JPH08220743A - カラーフィルターレジスト溶液 - Google Patents

カラーフィルターレジスト溶液

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JPH08220743A
JPH08220743A JP2277195A JP2277195A JPH08220743A JP H08220743 A JPH08220743 A JP H08220743A JP 2277195 A JP2277195 A JP 2277195A JP 2277195 A JP2277195 A JP 2277195A JP H08220743 A JPH08220743 A JP H08220743A
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JP
Japan
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color filter
filter resist
resist solution
color material
color
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Application number
JP2277195A
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English (en)
Inventor
Toshiyoshi Urano
年由 浦野
Etsuko Hino
悦子 檜野
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 色材料、光重合開始系、エチレン性化合物、
界面活性剤及び溶剤を含有するカラーフィルターレジス
ト溶液の、現像性、透明性、耐溶剤性、基板との接着性
を改善する。 【構成】 アニオン性界面活性剤を色材料の5〜40重
量%含む。界面活性剤の色材料への吸着量が色材料の2
〜15重量%。色材料を平均粒径0.2μm以下に分散
させる。 【効果】 アニオン性界面活性剤は、色材料を高濃度に
カラーフィルターレジスト溶液中に分散させる。また、
塗布、パターン露光後、現像した際に、露光部分のカラ
ーフィルターレジストの基板との密着性を低下させるこ
となく、高濃度に色材料を含有するカラーフィルターレ
ジストの未露光部分を現像中に速やかに溶出させる。露
光部分の基板との十分な接着性を保持し、良好な現像性
を実現し、高品質なレジストパターンを形成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカラーテレビ、液晶表示
素子、カメラ等に使用される光学的カラーフィルターの
製造に使用されるカラーフィルターレジスト溶液に関す
る。
【0002】
【従来の技術】カラーフィルターは、通常、ブラックマ
トリックスを設けたガラス、プラスチックシート等の透
明基板の表面に、赤,緑,青の3種の異なる色相によ
り、10〜50μm幅のストライプ状、モザイク状等の
色パターンを数μmの精度で形成して製造される。
【0003】カラーフィルターの代表的な製造方法とし
ては、染色法、印刷法、顔料分散法、電着法等がある。
しかし、これらの方法では、耐熱性が悪い、パターンの
位置精度が悪い、生産コストが高い、生産性が悪い等、
いずれも一長一短があり、用途に応じて各方式等が使い
分けられている。これらの製造方法のうち、色材料を含
有する光重合性組成物を、ブラックマトリックスを設け
た透明基板上に塗布し、画像露光、現像、熱硬化処理を
繰り返すことでカラーフィルター画像を形成する顔料分
散法は、カラーフィルター画素の位置、膜厚等の精度が
高く、寿命が長く、ピンホール等の欠陥が少ない方法で
あるため、従来、広く採用されている。
【0004】しかし、この方法では、染料と比べ着色力
が低い顔料を使用しているため、多くの顔料添加が必要
であるが、大量の顔料添加は光重合性組成物の現像低下
を招くやすく、一方、添加量が少ない場合には、膜厚を
厚くする必要が生じ、色材画素の透明性を上げることが
困難であるという問題点があった。
【0005】また、透明基板上に設けるクロム等のブラ
ックマトリックスの形成コストが高いという問題もあっ
た。
【0006】この問題を解決するものとして、透明基板
上に、黒色材料を含有する光重合性組成物を利用してブ
ラックマトリックスを形成する方法が提案されている
(特開平1−293306号公報、特開平2−902号
公報等)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような黒
色材料を含有する光重合性組成物を使用したブラックマ
トリックスでは、遮光性が十分ではなく、また、膜厚が
1.5μm以上となるため、赤、青、緑の色材画像の形
成時に、色材画像周辺部が1μm以上も盛り上がること
となり、平滑なカラーフィルターを製造することができ
ないという欠点がある。
【0008】本発明は上記従来の実情に鑑みてなされた
ものであり、その第一の目的は、現像性、透明性に優
れ、耐溶剤性、基板との接着性にも優れたカラーフィル
ターの製造に適したカラーフィルターレジスト溶液を提
供することにある。
【0009】本発明の第二の目的は、製造コストが安
く、現像性、遮光性に優れ、耐溶剤性、基板との接着性
にも優れたブラックマトリックス用のカラーフィルター
レジスト溶液を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1のカラーフィル
ターレジスト溶液は、色材料、光重合開始系、エチレン
性化合物、界面活性剤及び溶剤を含有するカラーフィル
ターレジスト溶液において、該界面活性剤がアニオン性
界面活性剤であり、その含有量が色材料の5〜40重量
%であり、該界面活性剤の色材料への吸着量が色材料の
2〜15重量%であり、かつ、色材料は平均粒径0.2
μm以下の分散粒子として分散していることを特徴とす
る。
【0011】請求項2のカラーフィルターレジスト溶液
は、請求項1に記載のカラーフィルターレジスト溶液に
おいて、エチレン性化合物として、芳香族ポリグリシジ
ルエーテル化合物と不飽和モノカルボン酸との付加反
応、或いは、芳香族ポリヒドロキシ化合物とエポキシモ
ノカルボン酸エステルとの付加反応、で得られるエチレ
ン性不飽和二重結合を2個以上有する化合物を含有する
ことを特徴とする。
【0012】請求項3のカラーフィルターレジスト溶液
は、請求項2に記載のカラーフィルターレジスト溶液に
おいて、芳香族ポリグリシジルエーテル化合物がビスフ
ェノールAとエピクロルヒドリンとの共縮合物であるこ
とを特徴とする。
【0013】請求項4のカラーフィルターレジスト溶液
は、請求項2又は3に記載のカラーフィルターレジスト
溶液において、エチレン性化合物として、更に、脂肪族
ポリヒドロキシ化合物と不飽和モノカルボン酸との付加
反応で得られるエチレン性不飽和二重結合を2個以上有
する化合物を含有することを特徴とする。
【0014】請求項5のカラーフィルターレジスト溶液
は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載のカラーフ
ィルターレジスト溶液において、色材料が黒色材料であ
り、該溶液を用いて乾燥膜厚1μm以下に形成した塗膜
の、400〜700nmの範囲での最小吸光度が2.0
以上であることを特徴とする。
【0015】請求項6のカラーフィルターレジスト溶液
は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載のカラーフ
ィルターレジスト溶液において、色材料が赤、緑又は青
色材料であり、該溶液を用いて乾燥膜厚1μm以下に形
成した塗膜の、400〜700nmの範囲での最大吸光
度が1.1以上であることを特徴とする。
【0016】即ち、本発明者らは上記目的を達成するた
めに鋭意検討を重ねた結果、特定の界面活性剤を特定量
吸着した色材料が分散したカラーフィルターレジスト溶
液を使用することで、上記目的が達成されることを見出
し、本発明に到達した。
【0017】以下、本発明を詳細に説明する。
【0018】本発明のカラーフィルターレジスト溶液
は、色材料と、光を吸収してラジカルを発生する光重合
開始系と、該ラジカルにより重合が誘起される付加重合
性のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物(以下、
「エチレン性化合物」と称す。)と、アニオン性界面活
性剤と溶剤とを含有し、更に好ましくは、相溶性、皮膜
形成性、現像性、接着性等の改善のために、結合剤とし
ての有機高分子物質を含有する光重合性組成物である。
【0019】これらの構成成分のうち、光重合開始系と
