JP2000283991A - 流速測定装置 - Google Patents

流速測定装置

Info

Publication number
JP2000283991A
JP2000283991A JP11091033A JP9103399A JP2000283991A JP 2000283991 A JP2000283991 A JP 2000283991A JP 11091033 A JP11091033 A JP 11091033A JP 9103399 A JP9103399 A JP 9103399A JP 2000283991 A JP2000283991 A JP 2000283991A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
fluctuation
flow velocity
detected
delay time
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11091033A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuto Hashizume
康人 橋詰
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Harman Co Ltd
Original Assignee
Harman Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Harman Co Ltd filed Critical Harman Co Ltd
Priority to JP11091033A priority Critical patent/JP2000283991A/ja
Publication of JP2000283991A publication Critical patent/JP2000283991A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Volume Flow (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 流路への付設性に優れ、また、流体温度の測
定も併せ可能な流速測定装置とする。 【解決手段】 通過流体Wに対する加熱又は冷却により
通過流体Wの温度Tを変動させる変温手段3と、この変
温手段3よりも流体通過方向の下流側で通過流体の温度
Tを検出する検温手段5を設け、変温手段3により付与
した温度変動xが検温手段5による温度検出で検知され
るまでの遅れ時間t、及び、変温手段3による加熱又は
冷却の位置と検温手段5による検温位置との流体通過方
向における離間距離Lに基づき通過流体Wの流速vを求
める演算手段6を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は流速測定装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、流速測定装置としては、流体の流
れにより可動片を変位させたり回転体を回転させて、そ
れら可動片の変位量や回転体の回転数に基づき流速を求
める機械式の流速測定装置、あるいは、流路途中に設け
た抵抗の前後差圧やピトー管による検知動圧に基づき流
速を求める検圧式の流速測定装置がある。
【0003】また、流体により冷却される電気抵抗体の
温度変化による抵抗値の変化に基づき流速を求める熱線
(熱膜)流速計やサーミスタ流速計の如き電気抵抗式の
流速測定装置、あるいはまた、超音波を流体中に放射し
て流速による伝播速度の変化や入射波と散乱波との周波
数差などに基づき流速を求める超音波式の流速測定装置
も知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、機械式の流速
測定装置では、流体により動作させる可動部を有する
為、装置構造が大きくなって流路への付設性に劣るとと
もに、可動部の動作不良を生じ易く、また、その可動部
が大きな流路抵抗となる問題があり、検圧式の流速測定
装置では、流体圧を導く導圧管が必要で流路への付設構
造が複雑になって、やはり流路への付設性に劣る問題が
ある。
【0005】一方、電気抵抗式の流速測定装置では、流
体温度の影響による測定誤差を生じ易く、また、その測
定誤差を回避するのに温度補償が必要で装置コストが高
く付く問題があり、超音波式の流速測定装置では、超音
波を扱う特殊な機器を要するため装置コストが高く付く
問題がある。
【0006】そしてまた、従来のいずれの形式の流速測
定装置においても、その装置自身は流速測定の機能しか
持たず、流体温度の測定も併せ必要な場合には別の独立
した温度測定装置が必要になって、両装置を合わせた全
体としての装置コストが高く付く問題もあった。
【0007】この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、
合理的な測定方式の採用により上記の如き問題を効果的
に解消できる流速測定装置を提供する点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】〔1〕請求項1に係る発
明では、通過流体に対する加熱又は冷却により通過流体
の温度を変動させる変温手段と、この変温手段よりも流
体通過方向の下流側で通過流体の温度を検出する検温手
段を設け、前記変温手段により付与した温度変動が前記
検温手段による温度検出で検知されるまでの遅れ時間、
及び、前記変温手段による加熱又は冷却の位置と前記検
温手段による検温位置との流体通過方向における離間距
離に基づき通過流体の流速を求める演算手段を設ける。
【0009】つまり、この構成では、上記遅れ時間(す
なわち、変温手段による加熱又は冷却の位置から検温手
段による検温位置までの流体移動に要する時間)により
上記離間距離を除する演算形態で通過流体の流速を求め
るが、流路へは、変温手段の通過流体に対する加熱部又
は冷却部と、検温手段の通過流体に対する温度検出端と
を付設するだけでよく、機械式の流速測定装置の如き可
動部や検圧式の流速測定装置の如き導圧管が不要である
ことから、装置を小型化し得るとともに流路への付設構
造を簡略にすることができ、流路への付設性の高い装置
にすることができる。しかも、流体により動作させる可
動部が不要であるから、可動部の動作不良を生じること
が無くて耐久性、信頼性にも優れ、また、流路抵抗の増
大も効果的に回避できて流体の圧力損失も小さい装置に
することができる。
【0010】また、検温手段は基本的に通過流体の温度
