JPH0948067A - 真空成形方法及び真空成形用樹脂シート - Google Patents

真空成形方法及び真空成形用樹脂シート

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JPH0948067A
JPH0948067A JP20192395A JP20192395A JPH0948067A JP H0948067 A JPH0948067 A JP H0948067A JP 20192395 A JP20192395 A JP 20192395A JP 20192395 A JP20192395 A JP 20192395A JP H0948067 A JPH0948067 A JP H0948067A
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JP
Japan
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resin sheet
vacuum
bent portion
barrier layer
predetermined
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Application number
JP20192395A
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English (en)
Inventor
Kazumichi Shigeno
一道 重野
Kenichi Furuta
剣一 古田
Chiho Yamazaki
千穂 山崎
Takeshi Hosokawa
武司 細川
Akiyoshi Nagano
昭義 永野
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Toyoda Gosei Co Ltd
Original Assignee
Toyoda Gosei Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 真空成形品の一部または全体の薄肉化による
不具合、及び、バリア層の断裂による真空成形品の意匠
部分への影響等を防止し、全体の肉厚分布を良好として
製品品質を向上する。 【解決手段】 樹脂シート21の切断位置Cより外側の
位置で、バリア層21c及び中間層21bに第3の曲げ
部25の長さ方向と略平行に延びるスリット31を形成
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂シートの真空
成形方法及び真空成形用樹脂シートに関するものであ
り、特に、基層の表面側に表皮層を、裏面側に表皮層よ
り伸び率の低い樹脂材料からなるバリア層を有する三層
樹脂シートの真空成形方法及びかかる真空成形方法に使
用される真空成形用三層樹脂シートに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の真空成形方法は、所
定の樹脂材料からなる樹脂シートを使用して、種々の立
体中空形状の成形品を製造すべく広く採用されている。
また、かかる真空成形方法により得られる真空成形品
は、例えば、二次成形により、所定の樹脂材料からなる
基材の表面に接合され、装飾等の効果を付与する表皮と
して使用される。
【0003】図12は従来の真空成形方法により成形し
た真空成形品を基材に接合した二次成形品を示す断面図
である。
【0004】図12に示すように、この真空成形品は、
表面層101a、中間層101b及びバリア層101c
の三層からなる樹脂シート101を使用し、外周側の一
定部分を下方略垂直方向に彎曲する彎曲部102とする
と共に、彎曲部102の下端部を内方に彎曲する挿着部
103とした断面形状を有している。そして、その挿着
部103を基材111の下端に設けた挿着凹部111a
に挿着した状態で全体を接合するようになっている。な
お、前記樹脂シート101の表面層101aは比較的伸
び率の高い樹脂材料からなり、所定の装飾効果を発揮し
ている。また、中間層101bは発泡樹脂材料からな
り、基材111表面に所定のソフト感を付与している。
更に、バリア層101cは、表面層101aより伸び率
の低い樹脂材料からなり、二次成形時に真空成形品を基
材111からの熱等から保護するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の真空成
