JPH0937728A - 麺のホグレ改良剤とそれを用いた麺の製造方法 - Google Patents

麺のホグレ改良剤とそれを用いた麺の製造方法

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JPH0937728A
JPH0937728A JP7211173A JP21117395A JPH0937728A JP H0937728 A JPH0937728 A JP H0937728A JP 7211173 A JP7211173 A JP 7211173A JP 21117395 A JP21117395 A JP 21117395A JP H0937728 A JPH0937728 A JP H0937728A
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JP
Japan
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oil
noodle
noodles
boiled
water
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Withdrawn
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JP7211173A
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English (en)
Inventor
Shinichiro Kashiwazaki
紳一郎 柏崎
Hirozumi Togashi
博純 富樫
Takasuke Mitsuko
隆輔 三古
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Riken Vitamin Co Ltd
Original Assignee
Riken Vitamin Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 うどん、そば類等の麺の外観を損うことなく
ホグレが極めて良好なゆで蒸し麺の提供。 【解決手段】 グリセリンモノ脂肪酸エステル含有油脂
を有効成分とする麺のホグレ改良剤とこれを用いた麺の
製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は麺を食する際におけ
るゆで直し、炒め、加温等の再加熱調理時に麺のホグレ
が極めて良好なゆで蒸し麺類を提供することを目的とす
るものである。
【0002】
【従来の技術】ゆで麺類、蒸し麺類やL.L.麺類はα化の
ためゆで蒸し等の加熱工程を採って商品化している。し
かしα化し糊化された麺線は、包装時に麺同士が付着を
起してホグレを著しく悪くする。このため、炒め、加温
等の再加熱調理時に無理にほぐすことになり、麺線が切
れてしまう問題やほぐれが悪いため再加熱調理が不均一
になり、加熱むら、食味が悪い、外観が悪い等の問題が
あった。
【0003】これらの問題の解決方法として従来食用油
脂や乳化油脂を噴霧する方法や水中油型乳化油脂を溶か
した浸漬水に浸ける方法等がとられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述のように油脂を用
いることで若干ホグレの改善にはなるが、完全に麺線の
付着を抑制しホグレの良いものとするためには、油の水
と馴染まない性質を用いるため多量の油脂が必要であっ
た。ところがそのために油っぽくなり食味食感を損なわ
せたり、スープに油が浮くなどの問題があった。また、
前述のように乳化油脂を用いた場合、油を水溶性基材で
包んでいるため水分散性は良いが油の効果が出にくくホ
グレの改善効果は弱い。また熱に弱く分離の恐れもある
ためゆで湯に入れる等のことはできない。
【0005】これらを改良すべく本発明は、ホグレが良
く、麺に適度な艶を与え、熱湯で麺を可食状態にもどし
てもスープに油が浮かない改良剤とその製造方法に関す
るものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
を重ねた結果、ジグリセリンモノ脂肪酸エステルを油脂
に含有させることで油の界面的性質を改良し、油脂であ
りながら水に馴染む性質を付与させることに成功した。
この油脂を、麺の製造時におけるゆで工程又は/及び浸
漬工程にそれぞれの水に溶かして麺を製造することで上
述の課題を解決できることを見出し本発明を完成させ
た。
【0007】本発明における麺類とは、小麦粉、水及び
その他の原材料を混合し製麺したものである。例を挙げ
れば、ゆでうどん、ゆで中華、ゆでそば、ゆでスパゲテ
ィー、むし中華等であり、それぞれ常温流通麺(L.L.
