JPH0941508A - 冷暖房両用断熱建築工法 - Google Patents

冷暖房両用断熱建築工法

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JPH0941508A
JPH0941508A JP21275295A JP21275295A JPH0941508A JP H0941508 A JPH0941508 A JP H0941508A JP 21275295 A JP21275295 A JP 21275295A JP 21275295 A JP21275295 A JP 21275295A JP H0941508 A JPH0941508 A JP H0941508A
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JP21275295A
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Hiroshi Emoto
央 江本
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Emoto Kogyo KK
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Emoto Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 木造建築物における従来の技術では冬期の暖
房エネルギー損失を減少させることと、夏期の冷房エネ
ルギー損失を減少させることは可能であるが、夏期にお
いて木造構造物の内部環境を木材腐朽菌の生育環境にし
てしまう危険性が高い。 【解決手段】 木造建築物における壁を防湿・気密層を
境界とした内方断熱層と外方断熱層から構成すること
で、木材腐朽菌等のカビ並びに白アリ、ダニなどの生育
に適さない環境下に置き、耐久性能の向上を図ろうとす
るものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、断熱された建築物
における冬の結露防止、及び夏の高温多湿期において木
材腐朽防止に好適な木造建築物における冷暖房両用断熱
建築工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の木造建築物の軸組工法においては
防湿・気密層を、柱、および間柱、並びに梁、けた、土
台、その他の横架材の室内側片面に、枠組壁工法におい
ては縦枠、横枠などの構造材、その他の下地材の室内側
片面に張設している。また、構造体内部の水蒸気排湿の
目的で通気層を設ける場合は、外装材透湿抵抗の大小は
問題ないが、通気層を設けない場合は、外装材透湿抵抗
は、極力小さなものを選択して設けている。さらに地震
などの水平力に対して安全であるように張り間方向、及
びけた行き方向それぞれに筋かい、又は「壁」を設ける
構造になるよう法規で定められている。ここで、上記
「壁」について若干説明する。軸組工法においては柱、
及び間柱、並びに梁、けた、土台、その他の横架材の片
面に合板、その他の面材などを打ち付けることによって
筋かいと同等の構造強度を得ており、枠組壁工法におい
ては縦枠、横枠材の片面に合板、その他の面材などを打
ち付けることによって筋かいと同等の構造強度を得てい
る。これらの防湿・気密、水蒸気排湿、所定の強度確保
などを考慮して構造体内部環境を良好に保つ必要がある
が、従来のものにあっては、不完全である。また、所定
の強度を確保するために合板などの面材を使用する場合
においても構造体内部環境を良好に保つ必要がある。こ
こで、従来、この種のものにあっては、下記のようなも
のになっている。図15,16を参照して、従来の一般
的な有断熱で防湿・気密層を設けている建築物における
壁5を例にして説明する。室内側に位置する9mm又は
12mmの石膏ボードなどの内装材5Aと、この石膏ボ
ードなどの内装材の室外側面に張設した防湿・気密層5
Bと、この防湿・気密層の室外側面に張設した厚さ約1
00mmの断熱層5Cと、この断熱層の室外側面に形成
した間隔12mm〜24mmの通気層5Dと、この通気
層の室外側面に張設した外装材5Eとから構成されてい