変動の有無を検知するだけでよいから、温度変化に伴い
変化する電気抵抗値と流速との相関から流速を求める電
気抵抗式の流速測定装置の如く流体温度が流速測定に大
きな影響を及ぼすことが無くて、流体温度の変化にかか
わらず正確な流速測定を行うことができ、さらに、その
ことで温度補償も不要ないし軽微なものにし得るととも
に、超音波式の流速測定装置の如き特殊な機器も不要で
あることから、装置コストも安価な装置にすることがで
きる。
【0011】なお、流速を求めるのに上記の如く、基本
的には測定される遅れ時間により離間距離を除する演算
形態を採るが、測定される遅れ時間や求めた流速に対
し、変温手段の応答特性や検温手段の応答特性に応じた
適当な補正を施すようにすれば、それら応答特性の影響
で遅れ時間測定に誤差が生じることを回避して、一層正
確な流速測定を行うことができる。
【0012】また、変温手段の通過流体に対する加熱部
又は冷却部を、熱伝導性の流路壁(例えば金属管の管
壁)を介して通過流体に加熱作用又は冷却作用させるよ
うにしたり、検温手段の通過流体に対する温度検出端
を、同じく熱伝導性の流路壁を介して通過流体に対し温
度検出機能させるようにすれば、それらの流路への付設
を一層容易にし得るとともに、流路抵抗の増大も一層効
果的に回避でき、また、それらの付設箇所での流体漏洩
もより確実に防止することができる。
【0013】〔2〕請求項2に係る発明では、前記した
請求項1に係る発明を実施するのに、前記演算手段によ
り求めた流速と、前記変温手段による付与温度変動が非
検知のときに前記検温手段により検出される流体温度と
を、測定結果として出力する出力手段を設ける。
【0014】つまり、この構成では、前記の遅れ時間測
定に基づく流速測定のための検温手段を利用して、変温
手段による付与温度変動が非検知のときの流体温度(す
なわち、温度変動を付与していない通過流体の本来の温
度)を検出し、そして、流速の測定機能と流体温度の測
定機能とを併せ有する装置として、その検出した流体温
度と演算手段により求めた流速との両方を測定結果とし
て出力するから、流速の測定と流体温度の測定の両方が
必要な場合において、従前の如く、流速測定装置とそれ
とは別の独立した温度測定装置とを並設するに比べ、全
体としての装置コストを安価にしながら、流速の測定と
流体温度の測定を行うことができる。
【0015】なお、測定した流速及び流体温度の出力
は、各々、人に対する測定結果の表示のため出力、ある
いは、表示以外の目的で出力信号に基づき他装置を動作
させるための出力のいずれであってもよい。
【0016】〔3〕請求項3に係る発明では、前記した
請求項1又は2に係る発明を実施するのに、前記変温手
段を、所定出力での加熱又は冷却を所定反復時間ごとに
繰り返して通過流体に温度変動を繰り返し付与する構成
にし、前記検温手段により検知される温度変動の変動巾
が所定の閾変動巾よりも小さいときには、前記変温手段
による温度変動付与の後、最先の温度変動が前記検温手
段により検知されるまでの見掛け遅れ時間を前記遅れ時
間とし、前記検温手段により検知される温度変動の変動
巾が所定の閾変動巾以上のときには、前記見掛け遅れ時
間に前記反復時間を加算した時間を前記遅れ時間とする
補正手段を設ける。
【0017】つまり、図2の(イ)に示す如く、通過流
体に対し所定反復時間zごとに繰り返して温度変動xを
付与するようにすれば、それら温度変動xの各々につい
て付与から検知に至るまでの遅れ時間tを測定すること
で、流速測定を連続的に行うことができるが、この連続
測定を行うのに、遅れ時間の測定形式として、変温手段
による温度変動付与の後、最先の温度変動xが検温手段
により検知されるまでの時間t′(見掛け遅れ時間)を
遅れ時間とする単純な測定方式を採った場合、流速が大
きく低下して、個々の温度変動xの付与から検知に至る
までの真の遅れ時間tが上記の反復時間z以上となる状
況(換言すれば、温度変動付与の後、その付与温度変動
xよりも前の付与温度変動xが最先の検知温度変動とし
て検温手段に検知される図2の(ロ)に示す如き状況)
になると、温度変動の付与時点と、その付与温度変動よ
りも前の付与温度変動についての検知時点との間の時間
(t−z)が遅れ時間t′として測定されるようにな
り、この測定遅れ温度t′により前記の離間距離Lを除
して求める流速v′(=L/t′,L:離間距離)が、
実際の流速v(=L/t)よりもかなり大きい値となる
誤測定を招く。
【0018】これに対し、上記の如く所定出力pでの加
熱又は冷却を所定反復時間zごとに繰り返して通過流体
に温度変動を繰り返し付与する場合、流速vが大きいと
きには、単位流量当たりの加熱量又は冷却量が小さくな
ることで、付与される各回の温度変動xが変動巾ΔTの
小さなものになり、流速vが小さいときには、単位流量
当たりの加熱量又は冷却量が大きくなることで、付与さ
れる各回の温度変動xが変動巾ΔTの大きなものにな
り、このことから、検温手段により検知される温度変動
xの変動巾ΔTを見れば、流速vが大きくて上記の見掛
け遅れ時間t′が真の遅れ時間tに等しい状況(図2の
(イ)に示す状況)か、あるいは、流速vがかなり小さ
くて上記の見掛け遅れ時間t′が温度変動付与の反復時
間z分だけ真の遅れ時間tよりも小さい時間になってい
るか状況(図2の(ロ)に示す状況)かを判別すること
ができる。
【0019】したがって、所定出力pでの加熱又は冷却
を所定反復時間zごとに繰り返す温度変動付与に対し、
上記の如く、検温手段により検知される温度変動xの変
動巾ΔTが所定の閾変動巾ΔTaよりも小さいときに
は、上記の見掛け遅れ時間t′を遅れ時間とし、また、
検温手段により検知される温度変動xの変動巾ΔTが所
定の閾変動巾ΔTa以上のときには、上記見掛け遅れ時
間t′に上記反復時間zを加算した時間(t′+z)を
遅れ時間とする補正を行うようにし、そして、この所定
閾変動巾ΔTaとして適当な値を予め選定しておけば、
流速vの大きな低下で見掛け遅れ時間t′が真の遅れ時
間tと不一致となる状況が生じた場合でも、適正な遅れ
時間(真の遅れ時間t)に基づき正確な流速vを求める
ことができ、これにより、流速の測定可能範囲を大きく
拡大することができる。
【0020】なお、見掛け遅れ時間t′がt′=t−2
zとなる流速状況を判定するための第2の所定閾変動巾
ΔTaaをさらに設けて、検温手段による検知温度変動
xの変動巾ΔTがその第2の所定閾変動巾ΔTaa以上
の大きいときには、見掛け遅れ時間t′に上記反復時間
zの2倍値を加算した時間(t′+2z)を遅れ時間と
するなど、所定の閾変動巾を複数段けて上記の如き補正
