JPH09330975A - 搬送装置 - Google Patents

搬送装置

Info

Publication number
JPH09330975A
JPH09330975A JP17178996A JP17178996A JPH09330975A JP H09330975 A JPH09330975 A JP H09330975A JP 17178996 A JP17178996 A JP 17178996A JP 17178996 A JP17178996 A JP 17178996A JP H09330975 A JPH09330975 A JP H09330975A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wafer
transported object
potential difference
electrode
electrode pairs
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP17178996A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuya Ono
一也 小野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
Priority to JP17178996A priority Critical patent/JPH09330975A/ja
Publication of JPH09330975A publication Critical patent/JPH09330975A/ja
Priority to US09/515,868 priority patent/US6160338A/en
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70691Handling of masks or workpieces
    • G03F7/707Chucks, e.g. chucking or un-chucking operations or structural details
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70691Handling of masks or workpieces
    • G03F7/707Chucks, e.g. chucking or un-chucking operations or structural details
    • G03F7/70708Chucks, e.g. chucking or un-chucking operations or structural details being electrostatic; Electrostatically deformable vacuum chucks
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L21/00Processes or apparatus adapted for the manufacture or treatment of semiconductor or solid state devices or of parts thereof
    • H01L21/67Apparatus specially adapted for handling semiconductor or electric solid state devices during manufacture or treatment thereof; Apparatus specially adapted for handling wafers during manufacture or treatment of semiconductor or electric solid state devices or components ; Apparatus not specifically provided for elsewhere
    • H01L21/677Apparatus specially adapted for handling semiconductor or electric solid state devices during manufacture or treatment thereof; Apparatus specially adapted for handling wafers during manufacture or treatment of semiconductor or electric solid state devices or components ; Apparatus not specifically provided for elsewhere for conveying, e.g. between different workstations
    • H01L21/67784Apparatus specially adapted for handling semiconductor or electric solid state devices during manufacture or treatment thereof; Apparatus specially adapted for handling wafers during manufacture or treatment of semiconductor or electric solid state devices or components ; Apparatus not specifically provided for elsewhere for conveying, e.g. between different workstations using air tracks
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S414/00Material or article handling
    • Y10S414/135Associated with semiconductor wafer handling
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S414/00Material or article handling
    • Y10S414/135Associated with semiconductor wafer handling
    • Y10S414/136Associated with semiconductor wafer handling including wafer orienting means

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Container, Conveyance, Adherence, Positioning, Of Wafer (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 被搬送物体を非接触で保持しつつ位置制御を
行いながら所望の位置に正確に搬送するようにする。 【解決手段】 ロードアーム48Aの浮上用電極対5
0、52、54は、所定の電位差を与えることによって
静電吸引力を発生させ、ウエハWを吸引浮上して非接触
で保持する。また、水平方向変位計68、70、72
は、ロードアーム48Aに対するウエハWの位置を常時
検出する。そして、制御装置は、水平方向変位計68、
70、72によって検出されたウエハW位置に基づい
て、水平方向駆動用電極対56、58、60に変動電位
差を与えてウエハW内に電流を発生させるとともに、電
位の変動タイミングに合わせて磁束の向きを変動させる
交流磁場を磁石装置62、64、66で発生させ、その
結果得られるローレンツ力によってウエハWを水平方向
に駆動して位置制御を行い、所望の位置に搬送できるよ
うにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、搬送装置に係り、
さらに詳しくは導電性を有する平板状の被搬送物体を非
接触で搬送する搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば、半導体装置等の製造
工程におけるフォトリソグラフィ工程では、マスク(又
はレチクル;以下、適宜「レチクル」と総称する)に形
成された回路パターンを投影光学系を介して、表面にフ
ォトレジストが塗布されたウエハ等の感光基板上に転写
する露光装置が用いられている。このように、露光処理
されるウエハは、順次搬送装置によって露光ステージ上
の所定位置まで搬送される。
【0003】従来のウエハを搬送する搬送装置として
は、空気の吸引力によって吸着して搬送するバキューム
ハンドがある。このバキュームハンド102は、例え
ば、図8および図9に示されるように、先端部付近に上
向きにバキューム溝104が設けられ、そのバキューム
溝104を介して不図示の真空ポンプで発生する負圧に
よって吸引できるように構成されている。従って、ウエ
ハWを搬送する場合は、バキュームハンド102のバキ
ューム溝104をウエハWの裏面側に当接させて吸引す
ることでウエハWが吸着され、この状態でバキュームハ
ンド102を露光ステージ上の受渡し位置まで移動させ
た後、吸引を停止してウエハWをバキュームハンド10
2から開放することにより、ウエハWがウエハステージ
上の所定位置まで搬送されるようになっていた。このよ
うに、バキュームハンドは、ウエハの裏面に接触した状
態で搬送を行うものである。
【0004】また、上記以外の搬送装置としては、電極
を使って発生させた静電力によってウエハを吸引しつ
つ、ウエハの自重との釣り合いをとって空中に浮上させ
る静電浮上方式がある。この静電浮上方式は、例えば、
図10に示されるように、本体部106の底面に電極部