しては、下記のような紫外から可視領域に感度を有する
ものを、使用する露光光源に応じて、適宜選択可能であ
る。
【0020】即ち、400nm未満の波長の紫外光を吸
収してラジカルを発生する光重合開始系としては、例え
ば、ファインケミカル,1991年,3月1日号Vol 2
0,No. 4,P.16〜P.26に記載のジアルキルア
セトフェノン系,ベンジルジアルキルケタール系,ベン
ゾイン,ベンゾインアルキルエーテル系,チオキサント
ン誘導体,アシルホスフィンオキサイド系等、その他、
特開昭58−40302号公報,特公昭45−3737
7号公報に記載のヘキサアリールビイミダゾール系,s
−トリハロメチルトリアジン系,特開昭59−1523
96号公報に記載のチタノセン系等を用いることができ
る。
【0021】一方、波長400nm以上500nm以下
の可視光に感応する光重合開始系としては、例えば、ヘ
キサアリールビイミダゾールとラジカル発生剤及び染料
の系(特公昭45−37377号公報)、ヘキサアリー
ルビイミダゾールと(p−ジアルキルアミノベンジリデ
ン)ケトンの系(特開昭47−2528号、特開昭54
−155292号各公報)、環状シス−α−ジカルボニ
ル化合物と染料の系(特開昭48−84183号公
報)、置換トリアジンとメロシアニン色素の系(特開昭
54−151024号公報)、ケトクマリンと活性剤の
系(特開昭52−112681号、特開昭58−155
03号、特開昭60−88005号各公報)、置換トリ
アジンと増感剤の系(特開昭58−29803号、特開
昭58−40302号各公報)、ビイミダゾール、スチ
レン誘導体、チオールの系(特開昭59−56403号
公報)、ジアルキルアミノフェニル基を含有する増感剤
とビイミダゾール(特開平2−69号、特開昭57−1
68088号、特開平5−107761号、特開平5−
210240号、特開平4−288818号各公報)、
有機過酸化物と色素の系(特開昭59−140203
号、特開昭59−189340号各公報)、チタノセン
系(特開昭59−152396号、特開昭61−151
197号、特開昭63−10602号、特開昭63−4
1484号、特開平2−291号、特開平3−1240
3号、特開平3−20293号、特開平3−27393
号、特開平3−52050号各公報)、チタノセンとキ
サンテン色素さらにアミノ基或はウレタン基を有する付
加重合可能なエチレン性飽和二重結合含有化合物を組合
せた系(特開平4−221958号、特開平4−219
756号各公報)等が挙げられる。
【0022】波長400nm以上500nm以下の光に
感応する光重合開始系の好適例としては、波長400〜
500nmに吸収を有する増感色素と、2,2’−ビス
(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ
フェニルビイミダゾール(以下、「化合物R−1」と称
す。)、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,
4’,5,5’−テトラ(p−カルボエトキシフェニ
ル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェ
ニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−ブロモフェ
ニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフ
ェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(o,p−ジク
ロロフェニル)ビイミダゾール等のヘキサアリールビイ
ミダゾール、及び、2−メルカプトベンズチアゾール、
2−メルカプトベンズオキサゾール、2−メルカプトベ
ンズイミダゾール等の有機チオール化合物からなる複合
光重合開始剤、或いは、波長400〜500nmに吸収
を有する増感色素とジシクロペンタジエニル−Ti−ビ
ス−2,6−ジフルオロ−3−(ピロール−1−イル)
−フェニル−1−イル、ジシクロペンタジエニル−Ti
−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル−1
−イル(以下、「化合物S−1」と称す。)、ジ−シク
ロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−
ペンタフルオロフェニル−1−イル等のチタノセン化合
物、更に、p−ジエチルアミノ安息香酸エチル、ミヒラ
ーズケトン等のジアルキルアミノフェニル化合物からな
る複合光重合開始剤が挙げられる。
【0023】なお、増感色素のうち、ヘキサビイミダゾ
ールを増感する色素としては、例えば特開平2−69号
公報,特開昭57−168088号公報,特開平5−1
07761号公報,特開平5−210240号公報,特
願平4−288818号に記載の増感色素を挙げること
ができる。
【0024】また、チタノセンを増感する色素として
は、例えば特願平5−83588号,特願平5−848
17号,特開平5−83587号公報,特願平6−12
949号,特願平6−74743号,特願平6−141
588号に記載の増感色素を挙げることができる。
【0025】また、これらの可視光領域に感応する光重
合開始系のうち、可視光と共に紫外部にも吸収を持ち、
高い感度を示すものについては、紫外光領域の光源に対
する光重合開始系として利用しても良い。
【0026】このような可視光及び紫外光領域に共に高
い感度を示すものとしては、ヘキサアリールビイミダゾ
ール、或いは、チタノセンを含有する光重合開始系等を
挙げることができる。
【0027】上記の光重合開始系のうちでは、ヘキサア
リールビイミダゾール、チタノセンを含有する光重合開
始系が高い感度を示すことから好ましく、特に、チタノ
センを含有する光重合開始系であれば、ヘキサアリール
ビイミダゾールを含有する光重合開始系に比べて、少量
で高い感度を示すと共に、高い乾燥条件でも安定なた
め、本発明のような、高い色材料濃度を有するカラーフ
ィルターレジスト溶液にはより一層好ましい。
【0028】本発明に使用されるエチレン性化合物とし
ては、芳香族ポリグリシジルエーテル化合物と不飽和モ
ノカルボン酸との付加反応、或いは、芳香族ポリヒドロ
キシ化合物とエポキシモノカルボン酸エステルとの付加
反応、で得られるエチレン性不飽和二重結合を2個以上
有するエチレン性化合物(以下「エチレン性化合物
(A)」と称す。)が好適であるが、該エチレン性化合
物(A)と共に、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和
カルボン酸との付加反応(エステル反応)で得られる、
エチレン性不飽和二重結合を2個以上含有するエチレン
性化合物(以下「エチレン性化合物(B)」と称す。)
を併用することが好ましい。
【0029】該エチレン性化合物(A)は透明基板との
接着性、特に、アルカリ現像時の接着性(現像画像接着
性)を向上させて、ブラシ、スプレー或いはスポンジ等
による物理的刺激に対して、画像の欠落を防ぐ機能を果
たすものである。
【0030】該エチレン性化合物(A)の具体的な例と
しては、ハイドロキノン,レゾルシン,ピロガロール等
のポリヒドロキシベンゼン、ビスフェノールA,ポリビ
スフェノールA,ブロム化ビスフェノールA,ポリブロ
ム化ビスフェノールA等のビスフェノールA誘導体、ノ
ボラック等の芳香族ポリヒドロキシ化合物とエピクロル
ヒドリンをアルカリ条件下付加反応させて得られる芳香
族ポリグリシジルエーテル化合物と、(メタ)アクリル
酸等の不飽和モノカルボン酸を4級アンモニウム塩等を
触媒にして付加反応させることにより得られるエチレン
性化合物、或いは、ハイドロキノン,レゾルシン,ピロ
ガロール等のポリヒドロキシベンゼン、ビスフェノール
A,ポリビスフェノールA,ブロム化ビスフェノール
A,ポリブロム化ビスフェノールA等のビスフェノール
A誘導体、ノボラック等の芳香族ポリヒドロキシ化合物
とグリシジル(メタ)アクリレート、下記[T−1]又
は[T−2]等の構造のエポキシ(メタ)アクリレート
を、“SYNTHETIC COMMUNICATION, 24(21) ”3099-3019
(1994) 等に記載の酸又はアルカリの触媒を用いて付加
反応させることにより得られるエチレン性化合物が挙げ
られ、より具体的には、例えば、次の[M−1],[M
−2],[M−3],[M−4]等を挙げることができ
る。
【0031】
【化1】
【0032】
【化2】
【0033】特に、ビスフェノールAとエピクロルヒド
リンとの共縮重合物タイプのエチレン性化合物(A)を
使用した場合、他のエチレン性化合物の場合に比べ現像
画像接着性に優れているため好ましい。
【0034】とりわけ好ましいエチレン性化合物(A)
