JP6117420B1 - 二重断熱工法 - Google Patents

二重断熱工法 Download PDF

Info

Publication number
JP6117420B1
JP6117420B1 JP2016244240A JP2016244240A JP6117420B1 JP 6117420 B1 JP6117420 B1 JP 6117420B1 JP 2016244240 A JP2016244240 A JP 2016244240A JP 2016244240 A JP2016244240 A JP 2016244240A JP 6117420 B1 JP6117420 B1 JP 6117420B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat insulating
insulating material
fixed
stage
material storage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016244240A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018096170A (ja
Inventor
孝祐 岡野
孝祐 岡野
Original Assignee
有限会社岡野住宅
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 有限会社岡野住宅 filed Critical 有限会社岡野住宅
Priority to JP2016244240A priority Critical patent/JP6117420B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6117420B1 publication Critical patent/JP6117420B1/ja
Publication of JP2018096170A publication Critical patent/JP2018096170A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Building Environments (AREA)
  • Load-Bearing And Curtain Walls (AREA)

Abstract

【課題】建築作業の効率化と安全を確保すると共に、建築構造部材による熱橋現象を最小限に留めることができる木造軸組工法で建造される木造建築物の屋根構造及び外周壁構造における二重断熱工法の提供を図る。【解決手段】構造用合板40を中間に介してその上段(外側)及び下段(内側)に夫々垂木20,30(間柱60,70)が配設されると共に、該垂木20,30(間柱60,70)が上段(外側)と下段(内側)とで位置をずらして配設されることで、該構造用合板40の上段(外側)及び下段(内側)に夫々断熱材収納部24,34(64,74)が形成され、かかる上段(外側)と下段(内側)の断熱材収納部24,34(64,74)に夫々断熱材Fが充填される手段。【選択図】図1

