JPH07174600A - 流速センサ及び流速計測装置 - Google Patents

流速センサ及び流速計測装置

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JPH07174600A
JPH07174600A JP5320006A JP32000693A JPH07174600A JP H07174600 A JPH07174600 A JP H07174600A JP 5320006 A JP5320006 A JP 5320006A JP 32000693 A JP32000693 A JP 32000693A JP H07174600 A JPH07174600 A JP H07174600A
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JP
Japan
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flow velocity
heating element
flow
velocity sensor
insulating film
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JP5320006A
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English (en)
Inventor
Norihiko Murata
憲彦 村田
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Ricoh Seiki Co Ltd
Ricoh Elemex Corp
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Seiki Co Ltd
Ricoh Elemex Corp
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 大きな流速レンジにおいて直線性良く正確に
流速を計測する。 【構成】 基板7の上面に堀5を設け、該堀5に電気的
絶縁膜3の橋6を橋架し、この橋6に流路方向の下流側
に発熱体1、上流側に発熱体温度測温体2を隣接して設
置する。電気的絶縁膜3の一部に設置された流体温度測
温体4と発熱体温度測温体2との温度差を一定に保つよ
うに、発熱体1を駆動し、発熱体1の両端電位差から小
流速域での感度が優れ、大流速域で直線性の良い流速信
号を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、流速センサ及び流速計
測装置に関し、より詳細には、発熱体、発熱体温度測温
体、流体温度測温体、及び、前記発熱体及び発熱体温度
測温体が配設された橋を有し、気体流による気体の温度
変化を利用して流量又は流速を計測する測定器に関する
ものであり、ガス流量計や、フローメータとして気体流
速又は流量を計測、或いは空調器・冷却器の流速制御の
流速検知用に使用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】マイクロブリッジ型の流速センサは、低
電力で駆動することができ、高感度に流速の測定ができ
る測定器である。しかし、極微小流量の計測が困難であ
るとか、狭い流量レンジにおいて直線性が保たれない等
の問題点を抱えている。従来、この種の流速センサとし
ては、多くの提案がなされている。例えば、特開昭60
−142268号公報には、図5に示す感熱式流速セン
サが開示されている。
【0003】図5は、従来のマイクロブリッジ型の感熱
式流速センサの一例を説明するための図である。この感
熱式流速センサ20は、シリコン等の半導体の基板を異
方性エッチングにより形成した堀(空洞)25を架橋す
る電気的絶縁膜からなる2本の橋26aと26bを有
し、流れの上流側が橋26a、下流側が橋26bとなっ
ている。2本の橋26aと26bとの間の開口25aを
挾んで発熱体21を配置し、これら橋26a,26bに
