JPH08301053A - エアバッグドア部を有する車室側部材の構造およびその製法 - Google Patents

エアバッグドア部を有する車室側部材の構造およびその製法

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JPH08301053A
JPH08301053A JP7129624A JP12962495A JPH08301053A JP H08301053 A JPH08301053 A JP H08301053A JP 7129624 A JP7129624 A JP 7129624A JP 12962495 A JP12962495 A JP 12962495A JP H08301053 A JPH08301053 A JP H08301053A
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Katsuhiro Tange
勝博 丹下
Takeo Yagi
丈夫 八木
Masahiko Yanagihara
雅彦 柳原
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Toyota Motor Corp
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Inoue MTP KK
Inoac Corp
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表皮の成形の際に破断予定部に破れなどを生
じることがなく、しかも該破断予定部が表皮の劣化、収
縮により亀裂などの外観不良を生ずることなく、しかも
エアバッグの膨張時には確実に破断させることができ
る。 【構成】 パウダースラッシュ成形型の表皮破断予定部
に、鋭角部と一般部とを交互に形成したビード部を突設
し、これに表皮用樹脂材料を導入して、破断予定部に沿
ってその裏面側に折り曲げられたフランジ部13と前記
フランジ部先端の折り曲げ部15に鋭角状薄肉部16と
平坦状一般部17とが交互に形成された表皮12を得
て、前記表皮裏面側に合成樹脂発泡材料を注入し合成樹
脂発泡層11を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は自動車のエアバッグ装
置に関連し、特にはそのエアバッグドア部を有する車室
側部材の構造およびその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば自動車の助手席側に設けられるエ
アバッグ装置は、添付の図面の図18に示すように、折
り畳まれたエアバッグAがエアバッグ収容容器C内にエ
アバッグ作動装置Iとともに収容されて助手席前面の車
室側部材(インストルメントパネル)P内側に格納され
ている。エアバッグ収容容器Cの上部は、エアバッグA
が車室内に展開するための開口部Oとして構成されてお
り、この開口部Oは車室側部材Pに一体に形成されたエ
アバッグドア部Dによって覆われている。このエアバッ
グ装置は、一旦自動車が大きな衝撃を受けた時には前記
作動装置Iが作動し、図20に示すように、膨張したエ
アバッグAが車室側部材Pに一体に形成されたエアバッ
グドア部Dを内側から押し開いて車室内に展開するよう
になっている。
【0003】車室側部材Pは図のように合成樹脂発泡層
71上面に表皮72を一体に有し、該表皮72のエアバ
ッグ展開開口部Oに対応する所定位置にはエアバッグド
ア部Dを画定する薄肉の破断予定部73が形成されてい
る。図中符号74は車室側部材Pの裏面に設けられた芯
材、75はエアバッグドア用芯材、76はエアバッグ収
容容器Cと芯材74(およびエアバッグドア用芯材7
5)とを固定する取付部材、Tは車室側部材Pの破断予
定部である。
【0004】ところで、車室側部材Pの表皮72は一般
に塩化ビニール等の軟質プラスチックのパウダースラッ
シュ成形あるいは真空成形等によって所定の表皮形状に
成形される。そして、エアバッグドア部Dを画定する前
記薄肉の破断予定部73は、エアバッグAが膨張する際
に確実に破断することができるように、表皮72の一般
部分の厚みが約0.8mmから1.2mmである場合、
概ね0.3mm以下、好ましくは0.1mm以下の厚み
に形成されることが望ましい。
【0005】しかるに、この表皮72における破断予定
部73の厚みが極めて薄くなるために、表皮成形の脱型
時に当該破断予定部73が破れるおそれがある。また、
