JPH0933555A - 流体計測方法および流体計測装置 - Google Patents

流体計測方法および流体計測装置

Info

Publication number
JPH0933555A
JPH0933555A JP7189091A JP18909195A JPH0933555A JP H0933555 A JPH0933555 A JP H0933555A JP 7189091 A JP7189091 A JP 7189091A JP 18909195 A JP18909195 A JP 18909195A JP H0933555 A JPH0933555 A JP H0933555A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluid
state
flow
value
detecting means
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7189091A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Kobayashi
彬 小林
Shoji Jounten
昭司 上運天
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Azbil Corp
Original Assignee
Azbil Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Azbil Corp filed Critical Azbil Corp
Priority to JP7189091A priority Critical patent/JPH0933555A/ja
Publication of JPH0933555A publication Critical patent/JPH0933555A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Volume Flow (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 この発明は、流体におけるトレーサの分布の
状態を正確に検出することができないという問題点を解
消するためになされたものであり、流れている流体にお
ける状態変化部分(トレーサ)の位置を正確に検出でき
るようにすることを目的とする。 【解決手段】 この発明では、流体の流れにのって移動
してくるトレーサ4を、状態検出手段1a,1b,1c
で検出し、それぞれの出力を差動増幅器3a,3bで差
動増幅し、この結果得られた2つの信号を差動増幅器3
cで差動増幅することで、3つの位置で検出した状態の
2次差分を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、流体の状態変化
を検出することで、その流体の流速あるいは流量を求め
る流体計測方法および流体計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】流体の流量を測定する方法として、サー
マルトレーサ法がある。これは、流れている流体に熱パ
ルスを与え、流れにのって移動してきた熱分布の最大温
度を所定の位置で検出する。そして、その熱パルスを与
えた時点から、最大温度を検出した時点までの時間を用
いて、流体の流量を求めるようにしたものである。例え
ば、特開昭60−186714号公報に記載されている
ように、流体を通流する配管の内部に、所定の熱パルス
を発生して流体に与えるヒータを設け、そのヒータより
所定距離離れた下流位置に温度検出部を設けた流量測定
装置がある。
【0003】図12は、この流量測定の概略的な構成を
示す断面図である。同図において、121は配管、12
2はヒータ、123は温度検出部である。この流量測定
では、配管121内を流れている流体は、ヒータ122
により熱パルス(サーマルトレーサ)を与えられ、その
温度変化が流れにより移動していき、下流の温度検出部
123で検出される。ヒータ122と温度検出部122
との距離Lは既知であり、ヒータ122が熱パルスを出
力した時点から温度検出部123が温度変化のピークを
検出した時点までの時間が求められれば、配管121内
を流れている流体の流速がわかり、この流速により流量
を求めることができる。
【0004】以上示したように、サーマルトレーサ法で
は、流体にその流れの状態を捉えるためのある変化を与
え、この変化を与えた時点より、所定の距離離れた位置
