JPH0935545A - 耐火電線 - Google Patents

耐火電線

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JPH0935545A
JPH0935545A JP7178318A JP17831895A JPH0935545A JP H0935545 A JPH0935545 A JP H0935545A JP 7178318 A JP7178318 A JP 7178318A JP 17831895 A JP17831895 A JP 17831895A JP H0935545 A JPH0935545 A JP H0935545A
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layer
conductor
fire
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐火電線の耐火層を形成する際の作業性を向
上し、消防庁告示第7号によって定められた耐火認定基
準(840℃に加熱後の絶縁抵抗値が0.4MΩ以上
で、絶縁耐圧が1500V、1分耐圧)を満足すること
は勿論、加熱後925℃に達した際の絶縁抵抗値が0.
4MΩ以上で、絶縁耐圧が1500V、1分耐圧という
絶縁特性及び耐電圧特性を満足させて、安定した電力の
供給を行えるようにする。 【解決手段】 タルクとメチルフェニルシリコーン系樹
脂とキシレンとからなる混合液中に導体2をディッピン
グして第1の耐火層11を形成し、該第1の耐火層11
の上に、マイカ14と裏打材8を貼り合せた集成マイカ
テープ12を1/4ラップ又は縦添えにより1〜3枚重
ね巻き付けて第2の耐火層13を形成し、該第2の耐火
層13の上にポリエチレン等の絶縁体5を被覆しさらに
シース6を被覆して構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、火災等によって高
熱や火炎に晒されても長時間の使用に耐え得る合成樹脂
製の耐火電線に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、劇場、デパート等多数の人が集
合する場所においては、火災等が発生した場合、場内の
人を安全に非常口に案内するために、非常口案内灯など
の避難誘導灯など、避難が完了する程度の一定の時間点
灯させておくことが要求されている。そこで耐火対象物
等における消火設備、警報設備、避難設備の配線に用い
られる耐火電線に関しては、社団法人日本電線工業会が
自主的に独自の耐火電線等に関する認定基準を設け、そ
の性能、構造および材料等の品質の確保を図っている。
本明細書において耐火電線という場合は、昭和53年消
防庁告示第7号で規定された耐火性能を有するケーブル
の総称を指している。この耐火電線は、図5に示す如き
構成を有している。すなわち、耐火電線1は、導体2の
外周に、図6に示される厚さ0.09〜0.15mmから
なる軟質天然集成マイカ(金雲母)7と、厚さ0.01
5〜0.030mmのポリエチレン(PE)、ポリプロピ
レン(PP)等のフィルム又はガラスクロスからなる裏
打材8を貼り合せた集成マイカテープ(耐火テープ)3
を1/2〜1/10ラップ又は縦添えにより4〜8枚必要
に応じ巻き付け、耐火層4を形成し、その外周をポリエ
チレンからなる絶縁体5を押出し被覆して、その上にシ
ース6を被覆して形成されている。
【0003】この耐火電線1は、消防庁告示第7号によ
って定められた耐火認定基準840℃以上の高温におい
て、絶縁特性・耐電圧特性を満足するために、図7に示
す如く、耐火テープ3を4〜8枚、1/2〜1/4ラッ
プして巻き付けるか、又は耐火テープを縦添で巻き付け
ている。このため従来の耐火電線にあっては、耐火層が
450〜600μmとなり、耐火層の上にシースを被覆
するとケーブル外径が太くなってしまい可撓性が悪く、
しかも軽量化が図れず取扱い性が悪くなる。
【0004】このため、近年では、導体2を溶液の中を
浸漬走行させるディッピング法により導体2上に、図8
に示す如くセラミック塗布被膜9を形成させ耐火層とす
る方法が採られている。そして、この溶液は、例えば、
特公昭63−37922号に示される如く、無機物粒子
とシリコン系樹脂のみの混合物を使用している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】耐火テープ3を4〜8
枚、1/2〜1/4ラップして巻き付けた耐火電線1
