JPH0953282A - 建築物における冷暖房両用断熱防湿気密パネル - Google Patents

建築物における冷暖房両用断熱防湿気密パネル

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JPH0953282A
JPH0953282A JP22706995A JP22706995A JPH0953282A JP H0953282 A JPH0953282 A JP H0953282A JP 22706995 A JP22706995 A JP 22706995A JP 22706995 A JP22706995 A JP 22706995A JP H0953282 A JPH0953282 A JP H0953282A
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JP
Japan
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moisture
proof
layer
heat
panel
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JP22706995A
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English (en)
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Hiroshi Emoto
央 江本
Masahiko Saito
雅彦 斉藤
Seiichi Yano
誠一 矢野
Tomoyuki Kamiyachi
朋之 上谷地
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Emoto Kogyo KK
Original Assignee
Emoto Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 木造建築物における従来の技術では冬期の暖
房エネルギー損失を減少させることと、夏期の冷房エネ
ルギー損失を減少させることは可能であるが、夏期にお
いて木造構造物の内部環境を木材腐朽菌の生育環境にし
てしまう危険性が高い。 【解決手段】 冷暖房両用断熱防湿気密パネルを枠1A
内に設けた防湿兼気密層1Cと、この防湿兼気密層を境
界として設けられた内方断熱層1Bと外方断熱層1Dか
ら構成することで、木材腐朽菌等のカビ並びに白アリ、
ダニなどの生育に適さない環境下に置き、耐久性能の向
上を図ろうとするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として建築物に
おける室内と屋外の気温、並びに絶対湿度、及びこれに
相関する水蒸気分圧と気圧環境の異なる境界に使用する
断熱防湿気密パネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のパネルは、下記に列記す
る構成である。図1、2、3を参照して壁体5を例にし
て説明する。この種のパネルは木材枠6に断熱層5Cを
充填し、室内面に防湿兼気密層5B、屋外面に合板など
の面材5Dを張設して構成されている。この種のパネル
は複合層と言えるが、各層の目的を室内面から順に下記
に列記する。 1.断熱層(材)5Cは、繊維系断熱材、発泡プラスチ
ック系断熱材などで一層、又は複数層で構成し、 熱の遮
断を目的としている。 2.合板などの面材5Dは構造用合板、軟質繊維板、硬
質繊維板などで構成され、所定の構造強度を満たす事を
目的としている。又、耐水性、透湿性などの目的を兼ね
備える事がある。 3.木材枠6は、面材5Dを張設することによって所定
の強度を持つ部材である。上述のパネルを建築物におけ
る構造体に張設、あるいは嵌合し、その後、防湿兼気密
層5B、内装材5A、並びに外気連通空気層5Eを確保
する為と外装材下地を兼ねる部材5E1を介して外装材
5Fなどを張設している。この他、下記のように構成す
