JP2024039781A - 車両用内装パネル - Google Patents

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Abstract

Figure 2024039781000001
【課題】エアバッグの膨張展開性能を向上させるのに有効な車両用内装パネルを提供する。
【解決手段】車両用内装パネル101は、エアバッグの膨張展開時に車室側に開く扉部10を備え、扉部10は、ティアラインを形成する開裂溝部20aと、開裂溝部20aの溝幅方向である第1方向Xの対向壁面21同士を繋ぐブリッジ部30と、有し、ブリッジ部30には、エアバッグ側の上面32が開裂溝部20aの底面22側に凹んでなる破断予定スリット33が設けられており、この破断予定スリット33が開裂溝部20aの溝長さ方向である第2方向Yに沿って延びている。
【選択図】図3

Description

本発明は、車両用内装パネルに関する。
下記の特許文献1には、車両用内装パネルの1つであるエアバッグカバー体が開示されている。このエアバッグカバー体は、エアバッグの膨張しつつ展開する膨張展開時に開く扉部を備えており、この扉部の裏面には、エアバッグの展開性能を確保するためにティアラインを形成する溝部(破断溝)が設けられている。扉部はエアバッグの膨張展開時にエアバッグ側から荷重を受けると溝部において破断して車室側に開放されるように構成されている。これにより、車室内の乗員に向かうエアバッグの動作が許容される。
特開2000-108833号公報
ところで、上記のエアバッグカバー体のような車両用内装パネルでは、扉部に裏面に同一断面形状の溝部を設けるのが一般的である。ところが、このような溝部を単に設けるのみではその破断位置が安定しないことが起こり得る。そして、溝部における破断位置が安定しないと、エアバッグの膨張展開性能に悪影響を及ぼすことが知られている。そこで、この種の車両用内装パネルの設計においては、エアバッグの膨張展開性能を向上させるための構造について改善の余地がある。その際、車両用内装パネルの構造として製造コストを抑えるのに有効な構造を採用するのが好ましい。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、エアバッグの膨張展開性能を向上させるのに有効な車両用内装パネルを提供しようとするものである。
本発明の一態様は、
エアバッグの膨張展開時に車室側に開く扉部を備え、
上記扉部は、ティアラインを形成する開裂溝部と、上記開裂溝部の溝幅方向の対向壁面同士を繋ぐブリッジ部と、有し、
上記ブリッジ部には、上記エアバッグ側の上面が上記開裂溝部の底面側に凹んでなる破断予定スリットが設けられており、上記破断予定スリットが上記開裂溝部の溝長さ方向に沿って延びている、車両用内装パネル、
にある。
上述の態様の車両用内装パネルにおいて、扉部にはティアラインを形成する開裂溝部が設けられている。このため、扉部はエアバッグの膨張展開時に開裂溝部において開裂して車室側に開く。また、この扉部には開裂溝部の溝幅方向の対向壁面同士を繋ぐブリッジ部が設けられており、さらにこのブリッジ部に破断予定スリットが設けられている。
ここで、破断予定スリットは、ブリッジ部のうちエアバッグ側の上面が開裂溝部の底面側に凹むことによって形成されている。また、この破断予定スリットは、開裂溝部の溝長さ方向に沿って延びている。このため、エアバッグの膨張展開時に生じた荷重は、開裂溝部よりも前にブリッジ部に作用する。これにより、ブリッジ部は、予め定められた破断予定スリットの位置で安定して破断する。そして、ブリッジ部の破断後に開裂溝部が開裂する。
本態様の車両用内装パネルによれば、開裂溝部よりもエアバッグに近い位置あるブリッジ部に破断予定スリットを設けることにより、扉部がエアバッグ側から荷重を受けたときに扉部を車室側に速やかに開かせることができる。これにより、エアバッグがその膨張展開時に扉部から受ける抵抗を低く抑えることができ、それに伴ってエアバッグの膨張展開性能を向上させることができる。
