JP2005038874A - ステージ装置及び露光装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ステージの、移動体間における移動を非接触かつ高スループットで行う。
【解決手段】駆動機構により、2次元面内で移動可能な2つのステージ(WST1,WST2)が、第1の移動体(73X,691,671)及び第2の移動体(73X,691,671)に対して非接触で支持され、各移動体に対して少なくとも2次元面内の直交2軸方向に関して微小駆動される。また、駆動機構により、両移動体が近接した状態で、ステージが一方の移動体から他方の移動体に移動される。この場合、ステージを2次元面内の直交2軸方向に関して微小駆動する駆動機構を、両移動体が近接した状態で、ステージを一方の移動体から他方の移動体に移動する際にも用いることとしているので、ステージの移動体間における移動を非接触かつ高スループットで行うことが可能となる。
【選択図】 図2
【解決手段】駆動機構により、2次元面内で移動可能な2つのステージ(WST1,WST2)が、第1の移動体(73X,691,671)及び第2の移動体(73X,691,671)に対して非接触で支持され、各移動体に対して少なくとも2次元面内の直交2軸方向に関して微小駆動される。また、駆動機構により、両移動体が近接した状態で、ステージが一方の移動体から他方の移動体に移動される。この場合、ステージを2次元面内の直交2軸方向に関して微小駆動する駆動機構を、両移動体が近接した状態で、ステージを一方の移動体から他方の移動体に移動する際にも用いることとしているので、ステージの移動体間における移動を非接触かつ高スループットで行うことが可能となる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステージ装置及び露光装置に係り、更に詳しくは、2次元駆動可能なステージを備えるステージ装置及び該ステージ装置を備える露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、半導体素子(集積回路)又は液晶表示素子等を製造するに際し、リソグラフィ工程では、種々の露光装置が用いられている。近年では、半導体素子の高集積化に伴い、ステップ・アンド・リピート方式の縮小投影露光装置(いわゆるステッパ)や、このステッパに改良を加えたステップ・アンド・スキャン方式の走査型投影露光装置(いわゆるスキャニング・ステッパ(スキャナとも呼ばれる))などの逐次移動型の投影露光装置が主流となっている。
【0003】
例えば、半導体素子の製造に用いられる投影露光装置では、ウエハステージ上のウエハを交換するウエハ交換工程、ウエハ上の各ショット領域の位置を正確に求めるためのウエハアライメント工程、及びそのウエハアライメントの結果に基づいてウエハステージの位置を制御してウエハ上の各ショット領域にレチクル(又はマスク)に形成されたパターンを転写する露光工程の3つの工程の処理が、1つのウエハステージを用いて順次繰り返し行われている。
【0004】
ところで、露光装置は半導体素子等の量産に用いられるものであることから、スループットの向上は、露光精度の向上とともに、最重要課題の一つであり、現実に露光装置に対するスループット向上の要求はとどまることがない。従って、上述の如く、ウエハ交換工程→ウエハアライメント工程→露光工程をシーケンシャルに繰り返す方法では、近い将来、要求されるスループットを達成することが困難になることは確実である。
【0005】
そこで、近年では、スループットを更に向上させようとの観点から、ウエハステージを2つ設け、この2つのウエハステージを用いて、例えばウエハ交換動作及びアライメント動作と、露光動作とを並行して行うツインウエハステージタイプの露光装置も種々提案されている(例えば特許文献1、特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−163098号公報
【特許文献2】
特表2000−511704号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
確かに、上記特許文献1に記載の露光装置によると、2つのウエハステージ上の前述した同時並行処理により、スループットを格段向上させることができる。しかし、ウエハアライメント系が投影光学系の一側と他側に配置されているため、その両側のウエハアライメント系の下方領域でそれぞれのウエハステージ上のウエハに対するアライメントが行われる。そのためその2つのウエハステージの移動基準面(移動ガイド面)が形成されるステージ定盤が大型化し、装置の設置面積(フットプリント)が大きくなってしまうという難点を有している。
【0008】
一方、上記特許文献2に記載の装置では、特性化ユニット(ウエハアライメント系に相当)が1つ設けられているのみなので、上述のステージ定盤の大型化という難点は改善される。しかしながら、この特許文献2に記載の装置では、特性化ユニットが1つであるが故に、2つの基材ホルダのそれぞれを、その特性化ユニット下方に位置させるため、それら2つの基材ホルダを入れ替える必要がある。その入れ替えの方法として、上記特許文献2に記載の装置では、各基材ホルダを、2つのリニアXモータ(X軸リニアモータ)の第1部分(固定子)に沿って移動する第2部分(可動子に相当)にそれぞれ設けられた継手部材と、2つの基材ホルダにそれぞれ設けられた継手部材との結合(機械的又は電子機械的結合)により、持ち替える方式が採用されている。すなわち、各基材ホルダ(ウエハステージ)をリニアXモータの可動子に接続するためのリジッドな接続機構が採用されている。このため、上記特許文献2に記載の装置にあっては、基材ホルダの入れ替えの際に、機械的につかむという不確実性を伴う動作が含まれ、その動作に時間が掛かるとともに、その動作を確実に行うためには、基材ホルダとリニアXモータの第2部分とを正確に位置合わせしなければならないという不都合があった。また、継手部材同士の結合の際の衝撃により基材ホルダ上の基材(ウエハ等)が位置ずれする可能性もあった。
【0009】
本発明は、かかる事情の下になされたもので、その第1の目的は、特に、2つのステージの交換(入れ替え)を高スループットで実現可能なステージ装置を提供することにある。
【0010】
本発明の第2の目的は、高いスループットで露光工程の処理を行うことが可能な露光装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、2次元面内の第1軸方向をガイド方向とし、前記第1軸に前記2次元面内で直交する第2軸方向に関して並列に配置され、かつ相互に独立して前記第2軸方向に移動する第1、第2の移動ガイド(72X,74X)と;前記第1、第2の移動ガイドに沿って前記第1軸方向にそれぞれ移動する第1、第2のスライダ(73X,75X)と;前記第1、第2のスライダそれぞれの相互に対向する側の面にそれぞれの一端が固定され前記第2軸方向を長手方向とする片持ち支持状態の第1、第2の搬送ガイド(671,672)と;前記第1、第2の搬送ガイドに相対移動可能に個別に支持され、前記第1、第2の搬送ガイドの両者に対して前記第2軸方向に相対移動可能で、前記支持が解除された状態では、前記第2軸方向の相対移動により、前記第1、第2の搬送ガイドからの離脱が可能な2つのステージ(WST1,WST2)と;前記各ステージが前記第1、第2の搬送ガイドのいずれかに相対移動可能に支持された状態で、当該搬送ガイドに対して前記各ステージを少なくとも前記第2軸方向に駆動する駆動系と;を備えるステージ装置である。
【0012】
これによれば、第2軸方向に関して並列に配置され、かつ相互に独立して第2軸方向に移動する第1、第2の移動ガイドに沿って、第1、第2のスライダが、第1軸方向にそれぞれ移動する。すなわち、第1、第2のスライダは、第1軸及び第2軸を含む2次元面内で移動する。また、第1、第2のスライダそれぞれの相互に対向する側の面には、第2軸方向を長手方向とする片持ち支持状態の第1、第2の搬送ガイドそれぞれの一端が固定され、さらに、これらの第1、第2の搬送ガイドに対して2つのステージが相対移動可能に個別に支持されている。従って、2つのステージは、第1、第2の搬送ガイドに対して個別に支持された状態では、それらの搬送ガイドが設けられた第1、第2のスライダとともに2次元面内で移動可能である。
【0013】
また、各ステージは、第1、第2の搬送ガイドの両者に対して第2軸方向に相対移動可能で、第1、第2の搬送ガイドのいずれかに相対移動可能に支持された状態では、駆動系により、その搬送ガイドに対して少なくとも第2軸方向に駆動可能となっている。また、各ステージは、前記支持が解除された状態では、その第2軸方向の相対移動により、第1、第2の搬送ガイドからの離脱が可能となっている。
【0014】
従って、例えば次のようなシーケンスにより、ステージの交換が可能となる。すなわち、第1の搬送ガイドに一方のステージが支持され、第2の搬送ガイドに他方のステージが支持されているとき、第1の搬送ガイドによる一方のステージの支持状態が解除され、第1のスライダが第2の移動ガイドから離れるように第2軸方向に移動する。これにより、一方のステージが第1のスライダに片持ち支持された第1の搬送ガイドに対して第2軸方向に相対移動し、第1の搬送ガイドから離脱される。その離脱後に、第1のスライダが第1軸方向に移動し、該第1のスライダに一端が片持ち支持された第1の搬送ガイドが、他方のステージを支持する第2の搬送ガイドにほぼ対向する位置まで移動する。そして、第1の搬送ガイドと第2の搬送ガイドとが最接近し、これら第1の搬送ガイドと第2の搬送ガイドとがほぼ一直線上に並んだ状態で、駆動系により他方のステージが第2、第1の搬送ガイドに対して第2軸方向に駆動されることにより、他方のステージが、第2の搬送ガイドから第1の搬送ガイドに移動する(受け渡される)。
【0015】
次いで、第2のスライダが第1軸方向に移動し、該第2のスライダに一端が片持ち支持された第2の搬送ガイドが、一方のステージに対向する位置まで移動する。そして、第1のスライダがその一方のステージに接近する方向(第2軸方向)に移動することにより、その一方のステージが第2の搬送ガイドによって支持される。
【0016】
このようにして、第1の搬送ガイドに一方のステージが支持され、第2の搬送ガイドに他方のステージが支持された状態から、第2の搬送ガイドに一方のステージが支持され、第1の搬送ガイドに他方のステージが支持された状態へ移行する。すなわち、このようにしてステージの交換を行うことができる。この場合、例えば上述の他方のステージの第2の搬送ガイドから第1の搬送ガイドへの受け渡しは、機械的につかむという不確実性を伴う動作を伴うことなく、駆動系によって高スループットでかつ非接触で行われるので、ステージの交換を高スループットで実現できる。また、ステージの交換のためのロボットアーム等の搬送機構を設ける必要も無いので、その分、ステージ装置の小型化を図ることも可能となる。
【0017】
この場合において、請求項2に記載のステージ装置の如く、前記駆動系は、前記第1、第2の搬送ガイドを構成する2つの固定子ユニットと、前記各ステージにそれぞれ設けられ、前記各固定子ユニットとの間の個別の電磁相互作用により対応するステージに対する駆動力を発生する2つの可動子ユニットとを含む構成とすることができる。この場合、2つの固定子ユニットそれぞれが第1、第2の搬送ガイドであっても良いし、あるいは、固定子ユニットとガイドとを含んで第1、第2の搬送ガイドとすることとしても良い。
【0018】
この場合において、請求項3に記載のステージ装置の如く、前記駆動系は、前記各ステージを、前記第2軸方向に駆動するとともに、前記2次元平面内の3自由度方向に微小駆動することとすることができる。
【0019】
この場合において、請求項4に記載のステージ装置の如く、前記駆動系は、前記各ステージを、前記2次元平面に直交する第3軸方向に関しても微小駆動することとすることができる。
【0020】
この場合において、請求項5に記載のステージ装置の如く、前記駆動系は、前記各ステージを、6自由度方向に関して微小駆動することとすることができる。
【0021】
上記請求項4及び5に記載の各ステージ装置において、請求項6に記載のステージ装置の如く、前記2つのステージを移動可能に支持するステージベース(SB)を更に備え、前記各ステージは、前記駆動系が発生する前記第3軸方向の駆動力により前記ステージベース上方で非接触支持され、該駆動力の停止により前記ステージベース上に載置される構成とすることができる。
【0022】
上記請求項1〜6に記載の各ステージ装置において、請求項7に記載のステージ装置の如く、前記第1、第2の搬送ガイドと前記各ステージとの位置関係を検出する検出装置(SS)を更に備えることとすることができる。
【0023】
請求項8に記載の発明は、2次元平面の直交2軸方向に独立して移動可能な第1、第2の移動体と;前記2次元面内で移動可能な2つのステージ(WST1,WST2)と;前記各ステージを、前記第1、第2の移動体に対して非接触で支持し、前記各移動体に対して少なくとも前記2次元面内の直交2軸方向に関して微小駆動するとともに、前記第1、第2の移動体が近接した状態で、前記各ステージを前記一方の移動体から前記他方の移動体に移動させる駆動機構と;を備えるステージ装置である。
【0024】
これによれば、駆動機構により、2次元面内で移動可能な2つのステージが、第1、第2の移動体に対して非接触で支持され、各移動体に対して少なくとも2次元面内の直交2軸方向に関して微小駆動される。また、駆動機構により、第1、第2の移動体が近接した状態で、各ステージが一方の移動体から他方の移動体に移動される。
【0025】
この場合、第1、第2の移動体のそれぞれに非接触で支持された2つのステージを、その支持状態で、2次元面内の直交2軸方向に関して微小駆動する駆動機構が、第1、第2の移動体が近接した状態で、各ステージを一方の移動体から他方の移動体に移動する際にも用いられるので、ステージが、高スループットで、第1、第2の移動体間を非接触で移動する(すなわち、第1、第2の移動体間でステージを非接触かつ高スループットで交換する)ことが可能となる。また、ステージの交換のためのロボットアーム等の搬送機構を設ける必要も無いので、その分、ステージ装置の小型化を図ることも可能となる。
【0026】
この場合において、請求項9に記載のステージ装置の如く、前記駆動機構は、前記各ステージを前記第1、第2の移動体に対して非接触で支持し、6自由度方向に微小駆動する構成とすることができる。
【0027】
上記請求項8及び9に記載の各ステージ装置において、請求項10に記載のステージ装置の如く、前記各移動体と前記各ステージとの位置関係を検出する検出装置(SS)を、更に備える構成とすることができる。
【0028】
上記請求項1〜10に記載の各ステージ装置において、請求項11に記載のステージ装置の如く、前記各ステージのステージ座標系上での位置情報を検出する位置検出装置(116,118,146,148)を更に備える構成とすることができる。
【0029】
請求項12に記載の発明は、エネルギビーム(IL)により感光物体(W)を露光して所定のパターンを前記感光物体上に形成する露光装置であって、前記各ステージに前記感光物体がそれぞれ載置される請求項1〜11のいずれか一項に記載のステージ装置と;いずれかの前記ステージが第1位置の近傍にあるときに、そのステージに載置された前記感光物体を前記エネルギビームで露光する露光部(12、PL)と;いずれかの前記ステージが前記第1位置から離れた第2位置の近傍にあるときに、そのステージに載置された前記感光物体に形成された位置検出用マークを検出するマーク検出系(ALG)と;を備える露光装置である。
【0030】
これによれば、露光部では、いずれかのステージが第1位置の近傍にあるときに、露光部によりそのステージに載置された感光物体をエネルギビームで露光する。また、マーク検出系では、いずれかのステージが第1位置から離れた第2位置の近傍にあるときに、そのステージに載置された感光物体に形成された位置検出用マークを検出する。ここで、請求項1〜11に記載の各ステージ装置は、ステージを2つ備えており、各ステージに感光物体がそれぞれ載置される。
【0031】
従って、一方のステージ上に載置された感光物体に対する露光部による露光と、他方のステージ上に載置された感光物体に形成された位置検出用マークのマーク検出系による検出とを、並行して行うことができる。また、請求項1〜11に記載の各ステージ装置は、前述の如く、高スループットのステージ交換が可能なので、2つのステージを用いて露光、マーク検出及び感光物体の交換の同時並行処理を、ステージを交換しながら、高いスループットで実現できる。また、マーク検出系を2つ用意する必要がないので、フットプリントが増大するのも防止することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を図1〜図10(B)に基づいて説明する。図1には、一実施形態の露光装置10が概略的に示されている。
【0033】
