JP2849078B2 - エアバッグドアを一体に有するインストルメントパネル - Google Patents

エアバッグドアを一体に有するインストルメントパネル

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JP2849078B2 JP8280321A JP28032196A JP2849078B2 JP 2849078 B2 JP2849078 B2 JP 2849078B2 JP 8280321 A JP8280321 A JP 8280321A JP 28032196 A JP28032196 A JP 28032196A JP 2849078 B2 JP2849078 B2 JP 2849078B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、エアバッグドア
を一体に有するインストルメントパネルに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、図6に示すように、自動車のイン
ストルメントパネル60には、助手席側にエアバッグド
ア61を有するものが多くなった。そのエアバッグドア
61の裏側には、図6の7−7断面を示す図7のよう
に、エアバッグ装置Sが設けられる。エアバッグ装置S
は、折り畳まれたエアバッグAがエアバッグ収容ケース
C内に作動装置Iとともに収容されたもので、エアバッ
グ収容容器Cの上部の開口部分が前記エアバッグドア6
1によって覆われている。このエアバッグ装置Sは、一
旦自動車が衝突等により大きな衝撃を受けた時には、前
記作動装置Iが作動し、エアバッグAが膨張してエアバ
ッグドア61を裏側から押し開き車室内に展開するよう
になっている。
【0003】前記したインストルメントパネル60は、
エアバッグドア61がフロントウインド側と乗員席側へ
開く両開きタイプのもので、インストルメントパネル芯
材62の表面に発泡層63を介して表皮64が設けられ
ている。符号61aはフロントウィンド側へ開くフロン
トウィンド側エアバッグドア、61bは乗員席側へ開く
乗員席側エアバッグドアである。
【0004】インストルメントパネル芯材62は、硬質
樹脂などが所定のインストルメントパネル裏面形状に形
成されたもので、前記エアバッグドア61に相当する位
置に略方形のエアバッグ展開開口部65が形成されてい
る。そして、エアバッグAの膨張時には、前記エアバッ
グ展開開口部65のエアバッグドア61裏面をエアバッ
グAが押してエアバッグドア61を開け、車室内にエア
バッグAが展開できるようになっている。前記エアバッ
グ展開開口部65には、平常時に該エアバッグ展開開口
部65を覆い、エアバッグA膨張時の押圧により発泡層
63側へ屈曲してエアバッグ展開開口部65を開くエア
バッグドア芯材66が取り付けられている。このエアバ
ッグドア芯材66は、エアバッグドア61の裏面を補強
するためのもので、適当厚みの金属板あるいは合成樹脂
板などからなる。符号67は、前記ドア芯材66の取り
付け部材でボルト及びナットなどで構成される。
【0005】エアバッグドア芯材66は、エアバッグド
ア61が両開きタイプの場合、フロントウィンド側エア
バッグドア芯材66aと乗員席側エアバッグドア芯材6
6bとに二分されたものが用いられる。フロントウィン
ド側エアバッグドア芯材66aは、前記エアバッグ展開
開口部65のフロントウィンド側開口縁65aに一端6
7aが固定され、その反対側が自由な非固定端68aと
される。また、乗員席側エアバッグドア芯材66bは、
前記エアバッグ展開開口部65の乗員席側開口縁65b
に一端が固定され、その反対側が自由な非固定端68b
とされる。前記両エアバッグドア芯材66a,66bの
非固定端68a、68bは互いに近接し、後記する表皮
64の境界破断予定部(前記フロントウィンド側エアバ
ッグドア61aと乗員席側エアバッグドア61bとの境
