JPH0934376A - 頭部装着型映像表示装置 - Google Patents

頭部装着型映像表示装置

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Publication number
JPH0934376A
JPH0934376A JP18585295A JP18585295A JPH0934376A JP H0934376 A JPH0934376 A JP H0934376A JP 18585295 A JP18585295 A JP 18585295A JP 18585295 A JP18585295 A JP 18585295A JP H0934376 A JPH0934376 A JP H0934376A
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JP
Japan
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head
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observer
display device
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Application number
JP18585295A
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English (en)
Inventor
Kazunari Hanano
和成 花野
Yoshihiro Maeda
義浩 前田
Seiichiro Tabata
誠一郎 田端
Arinori Tokuhashi
有紀 徳橋
Hisami Kikuchi
久美 菊地
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 装置本体内部の異常な温度上昇から各部品の
劣化,装置の誤作動等を防止すると共に、装置外装部が
吸熱した状態下における観察者の保護をなし得る頭部装
着型映像表示装置を提供する。 【解決手段】 本発明の頭部装着型映像表示装置は、映
像表示素子1と、映像表示素子1を駆動するための駆動
回路と、映像表示素子1を照明する照明系と、映像表示
素子1から射出された光束を用いて射出瞳を形成する接
眼光学系と、これらを観察者の頭部に支持固定する支持
部材とからなる頭部装着型映像表示装置において、装置
内部の温度上昇を検出する温度検出装置2と、温度検出
装置2による検出結果を映像表示素子1の画面サイドに
表示する表示手段とが備えられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、観察者の頭部に着脱自
在に装着保持させて使用し、観察者の眼球内の網膜上に
直接観察画像を拡大投影するようにした頭部装着型映像
表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、頭部に装着して映像を観察する
装置は、眼鏡を掛けるように装着するか或いは頭部を包
むようにして装着保持し、装着した状態で観察者の両眼
の前方に位置する接眼光学系を介して、映像表示素子に
表示された像を観察できるようになっている。そして、
この種の装置は長時間頭部に装着することが多く、その
ため、装置本体に内蔵されている映像表示素子及びその
周辺回路の発熱等による装置内部の温度上昇や、観察者
の発汗によりレンズ等の光学素子表面に曇りを生じ易く
なる。従って、このような観察者に不快感を与えるよう
な不具合を解消するために、例えば、特開平6−175
066号公報に開示された装置のように、装置内部及び
観察者の頭部の冷却,換気を促すためのファンが備えら
れたものが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開平6−175066号公報に開示された装置では、観
察者の頭部を冷却することに主眼が置かれているが、冷
却ファンが装置の前部に位置しているため、ただでさえ
光学系や電装系等重量のある装置主要部が集中している
前部が重くなり、装置の重量バランスが非常に悪くな
る。又、この装置においては、装置をヘルメット状に構
成した場合に観察者の頭部を冷却するという効果が発揮
されるのであって、ヘルメット状に構成されていない装
置では、観察者の頭部よりも光学系や電装系等が収納さ
れている装置本体の内部、更にはその中の特定部位のみ
が局所的に温度上昇し、部品の劣化や装置の誤作動を引
き起こす等の問題を生じる。