この露光装置10は、マスクとしてのレチクルRと物体(及び感光物体)としてのウエハW1(又はW2)とを一次元方向(ここでは、図1における紙面左右方向であるY軸方向とする)に同期移動しつつ、レチクルRに形成された回路パターンを投影光学系PLを介してウエハW1(又はW2)上の複数のショット領域にそれぞれ転写する、ステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置、すなわちいわゆるスキャニング・ステッパ(スキャナとも呼ばれる)である。
【0034】
露光装置10は、エネルギビームとしての照明光ILによりレチクルRを照明する照明系12、レチクルRが載置されるマスクステージとしてのレチクルステージRST、レチクルRから射出される照明光ILをウエハW1(又はW2)上に投射する投影光学系PL、ウエハW1,W2がそれぞれ載置される2つのステージ、すなわちウエハステージWST1、WST2を含むステージ装置20、マーク検出系としてのアライメント系ALG、及び装置全体を統括制御する主制御装置50等を備えている。
【0035】
前記照明系12は、光源、及び照明光学系を含み、その内部に配置された視野絞り(マスキングブレード又はレチクルブラインドとも呼ばれる)で規定される矩形又は円弧状の照明領域IARにエネルギビームとしての照明光ILを照射し、回路パターンが形成されたレチクルRを均一な照度で照明する。照明系12と同様の照明系は、例えば特開平6−349701号公報などに開示されている。ここで、照明光ILとしては、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)などの遠紫外光、あるいはF2レーザ光(波長157nm)などの真空紫外光などが用いられる。照明光ILとして、超高圧水銀ランプからの紫外域の輝線(g線、i線等)を用いることも可能である。
【0036】
前記レチクルステージRST上には、レチクルRが、例えば真空吸着により固定されている。レチクルステージRSTは、レチクルステージ駆動部22によって、照明系12の光軸(投影光学系PLの光軸AXに一致)に垂直なXY平面内でX軸方向、Y軸方向及びθz方向(Z軸回りの回転方向)に微少駆動可能であるとともに、不図示のレチクルステージベースの上面に沿って所定の走査方向(Y軸方向)に指定された走査速度で駆動可能となっている。なお、レチクルステージ駆動部22は、リニアモータ、ボイスコイルモータ等を駆動源とする機構であるが、図1では図示の便宜上から単なるブロックとして示されている。なお、レチクルステージRSTとしては、Y軸方向に一次元駆動する粗動ステージと、該粗動ステージに対してレチクルRを少なくとも3自由度方向(X軸方向、Y軸方向、及びθz方向)に微小駆動可能な微動ステージとを有する粗微動構造のステージを採用しても勿論良い。
【0037】
レチクルステージRSTのXY面内の位置(θz回転を含む)は、レチクルレーザ干渉計(以下、「レチクル干渉計」という)16によって、レチクルステージRST端部に形成された(又は設けられた)反射面を介して、例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時検出される。レチクル干渉計16からのレチクルステージRSTの位置情報(θz回転量(ヨーイング量)などの回転情報を含む)は主制御装置50に供給される。主制御装置50では、レチクルステージRSTの位置情報に基づいてレチクルステージ駆動部22を介してレチクルステージRSTを駆動制御する。
【0038】
前記投影光学系PLとしては、物体面側(レチクル側)と像面側(ウエハ側)の両方がテレセントリックでその投影倍率が1/4(又は1/5)の縮小系が用いられている。このため、レチクルRに照明系12から照明光(紫外パルス光)ILが照射されると、レチクルR上に形成された回路パターン領域のうちの紫外パルス光によって照明された部分からの結像光束が投影光学系PLに入射し、その照明光ILの照射領域(前述の照明領域IAR)内の回路パターンの像(部分倒立像)が紫外パルス光の各パルス照射の度に投影光学系PLの像面側の視野の中央にX軸方向に細長いスリット状(又は矩形状(多角形))に制限されて結像される。これにより、投影された回路パターンの部分倒立像は、投影光学系PLの結像面に配置されたウエハW1又はW2上の複数のショット領域のうちの1つのショット領域表面のレジスト層に縮小転写される。
【0039】
投影光学系PLとしては、照明光ILとしてKrFエキシマレーザ光又はArFエキシマレーザ光などを用いる場合には、屈折光学素子(レンズ素子)のみから成る屈折系が主として用いられるが、照明光ILとしてF2レーザ光を用いる場合には、例えば特開平3−282527号公報に開示されるような、屈折光学素子と反射光学素子(凹面鏡やビームスプリッタ等)とを組み合わせたいわゆるカタディオプトリック系(反射屈折系)、あるいは反射光学素子のみから成る反射系が主として用いられる。但し、F2レーザ光を用いる場合に、屈折系を用いることは可能である。
【0040】
前記ステージ装置20は、投影光学系PLの図1における下方に配置されたステージベースSB、該ステージベースSBの上方で独立してXY2次元面内で移動するウエハステージWST1、WST2、及び該ウエハステージWST1,WST2を駆動する駆動系等を備えている。
【0041】
前記ステージベースSBは、長方形板状の定盤から成り(図2参照)、クリーンルームの床面F上で複数(例えば3つ)の防振ユニット91(但し、図1における紙面奥側の防振ユニットは不図示)を介して略水平(XY面に平行)に支持されている。この場合、複数の防振ユニット91によって、床面FからステージベースSBに伝達される微振動(暗振動)が、マイクロGレベルで絶縁されている。なお、各防振ユニット91として、ステージベースSBの所定個所にそれぞれ固定された半導体加速度計等の振動センサの出力に基づいてステージベースSBをそれぞれ積極的に制振する、いわゆるアクティブ防振装置を用いることは勿論可能である。
【0042】
図2には、ステージ装置20が、投影光学系PL、アライメント系ALG等とともに、斜視図にて概略的に示されている。また、図3には、図2の状態から、干渉計システム(116,118,146,148)及びウエハステージWST1、WST2が取り除かれた状態の、ステージ装置20の残部が斜視図にて示されている。以下、これら図2、図3を中心として、適宜他の図面を参照しつつ、ステージ装置20の構成各部について説明する。
【0043】
前記ステージ定盤SB上面のX軸方向一側(−X側)と他側(+X側)の端部には、一対のY軸リニアガイド83Y1,83Y2が、Y軸方向にそれぞれ延設されている。これらのY軸リニアガイド83Y1,83Y2は、Y軸方向を長手方向とする四角柱状の筐体と、該筐体内にY軸方向に沿って所定間隔で配置された複数の電機子コイルとを有する電機子ユニットによって構成されている。
【0044】
前記一方のY軸リニアガイド83Y1には、断面逆U字状の2つのY軸スライダ84Y1、85Y1が、非接触で係合されている。この場合、Y軸スライダ84Y1、85Y1のそれぞれは、その内面がY軸リニアガイド83Y1の上面及び両側面に対して非接触で対向する状態で、不図示の気体静圧軸受などを介して支持されている。Y軸スライダ84Y1、85Y1の対向する一対の内面には、複数の永久磁石がY軸方向に所定間隔で配置され、相互に隣接する永久磁石同士、相互に対向する永久磁石同士は、ともに逆極性とされている。このため、Y軸スライダ84Y1、85Y1の内部空間には、Y軸方向に沿って交番磁界(+X方向及び−X方向を磁界の向きとする)が形成されている。従って、Y軸スライダ84Y1、85Y1それぞれの内部の交番磁界とY軸リニアガイド83Y1を構成する電機子コイルを流れる電流との間の電磁相互作用により、Y軸スライダ84Y1、85Y1を、Y軸リニアガイド83Y1に沿って、個別に駆動するY軸方向の駆動力が発生するようになっている。すなわち、Y軸スライダ84Y1とY軸リニアガイド83Y1とによってムービングマグネット型のY軸リニアモータが構成され、Y軸スライダ85Y1とY軸リニアガイド83Y1とによってムービングマグネット型のY軸リニアモータが構成されている。以下では、これらのY軸リニアモータのそれぞれを、それぞれの可動子を構成するスライダ84Y1,85Y1と同一の符号を用いて、適宜、Y軸リニアモータ84Y1、Y軸リニアモータ85Y1と呼ぶものとする。
【0045】
前記他方のY軸リニアガイド83Y2には、Y軸スライダ84Y1、85Y1と同様に構成された逆U字状の2つのY軸スライダ84Y2、85Y2が、Y軸スライダ84Y1、85Y1と同様にして非接触で係合している。この場合、Y軸スライダ84Y2とY軸リニアガイド83Y2とによってムービングマグネット型のY軸リニアモータが構成され、Y軸スライダ85Y2とY軸リニアガイド83Y2とによってムービングマグネット型のY軸リニアモータが構成されている。以下では、これらのY軸リニアモータのそれぞれを、それぞれの可動子を構成するスライダ84Y2,85Y2と同一の符号を用いて、適宜、Y軸リニアモータ84Y2、Y軸リニアモータ85Y2と呼ぶものとする。
【0046】
前記Y軸スライダ84Y1、84Y2は、X軸方向に延びる第1の移動ガイドとしてのX軸リニアガイド72Xの長手方向の一端部と他端部とにそれぞれ固定されている。同様に、前記Y軸スライダ85Y1、85Y2は、X軸方向に延びる第2の移動ガイドとしてのX軸リニアガイド74Xの長手方向の一端部と他端部とにそれぞれ固定されている。これらX軸リニアガイド72X,74Xは、X軸方向を長手方向とする四角柱状の筐体と、該筐体の内部にX軸方向に沿って所定間隔で配置された複数の電機子コイルとを有する電機子ユニットである。
【0047】
前記一方のX軸リニアガイド72Xには、断面矩形枠状の形状を有する第1のスライダとしてのX軸スライダ73Xが、その4面(上下面及び両側面)を取り囲む状態で、かつ不図示の気体静圧軸受を介して非接触で設けられている。このX軸スライダ73Xの内側の上下対向面には、X軸方向に沿って所定間隔で複数の永久磁石がそれぞれ配置され、相互に隣接する永久磁石同士、相互に対向する永久磁石同士は、ともに逆極性とされている。このため、X軸スライダ73Xの内部空間には、X軸方向に沿って交番磁界(+Z方向及び−Z方向を磁界の向きとする)が形成されている。このため、X軸スライダ73X内部の交番磁界とX軸リニアガイド72Xを構成する複数の電機子コイルを流れる電流との間の電磁相互作用により、X軸スライダ73XをX軸リニアガイド72Xに沿って駆動するX軸方向の駆動力が発生するようになっている。すなわち、X軸スライダ(磁極ユニット)72XとX軸リニアガイド73Xとによって、ムービングマグネット型のX軸リニアモータが構成されている。以下では、このX軸リニアモータをその可動子であるX軸スライダと同一の符号を用いてX軸リニアモータ73Xとも呼ぶものとする。
【0048】
前記他方のX軸リニアガイド74Xには、X軸スライダ73Xと同様に構成された断面矩形枠状の形状を有する第2のスライダとしてのX軸スライダ75Xが、その4面(上下面及び両側面)を取り囲む状態で、前述と同様にして非接触で設けられている。この場合、X軸スライダ(磁極ユニット)75XとX軸リニアガイド74Xとによって、ムービングマグネット型のX軸リニアモータが構成されている。以下では、このX軸リニアモータをその可動子であるX軸スライダと同一の符号を用いてX軸リニアモータ75Xとも呼ぶものとする。
【0049】
前記X軸スライダ73Xの+Y側の側面には、図3に示されるように、取り付け板691を介してY軸方向に延びる固定子群を含む第1の搬送ガイドとしてのフォーク部671が片持ち支持状態で固定されている。これと同様に、前記X軸スライダ75Xの−Y側の側面には、図3に示されるように、取り付け板692を介してY軸方向に延びる固定子群を含む第2の搬送ガイドとしてのフォーク部672が片持ち支持状態で固定されている。
【0050】
これをさらに詳述すると、前記一方のフォーク部671は、図4(A)に拡大して示されるように、6つの固定子SX、SY1、SY2、SY3、SZ1、SZ2と、ガイド棒GB1とを備えている。
【0051】
前記固定子SXは、Y軸方向を長手方向とし、ほぼXY平面に平行になるようにその長手方向一端が前記取り付け板691に固定された筐体と、該筐体の内部に配置された1又は複数の電機子コイル、例えばX軸方向に所定間隔で配置されたY軸方向に細長く延びる長方形状の一対の電機子コイルとを有する。
【0052】
前記固定子SY1、SY2は、前記固定子SXの上下にそれぞれ所定間隔をあけてほぼ平行になるように配置され、それぞれの長手方向一端が前記取り付け板691に固定されている。これらの固定子SY1、SY2は、Y軸方向を長手方向とする筐体と、該筐体内にY軸方向に沿って所定間隔で配設された不図示の複数の電機子コイルとを有する。
【0053】
前記固定子SY3は、前記固定子SX、SY1,SY2から−X側に所定間隔隔てた位置に配置され、Y軸方向を長手方向とし、その長手方向一端が前記取り付け板691に固定された筐体と、該筐体内にY軸方向に所定間隔で配設された不図示の複数の電機子コイルとを有する。
【0054】
前記固定子SZ1、SZ2は、固定子SX、SY1,SY2の+X側及び固定子SY3の−X側にそれぞれ配置され、Y軸方向を長手方向とし、その長手方向一端が前記取り付け板691に固定された筐体と、該筐体内部に配置された1つ又は複数の電機子コイル、例えばZ軸方向に所定間隔で配置されたY軸方向に細長く延びる長方形状の一対の電機子コイルとを有する。
【0055】
前記ガイド棒GB1は、前記取り付け板691にその長手方向一端が接続された角柱状部材から成り、その長手方向他端部(先端部)近傍には、複数の静電容量センサから成る検出装置としてのセンサ群SSが埋め込まれている。このセンサ群SSにより、ウエハステージWST1とフォーク部671とのX、Z軸方向及びθx,θy,θz方向の相対位置を計測することが可能となっている(これについては後述する)。
【0056】
図3に戻り、前記他方のフォーク部672も、上述したフォーク部671と同様に、X軸スライダ75Xの−Y側面に取り付け板692を介して設けられている。このフォーク部672は、図6(A)に示されるように、6つの固定子TX,TY1,TY2,TY3、TZ1,TZ2と、ガイド棒GB2とを備えている。上記6つの固定子TX,TY1,TY2,TY3、TZ1,TZ2及びガイド棒GB2は、前述したフォーク部671を構成する6つの固定子SX,SY1,SY2,SY3、SZ1,SZ2及びガイド棒GB1と対称の配置で取り付け板692に、それぞれの長手方向の一端が固定されている。この場合、対応する固定子同士(具体的には、固定子TXと固定子SX、固定子TY1と固定子SY1、固定子TY2と固定子SY2、固定子TY3と固定子SY3、固定子TZ1と固定子SZ1、固定子TZ2と固定子SZ2)、ガイド棒GB1,GB2同士が、相互に対向することができ、かつ最接近した状態では、見かけ上1本の固定子などを構成し得る配置となっている。また、上記の対応する固定子同士、ガイド棒同士の構成は、全く同様になっている。従って、フォーク部672の詳細構成については、説明を省略する。
【0057】
前記一方のウエハステージWST1は、図2に示されるように、XZ断面略T字状のウエハステージ本体63と、該ウエハステージ本体63に所定の位置関係でかつ一体的に固定された可動子群とを備え、全体として概略直方体状の形状を有している。このうち、ウエハステージ本体63は、軽量且つ高剛性の素材、例えば金属基複合材(金属とセラミックスの複合体(アルミ合金又は金属シリコンをマトリックス材として、その中に各種セラミックス強化材を複合化させた素材))により構成されている。
【0058】
ウエハステージWST1を構成する前記可動子群は、図4(B)に示されるように、6つの可動子DX、DY1、DY2、DY3、DZ1、DZ2を含む。
【0059】
前記可動子DX、DY1、DY2は、それぞれ前述の固定子SX、SY1、SY2に対応するもので、これらの固定子の配置に対応して可動子DY1、DX、DY2の順で上下に積層された状態で、XZ断面略T字状のウエハステージ本体63の+X側かつ−Z側の空間に固定されている。また、前記可動子DY3、DZ2は、それぞれ前述の固定子SY3、SZ2に対応するもので、これらの固定子の配置に対応して可動子DY3、DZ2の順で、XZ断面略T字状のウエハステージ本体63の−X側かつ−Z側の空間に固定されている。この場合、ウエハステージ本体63と、DX、DY1、DY2、DY3、DZ2によって、図4(B)に示されるように、全体として1つの直方体が構成されている。
【0060】
前記可動子DZ1は、前述の固定子SZ1に対応するもので、上下に積層された状態の固定子SX、SY1、SY2の+X側の端面に固定されている。
【0061】