としては、25℃の粘度が100cps以上、更に25
℃の粘度が1000cps以上のものが挙げられる。こ
の粘度が100cpsより著しく低いと、現像画像接着
性が低下する。
【0035】一方、エチレン性化合物(B)は、現像時
の非画線部の溶解性を高め、高画質の画像を形成させる
機能を有する。該エチレン性化合物(B)の具体的な例
としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト,トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート,
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート,ト
リメチロールエタントリ(メタ)アクリレート,ペンタ
エリスリトールジ(メタ)アクリレート,ペンタエリス
リトールトリ(メタ)アクリレート,ペンタエリスリト
ールテトラ(メタ)アクリレート,ジペンタエリスリト
ールテトラ(メタ)アクリレート,ジペンタエリスリト
ールペンタ(メタ)アクリレート,ジペンタエリスリト
ールヘキサ(メタ)アクリレート,グリセロール(メ
タ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル、こ
れらの例示化合物の(メタ)アクリレートをイタコネー
トに代えたイタコン酸エステル、クロトネートに代えた
クロトン酸エステルもしくはマレエートに代えたマレイ
ン酸エステル等がある。これらのうち、特に、4官能〜
6官能のジペンタエリスリトールポリアクリレートが画
像形成性に優れる点から好ましい。
【0036】前記エチレン性化合物(A)及びエチレン
性化合物(B)の製造に当っては、芳香族ポリグリシジ
ルエーテル化合物、或いは、脂肪族ポリヒドロキシ化合
物と不飽和モノカルボン酸とを反応させる際に、不飽和
モノカルボン酸と共に飽和のモノカルボン酸を付加さ
せ、該エチレン性化合物の粘性等の物性を制御すること
もできる。
【0037】本発明において、エチレン性化合物(A)
とエチレン性化合物(B)との好適な使用割合は、重量
比で、エチレン性化合物(A):エチレン性化合物
(B)=100:0〜10:90、好ましくは90:1
0〜20:80、更に好ましくは80:20〜30:7
0である。
【0038】その他、本発明において併用できるエチレ
ン性化合物の例としては、エチレンビスアクリルアミド
等のアクリルアミド類、フタル酸ジアリル等のアリルエ
ステル類、ジビニルフタレート等のビニル基含有化合
物、不飽和二価カルボン酸とジヒドロキシ化合物との重
縮合反応により得られるポリエステル、不飽和二価カル
ボン酸とジアミンとの重縮合反応により得られるポリア
ミド、側鎖に不飽和結合をもつ二価カルボン酸、例えば
イタコン酸、プロピリデンコハク酸、エチリデンマロン
酸等とジヒドロキシ又はジアミン化合物との縮重合体、
側鎖にヒドロキシ基やハロゲン化メチル基の如き反応活
性を有する官能基を有する重合体、例えば、ポリビニル
アルコール、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト)、ポリエピクロルヒドリン等とアクリル酸、メタク
リル酸、クロトン酸等の不飽和カルボン酸との高分子反
応により得られるポリマー等が挙げられる。
【0039】本発明において、光重合性組成物の結合剤
として使用される有機高分子物質としては、メチル(メ
タ)アクリル酸、エチル(メタ)アクリル酸、プロピル
(メタ)アクリル酸、ブチル(メタ)アクリル酸、2−
エチルヘキシル(メタ)アクリル酸、ヒドロキシエチル
(メタ)アクリル酸、ヒドロキシプロピル(メタ)アク
リル酸、ベンジル(メタ)アクリル酸等の(メタ)アク
リル酸のアルキルエステル;ヒドロキシフェニル(メ
タ)アクリル酸、メトキシフェニル(メタ)アクリル酸
等の(メタ)アクリル酸の置換基を有していても良いフ
ェニルエステル;アクリロニトリル;酢酸ビニル、バー
サチック酸ビニル、プロピオン酸ビニル、桂皮酸ビニ
ル、ピバリン酸ビニル等の酸ビニル;スチレン、α−メ
チル−スチレン等の共重合体、エピクロロヒドリンとビ
スフェノールAとのポリエーテル、可溶性ナイロン、ポ
リビニルアルキルエーテル、ポリアミド、ポリウレタ
ン、ポリエチレンテレフタレートイソフタレート、アセ
チルセルロース及びポリビニルホルマール、ポリビニル
ブチラール等が挙げられる。なお、本明細書において、
「(メタ)アクリル」とは「アクリル又はメタクリル」
を示す。「(メタ)アクリレート」についても同様であ
る。
【0040】本発明においては、得られる塗膜の皮膜強
度、耐塗布溶剤性、基板接着性を高める目的で、上記有
機高分子物質のうち、カルボン酸基を有するものの、カ
ルボン酸基の一部又は全部を、グリシジル(メタ)アク
リレート、前記[T−1]又は[T−2]の構造のエポ
キシ(メタ)アクリレートと反応させて、光重合性の有
機高分子物質とすることもできる。
【0041】本発明において、特に好ましい有機高分子
物質としては、基板への接着性を高める目的で、スチレ
ン、α−メチルスチレン、ベンジル(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシフェニル(メタ)アクリル酸、メトキシ
フェニル(メタ)アクリル酸、ヒドロキシフェニル(メ
タ)アクリルアミド、ヒドロキシフェニル(メタ)アク
リルスルホアミド等のフェニル基を有する共重合モノマ
ーを10〜80モル%、好ましくは20〜70モル%、
より好ましくは30〜60モル%の割合で含有し、その
他(メタ)アクリル酸を2〜50重量%、好ましくは5
〜40重量%、より好ましくは5〜30重量%の割合で
含有する共重合体、或いは、全共重合モノマーに対して
2〜50モル%、好ましくは5〜40モル%、より好ま
しくは10〜30モル%のエポキシ(メタ)アクリレー
トが付加された反応物が望ましい。
【0042】このような有機高分子物質の分子量として
は、重量平均分子量(Mw)で1,000〜1000,
000、好ましくは2,000〜500,000、より
好ましくは3,000〜200,000の範囲である。
有機高分子物質のMwがこの範囲より著しく低いと、現
像時に画線部分の膜ベリが生じ、逆に有機高分子物質の
Mwが著しく高いと現像時に非画線部の抜け性不良を生
じ易い。
【0043】本発明において、前記光重合開始系の含有
量は、色材料を除くカラーフィルターレジスト溶液の全
固形分に対し、0.1〜40重量%、好ましくは0.2
〜30重量%、より好ましくは0.2〜20重量%であ
り、前記エチレン性化合物の含有量は、色材料を除くカ
ラーフィルターレジスト溶液の全固形分に対し、20〜
99重量%、好ましくは50〜95重量%、より好まし
くは60〜90重量%であり、前記有機高分子物質の含
有量は、色材料を除くカラーフィルターレジスト溶液の
全固形分に対し、0〜80重量%、好ましくは10〜7
0重量%、より好ましくは20〜60重量%である。
【0044】本発明に使用される色材料としては、ブラ
ックマトリックス用カラーフィルターレジスト溶液には
黒色の色材料を、赤,緑,青用カラーフィルターレジス
ト溶液には、それに対応する色材料を使用する。
【0045】黒色の色材料としては、カーボンブラッ
ク、特開平5−311109号公報,特開平6−116
13号公報等に記載の黒鉛、特開平4−322219,
特開平3−274503号公報等に記載の無機黒色顔
料、特開平2−216102号公報等に記載のアゾ系ブ
ラック色素等の有機黒色顔料、その他、赤,緑,青、
黄、シアン、マジェンタ等の有機色材料を混合した黒色
顔料等を挙げることができる。
【0046】赤,緑,青に対応する色材料としては、具
体的には、ビクトリアピュアブルー(42595)、オ
ーラミンO(41000)、カチロンブリリアントフラ
ビン(ベーシック13)、ローダミン6GCP(451
60)、ローダミンB(45170)、サフラニンOK
70:100(50240)、エリオグラウシンX(4
2080)、No.120/リオノールイエロー(21
090)、リオノールイエローGRO(21090)、
シムラーファーストイエロー8GF(21105)、ベ
ンジジンイエロー4T−564D(21095)、シム
ラーファーストレッド4015(12355)、リオノ
ールレッド7B4401(15850)、ファーストゲ
ンブルーTGR−L(74160)、リオノールブルー
SM(26150)、リオノールブルーES(ピグメン
トブルー15:6、ピグメントブルー1536)、リオ
ノーゲンレッドGD(ピグメントレッド168、ピグメ
ントレッド108)、リオノールグリーン2YS(ピグ
メントグリーン36)等が挙げられる(上記の( )内
の数字は、カラーインデックス(C.I.)を意味す
る)。
【0047】また、更に他の顔料について(C.I.)