形方法では、樹脂シート101の外周縁をプラグ(図示
略)でクランプして真空吸着するため、樹脂シート10
1が、特に型(図示略)との接触面とプラグとの間で引
っ張られて伸長する。しかし、このとき、樹脂シート1
01の前記挿着部103に対応する部分に引っ張り応力
が集中し、真空成形品の挿着部103の肉厚が、他の部
分の肉厚(一般肉厚)より小さくなり、図12に示すよ
うに、基材111の挿着凹部111aで隙間Gが生じる
ことがある。これは、真空成形の際に、樹脂シート10
1の挿着部103に対応する部分が上述のように特に伸
長する一方、真空成形後の樹脂シート101には復元力
がなく、本来の肉厚に形状復帰できないためと考えられ
る。また、挿着部103以外でも、樹脂シート101が
部分的に、または、全体的に大きく引き伸ばされた場
合、発泡樹脂材料からなる中間層101bの肉厚が小さ
くなり、ソフト感が失われたり、成形ばらつきによる製
品不良が生じる可能性がある。また、伸び率の低い樹脂
材料からなるバリア層101cが断裂し、その影響が真
空成形品の意匠部分に及ぶ事態を防止する必要もある。
【0006】そこで、本発明は、真空成形品の一部また
は全体の薄肉化による不具合、及び、バリア層の断裂に
よる真空成形品の意匠部分への影響等を防止し、全体の
肉厚分布を良好として製品品質を向上することができる
真空成形方法及び真空成形用樹脂シートの提供を課題と
するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、所定
伸び率の樹脂材料からなる表面層と、前記表面層より伸
び率の低い樹脂材料からなるバリア層を有する樹脂シー
トの真空成形方法において、所定位置にコーナ部を有す
る型に前記樹脂シートを配置する配置工程と、前記樹脂
シートを前記型に真空吸着して、前記型のコーナ部に対
応する位置に曲げ部を有する所定形状に賦形する賦形工
程と、前記所定形状に賦形した樹脂シートを前記曲げ部
の近傍位置で切断するトリミング工程とを具備する。そ
して、前記配置工程前に、前記樹脂シートの切断位置よ
り外側の位置で、前記バリア層に前記曲げ部の長さ方向
と略平行に延びるスリットを形成するスリット形成工程
を追加したものである。
【0008】請求項2の発明は、発泡樹脂材料からなる
中間層の表面側に所定伸び率の樹脂材料からなる表面層
を配置すると共に、裏面側に前記表皮層より伸び率の低
い樹脂材料からなるバリア層を配置した三層樹脂シート
の真空成形方法において、所定位置にコーナ部を有する
型に前記樹脂シートを配置する配置工程と、前記樹脂シ
ートを前記型に真空吸着して、前記型のコーナ部に対応
する位置に曲げ部を有する所定形状に賦形する賦形工程
と、前記所定形状に賦形した樹脂シートを前記曲げ部の
近傍位置で切断するトリミング工程とを具備する。そし
て、前記配置工程前に、前記樹脂シートの切断位置より
外側の位置で、少なくとも前記バリア層に前記曲げ部の
長さ方向と略平行に延びるスリットを形成するスリット
形成工程を追加したものである。
【0009】請求項3の発明は、発泡樹脂材料からなる
中間層と、前記中間層の表面側に配置される所定伸び率
の樹脂材料からなる表面層と、前記中間層の裏面側に配
置され、前記表面層より伸び率の低い樹脂材料からなる
バリア層より構成され、所定位置に前記表面層側へ曲が
る曲げ部を有する形状に真空成形されると共に、前記曲
げ部の近傍位置で切断してトリミングされる樹脂シート
において、前記切断位置より外側の位置で、少なくとも
前記バリア層に前記曲げ部の長さ方向と略平行に延びる
スリットを形成したものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0011】図1は本発明の第一の実施形態の真空成形
用樹脂シートを示す斜視図である。図2は本発明の真空
成形方法で使用する型の一例を示す斜視図である。図3
は本発明の真空成形用樹脂シートの一例を示す断面図で
ある。図4は本発明の真空成形方法により樹脂シートを
型に真空吸着した状態を示す説明図である。図5は本発
明の第一の実施形態の真空成形用樹脂シートを示す要部
断面図である。
【0012】なお、図中、従来例と同一符号及び同一記
号は、従来例の構成部分と同一または相当部分を示すも
のであるから、ここでは、重複する説明を省略する。
【0013】図1及び図2に示すように、第一の実施形
態の樹脂シート21は、所定形状の型50に真空吸着し
