JPH0944834A - 磁気記録媒体 - Google Patents
磁気記録媒体Info
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- JPH0944834A JPH0944834A JP19326195A JP19326195A JPH0944834A JP H0944834 A JPH0944834 A JP H0944834A JP 19326195 A JP19326195 A JP 19326195A JP 19326195 A JP19326195 A JP 19326195A JP H0944834 A JPH0944834 A JP H0944834A
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- Japan
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- magnetic film
- column
- magnetic
- recording medium
- film
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 周波数特性や耐久性に優れた磁気記録媒体を
提供することである。 【解決手段】 コラムが斜めに成長した金属薄膜型の磁
性膜が支持体上に複数層積層された磁気記録媒体であっ
て、下層磁性膜のコラムが、起点と終点とを結ぶ直線よ
り上側に出っ張った曲線を有する斜めに成長したコラム
であり、上層磁性膜のコラムが、起点と終点とを結ぶ直
線より下側に出っ張った曲線を有する斜めに成長したコ
ラムであり、かつ、下層磁性膜のコラムと上層磁性膜の
コラムとが連続模様である磁気記録媒体。
提供することである。 【解決手段】 コラムが斜めに成長した金属薄膜型の磁
性膜が支持体上に複数層積層された磁気記録媒体であっ
て、下層磁性膜のコラムが、起点と終点とを結ぶ直線よ
り上側に出っ張った曲線を有する斜めに成長したコラム
であり、上層磁性膜のコラムが、起点と終点とを結ぶ直
線より下側に出っ張った曲線を有する斜めに成長したコ
ラムであり、かつ、下層磁性膜のコラムと上層磁性膜の
コラムとが連続模様である磁気記録媒体。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体に関
する。
する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】高記録密度のビデオ用
テープとして、所謂、蒸着テープが有望視されている。
特に、C/Nを向上させる為に、多層蒸着テープが有望
視されている。この観点から、各種の多層蒸着テープが
提案されている。しかし、これまでの多層蒸着テープ
は、周波数特性が良くなかったり、耐久性に問題があ
る。
テープとして、所謂、蒸着テープが有望視されている。
特に、C/Nを向上させる為に、多層蒸着テープが有望
視されている。この観点から、各種の多層蒸着テープが
提案されている。しかし、これまでの多層蒸着テープ
は、周波数特性が良くなかったり、耐久性に問題があ
る。
【0003】ところで、多層蒸着テープにおける周波数
特性や耐久性に蒸着磁性膜のコラム構造が大きな影響を
与えることは誰も気付いていなかった。すなわち、周波
数特性や耐久性に関するコラム構造についての考察が全
く行われていなかった。この点について、本発明者によ
る研究が鋭意押し進められて行った結果、積層磁性膜に
おける上層磁性膜のコラムが起点と終点とを結ぶ直線よ
り下側に出っ張った曲線を有する斜めに成長したコラム
であり、下層磁性膜のコラムが起点と終点とを結ぶ直線
より上側に出っ張った曲線を有する斜めに成長したコラ
ムの場合には、周波数特性が良く、かつ、耐久性に優れ
たものであることが判って来た。
特性や耐久性に蒸着磁性膜のコラム構造が大きな影響を
