JP3577800B2 - ブラックマトリックス用カラーフィルターレジスト - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はカラーテレビ、液晶表示素子、カメラ等に使用される光学的カラーフィルターの製造に使用されるブラックマトリックス用カラーフィルターレジストに関する。
【0002】
【従来の技術及び先行技術】
カラーフィルターは、通常、ブラックマトリックスを設けたガラス、プラスチックシート等の透明基板の表面に、赤、緑、青の3種の異なる色相により、10〜50μm幅のストライプ状、モザイク状等の色パターンを数μmの精度で形成して製造される。
【0003】
カラーフィルターの代表的な製造方法としては、染色法、印刷法、顔料分散法、電着法等がある。しかし、これらの方法では、耐熱性が悪い、パターンの位置精度が悪い、生産コストが高い、生産性が悪い等、いずれも一長一短があり、用途に応じて各方式等が使い分けられている。これらの製造方法のうち、色材料を含有する光重合性組成物を、ブラックマトリックスを設けた透明基板上に塗布し、画像露光、現像、熱硬化処理を繰り返すことでカラーフィルター画像を形成する顔料分散法は、カラーフィルター画素の位置、膜厚等の精度が高く、寿命が長く、ピンホール等の欠陥が少ない方法であるため、従来、広く採用されている。
【0004】
一方、透明基板上に設けるクロム等のブラックマトリックスの形成コストが高く、この問題を解決するものとして、透明基板上に、黒色材料を含有する光重合性組成物を利用してブラックマトリックスを形成する方法が提案されている(特開平1−293306号公報、特開平2−902号公報、特開平6−35188号公報等)。
【0005】
また、本発明者らは黒色材料、光重合開始剤組成物及びエチレン性不飽和化合物を含有する光重合性組成物からなるカラーフィルターレジストにおいて、エチレン性不飽和化合物として、芳香族ポリグリジシルエーテル化合物と不飽和モノカルボン酸との付加反応、或いは、芳香族ポリヒドロキシ化合物とエポキシモノカルボン酸エステルとの付加反応、で得られるエチレン性不飽和二重結合を2個以上有する化合物、具体的には、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの共縮合化合物を用いることにより、高い遮光性を有するブラックマトリックス用レジストが得られることを見出し、このカラーフィルターレジストについて、先に特許出願した(特願平7−9768号。以下「先願」という。)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の黒色材料を含有する光重合性組成物を使用したブラックマトリックスでは、遮光性が十分ではなく、また、膜厚が1.5μm以上となるため、赤、青、緑の色材画像の形成時に、色材画像周辺部が1μm以上も盛り上がることとなり、平滑なカラーフィルターを製造することができないという欠点がある。
【0007】
前記先願のカラーフィルターレジストであれば、上記従来の欠点はある程度解決されるものの、高い遮光性を達成するためには、高い色材濃度のレジストが必要とされ、この場合、色材料を安定にレジスト液中に分散することが難しく、分散に長時間を要し、このため、レジストの生産性が悪く、製造コスト面でも不利であるという問題があった。
本発明の目的は、製造コストが安く、遮光性に優れ、画像形成性、色材料の分散性にも優れたブラックマトリックス用のカラーフィルターレジストを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、従来、小粒径のカーボンブラックが遮光性に優れていると考えられていたのに対し、比較的大粒径で、かつ比較的DBP吸油量の小さいすなわちストラクチャーの小さいカーボンブラックを用いたところ、溶剤への分散性に優れて塗布が容易で、かつ遮光性、感度および画像形成性が改良されることを見出し、本発明に到達した。
しかして、本発明の要旨は、平均粒径50〜200nm、DBP吸油量10〜40ml/100gの範囲にあるカーボンブラックを含有することを特徴とするブラックマトリックス用カラーフィルターレジストに存する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のカラーフィルターレジストは、色材料として特定物性のカーボンブラックを含有する限り、その他の成分は限定されないが、通常、色材料以外に光を吸収してラジカルを発生する光重合開始剤組成物と、該ラジカルにより重合が誘起される付加重合性のエチレン性不飽和二重結合を少なくとも2個以上有する化合物(以下、「エチレン性不飽和化合物」と称す。)とを含有し、更に好ましくは、相溶性、皮膜形成性、現像性、接着性等の改善のために、結合剤としての有機高分子物質を含有する光重合性組成物である。
【0010】
これらの構成成分のうち、光重合開始剤組成物としては、下記のような紫外から可視領域に感度を有するものを、使用する露光光源に応じて、適宜選択可能である。
即ち、本発明において、上記400nm未満の波長の紫外光を吸収してラジカルを発生する光重合開始剤組成物としては、例えば、ファインケミカル、1991年,3月1日号Vol 20,No.4,P.16〜P.26に記載のジアルキルアセトフェノン系、ベンジルジアルキルケタール系、ベンゾイル、ベンゾイルアルキルエーテル系、チオキサントン誘導体、アシルホスフィンオキサイド系等、その他、特開昭58−40302号公報、特公昭45−37377号公報に記載のヘキサアリールビイミダゾール系、s−トリハロメチルトリアジン系、特開昭59−152396号公報に記載のチタノセン系組成物等を用いることができる。
