JPH0967504A - 液晶性ポリマー及びポリアミドからなる分子複合材及びその製造方法 - Google Patents

液晶性ポリマー及びポリアミドからなる分子複合材及びその製造方法

Info

Publication number
JPH0967504A
JPH0967504A JP12102696A JP12102696A JPH0967504A JP H0967504 A JPH0967504 A JP H0967504A JP 12102696 A JP12102696 A JP 12102696A JP 12102696 A JP12102696 A JP 12102696A JP H0967504 A JPH0967504 A JP H0967504A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
composite material
polyamide
molecular composite
liquid crystalline
crystalline polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP12102696A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsuya Hattori
達哉 服部
Kazuhiro Kagawa
和宏 加川
Masaru Iguchi
勝 井口
Keizo Matsumoto
敬三 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP12102696A priority Critical patent/JPH0967504A/ja
Publication of JPH0967504A publication Critical patent/JPH0967504A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
  • Polyamides (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Phenolic Resins Or Amino Resins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶性ポリマーとポリアミドとからなる優れ
た物性を有する分子複合材を提供する。 【解決手段】 液晶性ポリマーとポリアミドとからなる
分子複合材であり、前記液晶性ポリマーはポリアゾメチ
ンであり、前記ポリアミドは脂肪族ポリアミド、芳香族
ポリアミド及び半芳香族ポリアミドの1種又は2種以上
であり、前記分子複合材は物理的特性に優れ、特に帯電
半減期が前記ポリアミドの帯電半減期より短いことを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶性ポリマーとポリ
アミドとからなる分子複合材及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ポリエ
ステルやポリアゾメチン等の液晶性ポリマーは優れた機
械的物性を示すが、その特性を十分に発揮させるために
は、十分な配向をさせる必要がある。ポリアゾメチンの
詳細は、米国特許4,048,148 号に開示されている。しか
しながら、成形時の配向は成形体の異方性を生じさせる
ため、液晶性ポリマーの使用可能な用途には制限があっ
た。さらに液晶性ポリマー単体では脆くて靱性に劣り、
また吸水性が大きく、劣化しやすい等の欠点があった。
【0003】そこでポリアゾメチンとポリアミドとをブ
レンドすることにより、優れたポリマーアロイを得よう
とする研究が行われてきた。例えば特開平3-51118 号
は、ポリアゾメチンの前駆体をマトリックス重合体の前
駆体中に溶解し、ポリアゾメチンの前駆体を反応させて
