JPH0937731A - ペースト状起泡性クリームミックス及びその製造方法 - Google Patents
ペースト状起泡性クリームミックス及びその製造方法Info
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Abstract
く、更に取り扱いや保存性に優れた起泡性クリームミッ
クスを提供する。 【解決手段】 油相と水相とを乳化して得られる水中油
型乳化組成物であって、乳化剤、蛋白質、糖及び/又は
糖アルコールを必須成分として含有し、該水相中の糖及
び/又は糖アルコール濃度が固形物量換算で60重量%以
上であり、水相中の水分が35重量%以下に調整されてい
る。
Description
クリームミックスに関する。更に詳しくは、本発明は保
存性に優れ、使用時に水または牛乳などにより希釈して
ホイップすることにより、ケーキ、パン、デザート等の
トッピング、あるいはフィリング材とする起泡性クリー
ムを簡便に得ることができるペースト状起泡性クリーム
ミックスに関する。尚、本発明において、ペースト状と
は流動性を有する半固体状のものであればどのような状
態でもかまわず、好ましくは粘度3000cp(5℃)以上の
ものである。
液型の液状ミックスと粉末状のミックスがある。生クリ
ームに代表される液状ミックスは、そのまま、あるいは
砂糖や他の風味材を混合してホイップするだけで使用す
ることが可能であり、風味、食感、保型性に優れること
から最も利用されている形態ではあるが、そのホイップ
性能を維持するとともに微生物繁殖を抑制するため冷蔵
流通・冷蔵保管といった温度管理が必要である。また、
輸送中や貯蔵中に乳化粒子が凝集していわゆる「ボテ」
を発生するといった物理的変化により商品価値が失われ
る問題が生じたり、開封後は微生物汚染を避けるために
速やかに使用しなければならない等の制限がある。ま
た、従来よりホイップクリームに様々な機能を付与する
目的で、糖や糖アルコールを添加した加糖タイプの液状
ミックスが開示されており、ホイップクリームの冷凍耐
性(特開昭52−93407 号公報)や常温保存性向上(特開
昭61−31057 号公報))が図られているが、粉末状ミッ
クスに匹敵する保存性を有する液状ミックスの報告は見
られない。一方、粉末状ミックスは輸送、保存が容易で
取り扱い上好ましい形態であるといえるが、液状ミック
スに比べホイップ時の食感や保型性など物性的にも、風
味的にも充分ではないという欠点を有している。
な食感や保型性、風味を損なうことなく、更に取り扱い
や保存性に優れた起泡性クリームミックスを提供するこ
とにある。
を達成するべく鋭意検討した結果、一定水分以下の糖及
び/又は糖アルコール水溶液中に水溶性乳化剤及び蛋白
質を溶解し、これに油溶性乳化剤を溶解した油相を添加
して乳化することにより、微生物的にも物理的にも保存
性に優れ、且つ良好な食感と保型性、風味を有する起泡
性ミックスを製造し得ることを見出し、本発明を完成す
るに至った。即ち本発明は、油相と水相とを乳化して得
られる水中油型乳化組成物であって、乳化剤、蛋白質、
糖及び/又は糖アルコールを必須成分として含有し、該
水相中の糖及び/又は糖アルコール濃度が固形物量換算
で60重量%以上であり、水相中の水分が35重量%以下に
調整されていることを特徴とするペースト状起泡性クリ
ームミックス、並びに水溶性乳化剤、蛋白質、糖及び/
又は糖アルコールを含有する水相と、油溶性乳化剤を含
有する油相とを乳化することを特徴とするペースト状起
泡性クリームミックスの製造方法である。
性クリームミックスとその製造方法について説明する。
まず、本発明のペースト状起泡性クリームミックスを製
造するに際して用いられる油脂は、従来の起泡性クリー
ムの製造に使用されてきた動植物性油脂であればいかな
る油脂であってもよく、例えばナタネ油、大豆油、ヒマ
ワリ種子油、綿実油、落花生油、コーン油、サフラワー
油、ゴマ油、月見草油、パーム油、カカオ脂、ヤシ油、
パーム核油、乳脂、牛脂、ラード、魚油、鯨油などが例
示でき、これら油脂類の単独または混合油、あるいはそ
れらの硬化、分別、エステル交換等を施した加工油脂が
適する。油脂の配合量は特に限定されるものではない
が、好ましくはペースト状起泡性クリームミックス中20
〜60重量%、更に好ましくは25〜50重量%で用いるのが
望ましい。
は、従来から起泡性クリーム製造で乳化安定化や起泡性
などの目的で用いられている高HLBの水溶性または水
分散性乳化剤をそのまま使用することが可能であり、例
えばショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、ポリグリセリン脂肪酸エステルなどが例示でき、こ
れらを単独または混合して使用することができる。水溶
性乳化剤をHLBとして規定するならば、好ましくは9
以上、更に好ましくは10〜16のものである。また、本発
明で使用される油溶性乳化剤もまた、従来から起泡性ク
リーム製造で解乳化や保型性発現などの目的で用いられ
ている低HLBの油溶性または油分散性乳化剤をそのま
ま使用することが可能であり、例えばグリセリンモノ脂
肪酸エステル、グリセリンジ脂肪酸エステル、大豆レシ