【0011】
一方、波長400nm以上500nm以下の可視光に感応する光重合開始剤組成物としては、例えば、ヘキサアリールビイミダゾールとラジカル発生剤及び染料を含有する組成物(特公昭45−37377号公報)、ヘキサアリールビイミダゾールと(p−ジアルキルアミノベンジリデン)ケトンを含有する組成物(特開昭47−2528号、特開昭54−155292号各公報)、環状シス−α−ジカルボニル化合物と染料を含有する組成物(特開昭48−84183号公報)、置換トリアジンとメロシアニン色素を含有する組成物(特開昭54−151024号公報)、ケトクマリンと活性剤を含有する組成物(特開昭52−112681号、特開昭58−15503号、特開昭60−88005号各公報)、置換トリアジンと増感剤を含有する組成物(特開昭58−29803号、特開昭58−40302号各公報)、ビイミダゾール、スチレン誘導体、チオールを含有する組成物(特開昭59−56403号公報)、ジアルキルアミノフェニル基を含有する増感剤とビイミダゾールを含有する組成物(特開平2−69号、特開昭57−168088号、特開平5−107761号、特開平5−210240号、特開平4−288818号各公報)、有機過酸化物と色素を含有する組成物(特開昭59−140203号、特開昭59−189340号各公報)、チタノセン系組成物(特開昭59−152396号、特開昭61−151197号、特開昭63−10602号、特開昭63−41484号、特開平2−291号、特開平3−12403号、特開平3−20293号、特開平3−27393号、特開平3−52050号各公報)、チタノセンとキサンテン色素さらにアミノ基或はウレタン基を有する付加重合可能なエチレン性飽和二重結合含有化合物を組合せた組成物(特開平4−221958号、特開平4−219756号各公報)等が挙げられる。
【0012】
波長400nm以上500nm以下の光に感応する光重合開始剤組成物の好適例としては、波長400〜500nmに吸収を有する増感色素と、2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール(以下、「化合物R−1」と称す。)、2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラ(p−カルボエトキシフェニル)ビイミダゾール(以下、「化合物R−2」と称す。)、2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラ(p−ブロモフェニル)ビイミダゾール、2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラ(o,p−ジクロロフェニル)ビイミダゾール等のヘキサアリールビイミダゾール、及び、2−メルカプトベンズチアゾール、2−メルカプトベンズオキサゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール等の有機チオール化合物からなる複合光重合開始剤組成物、或いは、波長400〜500nmに吸収を有する増感色素とジシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロ−3−(ピロール−1−イル)−フェニル−1−イル、ジシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル−1−イル(以下、「化合物S−1」と称す。)、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル−1−イル等のチタノセン化合物、更に、p−ジエチルアミノ安息香酸エチル、ミヒラーズケトン等のジアルキルアミノフェニル化合物からなる複合光重合開始剤組成物が挙げられる。
【0013】
なお、上記のヘキサビイミダゾールを増感する色素としては、例えば特開平2−69号公報、特開昭57−168088号公報、特開平5−107761号公報、特開平5−210240号公報、特開平4−288818号に記載の増感色素を挙げることができる。
また、チタノセンを増感する色素としては、例えば特願平5−83588号、特願平5−84817号、特開平5−83587号公報、特願平6−12949号、特願平6−74743号、特願平6−141588号に記載の増感色素を挙げることができる。
【0014】
また、これらの可視光領域に感応する光重合開始剤組成物のうち、可視光と共に紫外部にも吸収を持ち、高い感度を示すものについては、紫外光領域の光源に対する光重合開始剤組成物として利用しても良い。
このような可視光及び紫外光領域に共に高い感度を示すものとしては、ヘキサアリールビイミダゾール、或いは、チタノセンを含有する光重合開始剤組成物等を挙げることができる。
【0015】
上記の光重合開始剤組成物のうちでは、ヘキサアリールビイミダゾール、チタノセンを含有する光重合開始剤組成物が高い感度を示すことから好ましく、特に、チタノセンを含有する光重合開始剤組成物であれば、ヘキサアリールビイミダゾールを含有する光重合開始剤組成物に比べて、少量で高い感度を示すと共に、高い乾燥条件でも安定なため、本発明のような、高い色材料濃度を有するカラーフィルターレジストにはより一層好ましい。