ることがある。 1.防湿兼気密層5Bは主要構造物の室内面又は屋外面
に配設している。 2.外気連通空気層5Eは外装材の透湿抵抗が大きな場
合に設けている。 3.外気連通空気層5Eは外装材の透湿抵抗が小さな場
合に於いては設けないことがある。 4.地震などの水平力に対して安全であるように張り間
方向、及びけた行き方向それぞれに筋かい(図示略)、
又は「壁」を設ける構造になっている。ここで上記
「壁」について若干説明する。軸組工法においては柱、
及び間柱、並びに梁、けた、土台その他の横架材の片面
に合板、その他ボード等を打ち付けることによって筋か
いと同等の構造強度を得ており、枠組壁工法においては
たて枠、よこ枠材の片面に合板、その他ボード等を打ち
付けることによって筋かいと同等の構造強度を得てい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術で述べたも
のにあっては、下記のような問題点を有していた。ここ
で、建築に使用される木材の腐朽メカニズムについて概
略説明する。図1を参照して、断熱された壁体5、天井
7、床8、土台9などの主要構造材は木材によって構成
されている。木材腐朽は、腐朽菌から分泌される酵素に
よって木材組織が破壊される事によって起こる現象であ
る。この腐朽菌の生育は、温度、相対湿度、水分、酸
素、栄養源に左右されるが、このうち温度と相対湿度が
腐朽菌の生育に大きく関与するのは周知されている。腐
朽菌にとって建築物に使用されている木材での水分、酸
素、栄養源の摂取は、比較的容易であり、木材の位置す
る温度、相対湿度が腐朽菌の生育条件に適合すると、木
材腐朽菌の生育が活発化し、木材腐朽が発生、あるいは
進行し、木造建築物の耐久性を減殺してしまうこととな
る。この腐朽菌の生育に適する温度は、18℃以上、相
対湿度は、80%以上である。(以下、「木材腐朽の条
件」と云う。) また、この環境においては、カビの生育も活発化する。
以下、図4、5、6を用いて上述のように構成されたパ
ネルを使用した構造を成す木造建築物を例に室内と室外
の気温、並びに絶対湿度など空気環境の条件を変えて壁
内環境の問題点について説明する。図中、10は気温
(℃)を示し、11は露点温度(℃)を示す。 1.東京方面の冬期壁内環境 図4は、東京方面の冬期に於ける壁内環境を表してい
る。 イ.屋外空気状態 気温:−1.9℃、相対湿度:64%、水蒸気分圧:
2.5mmHg、絶対湿度:0.002Kg/Kg’、
露点温度:−7.2℃。 ロ.暖房時に於ける室内空気状態 気温:21℃、相対湿度:50% ハ.防湿兼気密層室内面空気状態 気温:19.5℃、相対湿度:54.6%、水蒸気分
圧:9.3mmHg、絶対湿度:0.008Kg/K
g’、露点温度:10.2℃。 ニ.以上の事から、冬期暖房時に於ける下記事項を指摘
する事ができる。防湿兼気密層5Bの室内面に於ける気
温は19. 5℃で相対湿度は54. 6%であり、面材5
Dと外気連通空気層5E部分の境界では気温は−1℃で
相対湿度は59%となる。この空気状態を「木材腐朽の
条件」に徴すると、結露、カビの増殖、木材腐朽などの
問題はない。 2.東京方面の夏期壁内環境 図5は、東京方面の夏期に於ける壁内環境を表してい
る。 イ.屋外空気状態 気温:33.0℃、相対湿度:60%、水蒸気分圧:2
2.7mmHg、絶対湿度:0.019Kg/Kg’、
露点温度:24.2℃。 ロ.冷房時に於ける室内空気状態 気温:25.5℃、相対湿度:50% ハ.防湿兼気密層屋外面空気状態 気温:26.0℃、相対湿度:89.6%、水蒸気分
圧:22.5mmHg、絶対湿度:0.019Kg/K
g’、露点温度:24.1℃。 ニ.以上の事から、夏期冷房時に於ける下記事項を指摘
する事ができる。防湿兼気密層5Bの屋外面に於ける気
温は26℃で相対湿度は89. 6%であり、面材5Dと
外気連通空気層5E部分の境界では気温は32. 5℃で
相対湿度は61%となる。この空気状態を「木材腐朽の
条件」に徴すると、結露、カビの増殖、木材腐朽などを
