JPH11203953A - 耐火電線 - Google Patents

耐火電線

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JPH11203953A
JPH11203953A JP10004936A JP493698A JPH11203953A JP H11203953 A JPH11203953 A JP H11203953A JP 10004936 A JP10004936 A JP 10004936A JP 493698 A JP493698 A JP 493698A JP H11203953 A JPH11203953 A JP H11203953A
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JP
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fire
layer
resistant
electric wire
wire
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JP10004936A
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Minoru Nagata
実 永田
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Yazaki Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 施工性を保持しながら耐火認定基準を超える
絶縁特性及び高温耐電圧特性を備え、しかも生産性が高
くて経済性も良好な耐火電線を提供する。 【解決手段】 本発明の耐火電線は、線状導体の表面
に、メチルフェニルシリコーン系樹脂とシランカップリ
ング剤と粉末タルクとを含む組成物からなる耐火層と、
シート基材上に粉末マイカ層を設けたテープからなる耐
火補強層とを、密に積層して設けるか、又は線状導体の
表面に、非電導性無機繊維を充填材として含むシリコー
ンゴム組成物からなる耐火層を設けて線心を得、更にそ
の上にポリオレフィン系樹脂からなる絶縁層と、必要に
より絶縁層の上にシースを設けてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、火災等によって高
熱や火炎等に曝されてもなお長時間の使用に堪え得る、
合成樹脂絶縁層を有する耐火電線に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、劇場やデパート等の多数の人が
集まる場所においては、火災等の非常事態が発生した際
に、場内にいる人を安全に非常口に誘導する必要があ
る。このような場合、非常口案内灯そのものが破壊され
なくても、電力用の電線が高熱や火炎等に曝された場合
には、電線が短時間で短絡を起こして送電が停止する事
態が起こる恐れがある。しかし火災等が発生した場合で
も、非常口案内灯は一定の時間点灯していることが要求
されるので、非常口案内灯に給電するための電線として
は、高熱や火炎等に曝されても絶縁が破壊されず、電力
の供給が可能であることが必要である。
【0003】このような目的で用いられる耐火電線に
は、図2に示すような構造を有するものがある。すなわ
ち、耐火電線Cは、導体1の外周に耐火層2が形成され
ており、その外周をポリエチレン等の絶縁層3で被覆
し、更にその外周にシース4を被覆して形成されてい
る。この耐火電線Cの耐火層2は、図3に示すように、
ガラス繊維布等の無機質材料やポリオレフィン樹脂シー
トなどからなる基材層21に集成マイカ層22を貼り合
わせた集成マイカシート23、又は上記の基材層21を
上記の集成マイカ層22の両面に貼り合わせた集成マイ
カシート24などから形成された、厚さ0.01〜0.
15mm程度のテープなどを巻き付けて構成されていた。
【0004】かかる耐火電線は、消防庁告示第7号によ
って定められた耐火認定基準である840℃の高温にお
いて、絶縁特性、耐電圧特性を満足するために、上記の
様な耐火テープ2〜3枚を1/2〜1/4重ねて巻き付
けるか、又は縦添えで巻き付けて形成されていたため、
耐火層の厚さが450〜600μmとなり、耐火層の上
にシースを被覆すると電線が太くなって、可撓性が悪い
ばかりでなく軽量化ができず、取扱性が悪いという難点