Description

本発明は、建築作業の効率化と安全を確保すると共に、建築構造部材による熱橋現象を最小限に抑制可能な、木造軸組工法で建造される木造建築物の屋根構造及び外周壁構造における二重断熱工法に関する。
現在の我が国の住宅建築市場においては、ゼロエネルギーハウス(ZEH)や高度省エネ住宅(BELS)等が占める住宅環境対策を備えた住宅建築が広く普及し、建築の一次エネルギーを効率よく削減すると共に、建物外皮性能を向上させる手段として多く用いられている。
上記の建築工法を利用した壁建築構造を例に挙げると、ツーバイフォー工法でツーバイシックス材を使い断熱材の厚さ140mmを使用した木造軸組工法の場合は、105角の柱に60mm程度の断熱材を外側に付加した付加断熱工法が従来から広く施工されている。該付加断熱工法おける断熱力値は、無抵抗地×厚みの比で求められるもので、その断熱力値は壁を厚くするかまたは断熱材を厚くすれば当然高断熱化を図ることができる。その反面、窓結露の問題が発生してくるため、近年においては、窓自体も高性能化してきており、日本で流通している断熱力の高いペアガラスやトリプルガラスサッシは「半外/外付け」によって取り付けられるため、壁の厚さが厚くなるに伴って窓自体のガラス面が外壁側にずれていくことによって、窓下部付近に冷気溜まりが生じ、結露の原因となるものであった。
また、冬季において快適に過ごせると言われる室内環境(気温:23℃相対湿度50%)の条件下では、現在国内メーカーで流通している真空トリプルガラス樹脂サッシ(サッシ熱貫流率0.9以下)を例に採ると、外気温が0℃の場合で180mmの壁厚さが許容限界値となっていることから、低コストの実現ならびに建築意匠デザインを損なうことなく更なる高断熱化ならびに外皮性能を上げていくためには、木造建築物の内外壁以外の箇所に新たな断熱手段を付加する断熱工法が求められるものである。
上記における具体的な木造建築物の壁の構築方法としては、付加断熱を追加することなく、必要な断熱材の厚さを確保できる特許第5913702号公報に開示された「木造建築物の外周壁構築工法」(特許文献1)が本出願人より提案され、公知技術となっている。かかる提案の具体的内容は、木造軸組工法で建造される木造建築物の外周壁を構築するための工法であって、外周壁の隅柱や構造柱の間に配される間柱として、太さ寸法が8インチ以上の規格生産されたツーバイ材を使用し、該間柱の柱頭を桁材の幅及び太さ寸法分だけカットしたL字加工を施し、構造柱や間柱の内側面に内壁材が装着されると共に、隅柱や構造柱と間柱の外側面に外壁材が装着され、該内壁材と外壁材とで形成される中空部内に断熱材が充填されて成り、前記間柱の太さ寸法を8インチ以上としたことで厚みを増した前記外周壁について、壁芯を所定寸法分ほど外側へ移動しオフセットされて成る手段を採用するものである。
しかしながら、該特許第5913702号公報に開示の提案によれば、木造建築物の外周壁に限定される工法であることから、屋根部分の断熱機能が図れないと同時に、屋根裏ならびに外周壁の間に連通する通気空間が形成されていないことによって、住宅構造物内に発生する伝導熱ならびに輻射熱と対流熱を抑制することができない、といった問題点があった。
また、木造建築物の屋根の構築方法としては、住宅の屋根断熱構造を、容易に形成出来るようにすると共に、熱伝達の3要素である伝導、対流、輻射の全ての面から対応出来るようにした特開2003−176595号公報に開示された「住宅の屋根断熱構造」(特許文献2)が提案され、公知技術となっている。かかる提案の具体的内容は、住宅の小屋組みの垂木間に嵌入保持した断熱材の上面に、上下複数の表面にアルミ箔層を備えたシートを折曲自在な起立片で連結して、各シート間に空気層空間を形成して輻射熱反射作用と空気流通作用を付与すると共に、上面シートに面材を一体化した遮熱材、を配置固定し、屋根外面からの伝達熱のうちの輻射熱と対流熱を遮熱材で抑制し、伝導熱を断熱材で抑制する手法を採用するものである。
しかしながら、該特開2003−176595号公報に開示の提案によれば、垂木間に形成される断熱材の収納空間が全面的に開口されていることから、作業者が施工中に足を踏み外す危険性があると共に、その危険性を回避するために施工性が極めて非効率であるという問題点があった。
また、熱橋の数量を減少させて、しかも、部品点数を増大させることなく、連続した気密層を得られる屋根部の断熱構造を提供することができる特開2005−350889号公報に開示された「屋根部の断熱構造」(特許文献3)が提案され、公知技術となっている。かかる提案の具体的内容は、建物の外壁部を構成する外壁部材の上端面と、略同一高さ位置に設けられる上端面部を有する複数の梁材を少なくとも、該外壁部材の内側に沿って固着すると共に、前記外壁部材の上端面及び前記上端面部と、略同一高さ位置に略面一となる上面部を有する天井部を構成し、前記梁材の上端面部の上側に、該天井部と別体で構成された屋根断熱パネル部材を、載置することにより、該屋根断熱パネル部材に設けられた屋根部断熱材によって、前記天井を上方向から覆うように装着する屋根部を有し、しかも、該屋根部断熱材の周縁には、略水平方向に、一体となるように延設することにより、前記梁材の上端面部及び外壁部材の上端面を覆う延設断熱部を有する手段を採用するものである。
しかしながら、該特開2005−350889号公報に開示の提案によれば、屋根断熱パネル部材を係止する転び止め部材が設けられていないことによって、熱橋の数量を減少させて断熱部品点数を増減させることなく連続した屋根部の断熱構造を実現することができるが、上記特許文献2と同様に、垂木間に形成される断熱材の収納空間が全面的に開口されていることから、作業者が施工中に足を踏み外す危険性があると共に、その危険性を回避するために施工性が極めて非効率であるという問題点があった。
本出願人は、上記のような外壁ならびに屋根の断熱構造の問題点に着目し、熱橋現象を抑えることで断熱材の厚みを必要以上厚くせずとも高断熱化が図れないものかという着想の下、断熱材の厚さについて400mm以上を確保しつつ、低コストの実現ならびに建築作業の効率化と安全を確保すると共に、建築構造部材による熱橋現象を最小限に抑制することができる二重断熱工法を開発し、本発明における「二重断熱工法」の提案に至るものである。
特許第5913702号公報 特開2003−176595号公報 特開2005−350889号公報
本発明は、上記問題点に鑑み、建築作業の効率化と安全を確保すると共に、建築構造部材による熱橋現象を最小限に留めることができる木造軸組工法で建造される木造建築物の屋根構造及び外周壁構造における二重断熱工法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は、木造軸組工法で建造される木造建築物の屋根構造における二重断熱工法であって、所要長さ・高さ・幅を有する複数の下段垂木が桁・母屋・棟木の上に所定間隔を空けて架設固定されると共に、該下段垂木の上面に通気性を有する構造用合板が被覆固定されることで、下方が開口する下段断熱材収納部を形成し、所要長さ・高さ・幅を有する複数の上段垂木が前記構造用合板の上面であって隣り合う前記下段垂木間の略中央位置に配設固定されることで、上方が開口する上段断熱材収納部を形成し、前記上段断熱材収納部に上方から断熱材が充填されると共に、前記上段垂木の上方に屋根部材が被覆固定され、且つ、前記下段断熱材収納部に下方から断熱材が充填されると共に、前記下段垂木の下方に天井部材が被覆固定されて成る手段を採用する。