これをさらに詳述すると、前記可動子DXは、図4(B)に示されるように、XZ断面が矩形枠状の磁性体から成る枠状部材56と、該枠状部材56の内側の上下の対向面(上面及び下面)にそれぞれ固定されたY軸方向に細長く延びる一対の永久磁石58A、58Bとを備えている。永久磁石58Aと永久磁石58Bとは、互いに逆極性とされている。従って、永久磁石58Aと永久磁石58Bとの間には、磁束の向きが+Z方向(又は−Z方向)の磁界が生じている。そして、図5に示される、ウエハステージWST1と一方のフォーク部671との係合状態では、固定子SXが永久磁石58A,58Bの間に挿入されるようになっており、固定子SXを構成する一対の電機子コイルそれぞれのほぼ内側の半分の部分が、上記の永久磁石58Aと永久磁石58Bとの間の磁界中に含まれるようになっている。従って、その一対の電機子コイルそれぞれに相互に逆向きの電流を流すことにより、上記磁界中では、それぞれの電機子コイルに流れる電流の向きがいずれも+Y向き(又は−Y向き)になるようになっており、各電機子コイルを流れる電流と、永久磁石58Aと永久磁石58Bとの間の磁界との間の電磁相互作用により発生するローレンツ力により、可動子DX(及びウエハステージWST1)が固定子SXに対してX軸方向に微小駆動されるようになっている。すなわち、固定子SXと可動子DXとによって、ウエハステージWST1を、X軸方向に微小駆動するX軸微動モータVXが構成されている(図5参照)。
【0062】
前記可動子DY1は、図4(B)に示されるように、前記可動子DXの上側に配置されており、XZ断面が矩形で全体として筒状のヨーク52と、該ヨーク52内部の上下対向面にY軸方向に沿って所定間隔でそれぞれ配設された複数の界磁石54とを有している。この場合、Y軸方向に隣り合う界磁石54同士、Z軸方向で向かい合う界磁石54同士が相互に逆極性とされている。このため、ヨーク52の内部空間には、Y軸方向に関して交番磁界(+Z方向及び−Z方向を磁界の向きとする)が形成されている。
【0063】
そして、図5に示される、ウエハステージWST1と一方のフォーク部671との係合状態では、前述した固定子SY1がヨーク52の内部空間に挿入されるようになっており、固定子SY1を構成する複数の電機子コイルを流れる電流と、可動子DY1のヨーク52の内部空間の交番磁界との間の電磁相互作用により発生するローレンツ力によって、可動子DY1にはY軸方向の駆動力が作用し、可動子DY1が固定子SY1に沿ってY軸方向に駆動されるようになっている。すなわち、本実施形態では、固定子SY1と可動子DY1とによって、ムービングマグネット型のリニアモータから成る、第1のY軸リニアモータLY1が構成されている(図5参照)。
【0064】
前記可動子DY2は、図4(B)に示されるように、前記可動子DXの下側に配置されており、その構成等は、上記可動子DY1と同様とされている。従って、図5に示される、ウエハステージWST1と一方のフォーク部671との係合状態では、可動子DY2にはY軸方向の駆動力が作用し、可動子DY2が固定子SY2に沿って、Y軸方向に駆動される。すなわち、本実施形態では、固定子SY2と可動子DY2とによって、ムービングマグネット型のリニアモータから成る、第2のY軸リニアモータLY2が構成されている(図5参照)。
【0065】
前記可動子DY3は、図4(B)に示されるように、前記可動子DY1,DY2と設置方向及び大きさは異なるが同様に構成されている。従って、図5に示される、ウエハステージWST1と一方のフォーク部671との係合状態では、可動子DY3にはY軸方向の駆動力が作用し、可動子DY3が固定子SY3に沿って、Y軸方向に駆動される。すなわち、本実施形態では、固定子SY3と可動子DY3とによって、ムービングマグネット型のリニアモータから成る、第3のY軸リニアモータLY3が構成されている(図5参照)。
【0066】
本実施形態では、第1,第2のY軸リニアモータLY1、LY2それぞれの駆動力をf、第3のY軸リニアモータLY3の駆動力を2×fとすることで、ウエハステージWST1をフォーク部671に対してY軸方向に駆動(ほぼ重心駆動)することができる。また、第1、第2のY軸リニアモータLY1,LY2の発生する駆動力を異ならせることで、ウエハステージWST1をX軸回りの回転方向(ピッチング方向)に微小駆動することが可能であるとともに、第1、第2のY軸リニアモータLY1,LY2の発生する駆動力の合力と第3のY軸リニアモータLY3の発生する駆動力とを異ならせることで、ウエハステージWST1をZ軸回りの回転方向(ヨーイング方向)に微小駆動することが可能である。
【0067】
なお、上述の如く、本実施形態では、上記3つのY軸リニアモータLY1、LY2、LY3の発生する駆動力により、ウエハステージWST1をフォーク部671に対してY軸方向に駆動することができるが、通常の露光時には、これらのY軸リニアモータLY1、LY2、LY3は、ウエハステージWST1のY軸方向の微小駆動用に用いられ、ウエハステージWST1のY軸方向に関する粗動には、前述のY軸リニアモータ84Y1、84Y2が用いられる。
【0068】
前記可動子DZ1は、図4(B)に示されるように、可動子DX,DY1,DY2の+X側に設けられており、XZ断面矩形枠状の磁性体から成る枠状部材60と、該枠状部材60の内側の一対の対向面(±X側の面)にそれぞれ設けられたX軸方向に細長く延びる一対の永久磁石62A、62Bとを備えている。永久磁石62Aと永久磁石62Bとは、互いに逆極性とされている。従って、永久磁石62Aと永久磁石62Bとの間には、磁束の向きが+X方向(又は−X方向)の磁界が生じている。そして、図5に示される、ウエハステージWST1と一方のフォーク部671との係合状態では、固定子SZ1が永久磁石62A,62Bの間に挿入されるようになっており、固定子SZ1を構成する一対の電機子コイルそれぞれのほぼ内側の半分の部分が、上記の永久磁石62Aと永久磁石62Bとの間の磁界中に含まれるようになっている。その一対の電機子コイルそれぞれに相互に逆向きの電流を流すことにより、上記磁界中では、それぞれの電機子コイルに流れる電流の向きがいずれも+Y向き(又は−Y向き)になるようになっている。従って、各電機子コイルを流れる電流と、永久磁石62Aと永久磁石62Bとの間の磁界との間の電磁相互作用により発生するローレンツ力により、可動子DZ1(及びウエハステージWST1)が固定子SZ1に対してZ軸方向に微小駆動されるようになっている。
【0069】
すなわち、本実施形態では、可動子DZ1と、固定子SZ1とによって、ウエハステージWST1をZ軸方向に微小駆動する第1のZ軸微動モータVZ1が構成されている(図5参照)。
【0070】
前記可動子DZ2は、前記可動子DY3の−X側に配置され、その構成は、前記可動子DZ1と同様とされている。そして、図5に示される、ウエハステージWST1と一方のフォーク部671との係合状態では、可動子DZ2と、固定子SZ2とによって、ウエハステージWST1(及び可動子DZ2)を固定子SZ2に対してZ軸方向に微小駆動する第2のZ軸微動モータVZ2が構成される(図5参照)。
【0071】
本実施形態の場合、上記第1、第2のZ軸微動モータVZ1,VZ2の発生する駆動力を同一とすることで、ウエハステージWST1をZ軸方向に微小駆動することができるとともに、各Z軸微動モータの駆動力を異ならせることにより、ウエハステージWST1をY軸回りの回転方向(ローリング方向)に微小駆動することが可能である。
【0072】
以上のように、本実施形態では、X軸微動モータVX、第1〜第3のY軸リニアモータLY1〜LY3、及び第1、第2のZ軸微動モータVZ1、VZ2により、ウエハステージWST1を、フォーク部671に対して6自由度方向に微小駆動する6自由度駆動機構が構成されている。
【0073】
本実施形態では、6自由度駆動機構を構成する各モータの固定子を構成する各電機子コイルに供給される電流の大きさ及び方向が、主制御装置50によって制御されるようになっており、これによって、それぞれのモータの発生する駆動力の大きさ及び方向が任意に制御されるようになっている。また、主制御装置50は、必要に応じて、ウエハステージWST1の自重につりあうZ軸方向の力を、第1、第2のZ軸微動モータVZ1,VZ2に発生させることで、ウエハステージWST1をステージベースSB上方で非接触にて支持することとしている。
【0074】
なお、説明が前後したが、ウエハステージ本体63には、図4(B)に示されるように、Y軸方向に沿って貫通孔65が形成されており、ウエハステージWST1がフォーク部671と係合した図5の状態では、ガイド棒GB1が貫通孔65に挿入された状態となる。従って、この図5の状態では、前記センサ群SSにより、ガイド棒GB1とウエハステージ本体63とのY軸方向を除く5自由度方向の位置関係を検出することが可能である。主制御装置50は、センサ群SSの検出結果に基づいて、必要に応じて前述の6自由度駆動機構を構成する各モータを制御してガイド棒GB1とウエハステージ本体63との位置関係を調整するようになっている。
【0075】
ところで、本実施形態においては、前述のようにフォーク部672を構成する6つの固定子TX,TY1,TY2,TY3、TZ1,TZ2及びガイド棒GB2は、フォーク部671を構成する6つの固定子SX,SY1,SY2,SY3、SZ1,SZ2及びガイド棒GB1とそれぞれ同様に構成され、かつ対称の配置となっていることから、ウエハステージWST1は、一方のフォーク部671のみならず、他方のフォーク部672に対しても、反対方向から上記と同様に係合可能である。
【0076】
この場合、ウエハステージWST1の可動子DXと固定子TX(図6(A)参照)、可動子DY1と固定子TY1(図6(A)参照)、可動子DY2と固定子TY2(図6(A)参照)、可動子DY2と固定子TY2(図6(A)参照)、可動子DZ1と固定子TZ1(図6(A)参照)、可動子DZ2と固定子TZ2(図6(A)参照)が、それぞれ係合する。
【0077】
従って、ウエハステージWST1と他方のフォーク部672が係合した状態では、固定子TXを構成する電機子コイルを流れるY軸方向の電流と、可動子DX内部空間の磁束の向きが+Z方向(又は−Z方向)の磁界との間の電磁相互作用により生じるローレンツ力により可動子DX(及びウエハステージWST1)が固定子TXに対してX軸方向に微小駆動される。この場合、可動子DXと、固定子TXとによって、ウエハステージWST1をX軸方向に微小駆動するX軸微動モータが構成されることとなる。
【0078】
また、ウエハステージWST1と他方のフォーク部672が係合した状態では、固定子TY1を構成する電機子コイルを流れる電流と、可動子DY1内部のY軸方向に関する交番磁界との間の電磁相互作用により発生するローレンツ力によって、可動子DY1が固定子TY1に沿ってY軸方向に駆動される。すなわち、可動子DY1と固定子TY1とにより、Y軸リニアモータが構成される。同様に可動子DY2と固定子TY2、可動子DY3と固定子TY3によってY軸リニアモータがそれぞれ構成される。
【0079】
また、ウエハステージWST1と他方のフォーク部672が係合した状態では、固定子TZ1を構成する電機子コイルを流れるY軸方向の電流と、可動子DZ1内部の磁束の向きが+X方向(又は−X方向)の磁界との間の電磁相互作用により発生するローレンツ力により、可動子DZ1(及びウエハステージWST1)がZ軸方向に微小駆動される。すなわち、可動子DZ1と固定子TZ1とによりZ軸微動モータが構成される。同様に、可動子DZ2と固定子TZ2とによりZ軸微動モータが構成される。
【0080】
このように、ウエハステージWST1とフォーク部672とが係合した状態においても、上記のX軸微動モータ、3つのY軸リニアモータ、及び2つのZ軸微動モータによって、ウエハステージWST1を、フォーク部672に対して6自由度方向に微小駆動する6自由度駆動機構が構成される。そして、この6自由度駆動機構を構成する各モータの固定子を構成する各電機子コイルに供給される電流の大きさ及び方向が、主制御装置50によって制御されるようになっている。
【0081】
また、ウエハステージWST1とフォーク部672とが係合した状態では、ウエハステージ本体63に形成された貫通孔65内部に、ガイド棒GB2が挿入されるので、この状態では、ガイド棒GB2に設けられたセンサ群により、ガイド棒GB2とウエハステージ本体63との位置関係を前述と同様に検出することが可能となっている。
【0082】
前記他方のウエハステージWST2は、図6(B)に示されるように、上述したウエハステージWST1と同様、例えば、前記金属基複合材等の軽量且つ高剛性の部材で構成されたXZ断面略T字状のウエハステージ本体63’と、該ウエハステージ本体63’に一体的に固定された可動子群とを備えている。この場合、ウエハステージWST2のウエハステージ本体63’周辺には、図6(B)に示されるように、ウエハステージWST1側の可動子DXと同様の構成を有する可動子DX’と、ウエハステージWST1側の可動子DY1〜DY3と同様の構成を有する可動子DY1’〜DY3’と、ウエハステージWST1側の可動子DZ1,DZ2と同様の構成を有する可動子DZ1’,DZ2’とがウエハステージWST1側と同様の配置で設けられている。
【0083】
従って、図2に示されるように、ウエハステージWST2とフォーク部672とが係合した状態では、前述したウエハステージWST1の場合と同様に、ウエハステージWST2の可動子群とフォーク部672の固定子群とにより、ウエハステージWST2が6自由度方向に駆動可能とされている。
【0084】
また、ウエハステージWST2を構成するウエハステージ本体63’にも、図6(B)に示されるように、ウエハステージWST1側のウエハステージ本体63と同様に、ガイド棒GB2に対応して貫通孔65’が形成されており、ウエハステージWST2とフォーク部672とが係合した状態では、ガイド棒GB2が貫通孔65’に挿入され、ガイド棒GB2とウエハステージWST2との位置関係を検出することが可能となっている。
【0085】
さらに、ウエハステージWST2も、フォーク部672のみならず、フォーク部671にも係合可能とされており、その係合状態では、ウエハステージWST2を構成する可動子群とフォーク部671を構成する固定子群とにより、前述と同様に、ウエハステージWST2が6自由度方向に駆動可能とされている。このウエハステージWST2がフォーク部671と係合した状態においても、貫通孔65’に挿入されたガイド棒GB1とウエハステージWST2との相対位置関係を検出することが可能となっている。
【0086】
これまでの説明から明らかなように、本実施形態のステージ装置20では、図2に示されるように、一方のウエハステージWST1が一方のフォーク部671と係合している状態では、ウエハステージWST1は、X軸リニアモータ73XとY軸リニアモータ84Y1,84Y2とによりX軸スライダ73Xと一体でX軸方向及びY軸方向へ長ストローク駆動される。また、フォーク部671を構成する前述の固定子群とウエハステージWST1を構成する前述の可動子群とによって構成される6自由度駆動機構によりフォーク部671に対して6自由度方向に微小駆動されるようになっている。更にウエハステージWST1が他方のフォーク部672と係合している状態では、ウエハステージWST1は、X軸リニアモータ75XとY軸リニアモータ85Y1,85Y2とによりX軸スライダ75Xと一体でX軸方向及びY軸方向へ長ストローク駆動される。そして、フォーク部672を構成する前述の固定子群とウエハステージWST1を構成する前述の可動子群とによって構成される6自由度駆動機構によりフォーク部672に対して6自由度方向に微小駆動されるようになっている。
【0087】
また、図2に示されるように、他方のウエハステージWST2がフォーク部672と係合している状態では、ウエハステージWST2は、X軸リニアモータ75XとY軸リニアモータ85Y1,85Y2とによりX軸スライダ75Xと一体でX軸方向及びY軸方向へ長ストローク駆動される。そして、フォーク部672を構成する前述の固定子群と、ウエハステージWST2を構成する前述の可動子群とによって構成される6自由度駆動機構によりフォーク部672に対して6自由度方向に微小駆動されるようになっている。また、ウエハステージWST2がフォーク部671と係合している状態では、ウエハステージWST2は、X軸リニアモータ73XとY軸リニアモータ84Y1,84Y2とによりX軸スライダ73Xと一体でX軸方向及びY軸方向へ長ストローク駆動される。そして、フォーク部671を構成する前述の固定子群とウエハステージWST2を構成する前述の可動子群とによって構成される6自由度駆動機構によりフォーク部671に対して6自由度方向に微小駆動されるようになっている。
【0088】