があった。
【0005】そこで近年に至り、セラミックス粒子とシ
リコーン系樹脂とを含む塗料溶液の中に、導体を浸漬し
走行させるディッピング法を用いて、導体上にセラミッ
クス被膜の耐火層を形成させる方法(例えば特公昭63
−37922号)などが提案されている。しかしこの方
法では、一般的な耐熱絶縁性や耐電圧特性をもたせるこ
とはできるが、消防庁告示第7号によって定められた耐
火認定基準(840℃に加熱後の絶縁抵抗値が0.4M
Ω以上で、絶縁耐圧が1500V、1分耐圧)を満足す
ることができなかった。
【0006】また、かかるディッピング法によって得ら
れる耐火電線の表面平滑性を改良すると共に可撓性を持
たせ、更に上記の消防庁告示の耐火認定基準に適合する
電線として、メチルフェニルシリコーン系樹脂と希釈剤
とシランカップリング剤と3μm以下の粒径のタルクと
からなる混合液中に導体をディッピングして耐火層を形
成し、該耐火層の上にポリエチレン等の絶縁体を被覆
し、更にシースを被覆して構成したものが提案されてい
る(特開平7−105733号)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
改良された耐火電線において、耐火認定基準を満たすた
めには、粒径が3μm以下という微粉砕したタルク粉末
を使用することが必要であるが、かかる特殊な材料の使
用は経済的でないという欠点があった。そしてその問題
を避けるために、比較的に安価な、粉砕度を緩めたタル
ク粉末を使用すると、耐火層の平滑性が失われるばかり
でなく、電線の高温耐電圧特性が低下して、耐火認定基
準を満たすことができなくなるという問題があった。
【0008】そこで本発明は、施工性を保持しながら耐
火認定基準を超える絶縁特性及び高温耐電圧特性を備
え、しかも生産性が高くて経済性も良好な耐火電線を提
供することを目的とした。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の本発明の目的は、
線状導体の表面に、メチルフェニルシリコーン系樹脂と
シランカップリング剤と粉末タルクとを含む組成物から
なる耐火層と、シート基材上に粉末マイカ層を設けたテ
ープからなる耐火補強層とを、密に積層して設けたこと
を特徴とする耐火電線によって達成することができる。
【0010】或いはまた、線状導体の表面に、非電導性
無機繊維を充填材として含むシリコーンゴム組成物から
なる耐火層を設けたことを特徴とする耐火電線によって
も達成することができる。
【0011】そして更に、かかる耐火層の上にポリオレ
フィン系樹脂からなる絶縁層を設けることが好ましく、
また必要によりかかる絶縁層の上に更にシースを設ける
ことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本願の第1発明の耐火電線は、図
1に示すような構造を有しているものである。すなわ
ち、図において、耐火電線Aは、導体1の外周に耐火層
2と、その上に密に積層して設けた耐火補強層2aとが
形成されており、その外周をポリエチレンからなる絶縁
層3で被覆し、更にその外周にシース4を被覆して形成
されている。
【0013】ここで耐火層2は、メチルフェニルシリコ
ーン系樹脂とシランカップリング剤と粉末タルクとを含
む液状塗料組成物を、導体1の表面に塗布することによ
って形成されたものである。かかる塗料組成物に用いら
れる耐火性付与材料のタルクは、耐電圧特性の点から微
粉末状である必要があるが、その粒度には特に限定はな
い。しかし、かかるタルクの粒度は小さいほど絶縁特性
や耐電圧特性が良好であり、一方では粉砕コストがかか
るうえ、粉塵の発生が著しくて取扱が容易でなくなる問
題があるので、最大粒径が20μmを越えないものが好
ましい。また耐火性付与材料としては粉末タルクのほか
に、耐電圧特性、耐火性や塗料としての施工性などを損
なわない限り、微粒子シリカなどの粉末セラミックスを
配合することもできる。
【0014】前記の塗料組成物における耐火性付与材料
の結合剤として、メチルフェニルシリコーン系樹脂が用
いられるが、かかるメチルフェニルシリコーン系樹脂は
高温時において絶縁特性と耐電圧特性を維持するに適し
た材料であって、その配合量は、タルク100重量部当
たり50〜130重量部であるのが好ましい。メチルフ
ェニルシリコーン系樹脂の配合量が少ないと、耐火層の