【0004】更に、この種の装置では、長時間使用する
ことにより、前述のような装置内部の温度上昇が生じる
うえ、外装部分も加熱されてしまう。特に、このような
装置を医療用とし用いる場合には、当然のように加熱殺
菌処理がなされるため、装置の外装部分、特に金属部分
が熱を帯びた状態になる。従って、この熱を帯びた部分
が冷却しないうちに装置を装着すると、観察者が火傷等
の傷害を受けることになる。このような問題点を解決す
るためには、装置の使用,保管等の取扱を慎重に行わな
ければならないという煩雑さが伴う。
【0005】そこで、本発明は上記のような従来技術の
問題点を解決するためになされたものであり、装置本体
内部の特定部分の異常な温度上昇による各部品の劣化,
装置の誤作動を防止する頭部装着型映像表示装置を提供
することを第1の目的とする。又、本発明の第2の目的
は、熱を感知する材料,センサ等を用いて、装置の各部
が熱を帯びていることを観察者に察知させることができ
る頭部装着型映像表示装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明による頭部装着型映像表示装置は以下に示す
ような特徴を備えている。
【0007】請求項1に記載の発明は、映像表示手段
と、この映像表示手段を駆動するための駆動回路と、前
記映像表示手段を照明する照明系と、前記映像表示手段
から射出された光束を用いて射出瞳を形成する接眼光学
系と、これらを観察者の頭部に支持固定する支持部材と
からなる頭部装着型映像表示装置において、装置内部の
温度上昇を検出する装置と、この装置による検出結果を
前記映像表示手段に表示する表示手段とを備えたことを
特徴とするものである。
【0008】請求項2に記載の発明は、映像表示手段
と、この映像表示手段を駆動するための駆動回路と、前
記映像表示手段を照明する照明系と、前記映像表示手段
から射出された光束を用いて射出瞳を形成する接眼光学
系と、これらを観察者の頭部に支持固定する支持部材と
からなる頭部装着型映像表示装置において、装置本体及
びその支持部に通気孔,通気路及びファンを設け、前記
装置本体の電源スイッチを入れた後一定時間を経過した
後に前記ファンが回転するようにしたことを特徴とする
ものである。
【0009】請求項3に記載の発明は、映像表示手段
と、この映像表示手段を駆動するための駆動回路と、前
記映像表示手段を照明する照明系と、前記映像表示手段
から射出された光束を用いて射出瞳を形成する接眼光学
系と、前記映像表示手段,前記照明系及び前記駆動回路
を支持固定する枠部材と、これらを観察者の頭部に支持
固定する支持部材とからなる頭部装着型映像表示装置に
おいて、前記駆動回路を実装している基板に開口部が設
けられていることを特徴とするものである。
【0010】
【作用】以下、本発明の頭部装着型映像表示装置の作用
を説明する。
【0011】請求項1に記載の発明によれば、映像表示
手段や照明系を駆動する回路系から発せられる熱を原因
とする回路系の誤作動や映像表示手段の偏光板の劣化、
又これらによる映像の乱れが発生することを防止でき
る。又、装置本体内部がある一定の温度以上になった場
合に、このことを観察者に知らせることができるので、
重大な事故の発生を未然に防ぐことができる。
【0012】請求項2に記載の発明によれば、冷却ファ
ンを回転させることによって、装置本体内部の熱を外部
に発散させることができる。又、装置の電源を入れた
後、装置内部の温度上昇がみられるある一定の時間が経
過した後に、前記冷却ファンが回転し始めるようにした
ことで、無駄な電力を浪費することがない。更に、前記
冷却ファンの作動時に装置本体内部の温度が一定温度以
下になった場合には、前記ファンが停止するように設定
すれば、より消費電力の節減に寄与できる。
【0013】請求項3に記載の発明によれば、通気孔の
役割を有する開口部を電装系の基板の使用されていない
部分に設けたことにより、装置本体内部の映像表示手段
や照明系を支持固定する枠部材とそれらの駆動回路の基
板とにより構成される閉空間に溜まった熱を放出し、特
定部位のみの異常な温度上昇を回避することができる。
【0014】又、上記頭部装着型映像表示装置を観察者
の頭部に支持固定する支持部材を温度によってその形状
を変化させる形状記憶材料により構成すれば、当該装置
が何らかの原因により熱せられてその支持部材の温度が
異常に上昇した場合に、かかる支持部材の形状が変化し
て装着できない状態となって、観察者が火傷を負うよう
な危険を回避することができる。更に、前記支持部材を
構成する材料に、温度によって色が変化する塗料を塗布
しても、観察者の保護に十分な効果を奏する。