与えることは誰も気付いていなかった。すなわち、周波
数特性や耐久性に関するコラム構造についての考察が全
く行われていなかった。この点について、本発明者によ
る研究が鋭意押し進められて行った結果、積層磁性膜に
おける上層磁性膜のコラムが起点と終点とを結ぶ直線よ
り下側に出っ張った曲線を有する斜めに成長したコラム
であり、下層磁性膜のコラムが起点と終点とを結ぶ直線
より上側に出っ張った曲線を有する斜めに成長したコラ
ムの場合には、周波数特性が良く、かつ、耐久性に優れ
たものであることが判って来た。
【0004】このような知見を基にして本発明が達成さ
れたものであり、本発明は、周波数特性や耐久性に優れ
た磁気記録媒体を提供することを目的とする。
れたものであり、本発明は、周波数特性や耐久性に優れ
た磁気記録媒体を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記本発明の目的は、コ
ラムが斜めに成長した金属薄膜型の磁性膜が支持体上に
複数層積層された磁気記録媒体であって、下層磁性膜の
コラムが、起点と終点とを結ぶ直線より上側に出っ張っ
た曲線を有する斜めに成長したコラムであり、上層磁性
膜のコラムが、起点と終点とを結ぶ直線より下側に出っ
張った曲線を有する斜めに成長したコラムであり、か
つ、下層磁性膜のコラムと上層磁性膜のコラムとが連続
模様であることを特徴とする磁気記録媒体によって達成
される。
ラムが斜めに成長した金属薄膜型の磁性膜が支持体上に
複数層積層された磁気記録媒体であって、下層磁性膜の
コラムが、起点と終点とを結ぶ直線より上側に出っ張っ
た曲線を有する斜めに成長したコラムであり、上層磁性
膜のコラムが、起点と終点とを結ぶ直線より下側に出っ
張った曲線を有する斜めに成長したコラムであり、か
つ、下層磁性膜のコラムと上層磁性膜のコラムとが連続
模様であることを特徴とする磁気記録媒体によって達成
される。
【0006】又、コラムが斜めに成長した金属薄膜型の
磁性膜が支持体上に複数層積層された磁気記録媒体であ
って、下層の磁性膜が低入射角核生成法により成膜さ
れ、引き続き同方向にて、上層の磁性膜が高入射角核生
成法により成膜されてなることを特徴とする磁気記録媒
体によって達成される。
磁性膜が支持体上に複数層積層された磁気記録媒体であ
って、下層の磁性膜が低入射角核生成法により成膜さ
れ、引き続き同方向にて、上層の磁性膜が高入射角核生
成法により成膜されてなることを特徴とする磁気記録媒
体によって達成される。
【0007】尚、下層磁性膜のコラムの起点と終点とを
結ぶ直線の傾斜角θ1 は20〜60°が好ましく、上層
磁性膜のコラムの起点と終点とを結ぶ直線の傾斜角θ2
は30〜80°が好ましい。上記のように構成させた磁
気記録媒体の耐久性が良い理由は次の通りと考えられ
る。先ず、支持体上に堆積させる下層磁性膜の成膜に際
して、下側ほど高エネルギーの磁性粒子が付着・堆積し
ていく。この為、支持体に対する結着強度が大きい。従
って、磁性膜は支持体に強固に結合しており、剥離し難
く、耐久性に富む。
結ぶ直線の傾斜角θ1 は20〜60°が好ましく、上層
磁性膜のコラムの起点と終点とを結ぶ直線の傾斜角θ2
は30〜80°が好ましい。上記のように構成させた磁
気記録媒体の耐久性が良い理由は次の通りと考えられ
る。先ず、支持体上に堆積させる下層磁性膜の成膜に際
して、下側ほど高エネルギーの磁性粒子が付着・堆積し
ていく。この為、支持体に対する結着強度が大きい。従
って、磁性膜は支持体に強固に結合しており、剥離し難
く、耐久性に富む。
【0008】又、上記のように構成させた磁気記録媒体
の周波数特性が良い(高周波領域においても高出力)理
由は次の通りと考えられる。上記磁性膜の構造である
と、上層磁性膜の保磁力が大きいのに対して、下層磁性
膜の保磁力は小さく、結果的に厚み損失が少なく、高周
波領域においても高出力が得られる。
の周波数特性が良い(高周波領域においても高出力)理