車室側部材Pの表皮72は、車室内に照射される太陽光
線やそれに起因する熱履歴によって経時的に劣化し収縮
することが知られている。このような場合において、強
度が低い薄肉の破断予定部73でこの劣化、収縮の影響
が大となり、その結果、表皮72の破断予定部73に亀
裂が生じたり内側の合成樹脂発泡体層71が露出するな
どの外観不良を生じやすいという問題が指摘されてい
る。
【0006】一方、当該破断予定部における表皮の厚み
を、劣化による亀裂を生じにくくなるまで大きくする
と、今度はエアバッグAの膨張時に該破断予定部73が
スムーズに破断しなくなるおそれもある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、薄肉の破
断予定部に表皮の劣化、収縮による亀裂などの外観不良
の発生を防ぎ、しかもエアバッグの膨張時には確実に破
断させることができる車室側部材のエアバッグドア部の
構造を提供しようとするものである。そして、表皮の成
形の際には、薄肉の破断予定部を効率よくかつ破れなど
を生じることなく形成することができる車室側部材のエ
アバッグドア部の製法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、この発明の車
室側部材のエアバッグドア部の構造は、合成樹脂発泡層
上面にエアバッグドア部を画定する破断予定部が形成さ
れた表皮を一体に有する車室側部材において、前記表皮
は前記破断予定部に沿ってその裏面側に折り曲げられた
フランジ部の合接部を有するとともに、前記フランジ部
の合接部先端の折り曲げ部に鋭角状薄肉部が平坦状一般
部と交互に形成されていることを特徴とする。
【0009】そして、この発明の車室側部材のエアバッ
グドア部の製法は、表皮のパウダースラッシュ成形型の
表皮破断予定部に、厚み0.8ないし1.0mmで高さ
4ないし10mmのビード部を突設するとともに、前記
ビード部先端を鋭角状にした鋭角部と平坦な一般部とを
交互に形成し、これに表皮用樹脂材料を導入して、破断
予定部に沿ってその裏面側に折り曲げられたフランジ部
と前記フランジ部先端の折り曲げ部に鋭角状薄肉部と平
坦状一般部が交互に形成された表皮を得る工程と、前記
工程で得られた表皮裏面側に合成樹脂発泡材料を注入し
合成樹脂発泡層を形成して、破断予定部に沿ってその裏
面側に折り曲げられたフランジ部の合接部を有するとと
もに、前記フランジ部の合接部先端の折り曲げ部に鋭角
状薄肉部が平坦状一般部と交互に形成された表皮を有す
る車室側部材を得る工程とを含むことを特徴とする。
【0010】
【実施例】以下添付の図面に従ってこの発明を詳細に説
明する。図1はこの発明構造の一実施例を示す自動車の
車室側部材の概略斜視図、図2はそのエアバッグ装置が
取り付けられた部分の断面図、図3は図2の矢印3部分
の拡大断面図、図4はこの発明構造のエアバッグドア部
が開口した状態を示す断面図、図5はこの発明構造の車
室側部材の表皮フランジ部の合接部に沿って切断した拡
大断面図、図6は図5の6A−6A線および6B−6B
線で切断した断面図、図7はこの発明構造に係る表皮を
裏面側から見た要部の斜視図、図8はこの発明構造の表
皮の他の例を示す要部の拡大断面図、図9は同じく表皮
の他の例を示す拡大断面図である。
【0011】また、図10ないし図17はこの発明のエ
アバッグドア部を有する車室側部材の製法に関するもの
であって、図10は表皮の成形に用いられるパウダース
ラッシュ成形型を示す断面図、図11はそのビード部を
示す要部の斜視図、図12は前記パウダースラッシュ成
形型によって表皮を成形する状態を示す断面図、図13
はビード部における表皮成形状態を示す断面図、図14
は表皮の裏面側に合成樹脂発泡材料を注入する状態を示
す断面図、図15はその発泡成形状態を示す断面図、図
16は発泡成形前における表皮フランジ部の状態を示す
断面図、図17は発泡成形時における表皮フランジ部の
状態を示す断面図である。
【0012】図1ないし図4に示したように、この発明
は、インストルメントパネルのような車室側部材10に
係り、特に合成樹脂発泡層11上面にエアバッグドア部
Dを画定する破断予定部14が形成された表皮12を一
体に有するものに係る。なお、図示したエアバッグ装置
は先の従来技術の項で説明したものと同様の構造を有
し、符号Aはエアバッグ、Iは前記エアバッグAの作動
装置、Cはエアバッグ収容容器、Oはエアバッグの展開
開口部、Tは車室側部材の開裂(予定)部、20は車室
側部材の芯材、21はエアバッグ展開開口部上方に配置
