JPH0935530A - 導電ペースト及び電気回路形成基板の製造法 - Google Patents

導電ペースト及び電気回路形成基板の製造法

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JPH0935530A
JPH0935530A JP18147495A JP18147495A JPH0935530A JP H0935530 A JPH0935530 A JP H0935530A JP 18147495 A JP18147495 A JP 18147495A JP 18147495 A JP18147495 A JP 18147495A JP H0935530 A JPH0935530 A JP H0935530A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導電性、分散性及び印刷性に優れ、マイグレ
ーションによる欠点がなく、しかも安価な導電ペースト
及び導電性及び印刷性に優れ、比抵抗が低く、特に、冷
熱衝撃、高温放置、高温高湿等の過酷な条件における比
抵抗変化が小さい、経済的にも優れた基板が得られる電
気回路形成基板の製造法を提供する。 【解決手段】 導電粉としてりん片状銀粉とりん片状ニ
ツケル粉を銀粉:ニッケル粉の重量比で90:10〜6
5:35の割合で含み、レゾール型フェノール樹脂及び
エポキシ樹脂を含有してなる導電ペースト並びに前記導
電ペーストを用いて電気回路の一部又は全部を形成する
ことを特徴とする電気回路形成基板の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電気回路用として有
用な導電ペースト及びこれを用いた電気回路形成基板の
製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、プリント配線板、電子部品等の電
気回路を形成する一法として、工業調査会発行の「電子
材料」1994年10月号、第42〜46頁に記載され
ているように、導電ペーストを塗布又は印刷する方法が
知られている。このペーストの導電成分として金、銀、
銅、ニッケル、カーボン等の導電粉末が用いられてい
る。特に高導電性が要求される分野では、導電粉末とし
て金又は銀粉が一般的に用いられている。
【0003】銀粉を用いた導電ペーストは、導電性が良
好なことから印刷配線板、電子部品等の配線導体や電極
として使用されている。しかしながら、導通抵抗の良好
な導体を得るには銀粉の配合量を高くしなければなら
ず、銀粉が高価であることから導電ペーストも高価にな
るという欠点があった。また、銀粉を用いた導電ペース
トは、マイグレーションによる絶縁不良が発生しやすい
という欠点もあった。ニツケル粉などを使用すれば安価
な導電ペーストが得られる。しかし、微細なニッケル粉
は凝集が強くこのまま用いると抵抗が高くなり分散性も
悪くなるという欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこれらの欠点
を解決するものである。請求項1記載の発明は、導電
性、分散性及び印刷性に優れ、マイグレーションによる
欠点がなく、しかも安価な導電ペーストを提供するもの
である。請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の
前記課題に加えて、特に導電性に優れた導電ペーストを
提供するものである。請求項3記載の発明は、請求項1
記載の発明の前記課題に加えて、特に保存安定性及び導
電性に優れた導電ペーストを提供するものである。請求
項4記載の発明は、請求項1記載の発明の前記課題に加
えて、特に導電性及び印刷性に優れた導電ペーストを提
供するものである。請求項5記載の発明は、請求項1記
載の発明の前記課題に加えて、さらに接着性及び経済性
に優れた導電ペーストを提供するものである。
【0005】請求項6記載の発明は、導電性及び印刷性
に優れ、比抵抗が低く、特に、冷熱衝撃、高温放置、高
温高湿等の過酷な条件における比抵抗変化が小さい、経
済的にも優れた基板が得られる電気回路形成基板の製造
法を提供するものである。請求項7記載の発明は、請求
項4記載の発明の前記課題において、それらの課題解決
の効果の高い電気回路を形成できる電気回路形成基板の
製造法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、導電粉として