でその変化を検出した時点までの時間により、流体の流
量を求めるようにしたものである。流体に与える変化と
しては、上述した熱パルスのほかに、流体が水などの場
合、食塩を添加したり、また、加熱あるいは冷却した同
一の流体を加えたりするものもある。また、放射性同位
元素,二酸化炭素,酸化窒素,染料などを与える変化
(トレーサ)として用いるようにしても良い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した流量
測定では、検出したトレーサの変化の状態が、正確に流
体の流れている状態を示していないという問題があっ
た。上述したように、例えばヒータにより熱パルスを流
体に与える場合、そのヒータの位置を通過する全ての流
体に熱パルスを与えることはできない。ヒータは、その
位置を通過する流体の中で、ヒータに接している近傍の
流体に熱パルスを与えていることになる。そして、ヒー
タにパルス電圧などを印加することにより流体に与えら
れる熱の分布は、流れの進行方向より急峻に立ち上がっ
てピークとなり、電圧が途絶えた後はピークの位置より
途中までは急峻に下降していく。
【0006】しかし、あるところより緩い傾斜の分布と
なっていく。すなわち、この熱の分布は、ピーク位置よ
り流れの進行方向側の分布状態と、流れの進行方向と逆
側の分布状態が異なっている。そして、より急峻な分布
変化の部分が、より早く熱拡散していくため、この熱分
布の中におけるピークの位置は、流体が流れていくとと
もに変化してしまう。流速は、流体に与えられた熱分布
の移動速度に等しいので、流れによって移動していく中
で分布の中におけるピークの位置が変動してる状態で
は、ピーク検出による流速測定が正確に行えない。
【0007】図13(a)〜13(d)に示すように、
ヒータ131により熱パルスが与えれた流体の基準点A
は、流体が流れていくとともに移動していき、検出部1
32の位置を通過していく。なお、ここでの点Aはヒー
タ電圧をオフした地点である。ここで、熱パルスが与え
られたことによる熱の分布(点線で示す)は、図13
(a)に示すように、十字で示すピーク位置より流体の
流れの進行方向側が急峻な変化の状態となっている。そ
して、この熱分布は流体が流れていく中で拡散していく
が、変化の急峻な部分ほど早く熱拡散していく。また、
ピーク高さも低くなっていく。このため、図13(b)
〜13(d)に示すように、この分布はピークを中心に
だんだんと均等なものとなっていく。
【0008】一方、分布全体は、流体の流れのとおりに
移動していく。言い換えると、分布の中心と点Aとの位
置関係は変化しない。したがって、ピーク位置は、分布
(トレーサ)の移動状態を正確に反映していない。検出
部ではこのピーク位置を検出するので、ピークを単純に
検出するのでは、正確な流速を求めることができない。
【0009】また、上述したように、時間とともに温度
分布が拡散するに従って、そのピークは低下していく。
このため、ピークを中心に対称な温度分布の熱トレーサ
を流体に与えることができたとしても、ピークより手前
で検出部が検出した温度より、検出部にピークが到達し
た時点で検出される温度の方が低くなっている。この結
果、検出部が検出する最大値は、トレーサのピークから
ずれてしまう。つまり、検出部が検出する最大値は、ピ
ーク位置より早い段階となる。
【0010】また、温度分布(トレーサ)のピークより
進行方向側では、熱拡散の方向と進行方向が同一方向で
あるため、検出部を通過する時間は短くなる。これに対
してピークより進行方向の逆側では、検出器を通過する
時間は長くなる。このため、検出部が検出して出力する
その波形は、最大値を中心に非対称なものとなる。
【0011】そして、サーマルトレーサ法による超小型
の流量測定装置を用いる場合、ヒータと検出部の間の距
離が非常に短いため、これが上述したずれと同レベルと
なり計測にならない。ここで、このずれ分を補正すれ
ば、流体の正確な流量を測定することができる。しか
し、流体に与えるトレーサの拡散状態は、流体の種類,
トレーサの種類および流体の流れている環境によりまち
まちである。このため、その補正は、測定対象および環
境それぞれに対応してその都度設定しなくてはならな
い。
【0012】この発明は、以上のような問題点を解消す
るためになされたものであり、流れている流体における
状態変化部分(トレーサ)の位置を正確に検出できるよ
うにすることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明では、流体の流