は、消防庁告示第7号によって定められた耐火認定基準
840℃以上の高温において、絶縁特性・耐電圧特性を
満足するが、耐火テープ3を4〜8枚巻き付けなければ
ならず、耐火層を製作するには大変な労力を必要とし、
作業性が著しく悪い。さらに導体2の上に耐火テープ3
を4〜8枚巻き付けるため、耐火電線1全体としての径
が大きくなってしまう。また、無機物粒子とシリコン系
樹脂のみの混合液中に導体を浸漬走行させて導体表面に
ディッピング法によってセラミック塗布被膜を形成させ
耐火層とする方法にあっては、一般的な耐熱絶縁・耐電
圧特性を持たせることはできるが、消防庁告示第7号に
よって定められた耐火認定基準(840℃に加熱後の絶
縁抵抗値が0.4MΩ以上で、絶縁耐圧が1500V、
1分耐圧)を満足することができない。また、後者の導
体を溶液の中を浸漬走行させるディッピング法によって
導体表面にセラミック塗布被膜を形成させ耐火層とする
従来の耐火電線にあっては、消防庁告示第3号による耐
火試験(JISA1304の火災温度曲線に準じ30分
加熱する)を行う際、基準(火災発生後、火炎に晒され
て30分絶縁性を保持する)は十分に満足するが、さら
に長時間(30分を超えて1時間)燃焼し続けると、9
25℃まで上がり、絶縁特性、耐電圧特性(絶縁抵抗値
が0.4MΩ以上で、絶縁耐圧が1500V、1分耐
圧)を満足することができない。
【0006】本発明の目的は、耐火電線の耐火層を形成
する際の作業性を向上し、消防庁告示第7号によって定
められた耐火認定基準(840℃に加熱後の絶縁抵抗値
が0.4MΩ以上で、絶縁耐圧が1500V、1分耐
圧)を満足することは勿論、加熱後925℃に達した際
の絶縁抵抗値が0.4MΩ以上で、絶縁耐圧が1500
V、1分耐圧という絶縁特性及び耐電圧特性を満足させ
て、安定した電力の供給を行えるようにしようというこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
おける耐火電線は、導体の上に無機質によって構成され
る第1の耐火層と、該第1の耐火層の上に、集成マイカ
テープを重ね巻きして形成する第2の耐火層とを形成
し、前記第2の耐火層の上に絶縁体を被覆しさらにシー
スを被覆して構成したものである。第1の耐火層は、導
体の上にコーティングするように形成して、この第1の
耐火層の上に、集成マイカテープを重ね巻きして第2の
耐火層を形成する。
【0008】請求項2に記載の発明における耐火電線
は、タルクとメチルフェニルシリコーン系樹脂とキシレ
ンとからなる混合液中に導体をディッピングして第1の
耐火層を形成し、該第1の耐火層の上に、マイカと裏打
材を貼り合せた集成マイカテープを1/4ラップ又は縦
添えにより1〜3枚重ね巻き付けて第2の耐火層を形成
し、該第2の耐火層の上にポリエチレン等の絶縁体を被
覆しさらにシースを被覆して構成したものである。タル
クは、天然に産出する薄片状または繊維状の水和珪酸マ
グネシウムであるが、合成したものでもよい。ここで、
希釈剤(例えば、キシレン)は、メチルフェニルシリコ
ーン系樹脂の粘度を調整するために添加される。また、
ここで、シリコーン系樹脂としてメチルフェニルシリコ
ーン系樹脂を用いるのは、メチルフェニルシリコーン系
樹脂以外のシリコーン系樹脂を用いると、高温時におけ
る絶縁特性、耐電圧特性を満足することができないから
である。さらに、メチルフェニルシリコーン系樹脂の中
にタルクを混合するのは、タルク以外の無機物粒子を用
いると、高温時における絶縁特性、耐電圧特性を満足す
ることができないからである。
【0009】請求項3に記載の発明における耐火電線
は、第1の耐火層を、タルクを100重量部、メチルフ
ェニルシリコーン系樹脂を20〜80重量部、キシレン
50〜110重量部とからなる混合液中に導体をディッ
ピングして形成したものである。メチルフェニルシリコ
ーン系樹脂を20〜80重量部としたのは、メチルフェ
ニルシリコーン系樹脂の添加量が20重量部を下回る
と、導体表面に塗布した塗布液を乾燥させた場合に十分
な可塑性を得られず、メチルフェニルシリコーン系樹脂
の添加量が80重量部を超えると、840℃以上の高温
で電気特性を満足しないからである。ここで、希釈剤で
あるキシレンを50〜110重量部としたのは、キシレ
ンの添加量が50重量部を下回ると、導体表面に均一に
メチルフェニルシリコーン系樹脂を被覆するに十分な粘
度を得られず、キシレンの添加量が110重量部を超え
ると、高温時における絶縁特性、耐電圧特性を満足する