る。このような従来の構成のものは、暖房時における断
熱効果のみを狙ったものとなっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術で述べたも
のにあっては、下記のような問題点を有していた。上述
した従来の構成のものは、冬期の暖房時における断熱効
果のみを求めて設計されたもので、夏期において冷房す
ると下記のような問題点を惹起することになる。そこ
で、東京での冬期暖房時と夏期冷房時の場合を比較検討
しながら、その具体的問題点を指摘する。ここで、建築
に使用されている木材の腐朽メカニズムについて概略説
明する。図15を参照して、断熱された壁5、天井8、
床9、土台10,柱11などの主要構造は木材によって
構成されている。木材腐朽は、腐朽菌から分泌される酵
素によって木材組織が破壊されることによって起こる現
象である。この腐朽菌の繁殖は、温度、湿度、水分、酸
素、栄養源に左右されるが、このうち温度、湿度が腐朽
菌の生育に大きく関与するのは周知されている。つま
り、木材の位置する温度、湿度環境が腐朽菌の生育に適
合すると、木造建築の耐久性を減殺してしまうこととな
る。この腐朽菌の生育に適する温度は、18℃以上、相
対湿度は80%以上(以下、「木材腐朽の条件」とい
う)である。以下、図17,18を参照して問題点を整
理する。図中、6は気温(℃)を示し、7は露点温度
(℃)を示す。 A.冬期(絶対湿度:0.002kg/kg’の場合)
での作用は、図17を参照して下記の通りである。 イ.屋外空気状態 気温:−1.9℃、相対湿度:64%、水蒸気分圧:
2.5mmHg、絶対湿度:0.002kg/kg’、
露点温度:−7.2℃。 ロ.暖房時における屋内空気状態 気温:21℃、相対湿度:50%。 ハ.防湿・気密層室内面空気状態 気温:19.5℃、相対湿度:54.6%、水蒸気分
圧:9.3mmHg、絶対湿度:0.008kg/k
g’、露点温度:10.2℃。 ニ.以上のデーターから、冬期暖房時における下記事項
を指摘することができる。 防湿・気密層5Bの室内側における相対湿度は54.6
%で、気温は19.5℃であり、通気層5Dと断熱層5
C部分の境界では相対湿度:64%、気温は−1.9℃
となる。これを上記「木材腐朽の条件」に徴すると、結
露,木材腐朽などの問題はない。 B.夏期(絶対湿度:0.019kg/kg’の場合)
での作用は、図18を参照して下記の通りである。 イ.屋外空気状態 気温:33℃、相対湿度:60%、水蒸気分圧:22.
7mmHg、絶対湿度:0.019kg/kg’、露点
温度:24.2℃。 ロ.冷房時における屋内空気状態 気温:25.5℃、相対湿度:50%。 ハ.防湿・気密層室外面空気状態 気温:26.0℃、相対湿度:90%、水蒸気分圧:2
2.7mmHg、絶対湿度:0.019kg/kg’、
露点温度:24.2℃。 ニ.以上のデーターから、夏期冷房時における下記事項
を指摘することができる。 防湿・気密層5Bの室外側における相対湿度は90%
で、気温は26℃であり、通気層5Dと断熱層5C部分
の境界では相対湿度:61.1%、気温は33℃とな
る。これを上記「木材腐朽の条件」に徴すると、防湿・
気密層5Dの室外側付近の環境は、結露,木材腐朽など
の問題を惹起することになる。この壁内では防湿・気密
層室外面で、気温26℃、相対湿度90%となり、防湿
・気密層に接する柱材などの腐朽の問題が木造建築物の
耐久性を短縮させる恐れがある。以上述べた事項を整理
すると下記の通りである。寒冷期に建築物の保温のため
床、壁、天井などに断熱材を取付けている。断熱材の室
内側には防湿・気密層と内装ボードが張設され、柱、間
柱の間に取付けられた断熱材の外側には、通気層、外装
仕上材が設けられている。また、床、天井なども室内側
に防湿・気密層を設けてある。この構造においては、
床、壁、天井の防湿・気密層室外面までは、屋外気とほ
ぼ同じ絶対湿度、および水蒸気分圧が作用することとな
る。また、床、壁、天井の内部温度は、屋内外の温度差
と断熱材などの熱伝導率によって左右される。本例の東
京方面の場合、冬の最低外気温時における屋外空気と2
1℃に暖房した室内空気では約6.8mmHgの水蒸気
分圧差があり、水蒸気は室内から屋外に向かって全方向