されたエアバッグドア用芯材、22,23は前記車室側
部材10にエアバッグ収容容器Cを固定する取付部材で
ある。
【0013】車室側部材10は所定のインストルメント
パネル形状に形成されたもので、発泡ポリウレタンなど
からなる合成樹脂発泡層11の上面が表皮12によって
覆われている。この表皮12は公知のパウダースラッシ
ュ成形などによって成形され、その材質としては一般的
に軟質PVC、PVC−ウレタン共重合体または熱可塑
性ポリオレフィンエラストマーなどが使用される。
【0014】そして、この表皮12には、表皮12の破
断予定部14に沿って裏面側に折り曲げられることによ
るフランジ部13,13の合接部13Jが形成されてい
る。図7にその表皮を裏面側から見た図を示す。この表
皮フランジ部の合接部13Jは合成樹脂発泡層11内で
密に合接されている。この合接部13Jの折り曲げ長さ
は4ないし10mm程度が好ましい。そして、このフラ
ンジ部13,13の合接部13Jはその先端の折り曲げ
部15が他の一般部分よりも薄肉に形成されることによ
って、エアバッグAの膨張によってエアバッグドア部D
が内側から押圧された際に破断する。
【0015】前記フランジ部13,13の合接部13J
の先端の折り曲げ部15には、図5ないし図7に図示し
たように、鋭角状薄肉部16と平坦状一般部17とが交
互に形成されている。これは、表皮12の破断予定部1
4となる折り曲げ部15の強度を調整するもので、エア
バッグ作動膨張時においてエアバッグドア部Dを速やか
にかつ確実に破断させるものである。
【0016】鋭角状薄肉部16は、図5および図6に示
すように、前記折り曲げ部15を平坦状一般部17より
も薄肉とするとともに、合成樹脂発泡層11に向かって
尖る鋭角状とすることにより構成されている。それによ
り、表皮12における前記破断予定部14の位置が確実
に定められ、かつエアバッグの膨張圧力で容易に破断す
る強度が付与される。また、平坦状一般部17は、破断
予定部14の位置を画定しその破断しやすさを保ちなが
ら、表皮12の強度を保持するためのもので、折り曲げ
部15先端を平坦な形状としかつ前記鋭角状薄肉部16
よりも肉厚で、その他の一般部分よりは薄肉な構成とさ
れている。
【0017】前記鋭角状薄肉部16および平坦状一般部
17の肉厚と長さは以下のように形成することが好まし
い。すなわち、表皮12におけるフランジ部以外の一般
部分の厚みtが0.8から1.2mmである場合、前記
折り曲げ部15先端の鋭角状薄肉部16の肉厚t1は
0.1mm以下、平坦状一般部17の肉厚t2は0.2
から0.4mmとするのが好ましい。また、交互に形成
される鋭角状薄肉部16の長さw1は約3ないし5mm
とし、平坦状一般部17の長さw2は約10ないし20
mmとするのが好ましい。
【0018】鋭角状薄肉部16と平坦状一般部17との
肉厚が上記範囲より大きくなった場合、エアバッグ膨張
の際に破断予定部14が確実かつ速やかに破断しないお
それがある。また、前記鋭角状薄肉部16の一つの長さ
を5mmより大きくすると、表皮成形時の脱型の際に、
前記鋭角状薄肉部16において破れやすくなる上、当該
破断予定部14が必要以上に脆弱となる。一方、鋭角状
薄肉部16の一つの長さが3mmより小さい場合では、
折り曲げ部15の強度と破断しやすさのバランスがとり
にくくなる。さらに、破断予定部14における各鋭角状
薄肉部16間の間隔(平坦状一般部17の長さ)が10
mm以下でも、表皮成形の際の脱型が困難で鋭角状薄肉
部16が破れるおそれがあり、また前記破断予定部14
の強度が充分ではなくなる。さらにまた、各鋭角状薄肉
部16間の間隔が20mmより長くなると、鋭角状薄肉
部16が効果的に作用しない。
【0019】なお、前記鋭角状薄肉部16および平坦状
一般部17の肉厚t1,t2および長さw1,w2は前
記した範囲内で、形成される車室側部材の種類や材質な
どによって適宜に設定することができる。また、前記鋭
角状薄肉部16は、表皮12の破断予定部14において
最初に破断されるべき部分のみに形成してもよい。すな
わち、図1ではエアバッグドア部Dのドアコーナー部D
1などである。それによって、エアバッグAの膨張の際
のエアバッグドア部Dの開放を速やかに行なうことがで
きる。
【0020】さらに、前記フランジ部13の先端折り曲
げ部15に、鋭角状薄肉部16および平坦状一般部17
を交互に形成したことにより、特に強度の低い部分が、
前記破断予定部14上にミシン目状に形成される。それ
によって、エアバッグAが膨張しエアバッグドア部Dを