惹起することになる。この壁内では防湿兼気密層屋外面
で、気温26℃、相対湿度89. 6%となり、防湿兼気
密層が接する木材付近において腐朽などの問題が木造建
築物の耐久性を短縮させる恐れがある。 3.九州方面の夏期壁内環境 図6は、九州方面の夏期に於ける壁内環境を表してい
る。 イ.屋外空気状態 気温:33.5℃、相対湿度:63%、水蒸気分圧:2
4.7mmHg、絶対湿度:0.021Kg/Kg’、
露点温度:25.6℃。 ロ.冷房時に於ける室内空気状態 気温:25.5℃、相対湿度:50% ハ.防湿兼気密層屋外面空気状態 気温:26.0℃、相対湿度:96.7%、水蒸気分
圧:24.7mmHg、絶対湿度:0.021Kg/K
g’、露点温度:25.4℃。 ニ.以上の事から、夏期冷房時に於ける下記事項を指摘
する事ができる。防湿兼気密層5Bの屋外面に於ける気
温は26℃で相対湿度は96. 7%であり、面材5Dと
外気連通空気層5E部分の境界では気温は33. 1℃で
相対湿度は64. 1%となる。この空気状態を「木材腐
朽の条件」に徴すると、結露、カビの増殖、木材腐朽な
どを惹起することになる。これら壁内では防湿兼気密層
屋外面で、気温26℃、相対湿度96.7%となり、東
京方面に増して防湿兼気密層が接する木材付近において
腐朽などの問題が木造建築物の耐久性を短縮させる恐れ
がある。以上述べた事を整理すると下記の通りである。
この構造に於いては、壁の防湿兼気密層室外面までは、
屋外気とほぼ同じ絶対湿度、及び水蒸気分圧が作用する
こととなる。又、壁の内部温度は、屋内外の温度差と断
熱層などの熱伝導率によって左右される。本例の東京方
面の場合、冬の最低気温時に於ける外気と21℃に暖房
した室内では約6.8mmHgの水蒸気分圧差がある。
その水蒸気分圧差により室内から屋外に向かって湿流が
流れようとする。従って、それを止める為に断熱層の室
内側に防湿兼気密層を設けている。これにより冬の壁内
は多湿化や結露発生には至らない。一方、夏の外気水蒸
気分圧は、22.7mmHg、室内は12.3mmHg
(冷房により除湿される為)、その差10.4mmHg
で水蒸気は屋外より室内に流れようとする。従来のもの
は断熱層の室内側に防湿兼気密層を設けているので、多
湿化や結露発生の危険性が高い。つまり防湿兼気密層屋
外面での温度は室内の冷房気温に近く、屋外気温よりも
低温である。これに対して相対湿度は、絶対湿度、及び
水蒸気分圧の変化がなく、気温の低い空気状態となるの
で、結果として上昇することとなり、木材腐朽による木
造建築物の耐久性を短縮する危険性が高いなどの問題が
起きる。省エネルギーへの対応は地球環境保全に対する
先進国の責務である。一方、国民の資産である木造建築
物の耐久性はより長くする事が有益であり、短期に失う
危険を回避しなければならない。このような配慮が必要
となる背景は、冬期の気象条件が同等の諸外国と比較
し、日本が夏期に於いて高温多湿となる気候を持ち合わ
せているからである。この点をさらに詳述すると下記の
通りである。従来の技術では冬期の暖房エネルギー損失
を減少させることと、夏期の冷房エネルギー損失を減少
させることは可能であるが、夏期に於いて木造構造物の
内部環境が木材腐朽菌の生育環境として適してしまう危
険が高い。これは例として検討した夏期に於いて日常的
に冷房を行う東京をはじめとする東北から九州まで同様
のことが云える。念の為、申し添えると、木材の付近相
対湿度が80%、気温18℃より上昇するにつれ木材腐
朽菌の生育が活発化し、木材腐朽を進行させて行く。そ
の結果、木材の強度を失わせることとなり木造建築物の
耐久年数をかなり短縮して行く。断熱層は、温度の高い
方から低い方へ流れようとする熱エネルギーを断ち、省
エネルギー効果を得る。室内と屋外の気温は冬と夏では
逆転し、熱流方向も反転するが、断熱層によって省エネ
ルギー効果が得られるのは変わりない。一方、防湿兼気
密層は、水蒸気分圧の高い方から低い方へ流れようとす
る水蒸気エネルギーを断つ役割を果たす。従って、夏期
の防湿兼気密層は断熱層の屋外側に設ける事が理論的に
