JP2000235707A - 蒸着型磁気記録媒体、蒸着型磁気記録媒体の製造方法および製造装置 - Google Patents

蒸着型磁気記録媒体、蒸着型磁気記録媒体の製造方法および製造装置

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JP2000235707A
JP2000235707A JP11036241A JP3624199A JP2000235707A JP 2000235707 A JP2000235707 A JP 2000235707A JP 11036241 A JP11036241 A JP 11036241A JP 3624199 A JP3624199 A JP 3624199A JP 2000235707 A JP2000235707 A JP 2000235707A
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Tomio Kobayashi
富夫 小林
Yoshikatsu Kato
吉克 加藤
Susumu Sato
晋 佐藤
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐磨耗性および磁気特性に優れた磁性層を有
する蒸着型磁気記録媒体を提供する。 【解決手段】 非磁性支持体51上に、酸素を含有する
Co系磁性層52を形成する際に、酸素ガスの吹き出し
を行い、その後、非酸化性ガス吹き出しを行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蒸着型磁気記録媒
体、蒸着型磁気記録媒体の製造方法および蒸着型磁気記
録媒体の製造装置に係わる。
【0002】
【従来の技術】従来より、磁気記録媒体としては、非磁
性支持体上に酸化物磁性粉末あるいは合金磁性粉末等の
粉末磁性材料を、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、
ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等の有機バインダ
ー中に分散させた磁性塗料を塗布、乾燥させることによ
って作製した塗布型の磁気記録媒体が広く知られてい
る。
【0003】これに対して、高密度磁気記録への要求が
高まり、高飽和磁化、高保磁力を有する磁気記録媒体が
要求され、Co−Ni系合金、Co−Cr系合金、Co
−O系等の金属磁性材料を、メッキや真空蒸着法やスパ
ッタリング法、イオンプレーティング法等の真空薄膜形
成手段により、例えばポリエチレンテレフタレートフィ
ルムやポリアミド、ポリイミドフィルム等の非磁性支持
体上に直接蒸着した、いわゆる金属磁性薄膜を有する蒸
着型磁気記録媒体が提案されている。
【0004】図6に、蒸着型磁気記録媒体の磁性層、い
わゆる金属磁性薄膜を成膜する蒸着装置200の概略図
を示す。この蒸着装置200においては、排気口221
および222から排気されて真空状態となされた真空室
211内に、送りロール213と巻き取りロール214
が設けられ、これら送りロール213と巻き取りロール
214間に非磁性支持体101が順次走行するようにな
されている。
【0005】これらの送りロール213と巻き取りロー
ル214との間に、上記非磁性支持体101が走行する
途上には、冷却キャン215が設けられている。この冷
却キャン215には、冷却装置(図示せず)が設けら
れ、非磁性支持体101の温度上昇による変形等を抑制
している。
【0006】非磁性支持体101は、送りロール213
から順次送り出され、さらに冷却キャン215の周面を
通過して巻き取りロール214に巻き取られていくよう
になされている。なお、ガイドロール216および21
7により非磁性支持体101に所定のテンションをか
け、円滑に走行するようになされている。
【0007】上記真空室211内には、冷却キャン21
5の下方にルツボ218が設けられ、このルツボ218
内には、金属磁性材料219が充填されている。一方、
真空室211の側壁部には、上記ルツボ218内に充填
された金属磁性材料219を加熱蒸発させるための電子
銃220が取り付けられている。この電子銃220は、
これより放出される電子線Bがルツボ218内の金属磁
性材料219に照射されるような位置に配置されてい
る。そして、この電子線Bの照射によって蒸発した金属
磁性材料219が非磁性支持体101上に被着して、磁
性層の形成がなされる。
【0008】また、冷却キャン215と、ルツボ218
との間であって、冷却キャン215の近傍には、シャッ
ター223が、冷却キャン215の周面を走行する非磁
性支持体101の所定領域を覆う形で配置されており、
このシャッター223により、蒸発した金属磁性材料2
19が非磁性支持101に対して所定の入射角度範囲で
斜めに蒸着するようになされている。
【0009】さらに、磁性層の蒸着に際し、真空室21
1の側壁部を貫通して設けられている酸素ガス導入管2
24により、非磁性支持体101の表面に酸素ガスが供
給され、磁気特性、耐久性、耐候性の向上が図られてい
る。
【0010】この蒸着型磁気記録媒体は、保磁力、角形