れの方向に沿った第1の位置における第1の状態検出手
段によって検出された流体の状態と、第2の位置におけ
る第2の状態検出手段によって検出された流体の状態と
の差をとることで第1の値を求める。同様に、流体の流
れの方向に沿った少なくとも第1および第2の位置とは
異なる第3の位置における流体の状態変化と、第4の位
置における流体の状態変化との差をとることで第2の値
を求める。そして、第1の値と第2の値との差をとるこ
とで第3の値を求め、第3の値により流体の状態変化を
計測するようにした。このことにより、状態変化部分
(トレーサ)の検出における誤差が解消された状態とす
ることができる。また、この発明では、上述のことに加
え、第1の位置における流体の状態変化に所望とする第
1の重み付けをし、第3の位置における流体の状態変化
に所望とする第2の重み付けを行い、これらを用いるよ
うにした。このことにより、流体の流速が変化しても、
検出の誤差が変化しない状態とすることができる。そし
て、第1〜第3の位置より前記流体の流れの上流の所定
距離離れた位置で、変化供与手段による状態変化を流体
に与え、この状態変化を与えた時点より、第3の値の最
大値が得られる時点までの時間とその距離とから、流体
の流速あるいは流量を計測するようにした。このことに
より、流体の流速の変化によらず、得られる結果の誤差
が少なくその変化のない状態とすることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下この発明の1実施形態を図を
参照して説明する。 実施形態1.図1は、この発明の実施形態1におけ流体
計測装置の構成を示す構成図である。同図において、1
a,1b,1cは流体の流れの中(第1の位置、第2,
4の位置、第3の位置)に配置された状態検出手段、2
aおよび2bはそれぞれ状態検出手段1a,1cの出力
に重み付けをするための重み付け手段、3a,3b,3
cは差動増幅器、4は流れている流体に与えられたトレ
ーサ(状態変化)である。
【0015】以下、図1に示した、流体計測装置でトレ
ーサ4を検出するときの動作について説明する。まず、
重み付け手段2a,2bどちらにも1が設定されている
場合について説明する。流体の流れにのってトレーサ4
が状態検出手段1a,1b,1cを通過するとき、例え
ば、状態検出手段1aでは、図2(a)に示すように、
トレーサ4(図1)が検出される。同様に、状態検出手
段1b,1cにおいてもトレーサ4が検出され、それぞ
れの出力が差動増幅器3a,3bで差動増幅され、図2
(b)に示す信号(1次差分)として得られる。そし
て、これら差動増幅された2つの信号が、差動増幅器3
cにより差動増幅され、図2(c)に示すような信号
(2次差分)が得られる。
【0016】ここで、差動増幅器3cの出力として得ら
れた結果、言い換えると、3つの状態検出手段より得ら
れた状態の2次差分をとることでは、得られたピークの
位置が、流体の正確な流れの状態を反映しているもので
はない。ここで、この実施形態1では、重み付け手段2
a,2bの重み付けの状態を変えることで、得られるピ
ークの位置より流体の正確な流れの状態を計測できるよ
うになる。図3は、重み付け手段2a,2b(図1)の
重み付けの状態を変えることで得られた、トレーサ4の
検出状態を示す分布図である。図3(b)に示すよう
に、重み付けをすることで、検出されたピークの位置を
トレーサ4の分布の中心などの代表位置と一致させるこ
とができる。
【0017】なお、上述では、差動増幅器を用いるよう
にしたが、これに限るものではなく、状態検出手段より
得られる信号を、コンピュータなどを用いてソフト的に
処理することで、2次差分を求めるようにしても良いこ
とはいうまでもない。また、トレーサが熱の場合は、状
態検出手段として、測温抵抗体,サーミスタ,熱伝対な
どの温度センサを用いれば良い。また、トレーサとして
は、食塩,放射性同位元素,二酸化炭素あるいは酸化窒
素,染料(蛍光)などを用いることができるが、この場
合の状態検出手段としては、電気伝導度測定器,ガイガ
ーカウンタ,赤外センスペクトロメータ,蛍光検出器な
どを用いれば良い。また、重み付けの方法としては、差
分をとる前の信号に重み付けをするようにしたが、これ
に限るものではなく、1次差分の信号に重み付けをする
ようにしても良い。
【0018】実施形態2.ところで、上記実施形態で
は、状態検出手段を3つ用いるようにしたが、これに限
るものではない。図4は、この発明の第2の実施形態に
おける流体計測装置の構成を示す構成図である。同図に
