JPH0933987A - ファインダ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 視野をアスペクト比の異なる複数サイズに切
換え可能な視野切換え機構を簡単に組立てでき、ファイ
ンダへの組込みも容易とする。 【解決手段】 実像式ファインダのファインダ視野をア
スペクト比の異なる複数サイズに切換え可能な視野切換
え機構１０を備える。この視野切換え機構を、被写体像
が結像される視野枠板１１と、カム部１４ｂ，１５ｂ；
１４ｃ，１５ｃを有するマスク板１４，１５と、このマ
スク板を移動させるために回転駆動される駆動部材と、
視野枠板を保持する保持部材１２，１３と、この保持部
材と所定間隙をおいて組み合わされマスク板を押さえる
押さえ部材１６とで構成する。この視野切換え機構を構
成する部材をユニットとして組立てた状態でファインダ
ブロック３１Ａ，３１Ｂの一部に差込んで固定する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はたとえば実像式ファ
インダにおいて、ファインダ視野を横縦比（以下、アス
ペクト比という）の異なる複数サイズに切換え可能に構
成しているファインダに関する。

【０００２】

【従来の技術】ファインダにおいて、ファインダ視野を
アスペクト比の異なる複数サイズに切換えることができ
る視野切換え機構が、たとえば特開平６−８２８８２号
公報等によって既に提案されている。このようなファイ
ンダにおける視野切換え機構を、図５の（ａ），
（ｂ），（ｃ）を用いて以下に説明する。なお、この視
野切換え機構では、ファインダ視野をアスペクト比の異
なるサイズとなる３ポジション間で切換えられる。すな
わち、同図（ａ）はファインダ視野のアスペクト比が従
来から一般的な標準サイズと称される通常画角である場
合を、（ｂ）はファインダ視野のアスペクト比がパノラ
マサイズと称される横長方向に広角な横長ワイド画角
を、（ｃ）はファインダ視野のアスペクト比がいわゆる
ハイビジョンサイズ（以下、ハイビジョンサイズとい
う）と称される縦長方向に広角な縦長ワイド画角の場合
を示す。

【０００３】このような従来の視野切換え機構は、通常
画角に応じた開口２が形成されている視野枠１と、前記
開口２の中心を通る光軸を対称に配置される二枚の略Ｌ
字状を呈する視野切換枠３，４と、これらの視野切換枠
３，４を光軸を直交する面内で連動して変位するように
移動させる駆動部材５とによって構成されている。な
お、図中６ａ，６ｂは視野枠１上に突設されたタボ、３
ａ，４ａ；３ｂ，４ｂは前記各視野切換枠３，４に形成
されたカムとなる長穴である。また、３ｃ，４ｃは各視
野切換枠３，４に突設されたタボである。

【０００４】前記駆動部材５は略円環状を呈し、一部に
延設されたアーム部５ａにより回動操作される。また、
この駆動部材５には、前記タボ３ｃ，４ｃに係合する係
合部５ｂ，５ｃが形成され、アーム部５ａによって回動
されたときに、二枚の視野切換枠３，４を、図５の
（ａ）と（ｂ）または（ｃ）から明らかなように、カム
となる長穴３ａ，４ａ；３ｂ，４ｂの延びた方向に適宜
移動させ、前記視野枠２の開口１の上、下縁部分を覆う
か、あるいは左、右縁部分を覆うことにより、ファイン
ダ視野をアスペクト比の異なるサイズに変更するように
構成している。図５の（ａ），（ｂ）において、視野切
換枠３，４により覆われる部分に斜線を付している。

