JPH0940905A - 着色の少ない塗料組成物 - Google Patents

着色の少ない塗料組成物

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JPH0940905A
JPH0940905A JP21305895A JP21305895A JPH0940905A JP H0940905 A JPH0940905 A JP H0940905A JP 21305895 A JP21305895 A JP 21305895A JP 21305895 A JP21305895 A JP 21305895A JP H0940905 A JPH0940905 A JP H0940905A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗料貯蔵時および焼付け時の着色を防止しう
るブロックイソシアネート硬化一液型フッ素樹脂塗料を
得ること。 【解決手段】 フッ素含有ポリオールと脂肪族または脂
環族のブロックイソシアネート、および硬化促進剤とか
らなる一液型塗料に、(A)ヒンダードフェノール系化
合物群、(B)燐含有化合物群、(C)セミカルバジド
系化合物群のうちの少なくとも2つの異なる群から選ば
れる化合物を少なくとも2種類以上含む塗料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗料貯蔵時および塗料
焼付け時に着色の少ない一液フッ素樹脂型塗料組成物に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】水酸基を有するフッ素含有ポリオールを
メラミン、イソシアネート等の架橋剤で硬化させた塗膜
は耐候性、耐久性が非常に良好なため、ビル等の建物外
装、橋梁、タンク等の構築物や自動車等の幅広い用途で
使用されている。メラミンを架橋剤とした場合には、耐
酸性に弱いため屋外での長期の使用には限界がある。ま
た、イソシアネートを架橋剤とした場合には、耐酸性は
優れているもののイソシアネート基とフッ素含有ポリオ
ールの水酸基とが反応し時間と共に塗料の粘度が上昇す
る、いわゆる二液型塗料であるため、可使時間の制限が
あり限られた用途でしか適用されなかった。これらの欠
点を改良するため架橋剤としてブロックイソシアネート
を使用する方法があり、特公平3−45757号公報に
開示されているようにプレコートメタルの塗装などの工
場ライン用に使用されている。しかしながら、光により
変色の少ない脂肪族または脂環族のブロックイソシアネ
ートを用いても、塗料貯蔵時の着色、および塗料焼付け
硬化時に着色することが指摘されていた。
【0003】後者の焼付け時の塗膜着色を抑制する方法
として、特開平5−17719号公報には2価錫化合物
が、特開平6−93077号公報にはカルバゾイル基ま
たはセミカルバジド基を有する化合物の使用が開示され
ているが、これらの公知の方法を使用しても、塗料を貯
蔵した場合に経時に着色するという事は解決されていな
かった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、フッ素含有
ポリオールを使用した塗料の貯蔵時および焼付け時の着
色を抑制する塗料組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討の
結果、特定の異なる群から選ばれる化合物を2種類以上
使用することにより、その問題を解決できることを見出
し本発明を完成するに到った。即ち、本発明はフッ素含
有ポリオールと脂肪族または脂環族のブロックイソシア
ネート、および硬化促進剤からなる一液型塗料におい
て、(A)ヒンダードフェノール系化合物群、(B)燐
含有化合物群、(C)セミカルバジド系化合物群のうち
の少なくとも2つの異なる群からから選ばれる化合物を
少なくとも2種類以上含んだ塗料組成物、に関するもの
である。
【0006】本発明で使用される化合物群は各々単独を
使用した場合は、塗料の着色の抑制には効果が小さいも
のであり、これらの異なる群の中から選ばれる化合物を
2種類以上同時に使用した場合に初めて、塗料の貯蔵お
よび焼付け時の着色抑制に著しい効果のあることを見出
したものである。
【0007】本発明で使用されるフッ素含有ポリオール
は、クロロトリフルオロエチレンのようなフルオロオレ
フィンと共重合可能な成分、例えば、ビニルエーテル