おいて、41a〜41eは流体の流れに沿って並べて配
置した状態検出手段、42a〜42cは状態検出手段4
1a〜41eと差動増幅器3a,3bとの接続を切り替
えるスイッチであり、他は図1と同様である。図4に示
すように、状態検出手段を3つ以上配置し、これらの中
で3つの状態検出手段からの信号を用いて測定を行うよ
うにすれば、流体の流速やトレーサの拡散率などの状況
に合わせて、最適な状態検出手段の組み合わせを選択で
きる。
【0019】実施形態3.また、上記実施形態1,2で
は、3つの状態検出手段からの検出結果を用いるように
したが、これに限るものではない。図5は、この発明の
第3の実施形態における流体計測装置の構成を示す構成
図である。同図において、51a〜51dは流体の流れ
に沿って並べて、第1の位置,第2の位置,第3の位
置,第4の位置にそれぞれ配置した状態検出手段であ
り、状態検出手段51a,51bが差動増幅器3aに接
続し、状態検出手段51c,51dが差動増幅器3bに
接続している。なお、他は図1と同様である。図5に示
すように、差動増幅器3a,3bに接続する状態検出手
段を、それぞれ異なるようにしても良く、上記実施形態
と同様の効果を奏するものである。
【0020】実施形態4.また、図6に示すように、図
1に示した流体計測装置を流体の流れの中に2つ配置す
るようにしてもよい。この場合、上流側の流体計測装置
がトレーサのピークを検出した時点と、下流側の流体計
測装置がトレーサのピークを検出した時点までの時間
と、上流側と下流側の流体計測装置間の距離とにより流
速あるいは流量が求められる。同様に、3つ以上の流体
計測装置を用い、それぞれの間隔を変えて配置し、流速
や流体の種類に応じて使い分けるようにしても良い。ま
た、ランダムに発生しているトレーサを2つの流体計測
装置で検出して、それらの相関をとったり、位相差(時
間差)をとることで、流体の流速あるいは流量を検出す
るようにしても良い。
【0021】実施形態5.図7は、この発明の第5の実
施形態における流体計測装置の構成を示す構成図であ
る。同図において、71は熱パルスを与える、例えば、
電熱線,測温抵抗体,サーミスタなどのヒータ、72a
〜72cは温度検出部(状態検出手段)、73a,73
bはそれぞれ温度検出部72a,72cの出力に重み付
けをするための重み付け手段、74a〜74cは差動増
幅器、75はヒータ71の動作を制御するヒータ駆動
部、76は差動増幅器74cから得られた信号よりピー
クを検出するピーク検出部、77はピーク検出部76が
ピークを検出したときヒータ駆動手段75を動作させる
制御部である。
【0022】ここで、この実施形態5の流体計測装置に
おいては、ピーク検出部76がピークを検出したらヒー
タ71を駆動させてサーマルトレーサを発生させるとい
う一連の繰り返しの周期で検出することで、連続的な出
力値を得るようにしたものである。すなわち、シングア
ラウンド方式による連続的な周波数出力である。このよ
うにすることで、連続的なデジタル出力が得られるとと
もに、不規則なノイズに対して、信号の分離が容易にで
きるという利点がある。
【0023】なお、熱パルスは、ヒータに電圧パルスを
印加して発生させる方法が一般に用いられている。この
方法は、流速や流体の種類によって、発生する熱パルス
のピークの高さが変化してしまうものである。ここで、
温度検出機能も備えた測温抵抗体やサーミスタなどを用
い、熱パルスを与えるときのヒータの温度が所定の温度
となるように制御するようにすれば、流速や流体の種類
が変化しても発生する熱パルスのピークの高さを一定に
保つことができる。なお、熱パルスを与える方法として
加熱するようにしているが、ペルチェクーラなどを用い
て冷却することにより熱パルスを与えるようにしても良
いことはいうまでもない。
【0024】実施形態6.ところで、上記実施形態1〜
5においては、流体の流速(流量)を測定するようにし
ているが、これに限るものではない。例えば、ガスクロ
マトグラフの検出部に、この発明の流体計測装置を用い
るようにしても良い。ガスクロマトグラフの検出部とし
ては、電流の印加によって発熱し温度検出機能も兼ね備
えた測温抵抗体や、サーミスタや、熱伝対などからなる
発熱体(ヒータ)などが用いられる。例えば、定電流を
印加した発熱体では、熱放散の割合がそれぞれのガスの
熱伝導率に比例しているため、通過するガスの種類によ
り発熱体の温度が変化し、それに応じた出力を得られる
ものである。
【0025】クロマトグラフは、複数の成分から構成さ
