JPH0935906A - ポリマー系ptc素子およびその製造方法 - Google Patents

ポリマー系ptc素子およびその製造方法

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JPH0935906A
JPH0935906A JP18516195A JP18516195A JPH0935906A JP H0935906 A JPH0935906 A JP H0935906A JP 18516195 A JP18516195 A JP 18516195A JP 18516195 A JP18516195 A JP 18516195A JP H0935906 A JPH0935906 A JP H0935906A
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JP
Japan
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polymer
ptc element
metal
based ptc
electrode
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JP18516195A
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Hisanao Tosaka
久直 戸坂
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TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は結晶性ポリマーに導電性物質を分散さ
せた、いわゆるポリマー系PTC素子において電極と素
体の密着が強く長期にわたって抵抗安定性、耐熱性等に
優れた該素子およびその製造方法の提供をする。 【解決手段】結晶性ポリマーに分散させる導電性物質と
して少なくとも1種の金属粒子もしくは金属繊維または
これらの組み合わせを用いて組成物を作製することによ
り、電極メッキ後の電極の密着が強く長期にわたり抵抗
安定性、耐熱性等の信頼性が高いポリマー系PTC素子
の提供が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は結晶性ポリマーに導電性
物質を分散させた、いわゆるポリマー系PTC素子にお
いて電極と素体の密着が強く長期にわたって抵抗安定
性、耐熱性等に優れた該素子およびその製造方法の提供
に関する。
【0002】
【従来の技術】結晶性ポリマーに適当な量の導電性物質
を均一に分散させた導電性ポリマー組成物はPTC挙動
を示し、このポリマー系PTC組成物にて作られたPT
C素子は小型で低抵抗が図れることが知られている(特
開昭55−78406号公報)。このようなポリマー系
PTC組成物から得られた素体に電極を形成する方法と
して、その素体の相対向する面にNi、Cu等の金属箔
を熱圧着する方法(米国特許第4426633号明細
書)、金属の網状電極を熱圧着する方法(特開昭55−
159507号公報)等があるが、電極と素体の接触抵
抗が大きく、かつ均質なものを生産することが困難であ
った。
【0003】この対策としてPTC素子本体の表面をエ
ッチング処理した後に化学メッキまたは電気メッキをす
る方法がある(特公平4−44401号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記方法
によってもポリマー系PTC組成物を構成する結晶性ポ
リマー及び導電性物質の組み合わせによっては、電極と
素体の密着が弱く、依然として当該問題を解決するまで
には至っていない。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、結晶性ポリマ
ーに分散させる導電性物質として少なくとも1種の金属
粒子もしくは金属繊維またはこれらの組み合わせを用い
て組成物を作製することにより、電極メッキ後の電極の
密着が強く長期にわたり抵抗安定性、耐熱性等に優れた
ポリマー系PTC素子およびその製造方法を提供する。
【0006】本発明に係るポリマー系PTC素子を構成
する組成物は結晶性ポリマーとしては特に制限はなく、
ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ハ
ロゲン化ビニルおよびビニリデンポリマーならびにこれ
らの変性物質が挙げられる。また導電性物質としての金
属粒子及び金属繊維はニッケル、銅、銀、クロム、タン
グステン、鉄等が挙げられる。さらにこれら金属とファ
ーネスブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラ
ック及びグラファイト、炭素繊維、導電性ウィスカー等
を少なくとも1種混和して導電性物質として使用しても
差し支えない。
【0007】結晶性ポリマーに対する該導電性物質の配
合比はできるだけ高い方が望ましいが、低抵抗で優れた
PTC特性を得るには後者の配合の割合は15〜30体
積%であることが好ましい。該導電性物質の配合の割合
が15体積%に満たない場合、常温での素体の抵抗値が
高くなり過電流防止素子等の使用に際して好ましくな
い。また30体積%を越える場合は温度上昇に伴う抵抗
値の変化が小さくPTC素子としては使用できない。
【0008】これらポリマー系PTC組成物はバンバリ
ーミキサー、ミキシングロール等の混練機により混合さ
れ作製される。さらに熱プレスによりシートまたはフィ
ルム状に成形される。この場合必ずしも必要でないが、
電子線架橋や化学架橋を施すことが好ましく、この操作
によりPTC特性発現後の抵抗値が安定化する。この成