【0015】
【実施例】以下、図示した実施例に基づき本発明を詳細
に説明する。
【0016】第1実施例 図1は、本実施例の頭部装着型映像表示装置の観察視野
を説明するための図である。本実施例の装置は、図示し
ない装置本体内部に、映像表示素子1と、装置本体内部
の温度が異常に上昇した場合にその異常温度を検出する
温度検出装置2と、この温度検出装置2による検出結果
を映像表示素子1上に表示させる図示しない表示手段と
を備えている。そして、本実施例の装置では、前記装置
本体の内部温度が異常に上昇したような場合、温度検出
装置2でこの温度が検出され、前記表示手段により、映
像表示素子1の画面サイドにその旨を観察者に知らせる
ためのマークが表示されるようになっている。又、これ
と同時に、装置の照明系の輝度を落とすか、照明系を消
灯させるようにしている。従って、本実施例の装置で
は、よりはっきりと観察者に対して温度上昇の危険が発
生したことを知らせることができる。
【0017】第2実施例 図2は、本実施例の頭部装着型映像表示装置における温
度検出方法を説明するための図である。本実施例の装置
では、第1実施例の装置と同様に、装置本体3内部の温
度が上昇した場合、これを温度センサ4を備えた温度検
出回路5で検出できるように構成されている。そして、
温度上昇を検出した温度検出回路5は、音声発生回路6
を起動させて、スピーカ7を通して、音声によって観察
者に対して異常な温度上昇の危険が生じたことを知らせ
るようになっている。尚、温度検出回路5及び音声発生
回路6は、装置本体3の内部若しくは図示しない頭部装
着型映像表示装置を観察者の頭部で支持する頭頂部フレ
ームに内臓されている。
【0018】第3実施例 図3は、本実施例にかかる頭部装着型映像表示装置を装
着した状態を示す装置本体の側面に沿う断面図である。
本実施例の装置では、温度センサ4は、装置本体3に内
蔵されている接眼光学系の上部の観察者側に配置されて
おり、前記接眼光学系と観察者の眼との間の空間の温度
を検出できるようになっている。このようにして、本実
施例の装置では、温度センサ4を介して温度検出回路5
で前記空間部分の異常な温度上昇を検出できる。尚、温
度検出の結果を観察者に知らせる方法は、第1実施例若
しくは,第2実施例に示した方法が用いられる。
【0019】第4実施例 図4(a)は、本実施例にかかる頭部装着型映像表示装
置を装着した状態を示す側面図である。本実施例の装置
は、映像表示素子,映像表示素子に表示された映像を観
察する光学系,回路基板類及び前記映像表示素子の照明
系等が収められている装置本体3と、装置を観察者の頭
部に支持固定するための頭頂部フレーム8,支持部材
9,10と、前記光学系を介して観察する映像と同時に
音声を提供するスピーカ11とにより構成されている。
装置本体3の下部には、通気孔3aが設けられている。
そして、この通気孔3aを防水,通気の両機能を兼ね備
えた素材で覆うことにより、不要なゴミ,異物等が装置
本体3内部に進入するのを防止している。又、頭頂部フ
レーム8の内部は空洞二重構造の通気路8a,8bが形
成されており、その終端部には空気弁12が設けられて
いる。空気弁12の後方には、モータ13に取り付けら
れた小型のファン14が配置されていおり、このファン
14は正逆両方向の回転が可能になっている。更に、モ
ータ13の後部にも通気孔15が設けられている。
【0020】本実施例の装置において、ファン14を正
方向に回転させることにより、空気弁12が開くと同時
に図中矢印で示す方向に空気の流れが生じ、光学系等を
備えた装置本体3の内部で発生した熱を観察者の後方へ
発散させることができ、装置本体3の異常な発熱による
不具合の発生を抑えると共に、装置本体3を空気により
冷却できるため、観察者は快適に映像の鑑賞を行うこと
ができる。更に、本実施例の装置において、スピーカ1
1から供給される音声を含む全ての音をモニタリングす
る音声モニタリング手段と、この音声モニタリング手段
によりモニタリングされた音量の変化に応じてファン1
4の回転速度を制御する制御手段を設ければ、観察者は
ファン14の回転により生じる騒音等の悪影響を受けず
にスピーカ11から供給される音声を良好に鑑賞するこ
とができるようになる。
【0021】又、図4(b)は本実施例の装置のファン
14を逆回転させた状態を示している。観察者の息等に
より装置本体3の観察窓3bに曇りを生じた場合に、ま
ず、ファン13を逆方向に回転させることによって、空
気弁12が閉じる。そして、通気路15から取り込まれ
た空気は、2つある通気路のうち下の部分(通気路8
b)を通り観察窓3bに向けて吹き付けられるので、観