比等の磁気特性に優れ、また短波長領域での電磁変換特
性に優れており、さらに磁性層の厚さを極めて薄くでき
るため、記録減磁や再生時の厚さ損失を著しく小さくす
ることができ、また、磁性層中の非磁性材料であるバイ
ンダーを混入させる必要がないため、磁性材料の重点密
度を高めることができる等、種々の利点を有している。
【0011】また、今後さらなる高記録密度化を図るた
めに、スペーシング損失を少なくすることを目的とし
て、蒸着型磁気記録媒体の表面を平滑化させる傾向にあ
る。しかし、このように蒸着型磁気記録媒体の表面を平
滑化させると、磁気ヘッドと磁気記録媒体との間の摩擦
力が増大し、磁気記録媒体にかかるせん断応力が大きく
なる。そこで、磁気記録媒体の摺動に対する耐久性の向
上を図るため、磁性層の表面に、耐磨耗性を向上させる
ための保護膜を形成する技術が提案されている。
【0012】このような保護膜としては、最近は、ダイ
ヤモンドライクカーボン(DLC)膜を形成することが
提案されており、このような保護膜により摺動に対する
耐久性の向上が図られている。
【0013】図7に、単層の磁性層を有する構造の蒸着
型磁気記録媒体100の要部の概略断面図を示す。この
蒸着型磁気記録媒体100は、例えばポリエチレンテレ
フタレートフィルムよりなる非磁性支持体101上に、
磁性層102が蒸着形成されてなり、この磁性層102
上にダイヤモンドライクカーボンよりなる保護膜103
が形成されてなる構成を有する。
【0014】また、図8に、磁性層を2層有する構造の
蒸着型磁気記録媒体100の概略断面図を示す。すなわ
ち、長尺状の非磁性支持体101上に、第1の磁性層2
01と第2の磁性層202が順次蒸着形成されてなり、
この第2の磁性層202上に、ダイヤモンドライクカー
ボンよりなる保護膜103が形成されてなる構成を有す
る。
【0015】図9に、ダイヤモンドライクカーボンより
なる保護膜103の形成に用いられるプラズマCVD連
続膜形成装置300の要部の概略構成図を示す。図9に
示すように、この装置300においては、排気系330
から排気されて内部が真空状態となされた真空室331
内に、送りロール333と巻き取りロール334とが設
けられ、これら送りロール333から巻き取りロール3
34に、非磁性支持体上に磁性層が蒸着された被処理体
340が順次走行するようになされている。
【0016】これら送りロール333から巻き取りロー
ル334に被処理体340が走行する途上には、円筒状
の回転可能な対向電極335が設けられている。
【0017】被処理体340は、送りロール333から
順次送り出され、対向電極335の周面を通過し、巻き
取りロール334に巻き取られていくようになされてい
る。なお、送りロール333と対向電極335との間、
および対向電極335と巻き取りロール334との間に
あ、それぞれガイドロール336が配置され、被処理体
340に所定のテンションをかけ、被処理体340が円
滑に走行するようになされている。
【0018】また、真空室331内には、反応管337
が設けられ、この反応管337内には、電極338が組
み込まれている。また、この電極338には、直流電源
339により所定の電位が加えられる。
【0019】反応管337には、放電ガス導入口341
から炭化水素系ガスを主成分としたガスが導入される。
【0020】被処理体340は、送りロール333によ
り送り出され、対向電極335の周面を通過し、反応管
337に送り込まれ、この反応管337内において、そ
の表面にダイヤモンドライクカーボンの保護膜103
が、所定の厚さに形成される。
【0021】上記工程の後、非磁性支持体の磁性層が形
成された面とは反対側の面に、例えば、カーボンとウレ
タン樹脂からなりバックコート層を、所定の厚さにグラ
ビア方式で塗布する。さらに、ダイヤモンドライクカー
ボン層表面に例えばパーフルオロポリエーテルよりなる
潤滑剤を塗布し、これを所定幅に裁断する。
【0022】この図7および図8に示した蒸着型磁気記
録媒体100および200を構成する保護膜103によ
り、摩擦に対して高い耐久性が確保されると共に、より
高密度の記録が可能な磁気記録媒体が要求されるように
なった。
【0023】また、さらなる磁気記録媒体の高出力化を
実現するための提案として、ダイヤモンドライクカーボ
ンの保護膜103の厚さを薄くさせることにより、いわ
ゆるスペーシングロスを低減される方法がある。しか
し、一方において、蒸着型磁気記録媒体100および2
00の耐久性を確保するためには、この保護膜103の
厚さは5〜15〔nm〕程度は必要であることが確認さ
れている。
【0024】また、酸素を含有するCo、Co−Ni等
よりなる磁性層においては、磁性層の最表面領域におい
て、磁性を帯びないか、あるいは磁性の極めて弱い、い
わゆる非磁性酸化膜が存在することが確認されている。
この磁性層の最表面領域に存在する非磁性酸化膜につい
て、種々の検討が行われている。
【0025】図10に、非磁性支持体101上に、酸素
を含有する磁性金属、例えばCo系磁性層102を形成
した蒸着型磁気記録媒体100の要部の、特に磁性層1
02の模式的な概略断面図を示す。この図10において
