JP3538628B2 - 3族窒化物半導体発光素子の製造方法 - Google Patents
3族窒化物半導体発光素子の製造方法Info
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Description
た発光素子に関する。
N 系の化合物半導体を用いたものが知られている。その
化合物半導体は直接遷移型であることから発光効率が高
いこと、光の3原色の1つである青色を発光色とするこ
と等から注目されている。
ドープして電子線を照射したり、熱処理によりp型化で
きることが明らかになった。この結果、従来のn層と半
絶縁層(i層)とを接合させたMIS 型に換えて、AlGaN
のp層と、ZnドープのInGaNの発光層と、AlGaN のn層
とを用いたダブルヘテロpn接合を有する発光ダイオー
ドが提案されている。
の一例として、サファイア基板上に、AlN バッファ層、
Siドープ層、Si,Zn ドープ層、Mgドープ層を順次形成し
たものがある。そして、p層を形成する場合には最上層
の側から電子線を照射して、Mgドープ層をp型化してい
る。
光効率について研究した結果、電子線の照射強度を変化
させると、発光強度が変化することを発見した。この現
象に対して、本発明者は、電子線を照射する時に、マグ
ネシウムがドープされている層を越えて、下層の発光層
にも電子線が照射されることで、その発光層の結晶に欠
陥を発生させていると推定した。
効率を向上させるために製造方法を改善することであ
る。
の発明の構成は、3族窒化物半導体(AlxGaYIn1-X-YN;X=
0,Y=0,X=Y=0 を含む) を用いて、n伝導型を示すn層
と、p伝導型を示すp層と、その間に介在する発光層が
ダブルヘテロ接合で形成された3層構造を有する発光素
子の製造方法において、p層を、アクセプタ不純物が添
加されてキャリア注入層として機能する厚さだけに電子
線が侵入するように設定された加速電圧で電子線を照射
することで形成することを特徴とする。
ために、発光層には電子線が侵入しない電圧で電子線を
照射するようにしているので、発光層に格子欠陥が発生
しないため、発光素子の発光効率が向上する。
ァイア基板1を有しており、そのサファイア基板1上に
500 ÅのAlN のバッファ層2が形成されている。そのバ
ッファ層2の上には、順に、膜厚約2.0 μm、電子濃度
2 ×1018/cm3のシリコンドープGaN から成る高キャリア
濃度n+ 層3、膜厚約2.0 μm、電子濃度 2×1018/cm3
のシリコンドープの(Alx2Ga1-x2)y2In1-y2N から成る高
キャリア濃度n+ 層4、膜厚約0.5 μm、カドミウム(C
d)及びシリコンドープの(Alx1Ga1-x1)y1In1-y1N から成
るi層(発光層)5、膜厚約1.0 μm、ホール濃度2 ×
1017/cm3のマグネシウムドープの(Alx2Ga1-x2)y2In1-y2
N から成るp層6が形成されている。そして、p層6に
接続するニッケルで形成された電極7と高キャリア濃度
n+ 層4に接続するニッケルで形成された電極8が形成
されている。電極7と電極8とは、溝9により電気的に
絶縁分離されている。
造方法について説明する。上記発光ダイオード10は、
有機金属化合物気相成長法( 以下「M0VPE 」と記す) に
よる気相成長により製造された。用いられたガスは、NH
3 とキャリアガスH2又はN2 とトリメチルガリウム(Ga
(CH3)3)(以下「TMG 」と記す) とトリメチルアルミニ
ウム(Al(CH3)3)(以下「TMA」と記す) とトリメチルイ
ンジウム(In(CH3)3)(以下「TMI 」と記す) と、ダイメ
チルカドミニウム(Cd(CH3)2)(以下「DMCd」と記す) と
シラン(SiH4)とシクロペンタジエニルマグネシウム(Mg
(C5H5)2)(以下「CP2Mg 」と記す)である。
a面を主面とする単結晶のサファイア基板1をM0VPE 装