従って、上述の態様によれば、エアバッグの膨張展開性能を向上させるのに有効な車両用内装パネルを提供することが可能になる。
実施形態1にかかる車両のインストルメントパネルを車室側からみた図。 実施形態1の車両用内装パネルを裏面側から見た平面図。 図2中の開裂溝部の部分拡大図。 図3のIV-IV線矢視断面図。 実施形態1の車両用内装パネルの製造方法のフローチャート。 実施形態2の車両用内装パネルについて図3に対応した部分拡大図。 実施形態3の車両用内装パネルについて図4に対応した断面図。
上述の態様の好ましい実施形態について以下に説明する。
なお、上述の態様において、「膨張展開」とは、予め所定の形態に折り畳まれたエアバッグが、ガスの供給を受けて膨張しながら折り畳まれた状態を解除するように展開する動作をいう。
上述の態様の車両用内装パネルにおいて、上記ブリッジ部は、このブリッジ部を上記エアバッグ側から見たとき、上記溝長さ方向のブリッジ幅寸法が上記破断予定スリットにおいて最小となるように上記溝幅方向の側面が括れた括れ形状をなしているのが好ましい。
この車両用内装パネルによれば、ブリッジ部の側面を括れ形状とすることで、ブリッジ部がエアバッグ側から受ける荷重を破断予定スリットに集中させ易くすることができる。
上述の態様の車両用内装パネルにおいて、上記開裂溝部は、その溝断面の上記溝幅方向の溝幅寸法が上記底面から溝開口まで漸増するように拡張されたV溝として構成されているのが好ましい。
この車両用内装パネルによれば、開裂溝部をV溝とすることで底面における溝幅寸法を極力小さく抑えることが可能になる。これにより、開裂溝部の底面の面品質不良の発生を防ぐことができる。
また、開裂溝部の底面における溝幅寸法を小さくすれば、車両用内装パネルを射出成形で成形する場合でも、底面の下方領域である底部の厚み不足が要因で成形不良が生じるのを防ぐことができ、開裂溝部の底部を薄肉化することができる。そして、開裂溝部の底部を薄肉化できれば、エアバッグの膨張展開性能を向上させることが可能になる。
さらに、開裂溝部をV溝とすることで、射出成形で使用する金型の強度不足が発生を防ぐことができる。すなわち、金型のうち開裂溝部に相当する部位の幅寸法を底面における溝幅寸法に合わせて概ね一定とすると、金型の厚み不足による強度低下がネックとなって射出成形を採用するのが難しいが、金型をV溝に対応した形状にすれば、金型の厚み不足による強度低下を防ぐことができる。したがって、車両用内装パネルを射出成形で不具合なく成形することが可能になる。
そして、車両用内装パネルを射出成形で成形すれば、開裂溝部をエンドミル加工で後加工する必要がなく、エンドミル加工機のための設備コストの削減に加えて、エンドミル加工後の板厚測定などの工数を省いて省エネルギー化を図ることで、車両用内装パネルを安価に製造できる。
上述の態様の車両用内装パネルにおいて、上記破断予定スリットは、上記ブリッジ部を上記開裂溝部の溝深さ方向から見たとき、上記上面のうち上記開裂溝部の上記底面と部分的に重なる位置に設けられているのが好ましい。
この車両用内装パネルによれば、破断予定スリットを開裂溝部の底面と部分的に重なる位置に設けることによって、ブリッジ部が破断予定スリットの位置で破断してから開裂溝部が底面において開裂するまでの時間を極力短く抑えることができる。これにより、エアバッグの膨張展開性能の更なる向上を図ることが可能になる。
以下、上述の態様の車両用内装パネルのより具体的な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
なお、本明細書を説明するための図面では、特に断わらない限り、車両上方を矢印UPで示し、車両内方を矢印INで示すものとする。また、車両用内装パネルについて、互いに直交し且ついずれも扉部の表面に沿った方向である第1方向及び第2方向をそれぞれ矢印X及び矢印Yで示し、この扉部の厚み方向である第3方向を矢印Zで示すものとする。
