JP4292573B2 - ステージ装置及び露光装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステージ装置及び露光装置に係り、更に詳しくは、2次元面内で移動可能なステージを備えるステージ装置及び該ステージ装置を備える露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、半導体素子(集積回路)又は液晶表示素子等を製造するに際し、リソグラフィ工程では、種々の露光装置が用いられている。近年では、半導体素子の高集積化に伴い、ステップ・アンド・リピート方式の縮小投影露光装置(いわゆるステッパ)や、このステッパに改良を加えたステップ・アンド・スキャン方式の走査型投影露光装置(いわゆるスキャニング・ステッパ(スキャナとも呼ばれる))などの逐次移動型の投影露光装置が主流となっている。
【0003】
例えば、半導体素子の製造に用いられる投影露光装置では、ウエハステージ上のウエハを交換するウエハ交換工程、ウエハ上の各ショット領域の位置を正確に求めるためのウエハアライメント工程、及びそのウエハアライメントの結果に基づいてウエハステージの位置を制御してウエハ上の各ショット領域にレチクル(又はマスク)に形成されたパターンを転写する露光工程の3つの工程の処理が、1つのウエハステージを用いてが順次繰り返し行われている。
【0004】
しかるに、上記投影露光装置は、半導体素子等の量産に用いられるものであることから、一定の時間内にどれだけの枚数のウエハを露光できるか、という処理能力、すなわちスループットを向上させることが必然的に求められる。
【0005】
このため、近年の投影露光装置では、ウエハアライメント工程において、ウエハ上の複数のショット領域の中から予め選択された特定の複数(例えば4〜15個程度)のショット領域(サンプルショット領域又はアライメントショット領域)それぞれに付設されたアライメントマーク(ウエハマーク)の位置を順次計測し、この計測結果とショット領域の設計上の座標値とに基づいて、いわゆる最小二乗法等による統計演算を行って、ウエハ上の全てのショット領域の配列座標を求める、EGA(エンハンスト・グローバル・アライメント)方式のウエハアライメントが主として採用されている(特許文献1参照)。このEGA方式のウエハアライメントでは、高スループットで比較的精度良くウエハ上の各ショット領域の位置情報を求めることができる。
【0006】
しかしながら、スループット向上に対する要求はとどまることがなく、最近では、例えばウエハ交換動作及びアライメント動作と、露光動作とを並行して行いスループットをさらに向上させようとの観点から、上記ウエハ交換及びアライメントの際に用いられるウエハステージと、露光の際に用いられるウエハステージとを備えた、ツインウエハステージタイプの露光装置も種々提案され、その一部は実用化されている。
【0007】
上記のツインウエハステージとしては、例えば、X軸方向に延びるX駆動リニアモータの固定子の長手方向の一端と他端に一対のY駆動リニアモータの可動子がそれぞれ設けられた機構部を、一対具備し、それぞれの機構部がそれぞれ備える一対のY駆動リニアモータの可動子を、共通の一対の固定子上に配置した位置決め装置が知られている(例えば特許文献2参照)。この特許文献2に記載の位置決め装置では、各一対のY駆動リニアモータの駆動力によってX駆動リニアモータの固定子及び可動子が、Y軸方向に一体で駆動される。また、各X軸リニアモータの可動子は、その固定子に対してX軸方向に駆動される。各X軸リニアモータの可動子には、2つのステージ(物体保持器)のいずれをも連結可能な接続機構(連結機構)の一部がそれぞれ設けられ、2つのステージのY軸方向の一側と他側には、前記各接続機構の残部がそれぞれ設けられている。
【0008】
この他、ウエハが載置された断面S字状の2つのウエハステージを、所定の第1軸方向を長手方向とし、その長手方向に直交する第2軸方向に移動可能な第1、第2の移動体(スライダ)に対して非接触で接続(連結)可能な装置も提案されている(例えば、特許文献3参照)。この特許文献3に開示される装置では、各ステージは、連結された移動体との間の電磁相互作用により第1軸方向に駆動されるとともに、その移動体と一体で第2軸方向に移動する。なお、この特許文献3に記載の装置では、それぞれの移動体と各ステージとの連結が非接触で行われることから、上記特許文献2に記載の装置に比べて連結時の衝撃が小さいという利点がある。
【0009】
【特許文献1】
特開昭61−44429号公報
【特許文献2】
国際公開WO98/40791号パンフレット
【特許文献3】
特開平11−341884号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献2に記載の位置決め装置にあっては、各ステージを各X軸リニアモータの可動子に連結するためのリジッドな接続機構が必要であるとともに、このリジッドな接続機構はステージとともに移動する可動部であることから、その分、可動部の重量が重くなり、結果的にステージの位置制御性が必ずしも満足できるものとはなっていなかった。また、この位置決め装置にあっては、上述の如く、リジッドな接続機構が採用されていることから、接続時(連結時)の衝撃力により、ステージ上の半導体基板(ウエハ)の位置ずれが発生するおそれもあった。更には、上記特許文献2の図2等からも明らかなように、ステージが片持ち構造であり、各ステージの推力の作用点は重心から外れているので、その駆動時に振動が発生し易く、更にはステージに回転モーメン卜が必然的に作用する構成になっていた。
【0011】
一方、上記特許文献3に記載のステージ装置にあっては、質量の比較的大きいステージを第1、第2の移動体に対して非接触で入れ替える(持ち替える)こととしているため、持ち替え動作に要する時間が長く、改善の余地を残している。
【0012】
本発明は、かかる事情の下になされたもので、その第1の目的は、複数のステージを用いた並行処理動作の能力を向上させることができるステージ装置を提供することにある。
【0013】
また、本発明の第2の目的は、最終製品であるデバイスの生産性を向上させることが可能な露光装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、第1ステージ(ST1)と;該第1ステージを2次元面内のうちの第1軸方向に駆動する第1リニアモータと、該第1リニアモータの固定子を前記2次元面のうちの第2軸方向に駆動する一対の第2リニアモータとを有する第1駆動機構と;前記第1ステージとは異なる第2、第3ステージを含む複数のステージと;固定子を共有し、前記第2、第3ステージを相互に独立に前記第1軸方向に駆動する2つの第3リニアモータと、該第3リニアモータの固定子を前記第2軸方向に駆動する一対の第4リニアモータとを有し、前記第1駆動機構に少なくとも一部が接続され、前記第2、第3ステージを前記第2軸方向に関しては同時に駆動する第2駆動機構と;を備え、前記第1ステージは、前記第2ステージと近接する位置から前記第3ステージと近接する位置まで、前記第1軸方向に移動可能であることを特徴とするステージ装置である。
【0015】
ここで、第2軸方向は、第1軸方向とは異なる方向、すなわち第1軸方向と交差する方向であれば良く、例えば直交する方向であっても良い。
【0016】
これによれば、第1駆動機構により、第1ステージが2次元面内で駆動され、第1駆動機構に少なくとも一部が接続された第2駆動機構により、第1ステージとは異なる第2、第3ステージが2次元平面のうちの第1軸方向に関して相互に独立に、第2軸方向に関しては同時に駆動される。この場合、第1駆動機構と第2駆動機構とは少なくとも一部が接続されているので、第1駆動機構によって第1ステージが駆動される際に第1駆動機構に生じる反力は、第2駆動機構に影響を及ぼし、第2駆動機構によって第2、第3ステージの少なくとも一方が駆動される際に第2駆動機構に生じる反力は、第1駆動機構に影響を及ぼし得る。
【0017】
すなわち、例えば第1ステージと、第2、第3ステージの一方とが、所定の動作を並行して行うために同時に駆動される場合に、第1、第2の駆動機構とこれらの駆動機構によってそれぞれ駆動可能な各ステージを含む系全体に作用する回転モーメントを、第2、第3ステージの他方を第1軸方向に駆動することにより、その駆動力の反力の作用を利用して、相殺あるいは効果的に低減することが可能である。
【0018】
従って、本発明によれば、ステージの駆動時に生じる反力が他のステージに与える影響を低減して、並行動作のために同時に駆動される少なくとも2つのステージの位置制御性を向上させることができ、ひいては複数のステージを用いた並行処理動作の能力を精度面で向上させることが可能となる。
【0021】
請求項2に記載の発明は、第1ステージと;該第1ステージを2次元面内のうちの第1軸方向に駆動する第1リニアモータと、該第1リニアモータの固定子を前記2次元面のうちの第2軸方向に駆動する一対の第2リニアモータとを有する第1駆動機構と;前記第1ステージとは異なる第2、第3ステージを含む複数のステージと;固定子を共有し、前記第2、第3ステージを相互に独立に前記第1軸方向に駆動する2つの第3リニアモータと、該第3リニアモータの固定子を前記第2軸方向に駆動する一対の第4リニアモータとを有し、前記第1駆動機構に少なくとも一部が接続され、前記第2、第3ステージを前記第2軸方向に関しては同時に駆動する第2駆動機構と;前記一対の第2リニアモータの固定子と、前記一対の第4リニアモータの固定子とが接続され、前記各ステージを支持するステージベースに移動可能に支持されたカウンタウエイト(58)と;を備えることを特徴とするステージ装置である。
【0022】
この場合において、請求項に記載のステージ装置の如く、前記第1リニアモータ及び前記第3リニアモータの少なくとも一方のモータの固定子である特定固定子と前記カウンタウエイトとの間には、前記特定固定子の長手方向に関する該特定固定子と前記カウンタウエイトとの位置関係を維持する維持機構(42A,42B,36A,36B,46A,46B)が設けられていることとすることができる。また、上記請求項2又は3に記載の各ステージ装置において、請求項4に記載のステージ装置の如く、前記第2駆動機構は、前記カウンタウエイトの回転を抑制するように、前記第3ステージを駆動することとすることができる。
【0023】
上記請求項1〜に記載の各ステージ装置において、請求項に記載のステージ装置の如く、前記第1、第2及び第3ステージのいずれにも搭載可能な少なくとも2つのテーブル(TB1,TB2)と;前記第1、第2及び第3ステージの三者間で前記各テーブルを受け渡すテーブル受け渡し機構(PT,64A〜64C)と;を更に備えることとすることができる。
【0024】
この場合において、請求項に記載のステージ装置の如く、前記第1駆動機構は、前記第1ステージに前記テーブルが搭載された際の前記第1ステージ及びテーブル全体の重心点を駆動点として前記第1ステージを駆動することとすることができる。
【0025】
上記請求項及びに記載の各ステージ装置において、請求項に記載のステージ装置の如く、前記第2駆動機構は、前記第2、第3ステージにそれぞれ前記テーブルが搭載された際の各ステージ及びテーブル全体の重心点を駆動点として前記第2、第3ステージのうち少なくとも所定の一方のステージを駆動することとすることができる。
【0027】
請求項に記載の発明は、相互に接近離間する方向に2次元面内で移動可能な第1ステージ(ST1)、第2ステージ(ST2)及び第3ステージ(ST3)を含む複数のステージと;前記複数のステージのそれぞれに搭載可能であり、前記複数のステージのうち任意の1つを除く残りのステージに搭載された前記複数のステージより1つ少ない数のテーブル(TB1,TB2)と;前記複数のステージのうち任意の2つのステージが近接することにより、当該2つのステージの一方から他方へ前記テーブルを移動する移動機構(PT,64A〜64C)と;を備えることを特徴とするステージ装置である。
【0028】
これによれば、相互に接近離間する方向に2次元面内で移動可能な第1ステージ、第2ステージ及び第3ステージを含む複数のステージと、該複数のステージのそれぞれに搭載可能な、複数のステージより1つ少ない数のテーブルとを備えている。そして、移動機構により、複数のステージのうち任意の2つのステージが近接することにより、当該2つのステージの一方から他方へテーブルが移動される。すなわち、ロボットアーム等を用いることなく、2つのステージの相互の接近により該ステージ間でのテーブルの受け渡しが可能である。従って、ロボットアームなどの搬送系の設置スペースが不要なので、その分フットプリントの狭小化、ひいては装置の小型化を実現することができる。また、ステージに比べて相当小型軽量のテーブルがステージ間で受け渡されるので、その受け渡しを短時間で行うことができる。
【0029】
従って、本発明では、テーブルの複数のステージ間での受け渡しを行う場合に、例えば第1のステージから第2のステージへ、その第2のステージから第3のステージへ、……、第Nのステージから第1のステージへというような循環経路に沿って行うことにより、高スループットのテーブル循環動作、及び複数のステージ上にそれぞれ搭載されたテーブルを用いた並行処理動作の実現が可能であり、結果的に、複数のステージを用いた並行処理動作の能力を特に時間的な面で向上させることが可能となる。
【0030】
この場合において、請求項に記載のステージ装置の如く、前記複数のステージそれぞれには、少なくとも1つの固定子(92A〜93F)が設けられ、前記テーブルには、前記固定子とともに微動機構を構成する少なくとも1つの可動子(95A〜96F)が設けられ、前記微動機構により、前記テーブルが少なくとも重力方向に微小駆動されることとすることができる。
【0031】
この場合において、請求項10に記載のステージ装置の如く、前記複数のステージそれぞれには、前記固定子が6つ設けられ、前記テーブルには、各固定子に個別に対応する6つの可動子が設けられ、前記微動機構は、前記各固定子と対応する各可動子との個別の協働により、前記テーブルを6自由度方向に微小駆動することとすることができる。
【0032】
この場合において、請求項11に記載のステージ装置の如く、前記各固定子は電磁コア及び永久磁石の所定の一方であり、前記各可動子は、電磁コア及び永久磁石の所定の他方であることとすることができる。
【0033】
上記請求項11に記載の各ステージ装置において、請求項12に記載のステージ装置の如く、前記第1ステージを含む少なくとも1つのステージを2次元面内で駆動する第1駆動機構(LX1,DY1a、DY1b)と;前記第2、第3ステージを、前記2次元面内の直交二軸方向のうち、第1軸方向に関しては相互に独立に、第2軸方向に関しては同時に駆動する第2駆動機構(LX2,DY2a、DY2b)と;を更に備えることとすることができる。
【0034】
この場合において、請求項13に記載のステージ装置の如く、前記第2駆動機構は、前記第1ステージとは独立して前記第2、第3ステージを駆動することとすることができる。
【0035】
上記請求項13に記載の各ステージ装置において、請求項14に記載のステージ装置の如く、前記第2、第3ステージは、相互の接近離間方向と前記第1ステージに対する接近離間方向が、相互に直交する方向とされていることとすることができる。
【0036】
上記請求項14に記載の各ステージ装置において、請求項15に記載のステージ装置の如く、前記第1、第2、第3ステージのそれぞれには、前記任意のテーブルを前記第1、第2、第3ステージ間で移動するための移動経路が設けられ、該移動経路のそれぞれは他のステージに設けられた移動経路と接続可能であることとすることができる。
【0037】
この場合において、請求項16に記載のステージ装置の如く、前記第1ステージの上面には、前記2次元面内の第2軸方向に沿ったテーブル搬送経路が設けられ、前記第2、第3ステージそれぞれの上面には、前記第1軸方向及び第2軸方向の経路部分から成るL字状のテーブル搬送経路がそれぞれ設けられていることとすることができる。
【0038】