りん片状銀粉とりん片状ニツケル粉を銀粉:ニッケル粉
の重量比で90:10〜65:35の割合で含み、レゾ
ール型フェノール樹脂及びエポキシ樹脂を含有してなる
導電ペーストに関する。また本発明は、前記りん片状銀
粉と前記りん片状ニツケル粉がともにアスペクト比が3
以上である導電ペーストに関する。また本発明は、前記
レゾール型フェノール樹脂が、数平均分子量2,500
以下、重量平均分子量16,000以下である導電ペー
ストに関する。また本発明は、前記りん片状銀粉が平均
粒子径5〜15μmであり、前記りん片状ニッケル粉が
平均粒子径5〜17μmである導電ペーストに関する。
また本発明は、前記導電粉の含有量が導電ペーストに対
し50〜80重量%であり、前記レゾール型フェノール
樹脂の含有量が導電ペーストに対し5〜15重量%であ
る導電ペーストに関する。
【0007】また本発明は、前記導電ペーストを用いて
電気回路の一部又は全部を形成することを特徴とする電
気回路形成基板の製造法に関する。さらに本発明は、導
電ペーストを用いて形成する前記電気回路が、電気回路
を両面に有する電気回路基板の貫通するスルーホール部
分の電気回路であり、導電ペーストでこのスルーホール
を通じて両面の電気回路を導通させる電気回路形成基板
の製造法に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明においては、導電粉として
りん片状銀粉とりん片状ニツケル粉を特定の割合で用い
ることが重要である。これにより、優れた導電性と分散
性が得られる。いずれかの導電粉がリん片状(魚の鱗の
ような形状)でないと、優れた導電性と分散性が得られ
ない。導電粉としては、ともにアスペクト比が3以上の
りん片状銀粉とりん片状ニツケル粉を用いるのが好まし
い。いずれかの導電粉のアスペクト比が3未満である
と、優れた導電性が得られにくい傾向にある。
【0009】アスペクト比は、高導電性の点から、5以
上であるのがより好ましく、6以上であるのがさらに好
ましく、7以上であるのが特に好ましい。上限は特にな
いが、一般に20以下が好ましい。また、銀粉及びニッ
ケル粉のいずれの導電粉もアスペクト比が好ましくは5
以上、より好ましくは6以上、さらに好ましくは7以上
であるのがよい。本発明におけるアスペクト比とは、導
電粉の粒子の長径と短径の比率(長径/短径)をいう。
本発明においては、粘度の低い硬化性樹脂中に導電粉の
粒子をよく混合し、静置して粒子を沈降させるとともに
そのまま樹脂を硬化させ、得られた硬化物を垂直方向に
切断し、その切断面に現れる粒子の形状を電子顕微鏡で
拡大して観察し、少なくとも100の粒子について一つ
一つの粒子の長径/短径を求め、それらの平均値をもっ
てアスペクト比とする。ここで、短径とは、前記切断面
に現れる粒子について、その粒子の外側に接する二つの
平行線の組合せを粒子を挾むように選択し、これらの組
合せのうち最短間隔になる二つの平行線の距離である。
一方、長径とは、前記短径を決する平行線に直角方向の
二つの平行線であって、粒子の外側に接する二つの平行
線の組合せのうち、最長間隔になる二つの平行線の距離
である。これらの四つの線で形成される長方形は、粒子
がちょうどその中に納まる大きさとなる。なお、本発明
において行った具体的方法については後述する。
【0010】本発明において、銀粉とニッケル粉の混合
割合は、銀粉:ニッケル粉の重量比で90:10〜6
5:35の割合とする。ここで銀粉が90を超えると分
散性が低下し、また高価になり、一方、65未満である
と導電性が低下する。これらの点から、銀粉とニッケル
粉の混合割合は、銀粉:ニッケル粉の重量比で90:1
0〜70:30の割合とするのが好ましい。銀粉の平均
粒子径は印刷性及び導電性の面から5〜15μmが好ま
しく、また、ニッケル粉の平均粒子径は印刷性及び導電
性の面から5〜17μmが好ましい。なお、ここでいう
平均粒子径は、レーザー散乱型粒度分布測定装置により
測定することができる。本発明においては、前記装置と
してマスターサイザー(マルバン社製)を用いて測定し
た。
【0011】ニッケル粉としては、もともとりん片状の
ものの他、球状、立方体状、四面体状、略球状等の形状
の、好ましくは平均粒子径が10μm以下のニッケル粉
をりん片状に加工しても使用できる。加工法としては、