は、磁性層上の保護膜を省略した図を示しているものと
する。
【0026】この図10に示した蒸着型磁気記録媒体1
00においては、非磁性支持体101上に磁性層102
の形成を行ったう際、非磁性支持体101面と蒸着時の
磁性金属の蒸気の入射角が変化するに応じたコラムナー
の成長方向と非磁性支持体101とのなす角度が増加し
ているコラムナー構造が形成されている。
【0027】また、この磁性層102におけるコラムナ
ーの内部構造は、磁性金属粒子105と金属酸化物層1
06とが混在した構造となっている。また、磁性層10
2の表面、すなわち非磁性支持体101とは反対側の面
付近の領域には、ほとんど金属酸化物層よりなる非磁性
層106が形成されている。この非磁性層106の厚さ
1 は、300〔Å〕程度である。
【0028】図11に、AUGER分析による磁性層1
02の、深さ方向の組成濃度の分析を行った測定結果を
示す。なお、図11においては、縦軸に相対濃度比率
〔%〕を示し、横軸に保護膜、すなわちダイヤモンドラ
イクカーボン層と磁性層102の界面からの磁性層10
2の深さ〔Å〕を示す。なお、曲線111は酸素
(O)、曲線112はコバルト(Co)、曲線113は
炭素(C)の、それぞれの相対濃度分布を示す。
【0029】この図11において、曲線111の酸素O
の濃度分布に注目すると、磁性層102の表面領域、例
えば約300〔Å〕程度の深さまでは、酸素濃度の高い
領域があることがわかる。すなわち、磁性層102の表
面領域における磁性金属酸化層、例えば酸化コバルト層
からなる非磁性層106は、約300〔Å〕程度の厚さ
であることがわかる。この場合、磁気記録媒体の再生出
力においてスペーシングロスは、0.5〔μm〕記録波
長において約3.3〔dB〕となる。
【0030】一般に、スペーシングロスの計算式は、5
4.6(d/λ)で表されることが知られている。(但
し、dはスペーシング、λは波長を示す。) 一方において、記録におけるスペーシングや、垂直記録
配向成分が存在する場合においては、スペーシングロス
の計算式は、(70〜100)(d/λ)で表されるこ
とが実情に則している。従って、スペーシングロスを少
なく見積もっても、54.6(d/λ)で表される。
【0031】磁性層102上にダイヤモンドライクカー
ボンの保護膜103を有する構造の蒸着型磁気記録媒体
においては、その走行耐久性、耐磨耗性をダイヤモンド
ライクカーボン膜に依存するため、従来より、高出力の
蒸着型磁気記録媒体を作製するために、この磁性層の表
層の磁性金属酸化層、すなわち非磁性層を除去したり、
薄く形成させるような磁性層の作製方法が提案されてい
る。
【0032】しかしながら磁性金属酸化層の非磁性層を
除去したり、薄く形成させるような作製方法は、量産的
にコスト高であったり、磁性層の表面層の非磁性層10
6の除去効果が不十分である等の問題があった。
【0033】この非磁性層106を除去するためには、
第1の方法として、磁性層102を形成した後、磁気テ
ープ表面をAl2 3 製のラッピングテープに接触して
走行させ、表面に形成された非磁性層106部分を除去
し、その後、ダイヤモンドライクカーボンの保護膜を形
成する方法がある。
【0034】また、非磁性層106を除去するための、
第2の方法として、図6に示した蒸着装置200におい
て、酸素ガス導入管224から酸素ガスを吹き出させな
がら磁性層の蒸着形成を行うに際して、酸素ガスの吹き
出し方向を所定の角度に調整し、これを最適化すること
により、最終的に得られる蒸着型磁気記録媒体の磁気特
性を向上させるとともに、図10において示した蒸着型
磁気記録媒体100を構成する磁性層102の、表層付
近の領域に形成された非磁性層106が、最も薄くなる
ようにするという方法が挙げられる。
【0035】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記第
1の方法、すなわち、磁性層102を形成した後に、こ
の表面をAl2 3 製のラッピングテープに接触して走
行させ、表層付近に形成された非磁性層106を除去
し、その後、ダイアモンドライクカーボンよりなる保護
膜を形成する方法においては、非磁性層106を物理的
に除去するという点においては、高い効果を得ることが
できるが、この研磨工程、すなわち大気中において行う
工程が、磁性層102形成工程と保護膜103形成工程
との間、すなわち高真空雰囲気中において行う工程との
間に入ることから、トータルの蒸着型磁気記録媒体の製
造工程が長くなり、生産コストが高くなるという欠点を
有する。
【0036】また、上記第2の方法、すなわち、図6に
示して説明したように、酸素ガス導入管224から酸素
ガスを吹き出させながら磁性層102の蒸着を行うに際
して、酸素ガスの吹き出し方向を調整し、これを最適化
することにより蒸着型磁気記録媒体の磁気特性を向上さ
せるとともに、磁性層の表層付近に形成された非磁性層
106が最も薄く形成されるように調整するという方法
においても、充分な電気的特性の向上を図ることができ
なかった。
【0037】そこで、本発明においては、上記事情に鑑
みて、磁性層の表層付近に形成された非磁性層106が
薄く形成されるような、蒸着型磁気記録媒体の作製方法