現場でポリアゾメチンの重合体を生成し、次いでマトリ
ックス重合体の前駆体の重合を行うことにより得られる
複合材を開示している。しかしながら、液晶性ポリマー
とポリアミドとでは、十分な分散性が得られず、物性の
良い複合材料が得られなかった。その原因の一つとし
て、液晶性ポリマーとポリアミドとの相溶性の悪いこと
が挙げられる。
【0004】一方、特開平1-320128号は、熱可塑性樹脂
と液晶性ポリマーを液晶転移温度以上で延伸しながら押
出した棒状物を一定の長さに切断した後、液晶転移温度
以下で押出し成形する方法を開示している。特開平2-53
860 号は、液晶性ポリマーの変形が生じない温度でマト
リックスと液晶性ポリマーとを混練した後、液晶溶融開
始温度からそれより40℃低い温度までの範囲で熱処理す
る方法を開示している。また、特開平6-207083は、液晶
ポリエステルに黒鉛、又は黒鉛とフルオロカーボン系界
面活性剤を特定量配合し、さらに必要に応じてタルクを
配合してなる液晶ポリエステル樹脂組成物を開示してい
る。しかし、これらの方法で製造された複合材の強度、
特に曲げ強度はまだ十分ではなかった。
【0005】従って、本発明の目的は、液晶性ポリマー
とポリアミドとからなり、優れた物性(特に機械的強度
及び短い帯電半減期)を有する分子複合材及びその製造
方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者等は、液晶性ポリマーと特定のポリア
ミドとを所定の条件で混練することにより、優れた物性
を示す分子複合材が得られることを発見し、本発明に想
到した。
【0007】すなわち、本発明の分子複合材は、液晶性
ポリマーとポリアミドとからなり、前記液晶性ポリマー
はポリアゾメチンであり、前記ポリアミドは脂肪族ポリ
アミド、芳香族ポリアミド及び半芳香族ポリアミドの1
種又は2種以上であることを特徴とする。この分子複合
材は前記ポリアミドより物理的特性に優れており、特に
短い帯電半減期を有することを特徴とし、帯電半減期は
100 秒以下であり、より好ましくは70秒以下である。
【0008】また、上記分子複合材を製造する本発明の
方法は、前記液晶性ポリマーと前記ポリアミドとを、両
者のうちの高い方の融点以上でかつ低い方の分解温度未
満の温度で、0.5 〜60分間混練することを特徴とする。
【0009】以下本発明を詳細に説明する。 [1] 分子複合材 本発明の分子複合材は、液晶性ポリマーと、ポリアミド
とからなる。
【0010】(1) 液晶性ポリマー 本発明に用いる液晶性ポリマーはサーモトロピック液晶
性ポリマーであり、特にポリアゾメチン又はそのコポリ
マーである。ポリアゾメチンの一例として下記の一般
式:
【化1】 (ただし、Ar1 、Ar2 は置換又は無置換のフェニレ
ン基又はビフェニレン基を表わし、nは整数を表わ
す。)により表されるものが挙げられる。
【0011】またポリアゾメチンのコポリマーの一例と
して下記の一般式:
【化2】 (ただし、Ar1 、Ar2 、Ar3 、Ar4 は置換又は
無置換のフェニレン基又はビフェニレン基を表わし、
x、yは整数を表わす。)により表されるものが挙げら
れる。
【0012】上記ポリアゾメチンのポリマー及びコポリ
マーのいずれの場合も、フェニレン基又はビフェニレン
基に付加する置換基としてアルキル基(好ましくは炭素
数1〜5)、アルコキシル基(好ましくは炭素数1〜
5)、水酸基、ハロゲン基等が挙げられる。
【0013】上記ポリアゾメチンの具体例として、以下
のものが挙げられる。
【化3】 (ただし、nは整数を表わす。)
【0014】またポリアゾメチンのコポリマーとして、
以下のものが挙げられる。
【化4】 (ただし、x、yは整数を表わす。)
【0015】好ましいポリアゾメチン又はそのコポリマ
ーの平均分子量は3,000 〜100,000であり、対数粘度(3