て、型形状に合致した立体中空形状に賦形されるもので
あり、この型50としては、雄型タイプのものを使用し
ている。即ち、前記型50は、図9に示す断面形状の真
空成形品を形成するための型形状を有し、図2及び図3
に示すように、樹脂シート21の外周縁部をプラグ61
との間で気密に封止する平面部51と、平面部51から
上方に突出する略四角ブロック状の突部53を備えてい
る。前記突部53は、上下両端にそれぞれ所定曲率の断
面彎曲状をなすコーナ部53a,53bを有し、突部5
3の下端と平面部51との間には、内方へと窪む所定曲
率の断面彎曲状をなす凹部53cが形成されている。よ
り詳細には、上下両端のコーナ部53a,53b及び凹
部53cの曲率は、上端のコーナ部53a、下端のコー
ナ部53b及び凹部53cの順で小さくなっている。特
に、前記凹部53cは、真空成形品の外周縁部に、従来
例の挿着部103と同様、内方に彎曲する挿着部26を
形成するためのものであり、プラグ61による樹脂シー
ト21の封止を可能にすべく、外方へ約180度彎曲さ
れることから、その曲率もこれに対応して非常に小さい
ものとなっている。これにより、真空成形後の樹脂シー
ト21は、型50の上下両端のコーナ部53a,53b
及び凹部53cに対応する位置に、それぞれ、それらと
同一曲率の第1、第2及び第3の曲げ部23,24,2
5を有する断面形状となる。なお、前記樹脂シート21
は、真空成形品とされる際に、第3の曲げ部25近傍の
所定の切断位置C、例えば、第2の曲げ部24と第3の
曲げ部25の間における第3の曲げ部25の基端位置
(図3中二点鎖線位置)で切断される。これにより、前
記第2の曲げ部24と切断位置Cとの間に前記挿着部2
6を形成するようになっている。なお、この挿着部26
は、後に詳述するように、従来例の挿着部103より大
きい肉厚を有し、二次成形時に、基材111の挿着凹部
111a内に密嵌され、従来例のような隙間を生じない
ようになっている(図9参照)。
【0014】前記樹脂シート21は、図4に示すよう
に、中間層21bの表面側に表面層21aを、裏面側に
バリア層21cを設けた三層タイプのものであり、図1
2に示す従来例と同様、前記型形状に賦形され、真空成
形品とされた後、二次成形に供されて基材111と接合
される(図9参照)。前記樹脂シート21の中間層21
bは、発泡ポリプロピレン(発泡PP)等の発泡樹脂材
料より形成され、二次成形により真空成形品を基材11
1と接合して最終製品としたときに、その意匠面側にソ
フト感を付与する。また、前記表面層21aは、ポリ塩
化ビニル(PVC)またはオレフィン系熱可塑性エラス
トマ(TPO)等の伸び率の高い樹脂材料からなり、前
記最終製品の意匠面を構成するようになっている。一
方、前記バリア層21cは、ポリプロピレン(PP)
等、表面層21aより伸び率の低い樹脂材料からなり、
前記二次成形時に、前記中間層21b及び表面層21a
を基材111からの熱等から保護するようになってい
る。なお、通常、前記表面層21aの肉厚は0.1〜
1.0mm、中間層21bの肉厚は1.0〜5.0mm、バ
リア層21cの肉厚は0.3〜2.0mmの範囲とされ
る。
【0015】更に、本実施形態の樹脂シート21は、前
記切断位置Cより外側(プラグ61側)の所定位置、例
えば、図3に示すように、第3の曲げ部25よりプラグ
61側に所定距離離間した位置のバリア層21c側に、
スリット31を形成している。具体的には、図1に示す
ように、少なくとも前記バリア層21cに、前記第3の
曲げ部25の長さ方向、または、前記切断位置Cにおけ
る樹脂シート21の切断線(図1中二点鎖線で示す)と
略平行に延びるよう、4本のスリット31が形成されて
いる。本実施形態では、各スリット31は、図5に示す
ように、バリア層21c及び中間層21bにわたって断
面略三角形状となるよう形成される。
【0016】次に、上記のように構成した三層タイプの
樹脂シート21を使用した真空成形方法について、図6
乃至図10を参照して説明する。
【0017】図6は本発明の第一の実施形態の真空成形
方法を示す工程図である。図7は本発明の第一の実施形
態の真空成形方法の賦形工程における樹脂シートの挿着
部の状態を示す断面図であり、(a)はスリットの断裂
前の状態を、(b)はスリットの断裂後の状態を示す。
図8は本発明の第一の実施形態の真空成形方法の賦形工
程における樹脂シートの状態を示す斜視図である。図9
は本発明の真空成形方法により成形した真空成形品を基