【０００５】すなわち、図５の（ａ）では駆動部材５
を、図５の（ｃ）の状態から図中時計方向に回動し、視
野切換枠３，４によって視野枠１の開口２における左、
右縁部分を図中ハッチングで示したように覆うことによ
り、標準サイズによる通常画角の視野を得ている。これ
を図中「Ｎ」で示す。また、駆動部材５を、図５の
（ｃ）に示す状態として図中反時計方向に回動し、図５
の（ｂ）に示す状態として視野枠１の開口２における
上、下縁部分を、図中ハッチングを付したように視野切
換枠３，４で覆うことにより、パノラマサイズによる横
長ワイド画角の視野を得ている。これを図中「Ｐ」で示
す。さらに、図５の（ｃ）では、視野切換枠３，４を視
野枠１の開口２から退避させており、これによりこの開
口２によって、ハイビジョンサイズによる縦長ワイド画
角の視野を得ている。これを図中「Ｈ」で示す。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来
のファインダ視野切換え機構では、これを実際に構成し
てファインダ内に組み込むにあたってそのまま使用する
ことはできない。すなわち、上述したファインダ視野切
換え機構を構成する視野枠１、その開口２の上、下縁ま
たは左、右縁を覆う（マスキング）する視野切換枠３，
４、さらにこれらの視野切換枠３，４を駆動させる駆動
部材５をどのようにして組み立ててユニット化するかに
ついては何らの開示もなく、このままでは組み立て効率
が悪いという問題がある。特に、上述した構造の視野切
換え機構をどのようにファインダに組み込むかについて
は何らの示唆すべき記載もなく、そのままでは実現化で
きない。

【０００７】また、上述した従来構造では、視野枠１、
視野切換枠３，４、駆動部材５を単純に重ね合わせただ
けであり、視野枠１上に重ね合わせた視野切換枠３，４
や駆動部材５の光軸方向における規制がないため組み立
てが難しく、さらにこれらの部材が切換え操作時にファ
インダの光軸方向に遊動するおそれもあり、このような
点についての対策が必要であった。

【０００８】また、上述した従来構造では、視野枠１に
突設したダボ６ａ，６ｂに各視野切換枠３，４の長穴３
ａ，４ａ；３ｂ，４ｂを係合させた状態でこれらを組み
立てるとともに、各視野切換枠３，４のダボ３ｃ，４ｃ
に駆動部材５の係合部５ｂ，５ｃを係合させることが必
要で、構成部品どうしの組み立て時の作業が煩雑である
という問題もあった。すなわち、このような従来構造で
は、この視野切換え機構をファインダの組み立て時に一
連の作業として行なうことが必要であり、ファインダ全
体の組み立て作業を行なううえで問題であった。

【０００９】特に、このようなファインダ視野切換え機
構を具体化し、カメラのファインダに組込む際の実現化
を図るためには、これを構成する部品どうしの組み立て
が簡単に行なえ、しかも各部品の動作も適切に行なえる
ことが必要であり、しかもこれらを考慮して組み立てた
機構部をファインダを構成するファインダブロック内に
簡単に組み込めるようにすることも必要で、これらを満
足できる何らかの対策を講じることが望まれている。

【００１０】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、ファインダ視野をアスペクト比が異なる複
数サイズに切換え可能なファインダの視野切換え機構
を、できるだけ簡単な構造によって構成し、その組み立
ても容易に行なえ、しかも視野切換え時の動作も円滑に
行なえ、さらにこの視野切換え機構を簡単にファインダ
ブロック内に組み込むことにより実現可能な構造とする
ことができるファインダを得ることを目的としている。

【００１１】

【課題を解決するための手段】このような要請に応える
ために本発明に係るファインダは、ファインダ光学系を
保持している、たとえば実像式ファインダにおけるファ
インダブロックと、ファインダ視野を複数サイズに切換
え可能な視野切換え機構を備え、この視野切換え機構を
構成する部材をユニットとして仮組み立てした状態でフ
ァインダブロックの一部に差込んで固定するように構成
したものである。

【００１２】また、本発明に係るファインダは、視野切
換え機構を、被写体像が結像される視野枠板と、カム部
を有するマスク板と、このマスク板を移動させるために
回転駆動される駆動部材と、視野枠板を保持する保持部
材と、この保持部材と所定間隙をおいて組み合わされる
ことによりマスク板を押さえる押さえ部材とによって構
成したものである。