表面が粗く可撓性も不十分となるうえ耐電圧特性が改良
されない。逆に配合量が多過ぎると高温での電気特性が
損なわれることになり、好ましくない。
【0015】また、メチルフェニルシリコーン系樹脂と
共に用いられるシランカップリング剤は、かかるメチル
フェニルシリコーン系樹脂と前記の耐火性付与材料とを
効果的に結合して、均一で緻密な耐火層を形成するため
の材料であって、特にγ−(2−アミノエチル)アミノ
プロピルトリメトキシシランが好ましく用いられる。か
かるシランカップリング剤は、タルク100重量部当た
り0.1〜0.4重量部の範囲で配合することが好まし
い。シランカップリング剤の配合量が少な過ぎると耐電
圧特性が低下し、また多過ぎても耐電圧特性が低下す
る。
【0016】本発明の耐火電線の耐火層を形成するに
は、上記の耐火性付与材料とメチルフェニルシリコーン
系樹脂とシランカップリング剤とを、液状の希釈剤と混
合して塗料組成物を形成し、これを線状導体の表面に塗
布し、乾燥する。この際の液状希釈剤は、導体上に所定
の厚さの均一な塗布層を形成するに適した粘度を有する
塗料組成物を得るためのもので、例えばキシレンなどの
芳香族系の溶剤が好ましく用いられる。かかる液状希釈
剤の配合量は、塗料組成物が塗布操作に適した粘度とな
るように、タルク100重量部当たり50〜110重量
部の範囲で適宜調整することが望ましい。
【0017】上記のような塗料組成物を単線又は撚線か
らなる導体1上に塗布するには、適宜の方法を採用する
ことができるが、塗膜の均一性などの点から、ディップ
コーティング法によることが好ましい。こうして形成さ
れた耐火層2が若干の可撓性が残る程度まで乾燥したの
ち、シート基材上に粉末マイカ層を設けたマイカテープ
を巻き付けて、耐火補強層2aを形成する。かかるマイ
カテープは、例えばガラス繊維から織成された布や、ポ
リエチレン或いはポリプロピレンフィルム等からなるシ
ート基材上に、例えば粉末マイカから抄造された集成マ
イカシートなどを積層したものであり、従来の耐火電線
などの耐火層を形成するに用いられている、図3に示さ
れたようなものなどであってもよいが、集成マイカ層の
厚さが0.01〜0.15mm程度のものが、好ましく用
いられる。
【0018】このようにして、耐火層2と耐火補強層2
aとが密に積層した耐火絶縁層を形成したのち、ポリオ
レフィン系樹脂などの絶縁被覆を施し、更に必要に応じ
て保護用の合成樹脂シースや金属遮蔽テープなどで被覆
して、本願第1発明の耐火電線が得られる。
【0019】本願の第2発明の耐火電線は、本質的に図
2に示すような従来の耐火電線と同様な構造を有してい
るが、その耐火層2が、非電導性無機繊維を充填材とし
て含むシリコーンゴム組成物から形成されている点が、
従来の耐火電線と異なっている。しかし、このシリコー
ンゴムからなる耐火層2の上に絶縁層3を被覆し、また
絶縁層3の上にシース4を被覆する点については、従来
の耐火電線と同様である。
【0020】ここで耐火層2を形成するシリコーンゴム
は、特に限定されるものではないが、例えばメチルビニ
ルシリコーン系、ジメチルシリコーン系などの熱架橋型
のゴムが好ましく用いられ、特に有機過酸化物などの架
橋剤を配合して、導体に対して押出被覆することができ
るものであることが望ましい。
【0021】また上記のシリコーンゴムには、充填材と
して非電導性無機繊維が配合されるが、かかる無機繊維
としては、例えばガラス繊維、炭化ケイ素ウィスカー、
チタン酸カリウムなどが用いられ、中でも経済性の点か
らガラス繊維が好ましい。またかかる無機繊維の長さ
は、100〜300μm程度以上であることが好まし
い。このような無機繊維のシリコーンゴムに対する配合
量は、シリコーンゴム100重量部に対して1重量部以
上であればよく、200重量部以上配合されてもよい。
また、上記の無機繊維の他に、通常用いられる充填材が
配合されていても何ら差し支えない。
【0022】このような無機繊維を配合したシリコーン
ゴム組成物は、単線又は撚線からなる導体1に対して、
例えば押出被覆したのち加熱室を有する架橋装置によっ
て架橋したのち、ポリオレフィン系樹脂などの絶縁被覆
を施し、更に必要に応じて保護用の合成樹脂シースや金
属遮蔽テープなどで被覆して、本願第2発明の耐火電線
が得られる。
【0023】
【実施例】メチルフェニルシリコーン系樹脂(東レダウ
コーニングシリコーン社、SH−805)100重量部