界を定める表皮の破断予定部をいう。)69aに沿って
発泡層63の裏面に配置される。
【0006】発泡層63はインストルメントパネル60
に緩衝性を付与するためのもので、ポリウレタン発泡体
等からなる。この発泡層63の裏面側には、後記する表
皮64の破断予定部69の位置に合わせてスリット70
が形成されることが多い。また、表皮64は、真空成形
やパウダースラッシュ成形等によってインストルメント
パネルの表面形状に成形された軟質塩化ビニル等の合成
樹脂皮膜からなり、エアバッグドア61に対応する所定
の位置に、エアバッグドア形状をした強度の弱い破断予
定部69が形成されている。この破断予定部69は、前
記フロントウィンド側エアバッグドア61aと乗員席側
エアバッグドア61bとの境界を定める境界破断予定部
69aと、両エアバッグドア61a,61bの左右両端
を定める両端破断予定部69bとで構成される略H字形
からなり、ノッチやスリット等を表皮64裏側に形成し
て薄く構成されることが多い。
【0007】前記インストルメントパネル60は、、エ
アバッグAの膨張により、フロントウィンド側エアバッ
グドア芯材66aと乗員席側エアバッグドア芯材66b
が裏側から押圧されると、両エアバッグドア芯材66
a,66bが固定端67a,67b側を支点として発泡
層63側へ屈曲し、破断予定部69に沿って発泡層63
および表皮64が破断し、それによって、図8のように
フロントウィンド側エアバッグドア61aと乗員席側エ
アバッグドア61bがフロントウィンド側と乗員席側へ
開いてエアバッグAを車室内へ展開させる。
【0008】ところで、前記表皮64の破断予定部69
は、その厚みが薄いほどエアバッグ膨張時に破断し易
く、エアバッグドアをスムーズに開くことができる。そ
の反面、インストルメントパネル等のような車内部品の
表皮は、薄くなるほど、車内に入射する太陽光線や、夏
期等における車内の高熱によって経時的に劣化し、亀裂
や変色を生じ易くなる。そのため、前記表皮64の破断
予定部69は、経時変化による劣化の程度を考慮して、
極端に薄くならないように厚みが決定されている。
【0009】しかし、前記のように経時劣化を考慮して
表皮64の破断予定部69の厚みが決定される結果、前
記表皮64の破断予定部69は発泡層63よりも破断強
度が大になり、エアバッグ膨張時に次のような不具合を
生じる恐れがある。すなわち、エアバッグAの膨張によ
り、発泡層63および表皮64のエアバッグドア部分が
両エアバッグドア芯材66a,66bを介して裏側から
押圧されると、図9に示すように、まず前記両エアバッ
グドア芯材66a,66bの非固定端68a,68bに
よって発泡層63が前記表皮64の境界破断予定部69
aに沿って破断し、続いて、表皮64の境界破断予定部
69a付近が伸ばされ、前記発泡層63の破断した部分
が開く。
【0010】そして、前記発泡層63の破断部分63
a,63b間の隙間に前記エアバッグAが進入して、表
皮64の境界破断予定部69a付近の裏面と当接し、表
皮64の境界破断予定部69a付近を直接車室内側へ押
す。その際、表皮64の境界破断予定部69a付近と発
泡層63の破断部付近の密着が悪いと、表皮64は境界
破断予定部69a付近で発泡層63表面から剥離し、そ
の表皮64の剥離部分71a,71bの裏面と発泡層6
3の表面間72a,72bにエアバッグAの一部が入り
込んで、さらに表皮64を発泡層63から剥がすように
なる。その結果エアバッグAの膨張による押圧力が、表
皮64の剥離のために使われることになって表皮64の
破断予定部69に効率的に加わらなくなり、表皮64の
破断予定部69が速やかに破断しない恐れがある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、前記の問
題に鑑みなされたもので、両開きのエアバッグドアを一
体に有するインストルメントパネルにおいて、表皮の破
断予定部における劣化が少なく、しかもエアバッグの膨