衝撃を与え、粒子の形状をりん片状に変形させればよい
が、具体的にはボールミル、振動ミル、遊星型ボールミ
ル等の方法で変形させればよい。
【0012】本発明では、樹脂の一成分として、導電
性、接着性等の特性に優れる導電ペーストを得るため
に、樹脂の一成分としてレゾール型フェノール樹脂を用
いる。また、レゾール型フェノール樹脂の数平均分子量
は2,500以下で、重量平均分子量は16,000以
下のものを用いるのが好ましい。レゾール型フェノール
樹脂を用いないと導電性が低下する等の欠点が生じる。
またレゾール型フェノール樹脂のいずれかの平均分子量
が上記を超えると、導電ペーストの導電性及び保存安定
性が低下する傾向にある。数平均分子量は1,800以
下がより好ましく、下限としては800以上が好まし
い。重量平均分子量は15,000以下がより好まし
く、下限としては5,000以上が好ましい。なお、平
均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
法により測定し、標準ポリスチレン換算することにより
求めることができる。レゾール型フェノール樹脂は、フ
ェノール、クレゾール、ブチルフェノール、アミルフェ
ノール、オクチルフェノール等のフェノール類と、ホル
ムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、テトラヘキサメ
チレンヘキサミン等のアルデヒド類とを、常法に従い、
金属水酸化物、アミン等の塩基性触媒下で反応させて得
られる。これらの樹脂は、単独で又は二種類以上で用い
ることができる。
【0013】また、本発明ではもう一つの樹脂成分とし
てエポキシ樹脂を用いる。エポキシ樹脂としては、ビス
フェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エ
ポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、エポキシ化ポリブタ
ジエン、可とう性エポキシ樹脂、多官能エポキシ樹脂等
各種のエポキシ樹脂が挙げられる。これらの中ではビス
フェノール型エポキシ樹脂が、硬化性と導電性が特に優
れるので好ましい。これらの樹脂は、単独で又は二種類
以上で用いることができる。前記レゾール型フェノール
樹脂とエポキシ樹脂の重量比は、保存安定性等の観点か
ら、前者/後者(重量比)で、97/3〜50/50と
するのが好ましく、90/10〜60/40とするのが
より好ましい。
【0014】また、必要に応じて硬化剤を用いることが
できる。硬化剤としては、2−エチル−4−メチルイミ
ダゾール、イミダゾールなどが好ましいものとして挙げ
られる。これらは、エポキシ樹脂に対して0.5〜1.
5重量%用いるのが好ましい。また、必要に応じて、p
−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホンアミド、
スルファニル酸、スルファミン、シュウ酸、リン酸、
1,8−ジアゾビシクロ−(5,4,0)−ウンデセン
−7などの硬化促進剤を用いることもできる。これらを
用いる場合は、樹脂の合計に対して0.1〜10重量%
であるのが好ましい。0.1重量%未満では硬化性が不
十分になる傾向にあり、導電材としての特性が低下する
傾向にあり、10重量%を超えると保存安定性が低下す
る傾向にある。
【0015】さらに必要に応じてベンゾチアゾール、ベ
ンズイミダゾール等の腐食抑制剤、微小黒鉛粉末などを
用いることもできる。以上の各成分は、通常溶媒中に溶
解又は分散される。溶媒は特に制限はないが、好ましい
ものとしては、テルピネオール、エチルカルビトール、
ブチルカルビトール、カルビトールアセテート、ブチル
セロソルブ、エチルセロソルブ、セロソルブアセテート
等が挙げられる。
【0016】導電粉の含有量は、導電ペーストに対して
抵抗と経済性から50〜80重量%であることが好まし
い。その割合が、50重量%未満であると抵抗が高くな
る傾向にあり、80重量%を超えると接着性が低下する
とともに経済的に不利になる傾向にある。フェノール樹
脂の含有量は、導電ペーストに対し5〜15重量%であ
ることが好ましい。その割合が、5重量%未満であると
導電粉が多くなり接着性が低下するとともに経済的に不
利になる傾向にあり、15重量%を超えると抵抗が高く
なる傾向にある。
【0017】エポキシ樹脂の含有量は、導電ペーストに