チンなどのリン脂質類、プロピレングリコール脂肪酸エ
ステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸
エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、有機酸モノグリ
セリドなどが例示でき、これらを単独または混合して使
用することができる。油溶性乳化剤をHLBとして規定
するならば、好ましくは9以下のものである。乳化剤の
配合量は特に限定されるものではないが、好ましくはペ
ースト状起泡性クリームミックス中 0.1〜5重量%で用
いるのが望ましい。
より起泡性クリームに用いられている蛋白質であれば何
れのものでもよく、例えば、乳蛋白質、植物性蛋白質、
動物性蛋白質など、あるいはこれらからなる蛋白製剤、
例えば、脱脂粉乳、全脂粉乳、バターミルクパウダー、
カゼインナトリウム、ホエー蛋白、脱脂濃縮乳などから
選ばれる1種または2種以上があげられる。蛋白質の配
合量は特に限定されるものではないが、好ましくはペー
スト状起泡性クリームミックス中1〜10重量%で用いる
のが望ましい。
ルコース、ラクトース、マルトース、シュークロース、
フラクトース、トレハロースなどや、オリゴ糖を有する
澱粉糖化物などを挙げることができる。また、糖アルコ
ールとしては、例えばソルビトール、マルチトール、ラ
クチトール、マンニトール、キシリトールなどや、還元
澱粉糖化物などを挙げることができる。これらは1種ま
たは2種以上を併用して用いることができる。糖及び/
又は糖アルコールの配合量は、本発明のペースト状起泡
性クリームミックスの水相中の水分量を制御し、ミック
スの微生物的、物理的保存性を向上するために重要であ
る。即ち、本発明の目的を達成するためには、糖及び/
又は糖アルコールは、ペースト状起泡性クリームミック
スの水相中に固形分量として60重量%以上、好ましくは
60〜80重量%、更に好ましくは60〜70重量%含有するこ
とが望ましい。この時に、ペースト状起泡性クリームミ
ックスの水相中の水分は35重量%以下であることが必要
であり、更に好ましくは35〜20重量%であることが望ま
しい。ペースト状起泡性クリームミックスの水相中の水
分が35重量%より多いときには、ペースト状起泡性ミッ
クスに含まれる乳化脂肪球が不安定となり室温での保存
性が悪化するとともに、微生物的保存性も低下する。ま
た、水相中の水分が20重量%に満たない場合は、保存性
に優れたペースト状起泡性ミックスは得られるものの、
ホイップ時に添加する水または牛乳などへの分散性が悪
く、作業性が悪化し取り扱いにくいミックスとなってし
まう。
ックスは、必要に応じ従来の起泡性クリームミックスに
使用されているリン酸やクエン酸のアルカリ金属塩など
の安定剤、グアガムやキサンタンガム等のガム類、フレ
ーバーなどの着香料を同様に用いることができる。
スは、上記の成分を使用して常法により製造することが
できる。例えば、蛋白質、水溶性乳化剤、糖及び/又は
糖アルコールを含有し、水分が35%重量以下に調整され
た水相と、油溶性乳化剤と食用油脂を含む油相とを、そ
れぞれ適当な温度に加温した後、両者を混合してO/W
型乳化組成物を行なう。この時に用いる乳化機としては
従来より均質化に用いられている高圧乳化機を使用する
ことも可能であるが、より低剪断力のホモミキサー等に
よる乳化機のみの乳化であっても良い。得られた乳化物
は、従来の液状クリームミックスと同様に殺菌処理を行
なうことも可能であるが、本発明のペースト状起泡性ク
リームミックスは特に殺菌工程を設けなくても、微生物
的保存性は良好である。また、商品形態によってはレト
ルト容器に充填後レトルト殺菌を行なうことも可能であ
る。更に、本発明のペースト状起泡性クリームミックス
は、従来の液状クリームミックス製造法と同様に殺菌
後、5〜10℃に急冷しエージングを行なうことも可能で
あるが、徐冷により室温まで冷却するだけでもよい。こ
のようにして得られた本発明のペースト状起泡性クリー
ムミックスは、常温下で保存することが可能である。
スを使用してホイップクリームを得るためには、ペース
ト状起泡性クリームミックスを水または牛乳で希釈し、
従来の方法によりホイップすることにより得ることがで
きる。この時、本発明のペースト状起泡性クリームミッ
クスをあらかじめ5℃程度に冷却しておく、あるいは5
℃程度に冷却した水または牛乳を添加し、氷冷しながら
ホイップする、あるいは水または牛乳を添加し氷冷しな
がらホイップすることが好ましい。本発明のペースト状
起泡性クリームミックスへの水または牛乳の添加量は特
に規定されないが、ホイップ時の油相濃度が20〜40重量
%になるように希釈することが好ましい。
更に詳しく説明する。ただし、これらの例は本発明を制
限するものではない。尚、実施例中の「部」は、「重量
部」を、「%」は、「重量%」を意味する。 実施例1〜3、比較例1〜3 〔ペースト状起泡性クリームの調製〕表1に示す配合に
従い、油相成分及び水相成分をそれぞれ溶解し、油相部
及び水相部とした。水相部及び油相部をそれぞれ60℃に
加温し、水相部に油相部を添加し、ホモミキサー(特殊
機化工業製)にて60℃で15分間乳化を行なった。更に、