類、ビニルエステル類、クロトン酸エステル類等との水
酸基含有の共重合体であり、特公昭60−21686号
公報、特開昭61−275311号公報、特開昭61−
57609号公報等に開示されている方法で製造される
ものである。市販品としては、ルミフロンLF−10
0,同LF−200,同LF−400(何れも旭硝子株
式会社製品;商品名)、フルオネート K−702,同
K−704、K−706(何れも大日本化学インキ工業
株式会社製品;商品名)、セフラルコートA−101
B,同A−201TB(何れもセントラル硝子株式会社
製品;商品名)、ザフロンFC−110,同FC−25
0,同FC−220(何れも東亞合成株式会社製品;商
品名)等が挙げれる。
【0008】また、脂肪族または脂環族のブロックイソ
シアネートとしては、脂肪族または脂環族のジイソシア
ネートから誘導される末端にイソシアネート基を有する
ポリイソシアネートを活性水素を有する化合物(ブロッ
ク化剤)で反応させたものが使用される。これらのイソ
シアネート化合物としては、1,6−ヘキサメチレンジ
イソシアネート(以下、「HDI」と略)や3,5,5
−トリメチル−3−イソシアネートメチル−シクロヘキ
シルイソシアネート(以下、「IPDI」と略)等のジ
イソシアネートから誘導される末端にイソシアネート基
を有するビゥレット、イソシアヌレート、ウレタン構造
を有するポリイソシアネートが使用される。
【0009】ブロック化剤としては、活性水素を有する
化合物が使用できオキシム類、ラクタム類、活性メチレ
ン化合物、ピラゾール化合物などがあげられる。オキシ
ム類としては、例えば、アセトンオキシム、2−ブタノ
ンオキシム、シクロヘキサノンオキシム等が、また、ラ
クタム類としては、例えば、ε−カプロラクタム等が、
活性メチレン系化合物類としては、例えば、アセト酢酸
メチル、マロン酸エチルなどが挙げられ、ピラゾール化
合物としては、3−メチルピラゾール、3,5−ジメチ
ルピラゾール、3,5−ジエチルピラゾールなどが挙げ
られる。これらのブロック化剤は単独でも、また2種以
上を併用したものでもよい。
【0010】また、脂肪族ブロックイソシアネート、脂
環族ブロックイソシアネートを単独でも、また硬さ等の
調整のために併用しても差し支えないものである。これ
らのHDIのブロツクイソシアネートの具体例として
は、デュラネートTPA−B80E,同MF−B60
X、同17B−60PX、コロネート2507,同25
13,同2515、スミジュールBL−3175、Lu
xateHC1170,同HC2170などが、また、
IPDI系のブロックイソシアネートの具体例として
は、VESTANAT B1538A,同B1370、
LuxateHIC1170など(いずれも商品名)が
挙げられる。
【0011】フッ素含有ポリオールとブロックイソシア
ネートとの配合は、水酸基と有効イソシアネート基の当
量比率が1:0.5〜1.5の範囲で行うことができ
る。また、硬化を促進するための触媒としては、通常当
該技術分野で使用されている有機金属化合物ができる。
中でも、好ましくは有機錫化合物であり、ジアルキル錫
オキサイド、ジアルキル錫ジカルボン酸塩類、β−ジケ
トン錫類などが挙げられる。これらの具体例としては、
ジメチル錫オキサイド、ジブチル錫オキサイド、ジブチ
ル錫ジラウレート、ジブチル錫ビスアセト酢酸塩、アセ
チルアセトン錫などがあげられる。また、特開平2−1
99112号公報、同平3−146513号公報に開示
されている有機錫化合物と他の有機金属化合物を併用し
たものを硬化促進剤として用いることもできる。
【0012】本発明で使用される着色を抑制する化合物
としては、(A)ヒンダードフェノール系化合物群、
(B)燐含有化合物群、(C)セミカルバジド系化合物
群から少なくとも異なる2つの群の中から選ばれる化合
物を少なくとも2種類以上を使用するものである。
【0013】具体的には、(A)ヒンダードフェノール
系化合物群としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メ
チルフェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル
−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビ
ス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,