およびその方法により作製した蒸着型磁気記録媒体を提
供するものである。
【0038】
【課題を解決するための手段】本発明の蒸着型磁気記録
媒体は、非磁性支持体上に、酸素を含有するCo系磁性
層が形成されてなるもので、Co系磁性層の、非磁性支
持体側とは反対側の領域の酸素濃度が、非磁性支持体側
の領域における酸素濃度よりも低くなされたものとす
る。
【0039】また、本発明の蒸着型磁気記録媒体の製造
方法においては、非磁性支持体上に、酸素を含有するC
o系磁性層を形成する工程を有するもので、Co系磁性
層の形成工程中において、酸素ガスの供給を行い、その
後に、非酸化性ガスの供給を行うこととする。
【0040】また、本発明の蒸着型磁気記録媒体の製造
装置は、真空状態となされた真空室と、この真空室内に
おいて、非磁性支持体の走行を行う複数の走行手段と、
この複数の走行手段の間の、非磁性支持体が走行する途
上において、非磁性支持体上に金属磁性材料の蒸着を行
う蒸着領域を有し、この蒸着領域において、酸素ガスを
供給する酸素ガス供給口と、非反応性のガスを供給する
非酸化性ガス供給口が配置され、非酸化性ガス供給口
は、酸素ガス供給口に対して、非磁性支持体走行方向に
おいて後方に設置されたものとする。
【0041】本発明の蒸着型磁気記録媒体によれば、耐
磨耗性に優れ、かつ磁気特性に優れた高出力の蒸着型磁
気記録媒体を得ることができる。
【0042】本発明の蒸着型磁気記録媒体の製造方法、
および蒸着型磁気記録媒体の製造装置によれば、耐磨耗
性に優れ、かつ磁気特性に優れた高出力の蒸着型磁気記
録媒体を、簡便な工程により作製することができる。
【0043】
【発明の実施の形態】本発明の蒸着型磁気記録媒体は、
非磁性支持体上に、酸素を含有するCo系磁性層が形成
されてなるもので、Co系磁性層の、非磁性支持体側と
は反対側の領域の酸素濃度が、非磁性支持体側の領域に
おける酸素濃度よりも低くなされたものとする。
【0044】また、本発明の蒸着型磁気記録媒体の製造
方法は、非磁性支持体上に、酸素を含有するCo系磁性
層を形成する工程を有するもので、Co系磁性層の形成
工程中において、酸素ガスの供給を行い、その後に、非
酸化性ガスの供給を行うこととする。
【0045】以下、本発明における蒸着型磁気記録媒体
と、蒸着型磁気記録媒体の製造方法と、蒸着型磁気記録
媒体の製造装置の一例について説明するが、本発明は以
下に示す各例に限定されるものではなく、従来公知の種
々の構成上の変形が可能である。
【0046】図2に、本発明のおける蒸着型磁気記録媒
体であって、磁性層52を1層のみ有する単層構造の蒸
着型磁気記録媒体50の要部の概略断面図を示す。この
蒸着型磁気記録媒体50は、例えば長尺状の非磁性支持
体51上に、磁性層52が蒸着形成されてなり、この磁
性層52上にダイヤモンドライクカーボンよりなる保護
膜53が形成されてなる。
【0047】図1に、本発明の蒸着型磁気記録媒体の製
造方法に適用する蒸着装置10の一例の概略構成図を示
す。この蒸着装置10においては、排気口21および2
2から排気されて真空状態となされた真空室11内に、
非磁性支持体を走行させる走行手段いわゆる送りロール
13と巻き取りロール14が設けられ、これら送りロー
ル13と巻き取りロール14間に非磁性支持体51が順
次走行するようになされている。
【0048】これらの送りロール13と巻き取りロール
14との間に、上記非磁性支持体51が走行する途上に
は、冷却キャン15が設けられている。この冷却キャン
15には、冷却装置(図示せず)が設けられ、非磁性支
持体51の温度上昇による変形等を抑制している。
【0049】非磁性支持体51は、送りロール13から
順次送り出され、さらに冷却キャン15の周面を通過し
て巻き取りロール14に巻き取られていくようになされ
ている。なお、ガイドロール16および17により非磁
性支持体51に所定のテンションをかけ、円滑に走行す
るようになされている。
【0050】上記真空室11内には、冷却キャン15の
下方にルツボ18が設けられ、このルツボ18内には、
例えばCo金属よりなる金属磁性材料19が充填されて
いる。一方、真空室11の側壁部には、上記ルツボ18
内に充填された金属磁性材料19を加熱蒸発させるため
の電子銃20が取り付けられている。この電子銃20
は、これより放出される電子線Bがルツボ18内の金属
磁性材料19に照射されるような位置に配置されてい
る。そして、この電子線Bの照射によって蒸発した金属
磁性材料19が非磁性支持体51上に被着して、磁性層
の形成がなされる。
【0051】また、冷却キャン15と、ルツボ18との
間であって、冷却キャン15の近傍には、シャッター2
3が、冷却キャン15の周面を走行する非磁性支持体5
1の所定領域を覆う形で配置されており、このシャッタ
ー23により、蒸発した金属磁性材料19が非磁性支持
12に対して所定の入射角度範囲で斜めに蒸着するよう
になされている。このシャッター23により仕切られ
て、蒸発した金属磁性材料が蒸着されるようになされる
領域を蒸着領域と呼称する。
【0052】さらに、磁性層の蒸着に際し、真空室21
1の側壁部を貫通して設けられている酸素ガス導入管2