上記請求項16に記載の各ステージ装置において、請求項17に記載のステージ装置の如く、前記移動機構は、前記各ステージ上に設けられた、静電多相電極を含む静電アクチュエータ、磁歪素子を含む磁歪アクチュエータ、非共振の圧電素子を含む圧電アクチュエータ、及び電歪素子を含む電歪アクチュエータのいずれかであることとすることができる。
【0039】
上記請求項17に記載の各ステージ装置において、請求項18に記載のステージ装置の如く、前記第1駆動機構および前記第2駆動機構が共通に接続され、前記各ステージの反力の作用により自在に移動可能に、前記複数のステージを支持するステージベースに支持されたカウンタウエイト(58)を更に備えることとすることができる。
【0040】
上記請求項2、3、18に記載の各ステージ装置において、請求項19に記載のステージ装置の如く、前記カウンタウエイトを前記2次元面内で駆動する駆動装置を更に備えることとすることができる。
【0041】
上記請求項18に記載のステージ装置において、請求項20に記載のステージ装置の如く、前記第3ステージは、前記カウンタウエイトの回転を抑制するように、移動することとすることができる。
【0042】
請求項21に記載の発明は、エネルギビーム(IL)により感光物体(W)を露光して前記所定のパターンを前記感光物体上に形成する露光装置であって、前記各ステージに前記感光物体が載置される請求項1〜のいずれか一項に記載のステージ装置と;前記第1ステージに載置された前記感光物体を前記エネルギビームで露光する露光部(12,PL)と;前記第2、第3ステージのうちの所定の一方に載置された前記感光物体上に形成されたマークを検出するマーク検出系(ALG)と;を備える露光装置である。
【0043】
これによれば、請求項1〜のいずれか一項に記載のステージ装置を備えており、また、第1ステージに載置された前記感光物体をエネルギビームで露光する露光部と、第2、第3ステージのうちの所定の一方に載置された感光物体上に形成されたマークを検出する検出系とを備えている。従って、第1ステージに載置された感光物体に対して露光が行われている間に、第2ステージに載置された感光物体上に形成されたマークの検出を行う並行処理動作を、その並行動作時の第1、第2ステージの駆動に伴う反力及び該反力に起因する回転モーメントの影響を低減して精度良く行うことができる。従って、本発明の露光装置によれば、最終製品であるデバイスの生産性を特に歩留まりの面で向上させることが可能である。
【0044】
請求項22に記載の発明は、エネルギビーム(IL)により感光物体(W)を露光して所定のパターンを前記感光物体上に形成する露光装置であって、前記各テーブルに前記感光物体が載置される請求項20のいずれか一項に記載のステージ装置と;前記第1ステージ上に搭載された任意のテーブル上の前記感光物体を前記エネルギビームで露光する露光部(12,PL)と;前記第2、第3ステージのうちの所定の一方に搭載された任意のテーブル上の前記感光物体に形成されたマークを検出するマーク検出系(ALG)と;を備える露光装置である。
【0045】
これによれば、請求項20のいずれか一項に記載のステージ装置を構成する、第1ステージ上に搭載された任意のテーブル上の感光物体が露光部によりエネルギビームで露光するのと並行して、第2、第3ステージのうちの所定の一方に搭載された任意のテーブル上の感光物体に形成されたマークがマーク検出系によって検出される。この場合、高スループットのテーブル循環及び第1ステージ及び第2、第3ステージのうちの所定の一方を用いた高スループットの並行処理動作が実現される。この結果、最終製品であるデバイスの生産性を主としてスループットの面で向上させることができる。
【0046】
この場合において、請求項23に記載のステージ装置の如く、前記露光部は、前記エネルギビームを前記感光物体に照射する露光光学系(PL)を有し、前記各テーブルには、前記第1軸及び第2軸にそれぞれ直交する反射面がそれぞれ設けられ、前記露光光学系と前記マーク検出系とが、前記第1軸及び第2軸にともに交差する方向に沿って配置されていることとすることができる。
【0047】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を図1〜図15に基づいて説明する。図1には、一実施形態の露光装置10が概略的に示されている。
【0048】
この露光装置10は、マスクとしてのレチクルRと感光物体としてのウエハW1(又はW2)とを一次元方向(ここでは、図1における紙面直交方向であるY軸方向とする)に同期移動しつつ、レチクルRに形成された回路パターンを投影光学系PLを介してウエハW1(又はW2)上の複数のショット領域にそれぞれ転写する、ステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置、すなわちいわゆるスキャニング・ステッパ(スキャナ)である。
【0049】
露光装置10は、照明光ILによりレチクルRを照明する照明系12、レチクルRが載置されるレチクルステージRST、レチクルRから射出される照明光ILをウエハW1(又はW2)上に投射する投影光学系PL、ウエハW1(又はW2)が載置されるテーブルとしてのウエハテーブルTB1,TB2等を有するステージ装置20、及び装置全体を統括制御する主制御装置50等を備えている。
【0050】
前記照明系12は、光源及び照明光学系を含み、該照明光学系の内部に配置された視野絞り(マスキングブレード又はレチクルブラインドとも呼ばれる)で規定される矩形又は円弧状の照明領域にエネルギビームとしての照明光ILを照射し、回路パターンが形成されたレチクルRを均一な照度で照明する。照明系12と同様の照明系は、例えば特開平6−349701号公報などに開示されている。ここで、照明光ILとしては、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)あるいはArFエキシマレーザ光(波長193nm)などの遠紫外光、又はF2レーザ光(波長157nm)等の真空紫外光などが用いられる。照明光ILとして、超高圧水銀ランプからの紫外域の輝線(g線、i線等)を用いることも可能である。
【0051】
前記レチクルステージRST上には、レチクルRが、例えば真空吸着又は静電吸着等により固定されている。レチクルステージRSTは、レチクルステージ駆動部22によって、照明系12の光軸(後述する投影光学系PLの光軸AXに一致)に垂直なXY平面内でX軸方向、Y軸方向及びθz方向(Z軸回りの回転方向)に微少駆動可能であるとともに、不図示のレチクルステージベースの上面に沿って所定の走査方向(Y軸方向)に指定された走査速度で駆動可能となっている。なお、レチクルステージ駆動部22は、リニアモータ、ボイスコイルモータ等を駆動源とする機構であるが、図1では図示の便宜上から単なるブロックとして示されている。なお、レチクルステージRSTとしては、Y軸方向に一次元駆動する粗動ステージと、該粗動ステージに対してレチクルRを少なくとも3自由度方向(X軸方向、Y軸方向、及びθz方向)に微小駆動可能な微動ステージとを有する粗微動構造のステージを採用しても勿論良い。
【0052】
レチクルステージRSTのXY面内の位置(θz回転を含む)は、レチクルレーザ干渉計(以下、「レチクル干渉計」という)16によって、レチクルステージRST端部に形成された(又は設けられた)反射面を介して、例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時検出される。レチクル干渉計16からのレチクルステージRSTの位置情報(θz回転量(ヨーイング量)を含む)は主制御装置50に供給される。主制御装置50では、レチクルステージRSTの位置情報に基づいてレチクルステージ駆動部22を介してレチクルステージRSTを駆動制御する。
【0053】
前記投影光学系PLとしては、物体面側(レチクル側)と像面側(ウエハ側)の両方がテレセントリックでその投影倍率が1/4(又は1/5)の縮小系が用いられている。このため、レチクルRに照明系12から照明光(紫外パルス光)ILが照射されると、レチクルR上に形成された回路パターン領域のうちの紫外パルス光によって照明された部分からの結像光束が投影光学系PLに入射し、その照明光ILの照射領域(前述の照明領域)内の回路パターンの像(部分倒立像)が紫外パルス光の各パルス照射の度に投影光学系PLの像面側の視野の中央にX軸方向に細長いスリット状(又は矩形状(多角形))に制限されて結像される。これにより、投影された回路パターンの部分倒立像は、投影光学系PLの結像面に配置されたウエハW1(又はW2)上の複数のショット領域のうちの1つのショット領域表面のレジスト層に縮小転写される。
【0054】
投影光学系PLとしては、照明光ILとしてKrFエキシマレーザ光又はArFエキシマレーザ光などを用いる場合には、屈折光学素子(レンズ素子)のみから成る屈折系が主として用いられるが、照明光ILとしてF2レーザ光を用いる場合には、例えば特開平3−282527号公報に開示されるような、屈折光学素子と反射光学素子(凹面鏡やビームスプリッタ等)とを組み合わせたいわゆるカタディオプトリック系(反射屈折系)、あるいは反射光学素子のみから成る反射系が主として用いられる。但し、F2レーザ光を用いる場合に、屈折系を用いることは可能である。
【0055】
前記ステージ装置20は、投影光学系PLの図1における下方に配置され、ウエハW1(又はW2)を保持する2つのウエハテーブルTB1、TB2、該ウエハテーブルTB1,TB2のいずれをも搭載可能な3つのウエハステージST1,ST2,ST3、該ウエハステージST1〜ST3をXY面内で駆動する駆動系を備えている。
【0056】
ステージ装置20は、図2に示されるように、定盤44、該定盤44の外縁部近傍で上面の上方に非接触で浮上支持された全体として矩形の枠状部材から成るカウンタウエイト58、該カウンタウエイト58のX軸方向の一対の対向面(内面)のそれぞれに固定された一対のY軸固定子としてのY軸リニアガイドSY1,SY2、並びにこれらのY軸リニアガイドSY1,SY2に沿ってそれぞれY軸方向に移動可能な第1の移動ユニット30及び第2の移動ユニット40等を備えている。
【0057】
前記定盤44は、図2のステージ装置20からカウンタウエイト58を取り除いた状態を示す図3の斜視図からわかるように、その外縁部近傍の矩形枠状の領域を除く中央部の領域が一段高い凸部44aとされた全体として矩形の段付きの板状の形状を有している。この定盤44は、クリーンルームの床面F上で複数(例えば3つ)の防振ユニット(不図示)を介して略水平に支持されている。この複数の防振ユニットは、床面Fから定盤44に伝達される微振動(暗振動)を、マイクロGレベルで絶縁する。なお、複数の防振ユニットとして、定盤44の所定個所にそれぞれ固定された半導体加速度計等の振動センサの出力に基づいて定盤44をそれぞれ積極的に制振する、いわゆるアクティブ防振装置を用いることは勿論可能である。
【0058】
前記定盤44の凸部44aの上面44bは、平面度が高く仕上げられ、後述する第1〜第3ステージとしてのウエハステージST1〜ST3の移動ガイド面とされている。凸部44aの周囲の矩形枠状の領域の上面44cは、上面44bと同程度(あるいはそれより低い)平面度となる加工が施されている。この上面44cの上方に、前述のカウンタウエイト58が、その底面あるいは定盤44側に設けられた気体静圧軸受により数μm程度のクリアランスを介して浮上支持されている。
【0059】
前記一方のY軸リニアガイドSY1は、図3に示されるように、T字状の断面形状を有し、そのT字の足の部分が内側を向きかつ定盤44の上面44bに平行となる状態でY軸方向に延設されている。このY軸リニアガイドSY1の+X側の面は、前述したカウンタウエイト58の+X側辺部の内面に固定されている(図2参照)。このY軸リニアガイドSY1は、断面T字状の筐体と、該筐体内にY軸方向に沿って所定間隔で配設された不図示の電機子コイルとを有する電機子ユニットである。
【0060】
前記他方のY軸リニアガイドSY2は、上記Y軸リニアガイドSY1と同様に構成され、左右対称の配置となるように、カウンタウエイト58の−X側辺部の内面に固定されている。
【0061】
前記Y軸リニアガイドSY1の上側(+Z側)、下側(−Z側)には、図2及び図3に示されるように、Y軸リニアガイドSY1と同様にT字状の断面形状を有する一対の固定子42A,42Bが、Y軸リニアガイドSY1に関して上下対称にかつY軸リニアガイドSY1と同様の向き、姿勢でY軸方向に延設されている。これらの固定子42A,42Bは、T字の足の部分がY軸リニアガイドSY1より幾分短いが、その長さは同一長さとなっている。固定子42A,42Bは、Y軸リニアガイドSY1を上下から挟む状態で前述したカウンタウエイト58の+X側辺部の内面に固定されている(図2参照)。
【0062】
前記第1の移動ユニット30は、図2及び図3等に示されるように、X軸方向を長手方向とするX軸固定子としてのX軸リニアガイドSL1、該X軸リニアガイドSL1のX軸方向の一端と他端にそれぞれ固定された略直方体状の取付部材73a,73b、該取付部材73a,73bそれぞれのX軸リニアガイドSL1とは反対側の面に固定されたY軸可動子DY1a,DY1b、及びX軸リニアガイドSL1がその内部に挿入状態とされているステージとしてのウエハステージST1等を備えている。
【0063】
前記X軸リニアガイドSL1は、X軸方向に伸びる筐体と、該筐体の内部にX軸方向に沿って所定間隔で配設された不図示の電機子コイルとを有する電機子ユニットである。このX軸リニアガイドSL1の長手方向の一端と他端にそれぞれ固定された前述の取付部材73a,73bの下面(定盤44の上面44bと対向する面)には、不図示の非接触ベアリング、例えば真空予圧型気体静圧軸受がそれぞれ取り付けられており、該軸受から定盤44の上面44bに向けて噴出される加圧気体の静圧(いわゆる隙間内圧力)により、取付部材73a,73bと定盤44の上面44bとの間に数μm程度のクリアランスが維持されている。
【0064】
前記Y軸可動子DY1a,DY1bは、図4(A)に示されるように、断面U字状(コ字状)の形状を有するヨークと、該ヨーク内部の上下対向面にY軸方向に沿って所定間隔でそれぞれ配設された複数の界磁石とを有している。この場合、Y軸方向に隣り合う界磁石同士、Z軸方向で向かい合う界磁石同士が逆極性とされている。このため、Y軸可動子DY1a,DY1bの内部空間には、Y軸方向に関して交番磁界がそれぞれ形成されている。
【0065】
これらY軸可動子DY1a,DY1bは、図2に示されるように、前述のカウンタウエイト58に固定されたY軸リニアガイドSY1、SY2にそれぞれ係合状態とされている(図3参照)。Y軸リニアガイドSY1、SY2は、前述のように、その内部にY軸方向に所定間隔で配置された複数の電機子コイルを有していることから、Y軸リニアガイド(SY1又はSY2)内の電機子コイルを流れる電流と、Y軸可動子(DY1a又はDY1b)の内部の交番磁界との間の電磁相互作用により生じるY軸方向のローレンツ力がY軸可動子(DY1a又はDY1b)に推力(駆動力)として作用する。すなわち、本実施形態では、Y軸リニアガイドSY1とY軸可動子DY1aとによってムービングマグネット型のY軸リニアモータが構成され、Y軸リニアガイドSY2とY軸可動子DY1bとによってムービングマグネット型のY軸リニアモータが構成されている。以下では、これらのY軸リニアモータを、それぞれの可動子と同一の符号を用いてY軸リニアモータDY1a、Y軸リニアモータDY1bと適宜記述するものとする。
【0066】
前記ウエハステージST1は、図4(A)に示されるように、概略箱状の形状を有し、その上面には、3方(+X,−X,+Y方向)をU字状(コ字状)の側壁71cで囲まれた凹部71aが形成されている。このウエハステージST1の底面は、不図示の非接触ベアリング、例えば真空予圧型気体静圧軸受が設けられ、該軸受から定盤44の上面44bに噴き付けられる加圧気体の静圧(いわゆる隙間内圧力)によってウエハステージST1が定盤44の上面44bの上方に数μm程度のクリアランスを介して浮上支持されている(図2、図3等参照)。
【0067】
