JPH093318A - 液晶ポリマーとポリフェニレンエーテル及びナイロンからなる分子複合材及びその製造方法 - Google Patents
液晶ポリマーとポリフェニレンエーテル及びナイロンからなる分子複合材及びその製造方法Info
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- JPH093318A JPH093318A JP7178098A JP17809895A JPH093318A JP H093318 A JPH093318 A JP H093318A JP 7178098 A JP7178098 A JP 7178098A JP 17809895 A JP17809895 A JP 17809895A JP H093318 A JPH093318 A JP H093318A
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Abstract
なる優れた物性を有する分子複合材を提供する。 【構成】 ポリアゾメチンからなる液晶ポリマーと、マ
トリックスポリマーとからなる分子複合材であり、前記
マトリックスポリマーはポリフェニレンエーテルとナイ
ロンとからなるポリマーアロイである。
Description
ックスポリマーとからなる分子複合材及びそれを製造す
る方法に関する。
ステルやポリアゾメチン等の液晶ポリマーは優れた機械
的物性を示すが、その特性を十分に発揮させるために
は、十分な配向をさせる必要がある。ポリアゾメチンの
詳細は、米国特許4,048,148 号に開示されている。しか
しながら、成形時の配向は成形体の異方性を生じさせる
ため、液晶ポリマーの使用可能な用途には制限があっ
た。さらに、液晶性ポリマー単体では脆く、靱性に劣
り、また吸水性が大きく、劣化しやすい等の欠点があっ
た。
ブレンドすることにより、優れたポリマーアロイを得よ
うとする研究が行われてきた。例えば、特開平3-51118
号は、ポリアゾメチンの前駆体をマトリックス重合体の
前駆体中に溶解し、ポリアゾメチンの前駆体を反応させ
て現場でポリアゾメチンの重合体を生成し、次いでマト
リックス重合体の前駆体の重合を行うことにより得られ
る複合材を開示している。しかしながら、液晶ポリマー
とポリアミドとでは、十分な分散性が得られず、物性の
良い材料が得られなかった。その原因の一つとして、液
晶ポリマーとポリアミドとの相溶性の悪いことが挙げら
れる。
塑性樹脂と液晶ポリマーを液晶転移温度以上で延伸しな
がら押出した棒状物を一定の長さに切断したあと、液晶
転移温度以下で押出し成形する方法を開示している。特
開平2−53860号は、液晶ポリマーの変形が生じな
い温度でマトリックスと液晶ポリマーとを混練した後、
液晶溶融開始温度からそれより40℃低い温度までの範
囲で熱処理する方法を開示している。しかし、これらの
方法で製造された複合材の強度、特に曲げ強度がまだ十
分ではない。
ーを含有し優れた物性を有する分子複合材を提供するこ
とである。
果、本発明者等は、液晶ポリマーと特定のマトリックス
ポリマーとを混練することにより、優れた物性を示す分
子複合材が得られることを発見し、本発明に想到した。
リマーとマトリックスポリマーとからなり、前記液晶ポ
リマーはポリアゾメチンであり、前記マトリックスポリ
マーはポリフェニレンエーテルとナイロンとからなるポ
リマーアロイであることを特徴とする。
の方法は、前記液晶ポリマーと前記マトリックスポリマ
ーとを、両者のうちの高い方の融点以上でかつ低い方の
分解温度未満の温度で加熱混練することを特徴とする。
リマーとからなる。
リマーであり、特にポリアゾメチン又はそのコポリマー
である。ポリアゾメチンの一例として下記の一般式:
ン基又はビフェニレン基を表わし、nは整数を表わ
す。)により表されるものが挙げられ、またポリアゾメ
チンのコポリマーの一例として下記の一般式:
無置換のフェニレン基又はビフェニレン基を表わし、
x、yは整数を表わす。)により表されるものが挙げら
れる。
マーのいずれの場合も、フェニレン基又はビフェニレン
基に付加する置換基としてアルキル基(好ましくは炭素
数1〜5)、アルコキシル基(好ましくは炭素数1〜
5)、水酸基、ハロゲン基等が挙げられる。
のものが挙げられる。
て、以下のものが挙げられる:
マーの平均分子量は3,000 〜100,000 であり、粘度(30