察窓3bの曇りを除去することができる。
【0022】第5実施例 図5はこの種の頭部装着型映像表示装置を正面から見た
装置本体前面に沿う断面図である。図のように、装置本
体3の内部は、映像表示装置駆動回路基板21の下に、
夫々左右の照明系駆動回路基板22が2つ配置されてい
る。照明系駆動回路基板22の下側には夫々照明系23
が固定され、この照明系23を取り囲むように左右の枠
部材24が照明系駆動回路基板22の下部に固定されて
いる。左右の枠部材24夫々のほぼ中央部には、偏光板
25,26に挟まれた映像表示素子27が配置されてい
る。更に、枠部材24の下部には映像表示素子27に表
示された映像を観察者の眼球へ導くための接眼光学系2
8が配置されている。
【0023】ここで、図6を用いて映像表示素子27に
表示された映像が観察者の眼球へ導かれる様子を簡単に
説明する。図6は図7に示した装置本体3を側面から見
た断面図である。映像表示素子27に表示された映像
は、照明系23により照明されることにより、接眼光学
系28へ投影される。この光は接眼光学系28内に供え
られているハーフミラー28aを透過して接眼光学系2
8の底部に配置されている凹面鏡28bにより反射さ
れ、再度ハーフミラー28aによって反射されて、装置
本体3に備えられている観察窓3bを介して観察者の眼
球へ導かれるようになっている。
【0024】このような映像観察系を備えた頭部装着型
映像表示装置において生じる問題としては、枠部材24
とこれに固定されている照明系23,映像表示素子27
及び接眼光学系28との間には殆ど隙間がないため、こ
の装置を長時間使用した場合に、枠部材24の内部に熱
がこもり易くなることである。そこで、本実施例の装置
では、上記の照明系駆動回路基板22及び照明系23に
代えて、図7に示すような照明系駆動回路基板30及び
照明系31を用いて、装置本体3を構成している。図示
したように、照明系駆動回路基板30の上面には熱を放
出するための開口部30a,30bが設けられている。
これによって、前述した問題の熱を放出することができ
るため、装置本体3内部での局所的な温度差を緩和する
ことができ、装置の誤作動や部品の劣化等の不具合を防
止することができる。
【0025】又、図8は本実施例の変形例を示している
が、同図(a)に示すように、照明系駆動回路基板22
及び照明系23を斜めに傾けて構成しても、図7に示し
た照明系駆動回路基板30及び照明系31を用いた場合
と同様の効果が得られる。即ち、図8(a)に示したよ
うに、照明系駆動回路基板22及び照明系23を斜めに
傾けて、映像表示素子27との間に空間を設けることに
よって、発生した熱を放出するものである。尚、この場
合には、上記枠部材24に代えて、図8(b)に示すよ
うな枠部材32が用いられることになる。
【0026】第6実施例 図5に示したような頭部装着型映像装置の本体内部で
は、長時間使用した場合に、照明系駆動回路基板22の
上部においても、かなりの発熱が見受けられる。そこ
で、図9に示すように、本実施例の装置では、左右の照
明系駆動回路基板22の上方に位置する映像表示装置駆
動回路基板33に開口部33a,33bを設け、更に装
置本体3の外枠34の前記開口部33a,33bに対応
する位置に開口部34a,34bを夫々設けている。特
に、開口部33a,33b,34a,34bは照明系駆
動回路基板22の特に発熱量の多いトランスやICが配
置されている位置に対応して設けられることが、効率よ
く熱を外部へ発散させるためには好ましい。尚、本実施
例に示した映像表示装置駆動回路基板33と装置本体3
の外枠34を、第5実施例に示した装置に用いれば、熱
の放出という点においてより優れた効果を奏する。
【0027】第7実施例 図10は本実施例にかかる頭部装着型映像表示装置の構
成を示す斜視図である。この装置は、後述する映像表示
素子及びこの素子に表示された映像を観察者の眼球へ導
く接眼光学系等が備えられている装置本体41と、観察
者の頭部に装置を支持固定するための頭頂部フレーム4
2及び支持部材43a,43bと、映像と同時に音声を
提供するためのスピーカ44a,44bとにより構成さ
れている。又、装置本体41内部の前記映像表示素子等
を制御する電装系は頭頂部フレーム42に内蔵されてい
る。
【0028】図11は、本実施例の装置の本体41の内
部構造を示す側面に沿う断面図である。装置本体41の
上部には映像表示素子(LCD)51が配置され、この
映像表示素子51に表示された映像は、映像表示素子5
1の下部に配置されている接眼光学系52に投影され
る。そして、この像は、接眼光学系52に備えられてい