【００１３】さらに、本発明に係るファインダは、保持
部材とこれに所定間隔をおいて組み合わされる押さえ部
材との間に、視野枠板、マスク板および駆動部材を重ね
合わせて介在させるように組み込むことにより、視野切
換え機構をユニットとして仮組み立てし、これをファイ
ンダブロックを構成する一対の側壁部において、たとえ
ばファインダの実像面近傍に設けた差込み部に差し込ん
で固定するように構成したものである。

【００１４】本発明によれば、視野切換え機構を構成す
る構成部品の全てを予めユニット化して仮組み立てし、
この仮組み立て状態にある視野切換え機構を、ファイン
ダブロックの所定個所、たとえば実像式ファインダでは
実像面近傍に設けた差込み部に差し込むことによりファ
インダに組み込む。そして、このようにファインダブロ
ックの所定個所に差込みによって組み込んだ視野切換え
機構によれば、マスク板等を視野切換え時に円滑も移動
させることができる。

【００１５】

【発明の実施の形態】図１ないし図４は本発明に係るフ
ァインダの一つの実施の形態を示し、図１は本発明に係
るファインダにおける視野切換え機構を斜め下方から見
た分解斜視図、図２はこのファインダ視野切換え機構を
ファインダブロックに差し込んだ状態を斜め下方から見
た斜視図、図３の（ａ），（ｂ），（ｃ）はマスク板を
動かしてファインダ視野を異なるサイズとした３ポジシ
ョンを示す図、図４の（ａ），（ｂ），（ｃ）は実像式
ファインダにおけるファインダブロックにファインダ光
学系を配置した図である。ここで、この実施の形態で
は、ファインダ視野の異なるサイズとして、画角のアス
ペクト比が異なる三種類、すなわち標準サイズ、パノラ
マサイズ、ハイビジョンサイズを切換え可能とした場合
を説明する。

【００１６】本発明を特徴づけるファインダの視野切換
え機構１０は、図１および図２に示すように、各構成部
材を一つのユニットに仮組み立てし、この仮組み立て状
態で図４に示す実像式ファインダ３０のハウジングを構
成するファインダブロック３１の所定間隔をおいて対向
する側壁部３１Ａ，３１Ｂに設けた差込み穴３２ａ，３
２ｂに側方から差し込まれることにより組込み固定され
るものである。

【００１７】このファインダの視野切換え機構１０は、
実像式ファインダ３０におけるファインダ光路上で被写
体像が結像される部分に配置される視野枠板１１を備え
ている。この視野枠板１１は、これを保持する保持窓部
１２ａを備える保持部材となるホルダ１２に嵌め込み保
持される。このホルダ１２の前面には、ファインダを覗
いたときにファインダ視野として通常撮影範囲に当たる
アスペクト比が通常画角である標準サイズの開口１３ａ
が形成された視野枠１３が重ね合わせて配置され、その
間に前記視野枠板１１が挟み込まれるようになってい
る。この視野枠１３は、ホルダ１２と共に、視野枠板１
１を保持する保持部材を構成する。なお、実像式ファイ
ンダ３０では、上述した視野枠板１１の後述するマスク
板１３側が実像面となる。

【００１８】１４，１５は前記視野枠１３の前面側に配
置され前記ファインダ視野を切換えるマスク板で、これ
らのマスク板１４，１５には、前記視野枠１３の開口１
３ａの上、下縁部分または左、右縁部分を選択的に覆う
ための視野切換え用枠となる開口部１４ａ，１５ａが形
成されている。

