JPH09331609A - ガス絶縁開閉装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 機器全体の寸法を大きくすることなく、ガス
絶縁開閉装置と電力ケーブルとの接続作業時の機器解体
範囲を小さくしたガス絶縁開閉装置を提供する。 【解決手段】 絶縁性ガスを封入したタンク１の内部
に、遮断器２、変流器４、線路用断路器５、線路用接地
開閉器６を収納して、受電開閉器ユニット７を構成す
る。タンク１には３個の口出し部８〜１０を同一側面に
設け、これらの口出し部と反対側面に口出し部１１を設
ける。隣接する口出し部８と口出し部９には、それぞれ
母線用断路器１２、１３を接続配置し、口出し部１０に
は避雷器１４を接続配置し、口出し部１１にはケーブル
接続部１５を接続配置する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はガス絶縁開閉装置に
関する。

【０００２】

【従来の技術】変電所の高信頼度化やコンパクト化の要
請に対応するため、従来の気中絶縁方式の開閉設備に代
わって、ガス絶縁開閉装置が多用されるようになってき
ている。図３は二重母線構成のガス絶縁開閉装置の線路
回線の回路図を示すもので、主母線ＢＵＳ１，ＢＵＳ２
にはそれぞれ母線用断路器ＤＳ１，ＤＳ２が接続され、
それらが遮断器ＣＢの一端に接続され、この遮断器ＣＢ
の他端には変流器ＣＴ、線路用断路器ＤＳ３、線路用接
地開閉器ＥＳ、避雷器ＬＡおよび計器用変圧器ＰＴが接
続されて、ケーブルヘッドＣＨに至る。

【０００３】図３の回路図に基づいて構成した従来のガ
ス絶縁開閉装置の正面断面図を図４に、その上面図を図
５に示す。これらの図において、絶縁性ガスを封入した
タンク３１内に、遮断器３２と変流器導体３３に嵌装さ
れた変流器３４とを収納したＣＢユニット３５を、遮断
器３２の操作機構３６の上に設置し、遮断器３２と変流
器導体３３とは、それぞれの軸線がタンク３１の軸線と
平行で、かつ該軸線と直角な方向に並べて配置し、タン
ク３１には２個の口出し部３７，３８を同一側面に設
け、またこれらの口出し部３７，３８と反対側面に口出
し部３９を設けている。

【０００４】ここで遮断器３２の一端と接続された導体
４０は、口出し部３７，３８から導出され、主母線と一
体となった母線用断路器４１，４２と接続されている。
また遮断器３２の他端は、変流器導体３３を介して、口
出し部３９から導出され、線路用断路器４３、線路用接
地開閉器４４およびケーブル接続部４５を一つのタンク
４６に収納したＣＨユニット４７と接続されている。こ
のＣＨユニット４７には、ＣＢユニット３５と反対側面
に避雷器４８を接続し、さらにこの避雷器４８の上部に
計器用変圧器４９を接続配置している。また、遮断器操
作機構３６と母線用断路器４１，４２の操作機構５０，
５１は、母線用断路器４１，４２側に操作面があり、線
路用断路器４３の操作機構５２と線路用接地開閉器４４
の操作機構５３は、ケーブル接続部４５側に操作面があ
る。母線用断路器４１，４２の下部には、制御盤５４が
設置されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記従来のガス絶縁開
閉装置においては、線路用断路器４３、線路用接地開閉
器４４およびケーブル接続部４５を一つのタンク４６内
に収納しているため、タンク数が少なく、経済的であ
り、縮小化も図られている。しかし、ガス絶縁開閉装置
と電力ケーブルを接続する際には、現地にてケーブル接
続部４５が取り付けられた底板の上部の機器を取り外す
必要があるため、この構成のガス絶縁開閉装置では、線
路用断路器４３および線路用接地開閉器４４を含むＣＨ
ユニット４７と、避雷器４８そして計器用変圧器４９を
全て解体する必要があり、現地での作業に多大な時間と
費用を要していた。本発明の目的は、機器全体の寸法を
大きくすることなく、ガス絶縁開閉装置と電力ケーブル
との接続作業時の機器解体範囲を小さくしたガス絶縁開
閉装置を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明のガス絶縁開閉装
置は、絶縁性ガスを封入したタンク内に遮断器、変流器
導体に嵌装された変流器、線路用断路器および線路用接
地開閉器を収納し、この遮断器と変流器導体はそれぞれ
の軸線がタンクの軸線と平行で、かつ該軸線と直角な方
向に並べて配置し、線路用断路器は変流器とほぼ同軸上
に配置し、線路用接地開閉器は遮断器とほぼ同軸上で線
路用断路器と並べて配置して構成される。