ことができないからである。この第1の耐火層の膜厚
は、導体を耐熱コーティング液中に浸漬走行させる時間
の長さによって決まり、数秒間浸漬走行することで十分
な膜厚(150μm)に形成することができる。
【0010】請求項4に記載の発明における耐火電線
は、第2の耐火層を、厚さ0.09〜0.15mmからな
る軟質天然集成マイカ(金雲母)と、厚さ0.015〜
0.030mmのポリエチレン(PE)、ポリプロピレン
(PP)等のフィルム又はガラスクロスからなる裏打材
を貼り合せた集成マイカテープを1/4ラップ又は縦添
えにより1〜3枚重ね巻き付けて形成したものである。
この集成マイカテープの厚さは、耐火電線の全体の径、
耐火性によって決定される。
【0011】また、この発明における耐火電線は、第1
の耐火層の膜厚を、150μm±製造誤差にしたもので
ある。そして、この発明における耐火電線は、集成マイ
カテープのテープ巾を、12mmにしたものである。さら
に、この発明における耐火電線は、集成マイカテープの
テープ厚を、0.15mmにしたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る耐火電線の実
施の形態について説明する。図1〜図4には、本発明に
係る耐火電線の実施の形態が示されている。
【0013】図において、1は耐火電線で、銅又は銅合
金で構成された導体2の表面に、耐火層10を形成し、
この耐火層10の上に絶縁体5を被覆し、この絶縁体5
の上にシース6を被覆して構成されている。導体2の表
面に形成されている耐火層10は、図2に示す如く耐火
層溶液(タルク、メチルフェニルシリコーン系樹脂、キ
シレンとからなる混合液)中に導体2をディッピングし
て形成される第1の耐火層(セラミック塗布被膜)11
と、この第1の耐火層11の上に集成マイカテープ12
を1/4ラップ又は縦添えにより1〜3枚重ね巻き付け
て形成される第2の耐火層(テープ層)13とによって
構成されている。
【0014】この導体2の表面に形成されている耐火層
10は、まず、容器内(図示されていない)に耐火層溶
液(タルクを100重量部、メチルフェニルシリコーン
系樹脂を20〜80重量部、キシレン50〜110重量
部とからなる混合液)を収納し、この耐火層溶液中を導
体2を数秒間浸漬走行させた後、乾燥して第1の耐火層
11を形成する。この第1の耐火層11の膜厚は、導体
2を数秒間耐熱コーティング液中に浸漬することによっ
て、150μmの膜厚に調整される。また、この耐火層
溶液は、メチルフェニルシリコーン系樹脂をキシレンに
よって希釈し、タルクを混入して撹拌したものである。
第1の耐火層の膜厚は、150μm±製造誤差にしてあ
る。したがって、第1の耐火層の耐火特性を十分に発揮
することができる。しかる後、この第1の耐火層11の
上に、集成マイカテープ12を1/4ラップ又は縦添え
により1〜3枚重ね巻き付けて第2の耐火層13を形成
して、耐火層10を構成している。
【0015】この集成マイカテープ12は、図3に示さ
れるように厚さ0.09〜0.15mmからなる軟質天然
集成マイカ(金雲母)14と、厚さ0.015〜0.0
30mmのポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(P
P)等のフィルム(裏打材)15とを貼り合せて構成す
るもの、又は、図4に示されるように厚さ0.09〜
0.15mmからなる軟質天然集成マイカ(金雲母)14
と、厚さ0.015〜0.030mmのポリエチレン(P
E)、ポリプロピレン(PP)等のガラスクロス(裏打
材)16とを貼り合せて構成するものとがある。そし
て、この発明における耐火電線1は、この集成マイカテ
ープ12のテープ巾を12mmにしてあり、集成マイカテ
ープ12のテープ厚を0.15mmにしてある。このた
め、集成マイカテープ12の巻き付けを容易にすること
ができ、集成マイカテープ12の巻き付けの際に耐火層
に割れが生じるのを防止できる。
【0016】そして、耐火電線1は、この第2の耐火層
13の上にポリエチレン等の絶縁体5を被覆しさらにシ
ース6を被覆して構成されている。このようにメチルフ
ェニルシリコーン系樹脂を希釈剤で希釈してタルクを混
合して形成した溶液中に導体2をディッピングして導体
2の表面に耐火層溶液の被膜を形成し、乾燥することに
よって第1の耐火層11を形成し、この第1の耐火層1
1の上に集成マイカテープ12を巻き付け、この集成マ
イカテープ12の上にポリエチレン等の絶縁体5を被覆