乳化しながら80℃で30分間維持した後10℃まで冷却し、
ペースト状起泡性クリームミックスを得た。 〔評価〕このようにして得たペースト状起泡性クリーム
ミックスについて、(1)保存性の評価した。また、ミ
キサー(ホパート:カナダ社製)を用いてホイップドク
リームを調製し、(2)ホイップ性、(3)保型性、
(4)食感及び風味の評価を行なった。評価方法は以下
の通りである。 (1)保存性 得られたペースト状起泡性クリームミックスを30℃で保
存し、ミックス中の脂肪球が凝集、または脂肪分離する
までの物理的保存限界期間、及び標準寒天培地を使用し
て検出されるミックス1gあたりの一般生菌数が、5万
個以上に増えるまでの微生物的保存限界期間を測定し
た。 (2)ホイップ性 ホバートミキサーに10℃に冷却したミックス 600gと水
200gを入れ、氷冷しながら低速で1分間混合後、高速
でホイップを行ない、保型性が出るまでのホイップ時間
及びそのときのオーバーランを測定した。 (3)保型性 保型性の評価は、得られたホイップドクリームを5℃の
雰囲気下、48時間保存した後、形状変化及び離水度合い
から、良好、不良の2段階で評価した。 (4)食感及び風味 食感、風味の官能評価は、20人のパネラーによるモナデ
ィックテストにより行なった。評価基準は、良好、不良
の2段階評価で、支持の多かった結果を示した。 結果を表2に示す。表2に示された結果から、本発明の
ペースト状起泡性クリームミックスは、良好な保存性を
有し、しかもホイップ性能、保型性、食感、風味に優れ
たホイップドクリームを提供することができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 油相と水相とを乳化して得られる水中油
型乳化組成物であって、乳化剤、蛋白質、糖及び/又は
糖アルコールを必須成分として含有し、該水相中の糖及
び/又は糖アルコール濃度が固形物量換算で60重量%以
上であり、水相中の水分が35重量%以下に調整されてい
ることを特徴とするペースト状起泡性クリームミック
ス。 - 【請求項2】 水中油型乳化組成物に含有される乳化剤
が少なくとも1種類以上の水溶性乳化剤及び少なくとも
1種類以上の油溶性乳化剤とからなることを特徴とする
請求項1記載のペースト状起泡性クリームミックス。 - 【請求項3】 水溶性乳化剤、蛋白質、糖及び/又は糖
アルコールを含有する水相と、油溶性乳化剤を含有する
油相とを乳化することを特徴とするペースト状起泡性ク
リームミックスの製造方法。 - 【請求項4】 水相中の水分が35重量%以下に調整され
ていることを特徴とする請求項3記載のペースト状起泡
性クリームミックスの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19626295A JP3386933B2 (ja) | 1995-08-01 | 1995-08-01 | ペースト状起泡性クリームミックス及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19626295A JP3386933B2 (ja) | 1995-08-01 | 1995-08-01 | ペースト状起泡性クリームミックス及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0937731A true JPH0937731A (ja) | 1997-02-10 |
JP3386933B2 JP3386933B2 (ja) | 2003-03-17 |
Family
ID=16354888
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP19626295A Expired - Fee Related JP3386933B2 (ja) | 1995-08-01 | 1995-08-01 | ペースト状起泡性クリームミックス及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3386933B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001061410A (ja) * | 1999-08-25 | 2001-03-13 | Snow Brand Milk Prod Co Ltd | 起泡性水中油型乳化物 |
-
1995
- 1995-08-01 JP JP19626295A patent/JP3386933B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2001061410A (ja) * | 1999-08-25 | 2001-03-13 | Snow Brand Milk Prod Co Ltd | 起泡性水中油型乳化物 |
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JP3386933B2 (ja) | 2003-03-17 |
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