れた試料をそれぞれの成分毎に分離し、そして、それぞ
れの成分毎のその分量を上述した検出部で計測するよう
にしたものである。このなかで、ガスクロマトグラフ
は、試料としてガス状のものを用いる形態であり、移動
相(キャリア)により運ばれている試料が、吸着剤など
からなる固定相を通過することで、試料を構成する各成
分に分離される。そして、カラム以降に配置されている
TCD(Termal Conductivity Detector)などの検出部
により、分離されたそれぞれの成分の濃度が検出されて
いく。
【0026】ここで、この検出部では、キャリア中の分
離された各成分の分布状態が検出されていくことにな
り、この分布のピーク出現位置がその成分固有のもので
あり、このことにより成分の定性を行うことが可能とな
る。すなわち、ガスクロマトグラフに試料を導入した時
点より、それぞれに分離され検出部で検出された分布の
ピーク出現時点までの時間(リテンションタイム)によ
り、成分の定性分析が可能となる。
【0027】しかしここで、カラムで分離されたキャリ
ア中の成分の濃度分布は、そのピークを中心に均一に広
がっているとは限らない場合がある。すなわち、分離さ
れた各成分の分布の中心位置と、その濃度分布中の最大
濃度を示す部分とが一致しない場合がある。この場合、
得られるクロマトグラムの形状は歪んだものとなり、正
確なピーク位置を検出できなくなる。
【0028】ここで、上記実施形態1でも示したよう
に、キャリアの流れる方向にTCD等の検出部からなる
状態検出手段を3つ配置し、それらから得られる濃度信
号をれぞれ重み付けして、1次差分,2次差分ととって
いくことにより、正確なピーク位置を検出できるように
なる。
【0029】また、ガスクロマトグラフにおいては、キ
ャリア圧の変動などにより、得られるクロマトグラムの
ベースラインが徐々に上がって行くなど、ベースライン
が変動していくこともある。このような場合において
も、キャリアの流れる方向に検出部を3つ配置し、それ
らから得られる値の1次差分および2次差分をとってい
くことにより、ベースラインの変動を無視できるように
なる。
【0030】すなわち、1次差分をとることで、ベース
ラインの右上がりや右下がりの状態が取り除かれる。そ
して、2次差分をとることで、正規のベースライン高さ
からのずれ分が取り除かれる。このことにより、この発
明によれば、ガスクロマトグラフにおいて、検出部をキ
ャリアの流れる方向に3つ配置し、それら検出部から得
られる信号の2次差分をとることにより、ベースライン
の変動を取り除き、正確なピーク位置を検出できるよう
になる。
【0031】
【実施例】以下、流体を空気とし、熱をトレーサとして
与え、これを温度センサで検出することで空気の流量を
測定する場合について説明する。なお、ここでの熱トレ
ーサはピークを中心に対称形状をした理想的なものとす
る。この場合の出力は、A(x,t,v)=2θ(x,
t,v)−C1θ(x−p,t,v)−C2θ(x+
p,t,v)に比例する。ここで、θは温度分布を示す
ものであり、θ(x,t,v)=1/(πκvt)1/2
-aで示される。なお、a=(x−vt)2/(4κv
t)である。
【0032】また、xはヒータと温度センサ群中心位置
との距離(cm)、tは時間(s),vは流速(cm/
s)、pは温度センサ間隔(cm)である。そして、C
1は上流側の温度センサの出力の重み付け係数、C2は
下流側の温度センサの出力の重み付け係数である。な
お、κvは流速vの空気中における温度伝達率を示すも
のであり、近似的にκv=0.19889+0.019
09v(cm2/s)で示される。
【0033】流速vと距離xから逆算したトレーサの理
想的な移動時間τ0(=x/v)と、温度センサが実際
にピークを検出する時間から求めたトレーサの移動時間
τとのずれを、x,p,vおよびC1,C2を変化させ
て、上記出力の式により計算する。このことにより、図
8に示すように、τ/τ0が流速vに関係なく一致する
温度センサ間隔pの値が存在することがわかる。
【0034】また、図9は、距離xを0.04(cm)
としたときの、流速vに対するトレーサ検出の誤差、つ
まりτ0とτの差の比率を示す説明図である。同図にお
いて、黒四角は従来通り1つの温度センサを用いた場合
を示し、白四角は、この発明の実施形態で説明したよう
に3つの温度センサを用い、重み付けC1=C2=1と
し、p=0.006(cm)とした場合である。また、
三角は、この発明の実施形態で説明したように3つの温
度センサを用い、重み付けをC1=0.8,C2=1.