(実施形態1)
図1に示されるように、実施形態1の車両用内装パネル(以下、単に「内装パネル」ともいう。)101は、インストルメントパネルのうち車両の助手席に対向する内装パネルである。以下では、内装パネル101の車室2側の面を表面と定義し、車室2側とは反対側の面を裏面と定義して説明する。
1.内装パネル101の構造
図2に示されるように、内装パネル101は、エアバッグ1の膨張展開時に車室2側に開く扉部10を備えている。特に図示しないが、エアバッグ1は、可撓性を有する複数の基布を縫合して袋状に形成されており、予め所定の形態に折り畳まれた状態で内装パネル101の裏面側に設けられているリテーナー14に収容されている。このエアバッグ1がインフレータからガスの供給を受けて膨張しながら折り畳まれた状態を解除するように展開する。このようなエアバッグ1の動作を「膨張展開」ということができる。
扉部10には、ヒンジ部11aを中心に開閉可能な複数(図2では4つ)のエアバッグドア11が設けられている。この扉部10は、エアバッグ1側の裏面10aにティアライン(「テアライン」ともいう。)を形成するように設けられた複数の開裂溝部20を有する。この扉部10の裏面10aは、エアバッグ1と対向する対向面になっている。このため、複数のエアバッグドア11は、エアバッグ1側から荷重を受けると複数の開裂溝部20に沿って開裂しヒンジ部11aを中心に回動することによって車室2側に開放される。このとき、エアバッグドア11は、エアバッグ1から直に荷重を受けてもよいし、或いは、エアバッグ1を覆うカバーや別部材などを介して間接的に荷重を受けてもよい。
複数の開裂溝部20には、第2方向Yに直線状に延びる開裂溝部20aと、開裂溝部20aの両端から第2方向Yと交差して斜め方向に直線状に延びる開裂溝部20bと、が含まれている。なお、複数の開裂溝部20は実質的に同一構造を有する。したがって、以下では、代表して開裂溝部20aの構造についてのみ説明し、開裂溝部20bの構造についての説明を省略する。
図4に示されるように、内装パネル101は、パネル基材12と、このパネル基材12の第3方向Zの片面に接合されたパネル表皮13と、によって構成されている。パネル基材12は、硬質の樹脂材料からなる。パネル表皮13は、パネル基材12と同様の硬質の樹脂材料からなる層と、内装パネル101の表面を形成する軟質の樹脂材料からなる層と、によって構成された積層構造を有するのが好ましい。
2.開裂溝部20aの構造
図3及び図4に示されるように、開裂溝部20aは、第1方向Xを溝幅方向とし、第2方向Yを溝長さ方向とし、第3方向Zを溝深さ方向とした溝部である。この開裂溝部20aは、第3方向Zの最低所となる底面22と、この底面から立設され且つ互いに対向する2つの対向壁面21と、を有する。対向壁面21は、一定の傾きで直線的に延びる傾斜面である。この開裂溝部20aは、その溝断面の第1方向Xの溝幅寸法D(図3を参照)が底面22から溝開口23に向けて漸増するように拡張されたV溝として構成されている。開裂溝部20aをV溝にすれば、扉部10の剛性を確保するのに効果がある。
扉部10は、この開裂溝部20aの溝幅方向(第1方向X)の対向壁面21同士を繋ぐブリッジ部30を有する。そして、このブリッジ部30が第1方向Yに間隔を隔てて複数設けられている。これにより、開裂溝部20aの2つの対向壁面21は、複数のブリッジ部30を介して部分的に連結されている。V溝である開裂溝部20aにブリッジ部30を組み合わせるようにすれば、ブリッジ部30のない場合に比べて扉部10の剛性アップを図ることができる。
3.ブリッジ部30の構造