更に、ウエハステージST1には、図4(A)に示されるように、X軸方向に貫通する矩形の貫通孔71bが形成され、この貫通孔71bの内部上面にX軸可動子DX1が固定されている。このX軸可動子DX1は、断面矩形の筒形状を有するヨークと、該ヨーク内部の上下対向面にX軸方向に沿って所定間隔で配設された複数の界磁石とを有している。この場合、X軸方向に隣り合う界磁石同士、Z軸方向で向かい合う界磁石同士が逆極性とされている。このため、X軸可動子DX1の内部空間には、X軸方向に関して交番磁界が形成されている。
【0068】
この場合、前述したX軸リニアガイドSL1を構成する電機子コイルを流れる電流と、X軸可動子DX1内部の交番磁界との間の電磁相互作用により生じるX軸方向のローレンツ力がX軸可動子DX1に対する推力(駆動力)として作用し、該推力の作用により可動子DX1(及びウエハステージST1)がX軸リニアガイドSL1に沿ってX軸方向に駆動される。すなわち、本実施形態では、X軸リニアガイドSL1とX軸可動子DX1とによって、図4(A)に示されるムービングマグネット型のX軸リニアモータLX1が構成されている。
【0069】
このように、ウエハステージST1は、X軸リニアモータLX1によりX軸方向に駆動されるが、この駆動力の反力が、X軸リニアガイドSL1に生じ、この反力により、前述のY軸可動子DY1a又はDY1bが、対向するY軸リニアガイドSY1、SY2に接触することがないように、本実施形態では、X軸リニアガイドSL1の長手方向の一端部に、次に説明する一対のボイスコイルモータが設けられている。
【0070】
すなわち、この一対のボイスコイルモータは、前述のY軸リニアガイドSY1の上側及び下側に配置された固定子42A,42Bのそれぞれと、当該各固定子に個別に対応して、図2に示されるように、Y軸可動子DY1aの上側及び下側にそれぞれ固定された可動子36A,36Bとによって、それぞれ構成されている。
【0071】
可動子36A,36Bのそれぞれは、図4(A)に示されるように、断面U字状(コ字状)のヨークと、該ヨークの上下対向面に各1つずつ設けられた不図示の永久磁石とを有している。これら永久磁石同士は逆極性とされている。また、前記固定子42A,42Bのそれぞれは、断面T字状の筐体と、該筐体内にY軸方向に沿って配設された不図示の複数の電機子コイルとを備えている。これらの電機子コイルは、可動子36A,36Bがそれぞれ形成するZ軸方向の磁界に−X側の半分部分のみが掛かるような配置で上記筐体内に配設されている。
【0072】
従って、各固定子(42A又は42B)を構成する電機子コイルを流れるY軸方向の電流と、対応する各可動子(36A又は36B)内部のZ軸方向の磁界との間の電磁相互作用により生じるX軸方向のローレンツ力が、各可動子(36A又は36B)に推力(駆動力)として作用するようになっている。本実施形態では、主制御装置50は、ウエハステージST1をX軸方向に駆動する際に、X軸リニアモータLX1に対する推力指令値に基づいて、ウエハステージST1の駆動によってX軸リニアガイドSL1に生じる反力を相殺するための大きさ及び方向の電流を、各固定子(42A又は42B)を構成する電機子コイルに供給する。これにより、各可動子(36A又は36B)と対応する各固定子(42A又は42B)との間の間隔が所定の間隔に維持される。すなわち、上記一対のボイスコイルモータによってX軸リニアガイドSL1とカウンタウエイト58との位置関係を所定の状態に維持する維持機構が構成されている。なお、以下の説明においては、前記一対のボイスコイルモータを、それぞれの可動子と同一の符号を用いてボイスコイルモータ36A、ボイスコイルモータ36Bと適宜記述するものとする。
【0073】
ところで、図1〜図3では、ウエハステージST1上にウエハテーブルTB1が搭載された状態が示されている。このウエハテーブルTB1の上面(+Z側面)には、図2に示されるように、X軸方向の一端(−X側の端部)にY軸方向に延びるX移動鏡MX1が固定され、Y軸方向の一端(+Y側の端部)に、X軸方向に延びるY移動鏡MY1が固定されている。また、ウエハテーブルTB1の上面には、ウエハホルダH1を介してウエハW1が静電吸着又は真空吸着により固定されている(図4(A)参照)。
【0074】
本実施形態では、ウエハテーブルTB1は、ウエハステージST1に対して非接触で保持されているが、この保持のための機構を含め、ウエハステージST1及びウエハテーブルTB1のその他の構成については後述する。
【0075】
前記第2の移動ユニット40は、図2及び図3等に示されるように、X軸方向を長手方向とするX軸固定子としてのX軸リニアガイドSL2、該X軸リニアガイドSL2のX軸方向一端と他端にそれぞれ固定された略直方体状の取付部材75a,75bと、該取付部材75a,75bにそれぞれのX軸リニアガイドSL2とは反対側の面に固定されたY軸可動子DY2a,DY2b、及びX軸リニアガイドSL2がその内部に挿入状態とされているステージとしてのウエハステージST2、ST3等を備えている。
【0076】
前記X軸リニアガイドSL2は、前述のX軸リニアガイドSL1と同様に構成された電機子ユニットである。このX軸リニアガイドSL2の長手方向の一端と他端にそれぞれ固定された前述の取付部材75a,75bの下面(定盤44の上面44bと対向する面)には、不図示の非接触ベアリング、例えば真空予圧型気体静圧軸受がそれぞれ取り付けられており、該軸受から定盤44の上面44bに向けて噴出される加圧気体の静圧(いわゆる隙間内圧力)により、取付部材75a,75bと定盤44の上面44bとの間に数μm程度のクリアランスが維持されている。
【0077】
前記Y軸可動子DY2a,DY2bは、図4(B)と図4(A)とを比較するとわかるように、前述の第1の移動ユニット30側のY軸可動子DY1a,DY1bと同様に構成されている。これらY軸可動子DY2a,DY2bは、Y軸可動子DY1a,DY1bと同様、前述のカウンタウエイト58に固定されたY軸リニアガイドSY1、SY2にそれぞれ係合状態とされている(図3参照)。この場合、Y軸リニアガイド(SY1又はSY2)内の電機子コイルを流れる電流と、Y軸可動子(DY2a又はDY2b)の内部の交番磁界との間の電磁相互作用により生じるY軸方向のローレンツ力がY軸可動子(DY2a又はDY2b)に推力(駆動力)として作用する。すなわち、本実施形態では、Y軸リニアガイドSY1とY軸可動子DY2aとによってムービングマグネット型のY軸リニアモータが構成され、Y軸リニアガイドSY2とY軸可動子DY2bとによってムービングマグネット型のY軸リニアモータが構成されている。以下では、これらのY軸リニアモータを、それぞれの可動子と同一の符号を用いてY軸リニアモータDY2a、Y軸リニアモータDY2bと適宜記述するものとする。
【0078】
前記ウエハステージST2は、図4(B)に示されるように、概略箱状の形状を有し、その上面には、−X側端部と−Y側端部との所定幅の帯状の部分から成る他の部分(残りの領域)より一段高いL字状凸部81cが設けられている。以下の説明では、便宜上、L字状凸部81cを除く領域を、低段差部81aと記述するものとする。
【0079】
このウエハステージST2は、ウエハステージST1と同様に、不図示の非接触ベアリング、例えば真空予圧型気体静圧軸受を介して定盤44の上面44bの上方に数μm程度のクリアランスを介して浮上支持されている(図2、図3等参照)。
【0080】
更に、ウエハステージST2には、図4(B)に示されるように、X軸方向に貫通する矩形の貫通孔81bが形成され、この貫通孔81bの内部上面にX軸可動子DX2が固定されている。このX軸可動子DX2は、前述のウエハステージST1に設けられたX軸可動子DX1と同様に構成されている。この場合、前述したX軸リニアガイドSL2を構成する電機子コイルを流れる電流と、X軸可動子DX2内部の交番磁界との間の電磁相互作用により生じるX軸方向のローレンツ力がX軸可動子DX2に対する推力(駆動力)として作用し、該推力の作用により可動子DX2(及びウエハステージST2)がX軸リニアガイドSL2に沿ってX軸方向に駆動される。すなわち、本実施形態では、X軸リニアガイドSL2とX軸可動子DX2とによって、図4(B)に示されるムービングマグネット型のX軸リニアモータLX2が構成されている。
【0081】
前記ウエハステージST3は、図4(B)に示されるように、上記ウエハステージST2と左右対称ではあるが、同様の構成を有している。すなわち、ウエハステージST3は、概略箱状の形状を有し、その上面には、L字状の凸部91c及び低段差部91aが形成されている。このウエハステージST3は、ウエハステージST1と同様に、不図示の非接触ベアリング、例えば真空予圧型気体静圧軸受を介して定盤44の上面44bの上方に数μm程度のクリアランスを介して浮上支持されている(図2、図3等参照)。
【0082】
更に、ウエハステージST3には、図4(B)に示されるように、X軸方向に貫通する矩形の貫通孔91bが形成され、この貫通孔91bの内部上面に前述のX軸可動子DX1と同様に構成されたX軸可動子DX3が固定されている。この場合、X軸リニアガイドSL2を構成する電機子コイルを流れる電流と、X軸可動子DX3内部の交番磁界との間の電磁相互作用により生じるX軸方向のローレンツ力がX軸可動子DX3に対する推力(駆動力)として作用し、該推力の作用により可動子DX3(及びウエハステージST3)がX軸リニアガイドSL2に沿ってX軸方向に駆動される。すなわち、本実施形態では、X軸リニアガイドSL2とX軸可動子DX3とによって、図4(B)に示されるムービングマグネット型のX軸リニアモータLX3が構成されている。
【0083】
このように、ウエハステージST2は、X軸リニアモータLX2によりX軸方向に駆動され、ウエハステージST3は、X軸リニアモータLX3によりX軸方向に駆動されるが、これらの駆動力の反力が、X軸リニアガイドSL2に生じ、この反力により、前述のY軸可動子DY2a又はDY2bが、対向するY軸リニアガイドSY1、SY2に接触することがないように、本実施形態では、X軸リニアガイドSL2の長手方向の一端部に、次に説明する一対のボイスコイルモータが設けられている。
【0084】
すなわち、この一対のボイスコイルモータは、前述のY軸リニアガイドSY1の上側及び下側に配置された固定子42A,42Bのそれぞれと、当該各固定子に個別に対応して、図2に示されるように、Y軸可動子DY2aの上側及び下側にそれぞれ固定された可動子46A,46Bとによって、それぞれ構成されている。
【0085】
可動子46A,46Bのそれぞれは、図4(A)と図4(B)とを比較するとわかるように、前述した可動子36A、36Bと同様に構成されている。従って、各固定子(42A又は42B)を構成する電機子コイルを流れるY軸方向の電流と、対応する各可動子(46A又は46B)内部のZ軸方向の磁界との間の電磁相互作用により、各可動子(46A又は46B)にX軸方向のローレンツ力が駆動力として作用するようになっている。本実施形態では、主制御装置50は、ウエハステージST2(又はST3)をX軸方向に駆動する際に、X軸リニアモータLX2(又はLX3)に対する推力の指令値に基づいてウエハステージST2(又はST3)の駆動際にX軸リニアガイドSL2に生じる反力を相殺するための大きさ及び方向の電流を、各固定子(42A又は42B)を構成する電機子コイルに供給する。これにより、各可動子(46A又は46B)と対応する各固定子(42A又は42B)との間の間隔が所定の間隔に維持される。
【0086】
また、主制御装置50は、ウエハステージST2及びウエハステージST3を同時にX軸方向に駆動する際には、X軸リニアモータLX2、LX3に対する推力の指令値に基づいて、ウエハステージST2、ST3それぞれの駆動によってX軸リニアガイドSL2にそれぞれ生じる反力の合力を相殺するための大きさ及び方向の電流を、各固定子(42A又は42B)を構成する電機子コイルに供給する。これにより、各可動子(46A又は46B)と対応する各固定子(42A又は42B)との間の間隔が所定の間隔に維持される。すなわち、上記一対のボイスコイルモータによってX軸リニアガイドSL2とカウンタウエイト58との位置関係を所定の状態に維持する維持機構が構成されている。なお、以下の説明においては、前記一対のボイスコイルモータを、それぞれの可動子と同一の符号を用いてボイスコイルモータ46A、ボイスコイルモータ46Bと適宜記述するものとする。
【0087】
ところで、図1〜図3では、ウエハステージST2上にウエハテーブルTB2が搭載された状態が示されている。このウエハテーブルTB2の上面(+Z側面)には、図2に示されるように、X軸方向の一端(−X側の端部)にY軸方向に延びるX移動鏡MX2が固定され、Y軸方向の一端(+Y側の端部)に、X軸方向に延びるY移動鏡MY2が固定されている。また、ウエハテーブルTB2の上面には、ウエハホルダH2を介してウエハW2が静電吸着又は真空吸着により固定されている(図4(B)参照)。
【0088】
本実施形態では、ウエハテーブルTB2は、ウエハステージST2に対して非接触で保持されているが、この保持のための機構を含め、ウエハステージST2及びウエハテーブルTB2のその他の構成については後述する。
【0089】
図2に戻り、前記投影光学系PLの−X側に所定距離離れ、かつ−Y側に所定距離離れた位置(すなわち、斜めに離れた位置)に、オフアクシス(off-axis)方式のアライメント系ALGが設けられている。このアライメント系ALGとしては、一例として画像処理方式の結像式アライメントセンサの一種であるFIA(Field Image Alignment)系のアライメントセンサが用いられている。このアライメント系ALGは、光源(例えばハロゲンランプ)及び結像光学系、検出基準となる指標マークが形成された指標板、及び撮像素子(CCD)等を含んで構成されている。このアライメント系ALGでは、光源からのブロードバンド(広帯域)光により検出対象であるマークを照明し、このマーク近傍からの反射光を結像光学系を介して指標からの光とともにCCDで受光する。このとき、マークの像が指標の像とともにCCDの撮像面に結像される。そして、CCDからの画像信号(撮像信号)に所定の信号処理を施すことにより、検出中心である指標マークの中心を基準とするマークの位置を計測する。アライメント系ALGのようなFIA系のアライメントセンサは、アルミ層やウエハ表面の非対称マークの検出に特に有効である。
【0090】
本実施形態では、アライメント系ALGは、ウエハテーブルTB1,TB2上不図示の基準マーク板上の基準マーク及びウエハテーブルTB1,TB2上に保持されたウエハ上のアライメントマークの位置情報の計測等に用いられる。アライメント系ALGからの画像信号は、不図示のアライメント制御装置により、A/D変換され、デジタル化された波形信号を演算処理して指標中心を基準とするマークの位置が検出される。このマーク位置の情報が、不図示のアライメント制御装置から主制御装置50に送られるようになっている。
【0091】
図2おいて、ウエハテーブルTB1上の移動鏡MX1の反射面には、X軸干渉計116から投影光学系PLの光軸を通るX軸に平行な方向の干渉計ビーム(測長ビーム)が照射されている。同様に、ウエハテーブルTB2上の移動鏡MX2の反射面には、X軸干渉計118からアライメント系ALGの検出中心(指標マークの中心)を通るX軸に平行な方向の干渉計ビームが照射されている。そして、X軸干渉計116、118では移動鏡MX1、MX2からの反射光をそれぞれ受光することにより、各反射面の基準位置(一般には投影光学系PL側面や、アライメント系ALGの側面に固定ミラーを配置し、そこを基準面とする)からの相対変位を計測し、ウエハテーブルTB1,TB2のX軸方向位置を計測するようになっている。ここで、X軸干渉計116、118は、測長軸を少なくとも3軸有する多軸干渉計であり、ウエハテーブルTB1,TB2のX軸方向の位置情報の計測以外に、ローリング(Y軸回りの回転(θy回転))及びヨーイング(θz方向の回転)の計測が可能となっている。各測長軸の出力値は独立に計測できるようになっている。
【0092】
