JPH0936423A - 3族窒化物半導体発光素子 - Google Patents

3族窒化物半導体発光素子

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JPH0936423A
JPH0936423A JP20918395A JP20918395A JPH0936423A JP H0936423 A JPH0936423 A JP H0936423A JP 20918395 A JP20918395 A JP 20918395A JP 20918395 A JP20918395 A JP 20918395A JP H0936423 A JPH0936423 A JP H0936423A
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JP
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light emitting
group iii
iii nitride
nitride semiconductor
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Masayoshi Koike
正好 小池
Shinya Asami
慎也 浅見
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Toyoda Gosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】3族窒化物化合物半導体を用いた紫外線発光素
子の発光効率の向上。 【構成】発光層5は、膜厚約100 ÅのIn0.07Ga0.92N か
ら成る20層の井戸層52とこの井戸層よりも禁制帯幅
の広いGaN から成る21層のバリア層51とを交互に多
数積層させた多重量子井戸で構成され、各井戸層52に
シリコンを濃度 5×1017/cm3に添加した。シリコンによ
るドナー準位が各井戸層52に形成されるため、発光に
寄与する電子とホールとの再結合確率が増大するため
に、紫外線の発光強度が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は紫外線発光の効率を
向上させた3族窒化物半導体を用いた発光素子に関す
る。
【0002】
【従来技術】従来、3族窒化物半導体を用いた紫外線発
光素子は、発光層にInGaN 又はAlGaN が用いられてい
た。発光層にInGaN を用いた場合には、Inの組成比が
5.5%以下の時、バンド間発光で波長380nm以下
の紫外線が得られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この構造の発
光素子は、まだ、発光効率が低いという問題がある。即
ち、発光層にInGaN を用いた場合には、低温成長のため
に発光層の結晶性が悪く、発光効率が低い。又、バンド
間のキャリア再結合による発光のために、発光効率が悪
いという問題がある。
【0004】本発明は上記の課題を解決するために成さ
れたものであり、その目的は、3族窒化物化合物半導体
を用いた紫外線発光素子の発光効率を向上させることで
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、発光層に3族窒化物半導体を用いた発光素子におい
て、発光層は、Alx1GaY1In1-X1-Y1N から成る井戸層と
この井戸層よりも禁制帯幅の広いAlx2GaY2In1-X2-Y2N
から成るバリア層とを交互に積層させた量子井戸で構成
され、各井戸層にドナー不純物又はアクセプタ不純物を
添加したことを特徴とする。量子井戸構造の繰り返し回
数は1回でも多数回でも良い。
【0006】又、請求項2の発明は、バリア層をGaN で
構成したことを特徴とし、請求項3の発明は、井戸層に
添加するドナー不純物をシリコンとし、請求項4の発明
は、不純物の濃度を1×1017〜5×1018/cm3とした
ことを特徴とし、請求項5の発明は井戸層とバリア層と
で格子定数を一致させたことである。尚、不純物濃度が
1×1017/cm3より小さいと発光効率が低下するため望
ましくなく、5×1018/cm3よりも大きいと結晶性が低
下するため望ましくない。又、添加する不純物としては
浅い準位を形成するものが良い。ドナー不純物原子とし
ては、イオウ(S) 、テルル(Te)、セレン(Se)等が使用で
き、アクセプタ不純物原子としては、マグネシウム(M
g)、亜鉛(Zn)が使用可能である。
【0007】
【発明の作用及び効果】発光層をAlGaInN の多重量子井
戸構造とし、井戸層にドナー不純物又はアクセプタ不純
物を添加した。このため、ドナー準位、又は、アクセプ
タ準位が形成されるため、発光に寄与する電子とホール
の再結合確率が増大するため、再結合による発光効率が
向上する。又、インジウムの組成比と不純物濃度は、希
望する発光ピーク波長と発光強度との関係で決定され
る。
【0008】
【実施例】第1実施例 図1において、発光ダイオード10は、サファイア基板
1を有しており、そのサファイア基板1上に500 ÅのAl
N のバッファ層2が形成されている。そのバッファ層2
の上には、順に、膜厚約5.0 μm、濃度 5×1018/cm3