を行うようにすれば、流速の測定可能範囲を更に大きく
拡大することができる。
【0021】また、上記構成では流速測定において通過
流体の温度変動の有無に加え温度変動の大小も検温手段
により検知する必要があるが、温度変動xの変動巾ΔT
が所定閾変動巾ΔTaよりも大きいか否かを判定するた
めの変動巾の検知であるから、温度変化に伴い変化する
電気抵抗値と流速との相関から流速を求める電気抵抗式
の流速測定装置に比べ、流体温度の影響を受けずに流速
を正確に測定できる前述の効果は十分に維持できる。
【0022】〔4〕請求項4に係る発明では、前記した
請求項1又は2に係る発明を実施するのに、前記変温手
段を、所定出力での加熱又は冷却を所定反復時間ごとに
繰り返して通過流体に温度変動を繰り返し付与する構成
にし、前記変温手段による温度変動付与の後、最先の温
度変動が前記検温手段により検知されるまでの見掛け遅
れ時間を前記遅れ時間として前記演算手段により求めら
れる候補流速に応じ、前記検温手段による検知温度変動
の変動巾に対する閾変動巾を設定し、前記検温手段によ
り検知される温度変動の変動巾がその設定閾変動巾より
も小さいときには、前記見掛け遅れ時間を前記遅れ時間
とし、前記検温手段により検知される温度変動の変動巾
がその設定閾変動巾以上のときには、前記見掛け遅れ時
間に前記反復時間を加算した時間を前記遅れ時間とする
補正手段を設ける。
【0023】つまり、前述の如く、所定出力pでの加熱
又は冷却を所定反復時間zごとに繰り返して通過流体に
温度変動xを繰り返し付与するのに対し、検温手段によ
り検知される温度変動xの変動巾ΔTを見れば、流速v
が大きくて上記の見掛け遅れ時間t′が真の遅れ時間t
に等しい状況(図2の(イ)に示す状況)か、あるい
は、流速vがかなり小さくて上記の見掛け遅れ時間t′
が温度変動付与の反復時間z分だけ真の遅れ時間tより
も小さい時間になっているか状況(図2の(ロ)に示す
状況)かを判別し得るが、上記の如く、この見掛け遅れ
時間t′を遅れ時間として演算手段に候補流速v′(=
L/t′)を求めさせ、そして、検温手段の出力pと流
速vと温度変動巾ΔTとの相関に従って、この候補流速
v′に応じ検知温度変動xの変動巾ΔTに対する閾変動
巾ΔTbを設定するようにすれば、固定の閾変動巾を予
め設けておくに比べ、実際の変動巾ΔTとの比較によ
り、その候補流速v′が真の流速v(=L/t)に等し
いか否かをより精度よく判別し得る閾変動巾(すなわ
ち、候補流速v′が真の流速vと異なる場合に実際の変
動巾ΔTとの差が大きく現れる閾変動巾)を逐次設定す
ることができる。
【0024】したがって、この候補流速v′に応じた閾
変動巾ΔTbの設定に対し、検温手段により検知される
温度変動xの変動巾ΔTがその設定閾変動巾ΔTbより
も小さいときには、上記の見掛け遅れ時間t′を遅れ時
間とし(換言すれば、そのときの候補流速v′を正しい
流速vとし)、また、検温手段により検知される温度変
動xの変動巾ΔTがその設定閾変動巾ΔTb以上のとき
には、上記の見掛け遅れ時間t′に上記反復時間zを加
算した時間(t′+z)を遅れ時間とする補正を行うよ
うにすれば、見掛け遅れ時間t′が真の遅れ時間tに等
しい状況(図2の(イ)に示す状況)か、あるいは、見
掛け遅れ時間t′が温度変動付与の反復時間z分だけ真
の遅れ時間tよりも小さい時間になっているか状況(図
2の(ロ)に示す状況)かをより精度良く判別した状態
で、いずれの状況においても適正な遅れ時間(真の遅れ
時間t)に基づき正確な流速vを求めることができ、こ
れにより、流速測定精度を一層高く維持しながら流速の
測定可能範囲を大きく拡大することができる。
【0025】なお、検温手段により検知される温度変動
xの変動巾ΔTが上記の設定閾変動巾ΔTb以上の場合
に、上記の見掛け遅れ時間t′に上記反復時間zを加算
した時間(t′+z)を遅れ時間とする第2の候補流速
v″(=L/(t′+z))を演算手段に求めさせると
ともに、その第2の候補流速v″に応じ第2の閾変動巾
ΔTbbを設定するようにし、そして、検温手段により
検知される温度変動xの変動巾ΔTがその第2の設定閾
変動巾ΔTbbよりも小さいときには、見掛け遅れ時間
t′に反復時間zを加算した時間(t′+z)を遅れ時
間とし(換言すれば、その第2の候補流速v″を正しい
流速vとし)、一方、検温手段により検知される温度変
動xの変動巾ΔTがその第2の設定閾変動巾ΔTbb以
上のときには、見掛け遅れ時間t′に上記反復時間zの
2倍値を加算した時間(t′+2z)を遅れ時間とする
といった形態で、上記の如き補正を複数段にわたり繰り
返すようにすれば、流速の測定可能範囲を更に大きく拡
大することができる。
【0026】また、請求項3に係る発明と同様、上記構
成では流速測定において通過流体の温度変動の有無に加
え温度変動の大小も検温手段により検知する必要がある
が、温度変動xの変動巾ΔTが所定閾変動巾ΔTaより
も大きいか否かを判定するための変動巾の検知であるか
ら、温度変化に伴い変化する電気抵抗値と流速との相関
から流速を求める電気抵抗式の流速測定装置に比べ、流
体温度の影響を受けずに流速を正確に測定できる前述の
効果は十分に維持できる。
【0027】〔5〕請求項5に係る発明では、前記した
請求項1又は2に係る発明を実施するのに、前記変温手
段を、通過流体に対し所定反復時間ごとに繰り返して温
度変動を付与するとともに、この繰り返し付与におい
て、付与する温度変動の変動パターンを周期的に変化さ
せる、又は、所定の付与回数ごとに温度変動の非付与回
を設ける構成にし、前記検温手段により検知される温度
変動の変動パターンに基づき、又は、前記検温手段によ
り検知される温度変動不存回の存在に基づき、前記変温
手段による付与温度変動と前記検温手段による検知温度
変動との対応関係を判別して、対応する付与温度変動と
検知温度変動とについての付与から検知に至るまでの前
記遅れ時間を判定する判定手段を設ける。
【0028】つまり、通過流体に対する温度変動xの付
与を所定反復時間zごとに単純に繰り返すのでは、前述
の如く、流速の変化範囲が大きい場合、温度変動xを付
与した後、その付与温度変動xが検温手段による最先の
検知温度変動となる図2の(イ)に示す状況と、その付
与温度変動xよりも前の付与温度変動xが最先の検知温
度変動となる図3の(ロ)に示す状況とが存在し得て、
変温手段による付与温度変動と検温手段による検知温度
変動との対応関係が不明確になり、このことから、変温
手段により付与した温度変動が検温手段により検知され
るまでの遅れ時間t(真の遅れ時間)の測定が難しくな