麺)、低温流通麺(チルド麺)、冷凍麺のいずれであっ
ても良い。
【0008】本発明に使用される油脂は食用に供される
ものであれば特に限定されるものではない。あえて例を
挙げれば、大豆油、綿実油、パーム油、ごま油、米油、
サフラワー油、ヤシ油、コーン油、パーム核油、魚油、
牛脂、乳脂等の動植物性油脂及びこれらの硬化油、分別
油、エステル交換油、及び中鎖脂肪酸トリグリセライド
等を一種又は二種以上混合したものである。
【0009】本発明のジグリセリンモノ脂肪酸エステル
とは、グリセリンが2つ重合し、脂肪酸が1つエステル
結合しているものを指す。この乳化剤以外の乳化剤の中
にはこれ以上に油を水に馴染ませる力が強く風味良好で
あり、麺表面のコーティング効果及びバラケ効果に優れ
る乳化剤はなかった。
【0010】本発明に用いるジグリセリンモノ脂肪酸エ
ステルの脂肪酸は炭素数8〜22の脂肪酸単独又は混合
物、好ましくは炭素数16〜22の脂肪酸単独又は混合物で
ある。本発明に用いるジグリセリンモノ脂肪酸エステル
の含有量は、 0.2重量%以上が好ましく、これ以下にな
ると効果がなくなる。本発明方法を使用する場合の浸漬
水の濃度は改良剤として 0.1〜10重量%が好ましい。
【0011】
【実施例】常温流通麺(L.L.麺)のうどんを製造し実施
例と比較例を比較した。
【0012】<実施例1>L.L.うどんの製造方法は次の
通りである。
【0013】(本発明例1)大豆油95g、ジグリセリン
モノパルミチン酸エステル5gを均一に溶解混合し、ホ
グレ改良剤を得た。これを上述のL.L.うどん製造方法の
ゆで酸処理工程でゆで水に6%(対ゆで水重量)溶解混
合し、L.L.うどんを得た。ゆで酸処理中、改良剤はゆで
水に均一分散して油滴が浮くようなことはなかった。
【0014】(本発明例2)ナタネ油80g、ジグリセリ
ンモノオレイン酸エステル20gを均一に溶解混合し、ホ
グレ改良剤を得た。これをL.L.うどん製造方法の浸漬酸
処理工程で浸漬水に15%(対浸漬水)に溶解混合し、L.
L.うどんを得た。浸漬酸処理中改良剤は浸漬水に均一分
散して油滴が浮くようなことはなかった。
【0015】(比較例1)麺に対してかけ油を行った。
(現状の製造方法) 油脂はコーン油を使用し、L.L.麺製造方法の浸漬酸処理
工程の後に2%(対麺重量)噴霧によりかけ油を行っ
た。
【0016】(比較例2)還元水飴55%、クルードレシ
チン5%、クエン酸モノグリセリンモノオレイン酸エス
テル3%、大豆油37%の水中油型乳化油脂を得た。これ
をL.L.麺製造方法の浸漬酸処理工程、浸漬水に 3.5%
(対浸漬水)に混合分散し、L.L.うどんを得た。浸漬酸
処理中乳化油脂は浸漬水に均一分散して油滴が浮くよう
なことはなかった。
【0017】上述の本発明例1〜2及び比較例1〜2で
得られたL.L.うどん麺を室温で3週間保存した後包装を
とり、ポリスチレン製の器にうつし熱湯をかけて、ホグ
レ性油浮きを官能検査にて評価した。評価はパネラー20
人にて5点評価法で行った。それぞれの平均を算出し、
その結果を表1に示す。
【0018】
【表1】 ホグレ:5点 良い 油浮き:5点 浮かない 4点 やや良い 4点 ほとんど浮かない 3点 普通 3点 気にならない 2点 やや悪い 2点 やや気になる 1点 悪い 1点 浮いている
【0019】表1から明らかなように実施例は比較例に
比べてホグレが良く、スープに油浮きがない。また麺に
つやを付与し外観向上効果や、のどごしの良いつるつる
感も付与するなど総合的に優れたでき上がりとなった。
【0020】<実施例2>低温流通麺(チルド麺)の日
本そばを製造し、本発明例と比較例を比べた。
【0021】チルドそばの製造方法は次の通りである。
【0022】(本発明例3)米油85g、ジグリセリンモ
ノリノール酸エステル15gを均一に溶解混合し、ホグレ
改良剤を得た。これを水に2%溶解し、浸漬水とした。
冷却、水切り後の麺をこの浸漬水に30秒浸漬し、小分け
包装して製品を得た。
【0023】(比較例3)ヘキサグリセリンモノオレイ
ン酸エステル7%、コーンサラダ油30%、70%ソルビト
ール液53%、水10%の水中油型乳化油脂を得た。この乳
化油脂を製麺に使用する練り水に2部混合分散させて、
製麺時に練り込み使用した。その後、上述のそば製造方
法によりそばを製造した。
【0024】(比較例4)粉末の高純度レシチンを水に
1%溶解し、これを浸漬水とした。冷却、水切り後の麺