に圧力となって流れようとする。それを止めるために断
熱材の室内側に防湿・気密層を設けている。これにより
冬の壁内は多湿化や結露発生には至らない。一方、夏は
外気水蒸気分圧は22.7mmHg、室内は12.3m
mHg(冷房により除湿されるため)、その差10.4
mmHgで水蒸気は屋外より室内側に流れようとする。
従来は断熱材の室内側に防湿・気密層を設けているの
で、多湿化や結露発生の危険性が高い。つまり、防湿・
気密層室外面での温度は室内冷房温度に近く屋外気温よ
りも低温である。これに対して相対湿度は、絶対湿度及
び水蒸気分圧の変化がなく、温度が下がる空気状態なの
で、結果として上昇することとなり、木造建築物の耐久
性を短縮する危険性が高いのである。省エネルギーへの
対応は地球環境保全に対する先進国の責務である。一方
国民の資産である木造建築物の耐久性はより長くするこ
とが有益であり、短期に失う危険を回避しなければなら
ない。このような配慮が必要となる背景は、冬期の気象
条件が同等の諸外国と比較し、日本が夏期において高温
多湿となる特有の気候を持ち合わせているからである。
この点をさらに詳述すると下記の通りである。従来の技
術では冬期の暖房エネルギー損失を減少させることと、
夏期の冷房エネルギー損失を減少させることは可能であ
るが、夏期において木造構造物の内部環境が木材腐朽菌
の生育環境として適してしまう危険性が高い。これは例
として検討した東京をはじめとする東北から九州まで同
様のことが云える。念の為申し添えると、木材の付近相
対湿度80%、気温18℃より上昇するにつれ木材腐朽
菌の生育が活発化し木材腐朽を進行させて行く。その結
果、木材の強度を失わせることとなり木造建築物の耐久
年数をかなり短縮して行く。断熱材は、温度の高い方か
ら低い方へ流れようとする熱エネルギーを断ち、省エネ
ルギー効果を得る。室内と屋外の温度は夏と冬では逆転
し、熱流方向も反転するが、断熱材によって省エネルギ
ー効果が得られるのは変わりない。一方、防湿・気密層
は、水蒸気分圧の高い方から低い方へ流れようとする水
蒸気エネルギーを断つ役割を果たす。したがって、夏の
防湿・気密層は断熱材の外側に設けることが理論的に正
しい。このように、防湿・気密層を夏と冬とで外側と内
側に張り替えることが理想的であるが、これは物理的に
不可能であることは云うまでもない。また、安易に防湿
・気密層を外側と内側の両方に張ることは、従来技術よ
りも木材腐朽などを助成する最悪の結果を招くことにな
る。ただ一つ、解決できる方法は、防湿・気密層を境界
として内方と外方に断熱層を設けることである。すなわ
ち、構造体内部環境が冬期暖房時において、気温15℃
以内,相対湿度95%以内になる様に、一方夏期冷房時
に相対湿度80%以内となる様に防湿・気密層を境界と
した内方と外方の熱抵抗比を構成部材(空気層などを含
む)の物性を基に決定することである。本発明は、上述
の通り構成されているので次に記載する効果を奏する。
ここで、東京を例として夏期冷房時と冬期暖房時の場合
を比較検討しながら、まず、その理論を説明する。ここ
では断熱壁の場合を例にしているが、断熱床、断熱天井
の場合にも適用できるものである。なお、図中、6は気
温(℃)を示し、7は露点温度(℃)を示す。 東京の屋外空気状態 A.冬期(絶対湿度:0.002kg/kg’の場合)
での作用は、図19を参照して下記の通りである。 イ.屋外空気状態 気温:−1.9℃、相対湿度:64%、水蒸気分圧:
2.5mmHg、絶対湿度:0.002kg/kg’、
露点温度:−7.2℃。 ロ.暖房時における屋内空気状態 気温:21℃、相対湿度:50%。 ハ.防湿・気密層室内面空気状態 気温:12.4℃、相対湿度:86.9%、水蒸気分
圧:9.3mmHg、絶対湿度:0.008kg/k
g’、露点温度:10.2℃。 ニ.壁内の防湿・気密層室内面付近が相対湿度80%を
越えても冬期のため、気温12.4℃と低温である。こ
れを「木材腐朽の条件」に徴すると、結露、木材腐朽な
どの問題はない。 B.夏期(絶対湿度:0.019kg/kg’の場合)
での作用は、図20を参照して下記の通りである。 イ.屋外空気状態 気温:33℃、相対湿度:60%、水蒸気分圧:22.