本発明に使用されるエチレン性不飽和化合物は、下記一般式(I)又は(II)で示される置換基を2個以上有するエチレン性不飽和化合物(以下「エチレン性不飽和化合物(A)」と称す。)であり、優れた画像形成性を付与すると共に、色材料に対する高い分散性を与える機能を有する。
【0016】
【化2】
Figure 0003577800
【0017】
(式中、mは0または1〜5の整数を示し、R、Rは水素原子又はハロゲン原子を示し、Rは置換基を有しても良い炭素数1〜10のアルキレン基(該置換基としては水酸基、ハロゲン原子、水酸基を有しても良い炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜15のアリール基、炭素数7〜15のアラルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアシルオキシ基である)を示し、Rは水素原子、水酸基を有しても良い炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基、炭素数7〜15のアラルキル基又は炭素数2〜10のアルケニル基を示し、Rは水素原子又はメチル基を示す。)
【0018】
この一般式(I)又は(II)に示されるエチレン性不飽和化合物(A)の具体的な例としては、次のようにして製造されるものが挙げられる。
即ち、まず、ハイドロキノン、レゾルシン、ピロガロール等のヒドロキシベンゼン;ビスフェノールA、ブロム化ビスフェノールA等のビスフェノール誘導体;ノボラック等の芳香族ポリヒドロキシ化合物と、置換基を有しても良いハロゲン化アルキルアルコールとをアルカリ条件下で反応させる、或いは置換基を有しても良いアルキルエポキサイドを4級アンモニウム塩条件下反応させて芳香族ポリヒドロキシ化合物の水酸化アルキルエーテル化合物(以下、「芳香族ポリ水酸化アルキルエーテル化合物」と称す。)を製造する。この芳香族ポリ水酸化アルキルエーテル化合物とエピクロルヒドリンとをアルカリ条件下で反応させて芳香族ポリグリシジルエーテル化合物を製造する。次いで、この芳香族ポリグリシジルエーテル化合物に(メタ)アクリル酸等の不飽和モノカルボン酸を、4級アンモニウム又は3級アミン等を触媒として用いて反応させることによりエチレン性不飽和化合物(A)を得る。或いは、前記の芳香族ポリ水酸化アルキルエーテル化合物と、グリシジル(メタ)アクリレート、下記「T−1」又は「T−2」等の構造のエポキシ(メタ)アクリレートを、“SYNTHETIC COMMUNICATION,24 (21)”3009−3019 (1994)等に記載の酸又はアルカリの触媒を用いて付加反応させることにより、エチレン性不飽和化合物(A)を得る。
【0019】
【化3】
Figure 0003577800
【0020】
エチレン性不飽和化合物(A)としては、より具体的には、例えば、次の[M−1]、[M−2]、[M−3]、[M−4]等、中でも好ましくは[M−5]、[M−6]等を挙げることができる。
【0021】
【化4】
Figure 0003577800
【0022】
(式[M−1]〜[M−4]中、Jは1〜3の整数を表わし、mは0または1〜5の整数を表わし、R、R、Rは前記と同じである。)
【0023】
【化5】
Figure 0003577800
【0024】
(式中、m、R、R及びRは前記と同じである。)
更に具体的化合物例としては次の[m−1]〜[m−14]が挙げられる(なお、式[m−1]〜[m−14]中、Rは前記と同じである。)。
【0025】
【化6】
Figure 0003577800
【0026】
【化7】
Figure 0003577800
【0027】
【化8】
Figure 0003577800
【0028】
一般式(II)を有するエチレン性不飽和化合物(A)は、一般式(I)を有するエチレン性不飽和化合物(A)を合成する際に用いた芳香族ポリヒドロキシ化合物、芳香族ポリ水酸化アルキルエーテル化合物を通常の方法により水素添加処理を施し、これらを用いて同様に合成される。
本発明においては、特に、ビスフェノールAタイプの骨格を有する芳香族ポリヒドロキシ化合物から製造される上記一般式[M−1]、[M−2]、[M−4]等のエチレン性不飽和化合物(A)が、他のエチレン性不飽和化合物(A)の場合に比べ、画像形成性及び色材料に対する分散性に優れているために好ましい。
【0029】
本発明においては、エチレン性不飽和化合物として、上記エチレン性不飽和化合物(A)と共に、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸との付加反応(エステル反応)で得られる。エチレン性不飽和二重結合を2個以上含有するエチレン性不飽和化合物(以下「エチレン性不飽和化合物(B)」と称す。)を併用することが好ましい。このエチレン性不飽和化合物(B)は、現像時の非画線部の溶解性を高め、高画質の画像を形成させる機能を有する。
【0030】
このようなエチレン性不飽和化合物(B)の具体的な例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル、これらの例示化合物の(メタ)アクリレートをイタコネートに代えたイタコン酸エステル、クロトネートに代えたクロトン酸エステルもしくはマレエートに代えたマレイン酸エステル等がある。これらのうち、特に、4官能〜6官能のジペンタエリスリトールポリアクリレートが画像形成性に優れる点から好ましい。