は発熱体21の側部にそれぞれ測温体22,23が配置
され、さらに、電気的絶縁膜の堀25の上流側の一部に
気体温度を測定する抵抗24を配設している。
【0004】この感熱式流速センサ20は、抵抗24に
より定められる流体温度よりも一定温度高い温度となる
ように発熱体21が加熱駆動される。気体の流速は、気
体の熱運搬効果を利用して、流路の上流側測温体22と
下流側測温体23との間に生じる温度差から計測され
る。
【0005】図6は、従来のマイクロブリッジ型の感熱
式流速センサの他の例を説明するための図であり、感熱
式流速センサ30には、半導体の基板37に異方性エッ
チングにより堀35が設けられ、堀35上には電気的絶
縁膜33の橋36が架橋されている。橋36上には流路
の上流側に発熱体31が、下流側に発熱体温度測温体3
2が隣接して設置されており、更に上流側の電気的絶縁
膜33上に気体温度測温度体34が設置されている。
【0006】この流速センサ30は、発熱体温度測温体
32に隣接して発熱体31が設けられており、この発熱
体31を流体温度測温体34で計測される流体温度と発
熱体温度測温体32の温度との温度差を一定に保つよう
に駆動する、いわゆる傍熱式の駆動がなされ、発熱体3
1の両端電位差を流速信号として出力している。
【0007】図7は、図6に図示した流速センサの駆動
回路の一例を説明するための回路図で、駆動回路はホイ
ートストン・ブリッジ回路(単にブリッジ回路と呼ぶ)
41を有している。ブリッジ回路41の一辺(図の左
辺)には、固定抵抗R1と、該固定抵抗R1とA点で接続
された温度設定抵抗R3及び流体温度測温体34が、他
辺(図の右辺)には、固定抵抗R2と、該固定抵抗R2
B点で接続された発熱体温度測温体32とが接続されて
いる。
【0008】温度設定抵抗R3にはスイッチSWが並列
接続され、スイッチSWを閉路して可変抵抗VR4を調
整してブリッジバランスをとり、調整後、開路される。
ブリッジ回路41のA,B点は各々差動増幅器42の非
反転入力、反転入力に接続され、差動増幅回路42の出
力はダイオードD、抵抗R5を介してNPNのトランジ
スタ43のベースに入力され、該トランジスタ43のエ
ミッタには、発熱体31が接続される。駆動回路40
は、流速センサ30に気体が流れ、発熱体測温体32が
冷却されるとブリッジ回路41の平衡がくずれる。その
結果、発熱体31に電流が流れて該発熱体31が発熱
し、熱結合により発熱体温度測温体32の抵抗値が増
し、ブリッジ回路41は再びバランスする。この流体セ
ンサ30は、橋36の面積が広く、かつ堀35が深い
程、高感度に流速を計測することが可能になる。
【0009】その他、本発明に係かる熱式流速計とし
て、例えば、特開昭56−18381号公報には、耐熱
・電気絶縁性物質からなる上層部と、該上部層と異なる
電気絶縁性物質からなる下層部とからなる基板を用い、
下層部の一部を除去して空洞を形成し、該空洞上に上層
部による橋を形成し、該橋部に発熱部を設けた熱式流速
計が開示され、特開昭61−274222号公報には、
流量センサとして、流体の流れに対して上流側に流体温
度測温体を、下流側に発熱体、及び該発熱体の温度を測
定する測温体を設け、流体と発熱体との温度差を一定に
するために必要な発熱体への供給電力から、流速をもと
める流量センサが開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】図5に示した従来の感
熱式流速センサ20は、流路の上流側測温体22と下流
側測温体23との間に生じる温度差から流速が計測され
るが、このときの流速特性は上流側測温体22と下流側
測温体23との各々の流速−温度特性により定められ
る。
【0011】図8は、図5の感熱式流速センサの特性を
説明するための図で、感熱式流速センサ20を気体の流
れの中に配置したとき、下流側測温体23には気体流を
介して発熱体21の熱が伝えられる。一方、上流側測温
体22は気体流により熱を奪われ、図8(a)に示すよ
うに、流速の変化に対し、下流側測温体23の温度は曲