シリコンドープGaN から成る高キャリア濃度n+ 層3、
膜厚約0.5 μm、濃度 5×1017/cm3のシリコンドープの
GaN から成るn層4、全膜厚約0.41μmの発光層5、膜
厚約0.5μm、ホール濃度5 ×1017/cm3、濃度 5×1020/
cm3にマグネシウムがドープされたAl0.08Ga0.92N から
成るp層61、膜厚約1 μm、ホール濃度 7×1018/c
m3、マグネシウム濃度 5×1021/cm3のマグネシウムドー
プのGaN から成るコンタクト層62が形成されている。
そして、コンタクト層62上にコンタクト層62に接合
するNiから成る電極7が形成されている。さらに、高キ
ャリア濃度n+ 層3の表面の一部は露出しており、その
露出部上にその層3に接合するNiから成る電極8が形成
されている。
【0009】発光層5の詳細な構成は、図2に示すよう
に、膜厚約100 ÅのGaN から成る21層のバリア層51
と膜厚約100 ÅのIn0.07Ga0.93N から成る20層の井戸
層52とが交互に積層された多重量子井戸構造で、全膜
厚約0.41μmである。又、井戸層52には、シリコンが
5 ×1018/cm3の濃度に添加されている。
【0010】次に、この構造の発光ダイオード10の製
造方法について説明する。上記発光ダイオード10は、
有機金属化合物気相成長法( 以下「M0VPE 」と記す) に
よる気相成長により製造された。用いられたガスは、NH
3 とキャリアガスH2又はN2 とトリメチルガリウム(Ga
(CH3)3)(以下「TMG 」と記す) とトリメチルアルミニ
ウム(Al(CH3)3)(以下「TMA 」と記す) とトリメチルイ
ンジウム(In(CH3)3)(以下「TMI 」と記す) とシラン(S
iH4)とシクロペンタジエニルマグネシウム(Mg(C5H5)2)
(以下「CP2Mg 」と記す)である。
【0011】まず、有機洗浄及び熱処理により洗浄した
a面を主面とする厚さ100 〜400 μmの単結晶のサファ
イア基板1をM0VPE 装置の反応室に載置されたサセプタ
に装着する。次に、常圧でH2を流速2 liter/分で反応室
に流しながら温度1100℃でサファイア基板1を気相エッ
チングした。
【0012】次に、温度を 400℃まで低下させて、H2
20 liter/分、NH3 を10 liter/分、TMA を 1.8×10-5
モル/分で供給してAlN のバッファ層2が約 500Åの厚
さに形成された。次に、サファイア基板1の温度を1150
℃に保持し、H2を20 liter/分、NH3 を10 liter/分、
TMG を 1.7×10-4ル/分、H2ガスにより0.86ppm に希釈
されたシランを200ml/分で70分供給して、膜厚約 5μ
m、濃度 5×1018/cm3のシリコンドープのGaN から成る
高キャリア濃度n+ 層3を形成した。
【0013】次に、サファイア基板1の温度を1100℃に
保持し、N2又はH2を10 liter/分、NH3 を 10liter/
分、TMG を1.12×10-4モル/分、及び、H2ガスにより0.
86ppmに希釈されたシランを10×10-9mol/分で、30分供
給して、膜厚約0.5 μm、濃度5×1017/cm3のシリコン
ドープのGaN から成るn層4を形成した。
【0014】その後、サファイア基板1の温度を850 ℃
に保持し、H2を20 liter/分、NH3を10 liter/分、TMG
を 1.7×10-4ル/分、で3分間導入してGaN から成る
厚さ100Åのバリア層51を形成した。次に、N2又は
H2を20 liter/分、NH3 を10liter/分、TMG を2.1 ×1
0-4モル/分、TMI を0.02×10-4モル/分、H2ガスによ
り0.86ppm に希釈されたシランを10×10-8mol/分で、で
3分間導入してIn0.07Ga0.93N から成る厚さ100Åの
シリコンが 5×1018/cm3の濃度に添加された井戸層52
を形成した。このような手順の繰り返しにより、図6に
示すように、バリア層51と井戸層52とを交互に、2
1層と20層だけ積層たし多重量子井戸構造で、全体の
厚さ0.41μmの発光層5を形成した。
【0015】続いて、温度を1100℃に保持し、N2又はH2
を20 liter/分、NH3 を 10liter/分、TMG を1.12×10
-4モル/分、TMA を0.47×10-4モル/分、及び、CP2Mg
を2×10-4モル/分で30分間導入し、膜厚約0.5 μmの
マグネシウム(Mg)ドープのAl0.08Ga0.92N から成るp層
61を形成した。p層61のマグネシウムの濃度は 5×
1020/cm3である。この状態では、p層61は、まだ、抵
抗率108 Ωcm以上の絶縁体である。
【0016】続いて、温度を1100℃に保持し、N2又はH2
を20 liter/分、NH3 を 10liter/分、TMG を1.12×10
-4モル/分、及び、CP2Mg を 4×10-3モル/分の割合で
4分間導入し、膜厚約1 μmのマグネシウム(Mg)ドープ
のGaN から成るコンタクト層62を形成した。コンタク
ト層62のマグネシウムの濃度は 5×1021/cm3である。
この状態では、コンタクト層62は、まだ、抵抗率108
Ωcm以上の絶縁体である。
【0017】このようにして、図2に示す断面構造のウ