前記一方のウエハステージWST1の上面(+Z側面)には、図2に示されるように、Y軸方向の一側(−Y側)及び他側(+Y側)の端部に、X軸方向に延びるY移動鏡MY1a,MY1bがそれぞれ固定され、X軸方向の一側(+X側)の端部に、Y軸方向に延びるX移動鏡MX1が固定されている。移動鏡MY1a,MX1の各反射面には、後述する干渉計システムを構成するY干渉計116、X干渉計146からの干渉計ビーム(測長ビーム)がそれぞれ投射される。そして、Y干渉計116、X干渉計146で各反射面からの反射光をそれぞれ受光することにより、各反射面の基準位置(一般には投影光学系側面や、アライメント系の側面に固定ミラーを配置し、そこを基準面とする)からの変位が計測され、これにより、ウエハステージWST1の2次元位置が計測されるようになっている。なお、移動鏡MY1bの反射面には、図2の状態では、いずれの干渉計ビームも照射されていないが、後述するように、ウエハステージWST1とウエハステージWST2との交換が行われ、ウエハステージWST1がフォーク部672に係合し非接触で支持された状態では、干渉計システムを構成するY干渉計118からの干渉計ビーム(測長ビーム)が照射される。
【0089】
また、ウエハステージWST1の上面には、不図示のウエハホルダを介してウエハW1が静電吸着又は真空吸着により固定されている。
【0090】
同様に、他方のウエハステージWST2の上面(+Z側面)には、図2に示されるように、Y軸方向の一側(−Y側)及び他側(+Y側)の端部に、X軸方向に延びるY移動鏡MY2a,MY2bがそれぞれ固定され、X軸方向の一側(+X側)の端部には、Y軸方向に延びるX移動鏡MX2が固定されている。移動鏡MY2b,MX2の各反射面には、後述する干渉計システムを構成するY干渉計118、X干渉計148からの干渉計ビーム(測長ビーム)がそれぞれ投射され、Y干渉計118及びX干渉計148により、前述と同様にして、ウエハステージWST2の2次元位置が計測されるようになっている。なお、移動鏡MY2aの反射面には、図2の状態では、いずれの干渉計ビームも照射されていないが、後述するように、ウエハステージWST1とウエハステージWST2との交換が行われ、ウエハステージWST2がフォーク部671に係合し非接触で支持された状態では、干渉計システムを構成するY干渉計116からの干渉計ビーム(測長ビーム)が照射される。
【0091】
また、ウエハステージWST2の上面には、不図示のウエハホルダを介してウエハW2が静電吸着又は真空吸着により固定されている。
【0092】
なお、干渉計システムを構成する各干渉計は、図1では、図示が省略されている。
【0093】
図1に戻り、前記投影光学系PLの+Y側には、オフアクシス(off−axis)方式のマーク検出系としてのアライメント系ALGが、投影光学系PLの光軸(レチクルパターン像の投影中心とほぼ一致)より所定距離だけ離れた位置に設置されている。
【0094】
前記アライメント系ALGとしては、本実施形態では、画像処理方式の結像式アライメントセンサの一種であるFIA(Field Image Alignment)系のアライメントセンサが用いられている。このアライメント系ALGは、光源(例えばハロゲンランプ)及び結像光学系、検出基準となる指標マークが形成された指標板、及び撮像素子(CCD)等を含んで構成されている。このアライメント系ALGでは、光源からのブロードバンド(広帯域)光により検出対象であるマークを照明し、このマーク近傍からの反射光を結像光学系及び指標を介してCCDで受光する。このとき、マークの像が指標の像とともにCCDの撮像面に結像される。そして、CCDからの画像信号(撮像信号)に所定の信号処理を施すことにより、検出基準点である指標マークの中心を基準とするマークの位置を計測する。アライメント系ALGのようなFIA系のアライメントセンサは、アルミ層やウエハ表面の非対称マークの検出に特に有効である。
【0095】
本実施形態では、アライメント系ALGは、ウエハステージWST1,WST2上に保持されたウエハ上のアライメントマーク、不図示の基準マーク板上に形成された基準マークの位置(XY座標値)の計測等に用いられる。
【0096】
アライメント系ALGからの画像信号は、不図示のアライメント制御装置により、A/D変換され、デジタル化された波形信号を演算処理して指標中心を基準とするマークの位置が検出される。このマーク位置の情報が、不図示のアライメント制御装置から主制御装置50に送られるようになっている。
【0097】
また、図示は省略されているが、本実施形態では、アライメント系ALGには、合焦位置を調べるためのオートフォーカス/オートレベリング計測機構(以下、「AF/AL系」という)が設けられている。また、同様のAF/AL系は、投影光学系PLにも設けられている。このように、投影光学系PL及びアライメント系ALGに、AF/AL系を設けた露光装置の構成は、例えば特開平10−214783号公報に詳細に開示されており、公知であるから、AF/AL系の構成などについては詳細説明を省略するが、主制御装置50は、これらのAF/AL系の出力に基づいて、露光時は勿論、ウエハアライメント時においても、ウエハステージWST1,WST2の光軸方向位置及びXY面に対する傾斜を調整する、いわゆるオートフォーカス/オートレベリングを行うようになっている。
【0098】
次に、各ウエハステージの2次元位置を計測する位置検出装置としての干渉計システムについて、図2を参照しつつ説明する。なお、ウエハステージWST1、WST2は前述のように、フォーク部671,672のいずれにも係合可能とされているが、以下では説明の便宜上、ウエハステージWST1がフォーク部671に係合し、ウエハステージWST2がフォーク部672に係合した状態(図2に示される状態)での干渉計システムの機能について説明するものとする。
【0099】
図2おいて、ウエハステージWST1上の移動鏡MY1aの反射面には、Y軸干渉計116から投影光学系PLの光軸を通るY軸に平行な方向の干渉計ビーム(測長ビーム)BI1Yが照射されている。同様に、ウエハステージWST2上の移動鏡MY2bの反射面には、Y軸干渉計118からアライメント系ALGの検出中心(指標マークの中心)を通るY軸に平行な方向の干渉計ビーム測長軸BI2Yが照射されている。そして、Y軸干渉計116、118では移動鏡MY1a、MY2bからの反射光をそれぞれ受光することにより、各反射面の基準位置からの相対変位を計測し、ウエハステージWST1,WST2のY軸方向位置を計測する。ここで、Y軸干渉計116、118は、測長軸を少なくとも3軸有する多軸干渉計であり、ウエハステージWST1,WST2のY軸方向の位置情報の計測以外に、ピッチング(X軸回りの回転(θx回転))及びヨーイング(θz方向の回転)の計測が可能となっている。各測長軸の出力値は独立に計測できるようになっている。
【0100】
また、ウエハステージWST1上の移動鏡MX1の反射面には、X軸干渉計146から投影光学系PLの光軸を通り、Y軸干渉計116の干渉計ビームBI1Yと垂直に交差する干渉計ビーム(測長ビーム)BI1Xが照射されている。同様に、ウエハステージWST2上の移動鏡MX2の反射面には、X軸干渉計148からアライメント系ALGの検出中心(指標マークの中心)を通り、Y軸干渉計118の干渉計ビームBI2Yと垂直に交差する干渉計ビーム(測長ビーム)BI2Xが照射されている。そして、X軸干渉計146、148では移動鏡MX1、MX2からの反射光をそれぞれ受光することにより、各反射面の基準位置からの相対変位を計測し、ウエハステージWST1,WST2のX軸方向位置を計測するようになっている。ここで、X軸干渉計146、148は、測長軸を少なくとも3つ有する多軸干渉計であり、ウエハステージWST1,WST2のX軸方向の位置情報の計測以外に、ローリング(Y軸回りの回転(θy回転))及びヨーイング(θz方向の回転)の計測が可能となっている。各光軸の出力値は独立に計測できるようになっている。
【0101】
このように、本実施形態では、Y軸干渉計116、118及びX軸干渉計146,148の合計4つの干渉計によって、ウエハステージWST1,WST2のXY2次元座標位置を管理するウエハ干渉計システムが構成されている。このウエハ干渉計システムを構成する各干渉計の計測値は、主制御装置50に送られるようになっている。主制御装置50では、後述する露光時には、干渉計146、116の計測値に基づいて、ウエハステージWST1のXY面内の位置を、いわゆるアッベ誤差なく高精度に管理し、後述するウエハアライメント時(及びウエハ交換時)には、干渉計148、118の計測値に基づいて、ウエハステージWST2の位置を、いわゆるアッベ誤差なく高精度に管理するようになっている。
【0102】
但し、上述のように、本実施形態では、ウエハステージWST1はフォーク部672とも係合可能であるし、ウエハステージWST2はフォーク部671とも係合可能である。従って、ウエハステージWST1がフォーク部672に係合した状態では、ウエハステージWST1の位置は、干渉計118,148の計測値に基づいて管理されるようになっており、ウエハステージWST2がフォーク部671に係合した状態では、ウエハステージWST2の位置は、干渉計116,146の計測値に基づいて管理されるようになっている。
【0103】
更に、ウエハステージWST1,WST2のフォーク部間の移動の途中や、ウエハステージがフォーク部と係合していないときなど、状況によっては、干渉計システムのみでは各フォーク部の位置管理が困難となる。かかる点を考慮して、X軸スライダ73X,75XのX軸方向の位置を常時計測可能な不図示のリニアエンコーダが、X軸リニアガイド72X及び74XとX軸スライダ73X及び75Xとの間にそれぞれ設けられている。また、Y軸ガイド83Y1,83Y2の所定の一方、例えばY軸リニアガイド83Y1と、Y軸スライダ84Y1,85Y1との間に、X軸スライダ73X,75X(フォーク部671,672)のY軸方向の位置を常時計測可能な不図示のリニアエンコーダが、それぞれ設けられている。
【0104】
そして、主制御装置50が、ウエハステージWST1、WST2が、フォーク部671とフォーク部672との間を移動する際に、各X軸スライダ73X,75X(フォーク部671,672)のX軸方向、Y軸方向のいずれか一方の軸方向の干渉計による位置計測が不能となるときには、リニアエンコーダによって計測されるその一方の軸方向の位置情報と、干渉計によって計測される他方の軸方向の位置情報と、に基づいて、各ウエハステージのX位置、Y位置を管理する。
【0105】
勿論、主制御装置50では、上述のウエハステージWST1,WST2の移動中などに、それまで計測不能であった干渉計からの干渉計ビームが再度ウエハステージWST1,WST2の移動鏡に当たるようになったときは、それまで計測に用いられていなかった測長軸の干渉計の計測値をリセット(又はプリセット)し、以後、干渉計システムを構成するX軸干渉計,Y軸干渉計の計測値のみに基づいてウエハステージWST1,WST2(X軸スライダ73X,75X)の位置を管理する。
【0106】
更に、本実施形態では、図示は省略されているが、レチクルRの上方に、投影光学系PLを介してレチクルR上のレチクルマークとウエハステージWST1,WST2上の不図示の基準マーク板上のマークとを同時に観察するための露光波長を用いたTTR(Through The Reticle)方式のレチクルアライメント系が設けられている。これらのレチクルアライメント系の検出信号は、不図示のアライメント制御装置を介して主制御装置50に供給されるようになっている。なお、レチクルアライメント系の構成は、例えば特開平7−176468号公報等に開示されており、公知であるから詳細説明は省略する。
【0107】
次に、本実施形態の露光装置10で行われる、一方のウエハステージ上のウエハに対する露光動作と、他方のウエハステージ上のウエハに対するアライメント動作等との並行処理動作を含む、一連の動作について、図7(A)〜図9(B)に基づいて説明する。
【0108】
図7(A)には、ウエハステージWST1上のウエハW1に対して露光動作が行われるのと並行して、ウエハステージWST2上のウエハW2に対してウエハアライメント動作が行われている状態が示されている。
【0109】
この図7(A)に先立って、所定のローディングポジションにウエハステージWST2があるときに、不図示のウエハローダによって、ウエハステージWST2上に載置されていた露光済みのウエハのウエハステージWST2上からのアンロード及び新たなウエハW2のウエハステージWST2上へのロード(すなわちウエハ交換)が行なわれている。
【0110】
そして、主制御装置50は、干渉計118,148の計測値に基づいてウエハステージWST2のXY面内の位置を管理しつつ、アライメント系ALGを用いて、ウエハW2上の特定の複数のショット領域(サンプルショット領域)に付設されたアライメントマーク(サンプルマーク)の位置情報を検出する。このときの状態が、図7(A)に示されている。次いで、主制御装置50は、その検出結果とその特定のショット領域の設計上の位置座標とに基づいて、例えば特開昭61−44429号公報などに開示される最小二乗法を用いた統計演算によりウエハW2上の全てのショット領域の配列座標を求めるEGA(エンハンスト・グローバル・アライメント)方式のウエハアライメント計測を実行する。また、この場合、主制御装置50は、サンプルマークの位置情報の検出に前後して、ウエハステージWST2上の不図示の基準マーク板上の第1基準マークの位置情報を検出している。
【0111】
そして、主制御装置50は、先に求めたウエハW2上の全てのショット領域の配列座標を、第1基準マークの位置を原点とする位置座標に変換する。
【0112】
なお、上記のウエハ交換、ウエハアライメントの際、主制御装置50は、干渉計118,148による検出結果に基づいて、ウエハステージWST2を、前述したX軸リニアモータ75X、一対のY軸リニアモータ85Y1,85Y2を介して長ストロークで駆動するとともに、ウエハステージWST2を前述の6自由度駆動機構を介してフォーク部672に対して相対的にX,Y,Z,θx,θy,θz方向に関して微小駆動する。勿論、Z,θx,θy方向の駆動に際しては、前述のAF/AL系の計測結果が考慮される。
【0113】
このようにして、ウエハステージWST2側で、ウエハ交換、ウエハアライメントが実行される。このウエハ交換、ウエハアライメントと並行して、ウエハステージWST1側では、既に行われたウエハアライメント結果に基づいてウエハステージWST1上に載置されたウエハW1上の各ショット領域の露光のための加速開始位置にウエハステージWST1を移動させるショット間ステッピング動作と、レチクルR(レチクルステージRST)とウエハW1(ウエハステージWST1)とをY軸方向に相対走査してレチクルRに形成されたパターンをウエハW1上のショット領域に投影光学系PLを介して転写する走査露光動作と、を繰り返す、ステップ・アンド・スキャン方式の露光動作が行なわれる。
【0114】
上記のステップ・アンド・スキャン方式の露光動作の開始に先立って、主制御装置50は、干渉計116、146の計測値に基づいてウエハステージWST1の位置を管理しつつ、ウエハステージWST1上の不図示の基準マーク板上の一対の第2の基準マークとレチクルR上の一対のレチクルアライメントマークとを前述のレチクルアライメント系を用いて計測している。そして、主制御装置50では、その計測結果と前述のウエハアライメントの結果とに基づいてウエハW1上の各ショット領域の露光のための加速開始位置にウエハステージWST1を移動させる。
【0115】
上記のステップ・アンド・スキャン方式の露光動作中、主制御装置50は、ウエハステージWST1を、前述したX軸リニアモータ73X、一対のY軸リニアモータ84Y1,84Y2を介して長ストロークで駆動するとともに、ウエハステージWST1を前述の6自由度駆動機構を介してウエハステージWST1に対して相対的にX,Y,Z,θx,θy,θz方向に関して微小駆動する。勿論、Z,θx,θy方向の駆動に際しては、前述のAF/AL系の計測結果が考慮される。
【0116】
なお、この露光動作そのものの手順などは、通常のスキャニング・ステッパと同様なので、これ以上の詳細な説明は省略する。
【0117】
上述したウエハステージWST2上のウエハW2に対するウエハアライメント動作と、ウエハステージWST1上のウエハW1に対する露光動作とでは、通常は、ウエハアライメント動作の方が先に終了する。そこで、主制御装置50は、ウエハアライメントの終了後、X軸リニアモータ75X、一対のY軸リニアモータ85Y1,85Y2を介してウエハステージWST2を+Y方向及び−X方向に駆動する。そして、ウエハステージWST2を所定の待機位置(図7(B)に示されるウエハステージWST2の位置)に移動させ、その位置で待機させる。
【0118】
その後、ウエハステージWST1上のウエハW1に対する露光動作が終了すると、主制御装置50は、X軸リニアモータ73X及び一対のY軸リニアモータ84Y1,84Y2を介してウエハステージWST1を+X方向及び+Y方向に移動させる。図7(B)には、この移動完了後の状態が示されている。
【0119】
次いで、主制御装置50は、ウエハステージWST1側の前述の6自由度駆動機構を構成するフォーク部671の各固定子への電流の供給を停止する。これにより、第1、第2のZ軸微動モータVZ1,VZ2の固定子SZ1,SZ2への電流の供給も停止され、ウエハステージWST1をZ軸方向に非接触支持する支持力(駆動力)も解除され、ウエハステージWST1は、ステージベースSB上に載置される。この状態から、主制御装置50は、Y軸リニアモータ84Y1,84Y2を介してX軸リニアモータ73X及びフォーク部671を−Y方向に移動させる。これにより、ウエハステージWST1がフォーク部671から離脱される。図7(C)には、X軸リニアモータ73X及びフォーク部671の−Y方向への移動が終了し、ウエハステージWST1がフォーク部671から離脱された状態が示されている。