形体の表面にサンドブラスト、サンドペーパー等の機械
研磨または硝酸とフッ酸の混合液やクロム酸混液等によ
る化学研磨等のエッチング処理を施し導電性物質、特に
金属を表面に露出させ、この上に化学メッキまたは電気
メッキを施し電極を形成する。メッキ材質としてはニッ
ケル、銅、銀、スズ、クロム等特に制限はないが、素体
との密着度をより強固にするためには導電性物質として
の金属粒子および金属繊維と同じ材質であることが好ま
しい。
【0009】
【実施例】
1.PTC素子作製 (実施例1)結晶性ポリマーとしてポリフッ化ビニリデ
ン(米国エルフ・アトケム・ノース・アメリカ社製、カ
イナ−711)100重量部に対し、シランカップリン
グ剤(信越化学工業(株)製、KBC1003)を10
重量部、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパ
ーオキシ)ヘキシン−3を1重量部の割合で加え200
℃に加熱しながら二軸押出機でグラフト化樹脂を得た。
【0010】次に該グラフト化樹脂に導電性物質の金属
としてニッケル粉(INCO Company製、フィ
ラメント状Ni粉#210)を25体積%となるように
添加し、200℃に加熱しながら混練機で1時間、25
rpmで混練しポリマー系PTC組成物を得て、その後
に200℃、30kgf/cm2にて熱プレスし厚さ約
1mmのシート成形物を得た。
【0011】該シート成形物の表面をガラスビーズによ
り粗面化した後硝酸とフッ酸の混合液に5分間浸漬させ
エッチング処理を行った。この上に無電解ニッケル−ボ
ロン(99%−1%)メッキを厚みが0.2〜0.3μ
mになるように施し、さらに電解ニッケルメッキを数μ
m行い電極を形成した。最後にこの電極が形成されたシ
ートを10φに打ち抜きポリマー系PTC素子を得た。
【0012】(実施例2)メッキの材質が銅である以外
は実施例1と同一の製造条件でポリマー系PTC素子を
得た。
【0013】(実施例3)導電性物質の金属としてニッ
ケル球状粉( INCO Company製、Novam
et 4SP)を使用した以外は実施例1と同一の製造
条件でポリマー系PTC素子を得た。
【0014】(実施例4)導電性物質の金属としてニッ
ケル粉を20体積%となるように添加した以外は実施例
1と同一の製造条件でポリマー系PTC素子を得た。
【0015】(実施例5)導電性物質の金属としてニッ
ケル粉を30体積%となるように添加した以外は実施例
1と同一の製造条件でポリマー系PTC素子を得た。
【0016】(比較例1)導電性物質として金属を使用
せずカーボンブラック(東海カーボン(株)、トーカブ
ラック#4500)を使用した以外は実施例1と同一の
製造条件でポリマー系PTC素子を得た。
【0017】(比較例2)結晶性ポリマーとしてのポリ
フッ化ビニリデンを呉羽化学工業(株)製、KF100
0を使用した以外は比較例1と同一の製造条件でポリマ
ー系PTC素子を得た。
【0018】2.電極密着強度試験 素体と電極の密着強度を見るために簡易試験法として粘
着テープ(ソニーケミカル(株)製、T4000)によ
るピーリング試験及び電極にリード線をはんだ付けして
引っ張り試験を行った。
【0019】ここで、ピーリング試験とは上記した粘着
テープを素子の電極部全体が密着するように張り付けた
後、瞬間的にそのテープを引きはがしたとき粘着面に電
極が付着しているかどうかで電極の密着強度を見る方法
である。
【0020】また引っ張り試験はアイコーエンジニアリ
ング(株)製プッシュプルゲージMODEL9520に
より、素子の電極にはんだ付けしたリード線を引っ張り
その電極が素体から剥離する最大荷重を測定した。
【0021】表1にピーリング試験及び引っ張り試験の
結果を示す。
【0022】これから明らかなように、導電性物質にニ
ッケル粉を用いた素子はカーボンブラックを使用したも
のに比べ電極と素体の密着が強固となる。これはエッチ
ング処理によってニッケル粒子が表面に露出または浸み
でることにより素体表面の金属粒子の密度が上がると共
にメッキを施されたときにアンカー効果をもたらすため
である。電極と素体の密着性が悪いと初期的な特性が得
られても信頼性が悪くなり実際の使用には供することは
できない。
【0023】
【表1】
【0024】3.比抵抗−温度特性 PTC特性の確認のために比抵抗−温度特性を測定し
た。室温(25℃)の比抵抗値に対する最大比抵抗値の
比(Hp;桁)が大きいものほど優れたPTC特性と判
断される。尚、Hpは次式により求められる。
【0025】Hp=log(ρmax/ρ25
ρmax :最大比抵抗値 ρ25 :25℃の比抵抗値 導電性物質としての金属粒子および金属繊維の添加量は
15〜30体積%、好ましくは20〜30体積%、より
好ましくは23〜27体積%が望ましい。添加量が15
体積%を下まわる(あるものは20体積%を下まわる)
と著しく初期の比抵抗が上がりPTC特性(Hp)も小
さくなる。また30体積%を越えると導電性物質が過充
填となりPTC特性が得られなくなる。参考例としてニ
ッケル粒子(前記#210)の充填量別の抵抗温度特性
を図1に示すが、明らかに上記傾向が認められる。この
図においては25体積%程度の充填が初期比抵抗が0.
03Ω・cmと最も低く、またHpも9.0と最も優れ
たPTC特性が得られる。
【0026】
【発明の効果】本発明に係るポリマー系PTC素子は電
極と素体の密着性が良好であり信頼性が高い。特に導電
性物質としての金属粒子および金属繊維とメッキ材質を
同一材質にした場合、より密着性が強固となり耐熱性、
耐触性に優れた製品の提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】抵抗−温度特性