【００１９】１６はこれらマスク板１４，１５を可動自
在な状態で押さえるように前面側に配置される押さえ板
で、この押さえ板１６は、前記ホルダ１２の前面に突設
された突子１２ｂ，１２ｃ，１２ｄが圧入される穴を有
し、ホルダ１２に対し所定間隔をおいて一体的に組み付
けられることにより、この機構部ベースを構成するよう
になっている。この押さえ板１６の開口１６ａは、この
機構１０によって切換えられる視野のサイズよりも大き
くなるように前記視野枠１３の開口１３ａよりも大きめ
に形成されている。

【００２０】ここで、前記マスク板１４，１５にはそれ
ぞれのマスク板を所要の方向に動かすためのカム溝１４
ｂ，１５ｂ；１４ｃ，１５ｃが形成されている。これら
のカム溝１４ｂ，１５ｂ；１４ｃ，１５ｃには、前記ホ
ルダ１２に突設している突子のうちの二個所の突子１２
ｂ，１２ｃがそれぞれ係入している。これによりマスク
板１４，１５は、ホルダ１２と押さえ板１６との間でカ
ム溝１４ｂ，１５ｂ；１４ｃ，１５ｃのカム形状に応じ
て所要の方向に移動する。なお、前記視野枠１３には突
子１２ｂ，１２ｃを嵌挿する穴１３ｂ，１３ｃが開けら
れている。

【００２１】１７は前記ホルダ１２の前側に順次重ね合
わされる視野枠１３、マスク板１４，１５と押さえ板１
６との間に配置される駆動部材である。この駆動部材１
７は略円板状を呈し、前記押さえ板１６の一側寄りが薄
肉となるように形成された収納用切欠き１６ｂの部分に
一体に突設された軸部１６ｃにより回動自在に軸支され
ている。また、この駆動部材１７のマスク板１４，１５
側には、周方向に所定の間隔をおいて外径方向と後方と
に突出する係合突部１７ａ，１７ｂが突設されている。

【００２２】これらの係合突部１７ａ，１７ｂは、前記
各マスク板１４，１５をこの駆動部材１７の回動に伴な
って駆動するための部分であり、各マスク板１４，１５
には、それぞれに係合する係合用の長穴１４ｄ，１５ｄ
が形成されている。なお、一方の係合突部１７ａの先端
は、前記視野枠１３、ホルダ１２に形成された円弧状溝
部１３ｄ，１２ｅに係入している。

【００２３】前記駆動部材１７の押さえ板１６側には、
偏心した位置から係合アーム部１７ｃが突設されてい
る。この係合アーム部１７ｃは、押さえ板１６の側部に
形成した切欠き部１６ｄから前方に臨むように形成され
ている。

【００２４】このような駆動部材１７が図１中時計方向
に回動すると、係合突部１７ａと長穴１４ｄとの係合に
よって、マスク板１４を図１中右方向に押し出すように
駆動し、これによりマスク板１４がカム溝１４ｂ，１４
ｃに沿って移動する。同様にして、駆動部材１７が図１
中反時計方向に回動すると、マスク板１５は図１中左方
向に引張り込まれるように駆動し、カム溝１５ｂ，１５
ｃに沿って移動する。そして、これら二枚のマスク板１
４，１５の開口部１４ａ，１５ａの縁部によって、視野
枠板１１の上、下縁または左、右縁部分を覆うことによ
りファインダ視野のサイズが切換わる。

【００２５】以上のホルダ１２、視野枠板１１、視野枠
１３、マスク板１４，１５、押さえ板１６を順次積み重
ねるとともに、マスク板１４，１５と押さえ板１６との
間に駆動部材１７を介在させることにより一体的なユニ
ットとして仮組み立てし、これらを図１中矢印Ａで示す
ように、ファインダ３０のファインダブロック３１を構
成する側壁部３１Ａ，３１Ｂに形成した差込み穴３２
ａ，３２ｂに差し込むことによって、これら視野切換え
機構１０の組み立てが行われる。