由は次の通りと考えられる。上記磁性膜の構造である
と、上層磁性膜の保磁力が大きいのに対して、下層磁性
膜の保磁力は小さく、結果的に厚み損失が少なく、高周
波領域においても高出力が得られる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明は、コラムが斜めに成長し
た金属薄膜型の磁性膜が支持体上に複数層積層された磁
気記録媒体であって、下層磁性膜のコラムが、起点と終
点とを結ぶ直線より上側に出っ張った曲線を有する斜め
に成長したコラムであり、上層磁性膜のコラムが、起点
と終点とを結ぶ直線より下側に出っ張った曲線を有する
斜めに成長したコラムであり、かつ、下層磁性膜のコラ
ムと上層磁性膜のコラムとが連続模様(同一方向を向い
ている)をしたものである。
た金属薄膜型の磁性膜が支持体上に複数層積層された磁
気記録媒体であって、下層磁性膜のコラムが、起点と終
点とを結ぶ直線より上側に出っ張った曲線を有する斜め
に成長したコラムであり、上層磁性膜のコラムが、起点
と終点とを結ぶ直線より下側に出っ張った曲線を有する
斜めに成長したコラムであり、かつ、下層磁性膜のコラ
ムと上層磁性膜のコラムとが連続模様(同一方向を向い
ている)をしたものである。
【0010】又、コラムが斜めに成長した金属薄膜型の
磁性膜が支持体上に複数層積層された磁気記録媒体であ
って、下層の磁性膜が低入射角核生成法により成膜さ
れ、引き続き同方向にて、上層の磁性膜が高入射角核生
成法により成膜されてなるものである。尚、下層磁性膜
のコラムの起点と終点とを結ぶ直線の傾斜角θ1 は20
〜60°であり、上層磁性膜のコラムの起点と終点とを
結ぶ直線の傾斜角θ2 は30〜80°である。
磁性膜が支持体上に複数層積層された磁気記録媒体であ
って、下層の磁性膜が低入射角核生成法により成膜さ
れ、引き続き同方向にて、上層の磁性膜が高入射角核生
成法により成膜されてなるものである。尚、下層磁性膜
のコラムの起点と終点とを結ぶ直線の傾斜角θ1 は20
〜60°であり、上層磁性膜のコラムの起点と終点とを
結ぶ直線の傾斜角θ2 は30〜80°である。
【0011】上記特長を有する本発明の磁気記録媒体
は、次のようにして得られる。先ず、図1の斜め蒸着装
置を用意する。尚、図1では、蒸着を連続して行わせて
いるが、連続タイプのものでなくても良い。図1中、1
は支持体であり、磁性あるいは非磁性いずれのものでも
良いが、一般的には非磁性のものである。このような支
持体はPET等のポリエステル、ポリアミド、ポリイミ
ド、ポリスルフォン、ポリカーボネート、ポリプロピレ
ン等のオレフィン系の樹脂、セルロース系の樹脂、塩化
ビニル系の樹脂といった有機材料が主として用いられ
る。尚、支持体の表面には、磁性膜との密着性を向上さ
せる為のアンダーコート層が適宜設けられる。2aは支
持体1の供給側ロール、2bは支持体1の巻取側ロール
であり、支持体1は供給側ロール2aからガイドローラ
3を経て冷却キャンロール4aに導かれ、そしてガイド
ローラ3を経て冷却キャンロール4bに導かれ、最終的
に巻取側ロール2bに導かれる。この走行経路におい
て、すなわち冷却キャンロール4a,4bに沿って走行
する際、ルツボ5a,5bからの磁性材料の粒子が飛来
し、付着・堆積する。金属磁性膜を形成する磁性粒子の
材料としては、例えばFe,Co,Ni等の金属の他
に、Co−Ni合金、Co−Pt合金、Co−Ni−P
t合金、Fe−Co合金、Fe−Ni合金、Fe−Co
−Ni合金、Fe−Co−B合金、Co−Ni−Fe−
B合金、Co−Cr合金、あるいはこれらにAl等の金
属を含有させたもの、若しくはFe4 NやFe3 C5 の
ような窒化物や炭化物等が用いられる。冷却キャンロー
ル4aに沿って走行する際の斜め蒸着は、低入射角核生
成法(LIN法)が採用される。冷却キャンロール4b
に沿って走行する際の斜め蒸着は、高入射角核生成法
(HIN法)が採用される。この為、遮蔽板6a,6b