正しい。このように、防湿兼気密層を冬期は室内側に、
夏期は屋外側に張り替える事が理想的であるが、これは
物理的に不可能であることは云うまでもない。また、安
易に防湿兼気密層を室内側と屋外側の両方に設ける事
は、従来の技術よりも木材腐朽などを助成する最悪の結
果を招くことになる。ただ一つ、解決できる方法は、防
湿兼気密層を境界として内方と外方に断熱層を設ける事
である。すなわち、構造体内部環境が冬期暖房時に於い
て、気温15℃以内、相対湿度95%以内になるよう
に、一方夏期冷房時に相対湿度80%以内となるように
防湿兼気密層を境界とした内方と外方の熱抵抗比を構成
部材(空気層などを含む)の物性を基に決定することで
ある。本発明は、上述の通り構成されているので次に記
載する効果を奏する。ここで、本発明の冷暖房両用断熱
防湿気密パネル1を使用した木造建築物の構成を例にし
て、図20を参照して説明する。冷暖房両用断熱防湿気
密パネル1の内方断熱層1Bの室内側に石膏ボードなど
の内装材1Eが張設されている。また、冷暖房両用断熱
防湿気密パネル1の外方断熱層1Dの屋外側に外気連通
空気層1Fが設けられ、この外気連通空気層の屋外側に
外装材1Gが張設されている。1Cは防湿兼気密層であ
る。このような木造建築物を例に、図7、図8、図9で
示す室内外の気温、並びに絶対湿度など空気環境の条件
を変えて壁内環境について説明する。図中、10は気温
(℃)を示し、11は露点温度(℃)を示す。 1.東京方面の冬期壁内環境 図7は、東京方面の冬期に於ける壁内環境を表してい
る。 イ.屋外空気状態 気温:−1.9℃、相対湿度:64.0%、水蒸気分
圧:2. 5mmHg、絶対湿度:0. 002Kg/K
g’、露点温度:−7. 2℃。 ロ.暖房時に於ける室内空気状態 気温:21℃、相対湿度:50% ハ.防湿兼気密層室内面空気状態 気温:11.0℃、相対湿度:94.6%、水蒸気分
圧:9. 3mmHg、絶対湿度:0. 008Kg/K
g’、露点温度:10. 2℃。 ニ.以上のことから、冬期暖房時に於ける下記事項を指
摘することができる。防湿兼気密層1Cの室内面に於け
る気温は11℃で相対湿度は94. 6%であり、外方断
熱層1Dと外気連通空気層1Fの境界では気温は−1.
9℃で相対湿度は64%となる。この空気状態を「木材
腐朽の条件」に徴すると、結露、カビの増殖、木材腐朽
などの問題はない。 2.東京方面の夏期壁内環境 図8は、東京方面の夏期に於ける壁内環境を表してい
る。 イ.屋外空気状態 気温:33.0℃、相対湿度:60%、水蒸気分圧:2
2.7mmHg、絶対湿度:0.019Kg/Kg’、
露点温度:24.2℃。 ロ.冷房時に於ける室内空気状態 気温:25.5℃、相対湿度:50% ハ.防湿兼気密層屋外面空気状態 気温:28.8℃、相対湿度:75.9%、水蒸気分
圧:22.5mmHg、絶対湿度:0.019Kg/K
g’、露点温度:24.1℃。 ニ.以上のことから、夏期冷房時に於ける下記事項を指
摘することができる。防湿兼気密層1Cの屋外面に於け
る気温は28.8℃で相対湿度は75.9%であり、外
方断熱層1Dと外気連通空気層1Fの境界では気温は3
3℃で相対湿度は60.3%となる。この空気状態を
「木材腐朽の条件」に徴すると、結露、カビの増殖、木
材腐朽などの問題はない。 3.九州方面の夏期壁内環境 図9は、九州方面の夏期に於ける壁内環境を表してい
る。 イ.屋外空気状態 気温:33.5℃、相対湿度:63%、水蒸気分圧:2
4.7mmHg、絶対湿度:0.021Kg/Kg’、
露点温度:25.6℃。 ロ.冷房時に於ける室内空気状態 気温:25.5℃、相対湿度:50% ハ.防湿兼気密層屋外面空気状態 気温:29.5℃、相対湿度:78.7%、水蒸気分
圧:24.7mmHg、絶対湿度:0.021Kg/K
g’、露点温度:25.4℃。 ニ.以上のことから、夏期冷房時に於ける下記事項を指
摘することができる。防湿兼気密層1Cの屋外面に於け
る気温は29.5℃で相対湿度は78.7%であり、外
方断熱層1Dと外気連通空気層の境界では気温は33.