で示すと、例えば、C.I.黄色顔料20,24,8
6,93,109,110,117,125,137,
138,147,148,153,154,166、
C.I.オレンヂ顔料36,43,51,55,59,
61、C.I.赤色顔料9,97,122,123,1
49,168,177,180,192,215,21
6,217,220,223,224,226,22
7,228,240、C.I.バイオレット顔料19,
23,29,30,37,40,50、C.I.青色顔
料15,15:1,15:4,22,60,64、C.
I.緑色顔料7、C.I.ブラウン顔料23,25,2
6等を挙げることができる。
【0048】これらの色材料のカラーフィルターレジス
ト溶液中の含有量は次の通りである。
【0049】即ち、黒の色材料を含むカラーフィルター
レジスト溶液で形成されるブラックマトリックスは、
1.0μm以下、好ましくは0.3〜0.7μm、より
好ましくは0.3〜0.6μmの膜厚に形成した塗膜
の、400〜700nmの範囲における最小吸光度(O.
D.min.)が2.0以上、好ましくは2.2以上のブラッ
クマトリックスを形成させるために、該カラーフィルタ
ーレジスト溶液中に含有される前記黒色の色材料の含有
量としては、全固形分に対し、40〜90重量%、好ま
しくは50〜80重量%、より好ましくは60〜70重
量%の範囲である。
【0050】一方、赤,緑,青の色材料を含むカラーフ
ィルターレジスト溶液で形成される色材画素は、1.0
μm以下、好ましくは0.3〜0.7μm、より好まし
くは0.3〜0.6μmの膜厚に形成した塗膜の、40
0〜700nmの範囲における最大吸光度(O.D.peak.)
が1.1以上、好ましくは1.3以上の色材画素を形成
させるために、該カラーフィルターレジスト溶液中に含
有される前記赤,緑,青の色材料の添加量としては、全
固形分に対し、40〜90重量%、好ましくは50〜8
0重量%、より好ましくは60〜70重量%の範囲であ
る。
【0051】本発明に係るカラーフィルターレジスト溶
液は、このような高い色材料含有率の状態で、高画質な
ブラックマトリックス画像又は色材画素を形成させると
共に、各画素上に塗設して形成される色材光重合性層、
或いは、ポリアミド,ポリイミド等の保護層等の塗布溶
剤に対する耐溶剤性、及び、透明基板に対する高い接着
性を与える機能を有する。
【0052】本発明のカラーフィルターレジスト溶液
は、前述の各種成分を適当な溶剤で調液した塗布液とし
て提供される。
【0053】本発明において、溶剤としては、メチルセ
ロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジエ
チレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリ
コールモノメチルエーテルアセテート(以下「PGMA
c」と略記する。)、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、シクロヘキサノン、トルエン、クロロホ
ルム、ジクロロメチン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸
エチル、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタ
ノール、テトラハイドロフラン等が挙げられる。
【0054】本発明のカラーフィルターレジスト溶液
は、これらの溶剤を用いて、光重合性組成物(色材料,
光重合開始系,エチレン性化合物及び有機高分子物質の
合計)濃度が5〜50重量%、好ましくは10〜30重
量%の範囲となるように調液される。
【0055】本発明のカラーフィルターレジスト溶液
は、更にアニオン性界面活性剤を特定の含有量及び特定
の色材料への吸着量で含有し、色材料の分散状態を改善
したことに特徴を有する。
【0056】以下に、本発明のカラーフィルターレジス
ト溶液における色材料へのアニオン性界面活性剤の吸着
による分散方法について説明する。
【0057】色材料の分散処理に当っては、前述の色材
料を、アニオン性界面活性剤と共に、前述の塗布溶剤に
添加し、0.1mm〜数mmの粒径のガラスビーズ又は
ジルコニアビーズを用いたビーズミル、ペイントシェー
カー、或いは、バルブホモジナイザー等の各種分散方法
により、色材料に対する該アニオン性界面活性剤の吸着
率が1〜20重量%、好ましくは3〜15重量%、色材
料の分散粒子の平均粒径が0.2μm以下、好ましくは
0.15μm以下になるように、通常、室温(25〜3
0℃)で10分間〜48時間、好ましくは30分間〜2
4時間分散処理を行う。
【0058】従って、本発明のカラーフィルターレジス
ト溶液の調液に当っては、一般に、まず、塗布溶剤、分
散剤としてのアニオン性界面活性剤及び色材料を用い
て、上述の方法で分散処理を行い、得られた分散液に更
に他の成分(光重合開始系、エチレン性化合物、有機高
分子物質等)を混合し、同様に混合分散を行う。
【0059】なお、色材料に対するアニオン性界面活性
剤の吸着率は次の手順で求めることができる。
【0060】(1) 上記分散処理で得られた分散液をそ
のまま3000〜5000rpmの遠心分離装置にかけ
て、色材料成分を沈澱分離させる。遠心分離による色材
料成分の分離が困難な場合には、該分散液に、5〜30
重量%の極性の低い塗布溶剤に対しては、メタノール、
エタノール等の極性の高い溶媒を、逆に、極性の高い塗
布溶剤に対しては、ヘキサン、メチルエチルケトン等の
極性の低い溶媒を、アニオン性界面活性剤が析出しない
程度、例えば5〜30重量%添加して、色材料をわずか
に凝集させた後、遠心分離を行う。
【0061】(2) 遠心分離により色材料を沈澱分離さ
せた分散液の上澄み溶液を除去した後、減圧濾過、塗布
溶剤による洗浄処理及び乾燥を行う。減圧濾過が難しい
場合には、上澄み溶液を除去した後、新たに塗布溶剤を
添加し、前記と同様の方法により遠心分離を行い、上澄
み溶液中のアニオン性界面活性剤が、通常のRI検出装
置を装着したGPCクロマトグラフィー装置により検出
できなくなるまでこの操作を繰り返し、上澄み溶液を除
去、乾燥する。これにより、アニオン性界面活性剤が吸
着されている色材料を分取する。
【0062】(3) 分取した0.5〜1mgの色材料に
ついて、400〜600℃の熱分解温度によるガスクロ
マトグラフィー(熱分解ガスクロマトグラフィー)分析
を行う。同様に、0.5〜1mgのアニオン性界面活性
剤を標準試料として熱分解ガスクロマトグラフィーによ
る分析を行い、該熱分解ガスクロマトグラフィーチャー
トの標準試料測定ピークに対する、アニオン性界面活性
剤吸着色材料の測定ピークの面積比より、色材料に対す
る該色材料に吸着しているアニオン性界面活性剤の割合
として吸着率(吸着率=吸着アニオン性界面活性剤重量
÷色材料重量×100(%))で求める。
【0063】なお、リン酸エステル、リン酸塩、スルホ
ン酸塩を含有するアニオン性界面活性剤の熱分解ガスク
ロマトグラフィーによる定量では、明瞭な熱分解生成物
のピークが得られないことがある。このような場合に
は、元素分析、イオンクロマトグラフィー、或いは、蛍
光X線分析により、窒素、イオウ、リンの測定を行い、
この測定値に基いて色材料に吸着したアニオン性界面活
性剤の定量を行って上記吸着率を求める。
【0064】本発明において、このアニオン性界面活性
剤の吸着率は、2〜15重量%、好ましくは3〜10重
量%とする。