【0031】
前記エチレン性不飽和化合物(A)及びエチレン性不飽和化合物(B)の製造に当っては、芳香族ポリグリシジルエーテル化合物、或いは、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和モノカルボン酸とを反応させる際に、不飽和モノカルボン酸と共に飽和のモノカルボン酸を付加させ、該エチレン性不飽和化合物の粘性等の物性を制御することもできる。
【0032】
本発明において、エチレン性不飽和化合物(A)とエチレン性不飽和化合物(B)との好適な使用割合は、重量比で、エチレン性不飽和化合物(A):エチレン性不飽和化合物(B)=100:0〜10:90、好ましくは90:10〜20:80、更に好ましくは80:20〜30:70である。
その他、本発明において併用できるエチレン性不飽和化合物の例としては、エチレンビスアクリルアミド等のアクリルアミド類、フタル酸ジアリル等のアリルエステル類、ジビニルフタレート等のビニル基含有化合物、不飽和二価カルボン酸とジヒドロキシ化合物との重縮合反応により得られるポリエステル、不飽和二価カルボン酸とジアミンとの重縮合反応により得られるポリアミド、側鎖に不飽和結合をもつ二価カルボン酸、例えばイタコン酸、プロピリデンコハク酸、エチリデンマロン酸等とジヒドロキシ又はジアミン化合物との縮重合体、側鎖にヒドロキシ基やハロゲン化メチル基の如き反応活性を有する官能基を有する重合体、例えば、ポリビニルアルコール、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリエピクロルヒドリン等とアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の不飽和カルボン酸との高分子反応により得られるポリマー等が挙げられる。
【0033】
本発明において、光重合性組成物の結合剤として使用される有機高分子物質としては、メチル(メタ)アクリル酸、エチル(メタ)アクリル酸、プロピル(メタ)アクリル酸、ブチル(メタ)アクリル酸、2−エチルヘキシル(メタ)アクリル酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリル酸、ベンジル(メタ)アクリル酸等の(メタ)アクリル酸のアルキルエステル;ヒドロキシフェニル(メタ)アクリル酸、メトキシフェニル(メタ)アクリル酸等の(メタ)アクリル酸の置換基を有していても良いフェニルエステル;アクリロニトリル;酢酸ビニル、バーサチック酸ビニル、プロピオン酸ビニル、桂皮酸ビニル、ピバリン酸ビニル等の酸ビニル;スチレン、α−メチル−スチレン等の共重合体、エピクロロヒドリンとビスフェノールAとのポリエーテル、可溶性ナイロン、ポリビニルアルキルエーテル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレートイソフタレート、アセチルセルロース及びポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等が挙げられる。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは「アクリル又はメタクリル」を示す。「(メタ)アクリレート」についても同様である。
【0034】
本発明においては、得られる塗膜の皮膜強度、耐塗布溶剤性、基板接着性を高める目的で、上記有機高分子物質のうち、カルボン酸基を有するものの、カルボン酸基の一部又は全部を、グリシジル(メタ)アクリレート、前記[T−1]又は[T−2]の構造のエポキシ(メタ)アクリレートと反応させて、光重合性の有機高分子物質とすることもできる。
本発明において、特に好ましい有機高分子物質としては、基板への接着性を高める目的で、スチレン、α−メチルスチレン、ベンジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシフェニル(メタ)アクリル酸、メトキシフェニル(メタ)アクリル酸、ヒドロキシフェニル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシフェニル(メタ)アクリルスルホアミド等のフェニル基を有する共重合モノマーを10〜80モル%、好ましくは20〜70モル%、より好ましくは30〜60モル%の割合で含有し、その他(メタ)アクリル酸を2〜50重量%、好ましくは5〜40重量%、より好ましくは5〜30重量%の割合で含有する共重合体、或いは、全共重合モノマーに対して2〜50モル%、好ましくは5〜40モル%、より好ましくは10〜30モル%のエポキシ(メタ)アクリレートが付加された反応物が望ましい。
【0035】
このような有機高分子物質の分子量としては、重量平均分子量(Mw)で1,000〜1000,000、好ましくは2,000〜500,000、より好ましくは3,000〜200,000の範囲である。有機高分子物質のMwがこの範囲より著しく低いと、現像時に画線部分の膜ベリが生じ、逆に有機高分子物質のMwが著しく高いと現像時に比画線部の抜け性不良を生じ易い。
【0036】