5℃で相対湿度は63.4%となる。この空気状態を
「木材腐朽の条件」に徴すると、結露、カビの増殖、木
材腐朽などの問題はない。上述のように建築物の耐久性
は、防湿兼気密層を境界とする内方と外方の熱抵抗比を
地域ごとに設定することによって維持され、理想的な建
築物を構築する事が可能となる。この場合、この設定に
当たっては、建築資材の透湿度、熱貫流率などの物性を
考慮に入れて対処することは当然である。これらの問題
をパネルにおいて解決する具体的方法は、防湿兼気密層
を境界として内方断熱層と外方断熱層から構成される構
造を持つことである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
する為に、下記のように構成されている。第1発明は、
枠1Aと、この枠内に設けた防湿兼気密層1Cと、この
防湿兼気密層を境界として設けられた内方断熱層1B
と、外方断熱層1Dから構成されている建築物における
冷暖房両用断熱防湿気密パネルである。第2発明は、正
面方形に構成された内方枠2Aと外方枠2Eと、内方枠
と外方枠で挟持された防湿兼気密層2Cと、この防湿兼
気密層を境界として設けられた内方断熱層2Bと外方断
熱層2Dから構成されている建築物における冷暖房両用
断熱防湿気密パネルである。第3発明は、正面方形に構
成された枠3Aと、この枠と一体構造の状態で設けた防
湿兼気密層3Cと、防湿兼気密層を境界として設けられ
た内方断熱層3Bと外方断熱層3Dから構成されている
建築物における冷暖房両用断熱防湿気密パネルである。
なお、第2発明については、下記のように構成すること
ができる。 1.構造強度を有する合板などの面材2Fが、内方枠2
Aと外方枠2Eの間の面、又は内方枠2Aの外方端面2
A1、あるいは外方枠2Eの外方端面2E1に設けられ
ている。 2.構造強度と防湿の機能を兼ねる合板などの面材2G
が、内方枠2Aと外方枠2Eの間の面に設けられてい
る。 また、第1発明、第2発明、第3発明については、下記
のように構成することができる。 1.外気連通空気層の下地2E2、外装材の下地あるい
はパネル外方補強材2E3、内装材の下地あるいはパネ
ル内方補強材2A2としての単一、又は複数の機能を有
するよう構成されている。 2.防湿兼気密層を境界として内方断熱層と外方断熱層
の材質、密度、厚さなどを適宜採択することにより防湿
兼気密層を境界とした内方と外方の熱抵抗比を自由に設
定することを可能に構成されている。 3.パネル内部環境が冬期暖房時においては温度が15
℃以内で相対湿度が95%以下になるように、また夏期
冷房時においては相対湿度が80%以下になるように防
湿兼気密層を境界とした内方と外方の熱抵抗比を、構成
部材における物性を基に決定するよう構成されている。
なお、上述の説明は壁構成を例としているが、天井、床
などに置き換えて構成しても有効である。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、実施例の形態を図示例と共
に説明する。1は第1発明の建築物における冷暖房両用
断熱防湿気密パネルで、正面方形に構成した枠1Aと、
この枠内に設けた防湿兼気密層1Cと、この防湿兼気密
層1Cを境界として設けられた内方断熱層1Bと、外方
断熱層1Dから構成されている。2は第2発明の建築物
における冷暖房両用断熱防湿気密パネルで、正面方形に
構成された内方枠2Aと外方枠2Eと、内方枠と外方枠
で挟持された防湿兼気密層2Cと、この防湿兼気密層2
Cを境界として設けられた内方断熱層2Bと外方断熱層
2Dから構成されている。なお、建築物における冷暖房
両用断熱防湿気密パネル1、2において枠1Aと内方枠
2Aと、外方枠2Eは木材、金属及び合成樹脂などの材
料で構成されている。この建築物における冷暖房両用断
熱防湿気密パネル2は、上述のほか下記のように構成す