をこの浸漬水に30秒浸漬し、小分け包装して製品を得
た。
【0025】上述の本発明例3及び比較例3〜4で得ら
れたチルドそばを冷蔵庫で3日保存した後、そばつゆに
つけてホグレ性、油浮きを官能評価した。評価はパネラ
ー20人にて5点評価法で行った。それぞれの平均を算出
し、その結果を表2に示す。
【0026】
【表2】 ホグレ:5点 良い 油浮き:5点 浮かない 4点 やや良い 4点 ほとんど浮かない 3点 普通 3点 気にならない 2点 やや悪い 2点 やや気になる 1点 悪い 1点 浮いている
【0027】表2から明らかなように本発明例は比較例
と比べ油浮きに関しては同等であったが、ホグレに関し
ては大きく差があり、本発明例の方が良好であった。本
発明例では麺につやを付与し、外観向上効果やのどごし
の良いなめらかさを付与するなど優れたでき上がりとな
った。
【0028】<実施例3>蒸し中華麺(焼そば麺)を製
造し、本発明例と比較例を比べた。
【0029】焼きそば麺の製造方法は次の通りである。
【0030】(本発明例4)大豆油、米油、コーン油
1:1:1の混合油88gにジグリセリンモノエルカ酸エ
ステル12gを均一溶解混合し、品質改良剤を得た。これ
を水に3%溶解し、浸漬水とした。冷却、水切り後の麺
をこの浸漬水に30秒浸漬し、小分け包装して加熱殺菌の
後製品を得た。
【0031】(比較例5)麺に対して現状一般的な製法
である、かけ油を行った。油脂は大豆油、米油、コーン
油 1:1:1の混合油を使用し、冷却、水切り後麺に
2%(対麺重量)噴霧によりかけ油を行った。その後小
分け包装して加熱殺菌の後製品を得た。
【0032】上述の本発明例4及び比較例5で得られた
焼そば麺を、冷蔵庫で7日間保存した後包装をとり、ホ
グレ性、麺質を官能検査にて評価した。また、麺の強度
(引っぱり強度)をレオメーターで測定し、老化度合い
を比較した。評価はパネラー20人にて5点評価法で行っ
た。それぞれの平均を算出し、その結果を表3に示す。
【0033】
【表3】 ホグレ:5点 良い 麺質:5点 やわらかい 4点 やや良い 4点 やややわらかい 3点 普通 3点 普通 2点 やや悪い 2点 ややかたい 1点 悪い 1点 かたい
【0034】表3から明らかなように本発明例4は比較
例5に比べてホグレが良かった。また、本発明例4は比
較例5に比べ高い引っぱり強度を持っていて、麺が老化
してもろくなっていないことが明らかであった。
【0035】
【発明の効果】ゆで麺、むし麺などのα化麺は現状、ホ
グレ向上のために油脂の噴霧が行われている。しかしそ
の油が外観を損ねさせているだけでなくスープに油が浮
くなど製品全体のできを悪くしてしまっている。特にう
どん、そば類はスープに油が浮くと困る製品と言える。
本発明によるホグレ改良剤及び製造方法によれば、従来
技術的に難しかったホグレ性の良いうどん、そば類が容
易に得られ、しかもスープに油浮きのない、外観に優れ
た商品価値の高い製品を製造することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジグリセリンモノ脂肪酸エステル含有油
    脂を有効成分とする麺のホグレ改良剤。
  2. 【請求項2】 ジグリセリンモノ脂肪酸エステル含有油
    脂をゆで湯又は浸漬水に溶解して使用することを特徴と
    する麺の製造方法。
JP7211173A 1995-07-27 1995-07-27 麺のホグレ改良剤とそれを用いた麺の製造方法 Withdrawn JPH0937728A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09285259A (ja) * 1996-04-22 1997-11-04 Riken Vitamin Co Ltd 澱粉質含有食品の品質改良剤組成物及び油脂組成物
JP2002325543A (ja) * 2001-04-27 2002-11-12 Showa Sangyo Co Ltd 麺類の製造方法
JP2008092879A (ja) * 2006-10-12 2008-04-24 Riken Vitamin Co Ltd 麺用水分散性ほぐれ剤
JP2019141006A (ja) * 2018-02-23 2019-08-29 日清オイリオグループ株式会社 麺用ほぐれ剤及び麺

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