JPH0943412A - カラーフィルター - Google Patents

カラーフィルター

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JPH0943412A
JPH0943412A JP19035695A JP19035695A JPH0943412A JP H0943412 A JPH0943412 A JP H0943412A JP 19035695 A JP19035695 A JP 19035695A JP 19035695 A JP19035695 A JP 19035695A JP H0943412 A JPH0943412 A JP H0943412A
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真 川名
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カラーフィルター上に形成するITO膜の断
線を防止する。 【解決手段】 基板1上に、顔料分散レジストを用いて
形成されたブラックマトリックス2上に、赤,緑及び青
の画素画像3R,3G,3Bを形成してなるカラーフィ
ルターにおいて、基板を基準面とする各画素画像におけ
る表面の最高点と最低点との差(a−b)が赤,緑及び
青のいずれの画素画像についても0.7μm以下である
カラーフィルター。 【効果】 画像段差が小さいため、ITO膜の断線のお
それがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカラーテレビ、液晶
表示素子、撮像デバイス等に使用される光学的カラーフ
ィルターに関する。更に詳細には、膜厚が小さく透過光
濃度が高いブラックマトリックスを形成することによ
り、表面の凹凸の小さい赤,緑及び青の画素画像を形成
して、カラーフィルター上にITO電極膜を形成した際
の断線の問題を解決したカラーフィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】カラーフィルターは液晶表示素子、カラ
ーテレビ、撮像デバイス等をフルカラー化するために用
いられる素子で、ガラス又はプラスチックシートなどの
透明基板上に設けられたブラックマトリックスと称され
るストライプ状又は格子状の遮光性材料のパターンの上
に、カラーレジストである色顔料を含有する光重合組成
物をスピンコート法にて塗布・乾燥し、その上にマスク
等を用いて露光し、現像することで色材画素画像を形成
する工程を赤,緑及び青の3色について各々繰り返して
製造される。
【0003】上記ブラックマトリックスの遮光性として
は、透過光濃度3.0以上であることが要望される。ま
た、ブラックマトリックス上に赤,緑及び青の色材画素
画像パターンを形成し、その上にITO等の透明電極を
成膜した際、ブラックマトリックス部分の盛り上がりが
大きいと、その段差の部分で電極が断線するおそれがあ
ることから、ブラックマトリックスはできるだけ薄い膜
厚で上記の透過光濃度を達成できることが要求される。
同時に、赤,緑及び青の各カラーレジストについても、
形成される色材画素画像の表面形状がブラックマトリッ
クスパターンの影響をできるだけ受けることがないよう
に工夫することが必要とされる。
【0004】従来、ブラックマトリックスの形成方法と
しては、透明基板上にクロムを成膜した後、エッチング
することでブラックマトリックスパターンとする方法が
主流であったが、この方法は、コスト的に高価である、
表面反射率が高い、廃棄が規制されるといった問題があ
った。
【0005】クロムよりなるブラックマトリックスを改
良したものとして、酸化クロムの上にクロムを積層した
2層構造のブラックマトリックスが提案されたが、この
ブラックマトリックスでは、表面反射率は低減されるも
のの、高コストであること、及び、廃棄が規制されると
いう問題は解決されない。
【0006】このようなことから、カーボンブラック等
の無公害の黒色顔料を配合した顔料分散レジストを用い
るレジスト法によるブラックマトリックスの形成方法が
提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、レジスト法で
は、例えば、透過光濃度3.0のブラックマトリックス
を形成するためには、その膜厚を1.8μm以上とする
必要があり、前述の段差の問題を生じるという欠点があ
る。膜厚を薄くした場合の遮光性を確保するために、レ
ジスト中の黒色顔料の重量分率を高くすると、レジスト
として機能しなくなるか、或いは、レジスト中の光重合
性化合物の重合度が十分でなくなり、レジスト膜に要求
される耐熱性、耐溶剤性、耐現像液性、接着性等が得ら
れなくなるだけでなく、不純物,揮発成分が増加してし
まい、実用上問題があった。
【0008】本発明は上記従来の問題点を解決し、レジ
スト法により、無公害で実用上十分な遮光性、耐熱性、
耐薬品性、耐湿性及び接着性を有するブラックマトリッ
クスが形成されたカラーフィルターであって、前述の段
差によるITO電極の断線のおそれのないカラーフィル
ターを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のカラーフィルタ
ーは、基板上に、顔料分散レジストを用いて形成された
ブラックマトリックス上に、赤,緑及び青の画素画像を
形成してなるカラーフィルターにおいて、該基板を基準
面とする、各画素画像における表面の最高点と最低点と
の差が赤,緑及び青のいずれの画素画像についても0.