【0120】
次いで、主制御装置50は、X軸リニアモータ73X、Y軸リニアモータ84Y1,84Y2を介して、スライダ73Xと一体でフォーク部671を−X方向及び+Y方向に移動させるとともに、Y軸リニアモータ85Y1,85Y2を介して、ウエハステージWST2と一体でフォーク部672が設けられたスライダ75Xを−Y方向に移動させる。そして、図8(A)に示されるように、フォーク部671の+Y側端部とフォーク部672の−Y側端部とを最接近(又は接触)させる。図10(A)には、このときのフォーク部671,672の状態(ウエハステージWST2を取り除いた状態)が斜視図にて示されている。
【0121】
この図10(A)の場合、固定子SXと固定子TXとが連結され、固定子SY1と固定子TY1とが連結され、固定子SY2と固定子TY2とが連結され、固定子SY3と固定子TY3とが連結され、固定子SZ1と固定子TZ1とが連結され、固定子SZ2と固定子TZ2とが連結されている。また、ガイド棒GB1とガイド棒GB2とが連結されている。なお、ここで、連結とは、固定子同士、ガイド棒同士が、相互に接触する場合のみならず、固定子同士、ガイド棒同士が、数μm〜数mm程度のクリアランスを介して接近し、見かけ上一体に見えるような場合をも含む概念である。
【0122】
そして、上述のように、フォーク部671とフォーク部672とが連結された状態で、主制御装置50は、フォーク部672を構成する固定子TY1〜TY3が有する各電機子コイル、及びフォーク部671を構成する固定子SY1〜SY3が有する各電機子コイルに順次電流を供給し、ウエハステージWST2を、フォーク部672(及びフォーク部671)に対して−Y方向に移動させる。
【0123】
これにより、ウエハステージWST2は、フォーク部672からフォーク部671に受け渡される。図8(B)及びこの図8(B)におけるウエハステージWST2近傍を斜視図にて示す図10(B)には、このウエハステージWST2の受け渡しの途中の状態が示されている。
【0124】
この受け渡し(移動)の際には、ウエハステージWST2とフォーク部671,672との位置関係がガイド棒GB1,GB2に設けられたセンサ群SSにより計測されるので、フォーク部671とフォーク部672との位置が所期の位置から多少ずれていたとしても、そのセンサ群SSの検出結果に基づいて、ウエハステージWST2を6自由度微動機構により微小駆動(位置調整)することで、フォーク部672からフォーク部671へのウエハステージWST2の受け渡しを非接触でかつ高速で行うことが可能である。
【0125】
そして、ウエハステージWST2がフォーク部671に完全に渡された段階で、主制御装置50は、干渉計116、146の計測値に基づいてウエハステージWST2の位置を管理しつつ、ウエハステージWST2上の不図示の基準マーク板上の一対の第2の基準マークとレチクルR上の一対のレチクルアライメントマークとを前述のレチクルアライメント系を用いて計測する。そして、主制御装置50では、その計測結果と先に行われたウエハアライメントの結果とに基づいてウエハW2上の第1番目のショット領域の露光のための加速開始位置にウエハステージWST1を移動させる。その後は、ウエハW2に対するステップ・アンド・スキャン方式の露光動作が前述のウエハW1に対する露光と同様にして行われる。
【0126】
この一方、主制御装置50は、上記のウエハステージWST2のフォーク部672からフォーク部671への受け渡しの終了により、ウエハステージWST1、WST2のいずれとも係合せず、フリーの状態になっているフォーク部672を、スライダ75Xと一体で、Y軸リニアモータ85Y1,85Y2、X軸リニアモータ75Xを介して、ステージベースSB上に載置されているウエハステージWST1に接近するように移動する(図8(C)参照)。
【0127】
そして、ウエハステージWST1とフォーク部672とのX軸方向の位置が一致した図8(C)の状態から、主制御装置50は、ウエハステージWST1とフォーク部672とが係合するように、Y軸リニアモータ85Y1,85Y2を介して、フォーク部672を、スライダ75Xと一体で、−Y方向に駆動し、図9(A)の状態とする。この場合に、ウエハステージWST1に形成された貫通孔65に前記ガイド棒GB2が挿入された状態でガイド棒GB2に設けられたセンサ群を介して、ガイド棒GB2とウエハステージ本体63との位置関係を検出することができるので、主制御装置50は、該検出結果に基づいて、ウエハステージWST1とフォーク部672との関係を調整しつつ、フォーク部672を駆動することが可能である。このようにして、ウエハステージWST1がフォーク部672に係合した段階で、主制御装置50は、6自由度駆動機構を構成するZ軸微動モータに+Z方向の駆動力を発生させ、フォーク部672がウエハステージWST1を非接触支持するように、その駆動力を制御する。
【0128】
その後、主制御装置50は、ウエハステージWST1上に載置された露光済みのウエハW1と次の露光対象であるウエハW3(図9(B)参照)との交換を行うとともに、ウエハW3のウエハアライメント動作が上述と同様にして行われる。
【0129】
このようにして、本実施形態の露光装置10では、ウエハステージWST1,WST2の交換を行いつつ、一方のウエハステージ上のウエハに対する露光動作と、他方のウエハステージ上でのウエハ交換及びウエハアライメント動作とが、同時並行処理にて行われる。
【0130】
これまでの説明から明らかなように、本実施形態の露光装置10では、取り付け板691と、該取り付け板691にそれぞれの長手方向の一端が固定された固定子群(SX、SY1〜SY3、SZ1、SZ2)によって固定子ユニットが構成され、取り付け板692と、該取り付け板692にそれぞれの長手方向の一端が固定された固定子群(TX、TY1〜TY3、TZ1、TZ2)によって固定子ユニットが構成されている。
【0131】
また、ウエハステージWST1を構成する可動子群(DX、DY1〜DY3、DZ1、DZ2)によって、可動子ユニットが構成され、ウエハステージWST2を構成する可動子群(DX’、DY1’〜DY3’、DZ1’、DZ2’)によって、可動子ユニットが構成されている。
【0132】
また、X軸スライダ73X,取り付け板691及びフォーク部671によって第1の移動体が構成され、X軸スライダ75X,取り付け板692及びフォーク部672によって第2の移動体が構成されている。
【0133】
また、フォーク部671に相対移動可能に支持された状態で、当該フォーク部671に対してウエハステージWST1、WST2を6自由度方向に駆動する前述の6自由度駆動機構(すなわちX軸微動モータVX、Y軸リニアモータLY1〜LY3、Z軸微動モータVZ1,VZ2)と、フォーク部672に相対移動可能に支持された状態で、当該フォーク部672に対してウエハステージWST2、WST1を6自由度方向に駆動する前述の6自由度駆動機構(すなわちX軸微動モータVX’、Y軸リニアモータLY1’〜LY3’、Z軸微動モータVZ1’,VZ2’)とからフォーク部671、672のいずれかに相対移動可能に支持された状態で、当該フォーク部に対して各ウエハステージを6自由度方向に駆動する駆動系が構成されている。また、この駆動系によって、各ウエハステージを、前記第1、第2の移動体に対して非接触で支持し、各移動体に対して6自由度方向に関して微小駆動するとともに、前記第1、第2の移動体が近接した状態で、各ウエハステージを一方の移動体から他方の移動体に移動する駆動機構が構成されている。
【0134】
また、露光装置10では、照明系12と投影光学系PLとにより露光部が構成されている。
【0135】
以上詳細に説明したように、本実施形態に係るステージ装置20によると、Y軸方向に関して並列に配置され、かつ相互に独立してY軸方向に移動するX軸リニアガイド72X,74Xに沿って、スライダ73X,75XがX軸方向にそれぞれ移動可能である。すなわち、スライダ73X,75Xは、X軸及びY軸を含む2次元面内で移動可能である。また、スライダ73X,75Xそれぞれの相互に対向する側の面には、Y軸方向を長手方向とする片持ち支持状態のフォーク部671,672それぞれの一端が固定され、さらに、これらのフォーク部671,672に対して2つのウエハステージWST1,WST2が相対移動可能に個別に支持される。従って、2つのウエハステージWST1,WST2は、フォーク部671,672に対して個別に支持された状態では、それらのフォーク部671,672が設けられたスライダ73X,75XとともにXY2次元面内で移動可能である。
【0136】
また、ウエハステージWST1,WST2のそれぞれは、フォーク部671,672の両者に対してY軸方向に相対移動可能で、フォーク部671,672のいずれかに相対移動可能に支持された状態では、前述の駆動系により、そのフォーク部に対して6自由度方向に駆動可能となっている。また、ウエハステージWST1,WST2のそれぞれは、前記支持が解除された状態では、そのY軸方向の相対移動により、フォーク部671,672からの離脱が可能となっている。
【0137】
従って、前述したようなシーケンスにより、ウエハステージの交換が可能となっている。すなわち、図2に示されるように、フォーク部671に一方のウエハステージWST1が支持され、フォーク部671に他方のウエハステージWST2が支持されているとき、フォーク部671による一方のウエハステージWST1の支持状態が解除され、X軸スライダ73Xがフォーク部672から離れるようにY軸方向(−Y方向)に移動する。これにより、一方のウエハステージWST1がX軸スライダ73Xに片持ち支持されたフォーク部671に対してY軸方向に相対移動し、フォーク部671から離脱される。その離脱後に、X軸スライダ73Xが移動し、該X軸スライダ73Xに一端が片持ち支持されたフォーク部671が、他方のウエハステージWST2を支持するフォーク部672にほぼ対向する位置まで移動し、フォーク部671とフォーク部672とが最接近し、これらフォーク部671とフォーク部672とがほぼ一直線上に並んだ状態で、駆動系により他方のウエハステージWST2がフォーク部672、671に対してY軸方向(−Y方向)に駆動されることにより、他方のウエハステージWST2が、フォーク部672からフォーク部671に移動する(受け渡される)。
【0138】
次いで、X軸スライダ75Xが移動し、該X軸スライダ75Xに一端が片持ち支持されたフォーク部672が、ウエハステージWST1に対向する位置まで移動し、X軸スライダ73XがウエハステージWST1に接近する方向に移動することにより、ウエハステージWST1がフォーク部672によって支持される。
【0139】
このようにして、フォーク部671にウエハステージWST1が支持され、フォーク部672にウエハステージWST2が支持された状態から、フォーク部672にウエハステージWST1が支持され、フォーク部671にウエハステージWST2が支持された状態へ移行する。すなわち、このようにしてウエハステージの交換を行うことができる。この場合、例えば上述のウエハステージWST2のフォーク部672からフォーク部671への受け渡しは、機械的につかむという不確実性を伴う動作を伴うことなく、駆動系によって高スループットでかつ非接触で行われるので、ウエハステージの交換を高スループットで実現できる。また、ウエハステージの交換のためのロボットアーム等の搬送機構を設ける必要も無いので、その分、ステージ装置の小型化を図ることも可能となっている。
【0140】
また、本実施形態に係るステージ装置20では、ウエハステージWST1,WST2のそれぞれは、駆動系が発生するZ軸方向の駆動力によりステージベースSB上方で非接触支持され、該駆動力の停止によりステージベースSB上に載置される。従って、このようにして、いずれかのウエハステージ、例えばウエハステージWST1が、ステージベースSB上に載置された状態で、X軸スライダ73Xが、そのウエハステージWST1から離れる方向にY軸方向に沿って移動することで、ウエハステージWST1と例えばフォーク部671との係合を解除することが可能となる。このようなウエハステージのフォーク部からの離脱は、その後のシーケンスで他方のウエハステージ等の移動の邪魔にならない領域内であれば、どこでも行うことができるので、ウエハステージを待機させておく台等を別途用意する必要がなく、その分コストダウンを図ることができる。
【0141】
また、本実施形態に係るステージ装置20では、フォーク部671,672と各ウエハステージとの位置関係を検出するセンサ群SSを備えているので、ウエハステージとフォーク部ひいてはスライダとの位置関係を常時検出することができる。これにより、フォーク部間でウエハステージを受け渡す場合に、ある程度フォーク部同士の位置がずれていた場合にも、リニアモータや微動モータの駆動力を制御することで、ウエハステージの受け渡しを位置ずれなく行うことが可能となる。
【0142】
また、本実施形態に係るステージ装置20によると、第1の移動体(X軸スライダ73X,取り付け板691及びフォーク部671)、第2の移動体(X軸スライダ75X,取り付け板692及びフォーク部672)のそれぞれに非接触で支持された2つのウエハステージWST1,WST2を、その支持状態で、6自由度方向に関して微小駆動する前述の駆動機構が、上記第1、第2の移動体が近接した状態で、各ウエハステージを一方の移動体から他方の移動体に移動する際にも用いられるので、ウエハステージが、高スループットで、第1、第2の移動体間を非接触で移動する(すなわち、第1、第2の移動体間でステージを非接触かつ高スループットで交換する)ことが可能となる。
【0143】
また、本実施形態の露光装置10によると、いずれかのウエハステージが第1位置(投影光学系PLの直下)の近傍にあるときに、前述の露光部によりそのウエハステージに載置されたウエハを照明光ILで露光する。また、アライメント系ALGでは、いずれかのウエハステージが第1位置から離れた第2位置(アライメント系ALGの直下)の近傍にあるときに、そのウエハステージに載置されたウエハに形成されたアライメントマーク(位置検出用マーク)を検出する。
【0144】
従って、一方のウエハステージ上に載置されたウエハに対する露光部による露光と、他方のウエハステージ上に載置されたウエハに形成されたアライメントマークのアライメント系による検出(EGA方式のウエハアライメント)等とを、並行して行うことができる。また、前述の如く、本実施形態では、高スループットのウエハステージ交換が可能なので、2つのウエハステージを用いて露光、ウエハアライメント(マーク検出)及びウエハ交換の同時並行処理をウエハステージを交換しながら、高いスループットで実現することができる。また、アライメント系を2つ用意する必要がないので、フットプリントが増大するのも防止することができる。
【0145】
なお、ウエハステージWST1、WST2としては、上記実施形態の構成に限られるものではなく、その他の構成を採用することもできる。すなわち、上記実施形態では、X駆動用の可動子を1つ、Y駆動用の可動子を3つ、Z駆動用の可動子を2つ、各ウエハステージに設けるものとしたが、これに限らず、X駆動用の可動子を2つ、Y駆動用の可動子を3つ、Z駆動用の可動子を1つ設けることとしても良い。すなわち、X,Y,Z軸方向への駆動用の可動子を各1つ含み、かつ合計6つの可動子が設けられ、これに対応して6つの固定子が各フォーク部に設けられていれば、各ウエハステージを、各フォーク部に対して6自由度方向に駆動することができる。但し、Z駆動用の可動子を1つとすると、ウエハステージの自重の支持が困難になる場合も考えられる。このような場合には、ウエハステージの底面に真空予圧型気体静圧軸受を設ける、あるいはシリンダ部とピストン部とを有し、その内部の陽圧によりウエハステージを定盤上で支持する自重キャンセラを設けることとしても良い。また、ウエハステージを6自由度方向に微小駆動する必要がない場合には、可動子の数を減らすことも可能である。例えば、各ウエハステージを、XY面内の3自由度方向に関してのみ移動可能に構成し、その上方にウエハを保持し、Z、θx、θy方向に微小駆動可能なウエハテーブルを搭載しても良い。
【0146】
これに限らず、本発明のステージ装置では、ステージは搬送ガイド又は移動体に対して、X軸、Y軸方向についてのみ駆動可能に構成しても良いし、あるいは、Y軸方向に関してのみ駆動可能に構成しても良い。
【0147】
なお、上記実施形態では、ウエハステージWST1,WST2上の+X端部、±Y端部近傍に移動鏡を設けることとしたが、本発明がこれに限られるものではなく、X、Y軸方向のいずれか一端部に1つずつ移動鏡を設けることとしても良い。この場合、干渉計の配置も変更する必要があるが、露光精度等に影響はない。