本発明において、前記光重合開始系の含有量は、色材料を除くカラーフィルターレジスト溶液の全固形分に対し、0.1〜40重量%、好ましくは0.2〜30重量%、より好ましくは0.2〜20重量%であり、前記エチレン性不飽和化合物の含有量は、色材料を除くカラーフィルターレジスト溶液の全固形分に対し、20〜99重量%、好ましくは50〜95重量%、より好ましくは60〜90重量%であり、前記有機高分子物質の含有量は、色材料を除くカラーフィルターレジスト溶液の全固形分に対し、0〜80重量%、好ましくは10〜70重量%、より好ましくは20〜60重量%である。
【0037】
カーボンブラックは、ブラックマトリックス用カラーフィルターレジストの色材料として公知の材料だが、一般的には平均粒径、すなわち一次粒径が小さいものの方がブラックマトリックスの光学濃度が大きくなると考えられており、従来平均粒径が40nm以下程度と小さいものが用いられていた。また、DBP吸油量は本発明よりかなり大きなものが従来用いられていた。
【0038】
これに対し、本発明のカラーフィルターレジストは、平均粒径が比較的大きく、DBP吸油量は比較的小さいカーボンブラックを含有することを特徴とする。すなわち、平均粒径は50〜200nm、より好ましくは50〜150nmであればブラックマトリックスとしたときの光学濃度が大きく、また、DBP吸油量は10〜40ml/100g、より好ましくは10〜30ml/100gであれば溶剤への分散性がよく、これらの特徴を具備し、かつ、好ましくは表面のpHが5〜8程度であるカーボンブラックを含有することにより、本発明のカラーフィルターレジストは塗布に際して溶剤に容易に分散し、薄膜でも高い光学濃度を示すとともに、優れた画像再現性を発現させる機能を有する。かかる特徴と備えたカーボンブラックの具体的な例としては、アサヒカーボンブラック社製「アサヒサーマル」等が挙げられる。
【0039】
カーボンブラックの表面のpHの測定はカーボンブラック10gに蒸留水100mlを加えて、ホットプレート上で10分間煮沸し、室温まで冷却した後、上澄み液をデカンテーションにより捨て、残りの泥状物のpHをガラス電極pHメーターで測定することで得られたものである。
上記の様なカーボンブラックは、カラーフィルターの導電性を低下させる等の目的で他の有機顔料と併用してもよい。カーボンブラックと有機顔料或いは、無機顔料の混合比率は任意であるが、有機顔料の遮光性はカーボンブラックに比べ低い為、これらを用いて作製したカラーフィルターの遮光性を損なわない範囲で有機顔料、或いは無機顔料を使用することが望ましい。例えば、黒色材の全重量に対して、0〜70重量%、好ましくは0〜50重量%の範囲で添加することが出来る。
【0040】
また、かかるカーボンブラックは、カラーフィルターレジストの他の成分にかかわりなく所期の効果を発現すると考えられるが、特に、上述した特定の光重合開始剤組成物及びエチレン性不飽和化合物と組み合わせた場合に顕著な効果を発揮する。
その場合、該カーボンブラックは、エチレン性不飽和化合物、或いは、エチレン性不飽和化合物と前記の有機高分子物質を含有する有機溶媒中に、ペイントシェーカー、ビーズミル、3本ロールミル、ニーダー、ボールミル等の各種の分散装置を用いて容易に且つ安定に分散され、これを用いてブラックマトリックス用カラーフィルターレジストを調液、ガラス基板上に塗設、レジスト画像形成を行うとよく、薄膜で、高い光学濃度と優れたレジスト画像再現性が発現される。
【0041】
これらの色材料の光重合性組成物中の含有量は次の通りである。
即ち、黒の色材光重合性組成物で形成されるブラックマトリックスは、1.0μm以下、好ましくは0.3〜0.9μm、より好ましくは0.4〜0.8μmの膜厚に形成した塗膜の、透過濃度が2.5以上、好ましくは3.0以上のブラックマトリックスを形成させるために、該光重合性組成物中に含有される前記黒色の色材料の含有量としては、全固形分に対し、40〜90重量%、好ましくは50〜80重量%、より好ましくは60〜70重量%の範囲である。
【0042】
本発明に係る光重合性組成物は、このような高い色材料含有率の状態で、高画質なブラックマトリックス画像を形成させると共に、各画素上に塗設して形成される色材光重合性層、或いは、ポリアミド、ポリイミド等の保護層等の塗布溶剤に対する耐溶剤性、及び、透明基板に対する高い接着性を与える機能を有する。このような光重合性組成物は、適当な溶剤を用いて調液された塗布液として塗布される。
【0043】
本発明において、光重合性組成物の塗布に用いられる溶剤としては、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下「PGMAc」と略記する。)、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、トルエン、クロロホルム、ジクロロメタン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、テトラハイドロフラン等が挙げられる。特に、好ましい塗布溶剤としては、本発明に係るエチレン性不飽和化合物を用いて色材料を塗布溶剤中に分散させる際の分散性をより一層高めることができるシクロヘキサン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の沸点が50℃以上、好ましくは沸点100℃以上のジアルキルケトンが挙げられる。
【0044】
本発明で用いる塗布液は、これらの溶剤を用いて、光重合性組成物濃度が5〜50重量%、好ましくは10〜30重量%の範囲となるように調液される。
