかる。
【0059】一方、紫外線吸収性ベンゾフェノン基を有
する(メタ)アクリレートを使用することなく、置換又
は非置換フェノキシポリエチレングリコール(メタ)ア
クリレートの単独重合体に紫外線吸収剤を外部添加した
比較例1〜7の印画紙は、紫外線吸収剤の添加量が比較
的少ない場合には、ブリードアウト現象は生じないが、
耐光性並びに暗退色性の点で問題があることがわかる。
逆に紫外線吸収剤の添加量が比較的多い場合には好まし
い耐光性を示したが、ブリードアウト性に問題があるこ
とがわかる。
【0060】また、更に、共重合体のTgを挙げるよう
なモノマーも重合させた共重合体を使用した実施例10
〜16の印画紙の場合には、転写感度や耐光性などの特
性を低下させることなく、更に耐皮脂性が向上している
ことがわかる。特に、このようなモノマーとしてp−ビ
ニルフェノールが好ましいこともわかる。
【0061】一方、紫外線吸収性ベンゾフェノン基を有
する(メタ)アクリレートを使用することなく、置換又
は非置換フェノキシポリエチレングリコール(メタ)ア
クリレートとp−ビニルフェノールとの共重合体に、十
分な耐光性を実現することのできる量の紫外線吸収剤を
外部添加した比較例8〜10の印画紙の場合には、やは
りブリードアウト性に問題があることがわかる。
【0062】
【発明の効果】本発明の印画紙によれば、高感度で、か
つ耐光性、耐暗退色性、耐皮脂性、耐可塑剤性等の保存
特性に優れた画像を形成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な印画紙の断面図である。
【符号の説明】
1 印画紙 2 シート状基材 3 染料受容層

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状基材と染料受容層とからなる印
    画紙において、該染料受容層が、置換又は非置換フェノ
    キシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートと、
    紫外線吸収性ベンゾフェノン基を有する(メタ)アクリ
    レートとの共重合体を含有することを特徴とする印画
    紙。
  2. 【請求項2】 共重合体中、置換又は非置換フェノキシ
    ポリエチレングリコール(メタ)アクリレートユニット
    の含有量が90重量%以下である請求項1記載の印画
    紙。
  3. 【請求項3】 共重合体中、置換もしくは非置換フェノ
    キシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートユニ
    ットの含有量が50〜90重量%である請求項2記載の
    印画紙。
  4. 【請求項4】 共重合体中、紫外線吸収性ベンゾフェノ
    ン基を有する(メタ)アクリレートユニットの含有量が
    50重量%以下である請求項1〜3のいずれかに記載の
    印画紙。
  5. 【請求項5】 共重合体中、紫外線吸収性ベンゾフェノ
    ン基を有する(メタ)アクリレートユニットの含有量が
    0.02〜20重量%である請求項4記載の印画紙。
  6. 【請求項6】 紫外線吸収性ベンゾフェノン基を有する
    (メタ)アクリレートが、式(A)又は式(B) 【化1】 (式中、R1は水素原子又はメチル基であり、Xは−(O
    CH2CH2)n−、−(OCH2CH2CH2)n−又は−(O
    CH2CH(OH)CH2)n− (ここで、nは1〜16の
    数である。)である。)で表される化合物である請求項
    1〜5のいずれかに記載の印画紙。
  7. 【請求項7】 共重合体が、共重合体成分として、更に
    置換又は非置換ビニルフェノールを含有する請求項1〜
    6のいずれかに記載の印画紙。
  8. 【請求項8】 共重合体中、置換又は非置換ビニルフェ
    ノールユニットの含有量が20重量%以下である請求項
    7記載の印画紙。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011240708A (ja) * 2006-06-05 2011-12-01 Dainippon Printing Co Ltd 昇華転写受像シート

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JP2011240708A (ja) * 2006-06-05 2011-12-01 Dainippon Printing Co Ltd 昇華転写受像シート

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