【0148】
なお、上記実施形態では、フォーク部とウエハステージの係合を解除する場合に、ウエハステージをステージベース上に載置する場合について説明したが、本発明がこれに限られるものではなく、例えば、ウエハステージがステージベース上に載置されただけでは不安定な場合には、ステージベース上又はステージベース近傍にウエハステージの収納場所を設けることとしても良い。
【0149】
なお、上記実施形態では、照明光ILとしてKrFエキシマレーザ光などの遠紫外光、F2レーザ、ArFエキシマレーザ等の真空紫外域光、あるいは超高圧水銀ランプからの紫外域の輝線(g線、i線等)などを用いるものとしたが、これに限らずAr2レーザ光(波長126nm)などの他の真空紫外光を用いても良い。また、例えば、真空紫外光として上記各光源から出力されるレーザ光に限らず、DFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(Er)(又はエルビウムとイッテルビウム(Yb)の両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いても良い。
【0150】
更に、照明光ILとしてEUV光、X線、あるいは電子線やイオンビームなどの荷電粒子線を用いる露光装置、投影光学系を用いない、例えばプロキシミティ方式の露光装置、ミラープロジェクション・アライナー、及び例えば国際公開WO99/49504号などに開示される、投影光学系PLとウエハとの間に液体が満たされる液浸型露光装置などにも本発明を適用しても良い。
【0151】
なお、上記実施形態では、ステップ・アンド・スキャン方式等の走査型露光装置に本発明が適用された場合について説明したが、本発明の適用範囲がこれに限定されないことは勿論である。すなわちステップ・アンド・リピート方式の縮小投影露光装置にも本発明は好適に適用できる。
【0152】
なお、複数のレンズから構成される照明光学系、投影光学系を露光装置本体に組み込み、光学調整をするとともに、多数の機械部品からなるレチクルステージやウエハステージを露光装置本体に取り付けて配線や配管を接続し、更に総合調整(電気調整、動作確認等)をすることにより、上記実施形態の露光装置を製造することができる。なお、露光装置の製造は温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0153】
なお、本発明は、半導体製造用の露光装置に限らず、液晶表示素子などを含むディスプレイの製造に用いられる、デバイスパターンをガラスプレート上に転写する露光装置、薄膜磁気ヘッドの製造に用いられるデバイスパターンをセラミックウエハ上に転写する露光装置、及び撮像素子(CCDなど)、マイクロマシン、有機EL、DNAチップなどの製造に用いられる露光装置などにも適用することができる。また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクル又はマスクを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。ここで、DUV(遠紫外)光やVUV(真空紫外)光などを用いる露光装置では一般的に透過型レチクルが用いられ、レチクル基板としては石英ガラス、フッ素がドープされた石英ガラス、螢石、フッ化マグネシウム、又は水晶などが用いられる。また、プロキシミティ方式のX線露光装置、又は電子線露光装置などでは透過型マスク(ステンシルマスク、メンブレンマスク)が用いられ、マスク基板としてはシリコンウエハなどが用いられる。
【0154】
半導体デバイスは、デバイスの機能・性能設計を行うステップ、この設計ステップに基づいたレチクルを製作するステップ、シリコン材料からウエハを製作するステップ、前述した実施形態の露光装置を用いて前述の方法によりレチクルのパターンをウエハに転写するステップ、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)、検査ステップ等を経て製造される。
【0155】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のステージ装置によれば、2つのステージの交換(入れ替え)を高スループットで実現することができるという効果がある。
【0156】
また、本発明の露光装置によれば、高いスループットで露光工程の処理を行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の露光装置を概略的に示す図である。
【図2】図1のステージ装置を、投影光学系、アライメント系等とともに概略的に示す斜視図である。
【図3】図2の状態から、干渉計システム及びウエハステージが取り除かれた状態のステージ装置の残部を示す斜視図である。
【図4】図4(A)は、フォーク部671を拡大して示す斜視図であり、図4(B)は、ウエハステージWST1を拡大して示す斜視図である。
【図5】フォーク部にウエハステージWST1が係合した状態を拡大して示す斜視図である。
【図6】図6(A)は、フォーク部672を拡大して示す斜視図であり、図6(B)は、ウエハステージWST2を拡大して示す斜視図である。
【図7】図7(A)〜図7(C)は、並行処理動作の流れを説明するための図(その1)である。
【図8】図8(A)〜図8(C)は、並行処理動作の流れを説明するための図(その2)である。
【図9】図9(A),図9(B)は、並行処理動作の流れを説明するための図(その3)である。
【図10】図10(A)は、ウエハステージ受け渡しの際のフォーク部の関係を示す図であり、図10(B)は、ウエハステージのフォーク部間での受け渡しの状態を示す図である。
【符号の説明】
10…露光装置、12…照明系(露光部の一部)、20…ステージ装置、671…フォーク部(第1の搬送ガイド、第1の移動体の一部)、672…フォーク部(第2の搬送ガイド、第2の移動体の一部)、691…取り付け板(固定子ユニットの一部、第1の移動体の一部)、692…取り付け板(固定子ユニットの一部、第2の移動体の一部)、72X…X軸リニアガイド(第1の移動ガイド)、73X…X軸スライダ(第1のスライダ、第1の移動体の一部)、74X…X軸リニアガイド(第2の移動ガイド)、75X…X軸スライダ(第2のスライダ、第2の移動体の一部)、116,118,146,148…干渉計(位置検出装置)、ALG…アライメント系(マーク検出系)、IL…照明光(エネルギビーム)、LY1,LY2,LY3…Y軸リニアモータ(駆動系の一部、駆動機構の一部)、PL…投影光学系(露光部の一部)、SB…ステージベース、SS…センサ群(検出装置)、VX…X軸微動モータ(駆動系の一部、駆動機構の一部)、VZ1,VZ2…Z軸微動モータ(駆動系の一部、駆動機構の一部)、W…ウエハ(感光物体)、WST1,WST2…ウエハステージ(ステージ)。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステージ装置及び露光装置に係り、更に詳しくは、2次元駆動可能なステージを備えるステージ装置及び該ステージ装置を備える露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、半導体素子(集積回路)又は液晶表示素子等を製造するに際し、リソグラフィ工程では、種々の露光装置が用いられている。近年では、半導体素子の高集積化に伴い、ステップ・アンド・リピート方式の縮小投影露光装置(いわゆるステッパ)や、このステッパに改良を加えたステップ・アンド・スキャン方式の走査型投影露光装置(いわゆるスキャニング・ステッパ(スキャナとも呼ばれる))などの逐次移動型の投影露光装置が主流となっている。
【0003】
例えば、半導体素子の製造に用いられる投影露光装置では、ウエハステージ上のウエハを交換するウエハ交換工程、ウエハ上の各ショット領域の位置を正確に求めるためのウエハアライメント工程、及びそのウエハアライメントの結果に基づいてウエハステージの位置を制御してウエハ上の各ショット領域にレチクル(又はマスク)に形成されたパターンを転写する露光工程の3つの工程の処理が、1つのウエハステージを用いて順次繰り返し行われている。
【0004】
ところで、露光装置は半導体素子等の量産に用いられるものであることから、スループットの向上は、露光精度の向上とともに、最重要課題の一つであり、現実に露光装置に対するスループット向上の要求はとどまることがない。従って、上述の如く、ウエハ交換工程→ウエハアライメント工程→露光工程をシーケンシャルに繰り返す方法では、近い将来、要求されるスループットを達成することが困難になることは確実である。
【0005】
そこで、近年では、スループットを更に向上させようとの観点から、ウエハステージを2つ設け、この2つのウエハステージを用いて、例えばウエハ交換動作及びアライメント動作と、露光動作とを並行して行うツインウエハステージタイプの露光装置も種々提案されている(例えば特許文献1、特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−163098号公報
【特許文献2】
特表2000−511704号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
確かに、上記特許文献1に記載の露光装置によると、2つのウエハステージ上の前述した同時並行処理により、スループットを格段向上させることができる。しかし、ウエハアライメント系が投影光学系の一側と他側に配置されているため、その両側のウエハアライメント系の下方領域でそれぞれのウエハステージ上のウエハに対するアライメントが行われる。そのためその2つのウエハステージの移動基準面(移動ガイド面)が形成されるステージ定盤が大型化し、装置の設置面積(フットプリント)が大きくなってしまうという難点を有している。
【0008】
一方、上記特許文献2に記載の装置では、特性化ユニット(ウエハアライメント系に相当)が1つ設けられているのみなので、上述のステージ定盤の大型化という難点は改善される。しかしながら、この特許文献2に記載の装置では、特性化ユニットが1つであるが故に、2つの基材ホルダのそれぞれを、その特性化ユニット下方に位置させるため、それら2つの基材ホルダを入れ替える必要がある。その入れ替えの方法として、上記特許文献2に記載の装置では、各基材ホルダを、2つのリニアXモータ(X軸リニアモータ)の第1部分(固定子)に沿って移動する第2部分(可動子に相当)にそれぞれ設けられた継手部材と、2つの基材ホルダにそれぞれ設けられた継手部材との結合(機械的又は電子機械的結合)により、持ち替える方式が採用されている。すなわち、各基材ホルダ(ウエハステージ)をリニアXモータの可動子に接続するためのリジッドな接続機構が採用されている。このため、上記特許文献2に記載の装置にあっては、基材ホルダの入れ替えの際に、機械的につかむという不確実性を伴う動作が含まれ、その動作に時間が掛かるとともに、その動作を確実に行うためには、基材ホルダとリニアXモータの第2部分とを正確に位置合わせしなければならないという不都合があった。また、継手部材同士の結合の際の衝撃により基材ホルダ上の基材(ウエハ等)が位置ずれする可能性もあった。
【0009】
本発明は、かかる事情の下になされたもので、その第1の目的は、特に、2つのステージの交換(入れ替え)を高スループットで実現可能なステージ装置を提供することにある。
【0010】
本発明の第2の目的は、高いスループットで露光工程の処理を行うことが可能な露光装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、2次元面内の第1軸方向をガイド方向とし、前記第1軸に前記2次元面内で直交する第2軸方向に関して並列に配置され、かつ相互に独立して前記第2軸方向に移動する第1、第2の移動ガイド(72X,74X)と;前記第1、第2の移動ガイドに沿って前記第1軸方向にそれぞれ移動する第1、第2のスライダ(73X,75X)と;前記第1、第2のスライダそれぞれの相互に対向する側の面にそれぞれの一端が固定され前記第2軸方向を長手方向とする片持ち支持状態の第1、第2の搬送ガイド(671,672)と;前記第1、第2の搬送ガイドに相対移動可能に個別に支持され、前記第1、第2の搬送ガイドの両者に対して前記第2軸方向に相対移動可能で、前記支持が解除された状態では、前記第2軸方向の相対移動により、前記第1、第2の搬送ガイドからの離脱が可能な2つのステージ(WST1,WST2)と;前記各ステージが前記第1、第2の搬送ガイドのいずれかに相対移動可能に支持された状態で、当該搬送ガイドに対して前記各ステージを少なくとも前記第2軸方向に駆動する駆動系と;を備えるステージ装置である。
【0012】
これによれば、第2軸方向に関して並列に配置され、かつ相互に独立して第2軸方向に移動する第1、第2の移動ガイドに沿って、第1、第2のスライダが、第1軸方向にそれぞれ移動する。すなわち、第1、第2のスライダは、第1軸及び第2軸を含む2次元面内で移動する。また、第1、第2のスライダそれぞれの相互に対向する側の面には、第2軸方向を長手方向とする片持ち支持状態の第1、第2の搬送ガイドそれぞれの一端が固定され、さらに、これらの第1、第2の搬送ガイドに対して2つのステージが相対移動可能に個別に支持されている。従って、2つのステージは、第1、第2の搬送ガイドに対して個別に支持された状態では、それらの搬送ガイドが設けられた第1、第2のスライダとともに2次元面内で移動可能である。
【0013】
また、各ステージは、第1、第2の搬送ガイドの両者に対して第2軸方向に相対移動可能で、第1、第2の搬送ガイドのいずれかに相対移動可能に支持された状態では、駆動系により、その搬送ガイドに対して少なくとも第2軸方向に駆動可能となっている。また、各ステージは、前記支持が解除された状態では、その第2軸方向の相対移動により、第1、第2の搬送ガイドからの離脱が可能となっている。
【0014】
従って、例えば次のようなシーケンスにより、ステージの交換が可能となる。すなわち、第1の搬送ガイドに一方のステージが支持され、第2の搬送ガイドに他方のステージが支持されているとき、第1の搬送ガイドによる一方のステージの支持状態が解除され、第1のスライダが第2の移動ガイドから離れるように第2軸方向に移動する。これにより、一方のステージが第1のスライダに片持ち支持された第1の搬送ガイドに対して第2軸方向に相対移動し、第1の搬送ガイドから離脱される。その離脱後に、第1のスライダが第1軸方向に移動し、該第1のスライダに一端が片持ち支持された第1の搬送ガイドが、他方のステージを支持する第2の搬送ガイドにほぼ対向する位置まで移動する。そして、第1の搬送ガイドと第2の搬送ガイドとが最接近し、これら第1の搬送ガイドと第2の搬送ガイドとがほぼ一直線上に並んだ状態で、駆動系により他方のステージが第2、第1の搬送ガイドに対して第2軸方向に駆動されることにより、他方のステージが、第2の搬送ガイドから第1の搬送ガイドに移動する(受け渡される)。
【0015】
次いで、第2のスライダが第1軸方向に移動し、該第2のスライダに一端が片持ち支持された第2の搬送ガイドが、一方のステージに対向する位置まで移動する。そして、第1のスライダがその一方のステージに接近する方向(第2軸方向)に移動することにより、その一方のステージが第2の搬送ガイドによって支持される。
【0016】
このようにして、第1の搬送ガイドに一方のステージが支持され、第2の搬送ガイドに他方のステージが支持された状態から、第2の搬送ガイドに一方のステージが支持され、第1の搬送ガイドに他方のステージが支持された状態へ移行する。すなわち、このようにしてステージの交換を行うことができる。この場合、例えば上述の他方のステージの第2の搬送ガイドから第1の搬送ガイドへの受け渡しは、機械的につかむという不確実性を伴う動作を伴うことなく、駆動系によって高スループットでかつ非接触で行われるので、ステージの交換を高スループットで実現できる。また、ステージの交換のためのロボットアーム等の搬送機構を設ける必要も無いので、その分、ステージ装置の小型化を図ることも可能となる。
【0017】
この場合において、請求項2に記載のステージ装置の如く、前記駆動系は、前記第1、第2の搬送ガイドを構成する2つの固定子ユニットと、前記各ステージにそれぞれ設けられ、前記各固定子ユニットとの間の個別の電磁相互作用により対応するステージに対する駆動力を発生する2つの可動子ユニットとを含む構成とすることができる。この場合、2つの固定子ユニットそれぞれが第1、第2の搬送ガイドであっても良いし、あるいは、固定子ユニットとガイドとを含んで第1、第2の搬送ガイドとすることとしても良い。
【0018】
この場合において、請求項3に記載のステージ装置の如く、前記駆動系は、前記各ステージを、前記第2軸方向に駆動するとともに、前記2次元平面内の3自由度方向に微小駆動することとすることができる。
【0019】
この場合において、請求項4に記載のステージ装置の如く、前記駆動系は、前記各ステージを、前記2次元平面に直交する第3軸方向に関しても微小駆動することとすることができる。
【0020】