対し0.1〜10重量%であることが好ましい。その割
合が、0.1重量%未満であると接着性が低下する傾向
にあり、10重量%を超えると抵抗が高くなる傾向にあ
る。溶媒とその他の成分の混合比は特に制限はされない
が、印刷性(にじみや垂れ)の点で、有機溶媒は導電ペ
ーストの3〜50重量%が好ましく、10〜40重量%
がより好ましい。
【0018】次に、前記導電ペーストを用いて電気回路
を形成することを特徴とする電気回路形成基板の製造法
について説明する。電気回路を形成する基板としては、
紙フェノール積層板、ガラスエポキシ積層板、ガラス不
織布とガラスクロスを併用したコンポジット積層板、ポ
リアミドイミド積層板などの積層板、ポリエチレンテレ
フタレート等のポリエステル、ポリアミドイミドなどの
フィルムなどを使用することができる。これらの基板に
導電性ペーストによる電気回路を形成する方法は特に制
限されないが、作業性、生産性等の面からスクリーン印
刷法、コンピュータ制御によるディスペンサによる方法
等が好ましい。
【0019】前記導電ペーストで形成する電気回路とし
ては、例えば銅箔回路を両面に有する電気回路基板に貫
通するスルーホールを形成し、このスルーホールを通じ
て両面の電気回路を導通させるための電気回路がこの導
電ペーストの特性を活かした好ましいものとして挙げら
れる。この電気回路の模式図を図1及び図2に示す。図
1は平面図、図2は断面図である。両面印刷配線板の基
板1上には銅箔2による電気回路が形成されている。ス
ルーホール4には、スクリーン印刷等により導電ペース
ト3による導通回路が形成されている。またその他に、
前記導電ペーストでは、基板上に一般に形成される銅箔
回路自体の一部又は全部や、ジャンパー回路を形成する
ことができる。基板に電気回路を印刷し、印刷回路をプ
レス加工すると、導電性をさらに改善できるので好まし
い。
【0020】
【実施例】以下本発明の実施例を説明する。 実施例1 レゾール型フェノール樹脂(商品名 PL−2211、
群栄化学工業(株)製、数平均分子量1,200、重量平
均分子量10,000)50重量部とビスフェノールA
型エポキシ樹脂(商品名 エピコート828、油化シェ
ルエポキシ(株)製)20重量部を予め加温溶解させた後
室温に冷却したものに2−エチル−4−メチルイミダゾ
ール(四国化成工業(株)製)5重量部、エチルカルビト
ール25重量部、ブチルセロソルブ25重量部を加えて
均一に混合して樹脂組成物とした。一方、平均粒子径が
12μm、アスペクト比が8のりん片状銀粉(徳力化学
研究所(株)製)200重量部及び平均粒子径が10μ
m、アスペクト比が9のりん片状ニッケル粉(商品名
NI110104、高純度化学(株)製)70重量部を上
記で得た樹脂組成物125重量部に添加し、撹拌らいか
い機及び三本ロールで均一に分散して導電ペーストとし
た。
【0021】なお、本実施例におけるアスペクト比の具
体的測定法を以下に示す。低粘度のエポキシ樹脂(ビュ
ーラー社製)の主剤(No.20−8130)8gと硬化
剤(No.20−8132)2gを混合し、ここへ導電粉
2gを混合して良く分散させ、そのまま30℃で真空脱
泡した後、6〜8時間30℃で静置して粒子を沈降させ
硬化させた。その後、得られた硬化物を垂直方向に切断
し、切断面を電子顕微鏡で2000倍に拡大して切断面
に現れた100個の粒子について長径/短径を求め、そ
れらの平均値をもって、アスペクト比とした。また、平
均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
法により測定し標準ポリスチレン換算で決定した。検出
装置としては日本分析工業(株)製、RI−3Hを用い、
カラムとしてはゲルパックR420、R430及びR4
40(商品名 いずれも日立化成工業(株)製)を直列に
つないで用い、希釈溶媒としてはテトラヒドロフラン
(試料500mgを5mlになるように希釈)を用いた。流
量は1.75ml/分とした。
【0022】次に上記で得た導電ペーストを、図3に示
したテストパターンに印刷した後加熱硬化させた。基板
材料は、紙フェノール基板(商品名 MCL437F、
日立化成工業(株)製)で、厚さが1.6mmである。印刷
後、大気中で60℃、30分間乾燥し、さらに160
℃、30分間加熱処理して配線板を得た。次に得られた
配線板の比抵抗を測定した。その結果、比抵抗は80.