7mmHg、絶対湿度:0.019kg/kg’、露点
温度:24.2℃。 ロ.冷房時における屋内空気状態 気温:25.5℃、相対湿度:50%。(冷房時除湿効
果による) ハ.防湿・気密層室外面空気状態 気温:28.3℃、相対湿度:78.6%、水蒸気分
圧:22.7mmHg、絶対湿度:0.019kg/k
g’、露点温度:24.2℃。 ニ.壁内のすべてにおいて、18℃以上でも、相対湿度
80%以下である。これを「木材腐朽の条件」に徴する
と、結露、木材腐朽などの問題はない。建築物の耐久性
は、防湿・気密層を境界とする内外の熱抵抗比率を地域
ごとに設定することによって維持され、理想的な建築物
を構築することが可能となる。この場合、この設定に当
たっては、建築資材の透湿度,熱貫流率などの物性を考
慮に入れて対処することは当然である。その具体的方法
は、防湿・気密層を張設する位置によって下記のように
大別される。第一に構造材の室内面に防湿・気密層を貼
る方法、第二に構造材の屋外面に防湿・気密層を貼る方
法があるが、これは、軸組工法、並びに枠組壁工法に共
通して大別される。本発明はこれら構造上の問題点に施
工上の問題点も含めて現在の概念を超えた工法を提供し
ようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、下記のように構成されている。第1発明は、木造建
築物における壁が、防湿・気密層を境界とした内方断熱
層と外方断熱層から構成されている冷暖房両用断熱建築
工法である。このほか、下記のように構成できる。 1.軸組工法による壁における防湿・気密層の張設位置
を、当該壁の構造部材での室内面とする。 2.枠組壁工法による壁における防湿・気密層の張設位
置を、当該壁の構造部材での室内面とする。 3.軸組工法による壁における防湿・気密層の張設位置
を、当該壁の構造部材での屋外面とする。 4.枠組壁工法による壁における防湿・気密層の張設位
置を、当該壁の構造部材での屋外面とする。 5.構造体内環境が、冬期暖房時においては気温が15
℃以内で相対湿度が95%以下になるように、また夏期
冷房時においては相対湿度が80%以下になるように防
湿・気密層を境界とした内方と外方の熱抵抗比を、構成
部材における物性を基に決定する。第2発明は、木造建
築物における壁,床,天井が、防湿・気密層を境界とし
た内方断熱層と外方断熱層から構成されている冷暖房両
用断熱建築工法である。このほか、下記のように構成で
きる。 1.軸組工法による壁,床,天井における防湿・気密層
の張設位置を、当該壁,床,天井の構造部材での室内面
とする。(以下、A発明という) 2.枠組壁工法による壁,床,天井における防湿・気密
層の張設位置を、当該壁,床,天井の構造部材での室内
面とする。(以下、B発明という) 3.軸組工法による壁,床,天井における防湿・気密層
の張設位置を、当該壁,床,天井の構造部材での屋外面
とする。(以下、C発明という) 4.枠組壁工法による壁,床,天井における防湿・気密
層の張設位置を、当該壁、床、天井の構造部材での屋外
面とする。(以下、D発明という) 5.構造体内環境が、冬期暖房時においては気温が15
℃以内で相対湿度が95%以下になるように、また夏期
冷房時においては相対湿度が80%以下になるように防
湿・気密層を境界とした内方と外方の熱抵抗比を、構成
部材における物性を基に決定する。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、第2発明を例にしてその実
施例の形態を図示例と共に説明する。1はA発明で得た
軸組工法での構造部材の室内面に防湿・気密層を設けた
木造建築物である。基礎1Aと、基礎上に設けられた土
台1Bと、土台に植設された柱及び下地材1Cと、柱及
び下地材に取付けられた壁部1Dと、柱に横架された
梁、けたなどの横架材1Eと、床部1Fと、天井部1G
と、天井部の上部に小屋裏1Hを介して連設された屋根
部1Iとから構成されている。基礎1Aには床下換気口