線TD、上流側測温体22の温度は曲線TUに従って変化
する。
【0012】従って、下流側測温体23の温度曲線TD
から、上流側温度の曲線TUをひき算して得られた出力
は、図8(b)の曲線VFで示すように大流速域で出力
変化が小さく、直線性が悪くなり、計測可能な流速レン
ジが狭くなる。図9は、図6に示した従来の感熱式流速
センサの流速−出力特性を示す図で、図6に示した感熱
式流速センサ30は、特性曲線VFで示すように、極小
流速域では、出力特性が平坦になり流速計測が不可能と
なるので、極小流速域の計測に限界があることが、本出
願人の実験により確かめられた。この実験によると、図
6に示した従来の感熱式流速センサ30の発熱体31と
発熱体温度測温体32との温度差が、図10の発熱体と
発熱体温度測温体との温度差特性図に示すように、温度
差曲線ΔTVは小流速域では大きく、大流速域では小さ
くなっていることによるものであることが判明した。
【0013】この現象は、小流速域においては、発熱体
31から発熱体温度測温体32に伝わる熱の効果が、発
熱体温度測温体32が気体流により奪われる熱の効果よ
りも大きく、大流速域においては、これらの熱移動の効
果が逆転することによる、と考えられている。また、特
に大流速域における出力のバラツキが比較的大きいこと
から、気体の流れが不安定である可能性もある。感熱式
流速センサは微小な半導体の基板からなる微小なチップ
であり、多くはセラミック等の支持基板の先端に固着さ
れて流速計測装置として使用される。図11は、従来の
流速計測装置であり、流速計測装置50の感熱式流速セ
ンサ52は、図11(a)に示すように、短冊状の支持
基板51の上流側端面51aから内側の位置に、流れ方
向と流路軸とが一致するように、固着されている。
【0014】しかし、図11(a)に示す従来の流速計
測装置50では、図11(b)に示すように、気体流は
上流側端面51aにより乱されて渦流となり、境界層を
乱すため感熱式流速センサ52の上面近傍の気体流は不
安定になるので、出力される流速信号も不安定となる。
また、前記公知の熱式流速計や流量センサには、本発明
が解決しようとする流速−出力の特性の改善に関しての
開示はなされていない。
【0015】本発明は、これらの点を鑑みてなされたも
ので、流速レンジにおいて直線性良く、正確に流速を測
定することを可能にする手段を有する感熱式流速センサ
を提供することを第1の目的とし、更には、感熱式流速
センサ上を通る気体流を整流する手段を有する流速計測
装置を提供することを第2の目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、(1)上面に電気的絶縁膜を有する基板
上面に設けられた堀と、前記電気的絶縁膜により形成さ
れ、前記堀を架橋する橋と、該橋上に配設された発熱体
及び発熱体測温体と、前記電気的絶縁膜上の一部に設け
られ流体の流れ方向に対し前記堀の上流側に設置された
流体温度測温体とを有し、前記橋上に配設された前記発
熱体測温体と発熱体との配置を、流路の上流側が発熱体
温度測温体、下流側が発熱体とした感熱式流速センサ
と、前記発熱体を傍熱駆動し前記流体温度測温体と発熱
体との温度差を一定に保つ駆動手段とからなり、前記発
熱体の両端電位差又は消費電力から流速を測定するこ
と、或いは、(2)上面に電気的絶縁膜を有する基板上
面に設けられた堀と、前記電気的絶縁膜により形成さ
れ、前記堀を架橋する橋と、該橋上に設置された発熱体
及び発熱体温度測温体と、前記電気的絶縁膜上の一部に
設けられ流体の流れ方向に対し前記堀の上流側に設置さ
れた流体温度測温体とを有し、前記基板の厚さを0.5
mm以下にした感熱式流速センサの流速センサと、該流
速センサを支持固着する支持基板とからなり、前記流速
センサを前記支持基板の上流側端面から、流路の上流側
に突出させて固着したこと、或いは、(3)上面に電気
的絶縁膜を有する基板上面に設けられた堀と、前記電気
的絶縁膜により形成され、前記堀を架橋する橋と、該橋
上に設置された発熱体及び発熱体温度測温体と、前記電