裏面から押圧した際には、その押圧力が、折り曲げ部1
5の鋭角状薄肉部16に集中し、図4に示されるよう
に、この部分で表皮12を確実に破断させることができ
る。特に、エアバッグの展開時には、破断予定部の周囲
の表皮に亀裂が生じるのを防ぎ、当該破断部分の破片な
どが飛散することが減少される。また、表皮成形時にお
ける脱型の際には、鋭角状薄肉部16部分が破れにくく
なるので、当該表皮の成形を効率的に行なうことができ
る。
【0021】加えて、前記鋭角状薄肉部16と平坦状一
般部17とは、表皮裏面側に折り曲げられたフランジ部
13の先端の折り曲げ部15に設けられ、しかも合成樹
脂発泡層11によってそのフランジ部13が互いに合接
されているので、前記破断予定部14が車室側部材10
の表面上に目立たず、外観が極めて良好である。さら
に、太陽光線等の影響を受けにくくなるので、経時的な
劣化および収縮などで前記破断予定部に亀裂などが発生
するのを抑えることができる。
【0022】図8はこの発明構造の表皮の他の例を示す
ものである。この表皮24においては、裏面側に凹陥す
る側壁26,26を介して凹溝部25が設けられ、一の
側壁26を表皮裏面側にさらに延ばすことにより、凹溝
部25の一側にフランジ部27,27を形成したもので
ある。符号28は折り曲げ部、29は鋭角状薄肉部であ
る。この構造によれば、車室側部材のデザイン上の自由
度が大となる。
【0023】また、図9は前記図8に図示の構造におい
て、フランジ部37,37を凹溝部35の底面略中央に
設けた例である。符号34は表皮、36は側壁、38は
折り曲げ部、39は鋭角状薄肉部である。
【0024】次に、図10ないし図17に従って、この
発明構造の車室側部材の製法について説明する。ここに
提案されるエアバッグドア部を有する車室側部材の製法
は、鋭角状薄肉部と平坦状一般部とが交互に形成された
表皮を得る工程と、前記表皮裏面側に合成樹脂発泡層を
一体に形成する工程とを含む。
【0025】まず表皮の形成工程について説明すると、
図10に示すように、表皮の成形は、公知のパウダース
ラッシュ成形型40によってなされる。このパウダース
ラッシュ成形型40はバケット41と成形型43とから
なり、前記バケット41のパウダー収容部42には、軟
質PVCパウダーなどの熱可塑性合成樹脂パウダーから
なる表皮用樹脂材料50が収容される。
【0026】前記成形型43の型面44において、前記
破断予定部14となるフランジ部13を形成する部分に
は、ビード部30が設けられている。このビード部30
は表皮の裏面に、折り曲げられたフランジ部を形成する
ためのもので、前記破断予定部14の形状に沿って突設
される。前記ビード部30は、成形される表皮のフラン
ジ部を前記した所定の長さとするため、厚み0.8ない
し1.0mmで高さ4ないし10mmに形成される。
【0027】前記ビード部30の先端には先を鋭角とし
た鋭角部31と平坦な一般部32とが交互に形成されて
いる。図11に示されるように、鋭角部31は、表皮の
フランジ部の折り曲げ部に鋭角状薄肉部を形成するため
のものである。また、一般部32は表皮に平坦状一般部
を形成するためのもので、前記鋭角部31より0.5か
ら1.0mm程度高さを下げてその先端面を平坦として
いる。なお、鋭角部31と一般部32は、前記した表皮
の鋭角状薄肉部16と平坦状一般部17との長さw1,
w2間隔となるように配設される。
【0028】そして、熱媒循環パイプ55,55,…に
加熱オイル等の熱媒を供給し、前記成形型43を適当な
温度まで加熱する。バケット41と前記成形型43とを
クランプして矢印aのように所定回数回転させると、図
12に示すように、バケット41内の表皮用樹脂材料5
0が成形型43内に移動してその型面44に接触する。
前記表皮用樹脂材料50は前記型面44の熱により溶融
し該型面44に所定厚みで層状に付着して、表皮51が
形成される。
【0029】この表皮成形時において、図13に示すよ
うに、型面44のビード部30に接触した前記表皮用樹
脂材料50は、鋭角部31では薄肉となり一般部32で
は上面が平坦であるので、鋭角部31よりも多く付着し
て厚肉となる。
【0030】しかる後、前記成形型40を冷却して、型
面に付着した表皮用樹脂材料50を固化させてから脱型
し表皮51を得る。得られた表皮51には、前記ビード
部30により、その破断予定部に沿って裏面側に折り曲
げられたフランジ部52、およびその先端に鋭角状薄肉
部56および平坦状一般部57が交互に設けられてい