張時にはエアバッグドアがスムーズに、かつ確実に開く
ことができるようにすることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明は、インストル
メントパネル芯材のエアバッグ展開開口部にエアバッグ
ドア芯材が取り付けられ、前記インストルメントパネル
芯材及びエアバッグドア芯材の表面に発泡層を介して、
フロントウィンド側と乗員席側へ開く両開きエアバッグ
ドアを画定する破断予定部の形成された表皮が積層され
たインストルメントパネルにおいて、前記エアバッグド
ア芯材が、前記エアバッグ展開開口部のフロントウィン
ド側開口縁に一端の固定されたフロントウィンド側エア
バッグドア芯材と、前記エアバッグ展開開口部の乗員席
側開口縁に一端の固定された乗員席側エアバッグドア芯
材とよりなり、前記フロントウィンド側エアバッグドア
芯材及び乗員席側エアバッグドア芯材の非固定端側が互
いに上下に重なり合っていることを特徴とするエアバッ
グドアを一体に有するインストルメントパネルに係る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下添付の図面に従ってこの発明
を詳細に説明する。図1はこの発明の一実施例に係るイ
ンストルメントパネルの断面図、図2は図1における境
界破断予定部付近の拡大断面図、図3は同実施例におけ
るエアバッグの膨張開始直後を示す断面図、図4は同エ
アバッグ膨張の際の表皮破断直前を示す断面図、図5は
同エアバッグ膨張の際における表皮の破断時を示す断面
図である。
【0014】図1及び図2に示すこの実施例のインスト
ルメントパネル10は、先に従来技術の説明で示した図
6のインストルメントパネル60と同様の外形からな
り、助手席側の所定位置にエアバッグドア11を有す
る。このエアバッグドア11は両開きタイプのもの
で、、フロントウィンド側12へ屈曲して開くフロント
ウィンド側エアバッグドア11aと、乗員席側13へ屈
曲して開く乗員席側エアバッグドア11bとで構成され
る。また、エアバッグドア11の裏側に設けられるエア
バッグ装置Sは、先に図6で説明したものと同様の構成
からなり、符号Aはエアバッグ、Cはエアバッグ収容ケ
ース、Iは作動装置である。
【0015】前記インストルメントパネル10は、イン
ストルメントパネル芯材21、エアバッグドア芯材3
1、発泡層41および表皮45よりなる。インストルメ
ントパネル芯材21は、硬質合成樹脂や、繊維強化合成
樹脂等から射出成形等によりインストルメントパネルの
裏面形状に形成されている。このインストルメントパネ
ル芯材21の助手席側の所定位置には、略方形のエアバ
ッグ展開開口部22が、エアバッグAの膨張および展開
用に形成されている。このエアバッグ展開開口部22の
裏面(下面)にエアバッグ収容容器Cが取り付けられ、
またエアバッグ展開開口部22の表面(上面)にエアバ
ッグドア芯材31が取り付けられている。なお、エアバ
ッグ展開開口部22の周囲には所定位置に取り付け孔
(図示せず)が形成されていて、該取り付け孔を介して
エアバッグ収容容器C、エアバッグドア芯材31がボル
トとナットよりなる取り付け部材26で固定されるよう
になっている。
【0016】エアバッグドア芯材31は、エアバッグド
ア11の裏面を補強して、エアバッグAの膨張時に発泡
層41及び表皮45の破断予定部46を効率よく破断さ
せるためのもで、フロントウィンド側エアバッグドア芯
材31aと乗員席側エアバッグドア芯材31bの二枚と
のエアバッグドア芯材よりなる。両エアバッグドア芯材
31a,31bは、略方形をした鋼板あるいはアルミ板
等の金属板、または図示しない合成樹脂製板等からな
り、その一端が固定端32a,32bとされて前記エア
バッグ展開開口部22のフロント側開口縁22aと乗員
席側開口縁22bに各々固定される。その際、前記両エ
アバッグドア芯材31a,31bの非固定端33a、3
3b側が所定量互いに上下に重なるよう、両エアバッグ