る。
【0029】この点、通過流体に対し所定反復時間zご
とに繰り返して温度変動xを付与するのに、上記の如
く、付与する温度変動xの変動パターンを周期的に変化
させたり、所定の付与回数ごとに温度変動xの非付与回
を設ける付与形態(例えば図7や図8に示す付与形態)
を採れば、流速の変化範囲が大きい場合でも、検温手段
により検知される温度変動xの変動パターンや温度変動
不存回の存在を判別指標にして、検温手段による各回の
検知温度変動xが変温手段によるいずれの回の付与温度
変動に該当しているのか(すなわち、付与温度変動と検
知温度変動との対応関係)を判別することができ、温度
変動付与の後、その付与温度変動xが最先の検知温度変
動となっている状況か、その付与温度変動xよりも前の
付与温度変動xが最先の検知温度変動となっている状況
かを判別し得る。
【0030】したがって、この形態での温度変動付与に
対し、上記の如く、検温手段により検知される温度変動
xの変動パターンや、検温手段により検知される温度変
動不存回の存在に基づき、変温手段による付与温度変動
と検温手段による検知温度変動との対応関係を判別し
て、対応する付与温度変動と検知温度変動とについての
付与から検知に至るまでの遅れ時間t(真の遅れ時間)
を判定するようにすれば、流速の大きな変化に対しても
常に適正な遅れ時間を用いて正確な流速を求めることが
でき、これにより、流速の測定可能範囲を大きく拡大す
ることができる。
【0031】なお、上記構成では、付与温度変動xの変
動パターンを周期的に変化させる形態を採る場合、流速
測定において通過流体の温度変動の有無に加え温度変動
の変動パターンも検温手段により検知する必要がある
が、この変動パターンの検知も個々の温度変動xについ
て見れば、その変動巾ΔTの検知であることから、前述
の請求項3や請求項4に係る発明と同様、温度変化に伴
い変化する電気抵抗値と流速との相関から流速を求める
電気抵抗式の流速測定装置に比べ、流体温度の影響を受
けずに流速を正確に測定できるという効果は十分に維持
できる。
【0032】〔6〕請求項6に係る発明では、前記した
請求項1〜5のいずれか1項に係る発明を実施するの
に、前記演算手段により求められる測定流速が小さくな
るほど前記離間距離を短縮側に変更する距離変更手段を
設ける。
【0033】つまり、前記の遅れ時間に基づく流速測定
では、流速が大きく低下すると、温度変動の付与から検
知に至るまでの遅れ時間t(流体移動時間)が大きくな
ることで、その間における温度変動付与流体の熱拡散や
流路外への放熱が進んで、付与した温度変動xが不明瞭
になり、これが原因で温度変動検知による遅れ時間測定
の精度が低下して流速の測定精度が低下する傾向が生
じ、また逆に、流速が大きく上昇すると、遅れ時間tが
小さくなることで、その遅れ時間tに対し変温手段や検
温手段の応答性の問題などから生じる遅れ時間測定の誤
差が相対的に大きくなり、これが原因でやはり流速の測
定精度が低下する傾向が生じる。
【0034】この点、上記の如く、変温手段による加熱
又は冷却の位置と検温手段による検温位置との離間距離
Lを、演算手段により求められる測定流速が小さくなる
ほど短縮側に変更(逆言すれば、演算手段により求めら
れる測定流速が大きくなるほど伸長側に変更)するよう
にすれば、流速の低下に対しては、付与温度変動xの熱
拡散や放熱による不明瞭化を離間距離Lの短縮側への変
更により抑止でき、また、流速の上昇に対しては、遅れ
時間tに対しその測定誤差が相対的に大きくなることを
離間距離Lの伸長側への変更による遅れ時間tの伸長化
により抑止でき、これにより、流速の大きな変化範囲に
ついて高い流速測定精度を維持することができる。
【0035】なお、求められる測定流速が小さくなるほ
ど離間距離Lを短縮側に変更するには、演算手段により
求められた測定流速に基づき離間距離Lを変更する形式
に限らず、温度変動検知により測定した遅れ時間tに基
づき離間距離Lを変更する形式など、種々の形式を採る
ことができる。
【0036】また、離間距離Lを変更するには、変温手
段の通過流体に対する加熱部又は冷却部と、検温手段の
通過流体に対する温度検出端とのいずれか一方ないし両
方を、流体通過方向に複数並置して、これら複数の加熱
部又は冷却部ないし複数の温度検出端のうち、通過流体
に対して加熱又は冷却作用させる加熱部又は冷却部や、
通過流体に対して温度検出させる温度検出端を選択する
ことで離間距離Lを変更する形式、あるいは、変温手段
の通過流体に対する加熱部又は冷却部と、検温手段の通
過流体に対する温度検出端とのいずれか一方ないし両方
を移動動作させることで離間距離Lを変更する形式、さ
らにまた、それら形式を組み合わせた形式のいずれを採
用してもよい。
【0037】〔7〕請求項7に係る発明では、前記した
請求項1〜6のいずれか1項に係る発明を実施するの
に、前記変温手段を、通過流体に対し所定反復時間ごと
に繰り返して温度変動を付与する構成にし、前記演算手
段により求められる測定流速が小さくなるほど前記反復
時間を拡大側に変更する周期変更手段を設ける。
【0038】つまり、通過流体に対し所定反復時間zご
とに繰り返して温度変動xを付与する形式では、流速が
大きく低下すると、その流速に対し温度変動付与の上記
反復時間zが相対的に過小になって、前後の付与温度変
動xが流体通過方向で過接近ないし一部ラップする状態
になることで、温度変動検知による遅れ時間測定の精度
が低下して流速の測定精度が低下する傾向が生じ、また
逆に、流速が大きく上昇すると、その流速に対し温度変
動付与の上記反復時間zが相対的に過大になって、測定
分解能が低下した状態になることで、やはり流速の測定
精度が低下する傾向が生じる。
【0039】この点、上記の如く、温度変動付与の反復
時間zを、演算手段により求められる測定流速が小さく
なるほど拡大側に変更(逆言すれば、演算手段により求
められる測定流速が大きくなるほど短縮側に変更)する
ようにすれば、流速の低下に対しては、その流速に対し
温度変動付与の反復時間zが相対的に過小になって前後
の付与温度変動xが過接近ないし一部ラップする状態に
なることを、反復時間zの拡大側への変更により抑止で
き、また、流速の上昇に対しては、その流速に対し温度
変動付与の反復時間zが相対的に過大になって測定分解
能が低下した状態になることを、反復時間zの短縮側へ
の変更により抑止でき、これにより、流速の大きな変化
範囲について高い流速測定精度を維持することができ
る。
【0040】なお、求められる測定流速が小さくなるほ
ど温度変動付与の反復時間zを拡大側に変更するには、