2μΩ・mであった。前記配線板の冷熱衝撃試験を実施
した結果、比抵抗の変化率は5.2%であった。前記配
線板の高温放置を実施した結果、比抵抗の変化率は9.
4%であった。前記配線板の恒温恒湿試験を実施した結
果、比抵抗の変化率は8.7%であった。なお、冷熱衝
撃試験条件は125℃、30分〜−65℃、30分を1
00サイクル行い、高温放置試験条件は100℃、10
00時間であり、恒温恒湿試験条件は60℃、相対湿度
90〜95%中で1000時間行った。耐はんだ試験
(26℃、10秒、5回)も行ったが、抵抗変化率は1
0%以下であった。また、ガラス板上にバーコーターを
用い100μmの厚さで導電ペーストを塗布し表面を観
察した結果、5mm×5mmの中に100μm程度の凝集粒
子が10個観察された。また、この導電ペーストのポッ
トライフを調べたところ、30℃で25日間、粘度の変
化率が10%以内であった。
【0023】実施例2 実施例1で用いたりん片状銀粉240重量部とりん片状
ニッケル粉30重量部を樹脂組成物125重量部に加
え、実施例1と同様の方法で均一に混合分散して導電ペ
ーストとした。以下実施例1と同様の工程を経て配線板
を作製してその特性を評価した。その結果、比抵抗は5
9.5μΩ・cmであった。前記配線板の冷熱衝撃試験、
高温放置試験、恒温恒湿試験を実施した結果、比抵抗の
変化率は、それぞれ6.1%、7.8%、8.8%であ
った。また、ガラス板上にバーコーターを用い100μ
mの厚さで導電ペーストを塗布し表面を観察した結果、
5mm×5mmの中に100μm程度の凝集粒子が12個観
察された。また、この導電ペーストのポットライフを調
べたところ、30℃で23日間、粘度の変化率が10%
以内であった。
【0024】比較例1 実施例1で用いたりん片状銀粉270重量部を樹脂組成
物125重量部に加え、実施例1と同様の方法で均一に
混合分散して導電ペーストとした。以下実施例1と同様
の工程を経て配線板を作製してその特性を評価した。そ
の結果、比抵抗は48.5μΩ・mであった。前記配線
板の冷熱衝撃試験、高温放置試験、恒温恒湿試験を実施
した結果、比抵抗の変化率は、5.1%、5.8%、
6.8%であり、5mm×5mmの中の100μm程度の凝
集粒子は10個観察された。なお、比較例1の導電ペー
ストと、実施例1の導電ペーストを、表面を脱脂したガ
ラスプレパレート上に幅2mmの電極をお互いに3mm間隔
になるように印刷し、約160℃で30分間加熱処理さ
せた。電極間に幅3mmに切断した濾紙を配置し、イオン
交換水1μlを濾紙上に滴下して、電極間に5Vの直流
電圧を印可した。このとき、経過時間と電極間に流れる
電流との関係を測定した。その結果、印可後、マイグレ
ーションが発生して100マイクロアンペアの電流が流
れるまでに要した時間は、実施例1では7分であったの
に対し、比較例1ではその半分以下の3分であった。
【0025】比較例2 実施例1で用いたりん片状銀粉200重量部と平均粒子
径9μm、アスペクト比1.3の球状ニッケル粉70重
量部を実施例1で用いた樹脂組成物125重量部に加
え、実施例1と同様の方法で均一に混合分散して導電ペ
ーストとした。以下実施例1と同様の工程を経て配線板
を作製してその特性を評価した。その結果、比抵抗は1
59.5μΩ・cmと高い値であった。前記配線板の冷熱
衝撃試験、高温放置試験、恒温恒湿試験を実施した結
果、比抵抗の変化率は、いずれも10%以下となった。
【0026】実施例3 2リットルボールミル容器に平均粒子径6μmの球状ニ
ッケル粉(商品名 NI110111、高純度化学(株)
製)400gと直径5mmのジルコニアボール1.5kg、
直径10mmのジルコニアボール1.5kgを投入し、溶媒
としてエタノールを用い、遊星型ボールミルで2日間回
転させて形状を変形させ、平均粒子径11.3μm、ア