ることができる。 A.構造強度を有する合板などの面材2Fが、内方枠2
Aと外方枠2Eの間の面、又は内方枠2Aの外方端面2
A1、あるいは外方枠2Eの外方端面2E1に設けられ
ている。(図13,14,15,16参照) 構造強度を有する合板などの面材2Fは木材、金属及び
合成樹脂などの材料で構成されている。 B.構造強度と防湿機能を兼ねる合板などの面材2G
が、内方枠2Aと外方枠2Eの間の面に設けられてい
る。構造強度と防湿機能を兼ねる合板などの面材2Gは
木材、金属及び合成樹脂などの材料で構成されている。
3は第3発明の建築物における冷暖房両用断熱防湿気密
パネルで、正面方形に構成された枠3Aと、この枠3A
と一体構造の状態で設けた防湿兼気密層3Cと、その防
湿兼気密層3Cを境界として設けられた内方断熱層3B
と外方断熱層3Dから構成されている。 (図12参照) なお、建築物における冷暖房両用断熱防湿気密パネル3
において、枠3A並びにこの枠3Aと一体構造の状態で
設けた防湿兼気密層3Cは木材、金属及び合成樹脂など
の材料で構成されている。建築物における冷暖房両用断
熱防湿気密パネル1,2及び3は上述のほか下記のよう
に構成することができる。(図17,18参照) 以下、第2発明を例にしてその構成を図示例と共に説明
する。 A.外気連通空気層2Iの下地2E2、外装材2Jの下
地あるいはパネル外方補強材2E3、内装材2Hの下地
あるいはパネル内方補強材2A2としての単一の機能、
又は複数の機能を有するよう構成されている。 B.防湿兼気密層2Cを境界として内方断熱層2Bと外
方断熱層2Dの材質、密度、厚さなどを適宜採択するこ
とにより防湿兼気密層を境界とした内方と外方の熱抵抗
比を自由に設定することが可能なように構成されてい
る。 C.パネル内部環境が冬期暖房時においては温度が15
℃以内で相対湿度が95%以下になるように、また夏期
冷房時においては相対湿度が80%以下となるように防
湿兼気密層2Cを境界とした内方と外方の熱抵抗比を、
構成部材における物性を基に決定し構成されている。な
お、建築物における冷暖房両用断熱防湿気密パネル1,
2及び3における防湿兼気密層1C,2C及び3Cは、
金属系材料、高密度ポリエチレンその他合成樹脂などの
材料で構成されていると共に、内方断熱層1B,2B及
び3Bと外方断熱層1D,2D及び3Dは、繊維系断熱
材、プラスチック系断熱材、空気層などで一層、又は複
数層で構成されている。
【0006】
【実施例】本発明の冷暖房両用断熱防湿気密パネルの建
築物における使用形態について概略説明する。 1.建築物における冷暖房両用断熱防湿気密パネル1,
2及び3は、所定の強度を持たせる事により、枠組壁工
法の壁に使用することができる。 2.建築物における冷暖房両用断熱防湿気密パネル1,
2及び3は、建築工法、及び新築、既存建築物を問わ
ず、建築物の側面に張設することができる。(図19参
照) 3.建築物における冷暖房両用断熱防湿気密パネル1,
2及び3は、壁を例としているが、天井、床などに置き
換えて構成しても同様の機能を得ることができる。 4.建築物における冷暖房両用断熱防湿気密パネル1,
2及び3は、間仕切り壁と構成しても同様の機能を得る
ことができる。
【0007】
【発明の効果】以上説明した本発明におけるパネルにつ
いて下記の効果を期待することができる。 1.単一のパネルにおいて、パネル自体の強度維持、熱
の遮断、水蒸気移動の遮断、所定の構造強度を満たす機
能を兼ね備えることができる。 2.枠を内方及び外方に分割し、その間に防湿兼気密層
を挟持させることにより、枠自体の熱抵抗比の設定及び
防湿性能の確保が可能となる。 3.パネル自体の強度を補強する内方補強材と外方補強
材を一致させない配置、あるいは縦、横に交差する配置
などとすることができ、熱損失を最小限にすることが可
能となる。よって、冷暖房での省エネルギー効果が期待