置の反応室に載置されたサセプタに装着する。次に、常
圧でH2を流速2 liter/分で反応室に流しながら温度1100
℃でサファイア基板1を気相エッチングした。
20 liter/分、NH3 を10 liter/分、TMA を 1.8×10-5
モル/分で供給してAlN のバッファ層2が約 500Åの厚
さに形成された。次に、サファイア基板1の温度を1150
℃に保持し、膜厚約2.2 μm、電子濃度 2×1018/cm3の
シリコンドープのGaN から成る高キャリア濃度n+ 層3
を形成した。
光中心として発光ピーク波長を430nm に設定した場合の
発光層5(アクティブ層)及びクラッド層4、6の組成
比及び結晶成長条件の実施例を記す。上記の高キャリア
濃度n+ 層3を形成した後、続いて、サファイア基板1
の温度を850 ℃に保持し、N2又はH2を10 liter/分、NH
3 を 10liter/分、TMG を1.12×10-4モル/分、TMA を
0.47×10-4モル/分、TMI を0.1 ×10-4モル/分、及
び、シランを導入し、膜厚約0.5 μm、濃度1 ×1018/c
m3のシリコンドープの(Al0.47Ga0.53)0.9In0.1N から成
る高キャリア濃度n+ 層4を形成した。
を20 liter/分、NH3 を 10liter/分、TMG を1.53×10
-4モル/分、TMA を0.47×10-4モル/分、TMI を0.02×
10-4モル/分、及び、DMCdを2 ×10-7モル/分とシラン
を10×10-9モル/分導入し、膜厚約0.5 μmのカドミウ
ム(Cd)とシリコン(Si)ドープの(Al0.3Ga0.7)0.94In0.06
N から成る発光層5を形成した。発光層5は高抵抗層で
ある。この発光層5におけるカドミウム(Cd)の濃度は、
5 ×1018/cm3であり、シリコン(Si)の濃度は、1 ×1018
/cm3である。
を20 liter/分、NH3 を 10liter/分、TMG を1.12×10
-4モル/分、TMA を0.47×10-4モル/分、TMI を0.1 ×
10-4モル/分、及び、CP2Mg を2 ×10-4モル/分導入
し、膜厚約1.0 μmのマグネシウム(Mg)ドープの(Al
0.47Ga0.53)0.9In0.1N から成るp層6を形成した。p
層6のマグネシウムの濃度は1 ×1020/cm3である。この
状態では、p層6は、まだ、抵抗率108 Ωcm以上の絶縁
体である。
6に一様に電子線を照射した。電子線の照射条件は、加
速電圧10KV、資料電流1 μA、ビームの移動速度0.2mm/
sec、ビーム径60μmφ、真空度5.0 ×10-5Torrであ
る。この電子線の照射により、p層6は、ホール濃度 2
×1017/cm3、抵抗率 2Ωcmのp伝導型半導体となった。
このようにして、図2に示すような多層構造のウエハが
得られた。この加速電圧10KVは、図8に示すように、電
子線の侵入深さは1μm以下であり、電子線は1.0 μm
の膜厚のマグネシウム(Mg)のドープされた層6のみに照
射され、下層の発光層5及び高キャリア濃度n+ 層4に
は電子線は照射されない。
上の1つの素子のみを示す断面図であり、実際は、この
素子が連続的に繰り返されたウエハについて、処理が行
われ、その後、各素子毎に切断される。
タリングによりSiO2層11を2000Åの厚さに形成した。
次に、そのSiO2層11上にフォトレジスト12を塗布し
た。そして、フォトリソグラフにより、p層6上におい
て、高キャリア濃度n+ 層4に至るように形成される孔
15に対応する電極形成部位Aとその電極形成部をp層
6の電極と絶縁分離する溝9を形成する部位Bのフォト
レジストを除去した。
12によって覆われていないSiO2層11をフッ化水素酸
系エッチング液で除去した。次に、図5に示すように、
フォトレジスト12及びSiO2層11によって覆われてい
ない部位のp層6とその下の発光層5、高キャリア濃度
n+ 層4の上面一部を、真空度0.04Torr、高周波電力0.