1A1が設けられている。小屋裏1Hには小屋裏換気口
1H1が設けられている。壁部1Dは、室内側から内装
材1D1、内方断熱層1D2、防湿・気密層1D3、外
方断熱層1D4、通気層1D5、外装材1D6から構成
されている。この場合、防湿・気密層1D3の屋外面1
D31は、柱及び下地材1Cの室内面1C1と一致する
よう構成されている。なお、この壁部1Dについては下
記のように構成することができる。 イ.筋交を省略するために、土台1Bと柱及び下地材1
Cと横架材1Eに合板などの面材(図示略)を張設する
ことがある。 ロ.外装材1D6について、通気性を有する外装材1D
61を使用する場合は、通気層1D5を省略して外方断
熱層1D4に直接外装材1D61を張設してもよい。
(図7,8参照) 床部1Fは、室内側から内装材1F1、内方断熱層1F
2、防湿・気密層1F3、外方断熱層1F4から構成さ
れている。この場合、防湿・気密層1F3は、壁部の防
湿・気密層1D3と連設されている。壁部1Dの通気層
1D5と同様の通気作用は、床下換気口1A1によって
行うことができる。天井部1Gは、室内側から内装材1
G1、内方断熱層1G2、防湿・気密層1G3、外方断
熱層1G4から構成されている。この場合、防湿・気密
層1G3は、壁部の防湿・気密層1D3と連設されてい
る。壁部1Dの通気層1D5と同様の通気作用は、小屋
裏換気口1H1によって行うことができる。2はB発明
で得た枠組壁工法での構造部材の室内面に防湿・気密層
を設けた木造建築物である。基礎2Aと、基礎上に設け
られた土台2Bと、土台に取付けられた端根太2Cと、
端根太上に張設された構造用合板2F4を介して設けら
れた枠部2Dと、枠部に取付けられた壁部2Eと、床部
2Fと、天井部2Gと、天井部の上部に小屋裏2Hを介
して連設された屋根部2Iとから構成されている。ここ
で、枠部2Dは下枠2D1と、下枠上に取付けられた縦
枠2D2と、縦枠の上面に取付けられた上枠2D3から
構成されている。基礎2Aには床下換気口2A1が設け
られている。小屋裏2Hには小屋裏換気口2H1が設け
られている。壁部2Eは、室内側から内装材2E1、内
方断熱層2E2、防湿・気密層2E3、外方断熱層2E
4、通気層2E5、外装材2E6から構成されている。
この場合、防湿・気密層2E3の屋外面2E31は、枠
部2Dの室内面2D4と一致するよう構成されている。
なお、この壁部2Eについては下記のように構成するこ
とができる。 イ.筋交を省略するために、土台2Bと端根太2Cと枠
部2Dに合板などの面材Mを張設することもある。(図
5,6参照) ロ.外装材2E6について、通気性を有する外装材(図
示略)を使用する場合は、通気層2E5を省略して外方
断熱層2E4に直接外装材(図示略)を張設してもよ
い。床部2Fは、室内側から内装材2F1、内方断熱層
2F2、防湿・気密層2F3、構造用合板2F4、外方
断熱層2F5から構成されている。この場合、防湿・気
密層2F3は、壁部の防湿・気密層2E3と連設されて
いる。壁部2Eの通気層2E5と同様の通気作用は、床
下換気口2A1によって行うことができる。天井部2G
は、室内側から内装材2G1、内方断熱層2G2、防湿
・気密層2G3、外方断熱層2G4から構成されてい
る。この場合、防湿・気密層2G3は、壁部の防湿・気
密層2E3と連設されている。壁部2Eの通気層2E5
と同様の通気作用は、小屋裏換気口2H1によって行う
ことができる。3はC発明で得た軸組工法での構造部材
の屋外面に防湿・気密層を設けた木造建築物である。基
礎3Aと、基礎上に設けられた土台3Bと、土台に植設
された柱及び下地材3Cと、柱及び下地材に取付けられ
た壁部3Dと、柱に横架された梁、けたなどの横架材3
Eと、床部3Fと、天井部3Gと、天井部の上部に小屋
裏3Hを介して連設された屋根部3Iとから構成されて
いる。基礎3Aには床下換気口3A1が設けられてい
る。小屋裏3Hには小屋裏換気口3H1が設けられてい