なお、本発明に係る塗布液を調製するに当り、エチレン性不飽和化合物(A)による優れた色材料に対する分散性を十分に発揮させるために、次のような手順で塗布液の調製を行うのが好ましい。
【0045】
即ち、まず、色材料とエチレン性不飽和化合物(A)及び併用するエチレン性不飽和化合物(B)等のエチレン性不飽和化合物とを撹拌混合し、混合液をペイントシェーカー等により1〜50時間程度分散処理する。分散処理終了後、光重合開始剤組成物及び有機高分子物質を添加して撹拌した。また、さらに必要に応じて該調液塗布液を再度ペイントシェーカー等で分散処理してもよい。この分散処理は、30分〜5時間の短時間で十分に色材料を分散させることができる。
【0046】
次に、本発明のカラーフィルターレジストを用いるカラーフィルターの製造方法について説明する。
本発明で使用されるカラーフィルターの透明基板としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルやポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン等のプラスチックシート、或いは、各種ガラス板等を挙げることができる。
このような透明基板には、表面の接着性等の物性を改良するために、必要に応じて、コロナ放電処理、オゾン処理、シランカップリング剤やウレタンポリマー等の各種ポリマーの薄膜形成処理等を行うことができる。
【0047】
なお、透明基板の板厚は、0.05〜10mm、特に0.1〜7mmの範囲であることが好ましい。また、各種ポリマーの薄膜形成処理を行う場合には、その膜厚は0.01〜10μm、特に0.05〜5μmの範囲であることが好ましい。
次に該透明基板上に、黒の色材料を含有する光重合性組成物を、スピナー、ワイヤーバー、フローコーター、ダイコーター、ロールコーター、スプレー等の塗布装置により塗布した後、50〜200℃、好ましくは100〜150℃の温度で15秒〜10分間、好ましくは30秒〜5分間乾燥して当該色材光重合性層を形成させる。なお、ここで、光重合性組成物の塗布液を塗布、乾燥して得られる光重合性層の膜厚は、好ましくは0.3〜1.0μm、より好ましくは0.3〜0.7μmである。
【0048】
ここで、乾燥温度は、高温なほど透明基板に対する接着性が向上するが、一方、高過ぎると光重合開始剤組成物が分解し、熱重合を誘発して現像不良を起こし易い。
次に、この色材光重合性層上にブラックマトリックス用のネガフォトマスクを置き、該フォトマスクを介して、紫外又は可視等の光源を用いて画像露光する。この際、必要に応じて酸素による光重合性層の感度の低下を防ぐため、光重合性層上にポリビニルアルコール層等の酸素遮断層を塗設した後、露光を行っても良い。
【0049】
続いて、アルカリ現像液、含水有機溶剤現像液或いは界面活性剤現像液により現像処理を行い透明基板上に第1の色材画素画像を形成させる。なお、必要に応じてこの現像処理の前に、光重合層の感度或いはγ値(階調)を高くする目的で露光試料を70〜200℃で15秒〜20分間、好ましくは80〜150℃で30秒〜10分間の熱処理を施すことができる。
現像に使用されるアルカリ現像液としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機のアルカリ剤、或いはジエタノールアミン、トリエタノールアミン、水酸化テトラアルキルアンモニウム塩等の有機のアルカリ剤を含有し、必要に応じ、画質向上、現像時間の短縮等の目的で界面活性剤、水溶性の有機溶剤、水酸基又はカルボン酸基を有する低分子化合物等を含有させた水溶液を用いることができる。
【0050】
現像液の界面活性剤としては、ナフタレンスルホン酸ナトリウム基、ベンゼンスルホン酸ナトリウム基を有するアニオン性界面活性剤、ポリアルキレンオキシ基を有するノニオン性界面活性剤、テトラアルキルアンモニウム基を有するカチオン性界面活性剤等を挙げることができ、また、水溶性の有機溶剤としては、エタノール、プロピオンアルコール、ブタノール、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、フェニルセロソルブ、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等を挙げることができる。
【0051】
また、水酸基又はカルボキシ基を有する低分子化合物としては、1−ナフトール、2−ナフトール、ピロガロール、安息香酸、コハク酸、グルタル酸等を挙げることができる。
含水有機溶剤現像液に使用される有機溶剤としては、前記のアルカリ現像液中に用いられた水溶性の有機溶剤の中より適宜選択して使用することができる。
界面活性剤現像液に使用される界面活性剤としては、前記のアルカリ現像液中に用いられた界面活性剤の中より適宜選択して使用することができる。
【0052】
上記の現像処理は、通常、20〜40℃、好ましくは25〜35℃の現像温度で、浸漬現像、スプレー現像、ブラシ現像、超音波現像等の方法により行われ、ガラス基板上にブラックマトリックスが形成される。
現像後の試料は、必要に応じて、該試料の上に塗布される色材光重合性層、或いは、ポリアミド、ポリイミド等の保護層を塗布溶剤に対する耐久性、又は、ガラス基板等の透明基板との接着性を高める目的で、該試料を100〜250℃、5〜60分間の熱硬化処理を行うか、或いは、適正露光量以上の露光量、好ましくは、適正露光量の1〜10倍の露光量による光硬化処理を施すことができる。更に、ブラックマトリックスを設けたガラス基板は表面平滑性、或いは耐久性を高める目的でポリアミド、ポリイミド等のトップコート層を設けることもできる。