【0065】また、本発明において、色材料による分散
粒子の粒径は、通常の遠心式、或いはレーザー散乱方式
による自動粒度測定装置により測定され、その平均粒径
は前述の如く、0.2μm以下、好ましくは0.15μ
m以下である。
【0066】本発明において、アニオン性界面活性剤と
しては、塗布溶剤に対して親和性を有するフェニル基、
アルキル基と色材料表面と強く吸着させる働きをするカ
ルボン酸基、リン酸基、スルホン酸基及びそのナトリウ
ム塩、カリウム塩、ポリアルキルアミン塩、ポリオキシ
アルキレンアミン塩、ポリアミノアミド塩、好ましくは
カルボン酸又はリン酸、或いは、そのポリアルキルアミ
ン塩、ポリオキシアルキレンアミン塩、ポリアミノアミ
ド塩を含有するものが好適である。
【0067】アニオン性界面活性剤の具体例としては、
フェニル基又はアルキル基とカルボン酸のポリアルキル
アミン塩を含有するものとして、日光ケミカル(株)製
AM−301,AM−3130N,AM−101,AM
−102EX,AM−3130T;裕商(株)販売GE
RMAN ADDITIVES W017等が挙げられ
る。また、フェニル基又はアルキル基とカルボン酸のポ
リオキシアルキレンアミン塩を含有するものとしては、
エフカ社製EFKA(登録商標)−71;裕商(株)販
売GERMAN ADDITIVES W003等が挙
げられる。更に、フェニル基又はアルキル基とカルボン
酸のポリアミノアミド塩を含有するものとしては、裕商
(株)販売GERMAN ADDITIVES W00
2等を、フェニル基又はアルキル基とリン酸のポリアル
キルアミン塩を含有するものとしては、日光ケミカル
(株)製レシノールS−10,レシノールS−10M,
レシノールY−10,レシノールY−10M;裕商
(株)販売GERMAN ADDITIVES 改質レ
シチンWett Agent等を、フェニル基又はアル
キル基とリン酸のポリアミノアミド塩を含有するものと
しては、裕商(株)販売GERMAN ADDITIV
ES W001等を、フェニル基又はアルキル基と不飽
和ポリアミド高分子酸塩を含有するものとしては、エフ
カ社製EFKA(登録商標)−44等を挙げることがで
きる。これらのアニオン性界面活性剤は、単独で或いは
2種以上を併用して用いられる。
【0068】本発明において、このようなアニオン性界
面活性剤の色材料に対する添加量は、5〜40重量%、
好ましくは、10〜30重量%である。この割合が40
重量%より高い場合には、色材料の含有率を高くするこ
とができず、1μm以下の薄膜カラーレジストの色材料
濃度が低くなり、また反対に、5重量%より低い場合に
は、色材料の分散安定性が低下する。
【0069】なお、本発明においては、上記のアニオン
性界面活性剤の他に、高分子カルボン酸、例えば裕商
(株)販売GERMAN ADDITIVES W00
4,エフカ社製EFKA(登録商標)−66等;ポリア
マイド、例えば、裕商(株)販売GERMAN ADD
ITIVES W063等;ロジンタイプリン酸エステ
ル、例えば、裕商(株)販売Kソルーション等;の分散
剤を、アニオン性界面活性剤と同様の添加率で併用した
り、或いは、これらの分散剤を用いて、予め色材料を分
散処理、分離、乾燥処理することにより色材料をこれら
の分散剤で表面処理したりすることもできる。
【0070】次に、本発明のカラーフィルターレジスト
溶液を用いるカラーフィルターの製造方法について説明
する。
【0071】本発明で使用される透明基板としては、ポ
リエチレンテレフタレート等のポリエステルやポリプロ
ピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン等のプラスチ
ックシート、或いは、各種ガラス板等を挙げることがで
きる。
【0072】このような透明基板には、表面の接着性等
の物性を改良するために、必要に応じて、コロナ放電処
理、オゾン処理、シランカップリング剤やウレタンポリ
マー等の各種ポリマーの薄膜形成処理等を行うことがで
きる。
【0073】なお、透明基板の板厚は、0.05〜10
mm、特に0.1〜7mmの範囲であることが好まし
い。また、各種ポリマーの薄膜形成処理を行う場合に
は、その膜厚は0.01〜10μm、特に0.05〜5
μmの範囲であることが好ましい。
【0074】この透明基板は、通常、赤,緑,青の画素
画像を形成する前に、予め金属薄膜、又は前述のブラッ
クマトリックス用カラーフィルターレジスト溶液を利用
したブラックマトリックスが設けられる。前者の例とし
ては、クロム単層又はクロムと酸化クロムの2層のもの
が挙げられ、これらを蒸着又はスパッタリング法等によ
り薄膜を形成した後、その上に、感光性被膜を形成し、
ストライプ、モザイク、トライアングル等の繰り返しパ
ターンを有するフォトマスクを用いて露光・現像し、レ
ジスト画像を形成させ、続いて、該薄膜をエッチング処
理により、透明基板上にブラックマトリックスを形成さ
せたものが挙げられる。後者の例、即ち、ブラックマト
リックスを、黒の色材料を含有する本発明に係るカラー
フィルターレジスト溶液を利用して形成する場合には、
透明基板上に下記の赤,緑,青の画素画像を形成する方
法と同様の方法を採用することでブラックマトリックス
を形成する。この際、ブラックマトリックスを形成する
操作を2回以上繰り返すことで、ブラックマトリックス
画像を積層して、目的の透過濃度のブラックマトリック
ス画像を完成させることも可能である。
【0075】このようにしてブラックマトリックスを設
けた透明基板上に、赤,緑,青のうちの1つの色の色材
料を含有するカラーフィルターレジスト溶液を、スピナ
ー,ワイヤーバー,フローコーター,ダイコーター,ロ
ールコーター,スプレー等の塗布装置により塗布した
後、50〜200℃、好ましくは100〜150℃の温
度で15秒〜10分間、好ましくは30秒〜5分間乾燥
して当該色材光重合性層を形成させる。なお、ここで、
カラーフィルターレジスト溶液を塗布、乾燥して得られ
る光重合性層の膜厚は、好ましくは0.5〜3μm、よ
り好ましくは1〜2μmである。
【0076】ここで、乾燥温度は、高温なほど透明基板
に対する接着性が向上するが、一方、高過ぎると光重合
開始系が分解し、熱重合を誘発して現像不良を起こし易
い。
【0077】次に、この色材光重合性層上に色材画素用
のネガフォトマスクを置き、該フォトマスクを介して、
紫外又は可視等の光源を用いて画像露光する。この際、
必要に応じて酸素による光重合性層の感度の低下を防ぐ
ため、光重合性層上にポリビニルアルコール層等の酸素
遮断層を塗設した後、露光を行っても良い。
【0078】即ち、カラーフィルターの製造に当り、光
重合性層の露光の際に、酸素による光重合性層の感度低
下を防止する目的で、色材光重合性層の上に、ポリビニ
ルアルコール層等の酸素遮断層を塗設する場合がある。
しかしながら、本発明においては、このような酸素遮断
層を塗設することなく、光重合性層を露光、現像して画
像形成することが、工程数の大幅な減少の面から好まし
い。酸素遮断層を設けない場合、カラーフィルターレジ
スト溶液中に、ヒドロキシフェニル(メタ)アクリル
酸,ヒドロキシフェニル(メタ)アクリルアミド,ヒド
ロキシフェニル(メタ)アクリルスルホアミド等のヒド
ロキシフェニル基等の芳香族水酸基を有するモノマーを
共重合モノマー成分として5〜50モル%,好ましくは
10〜30モル%の割合で有する有機高分子物質を使用
したり、特開平4−218048号公報,特開平5−1