るハーフミラー52aにより反射され、接眼光学系52
の前方に配置されている凹面鏡52bにより更に反射さ
れる。そして、この反射光はハーフミラー52aを透過
して観察者の眼球へ導かれるようになっている。このよ
うな経路によって、映像表示素子51に表示された映像
を観察者は拡大観察できる。
【0029】本実施例の装置は、図10に示すように、
ストープ等の火気の近くに配置した場合、特に装置の外
装支持部(頭頂部フレーム42,支持部材43a,43
b)は熱を吸収して熱くなる。その外装支持部が熱を持
っていることを知らずに、観察者がその状態のまま装置
を装着した場合、火傷を負う等の事故を招くことにな
る。そこで、本実施例の装置では、外装支持部が、温度
が40℃以上に達すると色が変色する素材を用いて構成
されている。例えば、元来は黒色であって熱を吸収する
ことによって白色に近い色に変色し、温度が低下するに
伴って元の色に戻るような素材を用いて、前記外装支持
部は構成されている。従って、本実施例の装置によれ
ば、外装支持部の色が変色している場合には、かなりの
熱を帯びている状態であることが認識できるため、誤っ
て装着して火傷を負うといった事故を防ぐことができ
る。
【0030】第8実施例 図12(a)は本実施例にかかる頭部装着型映像表示装
置の構成を示す斜視図である。本実施例の装置は、外装
支持部である頭頂部フレーム42を熱に対する形状記憶
部材によって構成したものである。その他の部分の構成
は第7実施例の装置と同様である。本実施例の装置で
は、ある設定温度以上の熱を帯びた場合に、図12
(b)に示すように、頭頂部フレーム42が内側に向か
って折れ曲がり、このままでは装着できない形状とな
る。従って、熱を帯びた状態で誤って装置を装着するこ
とを防止することができる。又、冷却されて元の温度に
戻った場合には、頭頂部フレーム42は自然に元の形状
に回復するため、装着に際して不都合なことはない。
尚、本実施例の装置の頭頂部フレーム42に使用される
素材は、形状記憶合金等を芯として、その外周をゴム材
若しくはスポンジ材等の弾性に富む材料を用いてもよ
い。
【0031】第9実施例 図13は、本実施例にかかる頭部装着型映像表示装置の
構成を示す斜視図である。本実施例の装置では、頭頂部
フレーム42及び支持部材43a,43bがある一定温
度以上になった場合に変色する塗料が塗布されている点
を除き、第7実施例に示した装置と同様に構成されてい
る。このように、本実施例の装置は、熱を帯びると外装
が変色するため、観察者は一目で装置が熱を帯びている
か否かを判断することができ、安全である。尚、装置に
塗布される塗料は、装置全体に塗布してもよいし、装置
のデザインを損なわない程度に部分的に塗布してもよ
い。
【0032】第10実施例 図14(a)は、本実施例にかかる頭部装着型映像表示
装置の構成を示す斜視図である。本実施例の装置は、図
14(b)に示す液晶温度計45が装置の頭頂部フレー
ム42に数カ所貼り付けられている点以外は、第7実施
例に示された装置と同様に構成されている。液晶温度計
45は常温では黒いシート状のものであるが、熱が加わ
るとその温度に対応した表示部分のシートの色が変色し
て、そのときの温度が読み取れるようになっているもの
である。従って、観察者は装置を装着する前に、液晶温
度計45が示す温度を容易に把握することができ、火傷
等の事故の発生を未然に防ぐことができる。
【0033】第11実施例 図15は、本実施例にかかる頭部装着型映像表示装置の
構成を示す斜視図である。同図に示すように、本実施例
の装置は、一対の照明系61,61,図示しない一対の
映像表示素子,一対の温度センサ62,62,一対のL
ED63,63,一対のLED制御回路64,64,及
び図示しない一対の光学系を備えた装置本体60と、頭
頂部フレーム42と、支持部材43a,43bと、スピ
ーカ44a,44bとにより構成されている。
【0034】図16は装置本体60の内部構造を示す側
面に沿う断面図であるが、映像表示素子68の上側に配
置された照明系61の近傍に、温度センサ62と、LE
D63と、温度センサ62の検出信号によりLED63
の点灯を制御するLED制御回路64とが設けられてい
る。更に、映像表示素子68の下部には、ハーフミラー
71及び凸レンズ72からなる映像表示素子68に表示
された映像を観察者の眼球へ導く光学系70が配置され
ている。又、光学系70の前方には外界像の遮蔽,透過
を制御する液晶シャッタ73が配置されている。尚、L
ED63と光学系70との位置関係は、図示されている
ように、観察者の眼球の光軸に沿う方向でハーフミラー
71を挟んで前記眼球と対向している前記光軸に対して