4の酸素ガス供給口24hより、非磁性支持体101の
表面に酸素ガスが供給され、磁気特性、耐久性、耐候性
の向上が図られている。
【0053】特に、本発明製造方法に適用するこの蒸着
装置10においては、酸素ガス導入管24に隣接して例
えばAr等の非反応性のガスを供給する非酸化性ガス導
入管25が設置される。この非酸化性ガス導入管25に
ついては、ガスの供給口が酸素ガス導入管24のガスの
供給口24hに対して、この非酸化性ガス導入管の非酸
化性ガス供給口25hが、非磁性支持体51の走行方向
において後方に設置するものとする。即ち、酸素ガス導
入管24より吹き出された酸素にさらされた蒸着蒸気流
よりも、非酸化性ガス導入管25より吹き出された非酸
化性ガスにさらされた蒸着蒸気流の方が、非酸性支持体
51の走行方向において後方に位置するものとする。
【0054】このように、非酸化性ガス導入管25のガ
ス供給口25hが、ガスの供給口が酸素ガス導入管24
のガスの供給口24hに対して、非磁性支持体51の走
行方向において後方に設置されたことにより、非磁性支
持体51が蒸発したCo蒸気にさらされ、金属磁性材料
が蒸着された後に、Ar等の非酸化性ガスを吹きつける
ことにより、金属磁性材料による蒸着層の最表面部分に
おける金属の酸化を抑制することができる。
【0055】なお、この非酸化性ガス導入管25から供
給される非反応性ガスを吹きつけることにより、ルツボ
18から金属磁性材料19の蒸気が非磁性支持体51に
到着する途中の段階における金属磁性材料19の酸化も
抑制することができ、また、さらに金属磁性材料19が
非磁性支持体51上に蒸着、積層した後の段階における
酸化も抑制することができる。
【0056】上述のようにして、図2に示すような蒸着
型磁気記録媒体を作製するに当たって、非磁性支持体5
1上に磁性層52を形成した後、先述において、図9を
用いて説明した方法と同様の方法により、ダイヤモンド
ライクカーボンよりなる保護膜53を形成する。その
後、さらに磁性層とは反対側の面に、例えば、カーボン
とウレタン樹脂からなりバックコート層を、所定の厚さ
にグラビア方式で塗布する。さらに、ダイヤモンドライ
クカーボンの保護膜表面に、例えばパーフルオロポリエ
ーテルよりなる潤滑剤を塗布し最終的に目的とする蒸着
型磁気記録媒体50を作製する。
【0057】以下、本発明における蒸着型磁気記録媒体
の製造の例である(実施例1〜実施例4)およびこれと
の比較における(比較例1〜比較例4)の、それぞれの
磁性層の形成条件を示す。以下に示す(実施例1〜実施
例4)においては、図1に示した蒸着装置10を用いて
磁性層の形成を行ったものであり、(比較例1〜比較例
4)においては、図6に示した蒸着装置200を用いて
磁性層の形成を行ったもの、すなわち、磁性層の形成工
程において非酸化性ガスの供給を行わなかったものであ
る。
【0058】 (実施例1) 酸素ガス導入管からの酸素ガス吹き出し量: 280〔cc/min〕 非酸化性ガス導入管からのAr吹き出し量: 100〔cc/min〕 非磁性支持体の走行速度 : 10〔m/min〕 電子ビーム投入電力 : 30〔kW〕 真空度 : 8×10-3〔Pa〕 (実施例2) 酸素ガス導入管からの酸素ガス吹き出し量: 300〔cc/min〕 非酸化性ガス導入管からのAr吹き出し量: 100〔cc/min〕 非磁性支持体の走行速度 : 10〔m/min〕 電子ビーム投入電力 : 30〔kW〕 真空度 : 8×10-3〔Pa〕 (実施例3) 酸素ガス導入管からの酸素ガス吹き出し量: 320〔cc/min〕 非酸化性ガス導入管からのAr吹き出し量: 100〔cc/min〕 非磁性支持体の走行速度 : 10〔m/min〕 電子ビーム投入電力 : 30〔kW〕 真空度 : 8×10-3〔Pa〕 (実施例4) 酸素ガス導入管からの酸素ガス吹き出し量: 340〔cc/min〕 非酸化性ガス導入管からのAr吹き出し量: 100〔cc/min〕 非磁性支持体の走行速度 : 10〔m/min〕 電子ビーム投入電力 : 30〔kW〕 真空度 : 8×10-3〔Pa〕
【0059】 (比較例1) 酸素ガス導入管からの酸素ガス吹き出し量: 280〔cc/min〕 非酸化性ガス導入管からのAr吹き出し量: 0〔cc/min〕 非磁性支持体の走行速度 : 10〔m/min〕 電子ビーム投入電力 : 30〔kW〕 真空度 : 8×10-3〔Pa〕 (比較例2) 酸素ガス導入管からの酸素ガス吹き出し量: 300〔cc/min〕 非酸化性ガス導入管からのAr吹き出し量: 0〔cc/min〕 非磁性支持体の走行速度 : 10〔m/min〕 電子ビーム投入電力 : 30〔kW〕 真空度 : 8×10-3〔Pa〕 (比較例3) 酸素ガス導入管からの酸素ガス吹き出し量: 320〔cc/min〕 非酸化性ガス導入管からのAr吹き出し量: 0〔cc/min〕 非磁性支持体の走行速度 : 10〔m/min〕 電子ビーム投入電力 : 30〔kW〕 真空度 : 8×10-3〔Pa〕 (比較例4) 酸素ガス導入管からの酸素ガス吹き出し量: 340〔cc/min〕 非酸化性ガス導入管からのAr吹き出し量: 0〔cc/min〕 非磁性支持体の走行速度 : 10〔m/min〕 電子ビーム投入電力 : 30〔kW〕 真空度 : 8×10-3〔Pa〕