気的絶縁膜上の一部に設けられ流体の流れ方向に対し前
記堀の上流側に設置された流体温度測温体とを有し、前
記基板の厚さを0.5mm以下にした感熱式流速センサ
の流速センサと、該流速センサを支持固着する支持基板
の上流側端部がエッジ状である支持基板とから成り、前
記流速センサを該流速センサの流入側端部と前記支持基
板の上流側端部のエッジとを略一致させて固着したこと
を特徴とするものである。
【0017】
【作用】絶縁膜を有する半導体等の基板上面に設けられ
た堀上に架橋された絶縁膜による橋に、流路の下流側に
発熱体を、上流側に発熱体測温体を隣接して設置し、更
に、絶縁膜の一部に流体温度測温体を設置した感熱式流
速センサを、流体温度測温体と発熱体温度測温体との温
度差を一定に保つように発熱体を傍熱式に駆動すること
により、小流速域での発熱体と発熱体温度測温体との温
度差が大流速域での温度差よりも大きくなるという現像
をなくして、極小流速域まで流速の計測を可能とし、更
に、大流速域の直線性を改善する。また、感熱式流速セ
ンサの流速センサチップを支持基板に固着した流速計測
装置において、流速センサチップの上面の流れの中に渦
流がないように整流して、特に大流速での流れの不安定
による流速信号の乱れを防ぐ。
【0018】
【実施例】
[実施例1](請求項1および請求項2に対応) 図1は、本発明に係る感熱式流速センサの一実施例を説
明するための平面図で、図中、1は発熱体、2は発熱体
温度測温体、3は電気的絶縁膜(単に絶縁膜と呼ぶ)、
4は流体温度測温体、5は堀(空洞)、6は橋、7は基
板、10は感熱式流速センサである。
【0019】感熱式流速センサ10は、シリコン等から
なる半導体の基板7上に異方性のエッチングを施して形
成された堀5と、基板7上に製膜した絶縁膜3によって
堀5をまたぐ橋6を形成して、該橋6上に、矢印方向に
気体が流れるとして、上流側に発熱体温度測温体2を、
下流側に発熱体1を隣接させて設置し、絶縁膜3上の堀
上流側に流体温度測温体4を設置したものである。
【0020】発熱体1が駆動されて発生する熱は、上流
側の発熱体温度測温体2に伝達されるが、熱伝達媒体は
絶縁膜および気体であるから、熱応答を速くするために
は、発熱体1と発熱体温度測温体2との距離を小さくす
ることが好ましい。
【0021】感熱式速度センサ10を図7に示した駆動
回路により、傍熱式に駆動すると、図6に示した発熱体
1を上流側、発熱体温度測温体2を下流側に設置した従
来例とは異なり、気体流が生じた場合、気体流による発
熱体温度測温体2への熱運搬効果がなくなり、発熱体温
度測温体2から熱を持ち去られる効果のみ生じる。従っ
て、発熱体温度測温体2の温度が下がるため、発熱体1
及び発熱体温度測温体2の温度を上げるように回路の制
御が働く。そして、発熱体1の両端電位差または消費電
力を流速信号として出力する。
【0022】図2は、図1に示した感熱式流速センサの
駆動方式の違いによる発熱体と発熱体測温体との流速−
温度差特性を示す図であり、曲線C1は感熱式流速セン
サ10を発熱体1と流体温度測温体4との温度差が一定
となるように発熱体1を駆動するいわゆる直熱式で駆動
したときの流速−温度差曲線であり、流速の平方根に比
例している。
【0023】曲線C2は、感熱式流速センサ10を流体
温度測温体4と発熱体温度測温体2との温度差が一定と
なるように発熱体1を駆動するいわゆる傍熱式で駆動し
たときの流速−温度差特性で、傍熱式で駆動すると、流
速が大きくなるに従い、発熱体1と流体との温度の差が
大きくなるため、発熱体1と発熱体温度測温体2(流体
と一定の温度差を保つ)の温度差は曲線C2のようにな
る。直熱駆動方式の場合の温度差の曲線C1と傍熱式の
場合の温度差の曲線C2と比較すると、大流速域では曲
線C1よりも曲線C2の方が温度差が大きくなる傾向にあ
る。即ち、傍熱駆動時には、直熱駆動時よりも流速に対
する出力の変化が直線的に増加すると共に、より広い流
速レンジでの流速計測が可能となる。
【0024】更に、図10に示した、従来の流速センサ
(図6)による発熱体31が発熱体温度測温体32の上