0℃、0.5 g/dlの硫酸中で測定)は0.5 〜2.5 dl
/gである。ポリアゾメチン又はそのコポリマーの平均
分子量は3,000 未満では強度不足となり、100,000 を越
えると溶融粘度が高くなり、成形性が低下する。
【0016】ポリアゾメチン又はそのコポリマーは、芳
香族ジアミンと芳香族ジアルデヒドとを重合又は共重合
することにより生成される。好ましい芳香族ジアミンは
置換又は無置換のp−フェニレンジアミンであり、好ま
しい芳香族ジアルデヒドは置換又は無置換のテレフタル
アルデヒド等である。置換フェニレンジアミンの一例と
して、p-トルイレンジアミン、2-クロロパラフェニレン
ジアミン等が挙げられる。
【0017】ポリアゾメチンは公知の方法、例えば米国
特許4,048,148 号等に開示されている方法で製造するこ
とができる。その一例として、以下の方法が挙げられ
る。
【0018】芳香族ジアミンとN-メチル-2- ピロリドン
を炭酸リチウムとともに三つ口フラスコに入れ、攪拌
後、テレフタルアルデヒドを加え、0.5 〜6時間攪拌す
る。攪拌が十分に行えるように、途中N-メチル-2- ピロ
リドンを適量加えるのが好ましい。その後、p-アミノア
セトアニリドを加え、さらに16〜48時間攪拌し、反応さ
せる。反応完了後、水及びメタノールで数回洗浄し、約
80℃で真空乾燥して、ポリアゾメチンを得る。
【0019】(2) ポリアミド 本発明に使用するポリアミドは、脂肪族、芳香族又は半
芳香族のいずれかのポリアミド又はコポリアミド等であ
る。好ましいポリアミドは脂肪族ナイロン、芳香族ナイ
ロン又は半芳香族ナイロンのいずれかである。その一例
として一般式:
【化5】 (ただし、mは1〜12の整数である。)により表される
構造単位からなる脂肪族ポリアミドを挙げることができ
る。このような脂肪族ポリアミドとして特に好ましいの
は、ナイロン6である。これらのポリアミドは分子複合
材成形体の異方性を減少させ、機械的強度に優れた分子
複合材を与えることができる。
【0020】本発明では、市販のナイロンを使用するこ
とができ、中でも特に工業用ナイロンが好ましい。この
ような工業用ナイロンとして、宇部興産(株)製の1018
I ナイロン6、1022B ナイロン6等、三菱瓦斯化学
(株)製のMXナイロン(半芳香族ナイロン)等、ある
いはアルドリッチ社製のナイロン6等が挙げられる。ポ
リアミドの平均分子量は特に限定されないが、例えば5,
000 〜100,000 であるのが好ましい。ポリアミドの分子
量が5,000 未満では分子複合材の強度が低下し、100,00
0 を越えると溶融粘度が高くなり、成形性が低下する。
なお脂肪族ポリアミド、芳香族ポリアミド及び半芳香族
ポリアミドは単独で使用しても併用してもよい。
【0021】[2] 分子複合材の製造方法 本発明の分子複合材の製造方法では、液晶性ポリマーと
ポリアミドとを均一の温度で混練する。液晶性ポリマー
とポリアミドとの重量比は10:90〜90:10であるのが好
ましく、特に30:70〜85:15であるのが好ましい。液晶
性ポリマーが10重量%未満では補強効果が現れず、また
液晶性ポリマーが90重量%を超えると複合材が脆くなる
ので好ましくない。
【0022】混練機として、二軸混練機、単軸混練機等
を用いることができる。混練温度は液晶性ポリマー及び
ポリアミドの種類によって異なり、両者のうちの最も高
い融点以上でかつ両者のうちの最も低い分解温度未満の
温度とすることが必要である。一般には、混練温度を25
0 〜320 ℃とするのが好ましく、260 〜290 ℃とするの
がより好ましい。混練温度が250 ℃未満であると、液晶
性ポリマーとポリアミドとが相溶せず、また混練温度が
320 ℃を超えると、ポリマーの分解が始まる。
【0023】加熱混練時間は液晶性ポリマー及びポリア
ミドの種類によって異なるが、0.5〜60分間が好まし
く、5〜60分間がより好ましい。加熱混練時間が0.5 分