108を所定間隔で多数配列し、各電極部108に対し
て個別に任意の極性の電位が与えられるようになってい
る。
【0005】そこで、この静電浮上方式によってウエハ
Wを搬送する場合は、本体部106の複数の電極部10
8のうち、少なくともウエハWの直上に位置する電極部
(図10では5つの電極部)108に対してプラス
(+)の電位が与えられると、間隙(絶縁体)を挟んで
イオンドーピングされたウエハW(導電体)の対向面に
静電誘導によりマイナス(−)の電荷が誘起され、異種
の電荷間に働く静電力によってウエハWが本体部106
側(図中の矢印C方向)に吸引される。この電極部10
8に与えられる電位は、ウエハWの自重と発生した静電
力(吸引力)とが釣り合うように調整されることによ
り、図10に示されるように、ウエハWを本体部106
に対して一定の距離を保った状態で空中に浮上させるこ
とができる。この状態で本体部106を移動させれば、
ウエハWは、本体部106と非接触で搬送される。
【0006】また、このように浮上させたウエハWを本
体部106に対して位置調整する場合は、例えば、図1
0のウエハWの右端に位置する電極部108aにプラス
(+)の電位を与え、ウエハWの左端に位置する電極部
108bにマイナス(−)の電位を与えることにより、
ウエハWの表面に誘起されたマイナス(−)の電荷に対
して電極部108bとは反発し合い、電極部108aと
は引き合って、ウエハWを右方向(図中の矢印D方向)
に移動させることができる。このように、従来の静電浮
上方式によれば、その端部に位置する電極部108の電
位を制御することによって、本体部106に対するウエ
ハWの2次元平面の位置を微調整していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の搬送装置にあっては、バキュームハンド102
を使ってウエハWを吸引して搬送させる場合は、バキュ
ームハンド102がウエハWの裏面側に接触するため塵
埃が発生し易くなって、半導体装置の製造工程において
歩留りの低下を招くという不都合があった。
【0008】また、電極部108に電位を与えて静電力
を発生させ、ウエハWを吸引して浮上させる静電浮上方
式では、非接触であって塵埃が発生し難いことから歩留
りの低下を抑制することができる。しかし、ウエハW
は、非接触で空中に保持されているため、摩擦がほとん
どないことから、例えば、ウエハWを搬送するための本
体部106の移動や本体部106に対してウエハWの位
置を調整する際に、ウエハWに加わる外乱によってZ軸
回りの回転モーメントが発生すると、その回転を止めた
り、ウエハWの回転角(θ)を制御するのが困難であっ
て、ウエハステージ上の所定位置にウエハWを正確に載
置できなくなるという不都合があった。
【0009】本発明は、かかる事情の下になされたもの
で、その目的は、被搬送物体を非接触で保持しつつ位置
制御を行いながら所望の位置に正確に搬送することので
きる搬送装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、導電性を有する平板状の被搬送物体が搬送面に対し
て非接触で保持されて搬送される搬送装置であって、前
記被搬送物体の上面に位置し、前記被搬送物体に対向し
てかつ相互に対峙して位置する電極対から成り、当該電
極対間に与えられる電位差により前記被搬送物体の対向
面に逆極性の電荷を誘起させる少なくとも1組の第1の
電極対と;前記被搬送物体の上面に位置し、前記被搬送
物体に対向してかつ相互に対峙して位置する電極対から
成り、当該電極対間に与えられる電位差により前記被搬
送物体の対向面に電流を生じさせる少なくとも3組の第
2の電極対と;前記各第2の電極対によって前記被搬送
物体内に生じる各電流と直交する方向の磁場を発生させ
る磁場発生手段と;前記被搬送物体の搬送面に対する2
次元平面内の位置を計測する少なくとも3つの第1の変
位計と;前記各変位計の出力に基づいて前記各第2の電
極対に与える電位差と前記磁場の強さとを制御する制御
手段とを有する。
【0011】これによれば、第1の電極対に電位差を与
えて被搬送物体との間に発生させた静電力によって被搬
送物体を吸引して浮上させ、更に、第2の電極対に電位
差を与えて被搬送物体内に電流を発生させるとともに、
磁場発生手段で発生させた磁場との相互作用により駆動
方向に被搬送物体を駆動することができる。そして、第
1の変位計によって被搬送物体の搬送面に対する2次元
平面内の位置が計測されると、制御手段は、その計測結
果に基づいて第2の電極対に与えられる電位差と磁場発
生手段で発生させる磁場の強さとを制御することによっ
て、被搬送物体を所望の位置に制御することができる。
このように、請求項1に記載の搬送装置では、被搬送物
体を非接触で保持して塵埃の発生による歩留りの低下を
抑えるとともに、被搬送物体の位置を正確に制御して搬
送させることができる。
【0012】ここで、被搬送物体内に流れる電流と、磁
場発生手段により発生させた磁場との相互作用により被
搬送物体を駆動させる駆動力とは、いわゆる、ローレン
ツ力のことであって、電流の方向に対して直交方向に磁
束を発生させると、その電流と磁束の両方に直交する方
向に作用する力のことをいう(フレミングの左手の法
則)。
【0013】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の搬送装置において、前記第2の電極対は、各電極間に
与えられる電位差により前記被搬送物体の対向面に同一
方向の電流を生じさせる少なくとも2組の電極対と、そ
れら2組の電極対と異なる方向に電流を生じさせる少な
くとも1組の電極対とから成ることを特徴とする。
【0014】これによれば、少なくとも3組の第2の電
極対のうち、少なくとも2組の電極対の向きを同一方向
とすることにより、これと対向する被搬送物体内に少な
くとも2つの同一方向に流れる電流(電極対に与える極
性を反対にすれば電流の向きは逆となる)を発生させる
ことができる。このため、これら2組の電極対によって
発生させる電流の向きと、その電流の流れに対して直交
方向に生じさせる磁束の向きとを同じにした場合は、被
搬送物体の異なる2点において同一方向に同一の駆動力
が作用することになり、被搬送物体を駆動力の作用する
方向に移動させることができる。また、発生させる電流
の向き、又は磁束の向きを逆にした場合は、被搬送物体
を上記とは逆の方向に移動させることができる。さら
に、2組の電極対のうち、一方の電流の向き、又は磁束
の向きを逆にして、被搬送物体の異なる2点において反
対方向の駆動力を作用させることにより、被搬送物体を
Z軸回り(ヨーイング方向)に回転させる力が働く。そ
して、被搬送物体の回転方向は、2組の電極対に作用す
る駆動力の向きをそれぞれ逆向きにすれば、上記例とは
逆の方向に回転させることができる。
【0015】また、第2の電極対は、上記した少なくと
も2組の電極対とは異なる方向に電流を生じさせる少な
くとも1組の電極対を有しているため、例えば、被搬送
物体をX軸方向と異なるY軸方向に駆動可能として、こ
れらを組み合わせることにより搬送面内を自由に移動さ
せることができる。
【0016】このように、非接触の状態で浮上させた被
搬送物体は、第2の電極対と磁場発生手段とによって、
搬送面内をX軸方向、Y軸方向、あるいはヨーイング方
向等に自由に駆動させることができるため、所望の位置
に確実に制御することができる。
【0017】請求項3に記載の発明は、請求項1又は2
に記載の搬送装置において、前記第2の電極対間に与え
られる電位差は、所定周期毎に交互に極性を反転させる
変動電位差であることを特徴とする。
【0018】これによれば、第2の電極対間には、所定
周期毎にプラス(+)とマイナス(−)に交互に変動す
る電位差を与えることによって、被搬送物体の対向面に
静電誘導による逆極性の電荷を発生させ、その被搬送物
体内に生じた電位差によって電流が発生する。ここで発
生する電流の向きは、所定周期毎に反転することにな
る。このため、被搬送物体に作用する駆動力の方向が常
に一定となるように、電流の反転タイミング(交流電
位)に合わせて磁場発生手段により発生させる磁束の向
きを変動させ(交流磁場)、ローレンツ力が一定の方向
に作用するように制御することにより、被搬送物体をあ
る方向に連続して駆動することができる。
【0019】請求項4に記載の発明は、導電性を有する
平板状の被搬送物体が搬送面に対して非接触で保持され
て搬送される搬送装置であって、前記被搬送物体の上面
に位置し、前記被搬送物体に対向してかつ相互に対峙し
て位置する電極対から成り、当該電極対間に与えられる
電位差により前記被搬送物体の対向面に逆極性の電荷を
誘起させるとともに、前記被搬送物体の対向面に電流を
生じさせる少なくとも3組の第3の電極対と;前記第3
の電極対によって前記被搬送物体内に生じる各電流と直
交する方向の磁場を発生させる磁場発生手段と;前記被
搬送物体の搬送面に対する2次元平面内の位置を計測す
る少なくとも3つの第1の変位計と;前記各変位計の出
力に基づいて前記各第3の電極対に与える電位差と前記
磁場の強さとを制御する制御手段とを有する。
【0020】これによれば、少なくとも3組の第3の電
極対間に与えられる電位差によって対向する被搬送物体
に逆極性の電荷を誘起させ、その静電力によって被搬送
物体を吸引して浮上させるとともに、被搬送物体内に電
流を発生させて、磁場発生手段により発生させた磁場と
の相互作用によって被搬送物体を駆動するようにする。
そして、第1の変位計により被搬送物体の搬送面に対す
る2次元平面内の位置を計測して、制御手段が変位計の
計測位置に基づいて第3の電極対に与える電位差と磁場
の強さとを制御することにより被搬送物体を所望の位置
に制御するようにする。このように、請求項4に記載の
搬送装置では、請求項1に記載の搬送装置と異なり、被
搬送物体を浮上させる電極対(浮上用電極対)と駆動さ
せる電極対(駆動用電極対)とを第3の電極対で兼用さ
せることによって、少ない電極数で構成することが可能