7μm以下であることを特徴とする。
【0010】なお、本発明において、基板を基準面とす
る各画素画像における表面の最高点と最低点との差と
は、図1に示すカラーフィルターの模式的断面図におい
て、基板1上のブラックマトリックスパターン2間に形
成された、赤,緑及び青の各画素画像3R,3G,3B
の、基板表面から最高点3Rmax までの距離aと、基板
表面から最低点3Rmin までの距離bとの差a−bをさ
す。以下、この差a−bを「画像段差」と称す。
【0011】即ち、本発明者らは、上記目的を達成する
べく鋭意検討した結果、ブラックマトリックスの製造方
法において着色材の添加量を従来以上に多くできる技術
及びそれにより十分な遮光性を達成できること、更にカ
ラーフィルターに用いるカラーレジスト及びその塗布方
法を工夫することにより、画像段差を小さくできること
を見出し、本発明に到達した。
【0012】本発明により、画像段差を0.7μm以下
とすることで、前述の段差の問題を解消することがで
き、ITO電極の断線は防止される。
【0013】本発明によれば、ブラックマトリックス中
のカーボンブラック含有量を固形分濃度で50重量%以
上の高濃度とすることができ、それにより、膜厚1.0
μm以下で、透過光濃度3.0以上の、薄膜、高遮光性
のブラックマトリックスを形成することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。
【0015】本発明のカラーフィルターは、レジスト法
で作成した十分な遮光性を有するブラックマトリックス
上に、顔料分散法で各画素画像を形成したものであり、
画像段差が赤,緑及び青のいずれの色についても0.7
μm以下、好ましくは0.5μm以下、更に好ましくは
0.4μm以下となるようにしたものである。
【0016】このように画像段差の小さい画素画像を形
成して本発明のカラーフィルターを実現するためには、
例えば、 ブラックマトリックスの膜厚を可能な限り薄くす
る。但し、透過光濃度2.7以上、好ましくは3.0以
上を維持する必要がある。 各画素画像の平面性を向上させるため、顔料の分散
性を向上させる。このために、後述のカラーレジストの
塗布溶液に後述する界面活性剤のようなレベリング剤を
配合させる。また、後述の如く、ブラックレジストとカ
ラーレジストのバインダーを同じものにする等で、カラ
ーレジストとブラックマトリックスとの濡れ性を改良す
る。 各画素画像の光学特性を維持し、膜厚を可能な限り
厚くする。 等の方法が挙げられる。
【0017】本発明のカラーフィルターにおいて、ブラ
ックマトリックスの形成に使用される黒色顔料分散レジ
スト(以下「ブラックレジスト」と称する場合があ
る。)は、黒色染顔料、該黒色染顔料の分散性を向上さ
せるための分散剤、光を吸収してラジカルを発生する光
重合開始系、及び、該ラジカルにより重合が誘起される
付加重合性のエチレン性不飽和二重結合を少なくとも1
個有する化合物(以下、「エチレン性化合物」と称
す。)と、更に、必要に応じてレジスト膜の相溶性、被
膜形成性、現像性、接着性等の改善のためのバインダー
(結合剤)としての有機高分子物質を含有するものであ
る。なお、分散剤としては、バインダーとして使用可能
な有機高分子物質を用いる場合もある。
【0018】黒色顔料としてはカーボンブラックが好適
であり、後述の有機溶媒中で分散可能なものであればい
ずれのものも使用できる。また、必要に応じてカーボン
ブラックと共に、調色用として他の黒色染顔料、例えば
チタンブラック、酸化鉄系黒色顔料、アニリンブラック
等を併用することもできる。この場合、カーボンブラッ
ク以外の黒色染顔料の配合比としては、カーボンブラッ
クに対して、0〜10重量%、好ましくは0〜1重量%
とするのが望ましい。
【0019】カーボンブラックの具体例としては、三菱
化学(株)製#5、#10、#20、#25、#30、
#32、#33、#40、#44、#45、#45L、
#47、#50、#52、#55、MA600、#65
0、#750、MCF88、#850、#900、#9
50、#960、#970、#980、#990、#1
000、#2200、#2300、#2350、#24
00、#2600、#2650、#2700、MA7、
MA8、MA11、MA1100、MA100R、MA
220、MA230等、旭カーボン(株)製MTC、F
TC、FTC#15等、デグサ社製FWシリーズ、Pr
intexシリーズ等が挙げられる。
【0020】その他の黒色染顔料の具体例としては、野
間化学工業(株)製アニリンブラックD.ブラック#3
00、三菱マテリアル(株)製チタンブラック13M・
13R・10S、チバガイギー社製Black RLI
等が挙げられる。
【0021】ブラックレジスト中のこれらの黒色染顔料
の含有量は、固形分濃度で30〜80重量%、好ましく
は50〜70重量%であることが望ましい。
【0022】本発明においては、後述の如く、高い含有
量でカーボンブラック等の黒色染顔料を均一に分散させ
るために、分散剤を配合することが好ましい。分散剤と
しては、上記黒色顔料を後掲のプロピレングリコール−
1−モノメチルエーテル−2−アセテート(以下「PG
MEA」と略記する。)、エチルセロソルブアセテート
(以下「ECA」と略記する。)、シクロヘキサノン等
の有機溶媒中で効果的に分散できるものであれば良く、
界面活性剤、低分子分散剤、高分子分散剤のいずれも使
用できる。界面活性剤としてはアニオン系界面活性剤等
が挙げられる。低分子分散剤としては例えば、ゼネカ
(株)製 Solsperseシリーズ、ビック・ケミー社製 Dis
perbykシリーズ等が挙げられる。高分子分散剤としては
熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂いずれも使用でき、熱硬化
性樹脂としてはウレタン系、アクリル系、ポリイミド
系、アルキッド系、エポキシ系、不飽和ポリエステル
系、メラミン系、フェノール系等が挙げられ、熱可塑性
樹脂としては、アクリル系、塩化ビニル系、塩化ビニル
酢酸ビニル系共重合系、ウレタン系、ポリアミド系、ポ
リカーボネート系等が挙げられる。更に、後掲の有機高
分子物質について、必要に応じて、リン酸基、カルボン
酸基、スルホン酸基等の官能基を導入して分散剤として
の機能を付与したものを用いることもできる。
【0023】これらの分散剤の配合量は、黒色染顔料を
分散するのに必要十分な量であれば良く、黒色染顔料に
対して1〜100重量%とするのが好ましい。
【0024】光重合開始系としては、下記のような紫外