未満では混練が十分ではなく、また混練時間が60分を超
えると液晶性ポリマー中の二重結合が少なくなり、液晶
性がなくなる。
【0024】液晶性ポリマー及びポリアミドの分散性及
び混練状態を向上させるために、添加剤を加えてもよ
い。添加剤としてはアミノカプロン酸、アジピン酸等が
適している。
【0025】本発明の分子複合材の構成として、液晶性
ポリマーとしてポリアゾメチンを使用し、ポリアミドと
してナイロンを使用した具体例を説明したが、本発明は
これに限定されず、本発明の範囲内で種々の変更を加え
ることができる。
【0026】
【作 用】本発明によれば、ポリアゾメチンと、脂肪族
ポリアミド、芳香族ポリアミド又は半芳香族ポリアミド
とを、両者のうちの高い方の融点以上でかつ低い方の分
解温度未満の温度で0.5 〜60分間混練することにより、
ポリアゾメチンが十分にポリアミドに分散した分子複合
材を得ることができる。得られた分子複合材は優れた機
械的強度及び短い帯電半減期を有する。
【0027】
【実施例】本発明を以下の具体的実施例により詳細に説
明する。なお実施例では以下の合成例より合成したポリ
アゾメチンを用いた。
【0028】合成例1 97.5gの塩酸p-トルイレンジアミンと375 mlのN-メチ
ル-2- ピロリドンを炭酸リチウムとともに三つ口フラス
コに入れた。攪拌後、67.0gのテレフタルアルデヒドを
加え、3時間攪拌した。このとき、攪拌が十分に行える
ように、途中N-メチル-2- ピロリドンを適量加えた。そ
の後p-アミノアセトアニリドを1.0 g加え、さらに20時
間攪拌し、反応させた。反応後生成物を濾過収集した
後、水とメタノールで数回洗浄し、80℃で真空乾燥し、
収量107.3 gのオレンジ色の粉末を得た。この生成物を
真空中で230 ℃、2時間熱処理を行い、ポリアゾメチン
を得た。この生成物の30℃、硫酸中での対数粘度数は1.
9 dl/gであった。
【0029】実施例1 270 ℃に加熱した50rpm で回転する二軸ラボプラストミ
ルのチャンバーに、合成例1で得たポリアゾメチンとナ
イロン6(1022B 、宇部興産(株)製)とを7:3の重
量比で入れ、溶融混練した。22分後回転を停止させ、混
練した樹脂組成物を取り出し、小型簡易射出成形機によ
って50mm×15mm×2.5 mmの平板状の試験片に射出成形し
た。この試験片の3点曲げ試験を行い、曲げ強度及び曲
げ弾性率を測定した。結果を表1に示す。
【0030】実施例2 270 ℃に加熱した50rpm で回転する二軸ラボプラストミ
ルのチャンバーに、合成例1で得たポリアゾメチンとナ
イロン6(1022B 、宇部興産(株)製)とを3:7の重
量比で入れ、溶融混練した。10分後回転を停止させ、混
練した樹脂組成物を取り出し、小型簡易射出成形機によ
って50mm×15mm×2.5 mmの試験片に射出成形した。この
平板の3点曲げ試験を行い、曲げ強度及び曲げ弾性率を
測定した。結果を表1に示す。
【0031】実施例1及び2の3点曲げ試験結果に加え
て、ポリアゾメチン及びナイロン6(1022B )単独から
なる試験片の3点曲げ試験結果も図1に示す。図1から
分かるように、ポリアゾメチン、ナイロン6(1022B )
単独よりも、両者からなる分子複合材の方が曲げ強度が
高く、複合化による相乗効果が認められた。
【0032】実施例3 270 ℃に加熱した50rpm で回転する二軸ラボプラストミ
ルのチャンバーに、合成例1で得たポリアゾメチンとナ
イロン6(1018I 、宇部興産(株)製)とを7:3の重
量比で入れ、溶融混練した。25分後回転を停止させ、混
練した樹脂組成物を取り出し、小型簡易射出成形機によ
って50mm×15mm×2.5 mmの試験片に射出成形した。この
試験片の3点曲げ試験を行い、曲げ強度及び曲げ弾性率
を測定した。結果を表1に示す。
【0033】実施例4 270 ℃に加熱した50rpm で回転する二軸ラボプラストミ