となり、低コスト化することができる。そして、第3の
電極対に与えられる電位差を制御することによって、請
求項1に記載の搬送装置と同様に被搬送物体を非接触で
保持しつつ、所望の位置に制御しながら搬送することが
できる。
【0021】請求項5に記載の発明は、請求項4に記載
の搬送装置において、前記第3の電極対は、各電極間に
与えられる電位差により前記被搬送物体の対向面に同一
方向の電流を生じさせる少なくとも2組の電極対と、そ
れら2組の電極対と異なる方向に電流を生じさせる少な
くとも1組の電極対とから成ることを特徴とする。
【0022】これによれば、少なくとも3組の第3の電
極対のうち、少なくとも2組の電極対の向きを同一方向
とすることにより、これと対向する被搬送物体内に少な
くとも2つの同一方向に流れる電流(電極対に与える極
性を反対にすれば電流の向きは逆となる)を発生させる
ことができる。このように、請求項5に記載の搬送装置
は、請求項2に記載の搬送装置と異なり、被搬送物体を
浮上させる電極対(浮上用電極対)と駆動させる電極対
(駆動用電極対)とを兼用した第3の電極対を上記のよ
うに配置したものである。そして、少なくとも3組の第
3の電極対のうち、少なくとも2組の電極対で発生させ
る電流の向きと、その電流の流れる部分に生じさせる磁
束の方向とをそれぞれ同じにすれば、被搬送物体を搬送
面内の所定の方向に移動させることができ、発生させる
電流の向き、又は磁束の向きを逆にした場合は、被搬送
物体を上記駆動方向とは逆の方向に駆動することができ
る。さらに、電極対の向きを同じにした少なくとも2組
の電極対のうち、一方の電流の向きや磁束の方向を逆に
すれば、被搬送物体をZ軸回り(ヨーイング方向)に回
転させることができるとともに、その2組の電極対に作
用する駆動力の向きをそれぞれ逆にすることにより、逆
回転させることができる。
【0023】また、第3の電極対は、上記した少なくと
も2組の電極対と異なる方向に電流を生じさせる少なく
とも1組の電極対を有しているため、例えば、被搬送物
体をX軸方向とY軸方向のように異なる方向に駆動可能
としてそれらを組み合わせることにより、搬送面内を自
由に移動させることができる。
【0024】このように、請求項4に記載の発明では、
請求項2に記載の発明とは異なり、第3の電極対だけで
被搬送物体を非接触の状態で浮上させつつ、被搬送物体
の搬送面内をX方向、Y方向、あるいはヨーイング方向
等に自由に駆動させて、所望の位置に確実に制御するこ
とができる。
【0025】請求項6に記載の発明は、請求項4又は5
に記載の搬送装置において、前記第3の電極対の各電極
間に与えられる電位差は、所定周期毎に交互に極性を反
転させる変動電位差であることを特徴とする。
【0026】これによれば、第3の電極対間には、所定
周期毎にプラス(+)とマイナス(−)とが交互に変動
する電位差を与えることによって、被搬送物体の対向面
に静電誘導による逆極性の電荷を発生させるとともに、
その被搬送物体内に生じた電位差によって電流が流れ
る。このため、被搬送物体は、静電力によって第3の電
極対に吸引されて非接触で保持されるとともに、被搬送
物体内を流れる電流と磁場発生手段による磁場との相互
作用により所定の方向に駆動力が働いて、位置制御を行
うことができる。そして、被搬送物体内を流れる電流の
向きは、所定周期毎に反転するため、駆動方向が一定と
なるように、電流の向きに応じて磁場発生手段により発
生させる磁界の方向を変えることにより、被搬送物体を
ある方向に連続して駆動することができる。
【0027】請求項7に記載の発明は、請求項1ないし
6のいずれか一項に記載の搬送装置において、前記搬送
装置は、更に前記被搬送物体の鉛直方向の位置を計測す
る少なくとも3つの第2の変位計を有することを特徴と
する。
【0028】これによれば、被搬送物体は、その上面に
位置する電極対によって発生する静電力により吸引して
浮上させ、非接触で保持するためには、静電力と被搬送
物体の自重との釣り合いをとる必要がある。このため、
吸引する電極対と被搬送物体との間隔を計測する第2の
変位計を少なくとも3つ設けて、被搬送物体との間の間
隔を常に計測して、距離や傾きに関する鉛直方向の変位
を求めるようにする。
【0029】このように、請求項7に記載の搬送装置
は、第2の変位計で計測された変位量に基づいて、制御
手段により静電力を発生させる電極対に与える電位をフ
ィードバック制御することにより、電極対と被搬送物体
とを常に平行に保持することができるとともに、両者の
接触を確実に防止することができる。
【0030】請求項8に記載の発明は、請求項1ないし
7のいずれか一項に記載の搬送装置において、前記各変
位計は、前記被搬送物体の搬送面内の位置や鉛直方向の
位置を静電容量の変化に基づいて計測する静電容量形の
変位計であることを特徴とする。
【0031】これによれば、静電容量の変化に基づい
て、被搬送物体の搬送面内の位置や鉛直方向の位置を計
測する静電容量形の変位計を用いたため、非接触で容易
かつ正確な変位量を計測することができる。
【0032】請求項9に記載の発明は、請求項8に記載
の搬送装置において、前記各変位計は、前記それぞれの
電極対の少なくとも1つに所定のキャリア周波数を重畳
させる発振手段と;該発振手段のキャリア周波数の変化
を検出する周波数検出手段と;該周波数検出手段で検出
されたキャリア周波数の変化に基づいて前記被搬送物体
の位置を検出する位置検出手段とを有することを特徴と
する。
【0033】これによれば、前記電極対は、発振手段
(発振回路)が接続されてキャリア周波数が重畳される
と、その電極対に導体である被搬送物体が接近した場合
に静電容量Cが変化して、発振回路のキャリア周波数
(発振周波数)を変化させ、そのキャリア周波数の変化
量を周波数検出手段(検波回路)で検出することによ
り、被搬送物体の変位を検出する変位計とすることがで
きる。すなわち、発振回路におけるキャリア周波数は、
被搬送物体と電極対との位置関係(被搬送物体と電極と
の重なり面積、被搬送物体と電極との距離)に応じて静
電容量Cが変わることから、発振回路における発振周波
数(キャリア周波数)を変化させる。このため、被搬送
物体の位置の検出は、電極対に接続された発振回路のキ
ャリア周波数の変化量を計測することによって行うこと
ができる。
【0034】このように、変位計を上記電極対とは別に
設けることなく、既存の電極対にキャリア周波数を重畳
させてその発振周波数の変化を見るだけで、被搬送物体
の変位を計測する変位計を兼用させることができる。
【0035】なお、この変位計を構成するにあたって、
使用する電極対の位置が重要であって、被搬送物体の鉛
直方向の変位を計測する変位計であれば被搬送物体と常
に対向する位置にあり、少なくとも3組の電極対で構成
されていることが望ましい。また、被搬送物体の水平方
向の変位を計測する変位計であれば、被搬送物体を定位
置で保持した場合に、被搬送物体のエッジ部分にまたが
る位置で、少なくとも3箇所に配置された電極対を使っ
て構成されていることが望ましい。そして、静電容量に
より被搬送物体の変位を検出する場合は、電極の重なり
面積や被搬送物体と電極との距離の何れが変化しても静
電容量が変化するため、鉛直方向と水平方向の両方の変
位計における静電容量の変化を計測し、それに基づいて
変位を求めることにより、被搬送物体の正しい位置(変
位)を計測することができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
《第1の実施形態》以下、本発明の第1の実施形態を図
1ないし図5に基づいて説明する。
【0037】図1には第1の実施形態に係る露光装置1
0の全体構成が概略的に示されている。この露光装置1
0は、マスクとしてのレチクル上に形成されたパターン
像をステップ・アンド・リピート方式により投影光学系
を介して、感光基板としてのウエハWのショット領域に
投影する縮小投影型の露光装置(いわゆるウエハステッ
パー)である。そして、この露光装置10は、床上に水
平に載置された台座12上に4個の除振パッド14を介
して保持された定盤16と、この定盤16上に配置され
たステージ装置20と、このステージ装置20の上方で
定盤16上に植設された第1コラム18と、この第1コ
ラム18に保持された投影光学系PLと、この投影光学
系PLの上方で第1コラム18に植設された第2コラム
22と、この第2コラム22上に載置されたレチクルR
を保持するレチクルホルダ24と、このレチクルホルダ
24の上方に配置された照明系26とを備えている。
【0038】前記ステージ装置20は、定盤16上をY
軸方向(図1における紙面直交方向)に移動可能なYス
テージ28Yと、Y軸に直交するX軸方向(図1におけ
る紙面左右方向)に移動可能なXステージ28Xと、Y
ステージ28Y、Xステージ28Xをそれぞれの移動方
向に駆動する駆動系29と、Xステージ28X上に搭載
された上下ティルティング機構30と、この上下ティル
ティング機構30によってXY平面に直交するZ軸(鉛
直軸)方向及びX軸、Y軸回りの回転方向に駆動される
基板テーブル32とを含んで構成されている。
【0039】基板テーブル32上には不図示のθテーブ
ルを介してウエハホルダ34が搭載され、このウエハホ
ルダ34上にウエハWが吸着固定されている。また、基
板テーブル32の端部には、レーザ干渉計システムを構
成する移動鏡36が固定されており、この移動鏡36を
介してレーザ干渉計38によって基板テーブル32のX
Y2次元方向の位置座標、すなわちウエハW上のショッ
ト領域のXY座標が計測されるようになっている。な
お、実際には、図2の概略平面図に示されるように、X
軸方向に延設されたY軸用移動鏡36Yと、Y軸方向に
延設されたX軸用移動鏡36Xとが存在し、これに対応
してY軸用レーザ干渉計38Yと、X軸用レーザ干渉計
38Xとが存在するが、図1ではこれらを代表して移動
鏡36及びレーザ干渉計38として示されている。
【0040】前記レチクルホルダ24は、駆動系25に