また、本発明は、前記下段断熱材収納部において、所要長さ・高さ・幅を有する複数の下段転び止め部材が前記下段垂木と直交するように所定間隔を空けて配設固定されると共に、前記上段断熱材収納部において、所要長さ・高さ・幅を有する複数の上段転び止め部材が隣り合う前記下段転び止め部材間の略中央位置に前記上段垂木と直交するように配設固定されて成る手段を採用し得る。
さらに、本発明は、前記上段垂木が、前記上段断熱材収納部に充填される前記断熱材の高さ寸法よりも大きい高さ寸法を有して形成されて成る手段を採用し得る。
またさらに、本発明は、木造軸組工法で建造される木造建築物の外周壁構造における二重断熱工法であって、所要長さ・厚さ・幅を有する複数の内側間柱が構造柱間に所定間隔を空けて配設固定されると共に、該内側間柱の外側面に通気性を有する構造用合板が被覆固定されることで、内方が開口する内側断熱材収納部を形成し、所要長さ・厚さ・幅を有する複数の外側間柱が前記構造用合板の外側面であって隣り合う前記内側間柱間の略中央位置に配設固定されることで、外方が開口する外側断熱材収納部を形成し、前記外側断熱材収納部に外方から断熱材が充填されると共に、前記外側間柱の外方に外壁部材が被覆固定され、且つ、前記内側断熱材収納部に内方から断熱材が充填されると共に、前記内側間柱の内方に内壁部材が被覆固定されて成る手段を採用する。
さらにまた、本発明は、前記内側断熱材収納部において、所要長さ・高さ・幅を有する複数の内側転び止め部材が前記内側間柱と直交するように所定間隔を空けて配設固定され、前記外側断熱材収納部において、所要長さ・高さ・幅を有する複数の外側転び止め部材が隣り合う前記内側転び止め部材間の略中央位置に前記外側間柱と直交するように配設固定されて成る手段を採用し得る。
そしてまた、本発明は、前記外側間柱が、前記外側断熱材収納部に充填される前記断熱材の高さ寸法よりも大きい高さ寸法を有して形成されて成る手段を採用し得る。
本発明にかかる二重断熱工法によれば、天井部を構成する上下段垂木や上下段転び止め部材が互いに交互にずらして配設されていることによって、作業者が構造用合板上に足を置いても下段垂木や下段転び止め部材が支えとなって抜け落ちる心配がないことから、施工中に足を踏み外す危険性が無く且つその危険性を回避する必要性も無いため、安全性の確保と施工性の向上に資する、といった優れた効果を奏する。
また、本発明にかかる二重断熱工法によれば、断熱材が天井部に二重に配設されることから、屋根面にトップライトを取り付けても室内側は屋根付近の気温が一番高いため必然的に露点温度も高くなり、さらにそのトップライト付近における熱貫流率U値が2.3程度を確保することができることで、天井部における結露の発生を抑制できる、といった優れた効果を奏する。
さらに、本発明にかかる二重断熱工法によれば、天井部を構成する上下段垂木や上下段転び止め部材が互いに交互にずらして配設されることによって、天井構造の面剛性が向上すると共に、垂木や転び止め部材を介する熱橋経路が直線的ではなく複雑な屈曲経路を辿ることとなり、しかも構造用合板によって熱橋経路が一端遮断されることとなるため、熱橋(ヒートブリッジまたはクールビレッジ)現象を最小限に抑制することが可能であって、天井面全体での室内温度分布が均一になる、といった優れた効果を奏する。
またさらに、本発明にかかる二重断熱工法によれば、外壁部材によって少なくとも下段垂木の高さ位置まで外壁面を形成することによって、ケラバの厚みを抑制することが可能であって、破風板の厚さを垂木や断熱材の厚みに合わせることなく屋根全体をスリムに形成することができるため、建物の外観に対して自由設計度の高い建築意匠性を確保できる、といった優れた効果を奏する。
さらにまた、本発明にかかる二重断熱工法によれば、上段垂木が断熱材の高さ寸法よりも大きい高さ寸法を有して形成されることで、断熱材と屋根部材の間に通気空間が形成され、天井空間に換気機能を実現し得る、といった優れた効果を奏する。
そしてまた、本発明にかかる二重断熱工法によれば、外壁部を構成する内外の間柱や内外の転び止め部材が互いに交互にずらして配設されることによって、外壁構造の面剛性が向上すると共に、間柱や転び止め部材を介する熱橋経路が直線的ではなく複雑な屈曲経路を辿ることとなり、しかも構造用合板によって熱橋経路が一端遮断されることとなるため、熱橋(ヒートブリッジまたはクールビレッジ)現象を最小限に抑制することが可能であって、内壁面全体での室内温度分布が均一になる、といった優れた効果を奏する。
さらにまた、本発明にかかる二重断熱工法によれば、外側間柱が断熱材の高さ寸法よりも大きい高さ寸法を有して形成されることで、断熱材と外壁部材の間に通気空間が形成され、外壁空間に換気機能を実現し得る、といった優れた効果を奏する。
本発明にかかる屋根構造における二重断熱工法の実施形態を示す側面図である。(実施例1) 本発明にかかる屋根構造における二重断熱工法の実施形態を示す正面図である。(実施例1) 本発明にかかる屋根構造における二重断熱工法の実施形態を示す斜視説明図である。(実施例1) 本発明にかかる外周壁構造における二重断熱工法の実施形態を示す平面図である。(実施例2) 本発明にかかる外周壁構造における二重断熱工法の実施形態を示す側面図である。(実施例2) 本発明にかかる外周壁構造における二重断熱工法の実施形態を示す斜視説明図である。(実施例2)
本発明にかかる二重断熱工法は、構造用合板を中間に介してその上段(外側)及び下段(内側)に夫々垂木(間柱)が配設されると共に、該垂木(間柱)が上段(外側)と下段(内側)とで位置をずらして配設されることで、該構造用合板の上段(外側)及び下段(内側)に夫々断熱材収納部が形成され、かかる上段(外側)と下段(内側)の断熱材収納部に夫々断熱材が充填される手段を採ったことを最大の特徴とする。
以下、本発明にかかる二重断熱工法の実施形態を、図面に基づいて説明する。
尚、本発明にかかる二重断熱工法は、以下に述べる実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内、すなわち同一の作用効果を発揮できる形状や寸法、材質等の範囲内で、適宜変更することができる。
図1乃至図3は、本発明にかかる屋根構造における二重断熱工法の実施形態を示しており、図1は側面図、図2は正面図、図3は斜視説明図である。
本発明にかかる屋根構造における二重断熱工法は、所要長さ・高さ・幅を有する複数の下段垂木20が桁11・母屋12・棟木13の上に所定間隔を空けて架設固定されると共に、該下段垂木20の上面に通気性を有する構造用合板40が被覆固定されることで、下方が開口する下段断熱材収納部24を形成し、また、所要長さ・高さ・幅を有する複数の上段垂木30が前記構造用合板40の上面であって隣り合う前記下段垂木20間の略中央位置に配設固定されることで、上方が開口する上段断熱材収納部34を形成し、さらに、前記上段断熱材収納部34に上方から断熱材Fが充填されると共に、前記上段垂木30の上方に屋根部材36が被覆固定され、且つ、前記下段断熱材収納部24に下方から断熱材Fが充填されると共に、前記下段垂木20の下方に天井部材26が被覆固定されて成る手段を以って実施される。
下段垂木20は、所要長さ・高さ・幅を有するもので、例えば長さ4,000mm、高さ200mm、幅45mm以上の杉加工材が使用される。一般的な垂木の高さは概ね45〜105mm程度であるが、本発明では垂木の高さが断熱材Fの厚さに関係するため、必要な断熱材Fの厚さを確保すべく、200mmの高さ寸法を有する垂木が使用される。また、材質については、杉のほか、マツやヒノキ、SPFなど、種々のものが考え得る。