ルのチャンバーに、合成例1で得たポリアゾメチンとナ
イロン6(1018I 、宇部興産(株)製)とを3:7で重
量比で入れ、溶融混練した。20分後回転を停止させ、混
練した樹脂組成物を取り出し、小型簡易射出成形機によ
って50mm×15mm×2.5 mmの試験片に射出成形した。この
試験片の3点曲げ試験を行い、曲げ強度及び曲げ弾性率
を測定した。結果を表1に示す。
【0034】実施例3及び4の3点曲げ試験結果に加え
て、ポリアゾメチン及びナイロン6(1018I )単独の3
点曲げ試験結果を図2に示す。図2から分かるように、
ポリアゾメチン、ナイロン6(1018I )単独よりも、両
者からなる分子複合材の方が、曲げ強度が高くなってお
り、複合化による相乗効果が見られた。
【0035】実施例5 270 ℃に加熱した50rpm で回転する二軸ラボプラストミ
ルのチャンバーに、合成例1で得たポリアゾメチンと、
下記分子構造式:
【化6】 を有する半芳香族ナイロンであるMXナイロン(三菱瓦
斯化学(株)製)とを7:3の重量比で入れ、溶融混練
した。混練30分後回転を停止させ、混練した樹脂組成物
を取り出し、小型簡易射出成形機によって50mm×15mm×
2.5 mmの試験片に射出成形した。この試験片の3点曲げ
試験を行い、曲げ強度及び曲げ弾性率を測定した。結果
を表1に示す。
【0036】実施例6 270 ℃に加熱した50rpm で回転する二軸ラボプラストミ
ルのチャンバーに、合成例1で得たポリアゾメチンと半
芳香族ナイロンであるMXナイロン(三菱瓦斯化学
(株)製)とを3:7で重量比で入れ、溶融混練した。
20分後回転を停止させ、混練した樹脂組成物を取り出
し、小型簡易射出成形機によって50mm×15mm×2.5 mmの
試験片に射出成形した。この試験片の3点曲げ試験を行
い、曲げ強度及び曲げ弾性率を測定した。結果を表1に
示す。
【0037】実施例7 合成例1で得たポリアゾメチンと、ナイロン6ペレット
(アルドリッチ社製のナイロン6の100 重量%当たりア
ミノカプロン酸(ナカライテスク社製)0.107重量%が
配合。)とを7:3の重量比でドライブレンドした。ド
ライブレンドを行った後、270 ℃に加熱した80rpm で回
転する二軸連続押出し機((株)栗本鉄鋼所製)を用
い、ダイス径を6mmに設定して、溶融混練した。得られ
たペレットを小型簡易射出成形機によって50mm×15mm×
2.5 mmの試験片に射出成形した。この試験片の3点曲げ
試験を行い、曲げ強度及び曲げ弾性率を測定した。結果
を表1に示す。
【0038】 表1 曲げ試験結果 例No. 曲げ強度 (kgf/mm2 ) 曲げ弾性率 (kgf/mm2 ) 実施例1 15.4 1059.0 実施例2 13.6 514.5 実施例3 12.3 779.0 実施例4 5.6 198.0 実施例5 13.6 1074.0 実施例6 9.0 450.0 実施例7 15.4 1059.0
【0039】実施例8 実施例7と同じ条件で作製した試験片を用いて、以下の
電気的特性及び比重を測定した。測定結果を表2に示
す。またナイロン6(1013B (宇部興産(株)製))及
びナイロン66(2020B (宇部興産(株)製))につい
ても電気的特性及び比重値を表2に示す。
【0040】体積抵抗率(Ωcm):レジスタンスメー
ター(横河ヒューレットパッカード(株)製)を用い
て、JIS C2125 により、23℃、R.H.50%及び直流電圧50
0Vの条件で1分間充電後の抵抗を測定した。
【0041】表面抵抗率(Ω):レジスタンスメータ
ー(横河ヒューレットパッカード(株)製)を用いて、
JIS C2151 により、23℃、R.H.50%及び直流電圧500Vの
条件で1分間充電後の抵抗を測定した。
【0042】誘電率:TR-100型誘電体損測定器(安藤
電気(株)製)を用いて、ASTM D150により、23℃、R.