9453号公報等に記載のジアゾ化合物を1〜20重量
%,好ましくは2〜10重量%含有させたりする。これ
により、酸素による感度低下を低く抑えることができ、
酸素遮断層を不要とすることができる。
【0079】露光後は、アルカリ現像液或いは含水有機
溶剤現像液により現像処理を行い透明基板上に第1の色
材画素画像を形成させる。なお、必要に応じてこの現像
処理の前に、光重合層の感度或いはγ値(階調)を高く
する目的で露光試料を70〜200℃で15秒〜20分
間、好ましくは80〜150℃で30秒〜10分間の熱
処理を施すことができる。
【0080】現像に使用されるアルカリ現像液として
は、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、珪酸ナト
リウム、珪酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム等の無機のアルカリ剤、或いはジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン、水酸化テトラアルキルアン
モニウム塩等の有機のアルカリ剤を含有し、必要に応
じ、画質向上、現像時間の短縮等の目的で界面活性剤、
水溶性の有機溶剤、水酸基又はカルボン酸基を有する低
分子化合物等を含有させた水溶液を用いることができ
る。
【0081】現像液の界面活性剤としては、ナフタレン
スルホン酸ナトリウム基、ベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム基を有するアニオン性界面活性剤、ポリアルキレンオ
キシ基を有するノニオン性界面活性剤、テトラアルキル
アンモニウム基を有するカチオン性界面活性剤等を挙げ
ることができ、また、水溶性の有機溶剤としては、エタ
ノール、プロピオンアルコール、ブタノール、メチルセ
ロソルブ、ブチルセロソルブ、フェニルセロソルブ、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレン
グリコール、テトラプロピレングリコール、プロピレン
グリコールモノメチルエーテル等を挙げることができ
る。
【0082】また、水酸基又はカルボキシ基を有する低
分子化合物としては、1−ナフトール、2−ナフトー
ル、ピロガロール、安息香酸、コハク酸、グルタル酸等
を挙げることができる。
【0083】一方、含水有機溶剤現像液に使用される有
機溶剤としては、前記のアルカリ現像液中に用いられた
水溶性の有機溶剤の中より適宜選択して使用することが
できる。
【0084】上記の現像処理は、通常、20〜40℃、
好ましくは25〜35℃の現像温度で、浸漬現像、スプ
レー現像、ブラシ現像、超音波現像等の方法により行わ
れる。
【0085】現像後の試料は、必要に応じて、該試料の
上に塗布されるカラーフィルターレジスト溶液、或い
は、ポリアミド,ポリイミド等の保護層用の塗布溶剤に
対する耐久性、又は、ガラス基板等の透明基板との接着
性を高める目的で、該試料を100〜250℃,5〜6
0分間の熱硬化処理を行うか、或いは、適正露光量以上
の露光量、好ましくは、適正露光量の1〜10倍の露光
量による光硬化処理を施すことができる。
【0086】続いて、該試料の上に赤,緑,青のうち他
の2色のカラーフィルターレジスト溶液についても前記
と同様にしてそれぞれ塗布・乾燥した後、該試料を、色
材画素用のネガフォトマスクを用いて前記と同様に露
光、現像、必要に応じて熱又は光硬化処理を繰り返し行
い、ブラックマトリックス間に3色の画素を形成してカ
ラーフィルターを作製する。
【0087】このようにして作製されたカラーフィルタ
ーは、このままの状態で、上にITO(透明電極)が形
成され、カラーディスプレーの部品の一部として使用さ
れるが、更にカラーフィルターの表面平滑性、或いは耐
久性を高める目的でポリアミド,ポリイミド等のトップ
コート層を設けることもできる。
【0088】本発明において画像露光に使用される光源
としては、キセノンランプ,ハロゲンランプ,タングス
テンランプ,高圧水銀灯,メタルハライドランプ,中圧
水銀灯,低圧水銀灯等のランプ光源、及びアルゴンイオ
ンレーザー,YAGレーザー,エキシマーレーザー,窒
素レーザー等のレーザー光源が挙げられる。これらの光
源には、必要とされる照射光の波長領域に応じて、適宜
光学フィルターを使用することもできる。
【0089】以上、ブラックマトリックスが形成された
透明基板上に赤,緑,青の画素画像を形成する方法を説
明したが、赤,緑,青の画素画像形成後にブラックマト
リックスを形成する方法も採用可能である。
【0090】本発明のカラーフィルターレジスト溶液を
用いて、透明基板上に、ブラックストライプ、又は、
赤,緑,青の色材画素画像を形成させる際に、該カラー
フィルターレジスト溶液と透明基板との現像画像接着性
及び/又は熱硬化画像の接着性を高める目的で、該透明
基板上に色材料を含有しないカラーフィルターレジスト
溶液を塗布して光硬化させた光硬化接着層を設けること
ができる。
【0091】該光硬化接着層に使用されるカラーフィル
ターレジスト溶液に含有される光重合開始系、エチレン
性化合物、及び必要に応じて用いられる結合剤としての
有機高分子物質は、本発明のカラーフィルターレジスト
溶液に用いられるものの中から適宜選択して用いること
ができ、このような光硬化接着層は、そのカラーフィル
ターレジスト溶液を、通常、上記と同様の方法により、
乾燥膜厚が0.01〜2μm、好ましくは0.02〜1
μmの範囲となるように透明基板上に塗設した後、該塗
布された光重合性組成物層の適正露光量の1〜10倍の
露光量で露光して光硬化させることにより、形成するこ
とができる。
【0092】また、本発明のカラーフィルターレジスト
を用いて透明基板上に形成されたブラックストライプ、
又は、赤,緑,青の色材画素等のレジスト画像の、経時
による透明基板からの剥離、傷などの欠陥の発生を防ぐ
目的で、該レジスト画像を形成させた透明基板の上に、
上記の光硬化接着層の場合と同様の方法により、光硬化
層を設けることもできる。
【0093】
【作用】本発明において、アニオン性界面活性剤は、色
材料を高濃度にカラーフィルターレジスト溶液中に分散
させる機能と、更に、カラーフィルターレジスト溶液を
塗布してパターン露光後、現像した際には、露光部分の
カラーフィルターレジストの透明基板との密接性を低下
させることなしに、高濃度の色材料を含有するカラーフ
ィルターレジストの未露光部分を現像中に速やかに溶出
させると共に、露光部分のカラーフィルターレジストの
透明基板との十分な接着性を保持し、良好な現像性を実
現し、高品質なレジストパターンを形成させる機能を有
する。
【0094】請求項2で用いるエチレン性化合物(A)
は、現像時の接着性の向上に有効であり、画像の欠落を
効果的に防止する。
【0095】請求項3に係るエチレン性化合物であれ
ば、より一層現像画像接着性が高められる。
【0096】請求項4に係るエチレン性化合物(B)を
併用することにより、現像時の非画線部の溶解性を高
め、高画質の画像を形成させることができる。
【0097】請求項5によれば、良好なブラックマトリ
ックス形成用カラーフィルターレジスト溶液が提供され
る。
【0098】請求項6によれば、良好な色材画素画像形
成用カラーフィルターレジスト溶液が提供される。
【0099】本発明のカラーフィルターレジスト溶液
は、高い色材料含有率の状態で、高画質なブラックマト
リックス画像又は色材画素を形成させると共に、各画素