℃、0.5 g/dl、硫酸中)は0.5 〜2.5 である。ポリ
アゾメチン又はそのコポリマーの平均分子量は3,000 未
満では強度不足となり、100,000 を越えると溶融粘度が
高くなり、成形性が落ちる。
香族ジアミンと芳香族ジアルデヒドとを重合又は共重合
することにより生成される。好ましい芳香族ジアミンは
置換又は無置換のp−フェニレンジアミンであり、好ま
しい芳香族ジアルデヒドは置換又は無置換のテレフタル
アルデヒド等である。置換フェニレンジアミンの一例と
して、p−トルイレンジアミン、2-クロロパラフェニレ
ンジアミン等が挙げられる。ポリアゾメチン又はそのコ
ポリマーの製造方法は、例えば米国特許4,048,148 号等
に記載されているが、その一例として、以下の方法が挙
げられる。
ロリドンを炭酸リチウムとともに三つ口フラスコに入
れ、攪拌後、テレフタルアルデヒドを加え、0.5 〜6時
間攪拌する。攪拌が十分に行えるように、途中N−メチ
ル−2−ピロリドンを適量加えるのが好ましい。その後
p−アミノアセトアニリドを加え、さらに16〜48時間攪
拌し、反応させる。反応完了後、水及びメタノールで数
回洗浄し、約80℃で真空乾燥して、ポリアゾメチンを
得る。
ンエーテルとナイロンとからなるポリマーアロイであ
り、好ましくはポリフェニレンエーテルを5〜95重量%
と、ナイロンを95〜5重量%とからなるポリマーアロイ
である。ポリフェニレンエーテル及びナイロン以外にグ
ラスファイバー等を含有してもよい。本発明に使用する
マトリックスポリマーとしては市販品として入手できる
ものを使用することができる。その一例として、ノリル
(日本ジーイープラスチック(株)製)、ユピエース
(三菱ガス化学株式会社製)、レマロイシリーズ(三菱
油化株式会社製)、住友SPAアートリー(住友化学工
業株式会社製)等が挙げられる。これらのマトリックス
ポリマーは単独で使用しても併用してもよい。これらの
マトリックスポリマーは分子複合材成形体の異方性を減
少させ、機械的強度に優れた分子複合材を与えることが
できる。
トリックスポリマーとを溶融混練する。液晶ポリマーと
マトリックスポリマーとの重量比は10:90〜90:
10であるのが好ましく、特に30:70〜85:15
であるのが好ましい。液晶ポリマーとマトリックスポリ
マーとの重量比が10:90未満では、補強効果が現れ
ず、また重量比が90:10を越えると、複合材が脆く
なるので好ましくない。
を用いることができる。混練温度は液晶ポリマー及びマ
トリックスポリマーの種類によって異なり、両者のうち
の高い方の融点以上でかつ低い方の分解温度未満の温度
とすることが必要である。一般には、混練温度を230 〜
320 ℃とするのが好ましく、260 〜300 ℃とするのがよ
り好ましい。混練温度が230 ℃未満であると、液晶ポリ
マーとマトリックスポリマーとが相溶せず、また混練温
度が320 ℃を越えると、ポリマーの分解が始まる。
クスポリマーの種類によって異なるが、0.5 〜60分間が
好ましく、5〜60分間がより好ましい。加熱混練時間が
0.5分未満では、混練が十分ではなく、また混練時間が6
0分を越えると、液晶ポリマー中の二重結合が少なくな
り、液晶性がなくなる。
説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明の範囲
内で種々の変更を加えることができる。
リックスポリマーとを溶融混合することにより分子複合
材を製造しているので、得られた分子複合材は著しく高
い機械的強度を有する。
明する。なお、実施例では以下の合成例より合成したポ
リアゾメチンを用いた。
メチル−2−ピロリドンを炭酸リチウムとともに三つ口
フラスコに入れた。攪拌後、67.0gのテレフタルアルデ
ヒドを加え、3時間攪拌した。このとき攪拌が十分に行
えるように、途中N−メチル−2−ピロリドンを適量加
えた。その後p−アミノアセトアニリドを1.0 g加え、
さらに20時間攪拌し、反応させた。反応後生成物を濾過
収集した後、水とメタノールで数回洗浄し、80℃で真空
乾燥し、収量107.3 gのオレンジ色の粉末を得た。この
生成物を真空中で230 ℃、2時間熱処理を行い、ポリア
ゾメチンを得た。この生成物の30℃、硫酸中での相対粘
度は1.9 であった。
する二軸混練機のチャンバーに合成例で得たポリアゾメ