【０００７】このタンクには第１から第３までの３個の
口出し部を同一側面に設けるとともに、その反対側面に
第４の口出し部を設け、これらの口出し部のうちの隣接
する第１および第２の２個の口出し部にはそれぞれ母線
用断路器を接続配置し、第３の口出し部には避雷器を接
続配置し、第４の口出し部にはケーブル接続部を接続配
置し、遮断器はその一端が２個の母線用断路器と接続さ
れるとともに、その他端が変流器導体を介して線路用断
路器の一端と接続され、この線路用断路器の他端は２つ
に分岐して、その一方が線路用接地開閉器の一端を介し
て避雷器と接続されるとともに、他方がケーブル接続部
と接続されている。

【０００８】この場合、遮断器、２個の母線用断路器、
線路用断路器および線路用接地開閉器のそれぞれの操作
機構は、母線用断路器近傍に配置されており、それら操
作機構の操作面を地面と垂直なほぼ同一の平面上に配置
してもよい。また、第１から第４の口出し部を絶縁スペ
ーサによりガス区画してもよい。さらに、ケーブル接続
部には、遮断器と反対側面に計器用変圧器を接続配置
し、その下部に制御盤を設置してもよい。

【０００９】上記のように構成された本発明のガス絶縁
開閉装置においては、遮断器、変流器、線路用断路器、
線路用接地開閉器を一つのタンク内に収納し、母線用断
路器と同一側面に避雷器を設置することにより、ガス絶
縁開閉装置全体の寸法を大きくすることなく、ケーブル
接続部を単独のタンク内に収納することができる。これ
により、ガス絶縁開閉装置と電力ケーブルとの接続時の
解体範囲は、ケーブル接続部と計器用変圧器のみでよ
く、この接続に要する時間と費用を大幅に節減すること
ができる。また、遮断器、２個の母線用断路器、線路用
断路器および線路用接地開閉器のそれぞれの操作機構の
操作面をほぼ同一平面上に配置することにより、機器の
操作および点検性が向上する。

【００１０】さらに、絶縁スペーサにより各タンクをガ
ス区画することにより、母線側機器と線路側機器がガス
区画されるとともに、避雷器、ケーブル接続部が単独ガ
ス区画となるため、万一の内部故障時にも母線側と線路
側間で故障が波及することなく、また保護機器である避
雷器が過電流により破壊した場合も他の機器への影響が
なく、ケーブル接続作業時にもケーブル接続部以外の機
器の絶縁ガスを抜く必要がなくなるというように、信頼
性に優れたガス絶縁開閉装置となる。また、計器用変圧
器を設置する場合には、ケーブル接続部を挟んで遮断器
と反対側面に計器用変圧器を配置し、その下部に制御盤
を設置することにより、ガス絶縁開閉装置全体の寸法が
大きくなることを抑えることができる。

【００１１】

【発明の実施の形態】図１は図３の回路図に基づいて構
成した本発明のガス絶縁開閉装置の一実施の形態を示す
正面断面図であり、図２は図１の上面図である。以下、
これらの図に基づいて説明する。絶縁性ガスを封入した
タンク１の内部に、遮断器２と、変流器導体３に嵌装さ
れた変流器４と、線路用断路器５と、線路用接地開閉器
６とを収納して、受電開閉器ユニット７が構成される。
ここで、タンク１はその軸線を鉛直方向に一致させた状
態で配置され、遮断器２と変流器導体３とは、それぞれ
の軸線がタンク１の軸線と平行であり、かつタンク１の
軸線と直角な方向に並べて配置される。また、変流器４
とほぼ同軸上に線路用断路器５を配置し、遮断器２とほ
ぼ同軸上でかつ線路用断路器５と並べて線路用接地開閉
器６を配置する。

【００１２】タンク１には３個の口出し部８〜１０を同
一側面に設け、これらの口出し部８〜１０と反対側面に
口出し部１１を設ける。隣接する口出し部８，９には、
それぞれ母線用断路器１２，１３を接続配置し、口出し
部１０には避雷器１４を接続配置し、口出し部１１には
ケーブル接続部１５を接続配置する。遮断器２の一端は
導体１６により母線用断路器１２，１３と接続され、遮
断器２の他端は変流器導体３を介して線路用断路器５の
一端と接続され、線路用断路器５の他端は２つに分岐し
て、その一方が導体１７により線路用接地開閉器６の一
端を介して避雷器１４と接続され、他方が導体１８によ
りケーブル接続部１５と接続される。

【００１３】遮断器２の操作機構１９、母線用断路器１
２，１３の操作機構２０，２１、線路用断路器５の操作
機構２２および線路用接地開閉器６の操作機構２３は、
母線用断路器１２，１３の端部近傍に配置されており、
それら操作機構１９〜２３の操作面を地面と垂直なほぼ
同一平面上に配置する。口出し部８〜１１は、絶縁スペ
ーサ２４〜２７により口出し部８〜１１でのガスの流通
がないようにガス区画される。ケーブル接続部１５に
は、遮断器２と反対側面に計器用変圧器２８を接続配置
し、その下部に制御盤２９を設置する。