図3及び図4に示されるように、ブリッジ部30は、第2方向Yの両側の側面31と、第3方向Zの表面となる上面32と、を有する。ここで、ブリッジ部30の上面32は、エアバッグ1と対向するエアバッグ1側の対向面である。このブリッジ部30には、その上面32が開裂溝部20aの底面22側に凹んでなる破断予定スリット33が設けられている(図4を参照)。この破断予定スリット33は、開裂溝部20aの溝長さ方向である第2方向Yに沿って延びている(図3を参照)。この破断予定スリット33は、表皮13に向けて凹んだスリット溝であり、第1方向Xをスリット幅とし、第2方向Yをスリット長さとし、第3方向Zをスリット深さとするものである。
図3に示されるように、ブリッジ部30は、このブリッジ部30を第3方向Zから見たとき(すなわち、ブリッジ部30を上面32側である上方から見たとき)、第2方向Yのブリッジ幅寸法dが破断予定スリット33において最小となるように側面31が括れた括れ形状をなしている。本形態では、2つの側面31の上縁が第1方向Xの中央部に近づくにつれて互いに近接するように直線状に傾斜している。ブリッジ部30の側面31を括れ形状とすることで、ブリッジ部30がエアバッグ1側から受ける荷重を破断予定スリット33に集中させ易くすることができる。また、破断予定スリット33は、ブリッジ部30を第3方向Zから見たとき、上面32のうち開裂溝部20aの底面22と部分的に重なる位置に設けられている。
4.内装パネル101の製造方法
上記構成の内装パネル101は、例えば、図5に示されるフローチャートにしたがって製造される。
図5中の第1ステップS101は、パネル基材12を射出成形によって作製するステップである。この第1ステップS101では、開裂溝部20aを射出成形するとともに、ブリッジ部30もあわせて射出成形する。これにより、開裂溝部20aをエンドミル加工で後加工する必要がなく、エンドミル加工機のための設備コストの削減に加えて、エンドミル加工後の板厚測定などの工数を省いて省エネルギー化を図ることで、車両用内装パネルを安価に製造できる。
図5中の第2ステップS102は、第1ステップS101で作製されたパネル基材12の片面に、エアバッグ1を収容するためのリテーナー14(図2を参照)を接合するステップである。この第2ステップS102では、例えば、振動溶着と称される工法を使用することができる。この第2ステップS102によれば、パネル基材12にリテーナー14が接合された成形体を作製できる。
図5中の第3ステップS103は、第2ステップS102で作製した成形体のうち、リテーナー14が接合されている裏面とは反対側の表面にパネル表皮13を接合するステップである。この第3ステップS103では、例えば、真空成形と称される工法を使用することができる。この真空成形では、パネル表皮13を加熱軟化させたのち、パネル表皮13とパネル基材12との隙間を真空状態(減圧状態)にしてパネル表皮13とパネル基材12に密着させる。この第3ステップS103によれば、パネル基材12の両面のそれぞれにリテーナー14及びパネル表皮13のそれぞれが接合された成形体を作製できる。なお、本形態では、V溝である開裂溝部20aにブリッジ部30を組み合わせた構造を採用しているため、真空成形時にパネル基材12が熱を受けたとしても熱変形が生じにくく、所望の外観品質を維持することができる。
図5中の第4ステップS104は、第3ステップS103に引き続いて、パネル表皮13のトリミングを行うステップである。この第4ステップS104によれば、パネル表皮13のうちパネル基材12からはみ出している余分な部位がカットされて除去される。これにより、内装パネル101を作製できる。
なお、パネル基材12にリテーナー14を接合するステップは、図5に示されるようにパネル表皮13の接合前に実施してもよいし、これに代えて、パネル表皮13の接合後に実施してもよい。パネル表皮13の接合前に実施する場合には、パネル基材12に予めリテーナー14が接合されて剛性が全体的に高められた成形体に対してパネル表皮13の真空成形がなされるため、この成形体の真空成形時の熱変形を抑える効果が高いという利点がある。
次に、上述の実施形態1の作用効果について説明する。