よってXY2次元方向及びθ方向(Z軸回りの回転方
向)に微少駆動可能とされており、レチクルホルダ24
に保持されたレチクルRのアライメントの際には、レチ
クルRのパターン面の中心(レチクルセンタ)が投影光
学系PLの光軸に一致するよう駆動系25を介してレチ
クルホルダ24のXY面内の位置が調整される。
【0041】前記投影光学系PLは、その光軸がXY平
面に直交するZ軸方向となる状態で第1コラム18に保
持されており、この投影光学系としては、ここでは両側
テレセントリックで所定の縮小倍率(例えば、1/4)
を有するものが使用されている。従って、レチクルR及
びウエハWのアライメントが行われた状態で照明系26
からの照明光によりレチクルRが照明されると、このレ
チクルRのパターン面に描画されたパターンの縮小像が
ウエハW上のショット領域に転写されるようになってい
る。
【0042】図2には、第1コラム18の上板及びこれ
より上方の構成部分を取り除いた状態の露光装置10の
平面図が概略的に示されている。この図2に示されるよ
うに、第1コラム18の前面側(図2における下側)に
は、X軸方向に伸びるX軸ガイド42が配置されてお
り、このX軸ガイド42の更に前面側には、ウエハカセ
ット44が2つ配置されている。X軸ガイド42に直交
してY軸ガイド46が設けられており、このY軸ガイド
46は不図示のウエハローダ駆動系によりX軸ガイド4
2に沿って駆動されるようになっている。Y軸ガイド4
6には、ウエハロード用の搬送アーム(ロードアーム)
48Aとウエハアンロード用の搬送アーム(アンロード
アーム)48Bとが、当該Y軸ガイド46に沿って移動
可能に設けられている。これらロードアーム48A、ア
ンロードアーム48Bも不図示のウエハローダ駆動系に
より駆動されるようになっている。この場合において、
アンロードアーム48Bの移動面よりロードアーム48
Aの移動面の方が高い位置に設定されている。これは、
高い位置の方が空中に浮遊するゴミ等が少なく、また露
光前はウエハ表面のレジストが固まっていないので、こ
のレジストにゴミ等が付着する不都合をなるべく回避す
る等のためである。
【0043】図3には、第1の実施形態に係る搬送装置
としてのロードアーム48Aの構成が示されており、図
4には、図3のA−A線断面図が示されている。
【0044】図3及び図4に示されるロードアーム48
Aは、第1の電極対としての浮上用電極対50、52、
54、第2の電極対としての水平方向駆動用電極対5
6、58、60、磁場発生手段としての磁石装置62、
64、66、第1の変位計としての水平方向変位計6
8、70、72、第2の変位計としてのZ方向変位計7
4、76、78、制御手段としての制御装置80とを備
えている。
【0045】浮上用電極対50、52、54は、ここで
はロードアーム48Aの下面に一対の半月形の電極を所
定の間隔を隔てて対峙させた電極対であって、ウエハW
をバランス良く吸引するために、これら3組の浮上用電
極対50、52、54は、ほぼ正三角形の頂点の位置に
それぞれ配置されている。これらの浮上用電極対50、
52、54は、各電極対間に所定のバイアス(直流電
圧)による電位差を与えてプラス(+)あるいはマイナ
ス(−)に帯電させると、当該各電極対に対して所定間
隔を隔てて対向するウエハWの表面に静電誘導による逆
極性の電荷が誘起される。このように、浮上用電極対5
0、52、54は、電位差を与えることによってウエハ
Wを吸引して浮上させる静電吸引力が働き、その静電吸
引力をウエハWの自重と釣り合うように制御することに
よって、図4に示されるようにウエハWを非接触の状態
で空中に浮上させたまま保持することができる。この吸
引力は、浮上用電極対50、52、54とウエハWとの
間のギャップg(図4参照)の二乗に反比例する非線型
な力であって、このギャップgを後述するZ方向変位計
74、76、78で常に検出して、ウエハWとの間隔が
常に一定となるように、後述する制御装置80により浮
上用電極対に与えられる電位差が制御される。ここでい
うギャップgは、数μm〜数百μm程度である。
【0046】なお、本第1の実施形態では、浮上用電極
対として3組の電極対50、52、54を設けている
が、必ずしも3組に限定されるものではなく、ウエハW
を安定して吸引浮上させることが可能な電極数と配置と
がなされていればよい。その結果、浮上用電極対が2組
以下あるいは4組以上であってもよく、また、電極対に
よる吸引力とウエハWとのバランスをとるため、ウエハ
Wを静電力で吸引しながら、ウエハWに対して吹きつけ
るエアー量を調整することにより、非接触の状態で一定
の間隔を保つように構成してもよい。
【0047】水平方向駆動用電極対56、58、60
は、ここではロードアーム48Aの下面に一対の矩形状
の電極を一定の距離を隔てて対峙させた電極対であっ
て、そのうちの水平方向駆動用電極対56と58は図3
の上下方向(Y軸方向)に、また、水平方向駆動用電極
対60は図3の左右方向(X軸方向)にそれぞれ配置さ
れ、少なくとも3組が配置されている。これらの水平方
向駆動用電極対56、58、60には、電位が変動する
変動電位差が与えられる。本第1の実施形態では、電位
が所定周期毎にプラス(+)とマイナス(−)に極性反
転する交流電位が与えられている。そして、水平方向駆
動用電極対56、58、60に対して交流電位が与えら
れると、所定間隔隔てて対向するウエハWの表面には静
電誘導によって逆極性の電荷がそれぞれ誘起されるとと
もに、その電荷が所定周期毎に変動する。このため、ウ
エハW内の水平方向駆動用電極対間に対応する部分に生
じた電位差によって電流が発生し、そのウエハW内で発
生する電流は、水平方向駆動用電極対56、58、60
にそれぞれ与えられる交流電位に対応した周期で電流の
向きが反転することになる。
【0048】前記磁石装置62、64、66は、前述し
た水平方向駆動用電極対56、58、60の各電極対の
間に配置されて、所定の強さと向きとを持った磁場を発
生させる磁場発生手段である。例えば、磁石装置66
は、図4に示されるように、鉄芯66aとこの周囲に巻
回されたコイル66bとで構成されている。他の磁石装
置62、64もこれと同様であって、これらの磁石装置
62、64、66で発生される磁束は、ウエハW面と直
交する方向、すなわち上記した水平方向駆動用電極対5
6、58、60によってウエハW内に発生される電流の
方向(例えば、図4中の矢印H方向)に対して直交する
Z軸方向(図4の中の白抜き矢印I方向)の磁束を発生
させるため、鉄芯66aに対してZ軸の回転方向にコイ
ル66bが巻いてある。この磁石装置66が発生する磁
束の方向は、鉄芯66aに対するコイル66bの巻き方
(右巻きか左巻きか)と、コイル66bに流す電流の方
向とによって決定される。そして、所定周期毎に磁束の
方向が変動する変動磁場を発生させる場合は、コイル6
6bに流す電流の方向を所定周期毎に反転させることに
より行われる。
【0049】そして、上記した水平方向駆動用電極対5
6、58、60により、ウエハW内に電流が発生させら
れ、その発生させられた電流の方向に対して直交する方
向の磁束を磁石装置62、64、66が発生させること
により、その相互作用によってウエハWを駆動させるロ
ーレンツ力を生じさせるものである。このローレンツ力
は、電流の方向と磁束の方向とが直交関係にある場合
に、その両方に対して直交する方向、すなわち、図3中
の白抜き矢印E、F、Gで示される方向にウエハWを駆
動する力として作用する(フレミングの左手の法則)。
【0050】上記した水平方向駆動用電極対56、5
8、60には、交流電位が与えられて、ウエハW内に生
じるそれぞれの電流の向きが所定周期毎に反転している
ため、電流の反転タイミングに合わせて磁束の方向が変
わる変動磁場を上記磁石装置62、64、66によって
発生させることにより、ウエハWを所定の方向に移動さ
せることができる。このように、空中に浮上され非接触
で保持されたウエハWは、上記水平方向駆動用電極対5
6、58、60と、磁石装置62、64、66とによっ
て発生されるローレンツ力によって、次に述べるように
して、水平方向面内で自由に駆動させることができる。
【0051】ここで、ウエハWの駆動方向の制御につい
て説明する。図3に示されるように、各水平方向駆動用
電極対とそれに対応する磁石装置とにより、白抜き矢印
E、F、Gの方向にローレンツ力を発生させることがで
きるため、白抜き矢印EとFで示されるローレンツ力を
同一方向とすれば、ウエハWをX軸方向(図3の右左方
向)に移動させることができる。また、ウエハWに作用
する白抜き矢印EとFで示されるローレンツ力をそれぞ
れ反対方向に働かせれば、Z軸回り(図3における右回
りあるいは左回り)に回転させることができる。
【0052】さらに、電極対の配置方向が他の電極対5
6、58と異なる水平方向駆動用電極対60を用いれ
ば、白抜き矢印G方向にローレンツ力を働かせることに
よって、ウエハWをY軸方向に移動させることができ
る。また、ウエハWは、X軸、Y軸方向に駆動させるロ
ーレンツ力を同時に働かせることによって、それらの力
が合成されたベクトル方向に駆動させることもできる。
【0053】なお、本第1の実施形態では、上記の浮上
用電極対50、52、54や水平方向駆動用電極対5
6、58、60の表面に、例えば、窒化珪素などを用い
た絶縁膜が形成されている。これによって、導電体のウ
エハWが誤ってこれらの電極対に接触した場合でも、高
電圧下でショート等が発生するのを防止することができ
る。
【0054】水平方向変位計68、70、72は、ウエ
ハWがロードアーム48の搬送面内のどの位置に保持さ
れているかを非接触で計測するものである。本第1の実
施形態では、水平方向変位計68、70、72として静
電容量によって計測する静電容量変位計が用いられてい
る。この静電容量変位計は、誘電体(ここでは変位計と
ウエハWとの間隙)を介して対向配置された2つの導電
体(変位計の電極とウエハW)の位置関係(電極とウエ
ハWの重なり面積、電極とウエハWの距離)が変わるこ