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結晶性ポリマーに少なくとも1種の金属粒
    子もしくは金属繊維またはこれらの組み合わせが含まれ
    た導電性物質が分散された導電性ポリマー組成物にて形
    成され、その表面がエッチング処理された素体と、この
    表面に金属メッキにより形成された電極とからなること
    を特徴とするポリマー系PTC素子。
  2. 【請求項2】導電性物質の含有量が15〜30体積%で
    ある請求項1のポリマー系PTC素子。
  3. 【請求項3】導電性物質である金属と電極が同じ材質で
    あることを特徴とする請求項1または請求項2のポリマ
    ー系PTC素子。
  4. 【請求項4】金属材質がニッケルであることを特徴とす
    る請求項3のポリマー系PTC素子。
  5. 【請求項5】結晶性ポリマーに少なくとも1種の金属粒
    子もしくは金属繊維またはこれらの組み合わせが含まれ
    る導電性物質を分散し導電性ポリマー組成物を得てそれ
    を熱プレスによりシート状またはフィルム状に成形後、
    電子線もしくは放射線による処理または架橋剤による化
    学的な処理により架橋を施し、その表面に化学メッキま
    たは電気メッキにより金属メッキ層を形成することを特
    徴とするポリマー系PTC素子の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001004916A1 (fr) * 1999-07-13 2001-01-18 Unitika Ltd. Dispositif ptc
KR20030024256A (ko) * 2001-09-17 2003-03-26 주식회사 쎄라텍 중합체 양성온도계수 써미스터 제조방법
KR100436582B1 (ko) * 2001-11-10 2004-06-19 엘지전선 주식회사 프레스를 이용한 정온계수 조성물의 화학가교 방법

Cited By (3)

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WO2001004916A1 (fr) * 1999-07-13 2001-01-18 Unitika Ltd. Dispositif ptc
KR20030024256A (ko) * 2001-09-17 2003-03-26 주식회사 쎄라텍 중합체 양성온도계수 써미스터 제조방법
KR100436582B1 (ko) * 2001-11-10 2004-06-19 엘지전선 주식회사 프레스를 이용한 정온계수 조성물의 화학가교 방법

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