から可視領域に感度を有するものを、使用する露光光源
に応じて、適宜選択可能である。
【0025】即ち、400nm未満の波長の紫外光を吸
収してラジカルを発生する光重合開始系としては、例え
ば、ファインケミカル,1991年,3月1日号Vol 2
0,No. 4,P.16〜P.26に記載のジアルキルア
セトフェノン系,ベンジルジアルキルケタール系,ベン
ゾイン,ベンゾインアルキルエーテル系,チオキサント
ン誘導体,アシルホスフィンオキサイド系等、その他、
特開昭58−40302号公報,特公昭45−3737
7号公報に記載のヘキサアリールビイミダゾール系,s
−トリハロメチルトリアジン系,特開昭59−1523
96号公報に記載のチタノセン系等を用いることができ
る。
【0026】一方、波長400nm以上500nm以下
の可視光に感応する光重合開始系としては、例えば、ヘ
キサアリールビイミダゾールとラジカル発生剤及び染料
の系(特公昭45−37377号公報)、ヘキサアリー
ルビイミダゾールと(p−ジアルキルアミノベンジリデ
ン)ケトンの系(特開昭47−2528号、特開昭54
−155292号各公報)、環状シス−α−ジカルボニ
ル化合物と染料の系(特開昭48−84183号公
報)、置換トリアジンとメロシアニン色素の系(特開昭
54−151024号公報)、ケトクマリンと活性剤の
系(特開昭52−112681号、特開昭58−155
03号、特開昭60−88005号各公報)、置換トリ
アジンと増感剤の系(特開昭58−29803号、特開
昭58−40302号各公報)、ビイミダゾール、スチ
レン誘導体、チオール系(特開昭59−56403号公
報)、ジアルキルアミノフェニル基を含有する増感剤と
ビイミダゾール(特開平2−69号、特開昭57−16
8088号、特開平5−107761号、特開平5−2
10240号、特開平4−288818号各公報)、有
機過酸化物と色素の系(特開昭59−140203号、
特開昭59−189340号各公報)、チタノセン系
(特開昭59−152396号、特開昭61−1511
97号、特開昭63−10602号、特開昭63−41
484号、特開平2−291号、特開平3−12403
号、特開平3−20293号、特開平3−27393
号、特開平3−52050号各公報)、チタノセンとキ
サンテン色素さらにアミノ基或はウレタン基を有する付
加重合可能なエチレン性飽和二重結合含有化合物を組合
せた系(特開平4−221958号、特開平4−219
756号各公報)等が挙げられる。
【0027】波長400nm以上500nm以下の光に
感応する光重合開始系の好適例としては、波長400〜
500nmに吸収を有する増感色素と、2,2’−ビス
(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ
フェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロ
フェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−カルボ
エトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス
(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ
(p−ブロモフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビ
ス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テト
ラ(o,p−ジクロロフェニル)ビイミダゾール等のヘ
キサアリールビイミダゾール、及び、2−メルカプトベ
ンズチアゾール、2−メルカプトベンズオキサゾール、
2−メルカプトベンズイミダゾール等の有機チオール化
合物からなる複合光重合開始剤、或いは、波長400〜
500nmに吸収を有する増感色素とジシクロペンタジ
エニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロ−3−(ピロ
ール−1−イル)−フェニル−1−イル、ジシクロペン
タジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフル
オロフェニル−1−イル(以下、「化合物S−1」と称
す。)、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,
3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル−1−イル等
のチタノセン化合物、更に、p−ジエチルアミノ安息香
酸エチル(以下、「化合物S−2」と称す。)、ミヒラ
ーズケトン等のジアルキルアミノフェニル化合物からな
る複合光重合開始剤が挙げられる。
【0028】なお、増感色素のうち、ヘキサビイミダゾ
ールを増感する色素としては、例えば特開平2−69号
公報,特開昭57−168088号公報,特開平5−1
07761号公報,特開平5−210240号公報,特
願平4−288818号に記載の増感色素を挙げること
ができる。
【0029】また、チタノセンを増感する色素として
は、例えば特願平5−83588号,特願平5−848
17号,特開平5−83587号公報,特願平6−12
949号,特願平6−74743号,特願平6−141
588号に記載の増感色素を挙げることができる。
【0030】また、これらの可視光領域に感応する光重
合開始系のうち、可視光と共に紫外部にも吸収を持ち、
高い感度を示すものについては、紫外光領域の光源に対
する光重合開始系として利用しても良い。
【0031】このような可視光及び紫外光領域に共に高
い感度を示すものとしては、ヘキサアリールビイミダゾ
ール、或いは、チタノセンを含有する光重合開始系等を
挙げることができる。
【0032】上記の光重合開始系のうちでは、ヘキサア
リールビイミダゾール、チタノセンを含有する光重合開
始系が高い感度を示すことから好ましく、特に、チタノ
センを含有する光重合開始系であれば、ヘキサアリール
ビイミダゾールを含有する光重合開始系に比べて、少量
で高い感度を示すと共に、高い乾燥条件でも安定なた
め、高いカーボンブラック濃度のブラックレジストを調
製することができる。
【0033】本発明に使用されるエチレン性化合物とし
ては、芳香族ポリグリシジルエーテル化合物と不飽和モ
ノカルボン酸との付加反応、或いは、芳香族ポリヒドロ
キシ化合物とエポキシモノカルボン酸エステルとの付加
反応、で得られるエチレン性不飽和二重結合を2個以上