とによって静電容量Cが変化することを利用して、検出
した静電容量Cから逆に変位計とウエハWとの位置関係
(変位)を求めるものである。
【0055】そこで、電極面積をS、電極間の距離を
D、真空の誘電率をεO (8.854×10-12 F/
m)、誘電体の比誘電率をεS とした場合、静電容量C
は(1)式で示される。
【0056】C=εS ・εO ・S/D ………(1) (1)式のうち、真空の誘電率εO と誘電体の比誘電率
εS は、予め決まっており、電極間距離Dを例えば一定
値とした場合に、静電容量Cが分かれば、電極面積Sを
(2)式より求めることができる。
【0057】S=C・D/(εS ・εO )………(2) すなわち、静電容量Cを計測するだけで変位計の電極部
分とウエハWとの重なり面積S(図3の水平方向変位計
68、70、72のハッチング部分)を容易に求めるこ
とができる。
【0058】このため、水平方向変位計68、70、7
2は、図3に示されるように、ウエハWが定位置に来た
場合にウエハWの直線的な切り欠き部(オリエンテーシ
ョンフラット)が半分重なる位置に水平方向変位計6
8、70が配置されており、オリエンテーションフラッ
ト以外のウエハWの外周部の少なくとも一箇所に水平方
向変位計72が配置されている。このように、3箇所に
設けられた水平方向変位計68、70、72は、各位置
における静電容量を計測するだけでウエハWとの重なり
面積Sがわかるため、ウエハWの水平方向の位置ずれを
正確かつ容易に検出することができる。
【0059】また、ウエハWのZ軸回りの回転角(θ)
は、ウエハWのオリエンテーションフラットに対向して
位置する2つの水平方向変位計68、70の変位を計測
することによって求めることができる。
【0060】Z方向変位計74、76、78は、ロード
アーム48の下面に対するウエハWとの距離やウエハW
の傾きを非接触で計測するものである。ここでは、上記
した水平方向変位計68、70、72と同様の静電容量
変位計が用いられている。この静電容量変位計は、上記
の(1)式を変形した(3)式により電極間の距離D
(Z軸方向変位)を求めることができる。
【0061】D=εS ・εO ・S/C ………(3) すなわち、変位計の電極とウエハWの重なり面積Sは、
図3から明らかなように、電極の面積であるから既知で
あり、静電容量Cを計測するだけで変位計の電極とウエ
ハWの距離D(ギャップg)を容易に求めることができ
る。
【0062】そして、Z方向変位計74、76、78
は、図3に示されるように、ウエハWが定位置から多少
ずれても常にウエハWが重なっている状態とするため
(Z方向変位計とウエハWとの重なり面積Sが変化しな
いようにするため)、ウエハWの外周部から一定距離内
側に入り込んだ位置に配置されている。また、Z方向変
位計74、76、78は、計測されるウエハWとの距離
Dに基づいて、ウエハWのX軸回りやY軸回りの傾き
(ローリング量,ピッチング量)を求めるため、ほぼ正
三角形の頂点の位置にそれぞれ配置されている。
【0063】制御装置80は、図4に示されるように、
上記各部と接続されており、ロードアーム48Aの全体
の動作を制御している。特に、制御装置80は、上記の
各水平方向変位計(第1の変位計)68、70、72の
出力に基づいて、水平方向駆動用電極対(第2の電極
対)56、58、60に与えられる電位差と、磁石装置
(磁場発生手段)62、64、66で発生させる磁場と
を制御することによって、ロードアーム48Aに対して
ウエハWが常に適正な水平面内位置に来るように制御す
るものである。また、制御装置80は、上記のZ方向変
位計(第2の変位計)74、76、78の出力に基づい
て、浮上用電極対(第1の電極対)50、52、54に
与える電位差をフィードバック制御して調整することに
より、常にロードアーム48AとウエハWとの間を一定
間隔(数μm〜数百μm程度)に保った状態で非接触と
なるように制御するものである。
【0064】図5には、ロードアーム48Aの概略構成
を示すブロック図が示されている。図5に示されるよう
に、ロードアーム48Aは、CPU(中央処理装置)、
ROM、RAM等を含んで構成されたマイクロコンピュ
ータ(又はミニコンピュータ)から成る制御装置80を
中心に構成されており、この制御装置80の入力側に
は、上記した水平方向変位計68、70、72、Z方向
変位計74、76、78の他、種々の電流や電圧を発生
させる電源ユニット82等が接続されている。また、こ
の制御装置80の出力側には、ウエハWを吸引浮上させ
る上記の浮上用電極対50、52、54、ウエハW内に
電流を発生させて水平方向に駆動させる水平方向駆動用
電極対56、58、60、及び磁場を発生させてウエハ
W内を流れる電流との相互作用によってローレンツ力を
発生させる磁石装置62、64、66等が接続されてい
る。
【0065】電源ユニット82は、ここでは、上記の水
平方向駆動用電極対56、58、60に与えられる所定
周期毎に極性が反転する交流電位としての変動電位、浮
上用電極対50、52、54に印加される所定の電位差
からなるバイアス(直流電圧)、あるいは、磁石装置6
2、64、66のコイルに流す電流量と電流を流す方向
とが制御された電流等を生成して、各部に供給するよう
にしている。
【0066】次に、上記のように構成された第1の実施
形態に係るロードアーム48Aを用いてウエハWを搬送
する場合の動作について説明する。
【0067】このように構成されたロードアーム48A
を備えた露光装置10は、ウエハWを所定の露光処理プ
ログラムに基づいて露光処理する場合に、図示しない制
御系によってウエハ供給命令を受け取ると、不図示のウ
エハローダ駆動系を介してロードアーム48Aによりウ
エハカセット44からウエハWが取り出され、所定の受
渡し位置まで搬送される。
【0068】そこで、ロードアーム48Aを用いてウエ
ハWを搬送する場合は、図2に示されるように、まず、
ウエハカセット44内に収納されているウエハWとの間
に所定の間隙を介したその上面位置にロードアーム48
Aを移動させる。そして、制御装置80は、各浮上用電
極対50、52、54に対して電源ユニット82で生成
された所定の電位差を与えられると、ウエハWの対向面
に逆極性の電荷が誘起され、異種の電荷間に働く静電吸
引力によってウエハWをロードアーム48A側に吸引し
て浮上させる。
【0069】浮上用電極対50、52、54に与えられ
る電位差は、通常は同じ電位差を3箇所に与えることに
よって同じ静電吸引力を均等に働かせて、ウエハWを傾
斜させずに吸引浮上させている。ところが、ウエハWの
自重よりも静電吸引力の方が大きいとウエハWがロード
アーム48A側に吸着されて接触したり、逆に、ウエハ
Wの自重の方が静電吸引力よりも大きいと落下する。こ
のため、制御装置80は、常にZ方向変位計74、7
6、78の各設置位置でのウエハWとの距離(変位)の
計測値に基づいて、ウエハWとロードアーム48Aとの
間隔が一定の範囲内(ここでは、数μm〜数百μmの範
囲)に収まるように、各浮上用電極対50、52、54
に与える電位差をフィードバック制御しながら調整して
いる。このため、ロードアーム48Aは、ウエハWとの
間の距離が常に一定となるように、ウエハWのZ方向、
X軸回り、Y軸回りの変位を非接触で制御することがで
きる。
【0070】また、第1の実施形態におけるロードアー
ム48Aは、ウエハWを浮上用電極対50、52、54
によって吸引浮上させて、非接触で保持しているため、
ロードアーム48AやY軸ガイド46を駆動してウエハ
Wを搬送する際に、ウエハWの水平面内のZ軸回り、X
軸方向、Y軸方向に位置ずれが起こる可能性がある。そ
こで、制御装置80は、水平方向変位計68、70、7
2によって非接触で保持されているウエハWの位置を常
時検出して、ウエハWが定位置からずれた場合は、水平
方向駆動用電極対56、58、60に変動電位差を与え
るとともに、その電位の変動タイミングに合わせて磁束
の向きを変動させる交流磁場をそれぞれの磁石装置6
2、64、66で発生させ、その結果得られる3つのロ
ーレンツ力を組み合わせることによって、ウエハWを定
位置に戻すように制御する。
【0071】これは、水平方向駆動用電極対56、5
8、60に対して変動電位差が与えられると、ウエハW
の各電極対間に対応する部分に電流が流れ、その電流と
直交する方向に磁場を磁石装置62、64、66で発生
させた場合に、電流と磁場のそれぞれの方向に直交する
方向にローレンツ力が働くため、電流の向きに応じて磁
束の向きを変える必要があるからである。
【0072】このように、本第1の実施形態のロードア
ーム48Aは、ウエハWを浮上用電極対50、52、5
4による静電力で吸引浮上させることによって、非接触
な状態で空中に確実に保持できることから、塵埃の発生
が防止されて、半導体の製造工程において歩留り低下を
抑制することができる。また、ウエハWは非接触な状態
でロードアーム48Aに保持されていることから、搬送
中にZ軸回りに回転したり、X軸方向、Y軸方向に位置
ずれする可能性がある。しかし、本第1の実施形態のロ
ードアーム48Aは、ウエハWを非接触の状態で6自由
度(X軸方向、X軸回り、Y軸方向、Y軸回り、Z軸方
向、Z軸回り)動きを制御することができるので、ウエ
ハWをロードアーム48Aの搬送面内の定位置に正確に
位置制御して、ウエハステージ等の所定位置に正確に搬
送することができる。
【0073】《第2の実施形態》以下、本発明の第2の
実施形態を図6に基づいて説明する。ここで前述した第
1の実施形態と同一の構成部分については、同一の符号
を用いるとともに、その構成説明を簡略化し若しくは省
略するものとする。
【0074】図6には、第2の実施形態に係る搬送装置
としてウエハWの吸引浮上とその位置調整とを行うロー
ドアーム84の概略構成図が示されている。この第2の
実施形態は、前述した第1の実施形態の装置における浮
上用電極対50、52、54を省略し、水平方向駆動用
電極対56、58、60に対して与えられる電位差を工