【0060】図3に、上述した(実施例1〜4)に示し
た条件により磁性層の形成を行った場合の蒸着型磁気記
録媒体50における要部の、特に磁性層52の模式的な
概略断面図を示す。この図3においては、磁性層52上
の保護膜を省略した図を示しているものとする。なお、
上述した(比較例1〜4)に示した条件により磁性層の
形成を行った場合の蒸着型磁気記録媒体における要部
の、特に、磁性層の模式的な概略断面図は、図10に示
したようになった。
【0061】図3に示した、本発明製造方法により製造
した蒸着型磁気記録媒体50においては、非磁性支持体
51上に磁性層52の形成を行う際、非磁性支持体51
面と蒸着時の磁性金属の蒸気の入射角が変化するに応じ
た、コラムナーの成長方向と非磁性支持体51とのなす
角度が増加しているコラムナー構造が形成されている。
【0062】また、このコラムナーの内部構造は、磁性
金属粒子55と金属酸化物層56とが混在した構造とな
っている。また、磁性層52の表面、すなわち非磁性支
持体51とは、反対側の面付近の領域には、ほとんど金
属酸化物層よりなる非磁性層56が形成されている。し
かしながら、本発明製造方法において作製した蒸着型磁
気記録媒体50における磁性層52の表面領域に形成さ
れている非磁性層56は、従来製造方法により作製した
場合には図10に示したようにd1 =300〔Å〕程度
であったのに対し、図3に示すd2 は、薄く形成され、
2 =30〜200〔Å〕程度に低減されている。これ
は、磁性層52の製造工程において、蒸着蒸気流に向け
て酸素ガスの吹きつけを行った後、非酸化性ガスを供給
し、これを蒸着蒸気流の非磁性支持体51の走行方向に
おいて後端部に吹きつけると共に、磁性層表面に吹きつ
けたために、磁性層表層付近の金属磁性材料の酸化が抑
制されたためである。
【0063】次に、上述した(実施例1〜4)および
(比較例1〜4)に示した条件により磁性層をそれぞれ
0.2〔μm〕に形成した後、CVD法によりダイヤモ
ンドライクカーボンの保護膜を形成し、さらにパーフル
オロカルボン酸アミン塩で表面をコーティングして、所
定幅に裁断して蒸着型磁気記録媒体をそれぞれ作製し
た。これらの蒸着型磁気記録媒体を、0.54〔μm〕
の記録波長を用いて、記録再生出力を測定した。このと
き、蒸着型磁気記録媒体の相対速度は3.8〔m/mi
n〕、ヘッドギャップ長を0.22〔μm〕とする。
【0064】このときの(実施例1〜4)および(比較
例1〜4)における蒸着型磁気記録媒体の記録再生出力
の測定結果を下記(表1)に示す。なお、各測定値は、
(比較例2)における記録再生出力を基準とし、これを
0〔dB〕とした場合の相対値で示す。
【0065】
【表1】
【0066】この(表1)に示されているように、本発
明製造方法により、磁性層を形成する際に、酸素ガス供
給後、非酸化性ガスを吹きつける工程を採って製造した
蒸着型磁気記録媒体は、従来における製造方法のように
非酸化性ガスを吹きつける工程を有さずに磁性層の形成
を行った場合に比較して、記録再生出力が高いことがわ
かる。これは、図10および図3に示したように、本発
明の蒸着型磁気記録媒体の磁性層の表層付近に形成され
る非磁性層すなわち金属酸化物層が薄く形成されるた
め、スペーシング損失が低減されることによる。
【0067】次に、図4に、AUGER分析による磁性
層52の、深さ方向の組成濃度の分析を行った測定結果
を示す。なお、図4においては、縦軸に相対濃度比率
〔%〕を示し、横軸に保護膜、すなわちダイヤモンドラ
イクカーボン層と磁性層52の界面からの磁性層52の
深さ〔Å〕を示す。なお、曲線71は酸素(O)、曲線
72はコバルト(Co)、曲線73は炭素(C)の、そ
れぞれの相対濃度分布を示す。
【0068】この図4において、曲線71の酸素Oの濃
度分布に注目すると、磁性層52の表面領域における酸
素濃度が、図11に示した従来製造方法により作製した
蒸着型磁気記録媒体の磁性層における磁性層102の表
面領域における酸素濃度酸素に比較して、低減化されて
いることがわかる。
【0069】すなわち、非磁性支持体上に、磁性層52
と、磁性層52上に、ダイヤモンドライクカーボンより
なる保護膜53が積層形成されてなる本発明の蒸着型磁
気記録媒体においては、磁性層52における、表層領域
すなわち保護膜53近傍における酸素濃度が、非磁性支
持体51近傍における磁性層の酸素濃度よりも低いこと
がわかる。すなわち、Co系磁性層52における、非磁
性支持体51側とは反対側の領域の酸素濃度が、非磁性
支持体51側の領域における酸素濃度よりも低くなさて
いるのである。
【0070】上述した本発明製造方法の一例について
は、非酸化性ガスとしてArを用いた例について説明し
たが、本発明はこの例に限定されるものではない。非酸
化性ガスとして、例えば窒素ガスをこれに併用すること
ができる。この場合においては、図1に示した蒸着装置
10において、窒素ガス導入管のガス供給口を、非磁性
支持体走行方向において、非酸化性ガス導入管のガス供
給口25hの手前側、すなわち、それぞれのガス供給口