【００２６】２０はカメラ外部に露呈し手動操作自在に
設けられた切換えノブで、図１中矢印Ｂ方向に操作され
る。２１はこの切換えノブ２０に連結され図１中矢印Ｂ
方向に移動するカム板である。このカム板２１には、水
平な三つの溝とこれらを連結する二つの傾斜溝とからな
るカム溝２１ａが形成されている。２２は図示しないカ
メラカバー等に設けた軸上に軸穴２２ａが軸支されるこ
とにより揺動自在な揺動部材で、この揺動部材２２の側
部に突設した係合ピン２２ｂが前記カム板２１のカム溝
２１ａに係合している。したがって、前記カム板２１が
図１中矢印Ｂ方向に移動すると、揺動部材２２は係合ピ
ン２２ｂが係合するカム溝２１ａに沿って軸穴２２ａを
回転中心として図１中矢印Ｃ方向に揺動動作する。

【００２７】この揺動部材２２の揺動端には、前記視野
切換え機構１０の駆動部材１７における係合アーム部１
７ｃに係合する係合部２２ｃが形成されている。そし
て、この揺動部材２２が前記切換えノブ２０の切換え動
作に伴って揺動すると、前記係合部２２ｃにより係合ア
ーム部１７ｃを図１中矢印Ｄで示すように押上げ（図示
のように斜め下方から見た場合には押し下げ）、これに
より上述した駆動部材１７が図１中反時計方向に回動す
ることになる。

【００２８】ここで、この駆動部材１７は、図示しない
ばねによって図１中時計方向への回動習性が与えられて
おり、これによってこの駆動部材１７は、前記揺動部材
２２の揺動動作に連動して回動し、その駆動力を前記マ
スク板１４，１５に伝達するようになっている。なお、
揺動部材２２の揺動端における係合部２２ｃは、駆動部
材１７の係合アーム部１７ｃを挟み込むような形状であ
ってもよい。

【００２９】上述した構成による視野切換え機構１０を
一つのユニットとして仮組み立てし、ファインダブロッ
ク３１の一部に差し込んで固定した状態を図２に示して
おり、この図２は視野切換え機構１０を斜め下方から見
た図である。

【００３０】以上の構成による視野切換え機構１０にお
いて、ファインダの視野切換えは、図３の（ａ），
（ｂ），（ｃ）に示すように行われる。これを説明する
と、図３の（ａ）は標準サイズである通常画角の場合の
視野枠板１１（実際は視野枠１３の開口１３ａ）とマス
ク板１４，１５、駆動部材１７の位置を示し、このとき
には、ハイビジョンサイズとなる開口１３ａの左、右縁
部分を覆った状態にある。これをポジション１とする。
図３の（ｂ）は通常画角の縦（上、下縁部分）を覆った
パノラマサイズでの各部の位置を示す。これをポジショ
ン２とする。図３の（ｃ）は通常画角の横（左、右縁部
分）を相対的に覆った状態となる視野枠１３の開口１３
ａによるハイビジョンサイズでの各部の位置を示す。こ
れをポジション３とする。

【００３１】このような場合において、駆動部材１７に
よるマスク板１４，１５の動きとしては、ポジション１
→ポジション２→ポジション３またはポジション３→ポ
ジション２→ポジション１と切換えられる構成とすると
よい。

【００３２】たとえばポジション３においては、二枚の
マスク板１４，１５は視野枠１３の開口１３ａによる画
角の範囲外に配置され、これによりファインダの視野は
視野枠１３の開口１３ａ（視野枠板１１の撮影領域）に
よって決定される。すなわち、マスク板１４，１５の開
口部１４ａ，１５ａの縁部が前記開口１３ａから退避し
た位置にある。これが、ハイビジョンサイズの視野を形
成する。

【００３３】駆動部材１７が図３中時計方向に回動し、
ポジション３からポジション２に切換わると、各マスク
板１４，１５はカム溝１４ｂ，１５ｂ；１４ｃ，１５ｃ
に沿って移動し、その開口部１４ａ，１５ａの縁部によ
って開口１３ａによる画角の縦（上、下縁部分）を覆
い、パノラマサイズの視野を形成する。