また、ウエハテーブルTB1上の移動鏡MY1の反射面には、Y軸干渉計146から投影光学系PLの光軸を通り、X軸干渉計116の干渉計ビームと垂直に交差する干渉計ビーム(測長ビーム)が照射されている。同様に、ウエハテーブルTB2上の移動鏡MY2の反射面には、Y軸干渉計148からアライメント系ALGの検出中心(指標マークの中心)を通り、X軸干渉計118の干渉計ビームと垂直に交差する干渉計ビーム(測長ビーム)が照射されている。そして、Y軸干渉計146、148では移動鏡MY1、MY2からの反射光をそれぞれ受光することにより、各反射面の基準位置からの相対変位を計測し、ウエハテーブルTB1,TB2のY軸方向位置を計測するようになっている。ここで、Y軸干渉計146、148は、測長軸を少なくとも3つ有する多軸干渉計であり、ウエハテーブルTB1,TB2のY軸方向の位置情報の計測以外に、ピッチング(X軸回りの回転(θx回転))及びヨーイング(θz方向の回転)の計測が可能となっている。各光軸の出力値は独立に計測できるようになっている。
【0093】
このように、本実施形態では、X軸干渉計116、118及びY軸干渉計146,148の合計4つの干渉計によって、ウエハテーブルTB1、TB2のXY2次元座標位置を管理するウエハ干渉計システムIF(図1参照)が構成されている。このウエハ干渉計システムIFを構成する各干渉計の計測値は、主制御装置50に送られるようになっている。主制御装置50では、後述する露光時には、干渉計146、116の計測値に基づいて、ウエハステージST1のXY面内の位置を、いわゆるアッベ誤差なく高精度に管理し、後述するウエハアライメント時(及びウエハ交換時)には、干渉計148、118の計測値に基づいて、ウエハステージST2の位置を、いわゆるアッベ誤差なく高精度に管理するようになっている。
【0094】
但し、本実施形態では、ウエハテーブルTB1、TB2は、常時ウエハステージST1、ST2上にとどまるものではなく、後述するようにウエハステージST2とST1との間、ST1とST3との間、ST3とST2との間を移動するようになっている。このため、ウエハテーブルTB1、TB2のウエハステージ間の移動の途中や、ウエハテーブルがウエハステージ上に存在しなくなったときなど、状況によっては、干渉計システムのみでは各ウエハステージの位置管理が困難となる。かかる点を考慮して、ウエハステージST1,ST2,ST3のX軸方向の位置を常時計測可能な不図示のリニアエンコーダが、X軸リニアガイドSL1とウエハステージST1との間、X軸リニアガイドSL2とウエハステージST2,ST3との間にそれぞれ設けられている。また、Y軸リニアガイドSY1、SY2の所定の一方、例えばY軸リニアガイドSY2と、Y軸可動子DY1b,DY2bとの間に、第1の移動ユニット30(すなわち、ウエハステージST1),第2の移動ユニット40(すなわち、ウエハステージST2,ST3)のY軸方向の位置を常時計測可能な不図示のリニアエンコーダが、それぞれ設けられている。
【0095】
そして、主制御装置50が、ウエハテーブルTB1、TB2が、ウエハステージST2とST1との間、ST1とST3との間、ST3とST2との間を移動する際に、各ウエハステージ(ST1〜ST3)のX軸方向、Y軸方向のいずれか一方の軸方向の干渉計による位置計測が不能となるときには、リニアエンコーダによって計測されるその一方の軸方向の位置情報と、干渉計によって計測される他方の軸方向の位置情報と、に基づいて、各ウエハステージのX位置、Y位置を管理する。
【0096】
勿論、主制御装置50では、上述のウエハテーブルの移動中などに、それまで計測不能であった干渉計からの干渉計ビームが再度ウエハテーブルTB1,TB2の移動鏡に当たるようになったときは、それまで計測に用いられていなかった測長軸の干渉計の計測値をリセット(又はプリセット)し、以後、干渉計システムを構成するX軸干渉計,Y軸干渉計の計測値のみに基づいてウエハテーブルTB1、TB2(及び該ウエハテーブルTB1、TB2が搭載されたウエハステージ)の位置を管理する。
【0097】
上述のように、ウエハテーブルTB1,TB2上には、各2つの移動鏡が設けられ、これらの移動鏡に対向して干渉計も4つ設けられているが、図1では、ウエハテーブルTB1側の移動鏡として移動鏡MX1のみが代表的に図示され、ウエハテーブルTB2側の移動鏡として移動鏡MX2のみが代表的に図示され、さらに複数の干渉計が代表的にウエハ干渉計システムIFとして示されている。
【0098】
上述のようにして構成された本実施形態のステージ装置20では、図1〜図3に示されるように、ウエハテーブルTB1がウエハステージST1に搭載された状態では、図5に示されるように、ウエハステージST1(重心GS)とウエハテーブルTB1(重心GT)との全体の重心GのZ位置が、一対のY軸リニアモータDY1a、DY1bの固定子及び可動子と略一致しており、この結果、これらのY軸リニアモータDY1a、DY1bの駆動力の合力の作用点と前記重心GのZ位置とがほぼ一致している。
【0099】
また、主制御装置50は、ウエハステージST1をY軸方向に駆動する際には、第1の移動ユニット30の全体に回転モーメントが作用しないように、ウエハステージST1のX軸方向の位置に応じて、Y軸リニアモータDY1a、DY1bの各電機子コイルに供給する電流の大きさ、方向を制御する。従って、Y軸リニアモータDY1a、DY1bの発生する駆動力の合力の作用点のX位置は、重心GのX位置に略一致する。また、X軸リニアモータLX1の発生する駆動力の作用点のY位置は、前述の重心Gに略一致している。
【0100】
すなわち、本実施形態では、ウエハステージST1は、ウエハテーブルTB1(又はTB2)が搭載された状態(例えば後述する露光時の状態)では、X軸方向及びY軸方向のいずれの方向に関しても、ウエハステージST1とウエハテーブルTB1(又はTB2)との全体の重心Gが駆動されるようになっている。従って、この場合、駆動に際して、ウエハステージST1及びウエハテーブルTB1(TB2)には、ピッチングモーメント、ヨーイングモーメント、ローリングモーメントが極力作用しないようになっている。
【0101】
また、上記ウエハステージST1と同様に、ウエハテーブルTB2(又はTB1)が搭載された状態(例えば後述するウエハアライメント時の状態)では、少なくともX軸方向に関して、ウエハステージST2とウエハテーブルTB2(又はTB1)との全体の重心が駆動されるようになっている。従って、この場合、駆動に際して、ウエハステージST2及びウエハテーブルTB2(TB1)には、ヨーイングモーメント、ローリングモーメントが極力作用しないようになっている。また、ウエハステージST2とウエハテーブルTB2との全体の重心のZ位置が、一対のY軸リニアモータDY2a、DY2bの固定子及び可動子と略一致しており、この結果、これらのY軸リニアモータDY2a、DY2bの駆動力の合力の作用点と前記重心GのZ位置とがほぼ一致している。従って、ウエハステージST2及びウエハテーブルTB2(TB1)には、ピッチングモーメントは極力作用しないようになっている。
【0102】
さらに、本実施形態の露光装置10では、図示は省略されているが、レチクルRの上方に、投影光学系PLを介してレチクルR上のレチクルマークとウエハテーブルTB1、TB2上の不図示の基準マーク板上の基準マークとを同時に観察するための露光波長の光を用いたTTR(Through The Reticle)方式の一対のレチクルアライメント系が設けられている。これらのレチクルアライメント系の検出信号は、不図示のアライメント制御装置を介して主制御装置50に供給されるようになっている。なお、レチクルアライメント系としては、例えば特開平7−176468号公報等に開示されるものと同様の構成を採用することができる。
【0103】
この他、図示は省略されているが、投影光学系PL、アライメント系ALGのそれぞれには、例えば特開平10−214783号公報等に開示されるものと同様の合焦位置を調べるためのオートフォーカス/オートレベリング計測機構(以下、「AF/AL系」という)がそれぞれ設けられている。
【0104】
次に、各ウエハテーブルを各ウエハステージに対して非接触で保持するための機構等について、図6(A)〜図10(C)に基づいて説明する。
【0105】
図6(A)には、ウエハステージST1とウエハテーブルTB1との斜視図が併せて示されている。この図6(A)に示されるように、ウエハテーブルTB1は、矩形板状のテーブル部142Aと、該テーブル部142Aの底面(−Z側面)に凸設された凸部142Bとを有している。凸部142Bは、テーブル部142Aよりも一回り小さい所定の厚さの矩形板状の形状を有している。この場合、凸部142Bの形状及び大きさは、ウエハステージST1の上面に形成された凹部71aに所定のクリアランスを介して嵌合(係合)可能な形状及び大きさとなっている。
【0106】
前記凸部142Bの側面(4面)には、X軸方向の両側面に各2つ、Y軸方向の両側面に各1つ、合計6つの磁石ユニット95A〜95Fが貼付され、凸部142Bの底面には可動子としての6つの磁石ユニット96A〜96Fが貼付されている。更に、凸部142Bの底面の中央部には、半導体又は絶縁体等を素材とする板部材から成るターゲットプレートPT(これについては後述する)が貼付されている。
【0107】
これを更に詳述すると、凸部142Bの図6(A)における+X側の面の両端に磁石ユニット95B、95Cがそれぞれ貼付され、−X側の面の両端に磁石ユニット95E、95Fがそれぞれ貼付され、磁石ユニット95Bと95F、磁石ユニット95Cと95Eとが、凸部142Bを介してそれぞれ対向している。また、凸部142Bの−Y側の側面の中央部に磁石ユニット95Aが貼付され、これに対向して+X側の側面の中央部に磁石ユニット95Dが貼付されている。
【0108】
また、凸部142B底面の−Y側の端部のX方向両端の部分に磁石ユニット96A、96Cが貼付され、それらの中間に磁石ユニット96Bが貼付されている。同様に、凸部142B底面の+Y側の端部のX方向両端の部分に磁石ユニット96D、96Fが貼付され、それらの中間に磁石ユニット96Eが貼付されている。
【0109】
なお、他方のウエハテーブルTB2は、上記ウエハテーブルTB1と同様に構成されているので、その説明を省略し、以下では同一部分には同一の符号を用いるものとする。
【0110】
前記ウエハステージST1の凹部71aの内部底面には、電機子コイルを含む固定子としての電磁コア(EIコア)92A,92B,92Cがそれぞれ埋め込まれている。この場合、電磁コア92A,92B,92Cは、ウエハテーブルTB1(又はTB2)側の磁石ユニット96A,96E,96Cにそれぞれ対向する位置に配置されている。また、側壁71cの内面には、電磁コア92D,92E,92Fがそれぞれ埋め込まれている。これらの電磁コア92D,92E,92Fは、ウエハテーブルTB1(又はTB2)がウエハステージST1上に搭載された状態では、ウエハテーブルTB1(又はTB2)側の磁石ユニット95F,95E,95Dに対向するようになっている。
【0111】
前記ウエハステージST2は、図6(B)に示されるように、上記ウエハステージST1と同様に、低段差部81aの3箇所に埋め込まれた3つの電磁コア93A,93B,93Cと、L字状凸部81cの内面に埋め込まれた3つの電磁コア93D,93E,93Fとを有している。これら電磁コア93A,93B,93C,93D,93E,93Fは、ウエハステージST2上にウエハテーブルTB1(又はTB2)が搭載された状態では、ウエハテーブルTB1(又はTB2)側の磁石ユニット96B,96D,96F,95F,95E,95Aにそれぞれ対向するようになっている。
【0112】
前記ウエハステージST3は、前述のように、ウエハステージST2とは左右対称の構成であり、不図示ではあるが、低段差部91a及びL字状凸部91c(図4(B)参照)においても、ウエハステージST2と同様の(左右対称の)配置で6つの電磁コアが設けられている。この場合、ウエハステージST3上にウエハテーブルTB1(又はTB2)が搭載された場合、それら6つの電磁コアのそれぞれは、ウエハテーブルTB1(又はTB2)側の磁石ユニット96B,96D,96F,95B,95C,95Aに個別に対向するようになっている。
【0113】
ここで、図6(A)中の相互に対向する磁石ユニット96Eと電磁コア92Bとを例にとって、それらの構成、作用について簡単に説明する。電磁コア92Bは、図7に示されるように、例えば鉄などの磁性体により構成された略E字状の芯材51と、該芯材51の中央の突起部51aに巻回されたコイル53とを備えている。一方、磁石ユニット96Eは、3つの永久磁石55a〜55cから成り、隣接する永久磁石同士が逆極性とされている。
【0114】
電磁コア92Bと磁石ユニット96Eが対向した状態では、図7に示されるように、電磁コア92Bを構成する芯材51の3つの突起部51a〜51cの端面に対して永久磁石55a〜55cがそれぞれ対向する。この場合、電磁コア92Bを構成するコイル53に所定方向の電流(ここでは、矢印Aで示される方向の電流)が供給されると芯材51の中央の突起部51aがN極に磁化され、両端の突起部51b,51cがS極に磁化される。このとき、突起部51a〜51cには、同じ極性の永久磁石がそれぞれ対向しており、電磁コア92Bと磁石ユニット96Eとの間には、反発力(斥力)が生じている。この反発力の大きさは、電磁コア92Bのコイル53に供給される電流の大きさを制御することにより任意に調整可能である。
【0115】
一方、コイル53に矢印A’で示される方向の電流が供給されると、図7の場合とは逆に、芯材51の中央の突起部51aがS極に磁化され、両端の突起部51b,51cがN極に磁化されるので、電磁コア92Bと磁石ユニット96Eとの間には吸引力が生じることとなる。この吸引力も、コイル53に供給される電流の大きさを制御することにより任意に調整可能である。
【0116】
すなわち、電磁コア92Bのコイル53に供給される電流の大きさ及び方向を制御することにより、磁石ユニット96Eを電磁コア92Bに対して非接触で浮上支持することが可能であるとともに、両者間の間隔を調整することも可能である。すなわち、相互に対向する電磁コアと磁石ユニットとにより、非接触保持機構を兼ねる微動機構が構成される。
【0117】
他の磁石ユニット95A〜95F,96A〜96D,96Fは、上記磁石ユニット96Eと同様に構成され、他の電磁コア92A,92C〜92Fは、上記電磁コア92Bと同様に構成されている。従って、ウエハステージST1(又はST2あるいはST3)上にウエハテーブルTB1(又はTB2)が搭載された状態では、ウエハステージとウエハテーブルとの間に、いずれもウエハテーブルのウエハステージに対する非接触保持機構を兼ねる3つのZ軸方向微小駆動用の微動機構と、2つのY軸方向微小駆動用の微動機構と、1つのX軸方向駆動用の微同機構とが構成される。そこで、主制御装置50は、それぞれの微動機構を構成する電磁コアに供給する電流の大きさ及び方向を制御することにより、ウエハステージに対するウエハテーブルの6自由度方向(X,Y,Z,θx,θy,θz方向)の位置姿勢制御を行うようになっている。
【0118】
なお、本実施形態では、ウエハステージ側に固定子として電磁コアを設け、ウエハテーブル側に可動子として磁石ユニットを設けるものとしたが、これと反対に、ウエハステージ側に固定子として磁石ユニットを設け、ウエハテーブル側に可動子として電磁コアを設けることも可能である。
【0119】
なお、ウエハステージST3は、後述するウエハアライメント動作及び露光動作のいずれにも用いられないので、Z軸方向の駆動力を発生する微動機構(すなわち、低段差部91aに埋め込まれた電磁コア)を必ずしも設けなくても良い。
【0120】
さらに、本実施形態では、図6(A)に示されるように、ウエハステージST1の凹部71aの内部底面には、X軸方向中央部の所定幅の領域に、Y軸方向に沿って所定間隔(ピッチ)でX軸方向に細長く伸びる複数の電極66が埋め込まれている。以下においては、この複数の電極66を纏めて電極群64Aと記述するものとする。
【0121】
また、ウエハステージST2の低段差部81aの上面には、図6(B)及び図9(A)に示されるように、その中央部の略正方形の領域に、マトリクス状の配置で複数の略正方形状の電極68Cが埋め込まれ、この領域の+Y側の領域にY軸方向に沿って所定間隔(ピッチ)でX軸方向に細長く伸びる複数の電極68Aが埋め込まれ、前記略正方形の領域の+X側の領域にX軸方向に沿って所定間隔(ピッチ)でY軸方向に細長く伸びる複数の電極68Bが埋め込まれている。以下においては、これらの電極68C、68A、68Cの全てを纏めて電極群64Bと記述する。