演算手段により求められた測定流速に基づき反復時間z
を変更する形式に限らず、温度変動検知により測定した
遅れ時間tに基づき反復時間zを変更する形式など、種
々の形式を採ることができる。
【0041】また、この請求項7に係る発明と前記した
請求項6に係る発明とを併せて実施すれば、流速の低下
に対しては、付与温度変動xが熱拡散や放熱により不明
瞭になること、及び、前後の付与温度変動xが過接近な
いし一部ラップする状態になることの両方を抑止でき、
一方、流速の上昇に対しては、遅れ時間tに対しその測
定誤差が相対的に大きくなること、及び、流速に対し温
度変動付与の反復時間zが相対的に過大になって測定分
解能が低下した状態になることの両方を抑止でき、これ
らのことで、各々を単独実施する場合に比べ、流速の大
きな変化範囲について高い流速測定精度を維持すること
を一層効果的に達成できる。
【0042】
【発明の実施の形態】〔第1実施形態〕図1は、管路中
を流れる液体W(例えば水や湯)の流速を測定する流速
測定装置を示し、この装置は、管1に付設の加熱部2
(発熱体)により管内の通過液体Wを加熱することで、
通過液体Wに温度変動を付与する変温手段3と、加熱部
2よりも液体通過方向の下流側において同じく管1に付
設の温度検出端4(測温体)により通過液体Wの温度T
を検出することで、変温手段3による付与温度変動を検
知する検温手段5と、変温手段3による付与温度変動が
検温手段5により検知されるまでの遅れ時間t(すなわ
ち、加熱部2から温度検出端4に至るまでの液体移動に
要する時間)に基づき通過液体Wの流速vを求める演算
手段6とを備えている。
【0043】7は加熱部2とともに変温手段3を構成す
る加熱制御部であり、この加熱制御部7は、測定の開始
指令が与えられると、図2の(イ)に示す如く、所定反
復時間zごとに加熱部2を所定出力pで所定付与時間e
だけ通過液体Wに対し加熱作用させ、これにより、通過
流体Wに温度変動xを周期的に付与する。また、8は温
度検出端4とともに検温手段5を構成する検温制御部で
あり、この検温制御部8は、温度検出端4の検出出力を
処理して、変温手段3により付与された温度変動xの検
知情報を演算手段6に送る。
【0044】演算手段6は、変温手段3による各回の温
度変動付与において加熱部2による加熱の開始から上記
の所定付与時間eの1/2が経過した時点(すなわち、
所定付与時間eの加熱過程の中心時点)と、その後の最
先の検知温度変動xにおける検出温度Tのピーク時点と
の間の時間を、加熱制御部7の出力情報及び検温制御部
8からの温度変動検知情報に基づき計測し、この計測時
間に変温手段3の各部の応答特性や検温手段5の各部の
応答特性に応じた所定の補正を施した時間を、変温手段
3による温度変動付与の後、最先の温度変動xが検温手
段5により検知されるまでの見掛け遅れ時間t′とす
る。
【0045】9は、この見掛け遅れ時間t′が各温度変
動xの付与から検知に至るまでの真の遅れ時間tに等し
いか否かの判別に基づき、求めるべき正しい流速vを決
定する補正手段であり、この補正手段9は、図3に示す
如く、見掛け遅れ時間t′を各温度変動xについての付
与から検知に至るまでの遅れ時間〔t←t′〕として、
その見掛け遅れ時間t′により加熱部2と温度検出端4
との間の離間距離Lを除する演算形態で演算手段6に候
補流速v′(=L/t′)を求めさせるとともに、加熱
部2の出力pと流速vと温度変動巾ΔTとの相関に基づ
く設定基準に従って、この候補流速v′(=L/t′)
に応じ検知温度変動xの変動巾ΔTに対する閾変動巾Δ
Tbを設定し、検知温度変動xの変動巾ΔT(実際の変
動巾)がその設定閾変動巾ΔTbよりも小さいときに
は、見掛け遅れ時間t′が各温度変動xについての付与
から検知に至るまでの真の遅れ時間tに等しい状況(換
言すれば、付与した温度変動xがその付与後の最先の検
知温度変動となる図2の(イ)に示す状況)にあるとし
て、そのときの候補流速v′を求めるべき正しい流速v
(=v′)とする。
【0046】また、検知温度変動xの変動巾ΔT(実際
の変動巾)がその設定閾変動巾ΔTb以上のときには、
流速vが大きく低下した状態で真の遅れ時間tが上記の
反復時間z以上となって見掛け遅れ時間t′が真の遅れ
時間tよりも小さくなっている状況(換言すれば、温度
変動付与の後、その付与温度変動xよりも前の付与温度
変動xが最先の検知温度変動となる図2の(ロ)に示す
如き状況)にあるとして、上記の見掛け遅れ時間t′に
上記反復時間zを加算した時間(t′+z)を遅れ時間
〔t←t(=t′)+z〕とする第2の候補流速v″
(=L/(t′+z))を演算手段6に求めさせるとと
もに、前記の設定基準に従って、その第2の候補流速
v″に応じ第2の閾変動巾ΔTbbを設定する。
【0047】そして、検知温度変動xの変動巾ΔT(実
際の変動巾)がその第2の設定閾変動巾ΔTbbよりも
小さいときには、見掛け遅れ時間t′が上記の反復時間
z分だけ真の遅れ時間tよりも短い状況(図2の(ロ)
に示す状況)にあるとして、その第2の候補流速v″を
求めるべき正しい流速v(=v″)とし、一方、検知温
度変動xの変動巾ΔT(実際の変動巾)がその第2の設
定閾変動巾ΔTbb以上のときには、見掛け遅れ時間
t′に上記反復時間zの2倍値を加算した時間(t′+
2z)を遅れ時間〔t←t(=t′+z)+z〕とする
第3の候補流速を演算手段6に求めさせるとともに、前
記の設定基準に従って、その第3の候補流速に応じ第3
の閾変動巾を設定する形態で、以降、検知温度変動xの
変動巾ΔT(実際の変動巾)がいずれかの回の設定閾変
動巾よりも小さくなって、その回の候補流速を求めるべ
き流速として決定するまで、上記の如き候補流速の選択
を繰り返す。
【0048】10は補正手段6により上記の如く決定さ
れた流速vを測定流速として出力する出力手段であり、
この出力手段10は、測定流速vの出力とともに、検温
制御部8からの温度変動検知情報に基づき、加熱部2の
加熱停止に対応して温度変動xが非検知となった状態で
温度検出端4により検出される温度T(すなわち、前後
の温度変動xどうしの間で検出される通過液体Wの最低
温度To)を、測定流体温度として出力するものにし、
これにより、この流速測定装置を流速の測定機能と流体
温度の測定機能とを併せ備える装置にしてある。
【0049】〔第2実施形態〕図4は第1実施形態の装
置と同様、変温手段3による付与温度変動xが検温手段
5により検知されるまでの遅れ時間tに基づき通過液体
Wの流速vを求める流速測定装置を示すが、この第2実
施形態の装置では、複数の加熱部2a,2b,2cを液