上に塗設して形成される色材光重合性層、或いは、ポリ
アミド,ポリイミド等の保護層等の塗布溶剤に対する耐
溶剤性、及び、透明基板に対する高い接着性を与える機
能を有する。
【0100】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を更
に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り
以下の実施例に限定されるものではない。
【0101】実施例1〜7、比較例1〜6 光重合開始系として下記I〜III の種類及び配合を採用
し、有機高分子物質としては下記〜を用い、エチレ
ン性化合物としては下記a〜eを用い、分散剤として下
記i 〜viiiを用い、下記配合及び調液方法で黒の色材料
を含有するブラックマトリックス形成用カラーフィルタ
ーレジスト溶液を調製した。
【0102】
【化3】
【0103】
【化4】
【0104】
【化5】
【0105】[エチレン性化合物] a:ノボラック系モノマー(昭和高分子社製「SP−4
010」 粘度: 170〜200 cps/25℃) b:ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの共縮重
合物系モノマー(昭和高分子社製「SP−1509」
粘度:10000 cps/25℃) c:ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの共縮重
合物系モノマー(昭和高分子社製「SP−5003」
粘度:1700〜2000cps/25℃) d:ビスフェノールA系モノマー(新中村化学社製「A
−BPE−4」 粘度:1100cps/25℃) e:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(共栄
社化学社製「DPE−6A」)
【0106】
【化6】
【0107】ii ポリオキシアルキレンアミン長鎖脂
肪族エステル(裕商(株)販売 GERMAN ADD
ITIVES W003) iii 陰イオン性ポリカルボン酸のアルキルアミン塩
(裕商(株)販売 GERMAN ADDITIVES
W017) iv 改質レシチン(裕商(株)販売 GERMAN
ADDITIVES Wett Agent) v 卵黄レシチン(日光ケミカル(株)社製 レシノ
ール Y−10) vi ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル
(日光ケミカル(株)社製 NP−20) vii 塩化ジオクチルジメチルアンモニウム(日光ケミ
カル(株)社製 CA−3080) viii ラウリル硫酸トリエタノールアミン(日光ケミカ
ル(株)社製 TEALS) [カラーフィルターレジスト溶液の組成] 光重合開始系 :表1,2に記載 有機高分子物質 :表1,2に記載 エチレン性化合物:表1,2に記載 塗布溶剤(PGMAc/シクロヘキサノン=9/1(重量
比)):1500重量部 分散剤:表1,2に記載 黒色顔料(カーホ゛ンフ゛ラック(三菱化学社製「MA−7」)):添
加率は表1,2に記載 [カラーフィルターレジスト溶液の調液方法]粒径1m
mのガラスビーズを用いた回転ディスクビーズミルに、
塗布溶剤、分散剤、及び、黒色顔料を入れ、毎分300
0回転で、24時間分散処理を行った後、残りの成分を
添加し、更に毎分3000回転で2時間分散を行ってカ
ラーフィルターレジスト溶液を調液した。
【0108】調製された黒の色材料を含有するカラーフ
ィルターレジスト溶液を、ガラス基板(コーニング社製
No.7059)に表1,2に記載の乾燥膜厚になるよ
うにワイヤーバーコーターにより塗布し、乾燥温度90
℃で2分間乾燥し、更にポリビニルアルコール水溶液を
乾燥膜厚2μmになるように同様の方法により塗布、乾
燥した。次に、幅30μmで縦330μm、横330μ
mのピッチで繰り返すブラックマトリックス用ネガフォ
トマスクを用いて、2Kw高圧水銀灯により表1,2に
示す適正露光量で露光した後、10重量%のイソプロピ
ルアルコールと0.1重量%のジエタノールアミンを含
有する水溶液に25℃で浸漬し、スポンジで5回こする
現像処理を行い、ブラックマトリックスを形成させ、次
に200℃,7分間の熱処理により熱硬化させた。該試
料を以下の評価方法で評価し、その結果を表1,2に示
した。
【0109】なお、本明細書において、適正露光量と
は、色材光重合性層上に、ウグラテストチャートを置
き、該テストチャートを介して露光量を変化させながら
光照射し、次いで現像処理を行って得られるテストチャ
ートの色材画像より、テストチャート画像中のネガとポ
ジの細線画像の最も細い細線の線幅が同じになる時の露
光量を言う。
【0110】また、表1,2中、比較例1〜6の適正露
光量欄にFとあるのは、画像を形成し得なかったことを
示し、従って、比較例1〜6においては、下記評価項目
のうち画質の評価は行えなかった。
【0111】[吸光度(O.D.)]700nmの光の
最小吸光度(O.D.min)を測定した。
【0112】[顔料濃度]カラーフィルターレジスト溶
液の固形分中に含有されている顔料の割合。 顔料濃度(重量%)=(顔料の重量/全固形分重量)×
100 [分散剤の吸着率]カラーフィルターレジスト溶液に、
該カラーフィルターレジスト溶液全体に対して20重量
%のエタノール溶液を添加し、超遠心分離装置により、
毎分5000回転で5時間遠心分離処理を行った後、上
澄み溶液を除去した。この試料に、除去した上澄み溶液
と同量の塗布溶剤を入れ、マグネットスタラーで5分間
攪拌した後、同様の超遠心分離処理を行った。
【0113】この操作を、RI検知器(Shodex
RI SE−31)とTOSOHTSK−GEL GM
HXLカラム GPCクロマトグラフィー装置(島津ガ
スクロ工業社製)により上澄み溶液中に分散剤が検知さ
れなくなるまで繰り返した後(通常3〜10回)、上澄
み溶液を除去し、沈澱として得た色材料試料を吸引濾
過、或いは、吸引濾過することなしに、直接、70℃で
真空乾燥を施し、色材料試料を分取した。
【0114】次に、該色材料試料0.2〜1.0mgを
2mのPEG20Mカラムを装着した熱分解ガスクロマ
トグラフィー装置(Shimadzu GAS CHR
OMATOGRAPHY GC−9A)を用いて550
℃で熱分解し、分散剤を定量し、下記式により吸着率を
求めた。
【0115】
【数1】
【0116】なお、前述の如く、リン酸塩、硫酸塩は、
熱分解ガスクロマトグラフィーにより明瞭なピークが得
られず定量が困難なため、元素分析装置(Perkin
Elmer社製有機元素分析装置240C型(窒素の
定量))、蛍光X線分析装置(リガック社製3370型
(リン,イオウの定量))、及び、イオンクロマトグラ
フィー(横河電機製2C−100(イオンの定量))に
より試料中の窒素、イオウ及びリンの含有率を求めるこ
とにより分散剤を定量し、吸着率を求めた。
【0117】[分散性]調液直後、及び、調液後、室温
で3週間放置したカラーフィルターレジスト溶液(経時
試料)中の色材料の平均粒径を堀場遠心式自動粒度分布
測定装置(APA−500)を用いて測定し、その平均
粒径より、該カラーフィルターレジスト溶液中の色材料
の分散性を下記基準で評価した。
【0118】A:調液直後、経時試料共に、色材料の平
均粒径は0.2μm以下であった。 B:調液直後の色材料の平均粒径は0.2μm以下であ
ったが、経時試料中の色材料の平均粒径は0.2〜0.