できる。 4.建築物を構成するパネルを一年を通して木材腐朽菌
などのカビ、並びに白蟻、ダニなどの生育に適さない環
境下に置くことができ、耐久性能向上が期待できる。よ
って建て替えサイクルが延び、資源を節約できる。 5.パネルの耐久性能向上による建築資源保護と、断熱
性能向上によるエネルギー資源保護の総合的な地球環境
保全効果を期待することができる。 6.夏期冷房時において密閉化が進んだ建築物に発生す
る過敏性肺炎などの疾患の原因となるカビの生育に適さ
ない建築物を構築することができ、住環境保全効果が期
待できる。 7.外気連通空気層の確保、外装材料の下地材としての
機能を兼ね備えることができ、省施工が可能となる。 8.建築物に於ける内装材料の下地材としての機能を兼
ね備えることができ、省施工が可能となる。 9.合板などの面材を内方枠または外方枠の端面及び内
方枠と外方枠の間に張設することにより、枠組壁工法に
於いて主要部材として使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の枠組壁工法における木造建築物の略図的
縦断面図である。
【図2】従来の枠組壁の拡大縦断面図である。
【図3】A−A線拡大断面図である。
【図4】屋外絶対湿度が0.002Kg/Kg’の場合
における従来の断熱構造の冬期の状態を説明する縦断面
図である。
【図5】屋外絶対湿度が0.019Kg/Kg’の場合
における従来の断熱構造の夏期の状態を説明する縦断面
図である。
【図6】屋外絶対湿度が0.021Kg/Kg’の場合
における従来の断熱構造の夏期の状態を説明する縦断面
図である。
【図7】屋外絶対湿度が0.002Kg/Kg’の場合
における本発明の断熱構造の冬期の状態を説明する縦断
面図である。
【図8】屋外絶対湿度が0.019Kg/Kg’の場合
における本発明の断熱構造の夏期の状態を説明する縦断
面図である。
【図9】屋外絶対湿度が0.021Kg/Kg’の場合
における本発明の断熱構造の夏期の状態を説明する縦断
面図である。
【図10】第1発明の冷暖房両用断熱防湿気密パネルの
略図的縦断面図である。
【図11】第2発明の冷暖房両用断熱防湿気密パネルの
略図的縦断面図である。
【図12】第3発明の冷暖房両用断熱防湿気密パネルの
略図的縦断面図である。
【図13】第2発明の冷暖房両用断熱防湿気密パネルに
合板などの面材を張設した場合の略図的縦断面図であ
る。
【図14】第2発明の冷暖房両用断熱防湿気密パネルに
合板などの面材を張設した場合の略図的縦断面図であ
る。
【図15】第2発明の冷暖房両用断熱防湿気密パネルに
合板などの面材を張設した場合の略図的縦断面図であ
る。
【図16】第2発明の冷暖房両用断熱防湿気密パネルに
構造強度と防湿機能を兼ねる合板などの面材を張設した
場合の略図的縦断面図である。
【図17】本発明の冷暖房両用断熱防湿気密パネルに外
気連通空気層の下地などの機能付加した場合の略図的縦
断面図である。
【図18】B−B線拡大断面図である。
【図19】本発明の冷暖房両用断熱防湿気密パネルを建
築物の側面に張設した場合の略図的縦断面図である。
【図20】本発明の冷暖房両用断熱防湿気密パネルを使
用した木造建築物の構成を説明する要部の縦断面図であ
る。
【符号の説明】
1 建築物における冷暖房両用断熱防湿気密パネル 1A 枠 1B 内方断熱層 1C 防湿兼気密層 1D 外方断熱層 1E 内装材 1F 外気連通空気層 1G 外装材 2 建築物における冷暖房両用断熱防湿気密パネル 2A 内方枠 2B 内方断熱層 2C 防湿兼気密層 2D 外方断熱層 2E 外方枠 3 建築物における冷暖房両用断熱防湿気密パネル 3A 枠 3B 内方断熱層 3C 防湿兼気密層 3D 外方断熱層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上谷地 朋之 北海道札幌市白石区本通14丁目北1番26号 江本工業株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 枠(1A)と、この枠内に設けた防湿兼