流に配置されたときの発熱体31と発熱体温度測温体3
2との温度差曲線△TVと、図2に示した、本発明によ
る流速センサ(図1)による発熱体1が発熱体温度測温
体2の下流に配置されたときの温度差曲線C2を比較す
ると、本発明による流速センサは、極小流速域で温度差
が大きくなる現象を防ぐことができ、極小流速域まで流
速−出力の比例関係が保持される。
【0025】図3は、本発明による流速測定装置の一実
施例を説明するための図で、図3(a)に示すように、
本実施例においては、流速センサ10は支持基板11の
上流側端面11aから流路の上流側に突出して固着され
ている。この結果、図3(b)に示すように、支持基板
11の上流側端面11aに当接した気体流Lに含まれる
渦流が、支持基板11の下方に流れて流速センサ10の
上面に流れることがないので、境界層および流速センサ
10上面を流れる気体流を安定化することができる。特
に、大流速域で流れの乱れがなく、安定するので、流速
特性の直線性を改善することができる。
【0026】[実施例3](請求項3に対応) 図4は、本発明による流速側定装置の他の実施例を説明
するための図で、図3に示した支持基板の上流側端面の
断面形状が流れ方向に鋭角なエッジとなるように、上流
側端面から下流側に向けて傾斜面11bに形成され、流
速センサ10は、流速センサ10の上流側端部が支持基
板11の上流側端部と略一致するように支持基板11上
面に固着されている。
【0027】而して、この実施例によると、支持基板1
1の上流側端面をエッジ状としたので、気体の流れLが
整流されて流速センサチップ10の上部面に気体の乱れ
が発生することはなく、実施例2の場合と同様に、流速
特性の直線性が改善され、安定した流速の計測が可能と
なる。
【0028】[具体例]次に、本発明による流速センサ
及び流速計測装置の具体例について、図1と参照して説
明する。まず、Si基板7上にTa25の絶縁膜3を膜
厚1μm(マイクロメータ)で製膜して、幅200μ
m,長さ1000μmの橋6を形成し、Si基板7をエッチ
ングして深さ200μm以上の堀5を形成し、該橋6上
に流路の上流側にPt薄膜よりなる発熱体温度測温体
2、下流側にPt薄膜よりなる発熱体1を、膜厚1600Å
で5μmの間隔で設置した3mm角のマイクロブリッジ
型の感熱式流速センサ(フローセンサ)10を作製し
た。
【0029】上述のようにして作成した感熱式流速セン
サ10を、図7に示したような傍熱方式の回路により間
欠駆動し、流体温度測温体4と発熱体温度測温体2との
温度差を40℃に設定して、流速−出力特性をとった。
その結果、大流速域まで出力が直線的に増加し、かつ極
微小流速域まで計測することが可能となった。
【0030】また、感熱式流速センサ10の流速センサ
を、図3のように、セラミックの支持基板11の上流側
端面11aに対し突出させた時、或いは、図4のよう
に、セラミックの支持基板11の上流側端面をエッジ状
にした時には、全体的に出力のバラツキが従来より減少
していることが確認された。
【0031】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、下記の効果がある。 請求項1に対応する効果:感熱式流速センサを、基板上
面に設けられた堀上に橋架された電気的絶縁膜の橋に、
流路の下流側に発熱体を、上流側に発熱体測温体を互い
に隣接して設置したので、極小流速域での流速も計測で
きるようになり、更に、基板の電気的絶縁体の一部に設
置された流体温度測温体と発熱体温度測温体の温度差を
一定に保つ傍熱方式で発熱体を駆動するようにしたの
で、大流量域での感度が高く、しかも直線性が改善され
たので、流速の測定レンジが広くなり、直線性の優れた
流速センサを提供することができる。 請求項2に対応する効果:流速センサを支持基板の上流
側端面から流路の上流側に吐出して固着したので、流速
センサには支持基板上流側端面から発生した渦流が流れ
ることなく、層性も乱されることがないので、安定した
流速信号が得られる。特に大流速域で安定した流速の計