【0053】
本発明において画像露光に使用される光源としては、セキノンランプ、ハロゲンランプ、タングステンランプ、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、中圧水銀灯、低圧水銀灯等のランプ光源、及びアルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、エキシマーレーザー、窒素レーザー等のレーザー光源が挙げられる。これらの光源には、必要とされる照射光の波長領域に応じて、適宜光学フィルターを使用することもできる。
【0054】
本発明に係る光重合性組成物は、高い色材料含有率の状態で、色材料の分散性に優れ、高画質なブラックマトリックス画像を形成させると共に、各画素上に塗設して形成される色材光重合性層、或いは、ポリアミド、ポリイミド等の保護層等の塗布溶剤に対する耐溶剤性、及び、透明基板に対する高い接着性を与える機能を有する。
【0055】
【実施例】
以下に、合成例、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
合成例1 (後掲のエチレン性化合物▲2▼の合成)
ビスフェノールA20gとカセイソーダ3gを水15gに溶かした溶液を、還流冷却装置を設けた300mlの3つ口フラスコに入れ、120℃で撹拌し、この状態を保ったまま、2−ブロモエタノール35gを1時間で滴下した。続いて120℃で5時間撹拌し、その後室温に戻した。該フラスコのカセイソーダ水溶液を除去し、試料を水で5回洗浄した。続いて試料を減圧乾燥し、下記[u−1]式で示される2,2−ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン20gを得た。
【0056】
【化9】
Figure 0003577800
【0057】
次に、50重量%カセイソーダ302gに硫酸水素テトラ−n−ブチルアンモニウム4.3gを溶かした溶液を300mlの3つ口フラスコに入れ、20℃で撹拌した状態で、2,2−ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン[u−1]20gとエピクロルヒドリン350gを1.5時間かけて滴下し、更に20℃で3時間反応させた。
次に、フラスコを室温に戻した後、食塩水で中性になるまで洗浄し、その後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、残存するエピクロルヒドリンを減圧下留去して、目的とする2,2−ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン[u−1]のグリシジル化合物[u−2]を23g得た。
【0058】
【化10】
Figure 0003577800
【0059】
次に、得られたグリシジル化合物[u−2]20g、アクリル酸15g及びトリエチルアミン0.2gと、トルエン30gを、還流冷却装置を設けた300mlの3つ口フラスコに入れ、100℃で48時間撹拌した後、アクリル酸及びトルエンを減圧下、90℃で留去し、目的とする下記エポキシアクリレート19gを得た。
【0060】
【化11】
Figure 0003577800
【0061】
実施例1〜7、比較例1〜9
光重合開始剤組成物として下記(i)〜(ii)の種類及び配合を採用し、有機高分子物質としては、下記αを用い、エチレン性不飽和化合物としては下記▲1▼〜▲3▼を用い、また、塗布溶剤として下記(a)〜(f)を用い、下記配合で黒の色材を含有するブラックマトリックス形成用光重合性組成物の塗布液を調液した。
【0062】
【表1】
Figure 0003577800
【0063】
[有機高分子物質]
【0064】
【化12】
Figure 0003577800
【0065】
(a:b:c:d=55:15:20:10 (モル%),重量平均分子量Mw:12000)
【0066】
【化13】
Figure 0003577800
【0067】
▲3▼ ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
[塗布溶剤]
(a)シクロヘキサノン
(b)メチルエチルケトン
(c)メチルイソブチルケトン
(d)メチルセロソルブ
(e)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMA)
(f)乳酸メチル
【0068】
[黒の色材光重合性塗布液組成]
光重合開始剤組成物:表−1に記載
有機高分子物質:表−1に記載
エチレン性不飽和化合物:表−1に記載
塗布溶剤:表−1に記載、添加率は色材光重合性塗布液の全固形分の重量の9倍量
黒色顔料:添加率は表−1に記載
【0069】
調液方法としては、黒の色材及びエチレン性不飽和化合物又はエチレン性不飽和化合物と有機高分子物質を塗布溶剤と混合撹拌した後、該混合溶液の50gと粒径0.5mmのジルコニアビーズ150gとをステンレス製容器に入れ、ペイントシェーカーで4時間分散処理した。次に、この分散処理液に光重合開始剤組成物を添加した後、マグネットスタラーにて30分間撹拌し、更に超音波で10分間撹拌し分散処理された色材を含む塗布液を調液した。
【0070】