チンとノリルGTX6006 (日本ジーイープラスチック
(株)製)とを7:3の重量比で入れ、溶融混練した。
30分後回転を停止させ、混練した樹脂組成物を取り出
し、小型簡易射出成形機によって50mm×15mm×2.5
mmのテストピースを射出成形した。この平板の3点曲
げ試験を行い、曲げ強度及び曲げ弾性率を測定した。結
果を表1に示す。
する二軸混練機のチャンバーに合成例で得たポリアゾメ
チンとノリルGTX6006 (日本ジーイープラスチック
(株)製)とを3:7の重量比で入れ、溶融混練した。
15分後回転を停止させ、混練した樹脂組成物を取り出
し、小型簡易射出成形機によって50mm×15mm×2.5
mmのテストピースを射出成形した。この平板の3点曲
げ試験を行い、曲げ強度及び曲げ弾性率を測定した。結
果を表1に示す。
アゾメチン、ノリルGTX6006 単独の3点曲げ試験結果を
まとめて図1に示す。図1から分かるように、ポリアゾ
メチンとポリフェニレンエーテル/ナイロンアロイの両
者からなる分子複合材の曲げ強度が高くなっており、複
合による相乗効果が見られた。
する二軸混練機のチャンバーに合成例で得たポリアゾメ
チンとノリルGTX6008 (日本ジーイープラスチック
(株)製)とを7:3の重量比で入れ、溶融混練した。
25分後回転を停止させ、混練した樹脂組成物を取り出
し、小型簡易射出成形機によって50mm×15mm×2.5
mmのテストピースを射出成形した。この平板の3点曲
げ試験を行い、曲げ強度及び曲げ弾性率を測定した。結
果を表1に示す。
する二軸混練機のチャンバーに合成例で得たポリアゾメ
チンとノリルGTX6008 (日本ジーイープラスチック
(株)製)とを3:7の重量比で入れ、溶融混練した。
15分後回転を停止させ、混練した樹脂組成物を取り出
し、小型簡易射出成形機によって50mm×15mm×2.5
mmのテストピースを射出成形した。この平板の3点曲
げ試験を行い、曲げ強度及び曲げ弾性率を測定した。結
果を表1に示す。
アゾメチン、ノリルGTX6008 単独の3点曲げ試験結果を
まとめて図2に示す。図2から分かるように、ポリアゾ
メチンとポリフェニレンエーテル/ナイロンアロイの両
者からなる分子複合材の曲げ強度が高くなっており、複
合による相乗効果が見られた。
晶ポリマーと特定のマトリックスポリマーとを溶融混練
することにより分子複合材を得るので、液晶ポリマーと
マトリックスポリマーとが良好に分散している。このよ
うな本発明の分子複合材は、良好な機械的強度、耐熱性
及び耐溶媒性等の諸特性を有するために、自動車部品、
航空部品、宇宙機器等に幅広く利用することができる。
性率及び曲げ強度の測定結果を示すグラフである。
性率及び曲げ強度の測定結果を示すグラフである。
リマーとマトリックスポリマーとからなり、前記液晶ポ
リマーはポリアゾメチン又はそのコポリマーであり、前
記マトリックスポリマーはポリフェニレンエーテルとナ
イロンとからなるポリマーアロイであることを特徴とす
る。
マーの平均分子量は3,000〜100,000であ
り、対数粘度(30℃、0.5g/dl、硫酸中)は
0.5〜2.5dl/gである。ポリアゾメチン又はそ
のコポリマーの平均分子量が3,000未満では強度不
足となり、また100,000を越えると溶融粘度が高
くなって成形性が低下する。
のN−メチル−2−ピロリドンを炭酸リチウムとともに
三つ口フラスコに入れた。撹拌後、67.0gのテレフ
タルアルデヒドを加え、3時間撹拌した。このとき撹拌
が十分に行えるように、途中N−メチル−2−ピロリド
ンを適量加えた。その後p−アミノアセトアニリドを
1.0g加え、さらに20時間撹拌し、反応させた。反
応後生成物を濾過収集した後、水とメタノールで数回洗
浄し、80℃で真空乾燥し、収量107.3gのオレン
ジ色の粉末を得た。この生成物を真空中で230℃、2
時間熱処理を行い、ポリアゾメチンを得た。この生成物
の30℃、硫酸中での対数粘度は1.9dl/gであっ
た。
回転する二軸混練機のチャンバーに、合成例で得たポリ
アゾメチンとポリフェニレンエーテル/ナイロンのポリ
マーアロイ(ノリルGTX6006、日本ジーイープラ
スチック(株)製)とを3:7の重量比で入れ、溶融混
練した。30分後回転を停止させ、混練した樹脂組成物
を取り出し、小型簡易射出成形機によって50mm×1
5mm×2.5mmの平板状のテストピースを射出成形
した。このテストピースの3点曲げ試験を行い、曲げ強