4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフ
ェノール)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−ト
リス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)ベンゼン、テトラキス[メチレン−3−(3’,
5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネート]メタン、トリス(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレートなどが
挙げられる。
【0014】(B)の燐含有化合物群としては、亜りん
酸エステル化合物が代表的であるが、その他の燐含有化
合物も使用することもできる。亜りん酸エステル類とし
ては、トリアルキルホスファト、トリス(アルキルアリ
ール)ホスファイトなどがあり、更に詳しくは、トリフ
ェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスフ
ァイト、トリエチルホスファイト、トリス(2−エチル
ヘキシル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、ト
リス(トリデシル)ホスファイト、テトラフェニルジプ
ロピレングリコールジホスファイト、テトラフェニルテ
トラ(トリデシル)ペンタエリスリトールテトラホスフ
ァイトなどが挙げられる。また、燐含有化合物として
は、更に、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホ
スファフェナントレン−10−オキサイド、10−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフ
ェナントレン−10−オキサイド、10−デシロキシ−
9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェ
ナントレンなどが挙げられる。
【0015】(C)のセミカルバジド系化合物群として
は、イソシアネート基とN,N−ジ置換ヒドラジンとの
反応により得られる化合物である。N,N−ジ置換ヒド
ラジンとしては、N,N−ジメチルヒドラジン、N,N
−ジメチルヒドラジン、N,N−ジ(イソ)プロピルヒ
ドラジンなどが使用できる。また、イソシアネート基含
有化合物としては芳香族、脂肪族、脂環族のジイソシア
ネート類、およびこれらのジイソシアネートから得られ
るイソシアネート基を末端に有するプレポリマー類が使
用できる。具体的なセミカルバジド系化合物としては、
1,6−ヘキサメチレンビス(N,Nジメチルセミカル
バジド)、ビゥレット−トリ(ヘキサメチレン−N,N
−ジメチルセミカルバジド)、1,1,1’,1’−テ
トラメチル−4,4’−(メチレン−ジ−p−フェニレ
ン)ジセミカルバジド、イソシアヌレート−トリ(ヘキ
サメチレン−N,N−ジメチルセミカルバジド)などが
挙げられる。
【0016】これら(A)〜(C)群のうちの少なくと
も2つの異なる群から選ばれる各化合物を少なくとも2
種類以上の化合物を塗料組成に配合することにより、発
明の目的である塗料貯蔵時と塗料焼付け時の着色を防止
することができるものであり、(A)〜(C)群から選
ばれる化合物を単独で使用しても、着色防止の効果は小
さい。これらの化合物の添加量は塗料樹脂分に対して
0.1%〜5%の範囲であり、好ましくは0.5%〜3
%である。0.1%以下の量では着色の防止には効果が
得られない。また、5%以上になると塗膜にした時に硬
化性の遅延や密着性の低下などが発生し好ましくないも
のである。
【0017】塗料貯蔵時の着色および焼付け時の塗膜の
着色の評価には、目視法または計測法のいずれの方法を
用いてもよい。目視法の場合、光源としては拡散昼光ま
たはJIS Z8730に規定される標準光源の下で観
察するのが良い。また、計測法の場合には塗料の着色
は、例えばASTM D−1209に規定している透明
液体の色度(APHA色度)等の方法で求めることがで
きる。焼付け時の塗膜の着色は、例えば、JIS K5
400に規定される塗膜の色測定での刺激値bまたは色
差(△E値)を用いることができる。
【0018】また、本発明の組成物に上記の示した成分