本発明にかかる屋根構造における二重断熱工法では、複数の下段垂木20が用いられ、桁11・母屋12・棟木13の上に所定間隔を空けて架設固定される。一の屋根構造に用いられる下段垂木20の数については、屋根幅及び施工間隔によって決定される。下段垂木20と桁11との固定金具には、例えばラフターロック金具Rが用いられる。該ラフターロック金具Rを用いることで、下段垂木20の端面と桁11の外側面とを面一に揃えることが可能となる。下段垂木20の架設間隔については、特に限定するものではないが、断熱材Fが丁度収まる間隔すなわち隣り合う下段垂木20との内側間隔と断熱材Fの幅とを合わせることが好ましく、例えば中心間隔を455mm(内側間隔410mm)とする態様が考え得る。
架設固定された複数の下段垂木20の上面は、構造用合板40で被覆される。該構造用合板40は、通気性を有するものであって、面剛性を確保できる通気タイプの合板やインシュレーションボードが使用される。該該構造用合板40は、下段垂木20に対し、上方から釘等によって打ち付けることで固定される。このように下段垂木20の上面に構造用合板40が被覆されることで、上方が構造用合板40で閉口され、下方が開口し、隣り合う下段垂木20で挟まれた空間が形成され、この空間が断熱材Fを充填するための下段断熱材収納部24となる。
ところで、前記下段断熱材収納部24において、図面に示すように、複数の下段転び止め部材22が配設固定される態様が考え得る。該下段転び止め部材22は、所要長さ・高さ・幅を有するもので、長さは隣り合う下段垂木20の内側間隔と略同一であり、また、高さは下段垂木20の高さと略同一であって、例えば長さ410mm、高さ200mm、幅24mm以上の杉加工材が使用される。下段転び止め部材22の材質については、下段垂木20と同様、杉のほか、マツやヒノキ、SPFなど、種々のものが考え得る。
下段転び止め部材22は、下段垂木20と直交するように所定間隔を空けて配設され、下段垂木20と釘打ちや接着等により固定される。一の屋根構造に用いられる下段転び止め部材22の本数については、下段垂木20の長さ(屋根の長さ)及び施工間隔によって決定される。下段転び止め部材22の配設間隔については、特に限定するものではないが、断熱材Fが丁度収まる間隔すなわち隣り合う下段転び止め部材22との内側間隔と断熱材Fの長さとを合わせることが好ましく、例えば中心間隔を1,390mm(内側間隔1,365mm)とする態様が考え得る。このように、複数の下段転び止め部材22が配設固定されることで、上方が構造用合板40で閉口され、下方が開口し、隣り合う下段垂木20と下段転び止め部材22とで囲われた空間が形成され、この空間が断熱材Fを充填するための下段断熱材収納部24となる。
上段垂木30は、所要長さ・高さ・幅を有するもので、断熱材Fの高さ寸法よりも大きい高さ寸法を有して形成されることが好ましく、例えば長さ4,000mm、高さ230mm、幅45mm以上の杉加工材もしくはツーバイ材が使用される。このように、上段垂木30の高さについて、下段垂木20と異なり断熱材Fの高さ寸法よりも大きくしたことで、後述する上段断熱材収納部34に充填される断熱材Fや上段転び止め部材32の上面と上段垂木30の上縁とで約30mmの背高差が発生し、これにより屋根部材36と断熱材Fや上段転び止め部材32の上面との間に30mmの隙間空間が形成され、この隙間空間が通気層Wとして機能することとなる。尚、上段垂木30の材質については、下段垂木20と同様、杉のほか、マツやヒノキ、SPFなど、種々のものが考え得る。
本発明にかかる屋根構造における二重断熱工法では、複数の上段垂木30が用いられ、構造用合板40の上面に所定間隔を空けて配設固定される。一の屋根構造に用いられる上段垂木30の数については、屋根幅及び施工間隔によって決定される。上段垂木30の配設位置は、隣り合う下段垂木20間の略中央位置であり、よって上段垂木30の配設間隔は、下段垂木20の架設間隔と同様、断熱材Fが丁度収まる間隔すなわち断熱材Fの幅と略同一であって、例えば中心間隔が455mm(内側間隔410mm)となる。上段垂木30は、構造用合板40に対し、下方から釘等によって打ち付けることで固定される。このように構造用合板40の上面に上段垂木30が配設されることで、上方が開口し、下方が構造用合板40で閉口され、隣り合う上段垂木30で挟まれた空間が形成され、この空間が断熱材Fを充填するための上段断熱材収納部34となる。
ところで、前記上段断熱材収納部34において、図面に示すように、複数の上段転び止め部材32が配設固定される態様が考え得る。該上段転び止め部材32は、所要長さ・高さ・幅を有するもので、長さは隣り合う上段垂木30の内側間隔と略同一であり、また、高さは上段垂木30の高さよりも低い寸法であって、例えば長さ410mm、高さ200mm、幅24mm以上の杉加工材が使用される。上段転び止め部材32の材質については、上段垂木30と同様、杉のほか、マツやヒノキ、SPFなど、種々のものが考え得る。
上段転び止め部材32は、上段垂木30と直交するように所定間隔を空けて配設され、上段垂木30あるいは構造用合板40と釘打ちや接着等により固定される。一の屋根構造に用いられる上段転び止め部材32の本数については、上段垂木30の長さ(屋根の長さ)及び施工間隔によって決定される。上段転び止め部材32の配設位置は、隣り合う下段転び止め部材22間の略中央位置であり、よって上段転び止め部材32の配設間隔は、下段転び止め部材22の配設間隔と同様、断熱材Fが丁度収まる間隔すなわち断熱材Fの長さと略同一であって、例えば中心間隔が1,390mm(内側間隔1,365mm)となる。このように、複数の上段転び止め部材32が配設固定されることで、上方が開口し、下方が構造用合板40で閉口され、隣り合う上段垂木30と上段転び止め部材32とで囲われた空間が形成され、この空間が断熱材Fを充填するための上段断熱材収納部34となる。
前記下段断熱材収納部24及び上段断熱材収納部34には、断熱材Fが充填される。該断熱材Fは、材質・種類について特に限定するものではなく、例えば、厚み200mm 幅410〜417mm 長さ1650mmを有する高性能のグラスウールやロックウール等の繊維系断熱材や、ウレタンフォームやスタイロフォーム等の発泡系断熱材など、用途やコストに合わせて選定される。
尚、屋根の周縁部に存する下段断熱材収納部24及び上段断熱材収納部34は、断熱材Fをそのまま収容できずにはみ出してしまう場合が考え得る。その場合は、断熱材Fを収容可能な形状にカットして充填すれば足りる。また、かかる周縁部に充填された断熱材Fは側面が露出することとなるため、その露出面は外壁部材や各転び止め部材22,32、その他の部材により被覆されることを要する。
前記上段垂木30の上方は、屋根部材36で被覆され固定される。屋根部材36としては、例えば、野地板や気密性防水シート、ガルバリウム鋼板(登録商標)、アスファルトシングル等が使用される。
前記下段垂木20の下方は、天井部材26で被覆され固定される。天井部材26としては、例えば、吸音ボード、石膏ボード、防湿シート、天井壁紙、化粧天井材等が使用される。
以上で構成される本発明にかかる屋根構造における二重断熱工法について、その施工手順を説明する。
(1)複数の下段垂木20を桁11・母屋12・棟木13の上に所定間隔を空けて架設し、ラフターロック金具R等を用いて固定する。