は図示の通り設けられる。又、酸素ガス供給ノズル7
a,7bも図示の通り設けられる。尚、8a,8bは電
子銃、9a,9bは真空槽、10はボンバード処理装置
である。
は、次のようにして得られる。先ず、図1の斜め蒸着装
置を用意する。尚、図1では、蒸着を連続して行わせて
いるが、連続タイプのものでなくても良い。図1中、1
は支持体であり、磁性あるいは非磁性いずれのものでも
良いが、一般的には非磁性のものである。このような支
持体はPET等のポリエステル、ポリアミド、ポリイミ
ド、ポリスルフォン、ポリカーボネート、ポリプロピレ
ン等のオレフィン系の樹脂、セルロース系の樹脂、塩化
ビニル系の樹脂といった有機材料が主として用いられ
る。尚、支持体の表面には、磁性膜との密着性を向上さ
せる為のアンダーコート層が適宜設けられる。2aは支
持体1の供給側ロール、2bは支持体1の巻取側ロール
であり、支持体1は供給側ロール2aからガイドローラ
3を経て冷却キャンロール4aに導かれ、そしてガイド
ローラ3を経て冷却キャンロール4bに導かれ、最終的
に巻取側ロール2bに導かれる。この走行経路におい
て、すなわち冷却キャンロール4a,4bに沿って走行
する際、ルツボ5a,5bからの磁性材料の粒子が飛来
し、付着・堆積する。金属磁性膜を形成する磁性粒子の
材料としては、例えばFe,Co,Ni等の金属の他
に、Co−Ni合金、Co−Pt合金、Co−Ni−P
t合金、Fe−Co合金、Fe−Ni合金、Fe−Co
−Ni合金、Fe−Co−B合金、Co−Ni−Fe−
B合金、Co−Cr合金、あるいはこれらにAl等の金
属を含有させたもの、若しくはFe4 NやFe3 C5 の
ような窒化物や炭化物等が用いられる。冷却キャンロー
ル4aに沿って走行する際の斜め蒸着は、低入射角核生
成法(LIN法)が採用される。冷却キャンロール4b
に沿って走行する際の斜め蒸着は、高入射角核生成法
(HIN法)が採用される。この為、遮蔽板6a,6b
は図示の通り設けられる。又、酸素ガス供給ノズル7
a,7bも図示の通り設けられる。尚、8a,8bは電
子銃、9a,9bは真空槽、10はボンバード処理装置
である。
【0012】このような装置を用い、先ず、真空槽9
a,9b内の所定の走行経路を支持体1が走行できるよ
う準備すると共に、真空槽9a,9b内を10-4〜10
-6Torr程度の真空度に排気する。そして、電子銃8
aからの電子ビーム加熱によりルツボ5a内の磁性金属
を溶融、蒸発させ、冷却キャンロール4aの位置におい
てLIN法により支持体1上に厚さが300〜1500
Åで、図2に示す如く、起点と終点とを結ぶ直線(直線
の傾きθ1 =20〜60°)より上側に出っ張った曲線
を有する斜めに成長したコラムの下層磁性膜11aを形
成する。この下層磁性膜11aが形成された後、冷却キ
ャンロール4bに沿って走行させ、電子銃8bからの電
子ビーム加熱によりルツボ5b内の磁性金属を溶融、蒸
発させ、HIN法により下層磁性膜11a上に厚さが6
00〜3000Åで、図2に示す如く、起点と終点とを
結ぶ直線(直線の傾きθ2 =30〜80°)より下側に
出っ張った曲線を有する斜めに成長したコラムの上層磁
性膜11bを形成する。
a,9b内の所定の走行経路を支持体1が走行できるよ
う準備すると共に、真空槽9a,9b内を10-4〜10
-6Torr程度の真空度に排気する。そして、電子銃8
aからの電子ビーム加熱によりルツボ5a内の磁性金属
を溶融、蒸発させ、冷却キャンロール4aの位置におい
てLIN法により支持体1上に厚さが300〜1500
Åで、図2に示す如く、起点と終点とを結ぶ直線(直線
の傾きθ1 =20〜60°)より上側に出っ張った曲線
を有する斜めに成長したコラムの下層磁性膜11aを形
成する。この下層磁性膜11aが形成された後、冷却キ
ャンロール4bに沿って走行させ、電子銃8bからの電
子ビーム加熱によりルツボ5b内の磁性金属を溶融、蒸