材に接合した二次成形品を示す断面図である。図10は
スリットを表面層側に形成した比較例を示す断面図であ
る。
【0018】かかる構成の樹脂シート21を使用して真
空成形を行うには、まず、図6に示すスリット形成工程
で、樹脂シート21の所定位置のバリア層21c及び中
間層21bに前記スリット31を形成する。次に、加熱
工程で、樹脂シート21全体を予備加熱して塑性変形可
能な状態に軟化した後、配置工程で、樹脂シート21を
型50の上方から被せて、プラグ61により型50に対
してクランプし、気密に封止する。そして、賦形工程
で、型50の表面に連通する多数の吸引孔(図示略)を
介して、樹脂シート21を型50に対して真空吸着する
ことにより、樹脂シート21が型形状に合致した所定形
状に賦形される。即ち、図2の型50を使用した場合、
樹脂シート21は、図3に示すように、突部53の上下
両端のコーナ部53a,53b及び凹部53cに対応す
る位置に、それぞれ、所定曲率の第1乃至第3の曲げ部
23,24,25を有する断面形状に賦形される。その
後、冷却工程において、かかる所定形状に賦形した樹脂
シート21を冷却した後、トリミング工程において、樹
脂シート21を図1及び図3中二点鎖線で示す切断位置
Cで切断してトリミングすることにより、図9に示す所
望形状の真空成形品を得ることができる。この真空成形
品は、従来例と同様、外周側の一定部分を下方略垂直方
向に彎曲する彎曲部22とすると共に、彎曲部22の下
端部を内方に彎曲する挿着部26とした断面形状を有し
ている。
【0019】ここで、前記賦形工程において、樹脂シー
ト21の外周縁部はプラグ61により型50の平面部5
1に圧接されているため、真空吸着による型50表面へ
の接近及び密着に伴い、樹脂シート21のプラグ61よ
り内側部分、特に、その第1乃至第3の曲げ部23,2
4,25に引っ張り応力が加えられ、樹脂シート21は
かかる引っ張り応力を受けて伸長しようとする。このと
き、型50の突部53の上下両端のコーナ部53a,5
3bに対応する樹脂シート21の第1及び第2の曲げ部
23,24は、その曲率も比較的大きく緩やかである一
方、凹部53cに対応する第3の曲げ部25は、曲率が
小さく、かつ、プラグ61位置に最も近いため、第3の
曲げ部25に引っ張り応力が集中することが考えられ
る。
【0020】よって、このままでは、第3の曲げ部25
及び第3の曲げ部25に隣接する部分の三層(表面層2
1a、中間層21b及びバリア層21c)が一体的に大
きく引き伸ばされ、第2の曲げ部24と第3の曲げ部2
5との間の部分の肉厚が、真空成形品の一般肉厚よりか
なり小さくなる可能性がある。この場合、これら三層2
1a,21b,21cの樹脂材料には復元力がないた
め、従来例と同様、図11に示すように、真空成形品を
基材111に接合したとき、真空成形品の端部の肉厚が
小さく、基材111の挿着凹部111aにそうちゃくぶ
26を挿着した際に、それらの間に隙間が生じる可能性
がある。また、表面層21aは伸び率が高く、大きな引
っ張り力にも十分に対応して、意匠面として良好に機能
するものの、バリア層21cは伸び率が低く、かつ、第
3の曲げ部25では外周側に位置しているため、引っ張
り力により大きく引き伸ばされて断裂する可能性もあ
る。そして、その断裂が、図3中二点鎖線より右側の真
空成形品となる部分まで及ぶと製品不良となる可能性が
ある。更に、中間層21bが引き伸ばされて薄肉となる
と、本来のソフト感が失われてしまう。したがって、上
記のような場合、真空成形品に成形ばらつきが生じ、外
観品質が低下して製品不良となる可能性がある。
【0021】しかし、本実施形態では、前記樹脂シート
21は、予め、スリット形成工程において、第3の曲げ
部25よりプラグ61側の所定位置にスリット31を形
成しているため、賦形工程において、第3の曲げ部25
に応力が集中しても、第3の曲げ部25のバリア層21
c及び中間層21bが、真空成形品部分より外側の製品
外の部分で、スリット31を介して積極的に断裂してそ
の断裂範囲が樹脂シート21の伸長方向に広がる。即
ち、図7の(a)に示す賦形工程前から(b)に示す賦
形工程後にかけて、樹脂シート21の第3の曲げ部25
では、バリア層21c及び中間層21bが引っ張り方向
に断裂して樹脂シート21の伸長方向に移動すると共
に、表面層21aが同方向に伸長する。よって、第3の
曲げ部25より第2の曲げ部24側にある製品部分で
は、中間層21bが過度に伸長して薄肉となり、ソフト