4μmであった。 C:調液直後の色材料の平均粒径は0.2μm以下であ
ったが、経時試料中の色材料の平均粒径は0.4μm以
上であった。 D:調液直後の色材料の平均粒径は0.2μmを超えて
いた。
【0119】[画質]前記と同様の方法により、ガラス
基板上にカラーフィルターレジスト溶液を塗布、乾燥さ
せ、更にポリビニルアルコール水溶液を塗布、乾燥させ
た後、ウグラテストチャートを用いて適正露光量で露光
し、現像処理を行い色材画像を形成させた。該色材画像
の中の細線画像を400倍の顕微鏡で観察し、再現され
ている最も細い細線の線幅より、画質を下記基準で評価
した。細い細線が再現するほど良好な画質を示してい
る。なお、Fはこの評価を行わなかったことを示す。
【0120】 A:10μm以下の線幅の細線が再現されている。 B:10〜15μmの線幅の細線が再現されている。 C:15〜25μmの線幅の細線が再現されている。 D:25μm以上の線幅の細線が再現されている。
【0121】
【表1】
【0122】
【表2】
【0123】実施例8〜11 ガラス基板(コーニング社製No.7059)に、幅3
0μmで縦330μm、横110μmのピッチで繰り返
す膜厚0.2μmのブラックマトリックスをクロムで形
成した基板を用いて、赤の色材料を含有するカラーフィ
ルターレジスト溶液を表3に記載の乾燥膜厚になるよう
にワイヤーバーコーターにより塗布し、乾燥温度90℃
で2分間乾燥した。次に、幅80μmで横方向に330
μmのピッチで繰り返すストライプパターン用ネガフォ
トマスクを用いて、2Kw高圧水銀灯により表3に示す
適正露光量で露光した後、実施例1と同様の条件で現
像、加熱処理を行った。該試料を実施例1と同様の評価
方法で評価し、その結果を表3に示した(ただし、吸光
度は440nmで測定した。)。
【0124】なお、用いたカラーフィルターレジスト溶
液は、黒色顔料の代りに下記赤色顔料を用いたこと以外
は、表3に示す成分配合にて、実施例1と同様にして調
製した。
【0125】赤色顔料(リオノーゲンレッドGD(東洋
インキ製造社製)/リオノーゲンオレンジR(東洋イン
キ製造社製)(=13:5(重量比))):添加率は表
3に記載
【0126】
【表3】
【0127】実施例12,13 実施例9において、赤の顔料の替わりに下記の緑の顔料
(実施例12)又は青の顔料(実施例13)を使用した
こと以外は同様にして評価を行った。
【0128】緑色顔料:リオノールグリーン2YS(東
洋インキ製造社製)/リオノーゲンイエロー3G(東洋
インキ製造社製)(=9:17(重量比)) 青色顔料:リオノールブルーES(東洋インキ製造社
製)/リオノーゲンバイオレットRL(東洋インキ製造
社製)(=13.5:3.5(重量比)) その結果、それぞれ、緑のレジスト吸光度O.D.(4
30nm)は1.5、アニオン性界面活性剤の吸着率は
4重量%、青のレジスト吸光度O.D.(620nm)
は2.0、有機高分子分散剤の吸着率は5重量%であ
り、他の性能は実施例9の場合と同様であった。
【0129】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明のカラーフィ
ルターレジスト溶液は、透明性、現像性、耐溶剤性、基
板との接着性に優れるため、高品質のカラーフィルター
を低コストで容易に形成することができる。特に、本発
明のカラーフィルターレジスト溶液は、製造コストが安
く、遮光性に優れ、現像性、耐溶剤性、基板との接着性
にも優れたブラックマトリックス用のカラーフィルター
レジスト溶液として有用である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年1月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】とりわけ好ましいエチレン性化合物(A)
としては、25℃の粘度が100ps以上、更に25℃
の粘度が1000ps以上のものが挙げられる。この粘
度が100psより著しく低いと、現像画像接着性が低
下する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01J 29/32 H01J 29/32

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 色材料、光重合開始系、エチレン性化合
    物、界面活性剤及び溶剤を含有するカラーフィルターレ
    ジスト溶液において、該界面活性剤がアニオン性界面活
    性剤であり、その含有量が色材料の5〜40重量%であ
    り、該界面活性剤の色材料への吸着量が色材料の2〜1
    5重量%であり、かつ、色材料は平均粒径0.2μm以
    下の分散粒子として分散していることを特徴とするカラ
    ーフィルターレジスト溶液。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のカラーフィルターレジ
    スト溶液において、エチレン性化合物として、芳香族ポ
    リグリシジルエーテル化合物と不飽和モノカルボン酸と
    の付加反応、或いは、芳香族ポリヒドロキシ化合物とエ
    ポキシモノカルボン酸エステルとの付加反応、で得られ
    るエチレン性不飽和二重結合を2個以上有する化合物を
    含有することを特徴とするカラーフィルターレジスト。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のカラーフィルターレジ
    スト溶液において、芳香族ポリグリシジルエーテル化合
    物がビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの共縮合
    物であることを特徴とするカラーフィルターレジスト溶
    液。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3に記載のカラーフィルタ
    ーレジスト溶液において、エチレン性化合物として、更
    に、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和モノカルボン
    酸との付加反応で得られるエチレン性不飽和二重結合を
    2個以上有する化合物を含有することを特徴とするカラ
    ーフィルターレジスト溶液。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項に記載
    のカラーフィルターレジスト溶液において、色材料が黒
    色材料であり、該溶液を用いて乾燥膜厚1μm以下に形
    成した塗膜の、400〜700nmの範囲での最小吸光
    度が2.0以上であることを特徴とするブラックマトリ
    ックス製造用カラーフィルターレジスト溶液。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし4のいずれか1項に記載
    のカラーフィルターレジスト溶液において、色材料が
    赤、緑又は青色材料であり、該溶液を用いて乾燥膜厚1
    μm以下に形成した塗膜の、400〜700nmの範囲
    での最大吸光度が1.1以上であることを特徴とする
    赤、緑又は青の色材画素製造用カラーフィルターレジス
    ト溶液。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100467676B1 (ko) * 1998-11-20 2005-06-08 삼성에스디아이 주식회사 음극선관 칼라필터 분산액 및 그를 사용한 칼라필터 형성방법
JP2006337707A (ja) * 2005-06-02 2006-12-14 Taiyo Ink Mfg Ltd 感光性ペースト及びそれを用いて形成した焼成物パターン
US9664827B2 (en) 2011-08-31 2017-05-30 Fujifilm Corporation Colored composition, method of producing color filter using the same, color filter and solid-state imaging device

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KR100467676B1 (ko) * 1998-11-20 2005-06-08 삼성에스디아이 주식회사 음극선관 칼라필터 분산액 및 그를 사용한 칼라필터 형성방법
JP2006337707A (ja) * 2005-06-02 2006-12-14 Taiyo Ink Mfg Ltd 感光性ペースト及びそれを用いて形成した焼成物パターン
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