ドア芯材31a,31bの少なくとも一方は、前記エア
バッグ展開開口部22の半分より大なる寸法に形成され
ている。この例では、乗員席側エアバッグドア芯材31
bが、前記エアバッグ展開開口部22の半分より大とさ
れて、フロントウィンド側芯材31aの非固定端33a
側の裏面(下面)に重なるようになっている。
【0017】前記フロントウィンド側エアバッグドア芯
材31aと乗員席側エアバッグドア芯材31bの重なり
は、エアバッグ膨張時における発泡層41の破断後、フ
ロントウィンド側エアバッグドア11aと乗員席側エア
バッグドア11bとの境界を定める後記表皮45の境界
破断予定部46aが破断するまで、その境界破断予定部
46a裏面付近にエアバッグAが直接接触するのを防い
で、表皮45の境界破断予定部46a付近がエアバッグ
の押圧により剥がされないようにするものである。この
重なり程度は、表皮45の伸び易さや、表皮45と発泡
層41との密着(接着)程度等によって適宜選択され
る。
【0018】また、この例のフロントウィンド側エアバ
ッグドア芯材31aは、前記エアバッグ展開開口部22
の略半分の大きさからなって、その非固定端33aが、
表皮45のフロントウィンド側エアバッグドア11aと
乗員席側エアバッグドア11bとの境界を定める境界破
断予定部46aに沿って位置するようになっている。そ
のため、エアバッグ膨張時のエアバッグドア11裏面の
押圧により、フロントウィンド側エアバッグドア芯材3
1aの非固定端33aが前記表皮45の境界破断予定部
46aを効果的に押し、破断予定部46の破断開始を容
易にする。勿論、非固定端33aのみならず、固定端3
2b以外の辺についても表皮45の後記破断予定部46
の対応する部分に沿って位置させるのが好ましい。
【0019】さらに、この例のフロントウィンド側エア
バッグドア芯材31aにあっては、前記表皮45の境界
破断予定部46aに沿って位置する非固定端33aに、
前記表皮45の境界破断予定部46aに向かう起立片3
4が形成され、その起立片34によってエアバッグ膨張
時に発泡層41および表皮45の境界破断予定部46a
に押圧力を集中させ、より速やかに破断させるようにな
っている。なお、下側となる乗員席側エアバッグドア芯
材31bについては、固定端32bおよび非固定端33
b以外の辺が、表皮45の破断予定部46の対応する部
分に沿って位置させるのが好ましい。
【0020】発泡層41は、インストルメントパネル1
0の表面に緩衝性を付与するためのもので、前記エアバ
ッグドア芯材31が取り付けられたインストルメントパ
ネル芯材21の上に積層されている。この実施例では、
表皮45の境界破断予定部46aに沿って位置するフロ
ントウィンド側エアバッグドア芯材31aの起立片34
が、発泡層41の裏面側に食い込んで、その部分に一種
のスリットを形成している。なお、前記起立片34が無
い場合には、発泡層41の裏面に表皮45の境界破断予
定部46aに沿ってスリット等からなる破断開始部を形
成するのが好ましい。
【0021】表皮45は、インストルメントパネル10
の表面を保護し、外観を良好とするもので、合成樹脂皮
膜等からなり、エアバッグドア11に対応する所定の位
置に破断予定部46が形成されている。この例では、表
皮45はパウダースラッシュ成形された合成樹脂皮膜か
らなり、一方、破断予定部46は、表皮45の裏面所定
位置に形成された溝47により構成される。この破断予
定部46は、フロント側エアバッグドア11aと乗員席
側エアバッグドア11bの境界を定めるために、車幅方
向に沿って形成された境界破断予定部46aと、両エア
バッグドア11a,11bの左右両端を定めるために、
前記境界破断予定部46aの両端位置で、車両前後方向
に沿って形成された破断予定部(図示せず)とよりな
り、図6に示した破断予定部69と同様の略H字形をし
ている。
【0022】また、前記溝47は、エアバッグ膨張によ
るフロントウィンド側エアバッグドア芯材31aの屈曲