【００３４】同様に駆動部材１７が図中時計方向にさら
に回動し、ポジション２からポジション１に切換わる
と、各マスク板１４，１５はカム溝１４ｂ，１５ｂ；１
４ｃ，１５ｃに沿って移動し、その開口部１４ａ，１５
ａの縁部によって開口１３ａによる画角の横（左、右縁
部分）を覆い、標準サイズの視野を形成する。

【００３５】図４は本発明に係るファインダの視野切換
え機構１０を、カメラに用いられている実像式ファイン
ダ３０に組込んだ場合を示し、同図（ａ）は要部を平面
方向から見た概略断面図、（ｂ）はその側面図、（ｃ）
は背面図である。

【００３６】これらの図において、符号３１〜４８によ
ってファインダ光学系が構成されている。このファイン
ダ光学系において、４５はミラー、４７はプリズムで、
これらはファインダブロック３１内での適宜の位置でフ
ァインダ光軸４０上に並んで並設されている。なお、こ
のファインダ光軸４０は、ミラー４５で方向が曲げられ
るとともに、プリズム４７により下方から上方に屈曲さ
れ、さらに反射部４７ａにより反射されて接眼部５０に
至るように構成されている。

【００３７】なお、このような実像式ファインダ３０は
よく知られている構造をもつものであって、その具体的
な構造や機能等の説明はここでは省略する。ここで、図
中５１は回転駆動される軸部、５２，５３はこの軸部に
螺合して設けられたレンズホルダで、これらのレンズホ
ルダ５２，５３によってファインダ光学系であるレンズ
４１，４２，４３が適宜駆動されることにより、ファイ
ンダのズーミングが行われる。

【００３８】このようなファインダ３０のファインダブ
ロック３１に対し、前述した視野切換え機構１０は、仮
組み立て状態でユニット化され、ファインダブロック３
１の背面側から差込まれて固定される。ここで、このよ
うな視野切換え機構１０の組込み位置としては、実像式
ファインダ３０において、ファインダ光軸４０上であっ
て組込みスペースを確保できる、たとえばプリズム４７
の配設位置の近傍とすればよい。

【００３９】すなわち、本発明によれば、ファインダ視
野をアスペクト比の異なる複数サイズに切換え可能な視
野切換え機構１０を構成する部材をユニットとして仮組
み立てした状態で、実像式ファインダ３０におけるファ
インダブロック３１の一部に差込んで固定するようにし
ている。

【００４０】換言すれば、視野切換え機構１０を構成す
る構成部品の全てを予めユニット化して仮組み立てでき
るようにし、これを、ファインダブロック３１の所定個
所、実像式ファインダ３０では実像面近傍の側壁部３１
Ａ，３１Ｂに設けた差込み穴３２ａ，３２ｂに差し込む
ことにより、視野切換え機構１０のファインダ３０への
組み込みを行なえる。そして、このようにファインダブ
ロック３１の所定個所に簡単な差込みによって組み込ん
だ視野切換え機構１０によれば、マスク板１４，１５等
を視野切換え時にがたつき等を生じることなく所要の状
態で移動変位させることができ、適切で確実なファイン
ダ視野をアスペクト比の異なるサイズに切換えることが
できる。

【００４１】特に、このような構成によれば、ファイン
ダの視野切換え機構１０を簡単な構造によって構成で
き、その組み立ても容易に行なえ、しかもファインダブ
ロック内に簡単に組み込むことができる。

【００４２】なお、本発明は上述した実施の形態構造に
は限定されず、ファインダ３０やファインダの視野切換
え機構１０各部の形状、構造等を適宜変形、変更でき
る。たとえば上述した実施の形態では、本発明を実像型
ファインダ３０に適用した場合を例示したが、本発明は
これに限定されず、適宜の形式のファインダにも適用で
きる。要は、ファインダの視野切換え機構１０を構成す
る部材を重ね合わせた状態でファインダブロック３１に
おける被写体像の実像面近傍に差込んで固定できる構造
をもつファインダであれば適用できる。