感を喪失するようなことはないと共に、バリア層21c
の断裂が製品部分に至り、製品部分の外観を損なうおそ
れもない。なお、第3の曲げ部25の表面層21aは、
伸び率の高い樹脂材料からなるため、引っ張り力により
断裂して製品部分に影響を及ぼすことはない。そして、
賦形工程後の樹脂シート21は、前記スリット31の内
側線31aの位置(図7中のスリット31の右端位置)
が、中間層21bの伸長した分、内方へずれて図8に示
す位置となる。したがって、第2の曲げ部24近傍に位
置する前記挿着部26の肉厚が減少したり、その表面層
21aに断裂が生じる等の不具合を防止することができ
る。
【0022】上記のようにして製造した真空成形品は、
後段の二次成形工程に供され、別途射出成形した基材1
11に接合されてその表皮として使用される。即ち、真
空成形品は、図9に示すように、射出成形した基材11
1に一体的に接合されてその表面側に位置し、表面層2
1aが最終製品の意匠面を構成する。また、前記中間層
21bは、最終製品にソフト感を付与する。なお、前記
バリア層21cは、基材111との接合時に、中間層2
1b及び表面層21aを保護し、最終製品の品質を良好
に維持する。
【0023】ここで、前記樹脂シート21の第2の曲げ
部24と第3の曲げ部25との間、詳しくは、第2の曲
げ部24と切断線Cとの間に形成された本実施形態の挿
着部26は、図9に示すように、中間層21bの肉厚が
過度に減少していないため、基材111の挿着凹部11
1aに挿着したときに、図12に示す従来例とは異な
り、基材111の挿着凹部111aとの間に隙間が生じ
ることはなく、最終製品の見栄えを損なったり、製品不
良の原因となることはない。
【0024】なお、図10の比較例は、スリット31を
樹脂シート21の表面層21a側に形成した場合を示
し、この場合、バリア層21cの樹脂材料の伸び率が低
いため、バリア層21cが引っ張り力により断裂して製
品部分に影響を及ぼす可能性があり、好ましくない。
【0025】このように、上記実施形態の真空成形用樹
脂シートは、発泡樹脂材料からなる中間層21bと、前
記中間層21bの表面側に配置される所定伸び率の樹脂
材料からなる表面層21aと、前記中間層21bの裏面
側に配置され、前記表面層21aより伸び率の低い樹脂
材料からなるバリア層21cより構成され、所定位置に
前記表面層21a側へ曲がる第3の曲げ部25を有する
形状に真空成形されると共に、前記曲げ部25の近傍位
置で切断してトリミングされる樹脂シート21におい
て、前記切断位置Cより外側の位置で、前記バリア層2
1c及び中間層21bに前記第3の曲げ部25の長さ方
向と略平行に延びるスリット31を形成したものであ
る。
【0026】また、上記実施形態の真空成形方法は、か
かる樹脂シート21を使用して真空成形を行うものであ
り、所定位置にコーナ部53a,53b及び凹部53c
を有する型50に前記樹脂シート21を配置する配置工
程と、前記樹脂シート21を前記型50に真空吸着し
て、前記型50のコーナ部53a,53b及び凹部53
cに対応する位置に第1乃至第3の曲げ部23,24,
25を有する所定形状に賦形する賦形工程と、前記所定
形状に賦形した樹脂シート21を前記曲げ部23〜25
の近傍の切断位置Cで切断するトリミング工程とを具備
する。そして、前記配置工程前に、前記樹脂シート21
の切断位置Cより外側の位置で、前記バリア層21c及
び中間層21bに前記第3の曲げ部25の長さ方向と略
平行に延びるスリット31を形成するスリット形成工程
を追加したものである。
【0027】したがって、上記実施形態の真空成形方法
は、賦形工程時に、樹脂シート21は、製品外の部分で
ある第3の曲げ部25近傍の所定位置で、バリア層21
c及び中間層21bが積極的に断裂し、中間層21bの
肉厚の減少を防止すると共に、バリア層21cの断裂が
製品部分へ至ることを防止する。その結果、真空成形品
の一部または全体の薄肉化による不具合、及び、バリア
層21cの断裂による真空成形品の意匠部分への影響等
を防止し、全体の肉厚分布を良好として製品品質を向上
することができる。
【0028】次に、本発明による第二の実施形態を以下
に説明する。なお、第二の実施形態においては上記第一
の実施形態との相違点のみを説明し、上記第一の実施形
態と同一の構成については図面に同一符号を付してその
説明を省略する。
【0029】図11は本発明の第二の実施形態の真空成
形用樹脂シートを示す斜視図である。