において酸素ガス導入管のガス供給口24hと非酸化性
ガス導入管のガス供給口25hとの中間に配置されるよ
うにこれを設ける。この構成の蒸着装置によれば、金属
磁性材料の蒸着工程ににおいて、磁性層表面にまず窒化
膜を形成させ、その後、非酸化性ガス導入管からAr等
の非酸化性ガスを吹きつける工程が採られることによ
り、さらに効果的に、磁性層表層における金属磁性材料
の酸化を抑制することができる。
【0071】上述した本発明の一実施例については、非
酸化性ガスとして、Arを用いた場合について説明した
が、本発明は、この例に限定されるものではなく、Ar
の他、Kr等の非反応性のガスも用いることができる。
また、Co、H2 等の還元性ガス、C2 5 OH等のア
ルコール、水蒸気や、更に、エチレン等の炭化水素系の
ガスも適用することができ、これらのガスを用いて蒸着
型磁気記録媒体を作製した場合においても、上述した例
と同様に、磁気特性に優れた磁気記録媒体を得ることが
できる。
【0072】また、上述した本発明の一実施例において
は、磁性層が単層構造の蒸着型磁気記録媒体に適用した
例について説明したが、本発明はこの例に限定されるも
のではなく、磁性層が2層以上の構造の蒸着型磁気記録
媒体についても同様に適用することができる。
【0073】なお、磁性層が2層である磁気記録媒体に
おいて、図4に示して説明したと同様に、AUGER分
析による磁性層の、深さ方向の組成濃度の分析を行った
測定すると、保護膜に隣接しているCo系磁性層の保護
膜近傍における酸素濃度が、保護膜に隣接しているCo
系磁性層の、保護膜とは反対側界面におけるCo含有磁
性層の酸素濃度よりも低いことが確認された。
【0074】上述した本発明の実施例においては、磁性
層を形成する金属磁性材料として、Coを適用した例に
ついて説明したが、本発明はこの例に限定されるもので
はなく、通常の蒸着型磁気テープの製造に用いられるC
o系金属磁性材料であれば、いかなるものであってもよ
い。例えば、Fe−Co、Co−Ni、Fe−Co−N
i、Co−Cu、Co−Au、Co−Pt、Co−C
r、Fe−Co−Cr、Co−Ni−Cr、Fe−Co
−Ni−Cr等の強磁性合金も適用することができる。
また、これらの単層膜であってもよいし、多層膜であっ
てもよい。さらには、非磁性支持体と磁性層間、あるい
は多層膜の場合には、各層間の付着力の向上、ならびに
保磁力の制御のため、下地層または中間層を設けた構成
とすることもできる。
【0075】また、図1を用いて説明した本発明の蒸着
型磁気記録媒体を作製する蒸着装置10においては、酸
素ガス導入管24および非酸化性ガス導入管25を、1
本ずつ代表して設置した例について説明したが、本発明
の蒸着型磁気記録媒体を作製する蒸着装置は、この例に
限定されるものではない。
【0076】すなわち、図5に示すように、酸素ガス導
入管を2系統配備することもできる。この図5の例は、
金属磁性材料の蒸着領域への非磁性支持体侵入側と送出
側に配置した場合である。この場合も非酸化性ガス導入
管25は、非磁性支持体51の走行方向における金属磁
性材料の蒸着領域の終端部に配置している。
【0077】なお、本発明に適用する蒸着装置は、図
1、図5に示した例に限定されるものではなく、酸素ガ
ス導入管24のガス供給口24hが、非酸化性ガス導入
管25のガス供給口25hよりも、非磁性支持体51の
走行方向において前方に設置されているもの、すなわ
ち、非酸化性ガス導入管25が、非磁性支持体51の走
行方向における金属磁性材料の蒸着領域の終端部に配置
されているものであれば、種々の形態において適用する
ことができる。
【0078】
【発明の効果】本発明の蒸着型磁気記録媒体によれば、
スペーシングロスが少なく磁気特性に優れ、かつ耐磨耗
性に優れたCo含有磁性層を有する、高出力の蒸着型磁
気記録媒体を得ることができた。
【0079】蒸着型磁気記録媒体の製造方法、および蒸
着型磁気記録媒体の製造装置によれば、スペーシングロ
スが少なく磁気特性に優れ、かつ耐磨耗性に優れたCo
含有磁性層を有する、高出力の蒸着型磁気記録媒体を、
簡便な工程により得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に適用した蒸着装置の一例の概略構成図
を示す。
【図2】本発明の蒸着型磁気記録媒体の要部の概略断面
図を示す。
【図3】本発明における酸素を含有するCo系磁性材料
により形成された磁性層を有する蒸着型磁気記録媒体
の、要部、特に磁性層の模式的概略図を示す。
【図4】本発明構造の蒸着型磁気記録媒体のAUGER
分析による磁性層内部の濃度分析結果を示す。
【図5】本発明に適用する蒸着装置の他の一例の概略構
成図を示す。
【図6】従来における蒸着装置の概略図を示す。
【図7】従来における蒸着型磁気記録媒体の概略断面図
を示す。
【図8】従来における2層の磁性層を有する蒸着型磁気
記録媒体の概略断面図を示す。
【図9】プラズマCVD連続膜形成装置の要部の概略構
成図を示す。
【図10】従来における酸素を含有するCo系磁性材料
により形成された磁性層を有する蒸着型磁気記録媒体
の、要部、特に磁性層の模式的概略図を示す。