有するエチレン性化合物(以下「エチレン性化合物
(A)」と称す。)が好適であるが、該エチレン性化合
物(A)と共に、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和
カルボン酸との付加反応(エステル反応)で得られる、
エチレン性不飽和二重結合を2個以上含有するエチレン
性化合物(以下「エチレン性化合物(B)」と称す。)
を併用することが好ましい。
【0034】該エチレン性化合物(A)は透明基板との
接着性、特に、アルカリ現像時の接着性(現像画像接着
性)を向上させて、ブラシ、スプレー或いはスポンジ等
による物理的刺激に対して、画像の欠落を防ぐ機能を果
たすものである。
【0035】該エチレン性化合物(A)の具体的な例と
しては、ハイドロキノン,レゾルシン,ピロガロール等
のポリヒドロキシベンゼン、ビスフェノールA,ポリビ
スフェノールA,ブロム化ビスフェノールA,ポリブロ
ム化ビスフェノールA等のビスフェノールA誘導体、ノ
ボラック等の芳香族ポリヒドロキシ化合物とエピクロル
ヒドリンをアルカリ条件下付加反応させて得られる芳香
族ポリグリシジルエーテル化合物と、(メタ)アクリル
酸等の不飽和モノカルボン酸を4級アンモニウム塩等を
触媒にして付加反応させることにより得られるエチレン
性化合物、或いは、ハイドロキノン,レゾルシン,ピロ
ガロール等のポリヒドロキシベンゼン、ビスフェノール
A,ポリビスフェノールA,ブロム化ビスフェノール
A,ポリブロム化ビスフェノールA等のビスフェノール
A誘導体、ノボラック等の芳香族ポリヒドロキシ化合物
とグリシジル(メタ)アクリレート、下記[T−1]又
は[T−2]等の構造のエポキシ(メタ)アクリレート
を、“SYNTHETIC COMMUNICATION, 24(21) ”3099-3019
(1994) 等に記載の酸又はアルカリの触媒を用いて付加
反応させることにより得られるエチレン性化合物が挙げ
られ、より具体的には、例えば、次の[M−1],[M
−2],[M−3],[M−4]等を挙げることができ
る。
【0036】
【化1】
【0037】
【化2】
【0038】特に、ビスフェノールAとエピクロルヒド
リンとの共縮重合物タイプのエチレン性化合物(A)を
使用した場合、他のエチレン性化合物の場合に比べ現像
画像接着性に優れているため好ましい。
【0039】とりわけ好ましいエチレン性化合物(A)
としては、25℃の粘度が100ps以上、更に25℃
の粘度が1000ps以上のものが挙げられる。この粘
度が100psより著しく低いと、現像画像接着性が低
下する。
【0040】一方、エチレン性化合物(B)は、現像時
の非画線部の溶解性を高め、高画質の画像を形成させる
機能を有する。該エチレン性化合物(B)の具体的な例
としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト,トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート,
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート,ト
リメチロールエタントリ(メタ)アクリレート,ペンタ
エリスリトールジ(メタ)アクリレート,ペンタエリス
リトールトリ(メタ)アクリレート,ペンタエリスリト
ールテトラ(メタ)アクリレート,ジペンタエリスリト
ールテトラ(メタ)アクリレート,ジペンタエリスリト
ールペンタ(メタ)アクリレート,ジペンタエリスリト
ールヘキサ(メタ)アクリレート,グリセロール(メ
タ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル、こ
れらの例示化合物の(メタ)アクリレートをイタコネー
トに代えたイタコン酸エステル、クロトネートに代えた
クロトン酸エステルもしくはマレエートに代えたマレイ
ン酸エステル等がある。これらのうち、特に、4官能〜
6官能のジペンタエリスリトールポリアクリレートが画
像形成性に優れる点から好ましい。
【0041】前記エチレン性化合物(A)及びエチレン
性化合物(B)の製造に当っては、芳香族ポリグリシジ
ルエーテル化合物、或いは、脂肪族ポリヒドロキシ化合
物と不飽和モノカルボン酸とを反応させる際に、不飽和
モノカルボン酸と共に飽和のモノカルボン酸を付加さ
せ、該エチレン性化合物の粘性等の物性を制御すること
もできる。
【0042】本発明において、エチレン性化合物(A)
とエチレン性化合物(B)との好適な使用割合は、重量
比で、エチレン性化合物(A):エチレン性化合物
(B)=100:0〜10:90、好ましくは90:1
0〜20:80、更に好ましくは80:20〜30:7
0である。
【0043】その他、本発明において併用できるエチレ
ン性化合物の例としては、エチレンビスアクリルアミド
等のアクリルアミド類、フタル酸ジアリル等のアリルエ
ステル類、ジビニルフタレート等のビニル基含有化合
物、不飽和二価カルボン酸とジヒドロキシ化合物との重
縮合反応により得られるポリエステル、不飽和二価カル
ボン酸とジアミンとの重縮合反応により得られるポリア
ミド、側鎖に不飽和結合をもつ二価カルボン酸、例えば
イタコン酸、プロピリデンコハク酸、エチリデンマロン
酸等とジヒドロキシ又はジアミン化合物との縮重合体、
側鎖にヒドロキシ基やハロゲン化メチル基の如き反応活
性を有する官能基を有する重合体、例えば、ポリビニル
アルコール、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト)、ポリエピクロルヒドリン等とアクリル酸、メタク
リル酸、クロトン酸等の不飽和カルボン酸との高分子反
応により得られるポリマー等が挙げられる。
【0044】バインダーとして使用される有機高分子物
質としては、メチル(メタ)アクリル酸、エチル(メ
タ)アクリル酸、プロピル(メタ)アクリル酸、ブチル
(メタ)アクリル酸、2−エチルヘキシル(メタ)アク
リル酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸、ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリル酸、ベンジル(メタ)ア
クリル酸等の(メタ)アクリル酸のアルキルエステル;
ヒドロキシフェニル(メタ)アクリル酸、メトキシフェ
ニル(メタ)アクリル酸等の(メタ)アクリル酸の置換
基を有していても良いフェニルエステル;アクリロニト
リル;酢酸ビニル、バーサチック酸ビニル、プロピオン