【0030】本実施形態は、スリット形成工程において
樹脂シート21に形成するスリット41を、第3の曲げ
部25の長さ方向、または、前記切断位置Cにおける樹
脂シート21の切断線(図11中二点鎖線で示す)と略
平行に延びる1本の連続線とした点において第一の実施
形態と相違し、その他の点は第一の実施形態と同様であ
る。無論、前記スリット41は、樹脂シート21のバリ
ア層21c側に形成される。本実施形態も、第一の実施
形態と同様の作用を発揮し、同様の効果を奏する。
【0031】ところで、上記実施形態では、真空成形用
の型として、雄型50で、突部53の上下両端にコーナ
部53a,53bを有し、突部53と平面部51との間
に凹部53cを有する形状のものを使用し、真空成形品
として、第1乃至第3の曲げ部23,24,25を有す
る形状のものを製造する構成としたが、本発明を実施す
る場合には、これに限定されるものではなく、少なくと
も樹脂シート21に表面層21a側へ曲がる曲げ部を形
成するものであればよく、例えば、型として雌型を使用
したり、曲げ部形成用のコーナ部の数を増減したり、コ
ーナ部の曲率を任意のものとしてもよい。
【0032】また、上記第一の実施形態では、四角状に
分割して配置される4本のスリット31を樹脂シート2
1に形成し、第2の実施形態では、四角形状に連続する
1本のスリット41を樹脂シート21に形成している
が、スリットは、賦形工程時にバリア層21cの積極断
裂を許容すると共に、中間層21bの断裂またはスリッ
ト付近(製品外部分)のみにおける中間層21bの薄肉
化を許容して、製品部分における中間層21bの過度の
薄肉化を防止する手段として機能するものであればよ
い。よって、スリットは、製品外の位置とする限りにお
いて、上記実施形態の位置以外の位置、例えば、第3の
曲げ部25の位置に形成してもよい。この場合、中間層
21b等の断裂等による中間層21bの薄肉化の防止効
果が増大する。また、スリットの数は、必要に応じて増
減してもよい。
【0033】そして、上記実施形態の樹脂シート21
は、三層構成とされているが、本発明を実施する場合に
は、これに限定されるものではなく、例えば、表面層自
体を厚肉とし、賦形工程において、バリア層の断裂が製
品部分に至り、その見栄え等を損なうことを防止する必
要のある樹脂シート等、他の樹脂シートに本発明を具体
化してもよい。
【0034】
【発明の効果】以上のように、請求項1及び請求項2の
発明は、配置工程前に、樹脂シートの切断位置より外側
の位置で、バリア層に曲げ部の長さ方向と略平行に延び
るスリットを形成するものである。
【0035】したがって、賦形工程時に、樹脂シート
は、製品外の部分である第3の曲げ部近傍の所定位置
で、バリア層及び中間層が積極的に断裂し、中間層の肉
厚の減少を防止すると共に、バリア層の断裂が製品部分
へ至ることを防止する。その結果、真空成形品の一部ま
たは全体の薄肉化による不具合、及び、バリア層の断裂
による真空成形品の意匠部分への影響等を防止し、全体
の肉厚分布を良好として製品品質を向上することができ
る。
【0036】また、請求項3の発明は、かかる真空成形
方法を可能にする真空成形用樹脂シートを提供するもの
であり、上記効果の達成を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の第一の実施形態の真空成形用
樹脂シートを示す斜視図である。
【図2】 図2は本発明の真空成形方法で使用する型の
一例を示す斜視図である。
【図3】 図3は本発明の真空成形用樹脂シートの一例
を示す断面図である。
【図4】 図4は本発明の真空成形方法により樹脂シー
トを型に真空吸着した状態を示す説明図である。
【図5】 図5は本発明の第一の実施形態の真空成形用
樹脂シートを示す要部断面図である。
【図6】 図6は本発明の第一の実施形態の真空成形方
法を示す工程図である。
【図7】 図7は本発明の第一の実施形態の真空成形方
法の賦形工程における樹脂シートの挿着部の状態を示す
断面図であり、(a)はスリットの断裂前の状態を、
(b)はスリットの断裂後の状態を示す。
【図8】 図8は本発明の第一の実施形態の真空成形方
法の賦形工程における樹脂シートの状態を示す斜視図で
ある。
【図9】 図9は本発明の真空成形方法により成形した
真空成形品を基材に接合した二次成形品を示す断面図で
ある。
【図10】 図10はスリットを表面層側に形成した比
較例を示す断面図である。
【図11】 図11は本発明の第二の実施形態の真空成