し、さらにシース6を被覆してあるため、導体表面に視
覚的凹凸を生じさせることなく耐火層を良好に形成する
ことができ、導体の表面に形成される耐火層に可撓性を
持たせ、火災等によって高熱や火炎に晒されても消防庁
告示第7号によって定められた耐火認定基準に適合させ
ることができる。
【0017】
【実施例】このような構成を有する耐火電線1の耐火層
10の具体的実施例について、比較例と比較して説明す
る。
【0018】〈実施例1〉実施例1は、メチルフェニル
シリコーン系樹脂100重量部をキシレン30重量部に
よって希釈してタルク100重量部を混合した溶液中に
1.2mmφの銅導体2をディッピングして導体2の表面
に150μmの厚さに耐火層溶液の被膜を形成して20
0℃〜240℃で乾燥し第1の耐火層11を形成し、こ
の第1の耐火層11の上に幅12mm、厚さ0.15mmの
集成マイカテープ12を重ねしろ1/4ラップで1枚巻
き付け、この集成マイカテープ12の上にポリエチレン
等の絶縁体5を被覆し、さらにシース6を被覆して構成
したものである。
【0019】〈実施例2〉実施例2は、実施例1と同じ
く第1の耐火層11を形成した上に実施例1と同じ集成
マイカテープ12を重ねしろ1/4ラップで2枚巻き付
け、この集成マイカテープ12の上にポリエチレン等の
絶縁体5を被覆し、さらにシース6を被覆して構成した
ものである。
【0020】〈実施例3〉実施例3は、実施例1と同じ
く第1の耐火層11を形成した上に実施例1と同じ集成
マイカテープ12を重ねしろ1/4ラップで3枚巻き付
け、この集成マイカテープ12の上にポリエチレン等の
絶縁体5を被覆し、さらにシース6を被覆して構成した
ものである。
【0021】〈比較例1〉比較例1は、1.2mmφの銅
導体2の上に幅12mm、厚さ0.15mmの集成マイカテ
ープ3を重ねしろ1/4ラップで1枚巻き付け、この集
成マイカテープ3の上にポリエチレン等の絶縁体5を被
覆し、さらにシース6を被覆して構成したものである。
【0022】〈比較例2〉比較例2は、比較例1と同じ
集成マイカテープ3を重ねしろ1/4ラップで2枚巻き
付け、この集成マイカテープ3の上にポリエチレン等の
絶縁体5を被覆し、さらにシース6を被覆して構成した
ものである。
【0023】〈比較例3〉比較例3は、比較例1と同じ
集成マイカテープ3を重ねしろ1/4ラップで3枚巻き
付け、この集成マイカテープ3の上にポリエチレン等の
絶縁体5を被覆し、さらにシース6を被覆して構成した
ものである。
【0024】〈比較例4〉比較例4は、比較例1と同じ
集成マイカテープ12を重ねしろ1/4ラップで4枚巻
き付け、この集成マイカテープ3の上にポリエチレン等
の絶縁体5を被覆し、さらにシース6を被覆して構成し
たものである。
【0025】〈比較例5〉比較例5は、比較例1と同じ
集成マイカテープ3を重ねしろ1/4ラップで5枚巻き
付け、この集成マイカテープ3の上にポリエチレン等の
絶縁体5を被覆し、さらにシース6を被覆して構成した
ものである。
【0026】〈比較例6〉比較例6は、メチルフェニル
シリコーン系樹脂100重量部をキシレン30重量部に
よって希釈してタルク100重量部を混合した溶液中に
1.2mmφの銅導体2をディッピングして導体2の表面
に150μmの厚さに耐火層溶液の被膜を形成して20
0℃〜240℃で乾燥して耐火層10を形成し、この耐
火層10の上にポリエチレン等の絶縁体5を被覆し、さ
らにシース6を被覆して構成したものである。
【0027】この実施例1〜3の耐火層と、比較例1〜
6の耐火層とのそれぞれについて、外観性、可撓性、常
温における絶縁特性、常温における耐電圧特性、高温
(925℃)における絶縁特性、高温(925℃)にお
ける耐電圧特性についての比較結果が表1に示してあ
る。
【0028】表 1 表1における外観性結果は、耐火層10(4)の外観が
どのような状態になっているかを見たもので、耐火層1
0(4)の外観上、視覚的に凹凸が見られ凝集した巨大
粒子が多く付着した状態のときに『×』(不合格)と
し、耐火層10(4)の外観上、視覚的に凹凸が見られ
ない状態のときに『○』(合格)としたものである。
【0029】表1における可撓性結果は、耐火層10
(4)を形成した導体2を10mmφマンドレルに巻き付
けたときに耐火層10(4)にひび割れが生じるか否か
で判定するもので、ひび割れが生じないとき『○』(合
格)とし、耐火層10(4)にひび割れが生じたとき
『×』(不合格)としたものである。表1における常温
絶縁特性結果は、常温において導体2に500Vの電圧