以外に目的に応じて当該技術分野で使用されている他の
成分を配合して使用することも可能である。これらの他
の成分としては、例えば、有機顔料類、無機顔料類、金
属粉、顔料分散剤、発泡防止剤、沈降防止剤、レベリン
グ剤、チキソートロピー剤、酸化防止剤、光安定剤、そ
の他の添加剤等を配合することができる。
【0019】本発明の組成物から塗膜を得るには、焼付
け硬化が必要であり、温度と加熱時間にもよるが、通常
は100℃〜300℃の温度範囲が好ましい。200℃
以下の場合は、加熱時間は数分〜数十分、200℃を越
える場合は、数秒〜数分の範囲であるが、最適条件は使
用するポリオール、ブロックイソシアネート、硬化促進
剤の組合せにより決められる。
【0020】本発明の組成物は、上記の焼付け硬化の温
度に耐えられる素材に対して使用される。鋼、アルミ、
ステンレスやその他の金属素材、セラミックス、硝子な
どの無機材料が一般的であるが、高分子材料にも使用で
きる。また、これら素材に直接塗装しても差し支えはな
いが、塗膜の密着性の点からはプライマー処理などが施
された上に塗装した方が好ましい。また、自動車の塗装
のように、既に塗装された塗膜の上に本発明の組成物を
塗装してもよい。
【0021】本発明の塗料組成物は、フッ素塗料の優れ
た性能に加え、塗料貯蔵時および塗料焼付け時の着色を
防止することができ、更に長期間の貯蔵に耐えることが
でき各種金属のプレコートメタル用塗料、建築資材用塗
料などに優れた性能を発揮するものである。
【0022】
【実施例】以下に本発明を実施例等により具体的に説明
するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるも
のではない。実施例および比較例中の「部」は重量基準
である。実施例中の塗料色度、および塗膜着色の◎、
○、△、×の記号は次の評価方法でのランクを示すもの
である。
【0023】塗料色度:ASTM D−1209に規定
されるAPHA No.による。 ◎:APHA No.50未満 ○: 同 50以上、100未満 △: 同 100以上、200未満 ×: 同 200以上 塗膜着色:焼付け後の塗膜をスガ試験機(株)製のデジ
タル自動測色色差計SMカラーコンピューターSM−5
型で測定したb値とタイル板のb値との差(△b)であ
る。 ×:△b値 1.5以上 △: 同 1.0以上1.5未満 ○: 同 1.0未満
【0024】(実施例1および比較例1) [塗料調合液]ルミフロンLF−200(旭硝子株式会
社製品、固形分:60%,水酸基価:32);65.5
部、デュラネート TPA−B80E(旭化成工業株式
会社製品、HDI系ブロックイソシアネート、固形分8
0%、有効イソシアネート含有量12.3%);13.
4部、メチルエチルケトン;18.3部、硬化促進剤溶
液(ジブチル錫ジラウレートの0.1%キシレン溶
液);2.8部で塗料調合液を作成した。
【0025】表−1に示す化合物を前記の塗料調合液に
添加し、100mLガラス製試薬瓶に入れて密閉し、5
0℃で2週間貯蔵試験を行い塗料の色度を測定した。ま
た、貯蔵前の塗料を磁器製の白色タイル板に厚みが50
μmの塗膜になるように塗装し、180℃で30分焼付
けた時の色差を測定した。その測定結果を表−1に示
す。表−1中において、No.1〜9が実施例であり、
No.10〜14が比較例である。
【0026】
【表1】
【0027】(実施例2および比較例2)ルミフロンL
F−200(旭硝子株式会社製品、固形分:60%,水
酸基価:32);63.4部、メチルエチルケトン;2
0.9部、デュラネート TPA−B80E(旭化成工
業株式会社製品、HDI系ブロックイソシアネート、固
形分80%、有効イソシアネート含有量12.3%);
11.5部、硬化促進剤溶液Scat2K(三共有機合
成株式会社製品、錫系化合物の50%キシレン溶液);
0.62部で塗料調合液を作成した。
【0028】表−2に示す化合物を前記の塗料調合液に
添加し、実施例1と同様の貯蔵試験および塗膜の着色試
験を行った。その結果を表−2に示す。表−2中におい
て、No.1〜2が実施例であり、No.3〜5が比較
例である。
【0029】
【表2】
【0030】(実施例3および比較例3)ルミフロンL
F−200(旭硝子株式会社製品、固形分:60%,水
酸基価:32);48.0部、ルミフロンLF−400
(旭硝子株式会社製品、固形分:50%,水酸基価:2