この場合において、請求項5に記載のステージ装置の如く、前記駆動系は、前記各ステージを、6自由度方向に関して微小駆動することとすることができる。
【0021】
上記請求項4及び5に記載の各ステージ装置において、請求項6に記載のステージ装置の如く、前記2つのステージを移動可能に支持するステージベース(SB)を更に備え、前記各ステージは、前記駆動系が発生する前記第3軸方向の駆動力により前記ステージベース上方で非接触支持され、該駆動力の停止により前記ステージベース上に載置される構成とすることができる。
【0022】
上記請求項1〜6に記載の各ステージ装置において、請求項7に記載のステージ装置の如く、前記第1、第2の搬送ガイドと前記各ステージとの位置関係を検出する検出装置(SS)を更に備えることとすることができる。
【0023】
請求項8に記載の発明は、2次元平面の直交2軸方向に独立して移動可能な第1、第2の移動体と;前記2次元面内で移動可能な2つのステージ(WST1,WST2)と;前記各ステージを、前記第1、第2の移動体に対して非接触で支持し、前記各移動体に対して少なくとも前記2次元面内の直交2軸方向に関して微小駆動するとともに、前記第1、第2の移動体が近接した状態で、前記各ステージを前記一方の移動体から前記他方の移動体に移動させる駆動機構と;を備えるステージ装置である。
【0024】
これによれば、駆動機構により、2次元面内で移動可能な2つのステージが、第1、第2の移動体に対して非接触で支持され、各移動体に対して少なくとも2次元面内の直交2軸方向に関して微小駆動される。また、駆動機構により、第1、第2の移動体が近接した状態で、各ステージが一方の移動体から他方の移動体に移動される。
【0025】
この場合、第1、第2の移動体のそれぞれに非接触で支持された2つのステージを、その支持状態で、2次元面内の直交2軸方向に関して微小駆動する駆動機構が、第1、第2の移動体が近接した状態で、各ステージを一方の移動体から他方の移動体に移動する際にも用いられるので、ステージが、高スループットで、第1、第2の移動体間を非接触で移動する(すなわち、第1、第2の移動体間でステージを非接触かつ高スループットで交換する)ことが可能となる。また、ステージの交換のためのロボットアーム等の搬送機構を設ける必要も無いので、その分、ステージ装置の小型化を図ることも可能となる。
【0026】
この場合において、請求項9に記載のステージ装置の如く、前記駆動機構は、前記各ステージを前記第1、第2の移動体に対して非接触で支持し、6自由度方向に微小駆動する構成とすることができる。
【0027】
上記請求項8及び9に記載の各ステージ装置において、請求項10に記載のステージ装置の如く、前記各移動体と前記各ステージとの位置関係を検出する検出装置(SS)を、更に備える構成とすることができる。
【0028】
上記請求項1〜10に記載の各ステージ装置において、請求項11に記載のステージ装置の如く、前記各ステージのステージ座標系上での位置情報を検出する位置検出装置(116,118,146,148)を更に備える構成とすることができる。
【0029】
請求項12に記載の発明は、エネルギビーム(IL)により感光物体(W)を露光して所定のパターンを前記感光物体上に形成する露光装置であって、前記各ステージに前記感光物体がそれぞれ載置される請求項1〜11のいずれか一項に記載のステージ装置と;いずれかの前記ステージが第1位置の近傍にあるときに、そのステージに載置された前記感光物体を前記エネルギビームで露光する露光部(12、PL)と;いずれかの前記ステージが前記第1位置から離れた第2位置の近傍にあるときに、そのステージに載置された前記感光物体に形成された位置検出用マークを検出するマーク検出系(ALG)と;を備える露光装置である。
【0030】
これによれば、露光部では、いずれかのステージが第1位置の近傍にあるときに、露光部によりそのステージに載置された感光物体をエネルギビームで露光する。また、マーク検出系では、いずれかのステージが第1位置から離れた第2位置の近傍にあるときに、そのステージに載置された感光物体に形成された位置検出用マークを検出する。ここで、請求項1〜11に記載の各ステージ装置は、ステージを2つ備えており、各ステージに感光物体がそれぞれ載置される。
【0031】
従って、一方のステージ上に載置された感光物体に対する露光部による露光と、他方のステージ上に載置された感光物体に形成された位置検出用マークのマーク検出系による検出とを、並行して行うことができる。また、請求項1〜11に記載の各ステージ装置は、前述の如く、高スループットのステージ交換が可能なので、2つのステージを用いて露光、マーク検出及び感光物体の交換の同時並行処理を、ステージを交換しながら、高いスループットで実現できる。また、マーク検出系を2つ用意する必要がないので、フットプリントが増大するのも防止することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を図1〜図10(B)に基づいて説明する。図1には、一実施形態の露光装置10が概略的に示されている。
【0033】
この露光装置10は、マスクとしてのレチクルRと物体(及び感光物体)としてのウエハW1(又はW2)とを一次元方向(ここでは、図1における紙面左右方向であるY軸方向とする)に同期移動しつつ、レチクルRに形成された回路パターンを投影光学系PLを介してウエハW1(又はW2)上の複数のショット領域にそれぞれ転写する、ステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置、すなわちいわゆるスキャニング・ステッパ(スキャナとも呼ばれる)である。
【0034】
露光装置10は、エネルギビームとしての照明光ILによりレチクルRを照明する照明系12、レチクルRが載置されるマスクステージとしてのレチクルステージRST、レチクルRから射出される照明光ILをウエハW1(又はW2)上に投射する投影光学系PL、ウエハW1,W2がそれぞれ載置される2つのステージ、すなわちウエハステージWST1、WST2を含むステージ装置20、マーク検出系としてのアライメント系ALG、及び装置全体を統括制御する主制御装置50等を備えている。
【0035】
前記照明系12は、光源、及び照明光学系を含み、その内部に配置された視野絞り(マスキングブレード又はレチクルブラインドとも呼ばれる)で規定される矩形又は円弧状の照明領域IARにエネルギビームとしての照明光ILを照射し、回路パターンが形成されたレチクルRを均一な照度で照明する。照明系12と同様の照明系は、例えば特開平6−349701号公報などに開示されている。ここで、照明光ILとしては、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)などの遠紫外光、あるいはF2レーザ光(波長157nm)などの真空紫外光などが用いられる。照明光ILとして、超高圧水銀ランプからの紫外域の輝線(g線、i線等)を用いることも可能である。
【0036】
前記レチクルステージRST上には、レチクルRが、例えば真空吸着により固定されている。レチクルステージRSTは、レチクルステージ駆動部22によって、照明系12の光軸(投影光学系PLの光軸AXに一致)に垂直なXY平面内でX軸方向、Y軸方向及びθz方向(Z軸回りの回転方向)に微少駆動可能であるとともに、不図示のレチクルステージベースの上面に沿って所定の走査方向(Y軸方向)に指定された走査速度で駆動可能となっている。なお、レチクルステージ駆動部22は、リニアモータ、ボイスコイルモータ等を駆動源とする機構であるが、図1では図示の便宜上から単なるブロックとして示されている。なお、レチクルステージRSTとしては、Y軸方向に一次元駆動する粗動ステージと、該粗動ステージに対してレチクルRを少なくとも3自由度方向(X軸方向、Y軸方向、及びθz方向)に微小駆動可能な微動ステージとを有する粗微動構造のステージを採用しても勿論良い。
【0037】
レチクルステージRSTのXY面内の位置(θz回転を含む)は、レチクルレーザ干渉計(以下、「レチクル干渉計」という)16によって、レチクルステージRST端部に形成された(又は設けられた)反射面を介して、例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時検出される。レチクル干渉計16からのレチクルステージRSTの位置情報(θz回転量(ヨーイング量)などの回転情報を含む)は主制御装置50に供給される。主制御装置50では、レチクルステージRSTの位置情報に基づいてレチクルステージ駆動部22を介してレチクルステージRSTを駆動制御する。
【0038】
前記投影光学系PLとしては、物体面側(レチクル側)と像面側(ウエハ側)の両方がテレセントリックでその投影倍率が1/4(又は1/5)の縮小系が用いられている。このため、レチクルRに照明系12から照明光(紫外パルス光)ILが照射されると、レチクルR上に形成された回路パターン領域のうちの紫外パルス光によって照明された部分からの結像光束が投影光学系PLに入射し、その照明光ILの照射領域(前述の照明領域IAR)内の回路パターンの像(部分倒立像)が紫外パルス光の各パルス照射の度に投影光学系PLの像面側の視野の中央にX軸方向に細長いスリット状(又は矩形状(多角形))に制限されて結像される。これにより、投影された回路パターンの部分倒立像は、投影光学系PLの結像面に配置されたウエハW1又はW2上の複数のショット領域のうちの1つのショット領域表面のレジスト層に縮小転写される。
【0039】
投影光学系PLとしては、照明光ILとしてKrFエキシマレーザ光又はArFエキシマレーザ光などを用いる場合には、屈折光学素子(レンズ素子)のみから成る屈折系が主として用いられるが、照明光ILとしてF2レーザ光を用いる場合には、例えば特開平3−282527号公報に開示されるような、屈折光学素子と反射光学素子(凹面鏡やビームスプリッタ等)とを組み合わせたいわゆるカタディオプトリック系(反射屈折系)、あるいは反射光学素子のみから成る反射系が主として用いられる。但し、F2レーザ光を用いる場合に、屈折系を用いることは可能である。
【0040】
前記ステージ装置20は、投影光学系PLの図1における下方に配置されたステージベースSB、該ステージベースSBの上方で独立してXY2次元面内で移動するウエハステージWST1、WST2、及び該ウエハステージWST1,WST2を駆動する駆動系等を備えている。
【0041】
前記ステージベースSBは、長方形板状の定盤から成り(図2参照)、クリーンルームの床面F上で複数(例えば3つ)の防振ユニット91(但し、図1における紙面奥側の防振ユニットは不図示)を介して略水平(XY面に平行)に支持されている。この場合、複数の防振ユニット91によって、床面FからステージベースSBに伝達される微振動(暗振動)が、マイクロGレベルで絶縁されている。なお、各防振ユニット91として、ステージベースSBの所定個所にそれぞれ固定された半導体加速度計等の振動センサの出力に基づいてステージベースSBをそれぞれ積極的に制振する、いわゆるアクティブ防振装置を用いることは勿論可能である。
【0042】
図2には、ステージ装置20が、投影光学系PL、アライメント系ALG等とともに、斜視図にて概略的に示されている。また、図3には、図2の状態から、干渉計システム(116,118,146,148)及びウエハステージWST1、WST2が取り除かれた状態の、ステージ装置20の残部が斜視図にて示されている。以下、これら図2、図3を中心として、適宜他の図面を参照しつつ、ステージ装置20の構成各部について説明する。
【0043】
前記ステージ定盤SB上面のX軸方向一側(−X側)と他側(+X側)の端部には、一対のY軸リニアガイド83Y1,83Y2が、Y軸方向にそれぞれ延設されている。これらのY軸リニアガイド83Y1,83Y2は、Y軸方向を長手方向とする四角柱状の筐体と、該筐体内にY軸方向に沿って所定間隔で配置された複数の電機子コイルとを有する電機子ユニットによって構成されている。
【0044】
前記一方のY軸リニアガイド83Y1には、断面逆U字状の2つのY軸スライダ84Y1、85Y1が、非接触で係合されている。この場合、Y軸スライダ84Y1、85Y1のそれぞれは、その内面がY軸リニアガイド83Y1の上面及び両側面に対して非接触で対向する状態で、不図示の気体静圧軸受などを介して支持されている。Y軸スライダ84Y1、85Y1の対向する一対の内面には、複数の永久磁石がY軸方向に所定間隔で配置され、相互に隣接する永久磁石同士、相互に対向する永久磁石同士は、ともに逆極性とされている。このため、Y軸スライダ84Y1、85Y1の内部空間には、Y軸方向に沿って交番磁界(+X方向及び−X方向を磁界の向きとする)が形成されている。従って、Y軸スライダ84Y1、85Y1それぞれの内部の交番磁界とY軸リニアガイド83Y1を構成する電機子コイルを流れる電流との間の電磁相互作用により、Y軸スライダ84Y1、85Y1を、Y軸リニアガイド83Y1に沿って、個別に駆動するY軸方向の駆動力が発生するようになっている。すなわち、Y軸スライダ84Y1とY軸リニアガイド83Y1とによってムービングマグネット型のY軸リニアモータが構成され、Y軸スライダ85Y1とY軸リニアガイド83Y1とによってムービングマグネット型のY軸リニアモータが構成されている。以下では、これらのY軸リニアモータのそれぞれを、それぞれの可動子を構成するスライダ84Y1,85Y1と同一の符号を用いて、適宜、Y軸リニアモータ84Y1、Y軸リニアモータ85Y1と呼ぶものとする。
【0045】
前記他方のY軸リニアガイド83Y2には、Y軸スライダ84Y1、85Y1と同様に構成された逆U字状の2つのY軸スライダ84Y2、85Y2が、Y軸スライダ84Y1、85Y1と同様にして非接触で係合している。この場合、Y軸スライダ84Y2とY軸リニアガイド83Y2とによってムービングマグネット型のY軸リニアモータが構成され、Y軸スライダ85Y2とY軸リニアガイド83Y2とによってムービングマグネット型のY軸リニアモータが構成されている。以下では、これらのY軸リニアモータのそれぞれを、それぞれの可動子を構成するスライダ84Y2,85Y2と同一の符号を用いて、適宜、Y軸リニアモータ84Y2、Y軸リニアモータ85Y2と呼ぶものとする。
【0046】
前記Y軸スライダ84Y1、84Y2は、X軸方向に延びる第1の移動ガイドとしてのX軸リニアガイド72Xの長手方向の一端部と他端部とにそれぞれ固定されている。同様に、前記Y軸スライダ85Y1、85Y2は、X軸方向に延びる第2の移動ガイドとしてのX軸リニアガイド74Xの長手方向の一端部と他端部とにそれぞれ固定されている。これらX軸リニアガイド72X,74Xは、X軸方向を長手方向とする四角柱状の筐体と、該筐体の内部にX軸方向に沿って所定間隔で配置された複数の電機子コイルとを有する電機子ユニットである。
【0047】
前記一方のX軸リニアガイド72Xには、断面矩形枠状の形状を有する第1のスライダとしてのX軸スライダ73Xが、その4面(上下面及び両側面)を取り囲む状態で、かつ不図示の気体静圧軸受を介して非接触で設けられている。このX軸スライダ73Xの内側の上下対向面には、X軸方向に沿って所定間隔で複数の永久磁石がそれぞれ配置され、相互に隣接する永久磁石同士、相互に対向する永久磁石同士は、ともに逆極性とされている。このため、X軸スライダ73Xの内部空間には、X軸方向に沿って交番磁界(+Z方向及び−Z方向を磁界の向きとする)が形成されている。このため、X軸スライダ73X内部の交番磁界とX軸リニアガイド72Xを構成する複数の電機子コイルを流れる電流との間の電磁相互作用により、X軸スライダ73XをX軸リニアガイド72Xに沿って駆動するX軸方向の駆動力が発生するようになっている。すなわち、X軸スライダ(磁極ユニット)72XとX軸リニアガイド73Xとによって、ムービングマグネット型のX軸リニアモータが構成されている。以下では、このX軸リニアモータをその可動子であるX軸スライダと同一の符号を用いてX軸リニアモータ73Xとも呼ぶものとする。
【0048】
前記他方のX軸リニアガイド74Xには、X軸スライダ73Xと同様に構成された断面矩形枠状の形状を有する第2のスライダとしてのX軸スライダ75Xが、その4面(上下面及び両側面)を取り囲む状態で、前述と同様にして非接触で設けられている。この場合、X軸スライダ(磁極ユニット)75XとX軸リニアガイド74Xとによって、ムービングマグネット型のX軸リニアモータが構成されている。以下では、このX軸リニアモータをその可動子であるX軸スライダと同一の符号を用いてX軸リニアモータ75Xとも呼ぶものとする。
【0049】
前記X軸スライダ73Xの+Y側の側面には、図3に示されるように、取り付け板691を介してY軸方向に延びる固定子群を含む第1の搬送ガイドとしてのフォーク部671が片持ち支持状態で固定されている。これと同様に、前記X軸スライダ75Xの−Y側の側面には、図3に示されるように、取り付け板692を介してY軸方向に延びる固定子群を含む第2の搬送ガイドとしてのフォーク部672が片持ち支持状態で固定されている。
【0050】