2とし、また、p=0.01とした場合を示している。
そして、白丸は、この発明の実施形態で説明したように
3つの温度センサを用い、重み付けをC1=0.7,C
2=1.3とし、また、p=0.016とした場合を示
している。
【0035】図9から明らかなように、従来の方法で
は、誤差が大きく、またこれが流速によって大きく変化
している。このように誤差が流速によって大きく変化し
ている状態では、単一の温度センサより得られる値を単
純に補正しただけでは、その誤差を解消できない。すな
わち、従来の方法では、検出がほぼ不可能な状態となっ
ている。
【0036】これに対して、本願発明の方法において
は、重み付けをしていない白四角で示す状態は、従来の
方法より少しは改善されているが、誤差が大きく、流速
によって変化している。しかし、重み付けを適切にする
ことで、すなわち、白丸で示すように、誤差がほとんど
なく、流速によってその誤差が変化することもなくな
る。そして、上述した図9に示す傾向は、距離xが小さ
いほど顕著になり、従来の単一の温度センサを用いる場
合に対して、本願発明の優位性がより明らかになる。
【0037】図10は、この発明による流体計測装置を
流量計に適用した場合の構成の1例を示す断面図であ
る。同図において、101は所定の位置に空洞部101
aを有するシリコン基板、102は窒化シリコンや酸化
シリコンからなるメンブレン、103は空洞部101上
に位置するメンブレン102上に形成されたヒータ部、
104a〜104cは空洞部101上に位置するメンブ
レン102上に形成された温度検出部である。ヒータ部
103および温度検出部104a〜104cは、白金膜
などで形成されている。この流体計測装置は、対象とす
る流体の流れの中に配置して用いるものであり、ヒータ
部103から発せられる熱パルスが、シリコン基板10
1にとられることなく、高効率で流体に与えることがで
きる。また、熱絶縁のため、ヒータ部103と温度検出
部104a〜104cの間、および、それらの周囲のメ
ンブレン102にスリット状の孔を形成するのが好まし
い。
【0038】以下、この流量計の製造方法を簡単に説明
する。まず、主表面が(111)面のシリコン基板上に
メンブレンを形成し、このメンブレン上にヒータ部およ
び温度検出部を形成する。次いで、メンブレンのヒータ
部および温度検出部形成領域以外の所定の領域に穴を開
ける。そして、アルカリ溶液等を用いたの異方性エッチ
ング液によるウエットエッチングにより、シリコン基板
の所定領域をメンブレンをマスクとして選択エッチング
する。このことにより、ヒータ部および温度検出部下の
シリコン基板がエッチングされ、メンブレン下に空洞が
形成される。ここで、シリコン基板は主表面が(11
1)面であるので、シリコン基板に開けられた穴の側面
は、約54.7°の角度をなしている。
【0039】また、図11はこの発明による流体計測装
置を流量計に適用した、他の例を示す断面図である。同
図において、111はシリコンからなる筒であり、メン
ブレン112が筒111内に、筒111内を2分するよ
うに形成されている。そして、このメンブレン112上
にヒータ部113および温度検出部114a〜114c
が形成されている。なお、この筒111は、それぞれ流
路として溝が形成された2つのシリコン基板を合わせて
構成されている。また、その片方のシリコン基板の流路
上にメンブレンを形成してある。
【0040】この流体計測装置は、やはり、対象とする
流体の流れの中に配置して用いるものである。また、配
管の一部に設置するようにして、配管内の流体の流量測
定に用いるようにしても良い。この流量計側装置におい
ても、ヒータ部113および温度検出部114a〜11
4cは、筒111とは離れて配置されているので、例え
ばヒータ部113から発する熱パルスは、筒111に伝
導することで消費されることなく、効率よく流体に与え
ることができる。
【0041】なお、図10および図11においては、ヒ
ータ部と温度検出部とを同一ユニット内に配置するよう
にしたが、これに限るものではない。温度検出部とヒー
タ部を別のユニットとして独立にもうけるようにしても
よい。また、例えば、薄膜測温抵抗体からなるTCD
(熱伝導度検出器)をメンブレン上に3つ配置すれば、
前述の実施形態6で述べたガスクロマトグラフの検出部
として用いることもできる。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、第1と第2の位置で得られた状態変化の差と、第3
と第4の位置で得られた状態変化の差との差を用いて流
体の状態を計測するようにした。このため、状態の検出
結果に対して補正をかけやすく、流体の種類や状態など
に左右されずに、流体の状態を性格に反映するように補
正をした計測結果を得ることができるという効果があ
る。
【0043】また、上述のことに加え、第1の位置にお
ける流体の状態変化に所望とする第1の重み付けをし、
第3の位置における流体の状態変化に所望とする第2の
重み付けを行い、これらを用いるようにした。以上のこ
とにより、流体の流速の変化によらず、状態変化の検出
誤差が少なくその変化のない状態とすることができ、流
れている流体における状態変化部分(トレーサ)の位置
を正確に検出できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施形態1におけ流体計測装置の
構成を示す構成図である。
【図2】 図1の流体計測装置の動作を説明するための
説明図である。
【図3】 重み付け手段2a,2b(図1)の重み付け
の状態を変えることで得られた、トレーサ4の検出状態
を示す分布図である。
【図4】 この発明の第2の実施形態における流体計測
装置の構成を示す構成図である。
【図5】 この発明の第3の実施形態における流体計測
装置の構成を示す構成図である。
【図6】 この発明の第4の実施形態における流体計測
装置の構成を示す構成図である。
【図7】 この発明の第5の実施形態における流体計測
装置の構成を示す構成図である。