夫することにより、ウエハWを吸引して浮上させる浮上
用電極対と、ウエハWを水平方向に駆動させる水平方向
駆動用電極対の両方の機能を兼ね備えた第3の電極対と
してのウエハ位置制御電極対86、88、90が設けら
れている点に特徴を有する。その他の部分の構成等は、
第1の実施形態とほぼ同一である。
【0075】ウエハ位置制御用電極対86、88、90
は、ここでは3組の電極対によって構成したことによ
り、ウエハWの垂直方向(Z軸方向、X軸回り、Y軸回
り)と水平方向(Z軸回り、X軸方向、Y軸方向)の6
自由度の位置制御を行うことができる。そして、ウエハ
位置制御用電極対86、88、90の配置は、ここで
は、上記第1の実施形態における水平方向駆動用電極対
56、58、60の場合と同様である。
【0076】そして、ウエハ位置制御用電極対86、8
8、90に与えられる電位差は、まず、ウエハWを吸引
浮上させるため、バイアス(直流電圧)による電位差を
与えることによって、対向するウエハW面に静電誘導に
よる逆極性の電荷を誘起させ、異種の電荷間に働く静電
吸引力によってウエハWをロードアーム84側に吸引し
て浮上させる。
【0077】また、このウエハ位置制御用電極対86、
88、90は、ウエハWを非接触で浮上させた状態で、
さらに水平方向にウエハWを駆動させるために、ウエハ
W内に電流を発生させる変動電位差を上記した浮上用の
バイアスによる電位差に重畳させるようにする。これに
よって、静電吸引力を維持したままウエハW内に電流を
流すことができる。そして、このウエハ位置制御用電極
対86、88、90の各電極対間に設けられた第1の実
施形態と同様の磁石装置62、64、66によって磁場
を発生させると、電流と磁場との相互作用によって、図
6の中の白抜き矢印E、F、Gで示される方向にローレ
ンツ力を発生させることができる。
【0078】このように、本第2の実施形態のロードア
ーム84は、ウエハWをウエハ位置制御用電極対86、
88、90によって発生させた静電吸引力によって浮上
させ、非接触な状態で空中に確実に保持することができ
るため、塵埃の発生が防止されて、半導体の製造工程に
おける歩留りの低下要因を除去することができる。
【0079】また、ウエハWは、ウエハ位置制御用電極
対86、88、90と磁石装置62、64、66とによ
り、ウエハWを非接触の状態で6自由度(X軸方向、X
軸回り、Y軸方向、Y軸回り、Z軸方向、Z軸回り)の
動きを制御することが可能であって、ウエハWをロード
アーム84の搬送面内の定位置に正確に位置制御を行っ
て、ウエハステージの所定位置に正確に搬送することが
できる。
【0080】《第3の実施形態》以下、本発明の第3の
実施形態を図7に基づいて説明する。ここで前述した第
1又は第2の実施形態と同一の構成部分については、同
一の符号を用いるとともに、その構成説明を簡略化し若
しくは省略するものとする。
【0081】図7には、第3の実施形態に係る搬送装置
としてウエハWを浮上させたり水平方向に駆動させる電
極対を使って水平方向変位計やZ方向変位計を兼用でき
るようにした回路の構成を説明するブロック図が示され
ている。図7における装置は、電極対92、98、発振
手段としての発振回路99、周波数検出手段としての検
波回路100、及び位置検出手段としての制御回路80
などを備えている。すなわち、この第3の実施形態は、
上記した第1の実施形態の搬送装置における浮上用電極
対50、52、54、水平方向駆動用電極対56、5
8、60、あるいは第2の実施形態の搬送装置における
ウエハ位置制御電極対86、88、90に対して、所定
のキャリア周波数を重畳することによって、水平方向変
位計68、70、72やZ方向変位計74、76、78
を兼用できるようにした点に特徴を有する。その他の部
分の構成については、図示省略したが、第1又は第2の
実施形態とほぼ同一である。
【0082】電極対92、98は、上記した第1の実施
形態における浮上用電極対50、52、54、水平方向
駆動用電極対56、58、60、あるいは、第2の実施
形態におけるウエハ位置制御用電極対86、88、90
の何れかに相当するものである。しかし、各電極対の配
置は、図3や図6に示されるロードアーム48A、84
上の電極対の配置に限定されず、変位計としても兼用可
能な位置に配置されていることを要する。すなわち、ウ
エハWの水平方向の変位を計測する変位計とする場合
は、ロードアーム48A、84の定位置に配置されたウ
エハWの外周部の少なくとも3箇所に配置されているこ
とを要し、そのうちの少なくとも2箇所は、ウエハWの
Z軸回りの回転角(θ)を見るためにオリエンテーショ
ンフラット部分に配置されていることを要する。また、
ウエハWのZ方向の変位を計測する変位計とする場合
は、ロードアーム48A、84の定位置に配置されたウ
エハWの径よりもある程度内側に入り込んだ位置の少な
くとも3箇所に配置されていることを要する。そして、
この電極対92、98は、一定の間隙を介して吸引浮上
されるウエハWとの間に静電容量Cが形成される。
【0083】発振回路99は、上記した静電容量Cが形
成される電極対92、98が接続されるとともに、内部
にインダクタンスLを備えた、いわゆるLC発振回路を
構成している。このため、発振回路99は、電極対9
2、98にウエハWが接近すると、静電容量Cが変化し
て発振周波数が変化することから、その変化を電気信号
に変換してウエハWの位置検出が行われる。LC発振回
路の発振周波数は、インダクタンスLと静電容量Cによ
り決まるため、インダクタンスLが一定であれば、静電
容量Cの変化がそのまま発振周波数の変化として表れ
る。
【0084】検波回路100は、上記した発振回路99
の周波数変化や発振の開始あるいは停止などを検出し、
その検出信号を次段の制御装置80に送出する。
【0085】制御装置80は、ここでは検出回路100
から送られてくる発振回路99の周波数の変化を検出す
る検出信号に基づいて演算処理を行い、ウエハWの位置
(変位)を検出するものである。
【0086】このように構成された搬送装置では、図7
に示されるように、ロードアームに設置されている所定
の電極対92、98に対して高周波のキャリア周波数を
重畳させる。そして、各電極対92、98の静電容量C
は、これに接近配置されたウエハW位置に応じて変化す
る。例えば、電極対92は、ウエハWの外周部に設けら
れたウエハWの水平方向の変位を計測する変位計として
使用することが可能であり、破線位置のウエハW’が図
7の左方向(矢印K方向)に移動して実線のウエハW位
置まで移動すると、重なり面積Sが減少して、静電容量
Cが減少する。この静電容量Cの減少は、発振回路99
における発振周波数(キャリア周波数)の変化となって
表れ、これを検波回路100で検出して、制御装置80
で演算処理することにより、電極対92に対するウエハ
Wの水平方向の位置を検出することができる。この水平
方向の変位を計測する変位計は、ロードアームに少なく
とも3個設けられ、各変位計で検出される変位に基づい
てウエハWの水平方向位置を検出することができる。
【0087】また、電極対98は、ウエハWの内側に設
けられたウエハWのZ方向の変位を計測する変位計とし
て使用することが可能であり、破線位置のウエハW’が
図7の下方向(矢印J方向)に移動して実線のウエハW
位置まで移動したとすると、ギャップgが増大して、静
電容量Cが減少することになる。この静電容量Cの減少
は、上記と同様に発振回路99における発振周波数(キ
ャリア周波数)の変化となって表れ、これを検波回路1
00で検出して、制御装置80で演算処理することによ
り、電極対98に対するウエハWのZ方向位置を検出す
ることができる。このZ方向の変位を計測する変位計
は、ロードアームに少なくとも3個設けられており、各
変位計で検出される変位に基づいてロードアームに対す
るウエハWの間隔とウエハWの傾きを検出することがで
きる。
【0088】このように、本第3の実施形態に係る搬送
装置では、浮上用電極対、水平方向駆動用電極対あるい
はウエハ位置制御用電極対等を使って、水平方向変位計
やZ方向変位計を兼用させることができるため、機能を
低下させることなく構成を簡略化できるため、低コスト
化することができる。その上、浮上用電極対とZ方向変
位計とを兼用させた場合、あるいは水平方向駆動用電極
対と水平方向変位計とを兼用させた場合は、駆動位置と
検出位置とが同じため、位置制御を正確かつ容易に行え
るという利点がある。
【0089】なお、上記実施形態では、ドーピングされ
たウエハを搬送する場合を例にあげて説明したが、被搬
送物体はウエハに限られるものではなく、導電性を有す
る平板状の物体であれば、上記と同様に非接触で正確な
位置制御を行いながら搬送させることができる。
【0090】また、上記実施形態では、直線的な切欠き
部であるオリエンテーションフラットが形成されたウエ
ハを用いて実施したが、これ以外にもV字形の切欠き部
(いわゆるノッチ)が形成されたウエハを用いる場合で
あっても、上記と同様に実施することができる。
【0091】さらに、上記実施形態では、全ての変位計
を静電容量変位計としたが、本発明はこれに限定される
ものではなく、例えば、光電式の非接触変位計を用いて
変位を計測するものであってもよい。
【0092】また、上記実施形態では、ステップ・アン
ド・リピート方式による露光装置に本発明が適用された
場合について説明したが、本発明の適用範囲がこれに限
定されるものではなく、ステップ・アンド・スキャン方
式、その他の露光装置に適用することは可能であり、更
には、露光装置に限らず、導電性を有する平板状の物体
を搬送する装置について好適に適用することが可能であ
る。
【0093】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
導電性を有する被搬送物体を非接触で保持して、かつそ
の位置制御を行いながら所望の位置に正確に搬送するこ
とができるという従来にない優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る露光装置の全体構成を概