発させ、HIN法により下層磁性膜11a上に厚さが6
00〜3000Åで、図2に示す如く、起点と終点とを
結ぶ直線(直線の傾きθ2 =30〜80°)より下側に
出っ張った曲線を有する斜めに成長したコラムの上層磁
性膜11bを形成する。
【0013】尚、下層磁性膜11aの成膜に際しては、
上流側から下流側に向けて酸素ガスが流されているか
ら、下層磁性膜11aは下側ほど酸素含有量が多い。こ
れに対して、上層磁性膜11bの成膜に際しては、下流
側から酸素ガスが流されているから、上層磁性膜11b
は上側ほど酸素含有量が多い。上記のようにしてLIN
法磁性膜(下層磁性膜11a)、HIN法磁性膜(上層
磁性膜11b)が順に積層された磁性膜の上に、必要に
応じて、ダイヤモンドライクカーボン、炭化ホウ素、窒
化珪素などからなる50〜200Å程度の厚さの保護膜
が設けられる。又、パーフルオロポリエーテル等のフッ
素系の潤滑剤が20〜70Å程度の厚さ設けられる。
上流側から下流側に向けて酸素ガスが流されているか
ら、下層磁性膜11aは下側ほど酸素含有量が多い。こ
れに対して、上層磁性膜11bの成膜に際しては、下流
側から酸素ガスが流されているから、上層磁性膜11b
は上側ほど酸素含有量が多い。上記のようにしてLIN
法磁性膜(下層磁性膜11a)、HIN法磁性膜(上層
磁性膜11b)が順に積層された磁性膜の上に、必要に
応じて、ダイヤモンドライクカーボン、炭化ホウ素、窒
化珪素などからなる50〜200Å程度の厚さの保護膜
が設けられる。又、パーフルオロポリエーテル等のフッ
素系の潤滑剤が20〜70Å程度の厚さ設けられる。
【0014】
【実施例1】本実施例の磁気記録媒体は、図1に示した
斜め蒸着装置により得られる。すなわち、非磁性の支持
体(6μm厚さのPETフィルム)1を供給側ロール2
aから冷却キャンロール4a、冷却キャンロール4bを
経て巻取側ロール2bに導かれるように掛け渡し、真空
槽9a,9b内を10-4〜10-6Torr程度の真空度
に排気する。そして、2.5m/minの速度で走行す
るPETフィルム1に対して10kWの電子銃8aから
の電子ビーム加熱によりルツボ5a内の磁性金属(C
o)を溶融、蒸発させ、冷却キャンロール4aの位置に
おいてLIN法によりPETフィルム1上に厚さが50
0Åで、図2に示す如く、起点と終点とを結ぶ直線(直
線の傾きθ1 =35°)より上側に出っ張った曲線を有
する斜めに成長したコラムの下層磁性膜11aを形成す
る。この下層磁性膜11aの形成に際して、酸素ガス供
給ノズル7aから60sccmの割合で酸素ガスが上流
側から下流側向けて供給されている。
斜め蒸着装置により得られる。すなわち、非磁性の支持
体(6μm厚さのPETフィルム)1を供給側ロール2
aから冷却キャンロール4a、冷却キャンロール4bを
経て巻取側ロール2bに導かれるように掛け渡し、真空
槽9a,9b内を10-4〜10-6Torr程度の真空度
に排気する。そして、2.5m/minの速度で走行す
るPETフィルム1に対して10kWの電子銃8aから
の電子ビーム加熱によりルツボ5a内の磁性金属(C
o)を溶融、蒸発させ、冷却キャンロール4aの位置に
おいてLIN法によりPETフィルム1上に厚さが50
0Åで、図2に示す如く、起点と終点とを結ぶ直線(直
線の傾きθ1 =35°)より上側に出っ張った曲線を有
する斜めに成長したコラムの下層磁性膜11aを形成す
る。この下層磁性膜11aの形成に際して、酸素ガス供
給ノズル7aから60sccmの割合で酸素ガスが上流
側から下流側向けて供給されている。
【0015】下層磁性膜11aが形成された後、15k
Wの電子銃8bからの電子ビーム加熱によりルツボ5b
内の磁性金属(Co)を溶融、蒸発させ、冷却キャンロ
ール4bの位置において、HIN法により下層磁性膜1
1a上に厚さが1200Åで、図2に示す如く、起点と
終点とを結ぶ直線(直線の傾きθ2 =45°)より下側