【００４３】また、上述した実施の形態では、ファイン
ダ視野切換え機構１０によって切換えられる視野サイズ
として、標準サイズ、パノラマサイズ、ハイビジョンサ
イズの三種類である場合を例示したが、本発明はこれに
限定されない。要はアスペクト比の異なる複数種類の視
野サイズを切換えできるような構成であればよい。

【００４４】さらに、このようなファインダの視野サイ
ズの切換えを行うために、視野枠板と二枚のマスク板と
の合計三枚で構成した場合を説明したが、本発明はこれ
に限定されず、二枚の視野枠すなわち視野枠板と一枚の
マスク板との合計二枚の組み合わせであっても構成する
ことはできる。また、四種類以上のサイズ切換えを行な
うにあたっても、三枚あるいは四枚の視野枠を構成する
視野枠板とマスク板の組み合わせで構成することができ
る。

【００４５】

【実施例】ファインダとして、実像式ファインダを採用
している。また、そのファインダ視野切換え機構１０に
よって切換えられる視野サイズとして、アスペクト比の
異なる標準サイズＮ、パノラマサイズＰ、ハイビジョン
サイズＨの三種類の場合を採用している。

【００４６】

【発明の効果】以上説明したように本発明に係るファイ
ンダによれば、ファインダ視野をアスペクト比の異なる
複数サイズに切換え可能な視野切換え機構を構成する部
材をユニットとして仮組み立てし、この状態でファイン
ダブロックの一部に差込んで固定しているので、簡単な
構成であるにもかかわらず、以下に述べる優れた効果を
奏する。すなわち、本発明によれば、ファインダ視野を
アスペクト比が異なる複数サイズに切換え可能なファイ
ンダの視野切換え機構を、簡単な構造によって構成で
き、その組み立ても容易に行なえ、しかも視野切換え動
作時も円滑に安定して行なえ、さらにこの視野切換え機
構をファインダブロック内に簡単に組み込むことができ
る。

【００４７】また、本発明に係るファインダによれば、
視野切換え機構を、被写体像が結像される視野枠板と、
カム部を有するマスク板と、このマスク板を移動させる
ために回転駆動される駆動部材と、視野枠板を保持する
保持部材と、この保持部材と所定間隙をおいて組み合わ
されることによりマスク板を押さえる押さえ部材とによ
って構成しているので、単純な重ね合わせによる組み立
てによって、マスク板等を所要の状態に可動可能に保持
することができる。

【００４８】さらに、本発明に係るファインダによれ
ば、保持部材とこれに所定間隔をおいて組み合わされる
押さえ部材との間に、視野枠板、マスク板および駆動部
材を重ね合わせて介在させるように組み込むことで、視
野切換え機構をユニットとして組み立てし、これをファ
インダブロックを構成する一対の側壁部において、たと
えばファインダの実像面近傍に設けた差込み部に差し込
んで固定しているので、上述した作用効果を発揮するこ
とができる。

【００４９】特に、上述した構成によれば、ファインダ
視野をアスペクト比が異なる複数サイズに切換え可能な
ファインダの視野切換え機構を、できるだけ簡単な構造
によって一体的なユニットとして仮組み立てすることが
でき、その組み立ても容易に行なえ、しかも視野切換え
時の動作もがたつき等がない状態で適切に行なえ、さら
にこの視野切換え機構をファインダブロック内に差込み
部から簡単に組み込むことにより組み立てて固定するよ
うにしているので、組み立て効率が向上し、またカメラ
への組込みにあたって実現可能な構造とすることができ
る。また、本発明によれば、上述したファインダブロッ
クへの差込み時にはマスク板は押さえ部材によって保持
部材との間に挟み込まれ、これらがファインダブロック
に差し込まれることによって一体的に組み立てた状態で
保持されるため、このマスク板ががた付く心配はなく、
円滑な動きを確保することができ、しかもユニットとし
ての小型、薄形化を図れる。