と、シランカップリング剤(γ−(2−アミノエチル)
アミノプロピルトリメトキシシラン)0.3重量部と
を、液状の希釈剤(キシレン)50重量部と混合し、こ
れにフジタルク社製の粒度4.5μm(粒径分布10〜
0.8μm)の微粉砕タルク100重量部を配合して、
塗料組成物を製造した。またポリエチレンフィルム基材
上に厚さ約0.1mmの軟質集成マイカ層を接着した幅5
mmのマイカテープI、及びガラス繊維布基材上に厚さ約
0.1mmの軟質集成マイカ層を接着した幅5mmのマイカ
テープIIを用意した。
【0024】上記の塗料組成物を収容したディップコー
ティング装置に、径1.6mmの単線銅導体を導入して導
体表面に塗料組成物を塗布し、溶剤を除去したのち上記
のマイカテープIを、基材が外側となるようにテープ幅
の約10分の1を重ねて巻き付けて、厚さ0.2mmの耐
火層と厚さ0.15mmの耐火補強層とが一体となった、
径2.35mmの耐火線心を製造した。次にこの耐火線心
に厚さ約0.75mmのポリエチレン絶縁被覆を施し、更
に塩化ビニル樹脂からなる厚さ約1.2mmのシースを被
覆して、外径が6.24mmの本発明の耐火電線aを製造
した。
【0025】更に上記と同様にして、マイカテープIを
テープ幅の約2分の1が重なるように巻き付けたことだ
けが異なる本発明の耐火電線b、及びマイカテープIIを
テープ幅の約10分の1が重なるように巻き付けたこと
だけが異なる本発明の耐火電線cを、それぞれ製造し
た。またこれらと比較するために、マイカテープを巻き
付けることを省略した他は上記と同様の手順により、厚
さ0.17mmの耐火層のみを有する耐火線心を製造し、
上記と同様の絶縁被覆とシースとを施して、外径が6.
24mmの対照品の耐火電線dを製造した。
【0026】こうして得た耐火電線から切り出した試料
について、常温での絶縁特性及び常温での耐電圧特性、
並びに30分間で840℃迄加熱した後及び60分間で
925℃迄加熱した後の、それぞれ耐電圧特性を試験
し、これらの試験結果を表1に併せて示した。なお、こ
れらの試験方法及び判定基準は、以下のとおりである。
【0027】加熱炉に出入できる台車に垂直に取り付け
た、縦300mm、横300mm、厚さ10mmのパーライト
板に対して、あらかじめ径40mmのマンドレルを用いて
曲がり癖を矯正しておいた長さ1.3mの耐火電線試料
を、その中央部の20cmを隔てた2箇所の位置で、それ
ぞれ径1.6mmの軟銅線を用いて水平に取り付けて固定
した。そして、その取り付け位置の中央に約13mmの間
隔を置いて、長さ40cmの径1.6mmの軟銅線2本の束
の両端を巻き付け、その軟銅線の中央部に錘を吊るして
320gの荷重(長さ1.3mの耐火電線の重量の2倍
に相当する)を懸けた。この状態で、線心導体と固定線
との間に500Vの直流電圧を印加して常温での絶縁抵
抗値を測定し、50MΩ以上の抵抗値を有するものを
○、50MΩ未満であるものを×とした。また前記の常
温絶縁性測定に続いて、線心導体と固定線との間に15
00Vの商用交流電圧を印加して耐電圧特性を評価し、
1分間で絶縁破壊が起こらないものを○、絶縁破壊が起
こったものを×とした。
【0028】前記の常温耐電圧性測定を行ったのち、耐
火電線の試料を取り付けた台車を加熱炉内に導入し、線
心導体と固定線との間に600Vの商用交流電圧を印加
した状態で、加熱炉を30分間で840℃まで昇温し
た。そして加熱昇温中に絶縁破壊が起こらないものを
○、絶縁破壊が起こったものを×とした。そして炉内が
840℃に到達したのちに、導体と固定線との間に50
0Vの直流電圧を印加して絶縁抵抗値を測定し、0.4
MΩ以上の抵抗値を有するものを○、0.4MΩ未満で
あるものを×とした。またそれに続いて、常温時と同様
の方法で1500Vの商用交流電圧を印加し、1分間で
絶縁破壊が起こらないものを○、絶縁破壊が起こったも
のを×とした。
【0029】また上記に続いて、加熱炉を更に30分間
で925℃まで昇温し、前記と同様な条件で600Vの
商用交流電圧による絶縁試験を行い、更に925℃に到
達したのちに、500Vの直流電圧による絶縁抵抗値の
測定と、1500Vで1分間の絶縁破壊試験を行い、耐
電圧特性を評価した。
【0030】
【表1】
【0031】表1の結果を見ると、タルク含有塗料組成
物からなる耐火層の上にマイカテープの耐火補強層を設
けることにより、タルク含有塗料組成物からなる耐火層