時、そのエアバッグドア芯材31aの起立片34が溝4
7内に引っ掛かって溝47(境界破断予定部46a)の
破断を容易にする働きもある。さらに、この例では、前
記溝47の両側縁47a,47bを厚みの大なる土手状
に表皮45裏側へ盛り上げて、周囲に対する溝47(破
断予定部46)の相対的強度を低下させ、エアバッグ膨
張時に応力が集中し易いようにするとともに、前記起立
片34が溝47内に引っ掛かり易くしている。勿論、前
記破断予定部46は、この例に示した溝状のものに限ら
れず、ノッチ状からなるもの、あるいは、表皮にエアバ
ッグドア形状の開口部分を形成し、その開口部分に、フ
ロントエアバッグドア形状と乗員席側エアバッグドア形
状に合わせて裁断した二枚の表皮片を接合してなるドア
用表皮片をはめて、前記開口部分の開口縁と接合し、そ
れらの接合部で破断予定部を構成したもの等、破断し易
い構造であればよい。
【0023】なお、前記インストルメントパネル10の
成形は、前記エアバッグドア芯材31が取り付けられた
インストルメントパネル芯材21と、所定形状に形成さ
れた表皮45を、図示しない発泡成形型にセットし、イ
ンストルメントパネル芯材21と表皮45間にポリウレ
タン原料等の発泡材料を注入し、発泡層41を発泡成形
することにより容易に行うことができる。
【0024】前記構造からなるインストルメントパネル
10は、フロントウィンドガラスの下部から乗員座席に
向けて車体に取り付けられる。そして、衝突等のない平
時には、図1に示すようにエアバッグドア11がエアバ
ッグ収容容器Cの開口部分を覆っている。
【0025】一方、衝突等により大なる衝撃が自動車に
加わった際には、エアバッグ装置Sの作動装置Iが作動
して、図3に示すように、エアバッグAが膨張し、エア
バッグドア11裏面のフロントエアバッグドア芯材31
aと乗員席側エアバッグドア芯材31bを上方へ押す。
それにより、両エアバッグドア芯材31a,31bはそ
の非固定33a,33b側が発泡層41側へ屈曲して、
発泡層41を表皮の破断予定部46に沿って破断させ
る。その際、この例では、両エアバッグドア芯材31
a,31bのうち上側に重なっている前記フロントウィ
ンド側エアバッグドア芯材31aの非固定端33aには
起立片34が形成され、その起立片34が表皮45の境
界破断予定部46aに沿ってあらかじめ発泡層41の裏
側に食い込んでいるため、その起立片34によって発泡
層41が表皮45の境界破断予定部容易46aに沿って
容易に破断を始める。
【0026】そして、さらなるエアバッグAの膨張によ
り、図4及び図5に示すように、前記発泡層41の破断
部が開き、表皮45の強度低下部分、すなわち境界破断
部46aが伸び、最大限度の伸びに達した時に破断予定
部46が破断し、フロントウィンド側エアバッグドア3
1aと乗員席側エアバッグドア31bが開き、エアバッ
グAが車室内に展開する。
【0027】ところで、前記のようにフロントウィンド
側エアバッグドア芯材31aと乗員席側エアバッグドア
芯材31bは、前記発泡層41の破断から表皮45の境
界破断予定部46aの破断までの間、各々の非固定端3
1a,31b側が互いに上下に重なるようにあらかじめ
重なり程度が設定されている。そのため、表皮45の境
界破断予定部46aが破断するまでの間、その境界破断
予定部46aに沿う発泡層41の破断部分を、発泡層4
1の裏面側で塞いで、エアバッグAが前記発泡層41の
破断部部分間43に入り込むのを防止する。それによっ
て、表皮45の境界破断予定部46aは、その破断時ま
でエアバッグAにより直接裏面側から押圧されなくな
り、発泡層41の表面から剥離するのが防止される。そ
して、その剥離した表皮と発泡層間にエアバッグAが進
入して生じる、さらなる表皮45の剥離及びそれによる
表皮45の破断の遅れを防止することができ、エアバッ
グドア11のスムーズな開きを実現する。
【0028】
【発明の効果】以上図示し説明したように、この発明に
あっては、フロントウィンド側エアバッグドア芯材と乗