44W/cm2 、BCl3ガスを10 ml/分の割合で供給しドライエ
ッチングした後、Arでドライエッチングした。この工程
で、高キャリア濃度n+ 層4に対する電極取出しのため
の孔15と絶縁分離のための溝9が形成された。
ているSiO2層11をフッ化水素酸で除去した。次に、図
7に示すように、試料の上全面に、Ni層13を蒸着によ
り形成した。これにより、孔15には、高キャリア濃度
n+ 層4に電気的に接続されたNi層13が形成される。
そして、図7に示すように、そのNi層13の上にフォト
レジスト14を塗布して、フォトリソグラフにより、そ
のフォトレジスト14が高キャリア濃度n+ 層4及びp
層6に対する電極部が残るように、所定形状にパターン
形成した。
ト14をマスクとして下層のNi層13の露出部を硝酸系
エッチング液でエッチングした。この時、絶縁分離のた
めの溝9に蒸着されたNi層13は、完全に除去される。
次に、フォトレジスト14をアセトンで除去し、高キャ
リア濃度n+ 層4の電極8、p層6の電極7が残され
た。その後、上記の如く処理されたウエハは、各素子毎
に切断され、図1に示すpn構造の窒化ガリウム系発光
素子を得た。
電流20mAで、発光ピーク波長430nm、発光強度100mcdで
あった。
の濃度は、それぞれ、1×1017〜1×1020の範囲が
発光強度を向上させる点で望ましい。又、シリコン(Si)
の濃度は、カドミウム(Cd)に比べて、1/2 〜1/10の程度
少ない方がより望ましい。
ップが両側に存在するp層6と高キャリア濃度n+ 層4
のバンドギャップよりも小さくなるようなダブルヘテロ
接合に形成されている。又、これらの3つの層のAl、G
a、Inの成分比は、GaN の高キャリア濃度n+ 層の格子
定数に一致するように選択されている。又、上記実施例
ではダブルヘテロ接合構造を用いたが、シングルヘテロ
接合構造であっても良い。
ミウム(Cd)とシリコン(Si)とが添加されている。しか
し、この発光層5は、亜鉛(Zn)とシリコン(Si)とを添加
したものでも良い。又、発光層5と高キャリア濃度n+
層4をGaN とし、p層6と発光層5とをヘテロ接合、発
光層5と高キャリア濃度n+ 層4とをホモ接合としても
良い。
っているが、室温よりも高温で電子線照射を行っても良
い。上記の実施例では、電子線照射の加速電圧を一通り
で行っているが、加速電圧を2通り以上にして、電子線
の侵入深さを変えて電子線照射を行っても良い。
が同時にドープされたGayIn1-yN 、p層6はマグネシウ
ム(Mg)のドープされたAlx1Ga1-x1N とマグネシウム(Mg)
のドープされた層の複層で構成して良い。この場合には
この複層のp層にのみ電子線が照射される。
は、それぞれ、1×1017〜1×1020の範囲が発光強
度を向上させる点で望ましいことが分かった。さらに好
ましくは1 ×1018〜1 ×1019の範囲が良い。1 ×1018よ
り少ないと効果が少なく、1×1019より多いと結晶性が
悪くなる。又、シリコン(Si)の濃度は、亜鉛(Zn)に比べ
て、10倍〜1/10が好ましく、さらに好ましくは 1 〜1/
10の間程度か、少ないほうがより望ましい。
もシリコン(Si)濃度が高ければ、i型( 半絶縁性) 、カ
ドミウム(Cd)濃度よりもシリコン(Si)濃度が低ければn
伝導型となる。
カドミウム(Cd)、ドナー不純物にシリコン(Si)を用いた
例を示したが、アクセプタ不純物は、ベリリウム(Be)、
マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)、水銀(H
g)を用いても良い。さらに、ドナー不純物には、炭素
(C) 、シリコン(Si)、ゲルマニウユ(Ge)、錫(Sn)、鉛(P
b)を用いることができる。又、ドナー不純物として、イ
オウ(S) 、セレン(Se)、テルル(Te)を用いることもでき
る。
ードの構成を示した構成図。
断面図。
断面図。
断面図。
断面図。
断面図。
断面図。
子線の侵入深さと損失エネルギーとの関係を示した特性
図。
Claims (1)
- 【請求項1】 3族窒化物半導体(AlxGaYIn1-X-YN;X=0,
Y=0,X=Y=0 を含む) を用いて、n伝導型を示すn層と、
p伝導型を示すp層と、その間に介在する発光層がダブ
ルヘテロ接合で形成された3層構造を有する発光素子の
製造方法において、 前記p層を、アクセプタ不純物が添加されてキャリア注
入層として機能する厚さだけに電子線が侵入するように
設定された加速電圧で電子線を照射することで形成する
ことを特徴とする3族窒化物半導体発光素子の製造方
法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
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-
1994
- 1994-10-18 JP JP27990694A patent/JP3538628B2/ja not_active Expired - Fee Related
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