に出っ張った曲線を有する斜めに成長したコラムの上層
磁性膜11bを形成する。この上層磁性膜11bの形成
に際して、酸素ガス供給ノズル7bから70sccmの
割合で酸素ガスが上流側から供給されている。
Wの電子銃8bからの電子ビーム加熱によりルツボ5b
内の磁性金属(Co)を溶融、蒸発させ、冷却キャンロ
ール4bの位置において、HIN法により下層磁性膜1
1a上に厚さが1200Åで、図2に示す如く、起点と
終点とを結ぶ直線(直線の傾きθ2 =45°)より下側
に出っ張った曲線を有する斜めに成長したコラムの上層
磁性膜11bを形成する。この上層磁性膜11bの形成
に際して、酸素ガス供給ノズル7bから70sccmの
割合で酸素ガスが上流側から供給されている。
【0016】上記のようにしてLIN法磁性膜(下層磁
性膜11a)及びHIN法磁性膜(上層磁性膜11b)
を形成した後、ECRプラズマCVD法によりダイヤモ
ンドライクカーボン膜を50Å厚さ形成し、この後パー
フルオロポリエーテル等のフッ素系の潤滑剤(商品名F
OMBLIN AM2001)を20Å厚さ形成した。
又、PETフィルム1の磁性膜形成面側とは反対側の面
にAl蒸着膜(バックコート膜)を0.2μm厚さ設
け、この後8mm幅に裁断し、カセットに装填して8m
mVTR用磁気テープを作製した。
性膜11a)及びHIN法磁性膜(上層磁性膜11b)
を形成した後、ECRプラズマCVD法によりダイヤモ
ンドライクカーボン膜を50Å厚さ形成し、この後パー
フルオロポリエーテル等のフッ素系の潤滑剤(商品名F
OMBLIN AM2001)を20Å厚さ形成した。
又、PETフィルム1の磁性膜形成面側とは反対側の面
にAl蒸着膜(バックコート膜)を0.2μm厚さ設
け、この後8mm幅に裁断し、カセットに装填して8m
mVTR用磁気テープを作製した。
【0017】
【実施例2】実施例1において、PETフィルム1の走
行速度2.0m/min、電子銃8aの出力15kW、
酸素ガス供給ノズル7aからの酸素ガス供給量90sc
cm、電子銃8bの出力10kW、酸素ガス供給ノズル
7bからの酸素ガス供給量65sccmとし、θ1 =5
0°で、1500Å厚の下層磁性膜11a、θ2 =70
°で、1000Å厚の上層磁性膜11bを形成した外は
実施例1に準じて行い、8mmVTR用磁気テープを作
製した。
行速度2.0m/min、電子銃8aの出力15kW、
酸素ガス供給ノズル7aからの酸素ガス供給量90sc
cm、電子銃8bの出力10kW、酸素ガス供給ノズル
7bからの酸素ガス供給量65sccmとし、θ1 =5
0°で、1500Å厚の下層磁性膜11a、θ2 =70
°で、1000Å厚の上層磁性膜11bを形成した外は
実施例1に準じて行い、8mmVTR用磁気テープを作
製した。
【0018】
【実施例3】実施例1において、PETフィルム1の走
行速度2.5m/min、電子銃8aの出力10kW、
酸素ガス供給ノズル7aからの酸素ガス供給量0scc
m(酸素ガス供給ノズル7aから酸素ガスを流さず)、
電子銃8bの出力15kW、酸素ガス供給ノズル7bか
らの酸素ガス供給量70sccmとし、θ1 =20°
で、400Å厚の下層磁性膜11a、θ2 =40°で、
1200Å厚の上層磁性膜11bを形成した外は実施例
1に準じて行い、8mmVTR用磁気テープを作製し
た。
行速度2.5m/min、電子銃8aの出力10kW、
酸素ガス供給ノズル7aからの酸素ガス供給量0scc
m(酸素ガス供給ノズル7aから酸素ガスを流さず)、
電子銃8bの出力15kW、酸素ガス供給ノズル7bか
らの酸素ガス供給量70sccmとし、θ1 =20°
で、400Å厚の下層磁性膜11a、θ2 =40°で、
1200Å厚の上層磁性膜11bを形成した外は実施例
1に準じて行い、8mmVTR用磁気テープを作製し
た。
【0019】
【実施例4】実施例1において、PETフィルム1の走
行速度2.5m/min、電子銃8aの出力10kW、