【0122】
更に、ウエハステージST3の低段差部91aの上面には、電極群64Bとは左右対称の電極群64Cが埋め込まれている(図10(A)等参照)。
【0123】
本実施形態では、上記の電極群64A〜64Cと、前述したウエハテーブルTB1,TB2の底面に貼付されたターゲットプレートPTとにより、ウエハテーブルTB1、TB2をウエハステージST1〜ST3の三者間で受け渡すテーブル受け渡し機構が構成されている。
【0124】
以下、ウエハステージST1に埋め込まれた電極群64AとウエハテーブルTB1の底面に貼付されたターゲットプレートPTとから構成される、テーブル受け渡し機構を例にとり、図8(A)〜図8(D)等に基づいて、ウエハテーブルの受け渡し時におけるウエハテーブルの搬送原理について簡単に説明する。
【0125】
図8(A)〜図8(D)には、電極群64A及びターゲットプレートPTを+X方向から見た状態が模式的に示されている。
【0126】
電極群64Aを構成する複数の電極(前述の図6(A)の電極66に相当)には、電源が接続されており、この電源は、各電極に対して所定の電圧を印加する。電源は、それぞれの電極に対して交流電圧を印加することにより、各電極に印加される電圧の符号(正負)を切り替えることが可能である。また、図8(A)に示されるように、複数の電極として、搬送方向(ここではY軸方向)に沿ってU、V、T、U’、V’、T’の電極が設けられており、電源から、電極U及び電極U’の組、電極V及び電極V’の組、電極T及び電極T’の組に、それぞれ1相ずつの交流電圧が印加される、いわゆる3相式となっている。
【0127】
ここでの、ウエハテーブルTB1の搬送方法は、主にターゲットプレートPTを帯電する工程(第1工程)と、帯電したターゲットプレートPT(及びウエハテーブルTB1)を静電気力によって浮上する工程(第2工程)と、浮上したターゲットプレートPT(及びウエハテーブルTB1)を−Y方向に搬送する(第3工程)とを含む。以下、これらの工程につき説明する。
【0128】
まず、第1工程では、主制御装置50は、電極群64Aを構成する複数の電極のうちの所定の電極に所定の電圧を印加するよう不図示の電源に指示を出す。この指示に応じて電源は、所定の電極に所定の電圧を印加する。これにより電圧が印加された電極は、電圧に応じた符号の電荷を帯電する。図8(A)においては、電極Tがプラスに帯電され、電極T’がマイナスに帯電された状態が示されている。
【0129】
この場合、ターゲットプレートPTは、ウエハテーブルTB1の上面(凹部71aの内部底面)に接しており、電極T、T’の作用により、誘電分極される。すなわち、ターゲットプレートPTのうち、電極Tに対応する部分PO1はマイナスに帯電し、電極T’に対応する部分PO2は、プラスに帯電する。
【0130】
次の、第2工程では、上述のようにターゲットプレートPTの一部が誘電分極した状態で、主制御装置50の指示の下、不図示の電源により、部分PO1、PO2にそれぞれ対向する電極T,T’に対し、上記第1工程と異なる電荷が帯電するように、電圧を印加する。これにより、図8(B)に示されるように、電極Tがマイナスに帯電され、電極T’がプラスに帯電される。
【0131】
すなわち、ターゲットプレートPTのうち電極Tに対応している部分PO1と電極Tとは、ともにマイナスに帯電され、電極T’に対応している部分PO2と電極T’とは、ともにプラスに帯電されている。従って、ターゲットプレートPTと電極T、T’とは静電気力によって反発し、この反発力によってターゲットプレートPT(及びウエハテーブルTB1)は、ウエハステージST1に対して浮上する。
【0132】
なお、第1、第2工程において各電極に印加される電圧の値は、ターゲットプレートPTの物性や、ターゲットプレートPTを含むウエハテーブルTB1全体の重さによって予め設定されるものであり、ターゲットプレートPTを含むウエハテーブルTB1全体を浮上させるために必要な大きさに設定され、主制御装置50内のメモリに記憶されている。
【0133】
次いで、第3工程では、主制御装置50の指示の下、ターゲットプレートPTが静電気力により−Y方向に駆動されるような電圧制御が行われる。具体的には、図8(C)に示されるように、第1、第2工程において電圧が印加された電極T、T’の搬送方向(−Y側)に隣接する電極U、U’に電圧を印加する。このとき、主制御装置50は、不図示の電源を介して、電極U、U’に対して、隣接する電極の帯電状態とは反対の符号の電荷が帯電するような電圧を印加する。
【0134】
すなわち、電極Uには、プラスの電荷が帯電するような電圧が印加され、電極U’にはマイナスの電荷が帯電するような電圧が印加される。
【0135】
なお、この場合、電極U、U’に印加される電圧と、電極T、T’に印加された電圧とはその絶対値が等しくなるように設定されている。
【0136】
このようにすることで、ターゲットプレートPTでは、部分PO1と電極Uとが静電気の吸引力によって引き合い、部分PO1には、図8(C)中の矢印f1方向の力が作用する。同様に、部分PO2と電極U’とが静電気の吸引力によって引き合い、部分PO2には矢印f2方向の力が作用する。これらの力によりターゲットプレートPTは、部分PO1と電極Tとの反発力と、部分PO2と電極T’との反発力による浮力を受けたまま、−Y方向に搬送され、部分PO1は、電極Tの上方から電極Uの上方に移動し、部分PO2は、電極T’の上方から電極U’の上方に移動することとなる。
【0137】
なお、この移動の際にも、部分PO1と部分PO2とは、電極T及び電極T’からの反発力、電極U及び電極U’からの吸引力を受け続け、重力を含むターゲットプレートPTに加わる力のバランスは、部分PO1及び部分PO2の位置によって変化する。また、部分PO1及び部分PO2に存在する電荷も変化する。そのため、それらの変化に伴い、ターゲットプレートPTの高さも変動するようになる。したがって、この変動により、ターゲットプレートPTと電極群64Aとが接触しないように、第2工程において、ターゲットプレートPTが十分な高さとなるように印加電圧を設定しておく必要がある。
【0138】
そして、ターゲットプレートPTのうちマイナスに帯電している部分PO1の大部分とプラスに帯電している電極Uとが対向し、プラスに帯電している部分PO2の大部分とマイナスに帯電している電極U’とが対向するようになると、部分PO1、PO2と、電極U、U’との間の吸引力が強まり、ターゲットプレートPTが次第に落下するようになる。そこで、本実施形態では、適当なタイミングで、主制御装置50の指示の下、電極Uをマイナスに帯電させ、電極U’をプラスに帯電させる。これにより、ターゲットプレートPTと電極U、U’の間には、静電気による反発力が生じるので、ターゲットプレートPTは、ウエハステージST1上面に対して浮上したままとなる。なお、このとき、電極T、T’に帯電する電荷を0とする。
【0139】
以降、ターゲットプレートPTを浮上させたまま、さらに−Y方向に搬送する場合には、図8(D)に示されるように、電極Vをプラスに帯電させ、電極V’をマイナスに帯電させる。これにより、図8(C)の場合と同様に、矢印f3方向の力と矢印f4方向の力とが発生し、ターゲットプレートPTは、部分PO1と電極Uとの反発力と、部分PO2と電極U’との反発力による浮力を受けたまま、−Y方向に搬送され、部分PO1は、電極Uの上方から電極Vの上方に移動し、部分PO2は、電極U’の上方から電極V’の上方に移動することとなる。なお、この際にも、部分PO1、PO2が、電極V、V’にそれぞれ近づいたときの電極V、V’との吸引力の増加によるターゲットプレートPTの落下を防止すべく、適当なタイミングで電極V,V’の帯電する電荷を反転させることは言うまでもない。
【0140】
なお、上述した電極の電荷を反転させるタイミングは、ターゲットプレート等の電気物性、例えば、その物体の誘電分極の分極時定数等に基づいて設定されており、予め主制御装置50内のメモリに設定されているものとする。
【0141】
上述したような原理により、本実施形態では、ウエハテーブルは、各ウエハステージ上及びウエハステージ間で搬送される。なお、ウエハステージ間におけるウエハテーブルの搬送については、更に後述する。
【0142】
前述の如く、ウエハステージST2に設けられた電極群64Bは、図9(A)に示されるように、X軸方向を長手方向とする複数の電極68Aと、Y軸方向を長手方向とする複数の電極68Bと、略正方形状でマトリクス状に配置された複数の電極68Cとを備えている。従って、この電極群64BとウエハテーブルTB1(又はTB2)の下面に貼付されたターゲットプレートPTとの間では、ウエハテーブルTB1(又はTB2)をY軸方向に搬送する際には、主制御装置50の指示の下、電源により複数の電極68Aに対して前述のような電圧の印加が行われるとともに、図9(A)に示されるように、略正方形の電極68Cのうちの同一のX軸方向に並ぶ電極(同一行の電極)を1つの組として、電源により電極68Cの各組ごとに前述と同様の電圧の印加が行われる。すなわち、電極68Cの各組が、X軸方向を長手方向とする各電極68Aと同様の機能を果たす。
【0143】
また、ウエハテーブルTB1(又はTB2)をX軸方向に搬送する際には、主制御装置50の指示の下、電源により複数の電極68Bに対して前述のような電圧の印加が行われるとともに、図9(B)に示されるように、電極68Cのうちの同一のY軸方向に並ぶ電極(同一列の電極)を1つの組として、電源により電極68Cの各組ごとに前述と同様の電圧の印加が行われる。すなわち、電極68Cの各組が、Y軸方向を長手方向とする各電極68Bと同様の機能を果たす。
【0144】
ウエハステージST3に設けられた電極群64Cも、ウエハステージST2に設けられた電極群64Bと左右対称ではあるが、同様に構成されているので、同様にしてウエハテーブルTB1(又はTB2)のX軸方向、Y軸方向の搬送が行われる。
【0145】
次に、ウエハステージ間におけるウエハテーブルTB1(又はTB2)の搬送の手順について説明する。
【0146】
図10(A)には、ウエハステージST1とウエハステージST3との間で、ウエハテーブルTB1(又はTB2)が搬送される(受け渡される)ときの、第1の移動ユニット30と第2の移動ユニット40の各部の位置関係が示されている。この図10(A)に示されるように、ウエハステージST1とウエハステージST3とが最接近した状態では、電極群64Aによって形成されるウエハテーブルの移動経路と電極群64Cによって形成されるウエハテーブルの移動経路とが実質的に接続された状態(繋がった状態)となる。この状態で、ウエハテーブルTB1(又はTB2)の位置に応じて、主制御装置50の指示の下、電源が電極群64Aの+Y側から−Y側の電極に順次電圧を印加し、また、電極群64Cの+Y側から−Y側の電極(略正方形の電極の組を含む)に順次電圧を印加することにより、ウエハテーブルTB1(又はTB2)がウエハステージST1上からウエハステージST3上に搬送される。なお、このステージ間でのウエハテーブルの受け渡しの終了後には、主制御装置50は、ウエハテーブルTB1(又はTB2)を前述の各微動機構を用いて非接触支持及び位置調整しても良いし、そのようにすることなく、ウエハステージST3上に載置しても良い。
【0147】
図10(B)には、ウエハステージST3とウエハステージST2との間で、ウエハテーブルTB1(又はTB2)が搬送される(受け渡される)ときの、第2の移動ユニット40の各部の状態が示されている。この図10(B)に示されるように、ウエハステージST3とウエハステージST2とが最接近した状態では、電極群64Cによって形成されるウエハテーブルの移動経路と電極群64Bによって形成されるウエハテーブルの移動経路とが実質的に接続された状態(繋がった状態)となる。この状態で、ウエハテーブルTB1(又はTB2)の位置に応じて、上記と同様に主制御装置50の指示の下、電源が電極群64Cの+X側から−X側の電極(略正方形の電極の組を含む)に順次電圧を印加し、また、電極群64Bの+X側から−X側の電極(略正方形の電極の組を含む)に順次電圧を印加することにより、ウエハテーブルTB1(又はTB2)がウエハステージST3からウエハステージST2上に搬送される。なお、このステージ間でのウエハテーブルの受け渡しの終了後には、主制御装置50は、ウエハテーブルTB1(又はTB2)を前述の各微動機構を用いて非接触で支持するとともに、干渉計118、148の計測値に基づいて位置調整を行う。
【0148】
図10(C)には、ウエハステージST2とウエハステージST1との間で、ウエハテーブルTB1(又はTB2)が搬送される(受け渡される)ときの、第1の移動ユニット30と第2の移動ユニット40の各部の位置関係が示されている。この図10(C)に示されるように、ウエハステージST2とウエハステージST1とが最接近した状態では、電極群64Bによって形成されるウエハテーブルの移動経路と電極群64Aによって形成されるウエハテーブルの移動経路とが実質的に接続された状態(繋がった状態)となる。この状態で、ウエハテーブルTB1(又はTB2)の位置に応じて、上記と同様に主制御装置50の指示の下、電源が電極群64Bの−Y側から+Y側の電極(略正方形の電極の組を含む)に順次電圧を印加し、また、電極群64Aの−Y側から+Y側の電極に順次電圧を印加することにより、ウエハテーブルTB1(又はTB2)がウエハステージST2からウエハステージST1上に搬送される。なお、このステージ間でのウエハテーブルの受け渡しの終了後には、主制御装置50は、ウエハテーブルTB1(又はTB2)を前述の各微動機構を用いて非接触で支持するとともに、干渉計116、148の計測値に基づいて位置調整を行う。
【0149】
ところで、本実施形態の露光装置10においては、上述したウエハテーブルのステージ間での搬送(受け渡し)は、ウエハステージST1上に搭載されたウエハテーブル上のウエハに対する投影光学系PLを介した露光動作と、ウエハステージST2上に搭載されたウエハテーブル上でのウエハ交換・ウエハアライメント動作との並行処理を含む、一連の露光シーケンスの動作の一部としてそれぞれ行われる。
【0150】
以下、一連の露光処理シーケンスの動作について、図11(A)〜図13(B)に基づいて説明する。
【0151】
図11(A)には、ウエハステージST1上に搭載されたウエハテーブルTB1上のウエハW1に対して投影光学系PLを介した露光動作が行われるのと並行して、ウエハステージST2上に搭載されたウエハテーブルTB2上のウエハW2に対してアライメント系ALGを用いたウエハアライメント動作が行われている状態が示されている。
【0152】
この図11(A)の状態に先立って、所定のローディングポジション(これについて後述する)に該ウエハテーブルTB2(ウエハステージST2)があるとき、不図示のウエハローダによって、ウエハテーブルTB2上に載置された露光済みのウエハのアンロード及び新たなウエハW2のロードが行なわれている。
【0153】
そして、主制御装置50は、干渉計118,148の計測値に基づいてウエハテーブルTB2(ウエハステージST2)のXY面内の位置を管理しつつ、アライメント系ALGを用いて、ウエハW2上の特定の複数のショット領域(サンプルショット領域)に付設されたアライメントマーク(サンプルマーク)の位置情報を検出する。このときの状態が、図11(A)に示されている。次いで、主制御装置50は、その検出結果とその特定のショット領域の設計上の位置座標とに基づいて、例えば特開昭61−44429号公報などに開示される最小二乗法を用いた統計演算によりウエハW2上の全てのショット領域の配列座標を求めるEGA(エンハンスト・グローバル・アライメント)方式のウエハアライメント計測を実行する。また、この場合、主制御装置50は、サンプルマークの位置情報の検出に前後して、ウエハテーブルTB2上の不図示の基準マーク板上の第1基準マークの位置情報を検出している。
【0154】
そして、主制御装置50は、先に求めたウエハW2上の全てのショット領域の配列座標を、第1基準マークの位置を原点とする位置座標に変換する。
【0155】