垂直な面上の端にLED63が位置するように構成され
ている。従って、照明系61で照明された映像表示素子
68に表示された映像は、ハーフミラー71で反射され
た後、凸レンズ72を介して観察者の眼球へ導かれる。
又、液晶シャッタ73を電気制御することにより、外界
像を遮光,透過して外界像のみを観察する状態や、スー
パーインボーズ(外界像と装置表示像とを合成して同時
に観察する)状態に設定することができるようになって
いる。
【0035】頭部装着型映像装置を長時間使用し続ける
と、照明系61が高熱を蓄えるようになる。このような
場合、本実施例の装置では、照明系61の温度がある一
定温度以上になると、温度センサ62がその温度を感知
し、LED制御回路64へ向けて検出信号を送信する。
すると、LED制御回路64は、LED63を点灯させ
る。このときの観察者の視野を図17に示す。同図に示
されているように、観察者は観察視野の左上隅にLED
63の像を観察することになる。尚、このとき、LED
63の像は光学系70内のハーフミラー71及び凸レン
ズ72を介して観察者の眼球へ導かれている。以上によ
り、観察者は、装置本体内部の異常な温度上昇をLED
の点灯により認識することができ、確実に事故発生の危
険を回避することができる。
【0036】第12実施例 図18は、本実施例にかかる頭部装着型映像表示装置の
構成を示す斜視図である。本実施例の装置は、装置本体
41と、頭頂部フレーム74と、支持部材43a,43
bと、スピーカ44a,44bとにより構成されてい
る。装置本体41,支持部材43a,43b,スピーカ
44a,44bは第7実施例の装置と同様のものであ
る。頭頂部フレーム74には、装置本体41に内蔵され
ている図示しない映像表示素子を駆動するための映像表
示素子駆動回路75が設けられており、更に、この映像
表示素子駆動回路75の近傍に、温度センサ76と、こ
の温度センサ76が検出した温度に対応した信号を後述
する合成回路に送信する温度検出回路77とが備えられ
ている。この合成回路は、後述の合成表示発生部(メモ
リ)に蓄えられている合成画像用の画像信号を、前記映
像表示素子上に表示されている画像と合成表示させるた
めの回路である。以下、図19に基づき、本実施例の装
置の動作を説明する。
【0037】長時間の映像観察等により、映像表示素子
駆動回路75が発熱した場合、まず、その熱を温度セン
サ76で感知する。すると、温度検出回路77において
その温度に応じた検出信号が生成され、合成回路78へ
送信される。そして、この検出信号を基に合成表示発生
部79からの合成信号を受けて、これを映像表示素子駆
動回路77内で合成し、映像表示素子上に表示する。図
20に、このときの観察者の視野を示す。ここに示され
ているように、映像表示素子制御回路75が発熱した場
合には、上記のような手順を経て画面上に、「発熱」の
文字や「!」の記号等が映像と合成され表示される。従
って、観察者は装置の異常な発熱を容易に察知すること
ができ、危険を回避することができる。
【0038】尚、本実施例の装置では、映像表示素子7
5上に合成される画像は上記のような文字,記号等に限
られず、図表等様々なものを表示できるようになってい
る。又、段階的に温度センサ76で感知される熱の温度
に従って表示される文字等を変化させることも可能であ
り、危険回避のためにはより効果的である。
【0039】更に、以上説明した上記各実施例に示した
構成を相互組み合わせて用いることにより、本発明の目
的をより高度に達成し得る装置を提供することが可能に
なる。
【0040】以上説明したように、本発明の頭部装着型
映像表示装置は請求項1乃至3に記載された特徴に加え
て、以下に示すような特徴も兼ね備えている。
【0041】(1)上記温度センサは上記接眼光学系と
観察者の眼球との間に配置されていることを特徴とする
請求項1に記載の頭部装着型映像表示装置。
【0042】(2)異常な温度上昇を音声発生装置によ
って観察者に知らせるようにしたことを特徴とする請求
項1に記載の頭部装着型映像表示装置。
【0043】(3)上記通気孔は、防水性及び通気性を
備えていることを特徴とする請求項2に記載の頭部装着
型映像表示装置。
【0044】(4)音声発生手段と、この音声発生手段
から供給される音声を含む全ての音をモニタリングする
音声モニタリング手段と、この音声モニタリング手段に
よりモニタリングされた音量の変化に応じて上記ファン
の回転速度を制御する制御手段と、を備えたことを特徴
とする請求項2に記載の頭部装着型映像表示装置。
【0045】(5)上記照明系駆動回路を実装している