(2)架設された複数の下段垂木20の上面を構造用合板40で被覆し、釘打ち等で固定する。これにより、下段断熱材収納部24が形成される。
(3)必要に応じて、複数の下段転び止め部材22を下段垂木20と直交するように所定間隔を空けて配設し、釘打ち等で固定する。
(4)構造用合板40の上面に複数の上段垂木30を所定の位置に配設し、構造用合板40の下方から釘打ち等で固定する。尚、上段垂木30の配設位置は、隣り合う下段垂木20間の略中央位置となる。これにより、上段断熱材収納部34が形成される。
(5)必要に応じて、複数の上段転び止め部材32を上段垂木30と直交するように所定の位置に配設し、釘打ち等で固定する。尚、上段転び止め部材32の配設位置は、隣り合う下段転び止め部材22間の略中央位置となる。
(6)上段断熱材収納部34に断熱材Fを充填する。
(7)上段垂木30の上方に屋根部材36を被覆し、釘打ち等で固定する。
(8)下段断熱材収納部24に断熱材Fを充填する。
(9)下段垂木20の下方に天井部材26を被覆し、釘打ち等で固定する。
以上のとおり施工される本発明にかかる屋根構造における二重断熱工法は、 上下段垂木20,30や上下段転び止め部材22,32が互いに交互にずらして配設されていることによって、作業者が構造用合板40上に足を置いても下段垂木20や下段転び止め部材22が支えとなって抜け落ちる心配がないことから、施工中に足を踏み外す危険性が無く且つその危険性を回避する必要性も無いため、安全性の確保と施工性の向上に資すると共に、天井構造の面剛性が向上し、また、上下段垂木20,30や上下段転び止め部材22,32を介する熱橋経路が直線的ではなく複雑な屈曲経路を辿ると共に、構造用合板40によって熱橋経路が一端遮断されることとなるため、熱橋(ヒートブリッジまたはクールビレッジ)現象を最小限に抑制することが可能であって、天井面全体での室内温度分布を均一に保つことができ、さらには、断熱材Fが屋根構造内に二重に配設されることから、屋根面にトップライトを取り付けても室内側は屋根付近の気温が一番高いため必然的に露点温度も高くなり、天井部における結露の発生を抑制可能な二重断熱の施工方法を実現したものである。
表1は、本発明にかかる二重断熱工法により建造された木造建築物の屋根構造における実質熱貫流率を示す計算書である。また、表2は、従来の屋根断熱工法により建造された木造建築物の屋根構造における実質熱貫流率を示す計算書である。
各表に示すように、本発明の二重断熱工法における断熱材Fの厚さは400mm(200mm×2)であり、一方、従来屋根断熱工法における断熱材Fの厚さは200mmである。両者を比較すると明らかなように、熱貫流抵抗・熱貫流率・平均熱貫流率の何れにおいても、従来工法より本発明工法の方が優れていることは一目瞭然である。
(表について、より詳しく説明が必要か要検討)
図4乃至図6は、本発明にかかる外周壁構造における二重断熱工法の実施形態を示しており、図4は平面図、図5は側面図、図6は斜視説明図である。
本発明にかかる外周壁構造における二重断熱工法は、所要長さ・厚さ・幅を有する複数の内側間柱60が構造柱51間に所定間隔を空けて配設固定されると共に、該内側間柱60の外側面に通気性を有する構造用合板40が被覆固定されることで、内方が開口する内側断熱材収納部64を形成し、また、所要長さ・厚さ・幅を有する複数の外側間柱70が前記構造用合板40の外側面であって隣り合う前記内側間柱60間の略中央位置に配設固定されることで、外方が開口する外側断熱材収納部74を形成し、さらに、前記外側断熱材収納部74に外方から断熱材Fが充填されると共に、前記外側間柱70の外方に外壁部材76が被覆固定され、且つ、前記内側断熱材収納部64に内方から断熱材Fが充填されると共に、前記内側間柱60の内方に内壁部材66が被覆固定されて成る手段を以って実施される。
内側間柱60は、所要長さ・厚さ・幅を有するもので、本発明では間柱の幅が断熱材Fの厚さに関係するため、必要な断熱材Fの厚さを確保すべく、少なくとも200mmの幅寸法を有する間柱が使用される。その例としてツーバイ材が考えられ、例えば長さ1,830mm、厚さ38mm、幅235mmのツーバイテン材(2インチ×10インチ)が使用される。また、材質については、杉のほか、マツやヒノキ、SPFなど、種々のものが考え得る。
ところで、内側間柱60として例えばツーバイテン材(2インチ×10インチ)を使用する場合に、規格寸法のまま使用する態様も可能であるが、プレーナー処理等を施して幅寸法を例えば200mmにまで細小化することが考え得る。これは、内側間柱60の幅を断熱材Fの厚さに合わせるための処理であって、処理面の水分浸透が抑止されて木材の腐食防止と長寿命化に資する効果も得られる。
本発明にかかる外周壁構造における二重断熱工法では、複数の内側間柱60が用いられ、構造柱51の間に所定間隔を空けて配設固定される。一対の構造柱51間に用いられる内側間柱60の数については、該構造柱51間の寸法及び施工間隔によって決定される。内側間柱60の固定方法については、常法に従う。内側間柱60の配設間隔については、特に限定するものではないが、断熱材Fが丁度収まる間隔すなわち隣り合う内側間柱60との内側間隔と断熱材Fの幅とを合わせることが好ましく、例えば中心間隔を455mm(内側間隔410mm)とする態様が考え得る。
配設固定された複数の内側間柱60の外側面は、構造用合板40で被覆される。該構造用合板40は、通気性を有するものであって、面剛性を確保できる通気タイプの合板やインシュレーションボードが使用される。該該構造用合板40は、内側間柱60に対し、外方から釘等によって打ち付けることで固定される。このように内側間柱60の外側面に構造用合板40が被覆されることで、外方が構造用合板40で閉口され、内方が開口し、隣り合う内側間柱60で挟まれた空間が形成され、この空間が断熱材Fを充填するための内側断熱材収納部64となる。
ところで、前記内側断熱材収納部64において、図5及び図6(b)に示すように、複数の内側転び止め部材62が配設固定される態様が考え得る。該内側転び止め部材62は、所要長さ・高さ・幅を有するもので、長さは隣り合う内側間柱60の内側間隔と略同一であり、また、高さは内側間柱60の幅と略同一であって、例えば長さ410mm、高さ200mm、幅24mm以上の杉加工材が使用される。内側転び止め部材62の材質については、内側間柱60と同様、杉のほか、マツやヒノキ、SPFなど、種々のものが考え得る。
内側転び止め部材62は、内側間柱60と直交するように所定間隔を空けて配設され、内側間柱60と釘打ちや接着等により固定される。一対の構造柱51間に用いられる内側転び止め部材62の本数については、内側間柱60の長さ(壁の高さ)及び施工間隔によって決定される。内側転び止め部材62の配設間隔については、特に限定するものではないが、断熱材Fが丁度収まる間隔すなわち隣り合う内側転び止め部材62との内側間隔と断熱材Fの長さとを合わせることが好ましく、例えば中心間隔を1,390mm(内側間隔1,365mm)とする態様が考え得る。このように、複数の内側転び止め部材62が配設固定されることで、外方が構造用合板40で閉口され、下方が開口し、隣り合う内側間柱60と内側転び止め部材62とで囲われた空間が形成され、この空間が断熱材Fを充填するための内側断熱材収納部64となる。