体通過方向に並べて管1に付設するとともに、これら加
熱部2a,2b,2cの並置群よりも液体通過方向の下
流側で複数の温度検出端4a,4b,4cを同じく液体
通過方向に並べて管1に付設してある。
【0050】11は複数の加熱部2a,2b,2cのう
ち通過液体Wに対して加熱作用させる加熱部を択一的に
選択するとともに、複数の温度検出端4a,4b,4c
のうち通過液体Wに対して温度検出機能させる温度検出
端を択一的に選択する距離変更手段であり、この距離変
更手段11は、演算手段6により求められる測定流速v
が小さくなるほど、加熱作用させる加熱部と温度検出機
能させる温度検出端の組みとして、それらの間の離間距
離Lが短くなる組みを選択する(例えば、加熱部2aと
温度検出端4cとの組から、加熱部2bと温度検出端4
bとの組へ変更し、さらに、加熱部2bと温度検出端4
bとの組から、加熱部2cと温度検出端4aとの組へ変
更する)。
【0051】すなわち、測定流速vが小さくなるほど、
加熱作用させる加熱部と温度検出機能させる温度検出端
との間の離間距離Lを短縮側に変更することで、流速v
の低下に対しては、付与温度変動xの熱拡散や放熱によ
る不明瞭化を抑止し、また、流速vの上昇に対しては、
遅れ時間tの測定誤差が遅れ時間tに対し相対的に大き
くなることを抑止し、これにより、流速vの大きな変化
範囲について高い流速測定精度を維持する。
【0052】加熱制御部7は、距離変更手段11による
選択加熱部2a(2b,2c)を図5に示す如く所定反
復時間zごとに所定付与時間eだけ通過液体Wに加熱作
用させて、通過流体Wに温度変動xを繰り返し付与する
とともに、この繰り返し付与において、選択加熱部2a
(2b,2c)の出力pを変更することにより、付与す
る温度変動xの変動パターンを上記反復時間zよりも大
きい周期kで変化させるとともに、そのパターン変化の
1周期kごと(換言すれば、所定回数の温度変動付与ご
と)に温度変動xの非付与回を設ける。
【0053】12は演算手段6での流速演算に用いる遅
れ時間tを判定する判定手段であり、この判定手段12
は、加熱制御部7の出力情報及び検温制御部8からの温
度変動検知情報に基づき、検知される温度変動xの変動
パターン及び温度変動不存回の存在を判別指標にした状
態で、検温手段5による各回の検知温度変動xが変温手
段3によるいずれの回の付与温度変動に該当しているの
か(すなわち、付与温度変動と検知温度変動との対応関
係)を判別する。
【0054】そして、判定手段12は、時間計測に併行
して上記判別を行うことで、対応する付与温度変動と検
知温度変動とについての付与から検知に至るまでの遅れ
時間tを判定し、これに対し、演算手段6は、距離変更
手段11による選択加熱部2a(2b,2c)と選択温
度検出端4c(4a,4b)との間の離間距離Lを判定
手段12による判定遅れ時間tにより除する演算形態で
流速vを求める。
【0055】10は、第1実施形態と同様、演算手段6
により求められた流速vを測定流速として出力するとと
もに、選択加熱部2a(2b,2c)の加熱停止に対応
して温度変動xが非検知となった状態で選択温度検出端
4c(4a,4b)により検出される温度Tを、測定流
体温度として出力する出力手段である。
【0056】〔その他の実施形態〕前述の各実施形態で
は、液体Wの流速vを測定対象としたが、本発明は液体
の流速測定に限らず気体の流速測定にも適用できる。
【0057】また、前述の各実施形態では、通過流体W
に対し加熱により温度変動xを付与する例を示したが、
冷却により通過流体Wに温度変動xを付与するようにし
てもよい。
【0058】変温手段3の通過流体Wに対する加熱部2
(2a〜2c)又は冷却部には、種々の発熱体や冷熱発
生体を使用でき、また、検温手段5の温度検出端4(4
a〜4c)にも熱電対やサーミスタを初め種々の測温体
を使用できる。
【0059】前述の第1実施形態では、候補流速v′に
応じて閾変動巾ΔTbを設定するようにしたが、これに
代え、所定の閾変動巾ΔTaを固定的に設定しておき、
そして、検出温度変動xの変動巾ΔTがこの所定閾変動
巾ΔTaよりも小さいときには、見掛け遅れ時間t′を
遅れ時間tとし、一方、検出温度変動xの変動巾ΔTが
この所定閾変動巾ΔTa以上のときには、見掛け遅れ時
間t′に温度変動付与の反復時間zを加算した時間
(t′+z)を遅れ時間tとする補正形態を採ってもよ
い。
【0060】通過流体Wに対し所定反復時間zごとに繰
り返して温度変動xを付与することにおいて、付与する
温度変動xの変動パターンを周期的に変化させる場合、
前述の図5に示す如き変化形態に代え、例えば図7に示
す如き変化形態を採用するなど、その変化形態は種々の
変更が可能であり、また、前述の第2実施形態では、付
与する温度変動xの変動パターンを周期的に変化させる
とともに、所定の付与回数ごとに温度変動の非付与回を
設ける例を示したが、図6や図7に示す如く変動パター
ンを周期的に変化させるだけの付与形態や、図8や図9
に示す如く所定の付与回数ごとに温度変動の非付与回を
設けるだけの付与形態を採ってもよい。
【0061】前述の第2実施形態では、測定流速vが小
さくなるほど、変温手段3の通過流体Wに対する加熱
(又は冷却)の位置と検温手段5の通過流体Wに対する
検温位置との間の離間距離Lを短縮側に変更する距離変
更手段11を設ける例を示したが、これに代え、あるい
は、これとの組み合わせで、測定流速vが小さくなるほ
ど温度変動付与の反復時間zを拡大側に変更する周期変
更手段を設けるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態を示す装置構成図
【図2】第1実施形態における温度変動の付与形態及び
検知形態を示す図
【図3】装置動作を示すフローチャート
【図4】第2実施形態を示す装置構成図
【図5】第2実施形態における温度変動の付与形態及び
検知形態を示す図
【図6】その他の実施形態における温度変動の付与形態
及び検知形態を示す図
【図7】その他の実施形態における温度変動の付与形態
及び検知形態を示す図
【図8】その他の実施形態における温度変動の付与形態
及び検知形態を示す図
【図9】その他の実施形態における温度変動の付与形態
及び検知形態を示す図
【符号の説明】
3 変温手段 5 検温手段 6 演算手段 9 補正手段 10 出力手段 11 距離変更手段 12 判定手段 L 離間距離 T 流体温度 ΔT 変動巾 ΔTa 所定閾変動巾 ΔTb 設定変動巾 W 流体 p 変温手段の出力 t 遅れ時間 t′ 見掛け遅れ時間 v 流速 v′ 候補流速 x 温度変動 z 反復時間