酸素ガス供給ノズル7aからの酸素ガス供給量60sc
cm(但し、酸素ガスは下流側から上流側向けて供給。
実施例1とは酸素ガス供給ノズル7aの向きが逆)、電
子銃8bの出力15kW、酸素ガス供給ノズル7bから
の酸素ガス供給量70sccmとし、θ1 =30°で、
450Å厚の下層磁性膜11a、θ2 =30°で、12
00Å厚の上層磁性膜11bを形成した外は実施例1に
準じて行い、8mmVTR用磁気テープを作製した。
行速度2.5m/min、電子銃8aの出力10kW、
酸素ガス供給ノズル7aからの酸素ガス供給量60sc
cm(但し、酸素ガスは下流側から上流側向けて供給。
実施例1とは酸素ガス供給ノズル7aの向きが逆)、電
子銃8bの出力15kW、酸素ガス供給ノズル7bから
の酸素ガス供給量70sccmとし、θ1 =30°で、
450Å厚の下層磁性膜11a、θ2 =30°で、12
00Å厚の上層磁性膜11bを形成した外は実施例1に
準じて行い、8mmVTR用磁気テープを作製した。
【0020】
【比較例1】図3に示す装置を用意した。図1と図3と
の相違点は、遮蔽板6aと酸素ガス供給ノズル7aの位
置や向きのみである。そして、PETフィルム1の走行
速度2.5m/min、電子銃8aの出力15kW、酸
素ガス供給ノズル7aからの酸素ガス供給量70scc
m、電子銃8bの出力15kW、酸素ガス供給ノズル7
bからの酸素ガス供給量70sccmとし、θ1 =50
°で、1200Å厚の下層磁性膜11a、θ2 =70°
で、1200Å厚の上層磁性膜11bを形成した外は実
施例1に準じて行い、8mmVTR用磁気テープを作製
した。
の相違点は、遮蔽板6aと酸素ガス供給ノズル7aの位
置や向きのみである。そして、PETフィルム1の走行
速度2.5m/min、電子銃8aの出力15kW、酸
素ガス供給ノズル7aからの酸素ガス供給量70scc
m、電子銃8bの出力15kW、酸素ガス供給ノズル7
bからの酸素ガス供給量70sccmとし、θ1 =50
°で、1200Å厚の下層磁性膜11a、θ2 =70°
で、1200Å厚の上層磁性膜11bを形成した外は実
施例1に準じて行い、8mmVTR用磁気テープを作製
した。
【0021】
【特性】上記各例で得た8mmVTR用磁気テープの磁
気特性(保磁力Hc、飽和磁束密度Bs、Br/B
s)、表面粗さRa、出力特性(5MHz,10MHz
での出力)、及びスチル耐久性(3時間の繰り返し走行
後の出力低下)について調べたので、その結果を表−1
に示す。又、実施例1〜実施例4及び比較例1の磁性膜
についてオージェ電子分光分析を行ったので、その結果
を図4〜図7及び図8に示す。
気特性(保磁力Hc、飽和磁束密度Bs、Br/B
s)、表面粗さRa、出力特性(5MHz,10MHz
での出力)、及びスチル耐久性(3時間の繰り返し走行
後の出力低下)について調べたので、その結果を表−1
に示す。又、実施例1〜実施例4及び比較例1の磁性膜
についてオージェ電子分光分析を行ったので、その結果
を図4〜図7及び図8に示す。
【0022】 表−1 Hc(Oe)Bs(G) Br/Bs Ra(nm)出 力 特 性(dB)スチル耐久性 5MHz 10MHz 差 (dB) 実施例1 1540 6200 0.84 2.1 +0.4 +1.8 +1.4 -0.5 実施例2 1520 6300 0.73 2.4 +0.6 +0.7 +0.1 -0.2 実施例3 1480 6800 0.81 2.0 +0.8 +1.3 +0.5 -0.9 実施例4 1500 6300 0.82 2.1 +0.6 +1.2 +0.6 -1.3 比較例1 1550 5600 0.84 2.3 0 0 0 -1.8 *出力特性は比較例1を基準にした相対値 これから判る通り、本発明のものは、スチル耐久性に優
れたものであり、かつ、高周波領域においても高い出力
が得られたものであり、高密度記録に適している。
れたものであり、かつ、高周波領域においても高い出力