酸ビニル、桂皮酸ビニル、ピバリン酸ビニル等の酸ビニ
ル;スチレン、α−メチル−スチレン等の共重合体、エ
ピクロロヒドリンとビスフェノールAとのポリエーテ
ル、可溶性ナイロン、ポリビニルアルキルエーテル、ポ
リアミド、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート
イソフタレート、アセチルセルロース及びポリビニルホ
ルマール、ポリビニルブチラール等が挙げられる。な
お、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは「ア
クリル又はメタクリル」を示す。「(メタ)アクリレー
ト」についても同様である。
【0045】本発明においては、得られる塗膜の皮膜強
度、耐塗布溶剤性、基板接着性を高める目的で、上記有
機高分子物質のうち、カルボン酸基を有するものの、カ
ルボン酸基の一部又は全部を、グリシジル(メタ)アク
リレート、前記[T−1]又は[T−2]の構造のエポ
キシ(メタ)アクリレートと反応させて、光重合性の有
機高分子物質とすることもできる。
【0046】特に好ましい有機高分子物質としては、基
板への接着性を高める目的で、スチレン、α−メチルス
チレン、ベンジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシフ
ェニル(メタ)アクリル酸、メトキシフェニル(メタ)
アクリル酸、ヒドロキシフェニル(メタ)アクリルアミ
ド、ヒドロキシフェニル(メタ)アクリルスルホアミド
等のフェニル基を有する共重合モノマーを10〜80モ
ル%、好ましくは20〜70モル%、より好ましくは3
0〜60モル%の割合で含有し、その他(メタ)アクリ
ル酸を2〜50重量%、好ましくは5〜40重量%、よ
り好ましくは5〜30重量%の割合で含有する共重合
体、或いは、全共重合モノマーに対して2〜50モル
%、好ましくは5〜40モル%、より好ましくは10〜
30モル%のエポキシ(メタ)アクリレートが付加され
た反応物が望ましい。
【0047】このような有機高分子物質の分子量として
は、重量平均分子量(Mw)で1,000〜1000,
000、好ましくは2,000〜500,000、より
好ましくは3,000〜200,000の範囲である。
有機高分子物質のMwがこの範囲より著しく低いと、現
像時に画線部分の膜ベリが生じ、逆に有機高分子物質の
Mwが著しく高いと現像時に非画線部の抜け性不良を生
じ易い。
【0048】なお、前述の如く、これらの有機高分子物
質を、黒色染顔料の分散剤として用いることもできる。
【0049】本発明において、ブラックレジスト中の前
記光重合開始系の含有量は、カーボンブラック等の黒色
染顔料を除くブラックレジストに対し0.1〜40重量
%、好ましくは0.2〜30重量%、より好ましくは
0.2〜20重量%であり、前記エチレン性化合物の含
有量は、カーボンブラック等の黒色染顔料を除くブラッ
クレジストに対し20〜99重量%、好ましくは50〜
95重量%、より好ましくは60〜90重量%であり、
前記有機高分子物質の含有量は、カーボンブラック等の
黒色染顔料を除くブラックレジストに対し1〜80重量
%、好ましくは10〜70重量%、より好ましくは20
〜60重量%である。
【0050】本発明に係るブラックレジストは、これを
用いて、1.0μm以下の膜厚に形成した塗膜の、透過
光濃度が2.7以上、好ましくは3.0以上であるブラ
ックマトリックスを形成させるために、ブラックレジス
ト中に含有される前記黒色染顔料の含有量が、全固形分
に対し50〜80重量%であることが望ましい。とりわ
け、本発明においては、黒色染顔料としてカーボンブラ
ックを、ブラックレジスト中の全固形分に対して50重
量%以上配合することが好ましい。
【0051】次に、本発明のカラーフィルターにおい
て、赤,緑及び青の画素画像の形成に使用される色材料
分散レジスト(以下「カラーレジスト」と称する場合が
ある。)について説明する。
【0052】本発明に係るカラーレジストは、色材料の
他、ブラックレジストと同様に光重合開始系と、エチレ
ン性化合物とを含み、必要に応じて、相溶性、被膜形成
性、現像性、接着性等の光重合性層の改善のためのバイ
ンダーとしての有機高分子物質と、分散剤を含有するも
のである。
【0053】本発明において、このカラーレジストは、
分散剤ないしバインダーとしてブラックマトリックスに
含有される有機高分子物質と同一成分を含む有機高分子
物質、好ましくは、ブラックマトリックス中の有機高分
子物質と同一の有機高分子物質を含有することが、各画
素画像とブラックマトリックスとの接着性を高める上で
望ましい。更に、ブラックマトリックスパターン上に塗
布した際の段差を小さくする目的で界面活性剤等のレベ
リング剤を含有することが好ましい。
【0054】カラーレジストに配合される光重合開始
系、エチレン性化合物、分散剤については、前述のブラ
ックレジストの配合成分として例示したものを用いるこ
とができる。
【0055】なお、色材料としては、赤色、緑色、青色
の各色調の染顔料が用いられるが、この他、必要に応じ
て金属粉、白色顔料、蛍光顔料なども用いることができ
る。
【0056】染顔料の具体例としては、ビクトリアピュ
アブルー(42595)、オーラミン0(4100
0)、カチロンブリリアントフラビン(ベーシック1
3)、ローダミン6GCP(45160)、ローダミン
B(45170)、サフラニン0K70(5024
0)、エリオグラウシンX(42080)、No.12
0/リオノールイエロー(21090)、リオノールイ
エローGRO(21090)、シムラファーストイエロ
ー8GF(21105)、ベンジンイエロー4T−56
4D(21095)、シムラファーストレッド4015
(12355)、リオノールレッド7B4401(15
850)、ファーストゲンブルーTGR−L(7416
0)、リオノールブルーSM(26150)等が挙げら
れる。(上記の()内の数字は、カラーインデックス
(C.I.)を意味する。)カラーレジスト中に含有さ
れる上記色材料の含有量は、ブラックレジスト中の黒色
顔料の含有量よりも少なく、固形分濃度で10〜50重
量%、好ましくは20〜40重量%の範囲とするのが望
ましい。
【0057】本発明において、カラーレジスト中の光重
合開始系の含有量は、色材料を除くカラーレジストに対
し0.1〜40重量%、好ましくは0.2〜30重量
%、より好ましくは0.2〜20重量%であり、前記エ
チレン性化合物の含有量は、色材料を除くカラーレジス
トに対し20〜99重量%、好ましくは50〜95重量