基板の特に発熱が激しい部分の上部には、通気孔が設け
られている映像表示手段駆動回路基板が配置されている
ことを特徴とする請求項3に記載の頭部装着型映像表示
装置。
【0046】(6)映像表示手段と、この映像表示手段
を駆動するための駆動回路と、前記映像表示手段を照明
する照明系と、前記映像表示手段から射出された光束を
用いて射出瞳を形成する接眼光学系と、前記映像表示手
段,前記照明系及び前記駆動回路を支持固定する枠部材
と、これらを観察者の頭部に支持固定する支持部材と、
からなる頭部装着型映像表示装置において、前記映像表
示手段に対して前記照明系及び駆動回路を傾斜させて前
記枠部材に固定するようにしたことを特徴とする頭部装
着型映像表示装置。
【0047】(7)映像表示手段と、この映像表示手段
を駆動するための駆動回路と、前記映像表示手段を照明
する照明系と、前記映像表示手段から射出された光束を
用いて射出瞳を形成する接眼光学系と、これらを観察者
の頭部に支持固定する支持部材とからなる頭部装着型映
像表示装置において、前記支持部材を構成する材料が温
度によってその形状を変化させる形状記憶材料により構
成されていることを特徴とする頭部装着型映像表示装
置。
【0048】(8)上記支持部材に塗布されている塗料
は、温度により変色する塗料であることを特徴とする上
記(7)に記載の頭部装着型映像表示装置。
【0049】(9)映像表示手段と、この映像表示手段
を駆動するための駆動回路と、前記映像表示手段を照明
する照明系と、前記映像表示手段から射出された光束を
用いて射出瞳を形成する接眼光学系と、これらを観察者
の頭部に支持固定する支持部材とからなる頭部装着型映
像表示装置において、前記支持部材を構成する材料の温
度若しくは前記駆動回路の温度を検出する温度検出手段
を備え、この温度検出手段から出力される検出信号によ
り制御される温度表示部が設けられていることを特徴と
する頭部装着型映像表示装置。
【0050】(10)映像表示手段と、この映像表示手
段を駆動するための駆動回路と、前記映像表示手段を照
明する照明系と、前記映像表示手段から射出された光束
を用いて射出瞳を形成する接眼光学系と、これらを観察
者の頭部に支持固定する支持部材とからなる頭部装着型
映像表示装置において、前記駆動回路若しくは照明系の
温度を検出する温度検出手段を備え、この温度検出手段
から出力される検出信号により制御され観察者の視野内
にLEDを点滅させるLED制御回路、又は前記映像表
示手段に文字若しくは記号を合成表示させる合成回路を
設けたことを特徴とする頭部装着型映像表示装置。
【0051】
【発明の効果】上述のように、本発明の頭部装着型映像
表示装置によれば、装置の長時間の使用、又は故障によ
る装置本体内若しくは電装回路の異常な発熱を観察者は
容易に察知でき、重大な事故を未然に防ぐことができ
る。又、装置外装部が熱せられた場合には、装置の外装
支持部等の形状が変化する等により、観察者に装置が高
温状態であることを容易に認識させることができるた
め、火傷等の防止に役立つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の頭部装着型映像表示装置における
観察視野を説明するための図である。
【図2】第2実施例の頭部装着型映像表示装置における
温度検出方法を説明するための図である。
【図3】第3実施例にかかる頭部装着型映像表示装置を
装着した状態を示す側面図である。
【図4】第4実施例にかかる頭部装着型映像表示装置を
装着した状態を示す側面図であり、(a)はファンを正
回転させた様子を説明するための図、(b)はファンを
逆回転させた様子を説明するための図である。
【図5】頭部装着型映像表示装置を正面から見た装置本
体前面に沿う断面図である。
【図6】頭部装着型映像表示装置の装置本体の内部構成
を示す装置本体の側面に沿う断面図である。
【図7】第5実施例の頭部装着型映像表示装置に備えら
れている照明系駆動回路基板及び照明系の構成を示す斜
視図である。
【図8】第5実施例の変形例を示す図であり、(a)は
照明系駆動基板及び照明系と映像表示素子との位置関係
を示す装置側面に沿う断面図、(b)はこれに用いられ
る枠部材の構成を示す斜視図である。
【図9】第6実施例の頭部装着型映像表示装置に用いら
れる映像表示装置駆動回路基板及び装置本体の外枠の構
成を説明するための図である。
【図10】第7実施例にかかる頭部装着型映像表示装置
の構成を示す斜視図である。
【図11】図10に示した頭部装着型映像表示装置の装
置本体の内部構造を示す装置本体側面に沿う断面図であ
る。
【図12】(a)は第8実施例にかかる頭部装着型映像