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 通過流体に対する加熱又は冷却により通
    過流体の温度を変動させる変温手段と、この変温手段よ
    りも流体通過方向の下流側で通過流体の温度を検出する
    検温手段を設け、 前記変温手段により付与した温度変動が前記検温手段に
    よる温度検出で検知されるまでの遅れ時間、及び、前記
    変温手段による加熱又は冷却の位置と前記検温手段によ
    る検温位置との流体通過方向における離間距離に基づき
    通過流体の流速を求める演算手段を設けてある流速測定
    装置。
  2. 【請求項2】 前記演算手段により求めた流速と、前記
    変温手段による付与温度変動が非検知のときに前記検温
    手段により検出される流体温度とを、測定結果として出
    力する出力手段を設けてある請求項1記載の流速測定装
    置。
  3. 【請求項3】 前記変温手段を、所定出力での加熱又は
    冷却を所定反復時間ごとに繰り返して通過流体に温度変
    動を繰り返し付与する構成にし、 前記検温手段により検知される温度変動の変動巾が所定
    の閾変動巾よりも小さいときには、前記変温手段による
    温度変動付与の後、最先の温度変動が前記検温手段によ
    り検知されるまでの見掛け遅れ時間を前記遅れ時間と
    し、 前記検温手段により検知される温度変動の変動巾が所定
    の閾変動巾以上のときには、前記見掛け遅れ時間に前記
    反復時間を加算した時間を前記遅れ時間とする補正手段
    を設けてある請求項1又は2記載の流速測定装置。
  4. 【請求項4】 前記変温手段を、所定出力での加熱又は
    冷却を所定反復時間ごとに繰り返して通過流体に温度変
    動を繰り返し付与する構成にし、 前記変温手段による温度変動付与の後、最先の温度変動
    が前記検温手段により検知されるまでの見掛け遅れ時間
    を前記遅れ時間として前記演算手段により求められる候
    補流速に応じ、前記検温手段による検知温度変動の変動
    巾に対する閾変動巾を設定し、 前記検温手段により検知される温度変動の変動巾がその
    設定閾変動巾よりも小さいときには、前記見掛け遅れ時
    間を前記遅れ時間とし、 前記検温手段により検知される温度変動の変動巾がその
    設定閾変動巾以上のときには、前記見掛け遅れ時間に前
    記反復時間を加算した時間を前記遅れ時間とする補正手
    段を設けてある請求項1又は2記載の流速測定装置。
  5. 【請求項5】 前記変温手段を、通過流体に対し所定反
    復時間ごとに繰り返して温度変動を付与するとともに、
    この繰り返し付与において、付与する温度変動の変動パ
    ターンを周期的に変化させる、又は、所定の付与回数ご
    とに温度変動の非付与回を設ける構成にし、 前記検温手段により検知される温度変動の変動パターン
    に基づき、又は、前記検温手段により検知される温度変
    動不存回の存在に基づき、前記変温手段による付与温度
    変動と前記検温手段による検知温度変動との対応関係を
    判別して、対応する付与温度変動と検知温度変動とにつ
    いての付与から検知に至るまでの前記遅れ時間を判定す
    る判定手段を設けてある請求項1又は2記載の流速測定
    装置。
  6. 【請求項6】 前記演算手段により求められる測定流速
    が小さくなるほど前記離間距離を短縮側に変更する距離
    変更手段を設けてある請求項1〜5のいずれか1項に記
    載の流速測定装置。
  7. 【請求項7】 前記変温手段を、通過流体に対し所定反
    復時間ごとに繰り返して温度変動を付与する構成にし、 前記演算手段により求められる測定流速が小さくなるほ
    ど前記反復時間を拡大側に変更する周期変更手段を設け
    てある請求項1〜6のいずれか1項に記載の流速測定装
    置。
JP11091033A 1999-03-31 1999-03-31 流速測定装置 Pending JP2000283991A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11091033A JP2000283991A (ja) 1999-03-31 1999-03-31 流速測定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11091033A JP2000283991A (ja) 1999-03-31 1999-03-31 流速測定装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000283991A true JP2000283991A (ja) 2000-10-13