る。壁部3Dは、室内側から内装材3D1、空気層3D
2、内方断熱層3D3、防湿・気密層3D4、外方断熱
層3D5、通気層3D6、外装材3D7から構成されて
いる。この場合、防湿・気密層3D4の室内面3D41
は、柱及び下地材3Cの室外面3C1と一致するよう構
成されている。なお、この壁部3Dについては下記のよ
うに構成することができる。 イ.筋交を省略するために、防湿・気密層3D4の内外
いずれかに合板などの面材(図示略)を張設することも
ある。 ロ.外装材3D7について、通気性を有する外装材(図
示略)を使用する場合は、通気層3D6を省略して外方
断熱層3D5に直接外装材(図示略)を設けてもよい。 ハ.空気層3D2は内方断熱層3D3の厚さによっては
設けられない場合がある。床部3Fは、室内側から内装
材3F1、空気層3F2、内方断熱層3F3、防湿・気
密層3F4、外方断熱層3F5から構成されている。こ
の場合、防湿・気密層3F4は壁部の防湿・気密層3D
4と連設されている。なお、この床部3Fの空気層3F
2は内方断熱層3F3の厚さによっては設けられない場
合がある。壁部3Dの通気層3D6と同様の通気作用
は、床下換気口3A1によって行うことができる。天井
部3Gは、室内側から内装材3G1、空気層3G2、内
方断熱層3G3、防湿・気密層3G4、外方断熱層3G
5から構成されている。この場合、防湿・気密層3G4
は、壁部の防湿・気密層3D4と連設されている。な
お、この天井部3Gの空気層3G2は内方断熱層3G3
の厚さによっては設けられない場合がある。壁部3Dの
通気層3D6と同様の通気作用は、小屋裏換気口3H1
によって行うことができる。4はD発明で得た枠組壁工
法での構造部材の屋外面に防湿・気密層を設けた木造建
築物である。基礎4Aと、基礎上に設けられた土台4B
と、土台に防湿・気密層4F5を介して取付けられた端
根太4Cと、端根太上に張設された構造用合板4F2を
介して設けられた枠部4Dと、枠部に取付けられた壁部
4Eと、床部4Fと、天井部4Gと、天井部の上部に小
屋裏4Hを介して連設された屋根部4Iとから構成され
ている。ここで、枠部4Dは下枠4D1と、下枠上に取
付けられた縦枠4D2と、縦枠の上面に取付けられた上
枠4D3から構成されている。基礎4Aには床下換気口
4A1が設けられている。小屋裏4Hには小屋裏換気口
4H1が設けられている。壁部4Eは、室内側から内装
材4E1、空気層4E2、内方断熱層4E3、防湿・気
密層4E4、外方断熱層4E5、通気層4E6、外装材
4E7から構成されている。この場合、防湿・気密層4
E4の室内面4E41は、枠部4Dの屋外面4D4と一
致するよう構成されている。なお、この壁部4Eについ
ては下記のように構成することができる。 イ.筋交を省略するために、防湿・気密層4E4の屋外
側面に合板などの面材Mを張設することもある。この場
合、防湿・気密層4E4の室内面に合板などの面材Mを
設けてもよい。 ロ.外装材4E7について、通気性を有する外装材(図
示略)を使用する場合は、通気層4E6を省略して外方
断熱層4E5に直接外装材(図示略)を設けてもよい。 ハ.空気層4E2は内方断熱層4E3の厚さによっては
設けられない場合がある。床部4Fは、室内側から内装
材4F1、構造用合板4F2、空気層4F3、内方断熱
層4F4、防湿・気密層4F5、外方断熱層4F6から
構成されている。この場合、防湿・気密層4F5は、壁
部の防湿・気密層4E4と連設されている。なお、この
床部4Fの空気層4F3は内方断熱層4F4の厚さによ
っては設けられない場合がある。壁部4Eの通気層4E
6と同様の通気作用は、床下換気口4A1によって行う
ことができる。天井部4Gは、室内側から内装材4G
1、空気層4G2、内方断熱層4G3、防湿・気密層4
G4、外方断熱層4G5から構成されている。この場
合、防湿・気密層4G4は、壁部の防湿・気密層4E4
と連設されている。なお、この天井部4Gの空気層4G