が得られたものであり、高密度記録に適している。
【0023】
【効果】高周波領域においても出力が高く、高密度記録
に適し、かつ、耐久性にも富む。
に適し、かつ、耐久性にも富む。
【図1】本発明の磁気記録媒体を製造する為の斜め蒸着
装置の概略図
装置の概略図
【図2】本発明の磁気記録媒体の概略図
【図3】比較例の磁気記録媒体を製造する為の斜め蒸着
装置の概略図
装置の概略図
【図4】実施例1の磁気記録媒体のオージェ電子分光分
析のグラフ
析のグラフ
【図5】実施例2の磁気記録媒体のオージェ電子分光分
析のグラフ
析のグラフ
【図6】実施例3の磁気記録媒体のオージェ電子分光分
析のグラフ
析のグラフ
【図7】実施例4の磁気記録媒体のオージェ電子分光分
析のグラフ
析のグラフ
【図8】比較例1の磁気記録媒体のオージェ電子分光分
析のグラフ
析のグラフ
1 支持体 11a LIN法磁性膜(下層磁性膜) 11b HIN法磁性膜(上層磁性膜)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 准子 栃木県芳賀郡市貝町大字赤羽2606 花王株 式会社情報科学研究所内
Claims (4)
- 【請求項1】 コラムが斜めに成長した金属薄膜型の磁
性膜が支持体上に複数層積層された磁気記録媒体であっ
て、 下層磁性膜のコラムが、起点と終点とを結ぶ直線より上
側に出っ張った曲線を有する斜めに成長したコラムであ
り、 上層磁性膜のコラムが、起点と終点とを結ぶ直線より下
側に出っ張った曲線を有する斜めに成長したコラムであ
り、 かつ、下層磁性膜のコラムと上層磁性膜のコラムとが連
続模様であることを特徴とする磁気記録媒体。 - 【請求項2】 コラムが斜めに成長した金属薄膜型の磁
性膜が支持体上に複数層積層された磁気記録媒体であっ
て、 下層の磁性膜が低入射角核生成法により成膜され、 引き続き同方向にて、上層の磁性膜が高入射角核生成法
により成膜されてなることを特徴とする磁気記録媒体。 - 【請求項3】 上層磁性膜の厚さが下層磁性膜の厚さよ
り厚いことを特徴とする請求項1又は請求項2の磁気記
録媒体。 - 【請求項4】 上層磁性膜は、 その上側における酸素含有量と下側における酸素含有量
とを比べた場合、上側の酸素含有量が多く、 下層磁性膜は、 その上側における酸素含有量と下側における酸素含有量
とを比べた場合、下側の酸素含有量が多いことを特徴と
する請求項1〜請求項3いずれかの磁気記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19326195A JPH0944834A (ja) | 1995-07-28 | 1995-07-28 | 磁気記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19326195A JPH0944834A (ja) | 1995-07-28 | 1995-07-28 | 磁気記録媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0944834A true JPH0944834A (ja) | 1997-02-14 |
Family
ID=16305009
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19326195A Pending JPH0944834A (ja) | 1995-07-28 | 1995-07-28 | 磁気記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0944834A (ja) |
-
1995
- 1995-07-28 JP JP19326195A patent/JPH0944834A/ja active Pending
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