4、酸価:2.5);14.5部、キシレン;13.5
部、酢酸nブチル;13.5部、コロネート2507
(日本ポリウレタン工業株式会社製品、HDI系ブロッ
クイソシアネート、固形分80%、有効イソシアネート
含有量11.6%);12.0部、硬化促進剤溶液(ジ
ブチル錫ジラウレートの10%キシレン溶液);2.0
部で塗料調合液を作成した。更に、実施例1で用いたB
−2化合物溶液;1.2部およびC−1化合物溶液;
4.5部を加えた塗料液を50℃で1ケ月貯蔵した。貯
蔵後の色度はAPHA No.70であった。
【0031】更に、貯蔵前後の塗料をぶりき板(JIS
K5410に規定されるSPTE−150700
3)、アルミ板上にVフロン#200白(大日本塗料株
式会社製品)を塗装した試験板の白色タイル板にスプレ
ー塗装し、140℃で20分間硬化させた。ブリキ板に
塗装した試験片をキシレンを用いてラビング試験を行っ
た。貯蔵前後の塗料とも100回ラビングを行っても異
常は観察されなかった。また、アルミ板に塗装した試験
板をJIS D0205に規定されるWAN−1Sに基
づき促進耐候性試験を行った。暴露時間3000時間を
経過しても、塗膜外観には異常は認められなかった。ま
た、磁器製の白色タイル板に貯蔵前の塗料を塗装し実施
例1と同様の評価を行ったところ、△b値は0.8であ
った。
【0032】また、比較例3として、B−2、C−1溶
液を添加しないものの貯蔵前の色度はAPHA No.
30であったが、実施例と同じ条件での貯蔵後は褐色の
色相を呈し、APHA No.500以上の色度であ
り、使用に耐えないものであった。また、実施例3およ
び比較例3の貯蔵試験前の塗料を磁器製の白色タイル板
に塗装し実施例1と同様の評価を行ったところ、実施例
3の塗料の△b値は0.8であるのに対し、比較例3の
塗料の△b値は2.3でった。
【0033】(参考例) [ブロックイソシアネートの製造例]撹拌機、還流冷却
管、滴下ロートを備えた300mLの4ツ口フラスコに
デュラネートTPA−100(旭化成工業株式会社製、
HDIイソシアヌレート系ポリイソシアネート);5
1.5部をキシレン;20.0部を溶解し、室温で撹拌
しながら3,5−ジメチルピラゾール;28.5部を1
時間で滴下した。そのまま更に3時間撹拌を続けた後、
赤外線吸収スペクトラムを測定したところ、イソシアネ
ート基の吸収が観察されなかった。このブロックイソシ
アネートの有効イソシアネート基含有量は、11.9%
であった。
【0034】(実施例4)ルミフロンLF−200(旭
硝子株式会社製品、固形分:60%,水酸基価:3
2);48.0部、ルミフロンLF−400(旭硝子株
式会社製品、固形分:50%,水酸基価:24、酸価:
2.5);14.5部、キシレン;13.5部、酢酸n
ブチル;13.5部、参考例のブロックイソシアネー
ト;15.0部、硬化促進剤溶液(ジブチル錫ジラウレ
ートの10%キシレン溶液);2.0部で塗料調合液を
作成した。更に、実施例1で用いたA−2化合物溶液;
2.4部、B−3溶液;1.2部およびC−1化合物溶
液;2.4部を加えた塗料液を50℃で1ケ月貯蔵し
た。貯蔵後の色度はAPHA No.60であった。ま
た、貯蔵前の塗料を実施例1と同様に白色タイル板に塗
装し、焼付けたところ△b値が0.9であった。
【0035】
【発明の効果】本発明の塗料組成物は、ブロックイソシ
アネート硬化一液型フッ素塗料の作業性、塗膜物性、耐
候性に優れた性能に加え、塗料貯蔵時および塗料焼付け
時の着色を防止することができ、長期間の貯蔵に耐える
ことができ各種金属のプレコートメタル用塗料、建築資
材用塗料などに優れた性能を発揮するものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ素含有ポリオールと脂肪族または脂
    環族のブロックイソシアネート、および硬化促進剤とか
    らなる一液型塗料において、(A)ヒンダードフェノー
    ル系化合物群、(B)燐含有化合物群、(C)セミカル
    バジド系化合物群のうちの少なくとも2つの異なる群か
    ら選ばれる化合物を少なくとも2種類以上含んだ塗料組
    成物。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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