H.50%及び試験周波数1KHzの条件で測定した。
【0043】誘電正接:TR-100型誘電体損測定器(安
藤電気(株)製)を用いて、ASTM D150 により、23℃、
R.H.50%及び試験周波数1KHzの条件で測定した。
【0044】帯電半減期(秒):スタチックオネスト
メーター法により、スタチックオネストメーター(宍戸
商会(株)製)を用いて、23℃、R.H.50%、荷電圧10K
V及び荷電時間1分の条件で測定した。
【0045】比重:水中置換法により、23℃及びR.H.
50%の条件で40時間放置後に測定した。
【0046】 表2 電気的特性及び比重の測定結果 特性 実施例7 ナイロン6 ナイロン66 体積抵抗率(Ωcm) 7.6×1015 1×1015 1×1015 表面抵抗率(Ω) 5.8×1015 − − 誘電率 3.5 3.8 3.8 誘電正接 0.0171 0.02 0.02 帯電半減期(秒) 50 660 3711 比重 1.189 1.14 1.14
【0047】表2から、ナイロン6(1013B )及びナイ
ロン66(2020B )単独よりも、本発明の分子複合材の
方が著しく帯電半減期が短くなっていることが分かる。
【0048】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、液
晶性ポリマーと特定のポリアミドとを溶融混練すること
により、液晶性ポリマーとポリアミドとが良好に分散
し、もって高い機械的強度及び短い帯電半減期を有する
分子複合材を得ることができる。本発明の分子複合材
は、良好な機械的強度、耐熱性及び耐溶媒性等の諸特性
を有するために、自動車部品、航空部品、宇宙機器等に
幅広く利用することができる。また本発明の分子複合材
は、従来の高分子材料と比較して著しく帯電半減期が短
いために、電子材料、電子部品、OA機器等への応用も
期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1及び2で得られた分子複合材、並びに
各成分単独の場合の曲げ弾性率及び曲げ強度の測定結果
を示すグラフである。
【図2】実施例3及び4で得られた分子複合材、並びに
各成分単独の場合の曲げ弾性率及び曲げ強度の測定結果
を示すグラフである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年6月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】すなわち、本発明の分子複合材は、液晶性
ポリマーとポリアミドとからなり、前記液晶性ポリマー
はポリアゾメチン又はそのコポリマーであり、前記ポリ
アミドは脂肪族ポリアミド、芳香族ポリアミド及び半芳
香族ポリアミドの1種又は2種以上であることを特徴と
する。この分子複合材は前記ポリアミドより物理的特性
に優れており、特に短い帯電半減期を有することを特徴
とし、帯電半減期は100秒以下であり、より好ましく
は70秒以下である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】本発明では、市販のナイロンを使用するこ
とができ、中でも特に工業用ナイロンが好ましい。この
ような工業用ナイロンとして、宇部興産(株)製の10
18Iナイロン6、1022Bナイロン6等、三菱瓦斯
化学(株)製のMXナイロン(半芳香族ナイロン)等が
挙げられる。ポリアミドの平均分子量は特に限定されな
いが、例えば5,000〜100,000であるのが好
ましい。ポリアミドの分子量が5,000末満では分子
複合材の強度が低下し、100,000を越えると溶融
粘度が高くなり、成形性が低下する。なお脂肪族ポリア
ミド、芳香族ポリアミド及び半芳香族ポリアミドは単独
で使用しても併用してもよい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 敬三 埼玉県和光市中央一丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液晶性ポリマーとポリアミドとからなる
    分子複合材において、前記液晶性ポリマーはポリアゾメ
    チンであり、前記ポリアミドは脂肪族ポリアミド、芳香
    族ポリアミド及び半芳香族ポリアミドの1種又は2種以
    上であることを特徴とする分子複合材。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の分子複合材において、
    前記ポリアミドはナイロンであることを特徴とする分子
    複合材。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の分子複合材にお
    いて、前記液晶性ポリマーの含有量は10〜90重量%であ
    り、前記ポリアミドの含有量は90〜10重量%であること
    を特徴とする分子複合材。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の分子複
    合材において、前記分子複合材の帯電半減期が前記ポリ
    アミドの帯電半減期より短いことを特徴とする分子複合
    材。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の分子複合材において、
    前記分子複合材の帯電半減期が100 秒以下であることを