形用樹脂シートを示す斜視図である。
【図12】 図12は従来の真空成形方法により成形し
た真空成形品を基材に接合した二次成形品を示す断面図
である。
【符号の説明】
21 樹脂シート 21a 表面層 21c バリア層 25 第3の曲げ部 31 スリット 41 スリット 50 型 53c 凹部(コーナ部) C 切断位置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山崎 千穂 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内 (72)発明者 細川 武司 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内 (72)発明者 永野 昭義 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定伸び率の樹脂材料からなる表面層
    と、前記表面層より伸び率の低い樹脂材料からなるバリ
    ア層を有する樹脂シートの真空成形方法であって、 所定位置にコーナ部を有する型に前記樹脂シートを配置
    する配置工程と、 前記樹脂シートを前記型に真空吸着して、前記型のコー
    ナ部に対応する位置に曲げ部を有する所定形状に賦形す
    る賦形工程と、 前記所定形状に賦形した樹脂シートを前記曲げ部の近傍
    位置で切断するトリミング工程と、 前記配置工程前に、前記樹脂シートの切断位置より外側
    の位置で、前記バリア層に前記曲げ部の長さ方向と略平
    行に延びるスリットを形成するスリット形成工程とを具
    備することを特徴とする真空成形方法。
  2. 【請求項2】 発泡樹脂材料からなる中間層の表面側に
    所定伸び率の樹脂材料からなる表面層を配置すると共
    に、裏面側に前記表皮層より伸び率の低い樹脂材料から
    なるバリア層を配置した樹脂シートの真空成形方法であ
    って、 所定位置にコーナ部を有する型に前記樹脂シートを配置
    する配置工程と、 前記樹脂シートを前記型に真空吸着して、前記型のコー
    ナ部に対応する位置に曲げ部を有する所定形状に賦形す
    る賦形工程と、 前記所定形状に賦形した樹脂シートを前記曲げ部の近傍
    位置で切断するトリミング工程と、 前記配置工程前に、前記樹脂シートの切断位置より外側
    の位置で、少なくとも前記バリア層に前記曲げ部の長さ
    方向と略平行に延びるスリットを形成するスリット形成
    工程とを具備することを特徴とする真空成形方法。
  3. 【請求項3】 発泡樹脂材料からなる中間層と、前記中
    間層の表面側に配置される所定伸び率の樹脂材料からな
    る表面層と、前記中間層の裏面側に配置され、前記表面
    層より伸び率の低い樹脂材料からなるバリア層より構成
    され、所定位置に前記表面層側へ曲がる曲げ部を有する
    形状に真空成形されると共に、前記曲げ部の近傍位置で
    切断してトリミングされる三層樹脂シートであって、 前記切断位置より外側の位置で、少なくとも前記バリア
    層に前記曲げ部の長さ方向と略平行に延びるスリットを
    形成したことを特徴とする真空成形用樹脂シート。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008037025A (ja) * 2006-08-09 2008-02-21 Calsonic Kansei Corp 真空成形用樹脂シート
JP2009119540A (ja) * 2007-11-13 2009-06-04 Sintokogio Ltd スリット加工機構およびスリット加工方法
EP2322339A3 (de) * 2009-10-06 2011-05-25 Curt jun. Niebling Verfahren zur Umformung eines ebenen Schichtstoffes
JP2017052197A (ja) * 2015-09-10 2017-03-16 トヨタ紡織株式会社 成形体の製造方法
WO2023119121A3 (en) * 2021-12-23 2023-09-14 Soremartec S.A. Method for making a package in sheet material

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