外側間柱70は、所要長さ・厚さ・幅を有するもので、断熱材Fの高さ寸法よりも大きい幅寸法を有して形成されることが好ましく、例えば長さ1,830mm、厚さ38mm、幅235mmのツーバイテン材(2インチ×10インチ)がそのまま使用される。このように、外側間柱70の幅について、内側間柱60と異なり断熱材Fの高さ寸法よりも大きくしたことで、後述する外側断熱材収納部74に充填される断熱材Fや外側転び止め部材72の上面と外側間柱70の外縁とで約35mmの背高差が発生し、これにより外壁部材76と断熱材Fや外側転び止め部材72の上面との間に30mm以上の隙間空間が形成され、この隙間空間が通気層Wとして機能することとなる。尚、外側間柱70の材質については、内側間柱60と同様、杉のほか、マツやヒノキ、SPFなど、種々のものが考え得る。
本発明にかかる外周壁構造における二重断熱工法では、複数の外側間柱70が用いられ、構造用合板40の外側面に所定間隔を空けて配設固定される。一対の構造柱51間に用いられる外側間柱70の数については、該構造柱51間の寸法及び施工間隔によって決定される。外側間柱70の配設位置は、隣り合う内側間柱60間の略中央位置であり、よって外側間柱70の配設間隔は、内側間柱70の配設間隔と同様、断熱材Fが丁度収まる間隔すなわち断熱材Fの幅と略同一であって、例えば中心間隔が455mm(内側間隔410mm)となる。外側間柱70は、構造用合板40に対し、内方から釘等によって打ち付けることで固定される。このように構造用合板40の外側面に外側間柱70が配設されることで、外方が開口し、内方が構造用合板40で閉口され、隣り合う外側間柱70で挟まれた空間が形成され、この空間が断熱材Fを充填するための外側断熱材収納部74となる。
ところで、前記外側断熱材収納部74において、図5及び図6(b)に示すように、複数の外側転び止め部材72が配設固定される態様が考え得る。該外側転び止め部材72は、所要長さ・高さ・幅を有するもので、長さは隣り合う外側間柱70の内側間隔と略同一であり、また、高さは外側間柱70の幅よりも低い寸法であって、例えば長さ410mm、高さ200mm、幅24mm以上の杉加工材が使用される。外側転び止め部材72の材質については、外側間柱70と同様、杉のほか、マツやヒノキ、SPFなど、種々のものが考え得る。
外側転び止め部材72は、外側間柱70と直交するように所定間隔を空けて配設され、外側間柱70あるいは構造用合板40と釘打ちや接着等により固定される。一対の構造柱51間に用いられる外側転び止め部材72の本数については、外側間柱70の長さ(壁の高さ)及び施工間隔によって決定される。外側転び止め部材72の配設位置は、隣り合う内側転び止め部材62間の略中央位置であり、よって外側転び止め部材72の配設間隔は、内側転び止め部材62の配設間隔と同様、断熱材Fが丁度収まる間隔すなわち断熱材Fの長さと略同一であって、例えば中心間隔が1,390mm(内側間隔1,365mm)となる。このように、複数の外側転び止め部材72が配設固定されることで、外方が開口し、内方が構造用合板40で閉口され、隣り合う外側間柱70と外側転び止め部材72とで囲われた空間が形成され、この空間が断熱材Fを充填するための外側断熱材収納部74となる。
前記内側断熱材収納部64及び外側断熱材収納部74には、断熱材Fが充填される。該断熱材Fは、材質・種類について特に限定するものではなく、例えば、厚み200mm 幅410〜425mm 長さ1650mmを有する高性能のグラスウールやロックウール等の繊維系断熱材や、ウレタンフォームやスタイロフォーム等の発泡系断熱材など、用途やコストに合わせて選定される。
尚、外周壁の周縁部に存する内側断熱材収納部64及び外側断熱材収納部74は、断熱材Fをそのまま収容できずにはみ出してしまう場合が考え得る。その場合は、断熱材Fを収容可能な形状にカットして充填すれば足りる。また、かかる周縁部に充填された断熱材Fは側面が露出することとなるため、その露出面は外壁部材76や各転び止め部材62,72、その他の部材により被覆されることを要する。
前記外側間柱70の外方は、外壁部材76で被覆され固定される。外壁部材76としては、例えば、野地板や気密性防水シート、インシュレーションボード、その他の外壁ボード等が使用される。
前記内側間柱60の内方は、内壁部材66で被覆され固定される。内壁部材26としては、例えば、吸音ボード、石膏ボード、防湿シート、壁紙、化粧壁板材等が使用される。
以上で構成される本発明にかかる外周壁構造における二重断熱工法について、その施工手順を説明する。
(1)複数の内側間柱60を構造柱51の間に所定間隔を空けて配設し、常法により固定する。
(2)配設された複数の内側間柱60の外側面を構造用合板40で被覆し、釘打ち等で固定する。これにより、内側断熱材収納部64が形成される。
(3)必要に応じて、複数の内側転び止め部材62を内側間柱60と直交するように所定間隔を空けて配設し、釘打ち等で固定する。
(4)構造用合板40の外側面に複数の外側間柱70を所定の位置に配設し、構造用合板40の内方から釘打ち等で固定する。尚、外側間柱70の配設位置は、隣り合う内側間柱60間の略中央位置となる。これにより、外側断熱材収納部74が形成される。
(5)必要に応じて、複数の外側転び止め部材72を外側間柱70と直交するように所定の位置に配設し、釘打ち等で固定する。尚、外側転び止め部材72の配設位置は、隣り合う内側転び止め部材62間の略中央位置となる。
(6)外側断熱材収納部74に断熱材Fを充填する。
(7)外側間柱70の外方に外壁部材76を被覆し、釘打ち等で固定する。
(8)内側断熱材収納部64に断熱材Fを充填する。
(9)内側間柱60の内方に内壁部材66を被覆し、釘打ち等で固定する。
以上のとおり施工される本発明にかかる外周壁構造における二重断熱工法は、 内側間柱60と外側間柱70及びや内側転び止め部材62と外側転び止め部材72が互いに交互にずらして配設されていることによって、壁構造の面剛性が向上するだけでなく、内側間柱60や外側間柱70、内側転び止め部材62、外側転び止め部材72を介する熱橋経路が直線的ではなく複雑な屈曲経路を辿ると共に、構造用合板40によって熱橋経路が一端遮断されることとなるため、熱橋(ヒートブリッジまたはクールビレッジ)現象を最小限に抑制することが可能な二重断熱の施工方法を実現したものである。
本発明は、木造軸組工法で建造される木造建築物の屋根構造及び外周壁構造における二重断熱工法であって、構造用合板を中間に介してその上段(外側)及び下段(内側)に夫々垂木(間柱)が配設されると共に、該垂木(間柱)が上段(外側)と下段(内側)とで位置をずらして配設されることで、該構造用合板の上段(外側)及び下段(内側)に夫々断熱材収納部が形成され、かかる上段(外側)と下段(内側)の断熱材収納部に夫々断熱材が充填される手段を採用することで、木造建築物の屋根ならびに外周壁の面剛性の向上に資すると共に、建築作業の効率化と安全を確保し、さらには、建築構造部材による熱橋現象を抑制することが可能であることから、本発明にかかる「二重断熱工法」の産業上の利用可能性は極めて大であるものと思料する。
11 桁
12 母屋
13 棟木
20 下段垂木
22 下段転び止め部材
24 下段断熱材収納部
26 天井部材
30 上段垂木
32 上段転び止め部材
34 上段断熱材収納部
36 屋根部材
40 構造用合板
51 構造柱
60 内側間柱
62 内側転び止め部材
64 内側断熱材収納部
66 内壁部材
70 外側間柱
72 外側転び止め部材
74 外側断熱材収納部
76 外壁部材
F 断熱材
R ラフターロック金具
W 通気層