2は内方断熱層4G3の厚さによっては設けられない場
合がある。壁部4Eの通気層4E6と同様の通気作用
は、小屋裏換気口4H1によって行うことができる。
【0006】
【実施例】以上説明した各部材などの詳細を下記に説明
する。 1.内装材は、石膏ボード、合板、クロスなどを組み合
わせて構成し、装飾を目的として使用する。 2.内方断熱層(材)は、繊維系断熱材、発泡プラスチ
ック系断熱材などで一層又は複数層で構成し、熱の遮断
を目的として使用する。 3.防湿・気密層は、高密度ポリエチレン、プラスチッ
ク系材料、金属系材料などで構成し、水蒸気の遮断と室
内並びに屋外空気の流出入の遮断を目的として使用す
る。 4.合板などの面材は、構造用合板、軟質繊維板、硬質
繊維板などで構成し、所定の構造強度を満たすことを目
的として使用する。また、耐水性、透湿性などの目的を
兼ね備えることがある。 5.外方断熱層(材)は、繊維系断熱材、発泡プラスチ
ック系断熱材などで一層又は複数層で構成し、熱の遮断
を目的として使用する。 6.通気層(外気連通空気層)は、屋外空気と連通した
移動する空気の層を用いて内部の水蒸気を屋外に速やか
に移動させる目的で設けられる。 7.外装材、外壁は、コンクリート、レンガ、ブロッ
ク、セメントモルタル、タイル、壁板などを用いて雨水
や雪、風の遮断と装飾を目的として使用する。 8.外装材、屋根は、板金、瓦、スレートなどを用いて
雨水や雪、風の遮断と装飾を目的として使用する。
【0007】
【発明の効果】以上説明した木造建築物1,2,3,4
のそれぞれについて下記の効果を期待することができ
る。 1.木造建築物を構成するすべての部材を1年を通じて
木材腐朽菌等のカビ並びに白アリ、ダニなどの生育に適
さない環境下に置くことができ、耐久性能向上が期待で
きる。よって建替サイクルがのび資源消費を節約でき
る。 2.冬期暖房並びに夏期冷房のエネルギー消費を減少さ
せる省エネルギー効果を得ることができる。 3.木造建築物の耐久性能向上による省エネルギー効果
と、断熱性能向上による省エネルギー効果によって、総
合的な地球環境保全効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】軸組工法での構造部材の室内面に防湿・気密層
を設けた木造建築物の略図的縦断面図である。
【図2】A−A線拡大断面図である。
【図3】枠組壁工法での構造部材における室内面に防湿
・気密層を設けた木造建築物の略図的縦断面図である。
【図4】B−B線拡大断面図である。
【図5】枠組壁工法での構造部材における室内面に防湿
・気密層を設けた木造建築物の他の実施例の略図的縦断
面図である。
【図6】C−C線拡大断面図である。
【図7】軸組工法での構造部材の室内面に防湿・気密層
を設けた木造建築物の他の実施例の略図的縦断面図であ
る。
【図8】D−D線拡大断面図である。
【図9】軸組工法での構造部材の屋外面に防湿・気密層
を設けた木造建築物の略図的縦断面図である。
【図10】E−E線拡大断面図である。
【図11】枠組壁工法での構造部材の屋外面に防湿・気
密層を設けた木造建築物の略図的縦断面図である。
【図12】F−F線拡大断面図である。
【図13】枠組壁工法での構造部材における屋外面に防
湿・気密層を設けた木造建築物の他の実施例の略図的縦
断面図である。
【図14】G−G線拡大断面図である。
【図15】従来の木造建築物の略図的縦断面図である。
【図16】同上における断熱壁部分の要部拡大縦断面図
である。
【図17】屋外絶対湿度が0.002kg/kg’の場
合における従来の断熱構造の冬期の作用を説明する縦断
面図である。
【図18】屋外絶対湿度が0.019kg/kg’の場
合における従来の断熱構造の夏期の作用を説明する縦断
面図である。
【図19】屋外絶対湿度が0.002kg/kg’の場
合における本発明の断熱構造の冬期の作用を説明する縦
断面図である。
【図20】屋外絶対湿度が0.019kg/kg’の場
合における本発明の断熱構造の夏期の作用を説明する縦