なお、上記のウエハ交換、ウエハアライメントの際、主制御装置50は、ウエハステージST2を、前述したX軸リニアモータLX2、一対のY軸リニアモータDY2a、DY2bを介して長ストロークで駆動するとともに、ウエハテーブルTB2を前述の6つの微動機構を介してウエハステージST2に対して相対的にX,Y,Z,θx,θy,θz方向に関して微小駆動する。勿論、Z,θx,θy方向の駆動に際しては、前述のAF/AL系の計測結果が考慮される。
【0156】
このようにして、ウエハテーブルTB2(ウエハステージST2)側で、ウエハ交換、ウエハアライメントが実行される。このウエハ交換、ウエハアライメントと並行して、ウエハステージST1側では、既に行われたウエハアライメント結果に基づいてウエハテーブルTB1上に載置されたウエハW1上の各ショット領域の露光のための加速開始位置にウエハテーブルTB1(ウエハステージST1)を移動させるショット間ステッピング動作と、レチクルR(レチクルステージRST)とウエハW1(ウエハテーブルTB1)とを、Y軸方向に相対走査してレチクルRに形成されたパターンをウエハW1上の露光対象のショット領域に投影光学系PLを介して転写する走査露光動作と、を繰り返す、ステップ・アンド・スキャン方式の露光動作が行なわれる。
【0157】
上記のステップ・アンド・スキャン方式の露光動作の開始に先立って、主制御装置50は、干渉計116、146の計測値に基づいてウエハテーブルTB1の位置を管理しつつ、ウエハテーブルTB1上の不図示の基準マーク板上の一対の第2の基準マークとレチクルR上の一対のレチクルアライメントマークとを前述のレチクルアライメント系を用いて計測している。そして、主制御装置50では、その計測結果と前述とのウエハアライメントの結果とに基づいてウエハW1上の各ショット領域の露光のための加速開始位置にウエハテーブルTB1を移動させる。
【0158】
上記のステップ・アンド・スキャン方式の露光動作中、主制御装置50は、ウエハステージST1を、前述したX軸リニアモータLX1、一対のY軸リニアモータDY1a、DY1bを介して長ストロークで駆動するとともに、ウエハテーブルTB1を前述の6つの微動機構を介してウエハステージST1に対して相対的にX,Y,Z,θx,θy,θz方向に関して微小駆動する。勿論、Z,θx,θy方向の駆動に際しては、前述のAF/AL系の計測結果が考慮される。
【0159】
なお、この露光動作そのものの手順などは、通常のスキャニング・ステッパと同様なので、これ以上の詳細な説明は省略する。
【0160】
上述したウエハテーブルTB2上のウエハに対するウエハアライメント動作と、ウエハテーブルTB1上のウエハに対する露光動作とでは、通常は、ウエハアライメント動作の方が先に終了する。そこで、主制御装置50は、ウエハアライメントの終了後、ウエハテーブルTB2が搭載されたウエハステージST2を、第1の移動ユニット30を構成する各部と干渉しない範囲で、第1の移動ユニット30に接近した所定の待機位置に移動させ、その位置で待機させる(図11(B)参照)。
【0161】
その後、ウエハテーブルTB1上のウエハW1に対する露光動作が終了すると、主制御装置50は、ウエハステージST1を−Y方向に駆動し、図11(C)に示されるように、ウエハステージST3に最接近させる。このとき、ウエハステージST1、ST3は、前述した図10(A)の位置関係となり、前述したようにして、ウエハテーブルTB1がウエハステージST1からウエハステージST3に搬送される(受け渡される)。
【0162】
図12(A)には、このウエハテーブルTB1のウエハステージST1からウエハステージST3への搬送の途中の様子が示されている。
【0163】
そして、主制御装置50は、ウエハテーブルTB1が完全にウエハステージST3上に搬送されると、ウエハステージST1を、−X方向に移動し、図12(B)に示されるように、ウエハステージST2に最接近させる。このとき、ウエハステージST1、ST2は、前述した図10(C)の位置関係となり、前述したようにして、ウエハテーブルTB2がウエハステージST2からウエハステージST1に搬送される(受け渡される)。
【0164】
そして、図12(C)に示されるように、ウエハステージST1上にウエハテーブルTB2が搬送されると、主制御装置50は、ウエハテーブルTB2(ウエハステージST1)を、投影光学系PLの直下に移動し、ウエハテーブルTB2上の不図示の基準マーク板上の一対の第2の基準マークとレチクルR上の一対のレチクルアライメントマークとを前述のレチクルアライメント系を用いて計測した後、その計測結果と前述のウエハアライメントの結果とに基づいて、ウエハW2上の各ショット領域対して、ステップ・アンド・スキャン方式の露光動作を開始する。
【0165】
上記のウエハテーブルTB2(ウエハステージST1)の投影光学系PLの直下への移動とほぼ同時に、主制御装置50は、ウエハステージST2、ST3の−Y方向に向けた移動を開始する。この移動の途中で、主制御装置50は、ウエハステージST3をウエハステージST2に最接近させ、両ステージの位置関係を図10(B)の位置関係にする。このようにして、ウエハステージST3がウエハステージST2に最接近した状態で、露光済みのウエハW1が載置されたウエハテーブルTB1が、ウエハステージST3からウエハステージST2に搬送される(受け渡される)。図13(A)には、このウエハテーブルTB1の受け渡しの途中の様子が示されている。この受渡しが行われている間も、第2の移動体40は、−Y方向に移動し続けている。
【0166】
そして、ウエハステージST2へのウエハテーブルTB1の搬送が終了すると、主制御装置50は、ウエハステージST2を、図13(B)に示されるウエハ交換位置(ローディングポジション)まで移動するとともに、ウエハステージST3を所定の待機位置へ向けて+X方向に移動する。
【0167】
そして、図13(B)に示される位置まで、ウエハステージST2、ST3が移動すると、不図示のウエハローダによって、ウエハテーブルTB1上に載置された露光済みのウエハW1のアンロード及び新たなウエハW3のロードが行なわれている。
【0168】
その後、新たなウエハW3に対するウエハアライメント動作が前述したウエハW2に対するウエハアライメント動作と同様にして行われる。
【0169】
この間、すなわち、ウエハテーブルTB1上でウエハ交換、その交換後のウエハW3に対するウエハアライメントが行われている間、ウエハテーブルTB2側では、前述のステップ・アンド・スキャン方式の露光動作が続行されている。
【0170】
その後は、上と同様の動作が繰り返し行われ、所定枚数のウエハに対する露光が順次繰り返される。
【0171】
ところで、上述した一方のウエハテーブル上のウエハに対する露光と、他方のウエハテーブル上のウエハに対するウエハアライメント計測とが並行して行われる際には、ウエハステージST1とウエハステージST2とが並行してXY面内で駆動され、それぞれのウエハステージの駆動力の反力が、カウンタウエイト58に伝達され、該カウンタウエイト58がその重心回りの回転モーメントを受ける。厳密には、カウンタウエイト58は、接続された前述の第1の移動ユニット30及び第2の移動ユニット40とともに、それら全体の重心の回りの回転モーメントを受けるが、カウンタウエイト58の重量(質量)に比べて第1の移動ユニット30及び第2の移動ユニット40の重量(質量)は小さいので、それぞれのウエハステージの駆動力の反力は、カウンタウエイト58をその重心回りに回転させる回転モーメントであると考えて差し支えない。
【0172】
そこで、本実施形態では、主制御装置50は、前述のウエハテーブル上のウエハに対する露光と、他方のウエハテーブル上のウエハに対するウエハアライメント計測との並行動作中には、ウエハステージST3の移動を制御し、これにより回転モーメントによるカウンタウエイト58の回転を極力生じさせないようにしている。以下、これについて、図14、図15に基づいて説明する。
【0173】
図14には、上述した露光動作と、ウエハ交換及びアライメント動作との並行処理の際に、ウエハステージST1(及びウエハテーブルTB1)と、ウエハステージST2(ウエハテーブルTB2)とをY軸方向に同時に駆動した場合の、Y軸リニアモータDY1a,DY1b,DY2a,DY2bの発生推力(図14中の黒矢印参照)が模式的に示されている。
【0174】
主制御装置50は、干渉計116の計測値に基づいて、ウエハステージST1の位置を算出し、その算出結果に基づいて、Y軸リニアモータDY1a,DY1bが発生する推力の合力が、第1の移動ユニット30全体の重心に作用するようなY軸リニアモータDY1a,DY1bに対する推力の指令値を算出する。この場合、第1の移動ユニット30全体の重心は、ウエハステージST1の位置に関わらず、該ウエハステージST1の重心位置にほぼ一致するものと考えられる。従って、ウエハステージST1の位置がわかると、簡単な比例計算により、Y軸リニアモータDY1a,DY1bに対する推力の指令値を算出することができる。
【0175】
また、主制御装置50は、干渉計118の計測値に基づいて、ウエハステージST2の位置を算出し、不図示のリニアエンコーダの計測値に基づいて、ウエハステージST3の位置を算出し、これらの算出結果とウエハステージST2(及びウエハテーブルTB2)、ウエハステージST3の質量とに基づいて、Y軸リニアモータDY2a,DY2bが発生する推力の合力が、第2の移動ユニット40全体の重心に作用するようなY軸リニアモータDY2a,DY2bに対する推力の指令値を算出する。
【0176】
ここで、図14の場合において、ウエハステージST1(及びウエハテーブルTB1)及びウエハステージST2(及びウエハテーブルTB2)を+Y方向に駆動する場合を考えると、上記のようにして算出された各推力指令値に基づいてY軸リニアモータDY1a、DY1bが駆動された場合、ウエハステージST1がX軸リニアガイドSL1の中心より+X側に位置しているので、+X側のY軸リニアモータDY1aが発生する推力F1aの方が、−X側のY軸リニアモータDY1bが発生する推力F1bよりも大きくなる。この結果、Y軸リニアガイドSY1に作用する反力F1a’の方が、Y軸リニアガイドSY2に作用する反力F1b’よりも大きくなる。
【0177】
また、この場合、第2の移動体40側においては、ウエハステージST2、ST3及びX軸リニアガイドSL2を含む系の重心は、X軸リニアガイドSL2の中心よりも−X側にあるので、+X側のY軸リニアモータDY2aに発生する推力F2aよりも、−X側のY軸リニアモータDY2bが発生する推力F2bが大きくなる。この結果、Y軸リニアガイドSY1に作用する反力F2a’よりもY軸リニアガイドSY2に作用する反力F2b’の方が大きくなる。
【0178】
従って、ウエハステージST3を静止させたまま、上記のようなウエハステージST1、ST2の+Y方向の駆動を行うと、図14に白抜き矢印で示される、時計回りの回転モーメントMが、カウンタウエイト58の重心g回りに作用する。
【0179】
そこで、主制御装置50では、上記Y軸リニアモータDY1a、DY1b、DY2a、DY2bに対する推力指令値を算出した際に、その推力指令値の算出結果に基づいて前記重心g回りの回転モーメントMを算出し、この回転モーメントMと同一方向、同一大きさの回転モーメントを発生するためのX軸リニアモータLX3の推力指令値を算出する。そして、このようにして算出した推力指令値に基づいて、Y軸リニアモータDY1a、DY1b、DY2a、DY2b及びX軸リニアモータLX3を同時に駆動するようになっている。これにより、ウエハステージST3の駆動時にX軸リニアガイドSL2に生じる反力Fa’によって生じるカウンタウエイト58の重心g回りの回転モーメントによって、前述の回転モーメントMが相殺され、カウンタウエイト58には回転が生じない。この場合、前述したボイスコイルモータ46A、46Bから成る維持機構によってX軸リニアガイドSL2とカウンタウエイト58との相対位置が維持されているので、前記反力Fa’は、ボイスコイルモータ46A、46Bの固定子42A,42Bを介してカウンタウエイト58に、ほぼそのまま伝達され、結果的に、前述の回転モーメントMを正確に相殺することが可能となっている。
【0180】
一方、図15には、上記露光動作と、ウエハ交換及びアライメント動作との並行処理の際に、ウエハステージST1(及びウエハテーブルTB1)と、ウエハステージST2(ウエハテーブルTB2)とをX軸方向に同時に駆動した場合の、X軸リニアモータLX1、LX2の発生推力(図15中の黒矢印参照)が模式的に示されている。
【0181】
この図15において、推力F1でウエハステージST1(ウエハテーブルTB1)が−X方向に駆動され、推力F2でウエハステージST2(ウエハテーブルTB2)が−X方向に駆動される場合に、ウエハステージST3が静止状態であるとすると、前述の重心gとウエハステージST1,ウエハステージST2とのY軸方向の距離が殆ど同じであり、推力F1の反力F1’の方が、推力F2の反力F2’より大きいので、重心gの回りには時計回りの回転モーメントMが作用する。
【0182】
そこで、主制御装置50は、X軸リニアモータLX1、LX2に対する推力の指令値を算出した際に、そのときの干渉計146、148の計測値と算出した推力の指令値とに基づいて、重心gの回りの回転モーメントMを算出する。主制御装置50は、この回転モーメントMと同一方向、同一大きさの回転モーメントを発生するためのX軸リニアモータLX3の推力指令値を算出する。そして、このようにして算出した推力指令値に基づいて、X軸リニアモータLX1、LX2、LX3を同時に駆動する。これにより、ウエハステージST3の駆動時にX軸リニアガイドSL2に生じる反力Fb’によって生じるカウンタウエイト58の重心g回りの回転モーメントによって、前述の回転モーメントMが相殺され、カウンタウエイト58には回転が生じない。この場合、前述したボイスコイルモータ36A、36Bから成る維持機構によってX軸リニアガイドSL1とカウンタウエイト58との相対位置が維持され、かつ前述したボイスコイルモータ46A、46Bから成る維持機構によってX軸リニアガイドSL2とカウンタウエイト58との相対位置が維持されているので、算出した推力指令値に対応する推力F1に応じた反力F1’、推力F2に応じた反力F2’、及び前記反力Fb’は、ボイスコイルモータの固定子42A,42Bを介してカウンタウエイト58に、ほぼそのまま伝達され、結果的に、前述の回転モーメントMを正確に相殺することが可能となっている。
【0183】
上述と同様に、ウエハステージST1をX軸方向に駆動し、これと並行してウエハステージST2をY軸方向に駆動する場合、あるいは、ウエハステージST1をY軸方向に駆動し、これと並行してウエハステージST2をX軸方向に駆動する場合など、ウエハステージST1、ST2の同時駆動に際しては、主制御装置50は、上記と同様にして、X軸リニアモータLX3(ウエハステージST3)に対する推力指令値を算出する。この場合の主制御装置50による、各リニアモータに対する推力指令値の算出は、所定の時間(例えば数m秒)間隔で、タイマー割り込み処理により実現されるので、カウンタウエイト58の回転は、略確実に防止できる。
【0184】
但し、カウンタウエイト58は、各ウエハステージの移動に応じて、ほぼ運動量保存則に従ってX軸及びY軸方向に関して移動するので、カウンタウエイト58が必要以上に定盤44に対して位置ずれしないようにすることが望ましい。そこで、本実施形態では、不図示ではあるが、適宜カウンタウエイト58のXY2次元方向の位置を調整する不図示の駆動装置(例えばボイスコイルモータにより構成される)が、定盤44とカウンタウエイト58との相互間に設けられている。
【0185】
これまでの説明から明らかなように、本実施形態に係るステージ装置20では、X軸リニアモータLX1と一対のY軸リニアモータDY1a,DY1bとによって、ウエハステージST1をXY面内で2次元駆動する第1駆動機構が構成されている。また、X軸リニアモータLX2,LX3と、一対のY軸リニアモータDY2a,DY2bとによって、前記第1駆動機構に少なくとも一部が接続され、ウエハステージST2、ST3をX軸方向に関しては相互に独立に、Y軸方向に関しては同時に駆動する第2駆動機構が構成されている。さらに、本実施形態に係るステージ装置20では、各ウエハステージ上の電極とターゲットプレートとから構成されるテーブル受け渡し機構によって、ウエハステージST1,ST2,ST3のうち任意の2つのステージが近接することにより、当該2つのステージの一方から他方へウエハテーブルを移動する移動機構が構成されている。