測ができる。 請求項3に対応する効果:支持基板の上流側端面をエッ
ジ状としてエッジ端と流速センサの端部を略一致するよ
うに固着したので流体の乱れがなく、請求項2と同様の
効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る感熱式流速センサの一実施例を
説明するための平面図である。
【図2】 図1に示した感熱式流速センサの駆動方式の
違いによる発熱体と発熱体測温体との流速−温度差特性
を示す図である。
【図3】 本発明による流速測定装置の一実施例を説明
するための図である。
【図4】 本発明による流速測定装置の他の実施例を説
明するための図である。
【図5】 従来のマイクロブリッジ型の感熱式流速セン
サの一例を説明するための図である。
【図6】 従来のマイクロブリッジ型の感熱式流速セン
サの他の例を説明するための図である。
【図7】 図6に図示した感熱式流速センサを傍熱方式
に駆動する駆動回路の一例を説明するための回路図であ
る。
【図8】 図5のに示した従来の流速センサの特性を説
明するための図である。
【図9】 図6に示した従来の感熱式流速センサの流速
−出力特性を示す図である。
【図10】 図6に示した従来の感熱式流速センサの流
速に対する発熱体と発熱体温度測温体との温度差を示す
図である。
【図11】 従来の感熱式流速計測装置の一例を説明す
るための図である。
【符号の説明】
1…発熱体、2…発熱体温度測温体、3…電気的絶縁
膜、4…流体温度測温体、5…堀(空洞)、6…橋、7
…基板、10…感熱式流速センサ、11…支持基板。
フロントページの続き (72)発明者 村田 憲彦 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上面に電気的絶縁膜を有する基板上面に
    設けられた堀と、前記電気的絶縁膜により形成され、前
    記堀を架橋する橋と、該橋上に配設された発熱体及び発
    熱体測温体と、前記電気的絶縁膜上の一部に設けられ流
    体の流れ方向に対し前記堀の上流側に設置された流体温
    度測温体とを有し、前記橋上に配設された前記発熱体測
    温体と発熱体との配置を、流路の上流側が発熱体温度測
    温体、下流側が発熱体とした感熱式流速センサと、前記
    発熱体を傍熱駆動し前記流体温度測温体と発熱体との温
    度差を一定に保つ駆動手段とからなり、前記発熱体の両
    端電位差又は消費電力から流速を測定することを特徴と
    する流速センサ。
  2. 【請求項2】 上面に電気的絶縁膜を有する基板上面に
    設けられた堀と、前記電気的絶縁膜により形成され、前
    記堀を架橋する橋と、該橋上に設置された発熱体及び発
    熱体温度測温体と、前記電気的絶縁膜上の一部に設けら
    れ流体の流れ方向に対し前記堀の上流側に設置された流
    体温度測温体とを有し、前記基板の厚さを0.5mm以
    下にした感熱式流速センサの流速センサと、該流速セン
    サを支持固着する支持基板とからなり、前記流速センサ
    を前記支持基板の上流側端面から、流路の上流側に突出
    させて固着したことを特徴とする流速計測装置。
  3. 【請求項3】 上面に電気的絶縁膜を有する基板上面に
    設けられた堀と、前記電気的絶縁膜により形成され、前
    記堀を架橋する橋と、該橋上に設置された発熱体及び発
    熱体温度測温体と、前記電気的絶縁膜上の一部に設けら
    れ流体の流れ方向に対し前記堀の上流側に設置された流
    体温度測温体とを有し、前記基板の厚さを0.5mm以
    下にした感熱式流速センサの流速センサと、該流速セン
    サを支持固着する支持基板の上流側端部がエッジ状であ
    る支持基板とから成り、前記流速センサを該流速センサ
    の流入側端部と前記支持基板の上流側端部のエッジとを
    略一致させて固着したことを特徴とする流速計測装置。
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