Family

ID=14015212

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11091033A Pending JP2000283991A (ja) 1999-03-31 1999-03-31 流速測定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000283991A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004094962A1 (ja) * 2003-04-24 2004-11-04 Nagano Ken 流速検出方法及び装置
JP2013516622A (ja) * 2010-01-06 2013-05-13 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 流体の流速測定システム

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004094962A1 (ja) * 2003-04-24 2004-11-04 Nagano Ken 流速検出方法及び装置
JP2013516622A (ja) * 2010-01-06 2013-05-13 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 流体の流速測定システム
US9046398B2 (en) 2010-01-06 2015-06-02 Koninklijke Philips N.V. System and method for measuring fluid flow velocity with a heater for generating a thermal marker in response to a time-varying level of power

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100485944B1 (ko) 열식 유체센서, 유체판별장치 및 그 방법, 플로센서, 및유량계측장치 및 그 방법
JP5209232B2 (ja) 熱式流量計
WO2007119313A1 (ja) 熱信号を用いた流速検出方法及び流速検出装置
JP2010091320A (ja) 質量流量計及びマスフローコントローラ
JP4355792B2 (ja) 熱式流量計
US5237866A (en) Flow sensor for measuring high fluid flow rates
JP2019002717A (ja) 流量測定装置
JP2000283991A (ja) 流速測定装置
JP6566062B2 (ja) 流量測定装置
JP2930742B2 (ja) 熱式流量計
JP3640334B2 (ja) 流量計およびガスメータ
JP2019066276A (ja) 流量測定装置
JP2964186B2 (ja) 熱式流量計
JP4037723B2 (ja) 熱式流量計
JPH09318412A (ja) 熱式流速センサ
JP2004184177A (ja) 流量計
JP3192912B2 (ja) 流量計
JP2002277483A (ja) 熱式流速センサ
RU2797135C1 (ru) Способ термоанемометрии газового потока и термоанемометр на его основе
JP3766601B2 (ja) フローセンサ及び流量計測装置
JPH11271120A (ja) 感熱式流速センサ、感熱式流速検出装置
JPH05107094A (ja) 熱式流量計の流量検出方法
JPH04140613A (ja) 熱式流量計
JPH11258020A (ja) 流量計
JPH07174600A (ja) 流速センサ及び流速計測装置

Legal Events

Date Code Title Description
A625 Written request for application examination (by other person)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A625

Effective date: 20060329

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20060510

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090409

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090730