【0186】
また、本実施形態の露光装置10では、照明系12及び投影光学系PL等を含んで、ウエハステージST1上に搭載された任意のウエハテーブル上のウエハを照明光ILで露光する露光部が構成されている。
【0187】
以上詳細に説明したように、本実施形態に係るステージ装置20によると、主制御装置50の指示の下、前述の第1駆動機構(LX1,DY1a,DY1b)により、ウエハステージST1がXY面内で駆動され、第1駆動機構に一部が接続された(より具体的には、Y軸リニアモータの固定子を共通にする)前述の第2駆動機構により、ウエハステージST2、ST3がX軸方向に関して相互に独立に、Y軸方向に関しては同時に駆動される。この場合、第1駆動機構と第2駆動機構とは一部が接続されているので、第1駆動機構によってウエハステージST1が駆動される際に第1駆動機構に生じる反力は、第2駆動機構に影響を及ぼし、第2駆動機構によってウエハステージST2、ST3の少なくとも一方、例えばウエハステージST2が駆動される際に第2駆動機構に生じる反力は、第1駆動機構に影響を及ぼす。
【0188】
すなわち、例えばウエハステージST1と、ウエハステージST2(又はST3)とが、所定の動作、例えば前述の露光動作とウエハアライメント動作を並行して行うために同時に駆動される場合に、第1、第2の駆動機構とこれらの駆動機構によってそれぞれ駆動可能な各ウエハステージを含む系(本実施形態の場合には、前述のカウンタウエイトも含まれる)全体に作用する回転モーメントを、前述のようにしてウエハステージST3(又はST2)をX軸方向に駆動することにより、その駆動力の反力の作用を利用して、相殺(あるいは効果的に低減する)ことが可能である。
【0189】
従って、本実施形態に係るステージ装置20によると、各ウエハステージの駆動時に生じる反力が他のウエハステージに与える影響を低減して、並行動作のために同時に駆動される少なくとも2つのウエハステージの位置制御性を向上させることができる。この結果、複数のウエハステージを用いた並行処理動作の能力を精度面で向上させることが可能となる。
【0190】
また、ステージ装置20は、一対のY軸リニアモータDY1a,DY1bの固定子、すなわち一対のY軸リニアモータDY2a,DY2bの固定子が接続され、ウエハステージST1〜ST3を支持する定盤44に移動可能に支持されたカウンタウエイト58を備えている。このため、ウエハステージST1〜ST3の駆動に伴う反力が、カウンタウエイト58に作用した際に、該カウンタウエイトイ58がほぼ運動量保存則に従って移動し、その反力が吸収される。これにより、ウエハステージST1〜ST3の駆動力の反力に起因して振動が生ずるのを効果的に抑制することができる。
【0191】
また、ステージ装置20では、X軸リニアモータLX1の固定子であるX軸リニアガイドSL1とカウンタウエイト58との間には、X軸リニアガイドSL1とカウンタウエイト58とのX軸方向に関する位置関係を維持する前述の一対のボイスコイルモータ36A,36Bが設けられているので、ウエハステージST1の駆動の際に、X軸リニアガイドSL1がその駆動力の反力の作用によって移動することがなく、この点においてウエハステージST1の位置制御性を良好にすることができる。
【0192】
また、ステージ装置20では、X軸リニアモータLX2、LX3の固定子であるX軸リニアガイドSL2とカウンタウエイト58との間には、X軸リニアガイドSL2とカウンタウエイト58とのX軸方向に関する位置関係を維持する前述の一対のボイスコイルモータ46A,46Bが設けられているので、ウエハステージST2、ST3のいずれか一方、又は両方をX軸方向に駆動する際に、X軸リニアガイドSL2がその駆動力の反力の作用によって移動することがない。従って、ウエハステージST3のX軸方向の駆動力の反力が、ウエハステージST2に影響を与えることがないとともに、ウエハステージST2のX軸方向の駆動力の反力が、ウエハステージST3に影響を与えることもない。従って、前述したカウンタウエイト58に作用する回転モーメントの相殺のためのウエハステージST3の駆動が、ウエハステージST2に悪影響を与えるのを、確実に防止することができる。
【0193】
また、本実施形態に係るステージ装置20は、ウエハステージST1、ST2、ST3のいずれにも搭載可能な2つのウエハテーブルTB1、TB2と、これらのウエハステージ三者間でウエハテーブルTB1、TB2を受け渡す前述のテーブル受け渡し機構(すなわち移動機構)を備えている。また、このテーブル受け渡し機構(移動機構)は、各ウエハステージに設けられた電極(静電多相電極)と絶縁体又は誘電体から成るターゲットプレートとを含む静電アクチュエータによって構成されている。従って、このテーブル受け渡し機構(移動機構)により、小型で軽量なウエハテーブルを、高速にウエハステージ間で移動(受け渡す)ことができる。
【0194】
また、本実施形態では、移動機構(テーブル受け渡し機構)により、3つのウエハステージのうち任意の2つのウエハステージが近接することにより、当該2つのウエハステージの一方から他方へウエハテーブルが移動される。すなわち、ロボットアーム等を用いることなく、2つのウエハステージの相互の接近により該ウエハステージ間でのウエハテーブルの受け渡しが可能である。従って、ロボットアームなどの搬送系の設置スペースが不要なので、その分フットプリントの狭小化、ひいては装置の小型化を実現することができる。また、ウエハステージに比べて相当小型軽量のウエハテーブルがウエハステージ間で受け渡されるので、その受け渡しを短時間で行うことができる。
【0195】
また、本実施形態の露光装置10によると、前述したウエハステージST1に搭載されたウエハテーブル上のウエハに対する露光動作と、ウエハステージST2に搭載されたウエハテーブル上でのウエハ交換及びウエハアライメント動作との同時並行処理を含む、一連のシーケンスに従った処理により、複数のウエハテーブルTB1、TB2のそれぞれを複数のウエハステージST1,ST2,ST3間で順次受け渡して循環使用することができるとともに、ウエハステージST1,ST2による並行動作を無理なく実現することができる。
【0196】
また、本実施形態の露光装置10によると、高スループットのウエハテーブル循環及び並行処理動作の実現が可能であり、結果的に、ウエハステージST1,ST2を用いた並行処理動作の能力を特に時間的な面で向上させることが可能となる。
【0197】
本実施形態の露光装置10によると、前述した種々の工夫により、ウエハアライメント精度及び露光精度の向上が可能であるとともに、スループットの向上が可能である。従って、結果的に、最終製品であるデバイスの生産性を歩留まり、及びスループットの両面で向上させることができる。
【0198】
また、本実施形態の露光装置10では、前述の露光部は、照明光ILをウエハに照射する投影光学系PLを有し、ウエハテーブルTB1,TB2には、X軸及びY軸にそれぞれ直交する反射面(移動鏡の反射面に相当)がそれぞれ設けられ、投影光学系PLとアライメント系ALGとが、X軸及びY軸にともに交差する方向に沿って配置されている。このため、投影光学系に関して対称に2つのアライメント系が設けられている、ツインウエハステージタイプのステージ装置を採用する露光装置に比べて、ウエハ側の干渉計の数の低減、装置の小型化ひいてはフットプリントを狭小化することが可能である。
【0199】
また、上記実施形態では、ウエハステージST1〜ST3それぞれには、少なくとも6つの固定子としてのEIコアが設けられ、ウエハテーブルには、固定子とともに微動機構を構成する12個の可動子としての磁石ユニットが設けられ、ウエハテーブルをウエハステージに対して6自由度方向で微小駆動して、ウエハテーブル(ウエハ)の6自由度方向における位置、姿勢制御を精度良く行うことができる。但し、必ずしもこのようにする必要はなく、複数のウエハステージそれぞれには、少なくとも1つの固定子が設けられ、ウエハテーブルには、その固定子とともに微動機構を構成する少なくとも1つの可動子が設けられ、微動機構により、ウエハテーブルが少なくとも重力方向に微小駆動されるものであれば良い。
【0200】
なお、上記実施形態では、X軸リニアガイドSL1に1つのウエハステージ、X軸リニアガイドSL2に2つのウエハステージを設けた場合について説明したが、本発明がこれに限られるものではなく、例えば、X軸リニアガイドSL1に2つのウエハステージを設けることとしても良いし、それ以上設けることとしても良い。要は、少なくとも3つのステージを有していれば良く、また、テーブルの数もステージの数よりも少なくとも1つ少なければ良い。
【0201】
また、上記実施形態で説明したテーブルの搬送機構などの構成は一例であって、本発明がこれに限定されるものではない。また、上記実施形態では、ウエハステージST2、ST3は、相互の接近離間方向とウエハステージST1に対する接近離間方向が、相互に直交する方向とされているものとしたが、本発明がこれに限定されるものではなく、従ってテーブルの搬送経路の組み合わせも上記実施形態で説明したものを必ずしも採用する必要はない。例えば、ウエハステージをX軸リニアガイドSL1、SL2にそれぞれ2つ、設ける場合には、いずれのウエハステージ上のテーブルの搬送経路としてもL字状の経路を採用することができる。
【0202】
また、上記実施形態では第1、第2の駆動機構をリニアモータによって構成するものとしたが、本発明がこれに限られるものではなく、その他の駆動機構を用いることとしても勿論良い。
【0203】
なお、上記実施形態では、ウエハステージ間でウエハテーブルを搬送する搬送機構として、ターゲットプレートと電極群を備える静電アクチュエータを採用するものとしたが、本発明がこれに限られるものではなく、例えば、図16(A)〜16(D)に示されるようなウエハテーブルの搬送機構(テーブル受け渡し機構)を採用することができる。
【0204】
なお、以下では、便宜上、ウエハステージST1,ST2,ST3を、代表的にウエハステージSTと記述し、ウエハテーブルTB1,TB2を代表的にウエハテーブルTBと記述するものとする。
【0205】
この搬送機構は、図16(A)等に示されるように、磁歪素子63A,63Bを含む磁歪アクチュエータ61Aが、ウエハステージST上に、ウエハテーブルのTBの搬送方向(ここでは、紙面左右方向であるX軸方向)に沿って所定間隔で複数並んで配置されている。
【0206】
前記各磁歪アクチュエータ61Aは、図16(A)に示されるように、ウエハステージSTの上面(例えば前述の凹部の内部底面、又は低段差部上面に相当)にその一端が固定された略T字状の支持部材62A、該支持部材62Aの突出部(T字の足の部分)の端面(+X側の面)に固定された磁歪素子63A、該磁歪素子63Aの+X側の端面に固定された中間部材62B、該中間部材62Bの+Z端部に固定された磁歪素子63B、及び該磁歪素子63Bの上端面(+Z側の端面)に固定された持ち上げ部材62C等を備えている。
【0207】
前記磁歪素子63Aの周囲には、励磁されることにより紙面左右方向(搬送方向)の磁界を発生する界磁コイルCL1が巻回されており、また、前記磁歪素子63Bの周囲には、励磁されることにより鉛直方向の磁界を発生する界磁コイルCL2が巻回されている。
【0208】
従って、界磁コイルCL1が励磁されると、磁歪素子63Aは伸び、磁歪素子63Aより+X側の構成各部が一体的に+X方向に所定量移動し、界磁コイルCL1が非励磁状態になると、磁歪素子63Aが元の長さまで縮んで、磁歪素子63Aより+X側の構成各部は、元の位置まで戻る。
【0209】
上記と同様に、界磁コイルCL2が励磁されると、磁歪素子63Bは伸びて該磁歪素子63Bの上部の持ち上げ部材62Cが+Z方向に所定量移動し、界磁コイルCL2が非励磁状態になると、元の長さまで縮んで持ち上げ部材62Cが元の位置に戻る。
【0210】
この場合、重要なことは、界磁コイルCL2の非励磁状態で持ち上げ部材62Cの上端面が、支持部材62Aの上端面より下方に位置し、界磁コイルCL2の励磁状態で持ち上げ部材62Cの上端面が、支持部材62Aの上端面より上方の位置まで移動するようになっていることである。
【0211】
以下、上記の複数の磁歪アクチュエータ61Aから成る搬送機構によるウエハテーブルTBの搬送原理について説明する。
【0212】
図16(A)には、ウエハテーブルTBの搬送開始前の状態が示されている。この図16(A)の状態では、界磁コイルCL1,CL2のいずれも非励磁状態にあり、磁歪素子63A,63Bはいずれも縮んだ状態(自然長)にある。このとき、各磁歪アクチュエータ61Aを構成する支持部材62AによってウエハテーブルTBは下方から支持されている。
【0213】
この状態から、各磁歪アクチュエータ61Aを構成する界磁コイルCL2に電圧を印加する(すなわち界磁コイルCL2を励磁する)と、磁歪素子63Bが伸張し、図16(B)に示されるように、持ち上げ部材62CによりウエハテーブルTBが持ち上げられ、支持部材62Aから離間する。
【0214】
次いで、各磁歪アクチュエータ61Aを構成する界磁コイルCL1を励磁すると、磁歪素子63Aが伸張し、図16(C)に示されるように、持ち上げ部材62Cを含む磁歪素子63Aより+X側の各部が、+X方向に移動する。これにより、持ち上げ部材62Cによって支持されたウエハテーブルTBが+X方向に移動する。
【0215】
次いで、界磁コイルCL2の励磁を停止すると、磁歪素子63Bが元の長さまで縮む(収縮する)が、この収縮の途中で、図16(D)に示されるように、ウエハテーブルTBが、支持部材62Aにより支持され、さらに磁歪素子63Bが収縮することで、ウエハテーブルTBと持ち上げ部材62Cとが離間する。その後、界磁コイルCL1の励磁を停止することにより、磁歪素子63Aが元の長さまで収縮し、各磁歪アクチュエータ61Aは、図16(A)と同様の状態に戻る。
【0216】
これ以降は、各界磁コイルの励磁と、励磁の停止とを、上述の手順で繰り返し行うことで、ウエハテーブルTBをウエハステージST上で+X方向に搬送することができる。上記の磁歪アクチュエータ61Aを用いる場合、ウエハテーブル側には前述のターゲットプレートは設けなくても良い。
【0217】
上記実施形態において、ウエハステージ間でウエハテーブルを搬送する搬送機構として、上述の複数の磁歪アクチュエータ61Aから成る搬送機構を採用した場合には、主制御装置50が、上述のようにして、各界磁コイルの励磁と、励磁の停止とを、上述の手順で繰り返し行えば良い。
【0218】
なお、図16(A)に示される構成において、各磁歪素子に代えて、非共振の圧電素子あるいは電歪素子を採用した、圧電アクチュエータあるいは電歪アクチュエータを、複数用いて搬送機構を構成することも可能である。この場合も、上述の手順で、圧電素子等に対する電圧の印加、印加の停止を繰り返し行えば良い。
【0219】
なお、上記実施形態では、ステージ装置20が、カウンタウエイト58を備える場合について説明したが、前述した複数のウエハステージ間での高スループットのウエハテーブルの循環及び並行処理動作などは、カウンタウエイトの有無とは直接の関係はない。
【0220】
また、上記実施形態では、カウンタウエイトの位置調整のためトリムモータを備えているものとしたが、カウンタウエイトの質量が十分に大きく、カウンタウエイトの位置が殆ど変化しない場合などには、トリムモータなどは設けなくても良い。
【0221】
また、上記実施形態では、ウエハステージに対して着脱自在のウエハテーブル上のウエハに対する露光を行う露光装置に本発明が適用された場合について説明したが、これに限らず、前述のウエハステージST1、ST2などと同様のステージと、該ステージに固定されたテーブル又はホルダなどの保持部材を有し、そのテーブル又は保持部材上にウエハ等の感光物体を保持するタイプの露光装置にも、本発明のステージ装置は適用することが可能である。かかる場合、その露光装置は、本発明のステージ装置の他、該ステージ装置を構成する第1ステージに載置された感光物体をエネルギビームで露光する露光部と、第2、第3ステージのうちの所定の一方に載置された感光物体上に形成されたマークを検出する検出系(前述のアライメント系ALGに相当)とを備えていることが望ましい。このような露光装置であれば、上記実施形態と同様に、第1ステージに載置された感光物体に対して露光が行われている間に、第2ステージに載置された感光物体上に形成されたマークを検出系を用いて検出する並行処理動作を、その並行動作時の第1、第2ステージの駆動に伴う反力及び該反力に起因する回転モーメントの影響を低減して精度良く行うことができる。従って、この露光装置では、最終製品であるデバイスの生産性を特に歩留まりの面で向上させることが可能である。