%、より好ましくは60〜90重量%であり、バインダ
ーとしての有機高分子物質の含有量は、色材料を除くカ
ラーレジストに対し0〜80重量%、好ましくは10〜
70重量%、より好ましくは20〜60重量%である。
【0058】カラーレジストに使用されるレベリング剤
としては、カラーレジスト用の溶剤に可溶であり、カラ
ーレジストの表面張力を下げるものであればいずれのも
のも使用できるが、特に、フッ素系の界面活性剤が有用
である。このような界面活性剤の添加量としては、カラ
ーレジスト中の含有量で0.0001〜1重量%、特に
0.001〜0.1重量%とするのが好ましい。
【0059】本発明に係るブラックレジスト及びカラー
レジストは、各種配合成分を適当な溶剤で調液した塗布
液として使用される。
【0060】溶剤としては、メチルセロソルブ、エチル
セロソルブ、ブチルセロソルブ、ECA、ジエチレング
リコールモノメチルエーテル、PGMEA、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノ
ン、トルエン、クロロホルム、ジクロロメチル、酢酸エ
チル、乳酸メチル、乳酸エチル、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、ブタノール、テトラハイドロフラン
等が挙げられる。
【0061】本発明に係るブラックレジスト及びカラー
レジストは、これらの溶剤を用いて、黒色染顔料又は色
材料、光重合開始系、エチレン性化合物、バインダーで
ある有機高分子物質並びに分散剤の合計濃度が5〜50
重量%、好ましくは10〜30重量%の範囲となるよう
に調液される。
【0062】なお、ブラックレジスト及びカラーレジス
トの調製に際しては、まず、黒色染顔料又は色材料と分
散剤とを固形分濃度が1〜90重量%となるように前記
溶剤の一部と混合し、十分に分散処理を行って分散液を
調製する。具体的には、この混合液にガラスビーズ、ジ
ルコニアビーズ等の分散用のビーズを適量加え、この混
合液をペイントコンディショナー、ボールミル、サンド
グラインダー等にかけて分散を行う。なお、用いるビー
ズの粒径は0.1〜20mmのものが好適である。ま
た、3本ロール、ホモジナイザー、ジェットミル、超音
波等を用い、ビーズを用いずに分散させることもでき
る。この分散液にエチレン性化合物、光重合開始系及び
溶剤の残部を添加混合して、均一なレジスト溶液とする
のが好ましい。
【0063】次に、上記ブラックレジスト及びカラーレ
ジストを用いて本発明のカラーフィルターを製造する方
法について説明する。
【0064】本発明で使用される透明基板としては、ポ
リエチレンテレフタレート等のポリエステルやポリプロ
ピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン等のプラスチ
ックシート、或いは、各種ガラス板等を挙げることがで
きる。
【0065】このような透明基板には、表面の接着性等
の物性を改良するために、必要に応じて、コロナ放電処
理、オゾン処理、シランカップリング剤やウレタンポリ
マー等の各種ポリマーの薄膜形成処理等を行うことがで
きる。
【0066】なお、透明基板の板厚は、0.05〜10
mm、特に0.1〜7mmの範囲であることが好まし
い。また、各種ポリマーの薄膜形成処理を行う場合に
は、その膜厚は0.01〜10μm、特に0.05〜5
μmの範囲であることが好ましい。
【0067】上記透明基板上に、ブラックレジストを、
スピナー,ワイヤーバー,フローコーター,ダイコータ
ー,ロールコーター,スプレー等の塗布装置により、乾
燥後の膜厚が1.0μm以下となるように塗布した後、
50〜200℃、好ましくは100〜150℃の温度で
15秒〜10分間、好ましくは30秒〜5分間乾燥して
ブラックレジスト膜を形成する。
【0068】ここで、乾燥温度は、高温なほど透明基板
に対する接着性が向上するが、高過ぎると光重合開始系
が分解し、熱重合を誘発して現像不良を起こし易い。
【0069】次に、このブラックレジスト膜上にブラッ
クマトリックス用のネガフォトマスクを置き、該フォト
マスクを介して、紫外又は可視等の光源を用いて画像露
光する。この際、必要に応じて酸素によるレジスト膜の
感度の低下を防ぐため、レジスト膜上にポリビニルアル
コール層等の酸素遮断層を塗設した後、露光を行っても
良い。
【0070】即ち、カラーフィルターの製造に当り、レ
ジスト膜の露光の際に、酸素によるレジスト膜の感度低
下を防止する目的で、レジスト膜の上に、ポリビニルア
ルコール層等の酸素遮断層を塗設する場合がある。しか
しながら、このような酸素遮断層を塗設することなく、
レジスト膜を露光、現像して画像形成することが、工程
数の大幅な減少の面から好ましい。酸素遮断層を設けな
い場合、ブラックレジスト中に、ヒドロキシフェニル
(メタ)アクリルアミド,ヒドロキシフェニル(メタ)
アクリルスルホアミド等のヒドロキシフェニル基等の芳
香族水酸基を有するモノマーを共重合モノマー成分とし
て5〜50モル%,好ましくは10〜30モル%の割合
で有する有機高分子物質を使用したり、特開平4−21
8048号公報,特開平5−19453号公報等に記載
のジアゾ化合物を1〜20重量%,好ましくは2〜10
重量%含有させたりする。これにより、酸素による感度
低下を低く抑えることができ、酸素遮断層を不要とする
ことができる。
【0071】露光後は、アルカリ現像液或いは含水有機
溶剤現像液により現像処理を行い透明基板上にブラック
マトリックスを形成させる。なお、必要に応じてこの現
像処理の前に、レジスト膜の感度或いはγ値(階調)を
高くする目的で露光試料を70〜200℃で15秒〜2
0分間、好ましくは80〜150℃で30秒〜10分間
の熱処理を施すことができる。
【0072】現像に使用されるアルカリ現像液として
は、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、珪酸ナト
リウム、珪酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム等の無機のアルカリ剤、或いはジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン、水酸化テトラアルキルアン
モニウム塩等の有機のアルカリ剤を含有し、必要に応
じ、画質向上、現像時間の短縮等の目的で界面活性剤、
水溶性の有機溶剤、水酸基又はカルボン酸基を有する低
分子化合物等を含有させた水溶液を用いることができ
る。