を印加し、耐火層10(4)の抵抗値を測定し、その抵
抗値が50MΩ以上の抵抗値を有しているか否かで判定
するもので、50MΩ以上の抵抗値を有しているときを
『○』(合格)とし、耐火層10(4)の抵抗値が50
MΩを下回る抵抗値を示したときを『×』(不合格)と
したものである。表1における常温耐電圧特性結果は、
常温において導体2に1500Vの電圧を印加し、1分
間、耐火層10(4)が絶縁破壊を起こさないで耐えら
れるか否かによって判定するもので、導体2に1500
Vの電圧を印加し1分間の内に絶縁破壊を起こさない場
合を『○』(合格)とし、絶縁破壊を起こした場合を
『×』(不合格)としたものである。
【0030】一般に絶縁物を加熱すると、絶縁は劣化
し、絶縁抵抗は低下する。そこで、規格では、加熱後
(炉内温度が840℃になったとき)の耐火電線の絶縁
体の絶縁抵抗値を0.4MΩ以上と定めている。表1に
おける高温絶縁特性、高温耐電圧特性は、共に高温下
(925℃)における耐火層10(4)の絶縁抵抗特性
をみたものである。表1における高温絶縁特性は、耐火
電線を炉内で加熱し、炉内温度が所定の基準により92
5℃に加熱終了直後のときの耐火電線の絶縁体の抵抗値
を測定したものである。そして、表1における高温絶縁
特性結果は、925℃の高温において導体2に500V
の電圧を印加し、耐火層10(4)の抵抗値を測定した
場合に、0.4MΩ以上の抵抗値を有しているときを
『○』(合格)とし、耐火層10(4)の抵抗値が0.
4MΩを下回る抵抗値を示したときを『×』(不合格)
としたものである。表1における高温耐電圧特性結果
は、925℃の高温において導体2に1500Vの電圧
を印加し、1分間、耐火層10(4)が絶縁破壊を起こ
さないで耐えられるか否かによって判定するもので、導
体2に1500Vの電圧を印加し1分間の内に絶縁破壊
を起こさない場合を『○』(合格)とし、絶縁破壊を起
こした場合を『×』(不合格)としたものである。
【0031】これら比較結果から実施例1〜3は、いず
れも外観性、可撓性、常温における絶縁特性、常温にお
ける耐電圧特性、高温(925℃)における絶縁特性、
高温(925℃)における耐電圧特性の全てについて合
格である。これに対し、比較例1〜3,6は、いずれも
高温(925℃)における耐電圧特性が不合格で、比較
例4、5は、全体として基準を満たしている。しかし、
比較例4は集成マイカテープ12を重ねしろ1/4ラッ
プで4枚巻き付けており、比較例5は集成マイカテープ
12を重ねしろ1/4ラップで5枚巻き付けており、耐
火電線の耐火層を形成する際の作業性が低下している。
【0032】これに対し、実施例1〜3は、重ねしろ1
/4ラップで集成マイカテープ12を巻き付ける前にメ
チルフェニルシリコーン系樹脂100重量部をキシレン
30重量部によって希釈してタルク100重量部を混合
した溶液中に1.2mmφの銅導体2をディッピングして
導体2の表面に150μmの厚さに耐火層溶液の被膜を
形成しているため、集成マイカテープ12を1〜3枚重
ね巻きするだけで高温(925℃)における絶縁特性、
高温(925℃)における耐電圧特性を確保することが
できる。特に集成マイカテープ12を1枚重ね巻きする
だけで高温(925℃)における絶縁特性、高温(92
5℃)における耐電圧特性を確保することができる。
【0033】
【発明の効果】請求項1に記載の発明は、耐火電線の耐
火層を形成する際の作業性を向上し、消防庁告示第7号
によって定められた耐火認定基準(840℃に加熱後の
絶縁抵抗値が0.4MΩ以上で、絶縁耐圧が1500
V、1分耐圧)を満足することは勿論、加熱後925℃
に達した際の絶縁抵抗値が0.4MΩ以上という絶縁特
性、及び絶縁耐圧が1500V、1分耐圧という耐電圧
特性を満足させて、安定した電力の供給を行うことがで
き、製造時に第1の耐火層に傷を付けるのを防止でき
る。
【0034】請求項2に記載の発明は、耐火電線の耐火
層を形成する際の作業性を向上し、消防庁告示第7号に
よって定められた耐火認定基準(840℃に加熱後の絶
縁抵抗値が0.4MΩ以上で、絶縁耐圧が1500V、
1分耐圧)を満足することは勿論、加熱後925℃に達
した際の絶縁抵抗値が0.4MΩ以上という絶縁特性、
及び絶縁耐圧が1500V、1分耐圧という耐電圧特性
を満足させて、安定した電力の供給を行うことができ、
製造時に第1の耐火層に傷を付けるのを防止できる。
【0035】請求項3に記載の発明は、容易に第1の耐
火層を形成することができる。