Claims (6)

  1. 木造軸組工法で建造される木造建築物の屋根構造における二重断熱工法であって、
    所要長さ・高さ・幅を有する複数の下段垂木が桁・母屋・棟木の上に所定間隔を空けて架設固定されると共に、該下段垂木の上面に通気性を有する構造用合板が被覆固定されることで、下方が開口する下段断熱材収納部を形成し、
    所要長さ・高さ・幅を有する複数の上段垂木が前記構造用合板の上面であって隣り合う前記下段垂木間の略中央位置に配設固定されることで、上方が開口する上段断熱材収納部を形成し、
    前記上段断熱材収納部に上方から断熱材が充填されると共に、前記上段垂木の上方に屋根部材が被覆固定され、且つ、前記下段断熱材収納部に下方から断熱材が充填されると共に、前記下段垂木の下方に天井部材が被覆固定されて成ることを特徴とする二重断熱工法。
  2. 前記下段断熱材収納部において、所要長さ・高さ・幅を有する複数の下段転び止め部材が前記下段垂木と直交するように所定間隔を空けて配設固定されると共に、前記上段断熱材収納部において、所要長さ・高さ・幅を有する複数の上段転び止め部材が隣り合う前記下段転び止め部材間の略中央位置に前記上段垂木と直交するように配設固定されて成ることを特徴とする請求項1に記載の二重断熱工法。
  3. 前記上段垂木が、前記上段断熱材収納部に充填される前記断熱材の高さ寸法よりも大きい高さ寸法を有して形成されて成ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の二重断熱工法。
  4. 木造軸組工法で建造される木造建築物の外周壁構造における二重断熱工法であって、
    所要長さ・厚さ・幅を有する複数の内側間柱が構造柱間に所定間隔を空けて配設固定されると共に、該内側間柱の外側面に通気性を有する構造用合板が被覆固定されることで、内方が開口する内側断熱材収納部を形成し、
    所要長さ・厚さ・幅を有する複数の外側間柱が前記構造用合板の外側面であって隣り合う前記内側間柱間の略中央位置に配設固定されることで、外方が開口する外側断熱材収納部を形成し、
    前記外側断熱材収納部に外方から断熱材が充填されると共に、前記外側間柱の外方に外壁部材が被覆固定され、且つ、前記内側断熱材収納部に内方から断熱材が充填されると共に、前記内側間柱の内方に内壁部材が被覆固定されて成ることを特徴とする二重断熱工法。
  5. 前記内側断熱材収納部において、所要長さ・高さ・幅を有する複数の内側転び止め部材が前記内側間柱と直交するように所定間隔を空けて配設固定され、
    前記外側断熱材収納部において、所要長さ・高さ・幅を有する複数の外側転び止め部材が隣り合う前記内側転び止め部材間の略中央位置に前記外側間柱と直交するように配設固定されて成ることを特徴とする請求項4に記載の二重断熱工法。
  6. 前記外側間柱が、前記外側断熱材収納部に充填される前記断熱材の高さ寸法よりも大きい高さ寸法を有して形成されて成ることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の二重断熱工法。
JP2016244240A 2016-12-16 2016-12-16 二重断熱工法 Active JP6117420B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016244240A JP6117420B1 (ja) 2016-12-16 2016-12-16 二重断熱工法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016244240A JP6117420B1 (ja) 2016-12-16 2016-12-16 二重断熱工法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6117420B1 true JP6117420B1 (ja) 2017-04-19
JP2018096170A JP2018096170A (ja) 2018-06-21