【0073】現像液の界面活性剤としては、ナフタレン
スルホン酸ナトリウム基、ベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム基を有するアニオン性界面活性剤、ポリアルキレンオ
キシ基を有するノニオン性界面活性剤、テトラアルキル
アンモニウム基を有するカチオン性界面活性剤等を挙げ
ることができ、また、水溶性の有機溶剤としては、エタ
ノール、プロピオンアルコール、ブタノール、メチルセ
ロソルブ、ブチルセロソルブ、フェニルセロソルブ、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレン
グリコール、テトラプロピレングリコール、プロピレン
グリコールモノメチルエーテル等を挙げることができ
る。
【0074】また、水酸基又はカルボキシ基を有する低
分子化合物としては、1−ナフトール、2−ナフトー
ル、ピロガロール、安息香酸、コハク酸、グルタル酸等
を挙げることができる。
【0075】一方、含水有機溶剤現像液に使用される有
機溶剤としては、前記のアルカリ現像液中に用いられた
水溶性の有機溶剤の中より適宜選択して使用することが
できる。
【0076】上記の現像処理は、通常、15〜40℃、
好ましくは20〜35℃の現像温度で、浸漬現像、スプ
レー現像、ブラシ現像、超音波現像等の方法により行わ
れる。
【0077】現像後の試料は、必要に応じて、この上に
塗布されるカラーレジスト、或いは、ポリアミド,ポリ
イミド等の保護層用の塗布溶剤に対する耐久性、又は、
ガラス基板等の透明基板との接着性を高める目的で、該
試料を100〜250℃,5〜60分間の熱硬化処理を
行うか、或いは、適正露光量以上の露光量、好ましく
は、適正露光量の1〜100倍の露光量による光硬化処
理を施すことができる。
【0078】なお、適正露光量とは、レジスト膜上に、
ウグラテストチャートを置き、該テストチャートを介し
て露光量を変化させながら光照射し、次いで現像処理を
行って得られるテストチャートの画像と、テストチャー
ト画像中のネガとポジの細線画像の最も細い細線の線幅
が同じになる時の露光量を言う。
【0079】続いて、該試料の上に赤,緑,青の3色の
カラーレジストを同様にしてそれぞれ塗布・乾燥した
後、該試料を、色材画素用のネガフォトマスクを用いて
前記と同様に露光、現像、必要に応じて熱又は光硬化処
理を繰り返し行い、ブラックマトリックス間に3色の画
素を形成してカラーフィルターを作製する。なお、カラ
ーレジストの塗布厚さは、乾燥後の膜厚で好ましくは
0.5〜3μm、より好ましくは1〜2μmである。
【0080】このようにして作製されたカラーフィルタ
ーは、このままの状態で、上にITO(透明電極)が形
成され、カラーディスプレーの部品の一部として使用さ
れるが、更にカラーフィルターの表面平滑性、或いは耐
久性を高める目的でポリアミド,ポリイミド等のトップ
コート層を設けることもできる。
【0081】本発明において画像露光に使用される光源
としては、キセノンランプ,ハロゲンランプ,タングス
テンランプ,高圧水銀灯,メタルハライドランプ,中圧
水銀灯,低圧水銀灯等のランプ光源、及びアルゴンイオ
ンレーザー,YAGレーザー,エキシマーレーザー,窒
素レーザー等のレーザー光源が挙げられる。これらの光
源には、必要とされる照射光の波長領域に応じて、適宜
光学フィルターを使用することもできる。
【0082】なお、ブラックレジストを用いて、透明基
板上に、ブラックマトリックスを形成させる際、透明基
板との現像画像接着性及び/又は熱硬化画像の接着性を
高める目的で、該透明基板上に色材料を含有しないカラ
ーレジストを塗布して光硬化させた光硬化接着層を設け
ても良い。
【0083】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限
り以下の実施例に限定されるものではない。
【0084】実施例1 カーボンブラック(三菱化学(株)社製「MA−22
0」)1.6g、分散剤及びバインダーの機能をもつ有
機高分子物質として化3に示すアクリル系樹脂0.9g
をPGMEA7.5gと混合し、粒子径0.5mmのジ
ルコニアビーズ10ccを加え、ペイントコンディショ
ナーで10時間振とうし、カーボンブラックの分散液を
得た。この分散液を3.0g分取し、エチレン性化合物
として、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(日本化薬(株)製「DPHA」)0.075g、エポ
キシ系モノマー(昭和高分子(株)製「SP−150
9」)0.075g、光重合開始系として「化合物S−
1」0.007g及び「化合物S−2」0.018g、
有機溶媒としてPGMEA2.6gを加え、ブラックレ
ジストを調製した。
【0085】
【化3】
【0086】得られたブラックレジストを高圧水洗浄、
UV/オゾン処理を施したガラス基板(コーニング社製
「7059」厚さ1.1mm)上にスピンコート法を用
いて塗布し、130℃のホットプレート上で乾燥し、膜
厚0.9μmのブラックレジスト膜を得た。なお、ブラ
ックレジスト膜中のカーボンブラック濃度は52重量%
である。このレジスト膜上に酸素遮断膜として、10重
量%のポリビニルアルコール水溶液をスピンコート法を
用いて塗布し、100℃のホットプレート上で乾燥し、
膜厚1.0μmの酸素遮断膜層を形成した。このレジス
ト膜にブラックマトリックス用フォトマスクを用いて紫
外線を1400mj/cm2 密着露光した後、0.5重
量%炭酸ナトリウム水溶液で現像してブラックマトリッ
クスパターンをガラス基板上に形成した。
【0087】得られたブラックマトリックスパターンに
高圧水銀灯を用いて基板側からとレジスト側とからそれ
ぞれ15000mj/cm2 ずつ紫外線照射した後、2
00℃のオーブン中で10分間熱処理を施し、透過光濃
度3.2、膜厚0.85μmのブラックマトリックスパ
ターンを得た。
【0088】次に、赤色顔料(チバ・ガイギー社製「Cr
omophtal Red A2B」及びBASF社製「Paliotol Yello
w K1841D」)7.7gとポリエステル系分散剤3.1g
にPGMEA6.4gを混合し、0.5mmのジルコニ
アビーズを10cc加え、ペイントコンディショナーで
5時間振とうして赤色顔料の分散液を得た。この分散液
を7.48g分取し、バインダーとしてブラックレジス
ト中で分散剤として用いた化3のアクリル系樹脂1.0
g、エチレン性化合物としてジペンタエリスリトールヘ
キサアクリレート(日本化薬(株)「DPHA」)0.