スペクト比が8のりん片状ニッケル粉を作製した。この
後実施例1で得た樹脂組成物125重量部に実施例1と
同様のりん片状銀粉200重量部、前記のりん片状ニッ
ケル粉70重量部を加えて、らいかい機及び三本ロール
で均一に分散して導電ペーストとした。
【0027】次に上記で得た導電ペーストを用いて、実
施例1と同様にして配線板を得た。次に得られた配線板
の比抵抗を測定した。その結果、比抵抗は79.2μΩ
・cmであった。また、実施例1と同様に前記配線板の冷
熱衝撃試験、高温放置試験、恒温恒湿試験を実施した結
果、比抵抗の変化率は、それぞれ5.6%、8.4%、
8.1%であった。また、ガラス板上にバーコーターを
用い100μmの厚さで導電ペーストを塗布し表面を観
察した結果、5mm×5mmの中に100μm程度の凝集粒
子が16個観察された。また、この導電ペーストのポッ
トライフを調べたところ、30℃で23日間、粘度の変
化率が10%以内であった。
【0028】実施例4 実施例3で用いたりん片状銀粉240重量部とりん片状
ニッケル粉30重量部を樹脂組成物125重量部に加
え、実施例3と同様の方法で均一に混合分散して導電ペ
ーストとした。以下実施例1と同様の工程を経て配線板
を作製してその特性を評価した。その結果、比抵抗は5
8.5μΩ・cmであった。前記配線板の冷熱衝撃試験、
高温放置試験、恒温恒湿試験を実施した結果、比抵抗の
変化率は、それぞれ6.5%、6.8%、8.2%であ
った。また、ガラス板上にバーコーターを用い100μ
mの厚さで導電ペーストを塗布し表面を観察した結果、
5mm×5mmの中に100μm程度の凝集粒子が14個観
察された。また、この導電ペーストのポットライフを調
べたところ、30℃で23日間、粘度の変化率が10%
以内であった。
【0029】比較例3 実施例1で用いたりん片状銀粉200重量部と平均粒径
11μmの球状ニッケル粉70重量部を実施例1で用い
た樹脂組成物125重量部に加え、実施例1と同様の方
法で均一に混合分散して導電ペーストとした。以下実施
例1と同様の工程を経て配線板を作製してその特性を評
価した。その結果、比抵抗は163.5μΩ・cmと高い
値であった。前記配線板の冷熱衝撃試験、高温放置試
験、恒温恒湿試験を実施した結果、比抵抗の変化率は、
いずれも10%以下となった。また、ガラス板上にバー
コーターを用い100μmの厚さで導電ペーストを塗布
し表面を観察した結果、5mm×5mmの中に100μm程
度の凝集粒子が21個観察された。
【0030】比較例4 実施例1の銀粉の代わりに、アスペクト比2.3、平均
粒子径7μmの銀粉を用いた以外は、実施例1と同様に
導電ペーストを作成し評価した。その結果、比抵抗は2
86μΩ・cmと高い値であった。前記配線板の冷熱衝撃
試験、高温放置試験、恒温恒湿試験を実施した結果、比
抵抗の変化率は、それぞれ10%以下であった。また、
ガラス板上にバーコーターを用い100μmの厚さで導
電ペーストを塗布し表面を観察した結果、5mm×5mmの
中に100μm程度の凝集粒子が27個観察された。
【0031】比較例5 実施例1で用いたりん片状銀粉162重量部とりん片状
ニッケル粉108重量部を樹脂組成物125重量部に加
え、実施例1と同様の方法で均一に混合分散して導電ペ
ーストとした。以下実施例1と同様の工程を経て配線板
を作製してその特性を評価した。その結果、比抵抗は3
16μΩ・cmと高い値であった。前記配線板の冷熱衝撃
試験、高温放置試験、恒温恒湿試験を実施した結果、比
抵抗の変化率は、いずれも10%以下となった。
【0032】
【発明の効果】請求項1記載の導電ペーストは、導電
性、分散性及び印刷性に優れる。特に、比抵抗が低く、
冷熱衝撃、高温放置、高温高湿等の過酷な条件における
比抵抗変化が小さいものであり、また、マイグレーショ
ンの問題が少なく経済的にも優れる。請求項2記載の導