略的に示す図である。
【図2】図1の装置において第1のコラムの上板より上
方の部分を取り除いた状態を示す平面図である。
【図3】第1の実施形態に係る搬送装置としてのロード
アームの構成を示す図である。
【図4】図3のA−A線断面図である。
【図5】ロードアームの概略構成を示すブロック図であ
る。
【図6】第2の実施形態に係る搬送装置としてのロード
アームの構成を示す図である。
【図7】第3の実施形態に係る搬送装置として電極対を
使って変位計を兼用させる回路構成を説明するブロック
図である。
【図8】従来のウエハを搬送するバキュームハンドの平
面図である。
【図9】従来のウエハを搬送するバキュームハンドの正
面図である。
【図10】従来の静電浮上方式による搬送装置の正面図
である。
【符号の説明】
48A ロードアーム(搬送装置) 50、52、54 浮上用電極対(第1の電極対) 56、58、60 水平方向駆動用電極対(第2の電
極対) 62、64、66 磁石装置(磁場発生手段) 68、70、72 水平方向変位計(第1の変位計) 74、76、78 Z方向変位計(第2の変位計) 80 制御装置(制御手段、位置検出手
段) 86、88、90 ウエハ保持電極対(第3の電極
対) 92、98 電極対 99 発振回路(発振手段) 100 検波回路(周波数検出手段) W ウエハ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性を有する平板状の被搬送物体が搬
    送面に対して非接触で保持されて搬送される搬送装置で
    あって、 前記被搬送物体の上面に位置し、前記被搬送物体に対向
    してかつ相互に対峙して位置する電極対から成り、当該
    電極対間に与えられる電位差により前記被搬送物体の対
    向面に逆極性の電荷を誘起させる少なくとも1組の第1
    の電極対と;前記被搬送物体の上面に位置し、前記被搬
    送物体に対向してかつ相互に対峙して位置する電極対か
    ら成り、当該電極対間に与えられる電位差により前記被
    搬送物体の対向面に電流を生じさせる少なくとも3組の
    第2の電極対と;前記各第2の電極対によって前記被搬
    送物体内に生じる各電流と直交する方向の磁場を発生さ
    せる磁場発生手段と;前記被搬送物体の搬送面に対する
    2次元平面内の位置を計測する少なくとも3つの第1の
    変位計と;前記各変位計の出力に基づいて前記各第2の
    電極対に与える電位差と前記磁場の強さとを制御する制
    御手段とを有する搬送装置。
  2. 【請求項2】 前記第2の電極対は、 各電極間に与えられる電位差により前記被搬送物体の対
    向面に同一方向の電流を生じさせる少なくとも2組の電
    極対と、それら2組の電極対と異なる方向に電流を生じ
    させる少なくとも1組の電極対とから成ることを特徴と
    する請求項1に記載の搬送装置。
  3. 【請求項3】 前記第2の電極対間に与えられる電位差
    は、 所定周期毎に交互に極性を反転させる変動電位差である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の搬送装置。
  4. 【請求項4】 導電性を有する平板状の被搬送物体が搬
    送面に対して非接触で保持されて搬送される搬送装置で
    あって、 前記被搬送物体の上面に位置し、前記被搬送物体に対向
    してかつ相互に対峙して位置する電極対から成り、当該
    電極対間に与えられる電位差により前記被搬送物体の対
    向面に逆極性の電荷を誘起させるとともに、前記被搬送
    物体の対向面に電流を生じさせる少なくとも3組の第3
    の電極対と;前記第3の電極対によって前記被搬送物体
    内に生じる各電流と直交する方向の磁場を発生させる磁
    場発生手段と;前記被搬送物体の搬送面に対する2次元
    平面内の位置を計測する少なくとも3つの第1の変位計
    と;前記各変位計の出力に基づいて前記各第3の電極対
    に与える電位差と前記磁場の強さとを制御する制御手段
    とを有する搬送装置。
  5. 【請求項5】 前記第3の電極対は、 各電極間に与えられる電位差により前記被搬送物体の対
    向面に同一方向の電流を生じさせる少なくとも2組の電
    極対と、それら2組の電極対と異なる方向に電流を生じ
    させる少なくとも1組の電極対とから成ることを特徴と
    する請求項4に記載の搬送装置。
  6. 【請求項6】 前記第3の電極対の各電極間に与えられ
    る電位差は、 所定周期毎に交互に極性を反転させる変動電位差である
    ことを特徴とする請求項4又は5に記載の搬送装置。
  7. 【請求項7】 前記被搬送物体の鉛直方向の位置を計測
    する少なくとも3つの第2の変位計を更に有することを
    特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載の搬
    送装置。
  8. 【請求項8】 前記各変位計は、 前記被搬送物体の搬送面内の位置や鉛直方向の位置を静
    電容量の変化に基づいて計測する静電容量形の変位計で
    あることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一項
    に記載の搬送装置。
  9. 【請求項9】 前記各変位計は、 前記それぞれの電極対の少なくとも1つに所定のキャリ
    ア周波数を重畳させる発振手段と;該発振手段のキャリ
    ア周波数の変化を検出する周波数検出手段と;該周波数
    検出手段で検出されたキャリア周波数の変化に基づいて
    前記被搬送物体の位置を検出する位置検出手段とを有す
    ることを特徴とする請求項8に記載の搬送装置。
JP17178996A 1996-06-11 1996-06-11 搬送装置 Pending JPH09330975A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17178996A JPH09330975A (ja) 1996-06-11 1996-06-11 搬送装置
US09/515,868 US6160338A (en) 1996-06-11 2000-02-29 Transport apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17178996A JPH09330975A (ja) 1996-06-11 1996-06-11 搬送装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09330975A true JPH09330975A (ja) 1997-12-22

Family

ID=15929729

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17178996A Pending JPH09330975A (ja) 1996-06-11 1996-06-11 搬送装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US6160338A (ja)
JP (1) JPH09330975A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008069890A (ja) * 2006-09-14 2008-03-27 Canon Inc 除振装置、露光装置及びデバイス製造方法
WO2008075749A1 (ja) * 2006-12-21 2008-06-26 Nikon Corporation 露光方法及び装置、並びに基板保持装置
JP2009010369A (ja) * 2007-06-14 2009-01-15 Asml Netherlands Bv リソグラフィ装置およびデバイス製造方法
JP2013070038A (ja) * 2011-09-23 2013-04-18 Asml Netherlands Bv リソグラフィ装置及び基板ハンドリング方法
WO2014057843A1 (ja) * 2012-10-11 2014-04-17 株式会社クリエイティブ テクノロジー ワーク保持装置及びこれを用いたワークの横ずれ検出方法
WO2015029827A1 (ja) * 2013-08-28 2015-03-05 株式会社クリエイティブ テクノロジー 静電容量センサ,検出システム及びロボットシステム

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0866375A3 (en) * 1997-03-17 2000-05-24 Nikon Corporation Article positioning apparatus and exposing apparatus having the same
US6246203B1 (en) * 1999-02-05 2001-06-12 Silicon Valley Group, Inc. Direct skew control and interlock of gantry
JP2001250854A (ja) * 1999-12-28 2001-09-14 Nikon Corp 搬送方法及び搬送装置、位置決め方法及び位置決め装置、基板保持方法及び基板保持装置、露光方法及び露光装置、デバイスの製造方法及びデバイス
JP2001230305A (ja) * 2000-02-18 2001-08-24 Canon Inc 支持装置
DE50014586D1 (de) * 2000-03-17 2007-10-04 Festo Ag & Co Elektrodynamischer Lineardirektantrieb
US6752585B2 (en) * 2001-06-13 2004-06-22 Applied Materials Inc Method and apparatus for transferring a semiconductor substrate