断面図である。
【符号の説明】
1 軸組工法での構造部材の室内面に防湿・気密層を設
けた木造建築物 1D 壁部 1F 床部 1G 天井部 2 枠組壁工法での構造部材の室内面に防湿・気密層を
設けた木造建築物 2E 壁部 2F 床部 2G 天井部 3 軸組工法での構造部材の屋外面に防湿・気密層を設
けた木造建築物 3D 壁部 3F 床部 3G 天井部 4 枠組壁工法での構造部材の屋外面に防湿・気密層を
設けた木造建築物 4E 壁部 4F 床部 4G 天井部

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木造建築物における壁が、防湿・気密層
    を境界とした内方断熱層と外方断熱層から構成されてい
    ることを特徴とする冷暖房両用断熱建築工法。
  2. 【請求項2】 軸組工法による壁における防湿・気密層
    の張設位置を、当該壁の構造部材での室内面とした請求
    項1記載の冷暖房両用断熱建築工法。
  3. 【請求項3】 枠組壁工法による壁における防湿・気密
    層の張設位置を、当該壁の構造部材での室内面とした請
    求項1記載の冷暖房両用断熱建築工法。
  4. 【請求項4】 軸組工法による壁における防湿・気密層
    の張設位置を、当該壁の構造部材での屋外面とした請求
    項1記載の冷暖房両用断熱建築工法。
  5. 【請求項5】 枠組壁工法による壁における防湿・気密
    層の張設位置を、当該壁の構造部材での屋外面とした請
    求項1記載の冷暖房両用断熱建築工法。
  6. 【請求項6】 構造体内環境が、冬期暖房時においては
    気温が15℃以内で相対湿度が95%以下になるよう
    に、また夏期冷房時においては相対湿度が80%以下に
    なるように防湿・気密層を境界とした内方と外方の熱抵
    抗比を、構成部材における物性を基に決定している請求
    項1ないし請求項5のいずれかに記載の冷暖房両用断熱
    建築工法。
  7. 【請求項7】 木造建築物における壁,床,天井が、防
    湿・気密層を境界とした内方断熱層と外方断熱層から構
    成されていることを特徴とする冷暖房両用断熱建築工
    法。
  8. 【請求項8】 軸組工法による壁,床,天井における防
    湿・気密層の張設位置を、当該壁,床,天井の構造部材
    での室内面とした請求項7記載の冷暖房両用断熱建築工
    法。
  9. 【請求項9】 枠組壁工法による壁,床,天井における
    防湿・気密層の張設位置を、当該壁,床,天井の構造部
    材での室内面とした請求項9記載の冷暖房両用断熱建築
    工法。
  10. 【請求項10】 軸組工法による壁,床,天井における
    防湿・気密層の張設位置を、当該壁,床,天井の構造部
    材での屋外面とした請求項8記載の冷暖房両用断熱建築
    工法。
  11. 【請求項11】 枠組壁工法による壁,床,天井におけ
    る防湿・気密層の張設位置を、当該壁、床、天井の構造
    部材での屋外面とした請求項10記載の冷暖房両用断熱
    建築工法。
  12. 【請求項12】 構造体内環境が、冬期暖房時において
    は気温が15℃以内で相対湿度が95%以下になるよう
    に、また夏期冷房時においては相対湿度が80%以下に
    なるように防湿・気密層を境界とした内方と外方の熱抵
    抗比を、構成部材における物性を基に決定している請求
    項7ないし請求項11のいずれかに記載の冷暖房両用断
    熱建築工法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106049694A (zh) * 2016-07-11 2016-10-26 金陵科技学院 建筑用恒温层

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