電ペーストは、請求項1記載の導電ペーストの効果を奏
し、特に導電性に優れる。請求項3記載の導電ペースト
は、請求項1記載の導電ペーストの効果を奏し、さらに
保存安定性に優れる。請求項4記載の導電ペーストは、
請求項1記載の導電ペーストの効果を奏し、特に導電性
及び印刷性に優れる。請求項5記載の導電ペーストは、
請求項1記載の導電ペーストの効果を奏し、さらに接着
性及び経済性に優れる。請求項6記載の電気回路形成基
板の製造法は、導電性及び印刷性に優れ、また、比抵抗
が低く、特に、冷熱衝撃、高温放置、高温高湿等の過酷
な条件における比抵抗変化が小さい、経済的にも優れた
基板が得られる。請求項7記載の電気回路形成基板の製
造法は、請求項6記載の電気回路形成基板の製造法の効
果を奏し、特にその特性の活かされた電気回路を形成で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の導電ペーストで電気回路を形成した両
面配線板のスルーホール部分の平面図である。
【図2】図1の断面図である。
【図3】本実施例で印刷した電気回路パターンの状態を
示す平面図である。
【符号の説明】
1…基板 2…銅箔 3…導電ペースト 4…スルーホール 5…電気回路パターン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 63/00 NKU C08L 63/00 NKU C23C 18/20 C23C 18/20 Z H01B 1/16 H01B 1/16 1/22 1/22

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電粉としてりん片状銀粉とりん片状ニ
    ツケル粉を銀粉:ニッケル粉の重量比で90:10〜6
    5:35の割合で含み、レゾール型フェノール樹脂及び
    エポキシ樹脂を含有してなる導電ペースト。
  2. 【請求項2】 りん片状銀粉とりん片状ニツケル粉がと
    もにアスペクト比が3以上である請求項1記載の導電ペ
    ースト。
  3. 【請求項3】 レゾール型フェノール樹脂が、数平均分
    子量2,500以下、重量平均分子量16,000以下
    である請求項1又は2記載の導電ペースト。
  4. 【請求項4】 りん片状銀粉が平均粒子径5〜15μm
    であり、りん片状ニッケル粉が平均粒子径5〜17μm
    である請求項1、2又は3記載の導電ペースト。
  5. 【請求項5】 導電粉の含有量が導電ペーストに対し5
    0〜80重量%であり、レゾール型フェノール樹脂の含
    有量が導電ペーストに対し5〜15重量%である請求項
    1、2、3又は4記載の導電ペースト。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の導電ペ
    ーストを用いて電気回路の一部又は全部を形成すること
    を特徴とする電気回路形成基板の製造法。
  7. 【請求項7】 導電ペーストを用いて形成する電気回路
    が、電気回路を両面に有する電気回路基板の貫通するス
    ルーホール部分の電気回路であり、導電ペーストでこの
    スルーホールを通じて両面の電気回路を導通させる請求
    項6記載の電気回路形成基板の製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20150027721A (ko) 2013-09-04 2015-03-12 아사히 가라스 가부시키가이샤 도전성 페이스트 및 도전막을 구비한 기재
WO2016002362A1 (ja) * 2014-06-30 2016-01-07 株式会社村田製作所 導電性ペースト、及びガラス物品

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