度及び曲げ弾性率を測定した。結果を表1に示す。
回転する二軸混練機のチャンバーに、合成例で得たポリ
アゾメチンとノリルGTX6006とを7:3の重量比
で入れ、溶融混練した。15分後回転を停止させ、混練
した樹脂組成物を取り出し、小型簡易射出成形機によっ
て50mm×15mm×2.5mmの平板状のテストピ
ースを射出成形した。このテストピースの3点曲げ試験
を行い、曲げ強度及び曲げ弾性率を測定した。結果を表
1に示す。
回転する二軸混練機のチャンバーに、合成例で得たポリ
アゾメチンとポリフェニレンエーテル/ナイロンのポリ
マーアロイ(ノリルGTX6008、日本ジーイープラ
スチック(株)製)とを3:7の重量比で入れ、溶融混
練した。25分後回転を停止させ、混練した樹脂組成物
を取り出し、小型簡易射出成形機によって50mm×1
5mm×2.5mmの平板状のテストピースを射出成形
した。このテストピースの3点曲げ試験を行い、曲げ強
度及び曲げ弾性率を測定した。結果を表1に示す。
回転する二軸混練機のチャンバーに、合成例で得たポリ
アゾメチンとノリルGTX6008とを7:3の重量比
で入れ、溶融混練した。15分後回転を停止させ、混練
した樹脂組成物を取り出し、小型簡易射出成形機によっ
て50mm×15mm×2.5mmのテストピースを射
出成形した。このテストピースの3点曲げ試験を行い、
曲げ強度及び曲げ弾性率を測定した。結果を表1に示
す。
Claims (4)
- 【請求項1】 液晶ポリマーとマトリックスポリマーと
からなり、前記液晶ポリマーはポリアゾメチンであり、
前記マトリックスポリマーはポリフェニレンエーテルと
ナイロンとからなるポリマーアロイであることを特徴と
する分子複合材。 - 【請求項2】 請求項1に記載の分子複合材において、
前記液晶ポリマーの含有量は10〜90重量%であり、前記
マトリックスポリマーの含有量は90〜10重量%であるこ
とを特徴とする分子複合材。 - 【請求項3】 請求項1又は2に記載の分子複合材にお
いて、前記分子複合材は前記液晶ポリマーと前記マトリ
ックスポリマーとを、両者のうちの高い方の融点以上で
かつ低い方の分解温度未満の温度で加熱混練することに
より得られることを特徴とする分子複合材。 - 【請求項4】 請求項1又は2に記載の分子複合材を製
造する方法において、前記液晶ポリマーと前記マトリッ
クスポリマーとを、両者のうちの高い方の融点以上でか
つ低い方の分解温度未満の温度で加熱混練することを特
徴とする方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7178098A JPH093318A (ja) | 1995-06-21 | 1995-06-21 | 液晶ポリマーとポリフェニレンエーテル及びナイロンからなる分子複合材及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7178098A JPH093318A (ja) | 1995-06-21 | 1995-06-21 | 液晶ポリマーとポリフェニレンエーテル及びナイロンからなる分子複合材及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH093318A true JPH093318A (ja) | 1997-01-07 |
Family
ID=16042612
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7178098A Pending JPH093318A (ja) | 1995-06-21 | 1995-06-21 | 液晶ポリマーとポリフェニレンエーテル及びナイロンからなる分子複合材及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH093318A (ja) |
-
1995
- 1995-06-21 JP JP7178098A patent/JPH093318A/ja active Pending
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Effective date: 20070529 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20071030 |