【００５０】また、このような本発明によれば、上述し
た視野切換え機構を実像式ファインダのファインダブロ
ックに組込むことによって、その効果をより一層発揮す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明に係るファインダの一つの実施の形態
を示し、ファインダの視野切換え機構を斜め下方から見
た状態の分解斜視図である。

【図２】 図１の組み立て状態を示すファインダの視野
切換え機構を斜め下方から見た状態の斜視図である。

【図３】 本発明に係るファインダの視野切換え機構の
視野切換え状態を（ａ），（ｂ），（ｃ）に示す説明図
である。

【図４】 本発明を特徴づける視野切換え機構を実像式
ファインダに採用した場合を示し、（ａ）は平面方向か
ら見た断面図、（ｂ）は側面図、（ｃ）はその背面図で
ある。

【図５】 従来提案されているファインダの視野切換え
機構を示し、（ａ）は通常画角による標準サイズである
場合を、（ｂ）は横長方向に広角な横長ワイド画面によ
るパノラマサイズである場合を、（ｃ）は縦長方向に広
角の縦長ワイド画面によるハイビジョンサイズである場
合を示す概略図である。

【符号の説明】

１０…ファインダの視野切換え機構、１１…視野枠板、
１２…ホルダ（保持部材）、１２ｂ，１２ｃ…突子、１
３…視野枠、１３ａ…開口、１４，１５…マスク板、１
４ａ，１５ａ…開口部、１４ｂ，１４ｃ；１５ｂ，１５
ｃ…カム溝、１４ｄ，１５ｄ…長穴、１６…押さえ板
（押さえ部材）、１６ａ…開口、１６ｂ…切欠き部、１
６ｃ…軸部、１６ｄ…切欠き部、１７…駆動部材、１７
ａ，１７ｂ…係合突部、１７ｃ…係合アーム部、２０…
切換えノブ、２１…カム板、２１ａ…カム溝、２２…揺
動部材、２２ａ…軸穴、２２ｂ…係合ピン、２２ｃ…係
合部、３０…実像式ファインダ、３１…ファインダブロ
ック、３１Ａ，３１Ｂ…側壁部、３２ａ，３２ｂ…差込
み穴（差込み部）、４０…ファインダ光軸。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ファインダ光学系をファインダブロック
   内に保持しているファインダにおいて、 ファインダ視野を複数サイズに切換え可能な視野切換え
   機構を備え、 この視野切換え機構を構成する部材をユニットとして仮
   組み立てした状態で前記ファインダブロックの一部に差
   込んで固定したことを特徴とするファインダ。
2. 【請求項２】 請求項１記載のファインダにおいて、 視野切換え機構を、被写体像が結像される視野枠板と、
   カム部を有するマスク板と、このマスク板を移動させる
   ために回転駆動される駆動部材と、前記視野枠板を保持
   する保持部材と、この保持部材と所定間隙をおいて組み
   合わされることにより前記マスク板を押さえる押さえ部
   材とによって構成したことを特徴とするファインダ。
3. 【請求項３】 請求項２記載のファインダにおいて、 保持部材とこれに所定間隔をおいて組み合わされる押さ
   え部材との間に、視野枠板、マスク板および駆動部材を
   重ね合わせて介在させるように組み込むことにより、視
   野切換え機構をユニットとして仮組み立てし、 これをファインダブロックを構成する一対の側壁部に設
   けた差込み部に差し込んで固定したことを特徴とするフ
   ァインダ。
4. 【請求項４】 請求項１、請求項２または請求項３記載
   のファインダにおいて、 ファインダを実像式ファインダによって構成するととも
   に、 視野切換え機構を実像式ファインダの実像面近傍に配置
   したことを特徴とするファインダ。