る。
【0031】次いで、図14および図15に示したよう
に、前記表皮51の裏面側に合成樹脂発泡層が一体に形
成される。すなわち、発泡成形型60の下型61の型面
63に、フランジ部52が形成されている表皮の裏面側
が型内側となるようにして前記表皮51を配置する。こ
のとき、フランジ部52,52は互いに近接するように
配置することが好ましい。一方、前記発泡成形型60の
上型62の型面64には、車室側部材用芯材53および
エアバッグドア部用芯材54が適宜手段で保持されて配
置される。
【0032】そして、前記下型61に配置された表皮5
1の裏面側に、注入機65よりポリウレタン原料などの
合成樹脂発泡原料66が所定量注入された後、前記上型
62を閉じて発泡成形を行なう。
【0033】その際、図16および図17から理解され
るように、前記フランジ部52,52は合成樹脂発泡原
料66の発泡圧により合接する。特に、鋭角状先端部
は、薄肉かつ鋭角となっているので発泡圧を受けて曲が
りやすく、フランジ部が強固に密着する。合成樹脂発泡
原料66は発泡硬化して表皮51裏面に一体に合成樹脂
発泡層67を形成し、上面側(型内では下面側)にエア
バッグドア部Dを画定する破断予定部56を備えた表皮
51を有する車室側部材68が得られる。
【0034】
【発明の効果】以上図示し説明したように、この発明の
車室側部材のエアバッグドア部の構造によれば、表皮の
破断予定部には、表皮裏面側へ折り曲げられてなるフラ
ンジ部の先端に交互に設けられた鋭角状薄肉部と平坦状
一般部とを有しているので、平時には必要な強度が付与
され、しかもエアバッグの膨張時には確実かつ速やかに
破断される。さらに、合接したフランジ部の先端に設け
られているので、前記破断予定部は車室側部材の表面側
に現れず、外観が良好となるだけでなく、太陽光線や温
度などによる劣化、収縮で亀裂などを生じるのを防ぐこ
とができる。
【0035】また、本発明の製法によれば、パウダース
ラッシュ成形型に鋭角部と一般部とを交互に有するビー
ド部を設けているので、鋭角状薄肉部と平坦状一般部と
が交互に設けられたフランジ部が裏面に一体に形成され
た表皮を簡単かつ確実に成形することができる。したが
って、前記表皮を用いれば、合成樹脂発泡層の上面に一
体に有する車室側部材を簡単かつ容易にしかも確実に得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明構造の一実施例を示す自動車の車室側
部材の概略斜視図である。
【図2】そのエアバッグ装置が取り付けられた部分の断
面図である。
【図3】図2の矢印3部分の拡大断面図である。
【図4】この発明構造のエアバッグドア部が開口した状
態を示す断面図である。
【図5】この発明構造の車室側部材の表皮フランジ部の
合接部に沿って切断した拡大断面図である。
【図6】図5の6A−6A線および6B−6B線で切断
した断面図である。
【図7】この発明構造に係る表皮を裏面側から見た要部
の斜視図である。
【図8】この発明構造の表皮の他の例を示す要部の拡大
断面図である。
【図9】同じく表皮の他の例を示す拡大断面図である。
【図10】表皮の成形に用いられるパウダースラッシュ
成形型を示す断面図である。
【図11】そのビード部を示す要部の斜視図である。
【図12】前記パウダースラッシュ成形型によって表皮
を成形する状態を示す断面図である。
【図13】ビード部における表皮成形状態を示す断面図
である。
【図14】表皮の裏面側に合成樹脂発泡材料を注入する
状態を示す断面図である。
【図15】その発泡成形状態を示す断面図である。
【図16】発泡成形前における表皮フランジ部の状態を
示す断面図である。
【図17】発泡成形時における表皮フランジ部の状態を
示す断面図である。
【図18】従来のエアバッグドア部を有する車室側部材
の構造を示す断面図である。
【図19】図18の矢印19部分の拡大断面図である。
【図20】図18に示したエアバッグドア部の展開状態
を示す断面図である。
【符号の説明】
10 車室側部材 11 合成樹脂発泡層 12 表皮 13 フランジ部 14 破断予定部 15 折り曲げ部 16 鋭角状薄肉部 17 平坦状一般部 30 ビード部 31 鋭角部 32 一般部 D エアバッグドア部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 八木 丈夫 愛知県豊田市トヨタ町1番地トヨタ自動車 株式会社内 (72)発明者 柳原 雅彦 愛知県豊田市トヨタ町1番地トヨタ自動車 株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂発泡層上面にエアバッグドア部