    気密層(1C)と、この防湿兼機密層を境界として設け
    られた内方断熱層(1B)と外方断熱層(1D)から構
    成されていることを特徴とする建築物における冷暖房両
    用断熱防湿気密パネル。
  2. 【請求項2】 正面方形に構成された内方枠(2A)と
    外方枠(2E)と、内方枠と外方枠で挟持された防湿兼
    気密層(2C)と、この防湿兼気密層を境界として設け
    られた内方断熱層(2B)と外方断熱層(2D)から構
    成されていることを特徴とする建築物における冷暖房両
    用断熱防湿気密パネル。
  3. 【請求項3】 正面方形に構成された枠(3A)と、こ
    の枠と一体構造の状態で設けた防湿兼気密層(3C)
    と、防湿兼気密層を境界として設けられた内方断熱層
    (3B)と外方断熱層(3D)から構成されていること
    を特徴とする建築物における冷暖房両用断熱防湿気密パ
    ネル。
  4. 【請求項4】 構造強度を有する合板などの面材(2
    F)が、内方枠(2A)と外方枠(2E)の間の面、又
    は内方枠(2A)の外方端面(2A1)、あるいは外方
    枠(2E)の外方端面(2E1)に設けられている請求
    項2記載の建築物における冷暖房両用断熱防湿気密パネ
    ル。
  5. 【請求項5】 構造強度と防湿の機能を兼ねる合板など
    の面材(2G)が、内方枠(2A)と外方枠(2E)の
    間の面に設けられている請求項2記載の建築物における
    冷暖房両用断熱防湿気密パネル。
  6. 【請求項6】 外気連通空気層の下地(2E2)、外装
    材の下地あるいはパネル外方補強材(2E3)、内装材
    の下地あるいはパネル内方補強材(2A2)としての単
    一、又は複数の機能を有するよう構成されている請求項
    1ないし請求項5のいずれかに記載の建築物における冷
    暖房両用断熱防湿気密パネル。
  7. 【請求項7】 防湿兼気密層を境界として内方断熱層と
    外方断熱層の材質、密度、厚さなどを適宜採択すること
    により防湿兼気密層を境界とした内方と外方の熱抵抗比
    を自由に設定することを可能に構成されている請求項1
    ないし請求項6のいずれかに記載の建築物における冷暖
    房両用断熱防湿気密パネル。
  8. 【請求項8】 パネル内部環境が冬期暖房時においては
    温度が15℃以内で相対湿度が95%以下になるよう
    に、また夏期冷房時においては相対湿度が80%以下に
    なるように防湿兼気密層を境界とした内方と外方の熱抵
    抗比を、構成部材における物性を基に決定するよう構成
    されている請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の
    建築物における冷暖房両用断熱防湿気密パネル。
JP22706995A 1995-08-11 1995-08-11 建築物における冷暖房両用断熱防湿気密パネル Pending JPH0953282A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015517039A (ja) * 2012-04-04 2015-06-18 テクニウッド アンテルナシオナルTechniwood International 改良型多プライパネル
JP6117420B1 (ja) * 2016-12-16 2017-04-19 有限会社岡野住宅 二重断熱工法

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