実施形態1の内装パネル101において、扉部10にはティアラインを形成する開裂溝部20aが設けられている。このため、扉部10のエアバッグドア11はエアバッグ1の膨張展開時に開裂溝部20aにおいて開裂して車室2側に開く。また、この扉部10には開裂溝部20aの対向壁面21同士を繋ぐブリッジ部30が設けられており、さらにこのブリッジ部30に破断予定スリット33が設けられている。
ここで、破断予定スリット33は、ブリッジ部30のうち上面32が開裂溝部20aの底面22側に凹むことによって形成されている。また、この破断予定スリット33は、第2方向Yに沿って延びている。このため、エアバッグ1の膨張展開時に生じた荷重は、開裂溝部20aよりも前にブリッジ部30に作用する。これにより、ブリッジ部30は、予め定められた破断予定スリット33の位置で安定して破断する。そして、ブリッジ部30の破断後に開裂溝部20aが開裂する。
本形態の内装パネル101によれば、開裂溝部20aよりもエアバッグ1に近い位置あるブリッジ部30に破断予定スリット33を設けることにより、扉部10がエアバッグ1側から荷重を受けたときに扉部10を車室2側に速やかに開かせることができる。これにより、エアバッグ1がその膨張展開時に扉部10から受ける抵抗を低く抑えることができ、それに伴ってエアバッグ1の膨張展開性能を向上させることができる。
従って、上述の実施形態1によれば、エアバッグ1の膨張展開性能を向上させるのに有効な内装パネル101を提供することが可能になる。
実施形態1の内装パネル101によれば、破断予定スリット33を開裂溝部20aの底面22と部分的に重なる位置に設けることによって、ブリッジ部30が破断予定スリット33の位置で破断してから開裂溝部20aが底面22において開裂するまでの時間を極力短く抑えることができる。これにより、エアバッグ1の膨張展開性能の更なる向上を図ることが可能になる。
実施形態1の内装パネル101によれば、開裂溝部20aをV溝とすることで底面22における溝幅寸法Dを極力小さく抑えることが可能になる。これにより、開裂溝部20aの底面22の面品質不良の発生を防ぐことができる。
また、開裂溝部20aの底面22における溝幅寸法Dを小さくすれば、内装パネル101を射出成形で成形する場合でも、底面22の下方領域である底部22a(図4を参照)の第3方向Zの厚み不足が要因で成形不良が生じるのを防ぐことができ、開裂溝部20aの底部22aを薄肉化することができる。そして、開裂溝部20aの底部22aを薄肉化できれば、エアバッグ1の膨張展開性能を向上させることが可能になる。
さらに、開裂溝部20aをV溝とすることで、射出成形で使用する金型の強度不足が発生を防ぐことができる。すなわち、金型のうち開裂溝部20aに相当する部位の幅寸法を底面22における溝幅寸法Dに合わせて概ね一定とすると、金型の厚み不足による強度低下がネックとなって射出成形を採用するのが難しいが、金型をV溝に対応した形状にすれば、金型の厚み不足による強度低下を防ぐことができる。したがって、内装パネル101を射出成形で不具合なく成形することが可能になる。
そして、内装パネル101を射出成形で成形すれば、開裂溝部20aをエンドミル加工で後加工する必要がなく、エンドミル加工機のための設備コストの削減に加えて、エンドミル加工後の板厚測定などの工数を省いて省エネルギー化を図ることで、内装パネル101を安価に製造できる。
以下、上述の実施形態1に関連する他の形態について図面を参照しつつ説明する。他の形態において、実施形態1の要素と同一の要素には同一の符号を付しており、当該同一の要素についての説明は省略する。
(実施形態2)
図6に示されるように、実施形態2の内装パネル102は、ブリッジ部30Aの側面31が第1方向Xに沿って平坦面であり括れ形状をなしていない点で、実施形態1の内装パネル101のものと相違している。
その他の構成については、実施形態1の場合と同様である。