DE10361904A1 (de) * 2003-12-23 2005-07-28 Fachhochschule Jena Verfahren und Anordnung zur Ermittlung von Positionen eines auf einer Fläche bewegten Gegenstandes
JP4543181B2 (ja) * 2004-12-20 2010-09-15 国立大学法人九州工業大学 超電導磁気浮上による非接触搬送装置
US8242730B2 (en) * 2008-06-10 2012-08-14 Nichols Michael J Automated robot teach tool and method of use
US8970820B2 (en) * 2009-05-20 2015-03-03 Nikon Corporation Object exchange method, exposure method, carrier system, exposure apparatus, and device manufacturing method
US20110085150A1 (en) * 2009-09-30 2011-04-14 Nikon Corporation Exposure apparatus, exposure method, and device manufacturing method
DE102016201759B4 (de) * 2016-02-05 2017-09-14 Hochschule Heilbronn Verfahren zur Magnetfeldmessung und zur Bewegung eines Körpers in einem Magnetfeld sowie dessen Anwendung als Magnetfeldsensor und als Elektromotor
JP6760560B2 (ja) * 2016-08-29 2020-09-23 株式会社ダイヘン 搬送ロボット
CN117208572B (zh) * 2023-11-09 2024-02-13 四川名人居门窗有限公司 一种玻璃吸盘车摆动结构

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4654571A (en) * 1985-09-16 1987-03-31 Hinds Walter E Single plane orthogonally movable drive system
JP2581066B2 (ja) * 1987-03-31 1997-02-12 富士通株式会社 ウエ−ハ搬送方法及び装置
US5196745A (en) * 1991-08-16 1993-03-23 Massachusetts Institute Of Technology Magnetic positioning device
JPH0614520A (ja) * 1992-06-22 1994-01-21 Ebara Corp リニアインダクションモータ
JP3308063B2 (ja) * 1993-09-21 2002-07-29 株式会社ニコン 投影露光方法及び装置
JPH07257751A (ja) * 1994-03-18 1995-10-09 Kanagawa Kagaku Gijutsu Akad 静電浮上搬送装置及びその静電浮上用電極
JPH08168271A (ja) * 1994-12-09 1996-06-25 Kanagawa Kagaku Gijutsu Akad 静電浮上式リニアモータ

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008069890A (ja) * 2006-09-14 2008-03-27 Canon Inc 除振装置、露光装置及びデバイス製造方法
WO2008075749A1 (ja) * 2006-12-21 2008-06-26 Nikon Corporation 露光方法及び装置、並びに基板保持装置
JP2009010369A (ja) * 2007-06-14 2009-01-15 Asml Netherlands Bv リソグラフィ装置およびデバイス製造方法
US8013981B2 (en) 2007-06-14 2011-09-06 Asml Netherlands B.V. Lithographic apparatus and device manufacturing method
JP2013070038A (ja) * 2011-09-23 2013-04-18 Asml Netherlands Bv リソグラフィ装置及び基板ハンドリング方法
WO2014057843A1 (ja) * 2012-10-11 2014-04-17 株式会社クリエイティブ テクノロジー ワーク保持装置及びこれを用いたワークの横ずれ検出方法
US9689656B2 (en) 2012-10-11 2017-06-27 Creative Technology Corporation Workpiece holder and method using same for detecting lateral displacement of workpiece
WO2015029827A1 (ja) * 2013-08-28 2015-03-05 株式会社クリエイティブ テクノロジー 静電容量センサ,検出システム及びロボットシステム
JPWO2015029827A1 (ja) * 2013-08-28 2017-03-02 株式会社クリエイティブテクノロジー 静電容量センサ,検出システム及びロボットシステム

Also Published As

Publication number Publication date
US6160338A (en) 2000-12-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH09330975A (ja) 搬送装置
US7289194B2 (en) Positioning apparatus, exposure apparatus, and device manufacturing method
US6720680B1 (en) Flat motor device and its driving method, stage device and its driving method, exposure apparatus and exposure method, and device and its manufacturing method
TWI632640B (zh) 移動體裝置、物體處理裝置、平面面板顯示器之製造方法、元件製造方法、以及搬送方法
US5780943A (en) Exposure apparatus and method
EP0287838B1 (en) An apparatus for transporting an electrically conductive wafer
US6333572B1 (en) Article positioning apparatus and exposing apparatus having the article positioning apparatus
CN104956465A (zh) 搬送系统、曝光装置、搬送方法、曝光方法及器件制造方法、以及吸引装置
US6781669B2 (en) Methods and apparatuses for substrate transporting, positioning, holding, and exposure processing, device manufacturing method and device
TW405159B (en) Stage device and its manufacturing method and light exposure device and its manufacturing method
JP2020074009A (ja) 基板処理装置及び基板処理方法、露光方法及び露光装置、並びにデバイス製造方法及びフラットパネルディスプレイの製造方法
JP3748559B2 (ja) ステージ装置、露光装置、荷電ビーム描画装置、デバイス製造方法、基板電位測定方法及び静電チャック
JPS6320014B2 (ja)
JP4292573B2 (ja) ステージ装置及び露光装置
JPH10256356A (ja) 位置決め装置及び該装置を備えた露光装置
JP2005353987A (ja) 静電チャック、デバイス製造装置およびデバイス製造方法
JP2015198121A (ja) リソグラフィ装置、ステージ装置、及び物品の製造方法
US7319510B2 (en) Stage device, exposure apparatus using the unit, and device manufacturing method
JP4393150B2 (ja) 露光装置
JPH10256355A (ja) 位置決めデバイス、基板保持装置、及び該装置を備えた露光装置
JP2001102279A (ja) ステージ装置および露光装置
JP2002343706A (ja) ステージ装置及びステージの駆動方法、露光装置及び露光方法、並びにデバイス及びその製造方法
JP2014204634A (ja) モータ、移動体装置、及び露光装置
JPH09320955A (ja) 駆動装置及びステージ装置
JPH11178311A (ja) 位置決め装置、駆動ユニット及び前記装置を備えた露光装置

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060421

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060810