表示装置の構成を示す斜視図であり、(b)は(a)に
示す装置が吸熱した場合の状態を示す斜視図である。
【図13】第9実施例にかかる頭部装着型映像表示装置
の構成を示す斜視図である。
【図14】(a)は第10実施例にかかる頭部装着型映
像表示装置の構成を示す斜視図であり、(b)は(a)
に示す装置に貼り付けられている液晶温度計を示す図で
ある。
【図15】第11実施例にかかる頭部装着型映像表示装
置の構成を示す斜視図である。
【図16】図15に示した装置の本体内部の構造を示す
装置本体側面に沿う断面図である。
【図17】第11実施例の頭部装着型映像表示装置にお
ける観察視野の様子を示す図である。
【図18】第12実施例にかかる頭部装着型映像表示装
置の構成を示す斜視図である。
【図19】第12実施例の頭部装着型映像表示装置の動
作説明を行うためのフローチャートである。
【図20】第12実施例の頭部装着型映像表示装置にお
ける観察視野の様子を示す図である。
【符号の説明】
1,27,68 映像表示素子 2 温度検出装置 3,41,51,60 装置本体 3a,15 通気孔 3b 観察窓 4,62,76 温度センサ 5,77 温度検出回路 6 音声発生回路 7,11,44a,44b スピーカ 8,42,74 頭頂部フレーム 8a,8b 通気路 9,10,43a,43b 支持部材 12 空気弁 13 モータ 14 ファン 21,33 映像表示装置駆動回路基板 22,30 照明系駆動回路基板 23,31,61 照明系 24,32 枠部材 25,26 偏光板 28,52 接眼光学系 28a,52a,71 ハーフミラー 28b 凹面鏡 30a,30b,33a,33b,34a,34b
開口部 34 外枠 45 液晶温度計 63 LED 64 LED制御回路 70 光学系 72 凸レンズ 73 液晶シャッタ 75 映像表示素子駆動回路 78 合成回路 79 合成表示発生部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 徳橋 有紀 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 菊地 久美 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 映像表示手段と、該映像表示手段を駆動
    するための駆動回路と、前記映像表示手段を照明する照
    明系と、前記映像表示手段から射出された光束を用いて
    射出瞳を形成する接眼光学系と、これらを観察者の頭部
    に支持固定する支持部材とからなる頭部装着型映像表示
    装置において、 装置内部の温度上昇を検出する装置と、該装置による検
    出結果を前記映像表示手段に表示する表示手段とを備え
    たことを特徴とする頭部装着型映像表示装置。
  2. 【請求項2】 映像表示手段と、該映像表示手段を駆動
    するための駆動回路と、前記映像表示手段を照明する照
    明系と、前記映像表示手段から射出された光束を用いて
    射出瞳を形成する接眼光学系と、これらを観察者の頭部
    に支持固定する支持部材とからなる頭部装着型映像表示
    装置において、 装置本体及びその支持部に通気孔,通気路及びファンを
    設け、前記装置本体の電源スイッチを入れた後一定時間
    を経過した後に前記ファンが回転するようにしたことを
    特徴とする頭部装着型映像表示装置。
  3. 【請求項3】 映像表示手段と、該映像表示手段を駆動
    するための駆動回路と、前記映像表示手段を照明する照
    明系と、前記映像表示手段から射出された光束を用いて
    射出瞳を形成する接眼光学系と、前記映像表示手段,前
    記照明系及び前記駆動回路を支持固定する枠部材と、こ
    れらを観察者の頭部に支持固定する支持部材とからなる
    頭部装着型映像表示装置において、 前記駆動回路を実装している基板には開口部が設けられ
    ていることを特徴とする頭部装着型映像表示装置。
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Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7898502B2 (en) 2006-01-30 2011-03-01 Konica Minolta Holdings, Inc. Image display apparatus and head-mounted display
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