実施形態2の内装パネル102によれば、実施形態1の内装パネル101に比べて、ブリッジ部30Aの形状を簡素化することができる。したがって、金型の形状が複雑になるのを防ぐことができる。
その他、実施形態1と同様の作用効果を奏する。
(実施形態3)
図7に示されるように、実施形態3の内装パネル103は、開裂溝部20aの溝断面形状が略矩形である点で、実施形態1の内装パネル101のものと相違している。すなわち、開裂溝部20aは、その溝断面の第1方向Xの溝幅寸法Dが底面22から溝開口23まで概ね一定となるように構成されている。
この内装パネル103の場合、開裂溝部20aの底面22における溝幅寸法Dが実施形態1のものを大きく上回る。このため、開裂溝部20aの底部22aを薄肉化してエアバッグ1の膨張展開性能を高めたいときには、開裂溝部20a及びブリッジ部30を射出成形ではなく、エンドミルを使用して後加工するのが好ましい。
その他の構成及び製造方法については、実施形態1の場合と同様である。
実施形態3の内装パネル103によれば、開裂溝部20aをV溝とは別形状の矩形溝とすることができる。
その他、実施形態1と同様の作用効果を奏する。
本発明は、上述の典型的な形態のみに限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の応用や変形が考えられる。例えば、上述の形態を応用した次の各形態を実施することもできる。
上述の形態では、開裂溝部20aをV溝や矩形溝とする場合について例示したが、必要に応じて、開裂溝部20aをV溝や矩形溝以外の形状に変更することもできる。例えば、開裂溝部20aの対向壁面21を湾曲面にしてもよい。
上述の形態では、破断予定スリット33を開裂溝部20aの底面22と部分的に重なる位置に設ける場合について例示したが、エアバッグ1の所望の膨張展開性能を確保できる場合には、破断予定スリット33が開裂溝部20aの底面22と重ならない構造を採用することもできる。
上述の形態では、車両の助手席に対向する部位に設けられる内装パネル101,102,103について例示したが、この内装パネル101,102,103の構造を、扉部を備える他の内装パネルの構造に適用することもできる。
1 エアバッグ
2 車室
10 扉部
10a 裏面
20,20a,20b 開裂溝部
21 対向壁面
22 底面
23 溝開口
30,30A,30B ブリッジ部
31 側面
32 上面
33 破断予定スリット
101,102,103 車両用内装パネル
d ブリッジ幅寸法
D 溝幅寸法
X 第1方向(溝幅方向)
Y 第2方向(溝長さ方向)
Z 第3方向(溝深さ方向)

Claims (4)

  1. エアバッグの膨張展開時に車室側に開く扉部を備え、
    上記扉部は、ティアラインを形成する開裂溝部と、上記開裂溝部の溝幅方向の対向壁面同士を繋ぐブリッジ部と、有し、
    上記ブリッジ部には、上記エアバッグ側の上面が上記開裂溝部の底面側に凹んでなる破断予定スリットが設けられており、上記破断予定スリットが上記開裂溝部の溝長さ方向に沿って延びている、車両用内装パネル。
  2. 上記ブリッジ部は、このブリッジ部を上記開裂溝部の溝深さ方向から見たとき、上記溝長さ方向のブリッジ幅寸法が上記破断予定スリットにおいて最小となるように上記溝幅方向の側面が括れた括れ形状をなしている、請求項1に記載の、車両用内装パネル。
  3. 上記開裂溝部は、その溝断面の上記溝幅方向の溝幅寸法が上記底面から溝開口まで漸増するように拡張されたV溝として構成されている、請求項1または2に記載の、車両用内装パネル。
  4. 上記破断予定スリットは、上記ブリッジ部を上記開裂溝部の溝深さ方向から見たとき、上記上面のうち上記開裂溝部の上記底面と部分的に重なる位置に設けられている、請求項1または2に記載の車両用内装パネル。
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