員席側エアバッグドア芯材の各々の非固定端が互いに上
下に重なり合っているため、エアバッグ膨張時の押圧に
よる発泡層の破断時点から表皮の破断時までの間に、表
皮がエアバッグにより直接押されて発泡層から剥離する
のを防止できるとともに、その表皮の剥離により生じる
表皮の破断の遅れを防止でき、エアバッグドアをスムー
ズに開くことができる。また、この発明にあっては、表
皮の破断予定部を極端に薄くしなくてもエアバッグドア
がスムーズにかつ確実に開くため、薄肉により生じる表
皮の劣化を防ぎ、亀裂や変色等のない外観の良好なイン
ストルメントパネルが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係るインストルメントパ
ネルの断面図である。
【図2】図1における境界破断予定部付近の拡大断面図
である。
【図3】同実施例におけるエアバッグの膨張開始直後を
示す断面図である。
【図4】同エアバッグ膨張の際の表皮破断直前を示す断
面図である。
【図5】同エアバッグ膨張の際における表皮の破断時を
示す断面図である。
【図6】両開きタイプのエアバッグドアを一体に有する
インストルメントパネルの斜視図である。
【図7】図6の7−7に沿って切断した従来のインスト
ルメントパネルの断面図である。
【図8】従来のインストルメントパネルのエアバッグの
膨張時を示す断面図である。
【図9】従来技術における表皮の剥離時を示すエアバッ
グドア付近の断面図である。
【符号の説明】
10:インストルメントパネル 11:エアバッグドア 11a:フロントウィンド側エアバッグドア 11b:乗員席側エアバッグドア 21:インストルメントパネル芯材 22:エアバッグ展開開口部 22a:フロントウィンド側開口縁 22b:乗員席側開口縁 31:エアバッグドア芯材 31a:フロントウィンド側エアバッグドア芯材 31b:乗員席側エアバッグドア芯材 32a,32b:固定端 33a,33b:非固定端 34:起立片 41:発泡層 45:表皮 46:破断予定部 46a:境界破断予定部

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インストルメントパネル芯材のエアバッ
    グ展開開口部にエアバッグドア芯材が取り付けられ、前
    記インストルメントパネル芯材及びエアバッグドア芯材
    の表面に発泡層を介して、フロントウィンド側と乗員席
    側へ開く両開きエアバッグドアを画定する破断予定部の
    形成された表皮が積層されたインストルメントパネルに
    おいて、 前記エアバッグドア芯材が、前記エアバッグ展開開口部
    のフロントウィンド側開口縁に一端の固定されたフロン
    トウィンド側エアバッグドア芯材と、前記エアバッグ展
    開開口部の乗員席側開口縁に一端の固定された乗員席側
    エアバッグドア芯材とよりなり、前記フロントウィンド
    側エアバッグドア芯材及び乗員席側エアバッグドア芯材
    の非固定端側が互いに上下に重なり合っていることを特
    徴とするエアバッグドアを一体に有するインストルメン
    トパネル。
  2. 【請求項2】 請求項1において、フロントウィンド側
    エアバッグドア芯材と乗員席側エアバッグドア芯材のう
    ち上側となるエアバッグドア芯材の非固定端が、表皮の
    フロント側エアバッグドアと乗員席側エアバッグドアと
    の境界を定める破断予定部に沿って位置することを特徴
    とするエアバッグドアを一体に有するインストルメント
    パネル。
  3. 【請求項3】 請求項2において、上側となるエアバッ
    グドア芯材の非固定端に、表皮の破断予定部へ向かう起
    立片が形成されていることを特徴とするエアバッグドア
    を一体に有するインストルメントパネル。
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