【００１４】上記本発明のガス絶縁開閉装置において
は、遮断器２、変流器４、線路用断路器５および線路用
接地開閉器６を一つのタンク１内に収納し、母線用断路
器１２，１３と同一側面に避雷器１４を設置するので、
ガス絶縁開閉装置全体の寸法を大きくすることなく、ケ
ーブル接続部１５は単独のタンク内に収納される。これ
により、ガス絶縁開閉装置と電力ケーブルとの接続時の
解体範囲は、ケーブル接続部１５と計器用変圧器２８の
みでよく、この接続に要する時間と費用を大幅に節減す
ることができる。また、遮断器２、２個の母線用断路器
１２，１３、線路用断路器５および線路用接地開閉器６
のそれぞれの操作機構１９〜２３の操作面がほぼ同一平
面上に配置されるので、機器の操作および点検性が向上
する。

【００１５】さらに、絶縁スペーサ２４〜２７により各
タンクがガス区画されることにより、母線側機器と線路
側機器がガス区画されるとともに、避雷器１４、ケーブ
ル接続部１５が単独ガス区画となるため、万一の内部故
障時にも母線側と線路側間で故障が波及することなく、
また保護機器である避雷器１４が過電流により破壊した
場合も他の機器への影響がなく、ケーブル接続作業時に
もケーブル接続部１５以外の機器の絶縁ガスを抜く必要
がなくなるというように、信頼性に優れたガス絶縁開閉
装置となる。また、計器用変圧器２８は、ケーブル接続
部１５を挟んで遮断器２と反対側面に配置され、その下
部にガス絶縁開閉装置の制御盤２８が設置されるので、
ガス絶縁開閉装置全体の寸法が大きくなることを抑える
ことができる。

【００１６】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、機器全体
の寸法を大きくすることなく、ガス絶縁開閉装置と電力
ケーブルとの接続作業時に、ガス絶縁開閉装置の機器解
体範囲を小さくすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるガス絶縁開閉装置の一実施の形態
を示す正面断面図である。

【図２】図１の上面図である。

【図３】二重母線構成のガス絶縁開閉装置の線路回線の
回路図である。

【図４】従来のガス絶縁開閉装置の正面断面図である。

【図５】図４の上面図である。

【符号の説明】

１ タンク ２ 遮断器 ３ 変流器導体 ４ 変流器 ５ 線路用断路器 ６ 線路用接地開閉器 ７ 受電開閉器ユニット １２，１３ 母線用断路器 １４ 避雷器 １５ ケーブル接続部 １９ 遮断器操作機構 ２０，２１ 母線用断路器操作機構 ２２ 線路用断路器操作機構 ２３ 線路用接地開閉器操作機構 ２４，２５，２６，２７ 絶縁スペーサ ２８ 計器用変圧器 ２９ 制御盤

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 絶縁性ガスを封入したタンク内に遮断
   器、変流器導体に嵌装された変流器、線路用断路器およ
   び線路用接地開閉器を収納し、前記遮断器と前記変流器
   導体はそれぞれの軸線が前記タンクの軸線と平行で、か
   つ該軸線と直角な方向に並べて配置し、前記線路用断路
   器は前記変流器とほぼ同軸上に配置し、前記線路用接地
   開閉器は前記遮断器とほぼ同軸上で前記線路用断路器と
   並べて配置し、前記タンクには第１から第３までの３個
   の口出し部を同一側面に設けるとともに、その反対側面
   に第４の口出し部を設け、これらの口出し部のうちの隣
   接する第１および第２の２個の口出し部にはそれぞれ母
   線用断路器を接続配置し、第３の口出し部には避雷器を
   接続配置し、第４の口出し部にはケーブル接続部を接続
   配置し、前記遮断器はその一端が前記２個の母線用断路
   器と接続されるとともに、その他端が前記変流器導体を
   介して前記線路用断路器の一端と接続され、この線路用
   断路器の他端は２つに分岐して、その一方が前記線路用
   接地開閉器の一端を介して前記避雷器と接続されるとと
   もに、他方が前記ケーブル接続部と接続されたガス絶縁
   開閉装置。
2. 【請求項２】 前記遮断器、前記２個の母線用断路器、
   前記線路用断路器および前記線路用接地開閉器のそれぞ
   れの操作機構は、前記母線用断路器近傍に配置されてお
   り、それら操作機構の操作面を地面と垂直なほぼ同一の
   平面上に配置した請求項１記載のガス絶縁開閉装置。
3. 【請求項３】 前記第１から第４の口出し部を絶縁スペ
   ーサによりガス区画した請求項１または２記載のガス絶
   縁開閉装置。
4. 【請求項４】 前記ケーブル接続部には、前記遮断器と
   反対側面に計器用変圧器を接続配置し、その下部に制御
   盤を設置した請求項１，２または３記載のガス絶縁開閉
   装置。