【図8】 流速vを変化させたときの、温度センサ間隔
と誤差τ/τ0との相関を示す相関図である。
【図9】 距離xを0.04cmとしたときの、流速v
に対するトレーサ検出におけるτ0とτの差の比率を示
す説明図である。
【図10】 この発明による流体計測装置を流量計に適
用した場合の構成の1例を示す断面図である。
【図11】 この発明による流体計測装置を流量計に適
用した、他の例を示す断面図である。
【図12】 従来の流量測定の概略的な構成を示す断面
図である。
【図13】 熱パルスが与えられたことによる熱の分布
の変化を示す説明図である。
【符号の説明】
1a〜1c…状態検出手段、2a,2b…重み付け手
段、3a〜3c…差動増幅器、4…トレーサ。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体の流れの方向に沿った、第1の位置
    における前記流体の状態と第2の位置における前記流体
    の状態との差をとることで第1の値を求め、 前記流体の流れの方向に沿った、少なくとも前記第1お
    よび第2の位置とは異なる第3の位置における前記流体
    の状態と、第4の位置における前記流体の状態との差を
    とることで第2の値を求め、 前記第1の値と第2の値との差をとることで第3の値を
    求め、 前記第3の値により前記流体の状態変化を計測すること
    を特徴とする流体計測方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の流体計測方法において、 前記第1の位置で得られた状態変化に所望とする第1の
    重み付けをし、前記第3の位置で得られた状態変化に所
    望とする第2の重み付けを行うことを特徴とする流体計
    測方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の流体計測方法において、 前記第1〜第3の位置より前記流体の流れの上流の所定
    距離離れた位置で、前記状態変化を前記流体に与え、 この状態変化を与えた時点より、前記第3の値の最大値
    が得られる時点までの時間と前記距離とから、前記流体
    の流速あるいは流量を計測することを特徴とする流体計
    測方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の流体計測方法において、 前記第3の値の最大値が得られたら前記状態変化を前記
    流体に与えることを繰り返し、 前記最大値が得られる時間間隔により流速あるいは流量
    を計測することを特徴とする流体計測方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3いずれか1項記載の流体計
    測方法において、 前記流体の状態変化は、温度状態変化であることを特徴
    とする流体計測方法。
  6. 【請求項6】 流体の流れの方向に沿って配置された第
    1と第2および第3の状態検出手段と、 前記第1と第2の状態検出手段の出力の差をとる第1の
    処理部と、 前記第2と第3の状態検出手段の出力の差をとる第2の
    処理部と、 前記第1の処理部と第2の処理部の出力の差をとる第3
    の処理部とを備えたことを特徴とする流体計測装置。
  7. 【請求項7】 流体の流れの方向に沿って配置された第
    1と第2と第3および第4の状態検出手段と、 前記第1と第2の状態検出手段の出力の差をとる第1の
    処理部と、 前記第3と第4の状態検出手段の出力の差をとる第2の
    処理部と、 前記第1の処理部と第2の処理部の出力の差をとる第3
    の処理部とを備えたことを特徴とする流体計測装置。
  8. 【請求項8】 請求項6または7記載の流体計測装置に
    おいて、 前記第1の状態検出手段の出力に所望とする第1の重み
    付けを行う第1の重み付け手段と、 前記第3の状態検出手段の出力に所望とする第2の重み
    付けを行う第2の重み付け手段とを備えたことを特徴と
    する流体計測装置。
  9. 【請求項9】 請求項6〜8いずれか1項記載の流体計
    測装置において、 前記第1の状態検出手段より所定距離離れた上流側に配
    置して通過する流体に状態変化を与える変化供与手段を
    備え、前記流体の流速あるいは流量を求めることを特徴
    とする流体計測装置。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の流体計測装置におい
    て、 前記第3の処理部の出力値の最大値を検出するピーク検
    出部と、 前記ピーク検出部が最大値を検出したとき、前記変化供
    与手段を動作させる制御部とを備えたことを特徴とする
    流体計測装置。
JP7189091A 1995-07-25 1995-07-25 流体計測方法および流体計測装置 Pending JPH0933555A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7189091A JPH0933555A (ja) 1995-07-25 1995-07-25 流体計測方法および流体計測装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7189091A JPH0933555A (ja) 1995-07-25 1995-07-25 流体計測方法および流体計測装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0933555A true JPH0933555A (ja) 1997-02-07

Family

ID=16235188