エハが得られた。次に、このウエハを、450℃で45
分間、熱処理した。この熱処理により、コンタクト層6
2、p層61は、それぞれ、ホール濃度 7×1017/cm3
5×1017/cm3、抵抗率 2Ωcm,0.8 Ωcm のp伝導型半
導体となった。このようにして、多層構造のウエハが得
られた。
【0018】次に、図3に示すように、コンタクト層6
2の上に、スパッタリングによりSiO2層9を2000Åの厚
さに形成し、そのSiO2層9上にフォトレジスト10を塗
布した。そして、フォトリソグラフにより、図3に示す
ように、コンタクト層62上において、高キャリア濃度
+ 層3に対する電極形成部位A' のフォトレジスト1
0を除去した。次に、図4に示すように、フォトレジス
ト10によって覆われていないSiO2層9をフッ化水素酸
系エッチング液で除去した。
【0019】次に、フォトレジスト10及びSiO2層9に
よって覆われていない部位のコンタクト層62、p層6
1、発光層5、n層4を、真空度0.04Torr、高周波電力
0.44W/cm2 、BCl3ガスを10 ml/分の割合で供給しドライ
エッチングした後、Arでドライエッチングした。この工
程で、図5に示すように、高キャリア濃度n+ 層3に対
する電極取出しのための孔Aが形成された。
【0020】次に、試料の上全面に、一様にNiを蒸着
し、フォトレジストの塗布、フォトリソグラフィ工程、
エッチング工程を経て、図1に示すように、高キャリア
濃度n+ 層3及びコンタクト層62に対する電極8,7
を形成した。その後、上記の如く処理されたウエハを各
チップに切断して、発光ダイオードチップを得た。
【0021】このようにして得られた発光素子は、駆動
電流20mAで、発光ピーク波長380nm、発光強度2mW
であった。この発光効率は3%であり、従来の構成のも
のに比べて10倍に向上した。
【0022】このように、本発明は活性化エネルギーの
小さいドナー不純物原子、又は、アクセプタ不純物原子
を発光層の井戸層に添加しているので、発光中心の数が
増え、発光効率が向上する。上記の実施例では、発光層
5のバリア層51のバンドギャップが両側に存在するp
層61とn層4のバンドギャップよりも小さくなるよう
なダブルヘテロ接合に形成されている。上記実施例では
ダブルヘテロ接合構造を用いたが、シングルヘテロ接合
構造であっても良い。さらに、p層を形成するのに熱処
理を用いたが、電子線照射によってp型化しても良い。
【0023】上記実施例では、発光層5の井戸層52に
In0.07Ga0.93N を用いたが、Al0.03Ga0.89In0.08N 等の
4元系の3族窒化物半導体を用いてもよい。又、バリア
層51にGaN を用いたが、井戸層52の禁制帯幅よりも
大きな禁制帯幅を有するAlx2GaY2In1-X2-Y2N 半導体を
用いても良い。又、発光層5の多重量子井戸の繰り返し
層数は1〜20程度を用いることができる。さらに、バ
リア層51と井戸層52は略格子定数を一致させるよう
に組成比を選択するのが良い。
【0024】尚、上記実施例では、発光ダイオードにつ
いて示したが、本発明をレーザダイオードにも応用する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の具体的な実施例に係る発光ダイオード
の構成を示した構成図。
【図2】同実施例の発光ダイオードの製造工程を示した
断面図。
【図3】同実施例の発光ダイオードの製造工程を示した
断面図。
【図4】同実施例の発光ダイオードの製造工程を示した
断面図。
【図5】同実施例の発光ダイオードの製造工程を示した
断面図。
【符号の説明】
10…発光ダイオード 1…サファイア基板 2…バッファ層 3…高キャリア濃度n+ 層 4…n層 5…発光層 51…バリア層 52…井戸層 61…p層 62…コンタクト層 7,8…電極

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発光層に3族窒化物半導体を用いた発光素
    子において、 前記発光層は、Alx1GaY1In1-X1-Y1N から成る井戸層と
    この井戸層よりも禁制帯幅の広いAlx2GaY2In1-X2-Y2N
    から成るバリア層とを交互に積層させた量子井戸で構成
    され、前記各井戸層にドナー不純物又はアクセプタ不純
    物を添加したことを特徴とする3族窒化物半導体発光素
    子。
  2. 【請求項2】前記バリア層はGaN から成ることを特徴と
    する請求項1に記載の3族窒化物半導体発光素子。
  3. 【請求項3】前記ドナー不純物はシリコン(Si)、テルル
    (Te)、イオウ(S) 、又は、セレン(Se)であり、前記アク
    セプタ不純物は、マグネシウム(Mg)、又は、亜鉛(Zn)で
    あることを特徴とする3族窒化物半導体発光素子。
  4. 【請求項4】前記井戸層に添加する不純物の濃度は1×
    1017〜5×1018/cm3であることを特徴とする請求項
    1に記載の3族窒化物半導体発光素子。
  5. 【請求項5】前記井戸層と前記バリア層は格子定数が一
    致していることを特徴とする請求項1に記載の3族窒化
    物半導体発光素子。
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