【0036】請求項4に記載の発明は、加熱後925℃
に達した際の絶縁抵抗値が0.4MΩ以上という絶縁特
性、及び絶縁耐圧が1500V、1分耐圧という耐電圧
特性を満足させて、安定した電力の供給を行うことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る耐火電線の実施の形態を示す断面
図である。
【図2】図1に示す耐火層を導体に形成する状態を示す
斜視図である。
【図3】図2に示す耐火層を構成する集成マイカテープ
の断面図である。
【図4】図2に示す耐火層を構成する別な集成マイカテ
ープの断面図である。
【図5】従来の耐火電線を示す断面図である。
【図6】図5に示す従来の耐火層を構成する集成マイカ
テープの断面図である。
【図7】従来の集成マイカテープを重ね巻きに複数枚巻
いて耐火層を構成する状態を示す図である。
【図8】従来の導体の表面にセラミック層を形成するこ
とによって耐火層を構成する状態を示す図である。
【符号の説明】
1………………………………………………………………
耐火電線 2………………………………………………………………
導体 3………………………………………………………………
集成マイカテープ 4………………………………………………………………
耐火層 5………………………………………………………………
絶縁体 6………………………………………………………………
シース 7………………………………………………………………
軟質天然集成マイカ 8………………………………………………………………
裏打材 9………………………………………………………………
セラミック塗布被膜 10……………………………………………………………
耐火層 11……………………………………………………………
第1の耐火層 12……………………………………………………………
集成マイカテープ 13……………………………………………………………
第2の耐火層 14……………………………………………………………
軟質天然集成マイカ 15……………………………………………………………
フィルム 16……………………………………………………………
ガラスクロス

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体の上に無機質によって構成される第
    1の耐火層と、該第1の耐火層の上に、集成マイカテー
    プを重ね巻きして形成する第2の耐火層とを形成し、前
    記第2の耐火層の上に絶縁体を被覆しさらにシースを被
    覆してなる耐火電線。
  2. 【請求項2】 タルクとメチルフェニルシリコーン系樹
    脂とキシレンとからなる混合液中に導体をディッピング
    して第1の耐火層を形成し、該第1の耐火層の上に、マ
    イカと裏打材を貼り合せた集成マイカテープを1/4ラ
    ップ又は縦添えにより1〜3枚重ね巻き付けて、該第2
    の耐火層を形成し、該第2の耐火層の上にポリエチレン
    等の絶縁体を被覆しさらにシースを被覆してなる耐火電
    線。
  3. 【請求項3】 上記第1の耐火層は、タルクを100重
    量部、メチルフェニルシリコーン系樹脂を20〜80重
    量部、キシレン50〜110重量部とからなる混合液中
    に導体をディッピングして形成するものである請求項1
    又は2記載の耐火電線。
  4. 【請求項4】 上記第2の耐火層は、厚さ0.09〜
    0.15mmからなる軟質天然集成マイカ(金雲母)と、
    厚さ0.015〜0.030mmのポリエチレン(P
    E)、ポリプロピレン(PP)等のフィルム又はガラス
    クロスからなる裏打材を貼り合せた集成マイカテープを
    1/4ラップ又は縦添えにより1〜3枚重ね巻き付けて
    形成するものである請求項1、2又は3記載の耐火電
    線。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007200716A (ja) * 2006-01-26 2007-08-09 Fuji Densen Kk 耐火電線・ケーブル
US20090184600A1 (en) * 2008-01-17 2009-07-23 Alstom Technology Ltd. Conductor bar for a rotating electrical machine

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