調製された黒の色材含有光重合性塗布液を、ガラス基板(コーニング社製No.7059)に表−1に記載の乾燥膜厚になるようにワイヤーバーコーターにより塗布し、120℃の乾燥温度で2分間乾燥し、更にポリビニルアルコール水溶液を乾燥膜厚2μmになるように同様の方法により塗布、乾燥した。次に、幅30μmで縦330μm、横110μmのピッチで繰り返すブラックマトリックス用ネガフォトマスクを用いて、2kW高圧水銀灯により表−1に示す適正露光量で露光した後、0.05重量%の炭酸カリウム、0.3重量%のアニオン性界面活性剤(花王社製「ペレックスNBL」)含有水溶液に25℃で浸漬し、スポンジで5回こする現像処理を行い、ブラックマトリックスを形成させ、次に200℃、7分間の熱処理により熱硬化させた。該試料を以下の評価方法で評価し、その結果を表−1に示した。
【0071】
【表2】
Figure 0003577800
【0072】
Figure 0003577800
【0073】
Figure 0003577800
【0074】
[顔料濃度]
黒の色材光重合性塗布液の固形分中に含有されている顔料の割合。
【0075】
【数1】
顔料濃度=顔料の重量/全固形分重量
【0076】
[適正露光量]
ウグラテストチャートを試料上に置き、該チャートの上より各種露光量を変化させながら2kW高圧水銀灯により露光した後、現像処理を施し、得られたウグラテストチャート画像中の細線画像の最も細いポジとネガの細線の線幅が同じになる時の露光量。
【0077】
[画質]
前記と同様の方法により、塗布試料上に、ウグラテストチャートを用いて適正露光量で露光し、標準現像液を用いて現像処理を行い色材画像を形成させた。該色材画像の中の細線画像を400倍の顕微鏡で観察し、再現されている最も細い細線の線幅より、画質を下記基準で評価した。細い細線が再現するほど良好な画質を示している。
【0078】
A:10μm以下の線幅の細線が再現されている。
B:10〜15μmの線幅の細線が再現されている。
C:15〜15μmの線幅の細線が再現されている。
D:25μm以下の線幅の細線が再現されている。
[透過濃度]
マクベス濃度計を用いて、試料の透過濃度(ABS)を測定した。
【0079】
[膜厚]
試料の感光層の膜厚をテンコールインスツルメンツ社製α−ステップにより測定した。
【0080】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明のブラックマトリックス用カラーフィルターレジストは、色材の分散性、遮光性、基板との接着性に優れるため、高品質のブラックマトリックスを低コストで容易に形成することができる。

Claims (7)

  1. 平均粒径50〜200nm、DBP吸油量10〜40ml/100gの範囲にあるカーボンブラックを含有することを特徴とするブラックマトリックス用カラーフィルターレジスト。
  2. カーボンブラックの表面におけるpHが5〜8であることを特徴とする請求項1記載のブラックマトリックス用カラーフィルターレジスト。
  3. 光重合性であることを特徴とする請求項1または2記載のブラックマトリックス用カラーフィルターレジスト。
  4. ブラックマトリックス用カラーフィルターレジストが多価グリシジルエーテル化合物と不飽和カルボン酸との付加反応物であるエチレン性不飽和化合物を含有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のブラックマトリックス用カラーフィルターレジスト。
  5. ブラックマトリックス用カラーフィルターレジストが一般式(I)又は(II)で表わされる置換基を有するエチレン性不飽和化合物を含有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のブラックマトリックス用カラーフィルターレジスト。
    Figure 0003577800
    (式中、mは0または1〜5の整数を表し、R1、R2は水素原子又はハロゲン原子を示し、R3は置換基を有しても良い炭素数1〜10のアルキレン基(該置換基としては水酸基、ハロゲン原子、水酸基を有しても良い炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜15のアリール基、炭素数7〜15のアラルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアシルオキシ基である)を示し、R4は水素原子、水酸基を有しても良い炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基、炭素数7〜15のアラルキル基又は炭素数2〜10のアルケニル基を示し、R5は水素原子又はメチル基を示す。)
  6. ブラックマトリックス用カラーフィルターレジストの透過濃度が2.5以上であるカラーフィルター用ブラックマトリックスを製造するためのものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のブラックマトリックス用カラーフィルターレジスト。
  7. 塗布溶媒として、沸点が50℃以上のジアルキルケトンを含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のブラックマトリックス用カラーフィルターレジスト。
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