5g、光重合開始系としてビイミダゾール0.075
g、ミヒラーズケトン0.045g、フッ素系界面活性
剤(住友3M(株)「FC−430」)0.0004
g、有機溶媒としてPGMEA1.51gを加え、赤色
用カラーレジストを調製した。
【0089】得られた赤色用カラーレジストをスピンコ
ート法を用いて、前述のブラックマトリックスパターン
上に乾燥膜厚が1.3μmになるように塗布し、70℃
のホットプレート上で1分間乾燥し、赤色フィルター用
のマスクを用いて紫外線を150mj/cm2 密着露光
した後、0.5重量%のジエタノールアミン水溶液を用
いて現像することにより、ブラックマトリックスパター
ンの間に赤色画素のパターンを得た。次いで、試料を高
圧水銀灯を用いて15000mj/cm2 紫外線照射
し、更に200℃のオーブン中で10分間熱処理するこ
とにより、赤色画素画像を形成した。
【0090】得られた試料の赤色画素画像の表面形状
を、TENCOR INSTRUMENTS社製「alpha-step」を用いて測
定したところ、画像段差は0.4μmであった。
【0091】実施例2 赤色顔料の代りに、緑色顔料(東洋インキ製造社製「Li
onol Green 6Y501」及びBASF社製「Paliotol Yello
w K1841D」)を用いたこと以外は実施例1と全く同様に
して緑色画素画像を形成した。
【0092】得られた試料の緑色画素画像の表面形状
を、TENCOR INSTRUMENTS社製「alpha-step」を用いて測
定したところ、画像段差は0.4μmであった。
【0093】実施例3 赤色顔料の代りに、青色顔料(東洋インキ製造社製「Li
onol Blue ES」及びチバ・ガイギー社製「IRGAZIN BLUE
A3RN」)を用いたこと以外は実施例1と全く同様にし
て青色画素画像を形成した。
【0094】得られた試料の青色画素画像の表面形状
を、TENCOR INSTRUMENTS社製「alpha-step」を用いて測
定したところ、画像段差は0.3μmであった。
【0095】実施例4 実施例1〜3と同様にして、ブラックマトリックス上に
赤色・緑色・青色の画素画像を順次形成し、その上にI
TO膜をスパッタリングにより15000Åの膜厚に形
成し、その電気伝導度を測定したところ、断線等のない
透明電極が形成されたことが確認された。
【0096】比較例1 ガラス基板上に富士ハント(株)製ブラックレジスト
「B−2000」を透過光濃度3.0を得るために、乾
燥後の膜厚1.8μmになるようにスピンコート法を用
いて塗布し、90℃のホットプレートで2分間乾燥し
た。得られたレジスト膜を実施例1と同じブラックレジ
スト用フォトマスクを用いて、300mj/cm2 密着
露光し、富士ハント(株)製現像液「CD」を用いて現
像しブラックマトリックスパターンをガラス基板上に形
成した。
【0097】このブラックマトリックスパターン上に実
施例1と同様にして赤色画素画像を形成し、その画像段
差を測定したところ1.5μmであった。
【0098】比較例2 比較例1と全く同様にして得たブラックマトリックス上
に実施例4と同様にして赤色・緑色・青色の画素画像を
形成し、その上にITO膜を形成し、その電気伝導度を
測定したところ、ところどころに断線箇所が発生し、電
極として機能しないことが確認された。
【0099】比較例3 実施例1と同様にして得られたブラックマトリックスパ
ターン上に、フッ素系界面活性剤を添加しなかったこと
以外は実施例1と全く同様にして得られた赤色用カラー
レジストを用いて、実施例1と同様にして赤色画素画像
を形成し、その画像段差を測定したところ0.8μmで
あった。
【0100】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、膜
厚1.0μm以下で透過光濃度3.0以上という遮光性
に優れた薄膜のブラックマトリックス上に、表面の凹凸
の小さい赤,緑及び青の画素画像が形成された、高品質
カラーフィルターが提供される。本発明のカラーフィル
ターによれば、その上に形成するITO膜の断線が防止
され、良好な製品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像段差を説明するカラーフィル
ターの模式的断面図である。
【符号の説明】
1 基板 2 ブラックマトリックスパターン 3R 赤色画素画像 3G 緑色画素画像 3B 青色画素画像

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、顔料分散レジストを用いて形
    成されたブラックマトリックス上に、赤,緑及び青の画
    素画像を形成してなるカラーフィルターにおいて、該基
    板を基準面とする、各画素画像における表面の最高点と
    最低点との差が赤,緑及び青のいずれの画素画像につい
    ても0.7μm以下であることを特徴とするカラーフィ
    ルター。
  2. 【請求項2】 請求項1において、ブラックマトリック
    スが固形分濃度で50重量%以上のカーボンブラックを
    含有することを特徴とするカラーフィルター。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、ブラックマト
    リックスが、膜厚1.0μm以下で、透過光濃度3.0
    以上であることを特徴とするカラーフィルター。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10253820A (ja) * 1997-03-14 1998-09-25 Mitsubishi Chem Corp ブラックマトリクス用レジスト組成物およびそれを用いてなるブラックマトリクス
JP2004085773A (ja) * 2002-08-26 2004-03-18 Sumitomo Chem Co Ltd 着色感光性樹脂組成物
JP2005173325A (ja) * 2003-12-12 2005-06-30 Toppan Printing Co Ltd 感光性着色組成物及びそれを用いた固体撮像素子
JP2006171781A (ja) * 2006-01-11 2006-06-29 Mitsubishi Chemicals Corp 遮光性感光性組成物の製造方法、遮光性感光性組成物、及びカラーフィルター
KR101136170B1 (ko) * 2004-12-31 2012-04-17 엘지디스플레이 주식회사 액정 표시 장치의 컬러 필터 기판 및 그 제조 방법

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