【図11】従来構造の蒸着型磁気記録媒体のAUGER
分析による磁性層内部の濃度分析結果を示す。
【符号の説明】
11,211 真空室、13,213 送りロール、1
4,214 巻き取りロール、15,215 冷却キャ
ン、16,17,216,217 ガイドロール、1
8,218 ルツボ、19,219 金属磁性材料、2
0,220 電子銃、21,221,22,222 排
気口、23 シャッター、 24 酸素ガス導入管、2
4h ガス供給口、25 非酸化性ガス導入管、25h
ガス供給口、50 蒸着型磁気記録媒体、51 非磁
性支持体、52 磁性層、53 保護膜、100 蒸着
型磁気記録媒体、101 非磁性支持体、102 磁性
層、103 保護膜、105 磁性金属粒子、106
金属酸化物層(非磁性層) 200 蒸着装置、201 第1の磁性層、202 第
2の磁性層、300 プラズマCVD連続膜形成装置、
330 排気系、331 真空室、333 送りロー
ル、334 巻き取りロール、335 対向電極、33
6 ガイドロール、340 被処理体、341 放電ガ
ス導入口、339 直流電源
フロントページの続き (72)発明者 佐藤 晋 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 5D006 AA02 BB01 BB08 EA03 FA00 FA09 5D112 AA05 AA07 BB05 BC05 FA02 FB19 FB20 FB28

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に、酸素を含有するCo
    系磁性層を有する蒸着型磁気記録媒体であって、 上記Co系磁性層における、上記非磁性支持体側とは反
    対側の領域の酸素濃度が、上記非磁性支持体側の領域に
    おける酸素濃度よりも低くなされたことを特徴とする蒸
    着型磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 上記Co系磁性層上に、ダイヤモンドラ
    イクカーボンよりなる保護膜が形成されて成ることを特
    徴とする請求項1に記載の蒸着型磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 非磁性支持体上に、少なくとも2層以上
    のCo系磁性層を有する蒸着型磁気記録媒体であって、 上記非磁性支持体とは反対側にある最上層のCo系磁性
    層における、上記非磁性支持体側とは反対側の領域の酸
    素濃度が、上記非磁性支持体側の領域における酸素濃度
    よりも低くなされたことを特徴とする蒸着型磁気記録媒
    体。
  4. 【請求項4】 上記最上層のCo系磁性層上に、ダイヤ
    モンドライクカーボンよりなる保護膜が形成されて成る
    ことを特徴とする請求項3に記載の蒸着型磁気記録媒
    体。
  5. 【請求項5】 非磁性支持体上に、酸素を含有するCo
    系磁性層を形成する工程を有する蒸着型磁気記録媒体の
    製造方法であって、 上記Co系磁性層の形成工程において、 酸素ガスの吹き出しを行う工程と、 その後、非酸化性ガス吹き出しを行う工程とを有するこ
    とを特徴とする蒸着型磁気記録媒体の製造方法。
  6. 【請求項6】 上記Co系磁性層上に、ダイヤモンドラ
    イクカーボンよりなる保護膜を形成する工程を有するこ
    とを特徴とする請求項5に記載の蒸着型磁気記録媒体の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 上記非酸化性ガスが、Arであることを
    特徴とする請求項5に記載の蒸着型磁気記録媒体の製造
    方法。
  8. 【請求項8】 上記非酸化性ガスが、Arであり、 上記Co系磁性層の形成工程において、 酸素ガスの吹き出しを行う工程と、 その後、窒素ガスの吹き出しを行う工程と、 その後、非酸化性ガス吹き出しを行う工程とを有するこ
    とを特徴とする請求項5に記載の蒸着型磁気記録媒体の
    製造方法。
  9. 【請求項9】 上記非酸化性ガスが、水蒸気であること
    を特徴とする請求項5に記載の蒸着型磁気記録媒体の製
    造方法。
  10. 【請求項10】 上記非酸化性ガスが、炭化水素系ガス
    であることを特徴とする請求項5に記載の蒸着型磁気記
    録媒体の製造方法。
  11. 【請求項11】 真空状態となされた真空室と、該真空
    室内において、非磁性支持体の走行を行う複数の走行手
    段と、 上記複数の走行手段の間の、非磁性支持体が走行する途
    上において、非磁性支持体上に金属磁性材料の蒸着を行
    う蒸着領域を有し、 上記蒸着領域において、酸素ガスを供給する酸素ガス供
    給口と、非反応性のガスを供給する非酸化性ガス供給口
    が配置され、 上記非酸化性ガス供給口は、上記酸素ガス供給口に対し
    て、非磁性支持体走行方向において後方に設置されてな
    ることを特徴とする蒸着型磁気記録媒体の製造装置。
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