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7189091A Pending JPH0933555A (ja) 1995-07-25 1995-07-25 流体計測方法および流体計測装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0933555A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003028692A (ja) * 2001-07-18 2003-01-29 Nikkiso Co Ltd 流量測定方法および装置

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57211015A (en) * 1981-06-22 1982-12-24 Anima Kk Heat pulse type thermometer
JPS6299865U (ja) * 1985-12-16 1987-06-25
JPH0349050B2 (ja) * 1983-03-18 1991-07-26 Enbaironmentaru Insutsurumento Inc
JPH0682157B2 (ja) * 1990-02-06 1994-10-19 古野電気株式会社 漂流物体位置表示装置
JPH075009A (ja) * 1993-06-15 1995-01-10 Hitachi Ltd エンジンの空気流量測定装置、燃料噴射制御装置及びこれらに用いる流量センサ
JPH0862011A (ja) * 1994-06-13 1996-03-08 Yazaki Corp 熱伝播時間計測型フローセンサとその製造方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57211015A (en) * 1981-06-22 1982-12-24 Anima Kk Heat pulse type thermometer
JPH0349050B2 (ja) * 1983-03-18 1991-07-26 Enbaironmentaru Insutsurumento Inc
JPS6299865U (ja) * 1985-12-16 1987-06-25
JPH0682157B2 (ja) * 1990-02-06 1994-10-19 古野電気株式会社 漂流物体位置表示装置
JPH075009A (ja) * 1993-06-15 1995-01-10 Hitachi Ltd エンジンの空気流量測定装置、燃料噴射制御装置及びこれらに用いる流量センサ
JPH0862011A (ja) * 1994-06-13 1996-03-08 Yazaki Corp 熱伝播時間計測型フローセンサとその製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003028692A (ja) * 2001-07-18 2003-01-29 Nikkiso Co Ltd 流量測定方法および装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6393894B1 (en) Gas sensor with phased heaters for increased sensitivity
US6527835B1 (en) Chemical preconcentrator with integral thermal flow sensor
US10247690B2 (en) Device for analysis of mixtures of at least two gases
DK2869040T3 (en) Flow sensor for determining a flow parameter and method for determining same
JP2992848B2 (ja) 熱伝導率検出器
JP2789286B2 (ja) 熱伝導率測定装置
Kaanta et al. Novel device for calibration-free flow rate measurements in micro gas chromatographic systems
CN104792378B (zh) 红外气体浓度计、微流传感器、温敏电阻结构及其制造方法
JP2009128254A (ja) 不純物濃度センサ、フローセンサおよびこれらを用いた計測・制御システム
JPH0933555A (ja) 流体計測方法および流体計測装置
JP6566062B2 (ja) 流量測定装置
JPH0625684B2 (ja) 流体の流量検出センサー
Kaanta et al. Effect of forced convection on thermal distribution in micro thermal conductivity detectors
JPH04372865A (ja) シリコンを用いた流速測定装置
JP2008233057A (ja) 熱伝導型センサとこれを用いた熱伝導型計測装置
De Graaf et al. Flow compensation in a MEMS dual-thermal conductivity detector for hydrogen sensing in natural gas
De Graaf et al. A MEMS flow compensated thermal conductivity detector for gas sensing
Kaanta et al. A novel μthermal conductivity detector capable of flow rate measurements
JPH05107093A (ja) 熱式流量計
JPH07174600A (ja) 流速センサ及び流速計測装置
JPH04208814A (ja) シリコンを用いた流速測定装置および流速測定方法
JPH0493648A (ja) ガスクロマトグラフ
JPH08304372A (ja) ガスクロマトグラフ装置
JPH04188024A (ja) シリコンを用いた流速測定装置
JP2000283991A (ja) 流速測定装置