Family

ID=58667042

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016244240A Active JP6117420B1 (ja) 2016-12-16 2016-12-16 二重断熱工法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6117420B1 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62131020U (ja) * 1986-02-10 1987-08-19
JPH066519U (ja) * 1992-06-23 1994-01-28 鐘淵化学工業株式会社 壁構造
JPH0953282A (ja) * 1995-08-11 1997-02-25 Emoto Kogyo Kk 建築物における冷暖房両用断熱防湿気密パネル
JP2007285029A (ja) * 2006-04-18 2007-11-01 Meisei Kogyo Kk 屋根構造
JP2016070044A (ja) * 2014-10-01 2016-05-09 隆行 相田 建築物の通気換気断熱システム

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62131020U (ja) * 1986-02-10 1987-08-19
JPH066519U (ja) * 1992-06-23 1994-01-28 鐘淵化学工業株式会社 壁構造
JPH0953282A (ja) * 1995-08-11 1997-02-25 Emoto Kogyo Kk 建築物における冷暖房両用断熱防湿気密パネル
JP2007285029A (ja) * 2006-04-18 2007-11-01 Meisei Kogyo Kk 屋根構造
JP2016070044A (ja) * 2014-10-01 2016-05-09 隆行 相田 建築物の通気換気断熱システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018096170A (ja) 2018-06-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2016294173A1 (en) Thermal break wood stud with rigid insulation and wall framing system
KR20110071099A (ko) 벽을 위한 합성 패널 및 이를 제조하는 방법
KR101229547B1 (ko) 건축용 그린팀버웰 내화벽 구조
KR100970239B1 (ko) 건축물 외벽용 패널
JP2021167564A (ja) 建物
JP6117420B1 (ja) 二重断熱工法
KR101151088B1 (ko) 조립식 목조주택의 벽체구조물용 패널
GB2465845A (en) Building panel having wooden I-beam edge
WO2014126474A1 (en) Building and method for constructing such a building
JP4743908B2 (ja) 木造建物の通気性外断熱の外壁構造
DK3058150T3 (en) Construction module based on cardboard as well as method for making the module
JP5327665B2 (ja) 木造建築物の外壁における外断熱工法及び外断熱構造
JP5946047B2 (ja) 建築物の局所断熱構造
JP2010071041A (ja) 通気性断熱屋根複合パネル、及び該パネルを用いた木造外張り断熱屋根構造
KR101277060B1 (ko) 한옥 및 한옥의 제조방법
JP5429549B2 (ja) 曲面壁構造
JP6837300B2 (ja) 屋根の遮熱構造及びその施工方法
JP7176857B2 (ja) 額縁の取付構造及び建物
JP5693912B2 (ja) 建物の屋根構造
JP3150621U (ja) 木造建物の通気性外壁用の通気性外壁複合パネル
JP2010084481A (ja) 通気性断熱屋根複合パネル、及び該パネルを用いた木造外張り断熱屋根構造
JPH05340019A (ja) 複層小屋パネル及び小屋組構造
JP5683899B2 (ja) 建物の気密構造
JP3102903U (ja) 通気構造を備えた家屋
JP2024042584A (ja) 木造建築物においてヒートブリッジを防止する外張り断熱透湿耐震構造

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170111

TRDD Decision of grant or rejection written
A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20170306

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170314

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170322

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6117420

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250