【0222】
なお、上記実施形態では、照明光ILとしてKrFエキシマレーザ光などの遠紫外光、F2レーザ、ArFエキシマレーザ等の真空紫外域光、あるいは超高圧水銀ランプからの紫外域の輝線(g線、i線等)などを用いるものとしたが、これに限らずAr2レーザ光(波長126nm)などの他の真空紫外光を用いても良い。また、例えば、真空紫外光として上記各光源から出力されるレーザ光に限らず、DFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(Er)(又はエルビウムとイッテルビウム(Yb)の両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いても良い。
【0223】
更に、照明光ILとしてEUV光、X線、あるいは電子線やイオンビームなどの荷電粒子線を用いる露光装置に本発明を適用しても良い。例えば荷電粒子線を用いる露光装置の場合、電子光学系などの荷電粒子線光学系が、露光用光学系を構成することになる。この他、例えば国際公開WO99/49504号などに開示される、投影光学系PLとウエハとの間に液体が満たされる液浸型露光装置などにも本発明を適用しても良い。
【0224】
なお、上記実施形態では、ステップ・アンド・スキャン方式等の走査型露光装置に本発明が適用された場合について説明したが、本発明の適用範囲がこれに限定されないことは勿論である。すなわちステップ・アンド・リピート方式の縮小投影露光装置にも本発明は好適に適用できる。
【0225】
なお、複数のレンズから構成される照明光学系、投影光学系を露光装置本体に組み込み、光学調整をするとともに、多数の機械部品からなるレチクルステージやウエハステージを露光装置本体に取り付けて配線や配管を接続し、更に総合調整(電気調整、動作確認等)をすることにより、上記実施形態の露光装置を製造することができる。なお、露光装置の製造は温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0226】
なお、本発明は、半導体製造用の露光装置に限らず、液晶表示素子などを含むディスプレイの製造に用いられる、デバイスパターンをガラスプレート上に転写する露光装置、薄膜磁気ヘッドの製造に用いられるデバイスパターンをセラミックウエハ上に転写する露光装置、及び撮像素子(CCDなど)、マイクロマシン、有機EL、DNAチップなどの製造に用いられる露光装置などにも適用することができる。また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクル又はマスクを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。ここで、DUV(遠紫外)光やVUV(真空紫外)光などを用いる露光装置では一般的に透過型レチクルが用いられ、レチクル基板としては石英ガラス、フッ素がドープされた石英ガラス、螢石、フッ化マグネシウム、又は水晶などが用いられる。また、プロキシミティ方式のX線露光装置、又は電子線露光装置などでは透過型マスク(ステンシルマスク、メンブレンマスク)が用いられ、マスク基板としてはシリコンウエハなどが用いられる。
【0227】
半導体デバイスは、デバイスの機能・性能設計を行うステップ、この設計ステップに基づいたレチクルを製作するステップ、シリコン材料からウエハを製作するステップ、前述した実施形態の露光装置を用いて前述の方法によりレチクルのパターンをウエハに転写するステップ、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)、検査ステップ等を経て製造される。
【0228】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のステージ装置によれば、複数のステージを用いた並行処理動作の能力を向上させることができるという効果がある。
【0229】
また、本発明の露光装置によれば、最終製品であるデバイスの生産性を向上させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態に係る露光装置の概略構成を示す図である。
【図2】図1のウエハステージ装置を示す斜視図である。
【図3】図2のカウンタウエイトを取り外した状態を示す図である。
【図4】図4(A)は、第1の移動体を示す図であり、図4(B)は、第2の移動体を示す図である。
【図5】ウエハステージST1の駆動力の作用点を示す図である。
【図6】図6(A)は、ウエハステージST1とウエハテーブルTB1を示す分解斜視図であり、図6(B)は、ウエハステージST2を示す斜視図である。
【図7】ウエハテーブルの微動機構の1つを示す斜視図である。
【図8】図8(A)〜図8(C)は、ウエハテーブルの搬送方法を説明するための図である。
【図9】図9(A),図9(B)は、ウエハステージ上の電極群を示す図である。
【図10】図10(A)〜図10(C)は、ウエハテーブルの搬送方法について説明するための図である。
【図11】図11(A)〜図11(C)は、並行処理動作について説明するための図(その1)である。
【図12】図12(A)〜図12(C)は、並行処理動作について説明するための図(その2)である。
【図13】図13(A)、図13(B)は、並行処理動作について説明するための図(その3)である。
【図14】ウエハステージST3の駆動制御について説明するための図(その1)である。
【図15】ウエハステージST3の駆動制御について説明するための図(その2)である。
【図16】図16(A)〜図16(D)は、ウエハテーブルの搬送機構の変形例を説明するための図である。
【符号の説明】
10…露光装置、12…照明系(露光部の一部)、20…ウエハステージ装置(ステージ装置)、36A,36B…可動子(維持機構の一部)、42A,42B…固定子(維持機構の一部)、46A,46B…可動子(維持機構の一部)、58…カウンタウエイト(カウンタウエイト)、64A,64B,64C…電極群(テーブル受け渡し機構の一部、移動機構、静電アクチュエータの一部)、92A〜92F,93A〜93F…電機子ユニット(微動機構の一部、電磁コア)、95A〜95F,96A〜96F…磁石ユニット(微動機構の一部、永久磁石)、ALG…アライメント系(マーク検出系)、DY1a,DY1b…Y軸可動子(第1駆動機構の一部、第2リニアモータの一部)、DY2a,DY2b…Y軸可動子(第2駆動機構の一部、第4リニアモータの一部)、IL…照明光(エネルギビーム)、LX1…(第1駆動機構の一部、第1リニアモータ)、LX2、LX3…(第2駆動機構の一部、第3リニアモータ)、PT…ターゲットプレート(テーブル受け渡し機構の一部、移動機構の一部、静電アクチュエータの一部)、PL…投影光学系(露光部の一部)、ST1…ウエハステージ(第1ステージ)、ST2…ウエハステージ(第2ステージ)、ST3…ウエハステージ(第3ステージ)、TB1,TB2…ウエハテーブル(テーブル)、W1、W2…ウエハ(感光物体)。

Claims (23)

  1. 第1ステージと;
    該第1ステージを2次元面内のうちの第1軸方向に駆動する第1リニアモータと、該第1リニアモータの固定子を前記2次元面のうちの第2軸方向に駆動する一対の第2リニアモータとを有する第1駆動機構と;
    前記第1ステージとは異なる第2、第3ステージを含む複数のステージと;
    固定子を共有し、前記第2、第3ステージを相互に独立に前記第1軸方向に駆動する2つの第3リニアモータと、該第3リニアモータの固定子を前記第2軸方向に駆動する一対の第4リニアモータとを有し、前記第1駆動機構に少なくとも一部が接続され、前記第2、第3ステージを前記第2軸方向に関しては同時に駆動する第2駆動機構と;を備え、
    前記第1ステージは、前記第2ステージと近接する位置から前記第3ステージと近接する位置まで、前記第1軸方向に移動可能であることを特徴とするステージ装置。
  2. 第1ステージと;
    該第1ステージを2次元面内のうちの第1軸方向に駆動する第1リニアモータと、該第1リニアモータの固定子を前記2次元面のうちの第2軸方向に駆動する一対の第2リニアモータとを有する第1駆動機構と;
    前記第1ステージとは異なる第2、第3ステージを含む複数のステージと;
    固定子を共有し、前記第2、第3ステージを相互に独立に前記第1軸方向に駆動する2つの第3リニアモータと、該第3リニアモータの固定子を前記第2軸方向に駆動する一対の第4リニアモータとを有し、前記第1駆動機構に少なくとも一部が接続され、前記第2、第3ステージを前記第2軸方向に関しては同時に駆動する第2駆動機構と;
    前記一対の第2リニアモータの固定子と、前記一対の第4リニアモータの固定子とが接続され、前記各ステージを支持するステージベースに移動可能に支持されたカウンタウエイトと;を備えることを特徴とするステージ装置。
  3. 前記第1リニアモータ及び前記第3リニアモータの少なくとも一方のモータの固定子である特定固定子と前記カウンタウエイトとの間には、前記特定固定子の長手方向に関する該特定固定子と前記カウンタウエイトとの位置関係を維持する維持機構が設けられていることを特徴とする請求項に記載のステージ装置。
  4. 前記第2駆動機構は、前記カウンタウエイトの回転を抑制するように、前記第3ステージを駆動することを特徴とする請求項2又は3に記載のステージ装置。
  5. 前記第1、第2及び第3ステージのいずれにも搭載可能な少なくとも2つのテーブルと;
    前記第1、第2及び第3ステージの三者間で前記各テーブルを受け渡すテーブル受け渡し機構と;を更に備えることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のステージ装置。
  6. 前記第1駆動機構は、前記第1ステージに前記テーブルが搭載された際の前記第1ステージ及びテーブル全体の重心点を駆動点として前記第1ステージを駆動することを特徴とする請求項に記載のステージ装置。
  7. 前記第2駆動機構は、前記第2、第3ステージにそれぞれ前記テーブルが搭載された際の各ステージ及びテーブル全体の重心点を駆動点として前記第2、第3ステージのうち少なくとも所定の一方のステージを駆動することを特徴とする請求項又はに記載のステージ装置。
  8. 相互に接近離間する方向に2次元面内で移動可能な第1ステージ、第2ステージ及び第3ステージを含む複数のステージと;
    前記複数のステージのそれぞれに搭載可能であり、前記複数のステージのうち任意の1つを除く残りのステージに搭載された前記複数のステージより1つ少ない数のテーブルと;
    前記複数のステージのうち任意の2つのステージが近接することにより、当該2つのステージの一方から他方へ前記テーブルを移動する移動機構と;を備えることを特徴とするステージ装置。
  9. 前記複数のステージそれぞれには、少なくとも1つの固定子が設けられ、前記テーブルには、前記固定子とともに微動機構を構成する少なくとも1つの可動子が設けられ、前記微動機構により、前記テーブルが少なくとも重力方向に微小駆動されることを特徴とする請求項に記載のステージ装置。
  10. 前記複数のステージそれぞれには、前記固定子が6つ設けられ、前記テーブルには、各固定子に個別に対応する6つの可動子が設けられ、
    前記微動機構は、前記各固定子と対応する各可動子との個別の協働により、前記テーブルを6自由度方向に微小駆動することを特徴とする請求項に記載のステージ装置。
  11. 前記各固定子は電磁コア及び永久磁石の所定の一方であり、
    前記各可動子は、電磁コア及び永久磁石の所定の他方であることを特徴とする請求項10に記載のステージ装置。
  12. 前記第1ステージを含む少なくとも1つのステージを2次元面内で駆動する第1駆動機構と;
    前記第2、第3ステージを、前記2次元面内の直交二軸方向のうち、第1軸方向に関しては相互に独立に、第2軸方向に関しては同時に駆動する第2駆動機構と;を更に備えることを特徴とする請求項8〜11のいずれか一項に記載のステージ装置。
  13. 前記第2駆動機構は、前記第1ステージとは独立して前記第2、第3ステージを駆動することを特徴とする請求項12に記載のステージ装置。
  14. 前記第2、第3ステージは、相互の接近離間方向と前記第1ステージに対する接近離間方向が、相互に直交する方向とされていることを特徴とする請求項8〜13のいずれか一項に記載のステージ装置。
  15. 前記第1、第2、第3ステージのそれぞれには、前記任意のテーブルを前記第1、第2、第3ステージ間で移動するための移動経路が設けられ、該移動経路のそれぞれは他のステージに設けられた移動経路と接続可能であることを特徴とする請求項8〜14のいずれか一項に記載のステージ装置。
  16. 前記第1ステージの上面には、前記2次元面内の第2軸方向に沿ったテーブル搬送経路が設けられ、
    前記第2、第3ステージそれぞれの上面には、前記第1軸方向及び第2軸方向の経路部分から成るL字状のテーブル搬送経路がそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項15に記載のステージ装置。
  17. 前記移動機構は、前記各ステージ上に設けられた、静電多相電極を含む静電アクチュエータ、磁歪素子を含む磁歪アクチュエータ、非共振の圧電素子を含む圧電アクチュエータ、電歪素子を含む電歪アクチュエータのいずれかであることを特徴とする請求項8〜16のいずれか一項に記載のステージ装置。
  18. 前記第1駆動機構および前記第2駆動機構が共通に接続され、前記各ステージの反力の作用により自在に移動可能に、前記複数のステージを支持するステージベースに支持されたカウンタウエイトを更に備えることを特徴とする請求項8〜17のいずれか一項に記載のステージ装置。
  19. 前記カウンタウエイトを前記2次元面内で駆動する駆動装置を更に備えることを特徴とする請求項2、3、18のいずれか一項に記載のステージ装置。
  20. 前記第3ステージは、前記カウンタウエイトの回転を抑制するように、移動することを特徴とする請求項18に記載のステージ装置。
  21. エネルギビームにより感光物体を露光して前記所定のパターンを前記感光物体上に形成する露光装置であって、
    前記各ステージに前記感光物体が載置される請求項1〜4のいずれか一項に記載のステージ装置と;
    前記第1ステージに載置された前記感光物体を前記エネルギビームで露光する露光部と;
    前記第2、第3ステージのうちの所定の一方に載置された前記感光物体上に形成されたマークを検出するマーク検出系と;を備える露光装置。
  22. エネルギビームにより感光物体を露光して所定のパターンを前記感光物体上に形成する露光装置であって、
    前記各テーブルに前記感光物体が載置される請求項5〜20のいずれか一項に記載のステージ装置と;
    前記第1ステージ上に搭載された任意のテーブル上の前記感光物体を前記エネルギビームで露光する露光部と;
    前記第2、第3ステージのうちの所定の一方に搭載された任意のテーブル上の前記感光物体に形成されたマークを検出するマーク検出系と;を備える露光装置。
  23. 前記露光部は、前記エネルギビームを前記感光物体に照射する露光光学系を有し、
    前記各テーブルには、前記第1軸及び第2軸にそれぞれ直交する反射面がそれぞれ設けられ、
    前記露光光学系と前記マーク検出系とが、前記第1軸及び第2軸にともに交差する方向に沿って配置されていることを特徴とする請求項22に記載の露光装置。
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