    を画定する破断予定部が形成された表皮を一体に有する
    車室側部材において、 前記表皮は前記破断予定部に沿ってその裏面側に折り曲
    げられたフランジ部の合接部を有するとともに、前記フ
    ランジ部の合接部先端の折り曲げ部に鋭角状薄肉部が平
    坦状一般部と交互に形成されていることを特徴とするエ
    アバッグドア部を有する車室側部材の構造。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記裏面側に折り曲
    げられたフランジ部の合接部の長さが4ないし10mm
    で、前記折り曲げ部の鋭角状薄肉部の肉厚が0.1mm
    以下でかつ平坦状一般部の肉厚が0.2ないし0.4m
    mであるエアバッグドア部を有する車室側部材の構造。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、交互に形成
    された鋭角状薄肉部の長さが3ないし5mmで、平坦な
    一般部の長さが10ないし20mmであるエアバッグド
    ア部を有する車室側部材の構造。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかにおいて、
    前記鋭角状薄肉部および平坦な一般部の幅折り曲げ部の
    交互形成部分が最初に破断される破断予定部にのみ形成
    され、他の破断予定部は平坦状一般部によって形成され
    たエアバッグドア部を有する車室側部材の構造。
  5. 【請求項5】 表皮のパウダースラッシュ成形型の表皮
    破断予定部に、厚み0.8ないし1.0mmで高さ4な
    いし10mmのビード部を突設するとともに、前記ビー
    ド部先端を鋭角状にした鋭角部と平坦な一般部とを交互
    に形成し、これに表皮用樹脂材料を導入して、破断予定
    部に沿ってその裏面側に折り曲げられたフランジ部と前
    記フランジ部先端の折り曲げ部に鋭角状薄肉部と平坦状
    一般部が交互に形成された表皮を得る工程と、 前記工程で得られた表皮裏面側に合成樹脂発泡材料を注
    入し合成樹脂発泡層を形成して、破断予定部に沿ってそ
    の裏面側に折り曲げられたフランジ部の合接部を有する
    とともに、前記フランジ部の合接部先端の折り曲げ部に
    鋭角状薄肉部が平坦状一般部と交互に形成された表皮を
    有する車室側部材を得る工程とを含むことを特徴とする
    エアバッグドア部を有する車室側部材の製法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP0849128A1 (de) * 1996-12-21 1998-06-24 TRW Automotive Safety Systems GmbH Abdeckung für ein Airbag-Modul
EP0893224A3 (de) * 1997-07-24 2001-01-03 Benecke-Kaliko Aktiengesellschaft Slushverfahren zur Herstellung von Verkleidungen für Fahrzeuge mit einer Sollbruchstelle für einen Airbag sowie Armaturentafeln, Tür- oder Seitenverkleidungen für Fahrzeuge aus einer Slushhaut

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EP0893224A3 (de) * 1997-07-24 2001-01-03 Benecke-Kaliko Aktiengesellschaft Slushverfahren zur Herstellung von Verkleidungen für Fahrzeuge mit einer Sollbruchstelle für einen Airbag sowie Armaturentafeln, Tür- oder Seitenverkleidungen für Fahrzeuge aus einer Slushhaut
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