を有する耐火電線よりも、更に高温に耐える電線が得ら
れることが分かる。
【0032】更に、表2の配合に従って、メチルビニル
シリコーンゴム(東芝シリコーン社、TSE2502
U)100重量部に対する充填材として、ガラス繊維G
F1(ユニチカユーエムガラス社、ショートファイバ
ー、径10μm、長さ100μm)、ガラス繊維GF2
(同社、ショートファイバー、径10μm、長さ300
μm)、アクリル系炭素繊維CF(同社、ショートファ
イバー、径10μm、長さ100μm)、及び比較のた
めの充填材として粉末マイカMP(日本マイカ社、キラ
ラ、平均径40メッシュ)、粉末タルクTP(フジタル
ク社、微粉タルク、平均径2.1μm)をそれぞれ変量
し、また架橋剤としてジクミルパーオキシドを2.5重
量部用いて、それぞれシリコーンゴム組成物を作成し
た。
【0033】これらのシリコーンゴム組成物を径1.6
mmの単線銅導体上に押出被覆し、200℃で10分間架
橋処理して、径1.95mmの耐火耐火線心をそれぞれ製
造した。次にこれらの耐火線心に厚さ0.75mmのポリ
エチレン絶縁被覆を施し、更にポリエチレンからなる厚
さ約1.4mmのシースを被覆して、外径が6.24mmの
本発明及び対照の耐火電線e〜jを製造した。
【0034】こうして得た耐火電線から切り出した試料
について、前記の試験法に従って常温での絶縁特性及び
常温での耐電圧特性、加熱昇温中の耐電圧特性、並びに
30分間で840℃迄加熱した後及び更に30分間で9
25℃迄加熱した後の絶縁特性と耐電圧特性の測定を行
った。そしてこれらの試験結果を纏めて、タルク配合塗
料から形成された耐火層を有する対照品の耐火電線dの
結果と併せて、表2に示した。
【0035】
【表2】
【0036】表2の結果を見ると、非電導性無機繊維を
配合したシリコーンゴム耐火層を有する耐火電線は、タ
ルク含有塗料組成物からなる耐火層や、マイカ或いはタ
ルク等の耐火性充填材を配合したシリコーンゴム耐火層
を有する耐火電線よりも、更に高温に耐えることが分か
る。
【0037】
【発明の効果】本発明の耐火電線は、シリコーン樹脂で
結合された粉末タルクを含む耐火層の上に集成マイカシ
ートからなる耐火補強層を設けるか、または非電導性無
機繊維を含むシリコーンゴムからなる耐火層を形成して
なるもので、消防庁告示第7号の耐火認定基準を超える
高度な絶縁特性と優れた高温耐電圧特性とを備えて、し
かも生産性と施工性、並びに経済性に優れるという効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の耐火電線の構造を示す断面図である。
【図2】耐火電線の別な構造を示す断面図である。
【図3】従来の耐火電線における耐火層の構成を示す断
面図である。
【符号の説明】
A、C 耐火電線 1 導体 2 耐火層 2a 耐火補強層 3 絶縁層 4 シース 21 基材層 22 集成マイカ層 23 集成マイカシート 24 集成マイカシート

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 線状導体の表面に、メチルフェニルシリ
    コーン系樹脂とシランカップリング剤と粉末タルクとを
    含む組成物からなる耐火層と、シート基材上に粉末マイ
    カ層を設けたテープからなる耐火補強層とを、密に積層
    して設けたことを特徴とする耐火電線。
  2. 【請求項2】 耐火補強層の上にポリオレフィン系樹脂
    からなる絶縁層を設けてなる、請求項1に記載の耐火電
    線。
  3. 【請求項3】 線状導体の表面に、非電導性無機繊維を
    充填材として含むシリコーンゴム組成物からなる耐火層
    を設けたことを特徴とする耐火電線。
  4. 【請求項4】 耐火層の上にポリオレフィン系樹脂から
    なる絶縁層を設けてなる、請求項3に記載の耐火電線。
JP10004936A 1998-01-13 1998-01-13 耐火電線 Pending JPH11203953A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006503121A (ja) * 2002-08-01 2006-01-26 セラム ポリメリック ピーティーワイ リミテッド 耐火性シリコーンポリマー組成物
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