    特徴とする分子複合材。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の分子複
    合材において、前記分子複合材は前記液晶性ポリマーと
    前記ポリアミドとを、両者のうちの高い方の融点以上で
    かつ低い方の分解温度未満の温度で、0.5 〜60分間混練
    することによって得られることを特徴とする分子複合
    材。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5のいずれかに記載の分子複
    合材を製造する方法において、前記液晶性ポリマーと前
    記ポリアミドとを、両者のうちの高い方の融点以上でか
    つ低い方の分解温度未満の温度で、0.5 〜60分間混練す
    ることを特徴とする方法。
JP12102696A 1995-06-21 1996-04-18 液晶性ポリマー及びポリアミドからなる分子複合材及びその製造方法 Pending JPH0967504A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12102696A JPH0967504A (ja) 1995-06-21 1996-04-18 液晶性ポリマー及びポリアミドからなる分子複合材及びその製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17811995 1995-06-21
JP7-178119 1995-06-21
JP12102696A JPH0967504A (ja) 1995-06-21 1996-04-18 液晶性ポリマー及びポリアミドからなる分子複合材及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0967504A true JPH0967504A (ja) 1997-03-11

Family

ID=26458495

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12102696A Pending JPH0967504A (ja) 1995-06-21 1996-04-18 液晶性ポリマー及びポリアミドからなる分子複合材及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0967504A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2614431B2 (ja) カルボキシル化フェニレンエーテル樹脂の製造法
JPH05202288A (ja) 熱可塑性成形材料およびその製造法
JPS61126170A (ja) ポリアミド樹脂組成物
JP3538268B2 (ja) 液晶性ポリマー及び熱可塑性ポリマーからなる分子複合材及びその製造方法
JP3487034B2 (ja) Pbt樹脂成形材料
JPH0967504A (ja) 液晶性ポリマー及びポリアミドからなる分子複合材及びその製造方法
JP3456501B2 (ja) ポリアミド樹脂組成物
JPS6164751A (ja) ナイロン樹脂組成物
EP0119150B1 (en) High performance rubber-polyester blends
JPH08508530A (ja) 高耐衝撃性ポリエステル組成物
JPH0967507A (ja) ポリアゾメチンとポリカーボネートからなる樹脂複合材及びその製造方法
EP0750016B1 (en) Molecular composite material composed of polyazomethine and thermoplastic polymer and method for producing same
JPH09302199A (ja) 液晶性ポリアゾメチンとポリカーボネート及びポリアリレートからなる分子複合材及びその製造方法
JPH0967446A (ja) 液晶性ポリマー及び熱可塑性ポリマーからなる分子複合材の連続製造方法
JPH093304A (ja) 液晶ポリマーとナイロン及びabs樹脂からなる分子複合材及びその製造方法
JPH093318A (ja) 液晶ポリマーとポリフェニレンエーテル及びナイロンからなる分子複合材及びその製造方法
JPH093300A (ja) 液晶ポリマー及びabs樹脂からなる分子複合材及びその製造方法
KR102514169B1 (ko) 하이퍼브랜치 고분자를 포함하는 유동성 개질제 및 이를 포함하여 유동성이 향상된 고분자 조성물
JPH0967510A (ja) 液晶ポリマー及びポリエステルからなる分子複合材及びその製造方法
JP2873403B2 (ja) ポリフェニレンエーテル樹脂組成物
EP0807666B1 (en) Composite material of liquid crystal polyazomethine or copolyazomethine
JPH07258465A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP3257888B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JPH06340810A (ja) 高耐衝撃性ポリ(アリーレンサルファイド)樹脂組成物
JPS587426A (ja) 補強された高分子組成物の製造方法