これをさらに詳述すると、前記一方のフォーク部671は、図4(A)に拡大して示されるように、6つの固定子SX、SY1、SY2、SY3、SZ1、SZ2と、ガイド棒GB1とを備えている。
【0051】
前記固定子SXは、Y軸方向を長手方向とし、ほぼXY平面に平行になるようにその長手方向一端が前記取り付け板691に固定された筐体と、該筐体の内部に配置された1又は複数の電機子コイル、例えばX軸方向に所定間隔で配置されたY軸方向に細長く延びる長方形状の一対の電機子コイルとを有する。
【0052】
前記固定子SY1、SY2は、前記固定子SXの上下にそれぞれ所定間隔をあけてほぼ平行になるように配置され、それぞれの長手方向一端が前記取り付け板691に固定されている。これらの固定子SY1、SY2は、Y軸方向を長手方向とする筐体と、該筐体内にY軸方向に沿って所定間隔で配設された不図示の複数の電機子コイルとを有する。
【0053】
前記固定子SY3は、前記固定子SX、SY1,SY2から−X側に所定間隔隔てた位置に配置され、Y軸方向を長手方向とし、その長手方向一端が前記取り付け板691に固定された筐体と、該筐体内にY軸方向に所定間隔で配設された不図示の複数の電機子コイルとを有する。
【0054】
前記固定子SZ1、SZ2は、固定子SX、SY1,SY2の+X側及び固定子SY3の−X側にそれぞれ配置され、Y軸方向を長手方向とし、その長手方向一端が前記取り付け板691に固定された筐体と、該筐体内部に配置された1つ又は複数の電機子コイル、例えばZ軸方向に所定間隔で配置されたY軸方向に細長く延びる長方形状の一対の電機子コイルとを有する。
【0055】
前記ガイド棒GB1は、前記取り付け板691にその長手方向一端が接続された角柱状部材から成り、その長手方向他端部(先端部)近傍には、複数の静電容量センサから成る検出装置としてのセンサ群SSが埋め込まれている。このセンサ群SSにより、ウエハステージWST1とフォーク部671とのX、Z軸方向及びθx,θy,θz方向の相対位置を計測することが可能となっている(これについては後述する)。
【0056】
図3に戻り、前記他方のフォーク部672も、上述したフォーク部671と同様に、X軸スライダ75Xの−Y側面に取り付け板692を介して設けられている。このフォーク部672は、図6(A)に示されるように、6つの固定子TX,TY1,TY2,TY3、TZ1,TZ2と、ガイド棒GB2とを備えている。上記6つの固定子TX,TY1,TY2,TY3、TZ1,TZ2及びガイド棒GB2は、前述したフォーク部671を構成する6つの固定子SX,SY1,SY2,SY3、SZ1,SZ2及びガイド棒GB1と対称の配置で取り付け板692に、それぞれの長手方向の一端が固定されている。この場合、対応する固定子同士(具体的には、固定子TXと固定子SX、固定子TY1と固定子SY1、固定子TY2と固定子SY2、固定子TY3と固定子SY3、固定子TZ1と固定子SZ1、固定子TZ2と固定子SZ2)、ガイド棒GB1,GB2同士が、相互に対向することができ、かつ最接近した状態では、見かけ上1本の固定子などを構成し得る配置となっている。また、上記の対応する固定子同士、ガイド棒同士の構成は、全く同様になっている。従って、フォーク部672の詳細構成については、説明を省略する。
【0057】
前記一方のウエハステージWST1は、図2に示されるように、XZ断面略T字状のウエハステージ本体63と、該ウエハステージ本体63に所定の位置関係でかつ一体的に固定された可動子群とを備え、全体として概略直方体状の形状を有している。このうち、ウエハステージ本体63は、軽量且つ高剛性の素材、例えば金属基複合材(金属とセラミックスの複合体(アルミ合金又は金属シリコンをマトリックス材として、その中に各種セラミックス強化材を複合化させた素材))により構成されている。
【0058】
ウエハステージWST1を構成する前記可動子群は、図4(B)に示されるように、6つの可動子DX、DY1、DY2、DY3、DZ1、DZ2を含む。
【0059】
前記可動子DX、DY1、DY2は、それぞれ前述の固定子SX、SY1、SY2に対応するもので、これらの固定子の配置に対応して可動子DY1、DX、DY2の順で上下に積層された状態で、XZ断面略T字状のウエハステージ本体63の+X側かつ−Z側の空間に固定されている。また、前記可動子DY3、DZ2は、それぞれ前述の固定子SY3、SZ2に対応するもので、これらの固定子の配置に対応して可動子DY3、DZ2の順で、XZ断面略T字状のウエハステージ本体63の−X側かつ−Z側の空間に固定されている。この場合、ウエハステージ本体63と、DX、DY1、DY2、DY3、DZ2によって、図4(B)に示されるように、全体として1つの直方体が構成されている。
【0060】
前記可動子DZ1は、前述の固定子SZ1に対応するもので、上下に積層された状態の固定子SX、SY1、SY2の+X側の端面に固定されている。
【0061】
これをさらに詳述すると、前記可動子DXは、図4(B)に示されるように、XZ断面が矩形枠状の磁性体から成る枠状部材56と、該枠状部材56の内側の上下の対向面(上面及び下面)にそれぞれ固定されたY軸方向に細長く延びる一対の永久磁石58A、58Bとを備えている。永久磁石58Aと永久磁石58Bとは、互いに逆極性とされている。従って、永久磁石58Aと永久磁石58Bとの間には、磁束の向きが+Z方向(又は−Z方向)の磁界が生じている。そして、図5に示される、ウエハステージWST1と一方のフォーク部671との係合状態では、固定子SXが永久磁石58A,58Bの間に挿入されるようになっており、固定子SXを構成する一対の電機子コイルそれぞれのほぼ内側の半分の部分が、上記の永久磁石58Aと永久磁石58Bとの間の磁界中に含まれるようになっている。従って、その一対の電機子コイルそれぞれに相互に逆向きの電流を流すことにより、上記磁界中では、それぞれの電機子コイルに流れる電流の向きがいずれも+Y向き(又は−Y向き)になるようになっており、各電機子コイルを流れる電流と、永久磁石58Aと永久磁石58Bとの間の磁界との間の電磁相互作用により発生するローレンツ力により、可動子DX(及びウエハステージWST1)が固定子SXに対してX軸方向に微小駆動されるようになっている。すなわち、固定子SXと可動子DXとによって、ウエハステージWST1を、X軸方向に微小駆動するX軸微動モータVXが構成されている(図5参照)。
【0062】
前記可動子DY1は、図4(B)に示されるように、前記可動子DXの上側に配置されており、XZ断面が矩形で全体として筒状のヨーク52と、該ヨーク52内部の上下対向面にY軸方向に沿って所定間隔でそれぞれ配設された複数の界磁石54とを有している。この場合、Y軸方向に隣り合う界磁石54同士、Z軸方向で向かい合う界磁石54同士が相互に逆極性とされている。このため、ヨーク52の内部空間には、Y軸方向に関して交番磁界(+Z方向及び−Z方向を磁界の向きとする)が形成されている。
【0063】
そして、図5に示される、ウエハステージWST1と一方のフォーク部671との係合状態では、前述した固定子SY1がヨーク52の内部空間に挿入されるようになっており、固定子SY1を構成する複数の電機子コイルを流れる電流と、可動子DY1のヨーク52の内部空間の交番磁界との間の電磁相互作用により発生するローレンツ力によって、可動子DY1にはY軸方向の駆動力が作用し、可動子DY1が固定子SY1に沿ってY軸方向に駆動されるようになっている。すなわち、本実施形態では、固定子SY1と可動子DY1とによって、ムービングマグネット型のリニアモータから成る、第1のY軸リニアモータLY1が構成されている(図5参照)。
【0064】
前記可動子DY2は、図4(B)に示されるように、前記可動子DXの下側に配置されており、その構成等は、上記可動子DY1と同様とされている。従って、図5に示される、ウエハステージWST1と一方のフォーク部671との係合状態では、可動子DY2にはY軸方向の駆動力が作用し、可動子DY2が固定子SY2に沿って、Y軸方向に駆動される。すなわち、本実施形態では、固定子SY2と可動子DY2とによって、ムービングマグネット型のリニアモータから成る、第2のY軸リニアモータLY2が構成されている(図5参照)。
【0065】
前記可動子DY3は、図4(B)に示されるように、前記可動子DY1,DY2と設置方向及び大きさは異なるが同様に構成されている。従って、図5に示される、ウエハステージWST1と一方のフォーク部671との係合状態では、可動子DY3にはY軸方向の駆動力が作用し、可動子DY3が固定子SY3に沿って、Y軸方向に駆動される。すなわち、本実施形態では、固定子SY3と可動子DY3とによって、ムービングマグネット型のリニアモータから成る、第3のY軸リニアモータLY3が構成されている(図5参照)。
【0066】
本実施形態では、第1,第2のY軸リニアモータLY1、LY2それぞれの駆動力をf、第3のY軸リニアモータLY3の駆動力を2×fとすることで、ウエハステージWST1をフォーク部671に対してY軸方向に駆動(ほぼ重心駆動)することができる。また、第1、第2のY軸リニアモータLY1,LY2の発生する駆動力を異ならせることで、ウエハステージWST1をX軸回りの回転方向(ピッチング方向)に微小駆動することが可能であるとともに、第1、第2のY軸リニアモータLY1,LY2の発生する駆動力の合力と第3のY軸リニアモータLY3の発生する駆動力とを異ならせることで、ウエハステージWST1をZ軸回りの回転方向(ヨーイング方向)に微小駆動することが可能である。
【0067】
なお、上述の如く、本実施形態では、上記3つのY軸リニアモータLY1、LY2、LY3の発生する駆動力により、ウエハステージWST1をフォーク部671に対してY軸方向に駆動することができるが、通常の露光時には、これらのY軸リニアモータLY1、LY2、LY3は、ウエハステージWST1のY軸方向の微小駆動用に用いられ、ウエハステージWST1のY軸方向に関する粗動には、前述のY軸リニアモータ84Y1、84Y2が用いられる。
【0068】
前記可動子DZ1は、図4(B)に示されるように、可動子DX,DY1,DY2の+X側に設けられており、XZ断面矩形枠状の磁性体から成る枠状部材60と、該枠状部材60の内側の一対の対向面(±X側の面)にそれぞれ設けられたX軸方向に細長く延びる一対の永久磁石62A、62Bとを備えている。永久磁石62Aと永久磁石62Bとは、互いに逆極性とされている。従って、永久磁石62Aと永久磁石62Bとの間には、磁束の向きが+X方向(又は−X方向)の磁界が生じている。そして、図5に示される、ウエハステージWST1と一方のフォーク部671との係合状態では、固定子SZ1が永久磁石62A,62Bの間に挿入されるようになっており、固定子SZ1を構成する一対の電機子コイルそれぞれのほぼ内側の半分の部分が、上記の永久磁石62Aと永久磁石62Bとの間の磁界中に含まれるようになっている。その一対の電機子コイルそれぞれに相互に逆向きの電流を流すことにより、上記磁界中では、それぞれの電機子コイルに流れる電流の向きがいずれも+Y向き(又は−Y向き)になるようになっている。従って、各電機子コイルを流れる電流と、永久磁石62Aと永久磁石62Bとの間の磁界との間の電磁相互作用により発生するローレンツ力により、可動子DZ1(及びウエハステージWST1)が固定子SZ1に対してZ軸方向に微小駆動されるようになっている。
【0069】
すなわち、本実施形態では、可動子DZ1と、固定子SZ1とによって、ウエハステージWST1をZ軸方向に微小駆動する第1のZ軸微動モータVZ1が構成されている(図5参照)。
【0070】
前記可動子DZ2は、前記可動子DY3の−X側に配置され、その構成は、前記可動子DZ1と同様とされている。そして、図5に示される、ウエハステージWST1と一方のフォーク部671との係合状態では、可動子DZ2と、固定子SZ2とによって、ウエハステージWST1(及び可動子DZ2)を固定子SZ2に対してZ軸方向に微小駆動する第2のZ軸微動モータVZ2が構成される(図5参照)。
【0071】
本実施形態の場合、上記第1、第2のZ軸微動モータVZ1,VZ2の発生する駆動力を同一とすることで、ウエハステージWST1をZ軸方向に微小駆動することができるとともに、各Z軸微動モータの駆動力を異ならせることにより、ウエハステージWST1をY軸回りの回転方向(ローリング方向)に微小駆動することが可能である。
【0072】
以上のように、本実施形態では、X軸微動モータVX、第1〜第3のY軸リニアモータLY1〜LY3、及び第1、第2のZ軸微動モータVZ1、VZ2により、ウエハステージWST1を、フォーク部671に対して6自由度方向に微小駆動する6自由度駆動機構が構成されている。
【0073】
本実施形態では、6自由度駆動機構を構成する各モータの固定子を構成する各電機子コイルに供給される電流の大きさ及び方向が、主制御装置50によって制御されるようになっており、これによって、それぞれのモータの発生する駆動力の大きさ及び方向が任意に制御されるようになっている。また、主制御装置50は、必要に応じて、ウエハステージWST1の自重につりあうZ軸方向の力を、第1、第2のZ軸微動モータVZ1,VZ2に発生させることで、ウエハステージWST1をステージベースSB上方で非接触にて支持することとしている。
【0074】
なお、説明が前後したが、ウエハステージ本体63には、図4(B)に示されるように、Y軸方向に沿って貫通孔65が形成されており、ウエハステージWST1がフォーク部671と係合した図5の状態では、ガイド棒GB1が貫通孔65に挿入された状態となる。従って、この図5の状態では、前記センサ群SSにより、ガイド棒GB1とウエハステージ本体63とのY軸方向を除く5自由度方向の位置関係を検出することが可能である。主制御装置50は、センサ群SSの検出結果に基づいて、必要に応じて前述の6自由度駆動機構を構成する各モータを制御してガイド棒GB1とウエハステージ本体63との位置関係を調整するようになっている。
【0075】
ところで、本実施形態においては、前述のようにフォーク部672を構成する6つの固定子TX,TY1,TY2,TY3、TZ1,TZ2及びガイド棒GB2は、フォーク部671を構成する6つの固定子SX,SY1,SY2,SY3、SZ1,SZ2及びガイド棒GB1とそれぞれ同様に構成され、かつ対称の配置となっていることから、ウエハステージWST1は、一方のフォーク部671のみならず、他方のフォーク部672に対しても、反対方向から上記と同様に係合可能である。
【0076】
この場合、ウエハステージWST1の可動子DXと固定子TX(図6(A)参照)、可動子DY1と固定子TY1(図6(A)参照)、可動子DY2と固定子TY2(図6(A)参照)、可動子DY2と固定子TY2(図6(A)参照)、可動子DZ1と固定子TZ1(図6(A)参照)、可動子DZ2と固定子TZ2(図6(A)参照)が、それぞれ係合する。
【0077】
従って、ウエハステージWST1と他方のフォーク部672が係合した状態では、固定子TXを構成する電機子コイルを流れるY軸方向の電流と、可動子DX内部空間の磁束の向きが+Z方向(又は−Z方向)の磁界との間の電磁相互作用により生じるローレンツ力により可動子DX(及びウエハステージWST1)が固定子TXに対してX軸方向に微小駆動される。この場合、可動子DXと、固定子TXとによって、ウエハステージWST1をX軸方向に微小駆動するX軸微動モータが構成されることとなる。
【0078】
また、ウエハステージWST1と他方のフォーク部672が係合した状態では、固定子TY1を構成する電機子コイルを流れる電流と、可動子DY1内部のY軸方向に関する交番磁界との間の電磁相互作用により発生するローレンツ力によって、可動子DY1が固定子TY1に沿ってY軸方向に駆動される。すなわち、可動子DY1と固定子TY1とにより、Y軸リニアモータが構成される。同様に可動子DY2と固定子TY2、可動子DY3と固定子TY3によってY軸リニアモータがそれぞれ構成される。
【0079】
また、ウエハステージWST1と他方のフォーク部672が係合した状態では、固定子TZ1を構成する電機子コイルを流れるY軸方向の電流と、可動子DZ1内部の磁束の向きが+X方向(又は−X方向)の磁界との間の電磁相互作用により発生するローレンツ力により、可動子DZ1(及びウエハステージWST1)がZ軸方向に微小駆動される。すなわち、可動子DZ1と固定子TZ1とによりZ軸微動モータが構成される。同様に、可動子DZ2と固定子TZ2とによりZ軸微動モータが構成される。
【0080】
このように、ウエハステージWST1とフォーク部672とが係合した状態においても、上記のX軸微動モータ、3つのY軸リニアモータ、及び2つのZ軸微動モータによって、ウエハステージWST1を、フォーク部672に対して6自由度方向に微小駆動する6自由度駆動機構が構成される。そして、この6自由度駆動機構を構成する各モータの固定子を構成する各電機子コイルに供給される電流の大きさ及び方向が、主制御装置50によって制御されるようになっている。
【0081】
また、ウエハステージWST1とフォーク部672とが係合した状態では、ウエハステージ本体63に形成された貫通孔65内部に、ガイド棒GB2が挿入されるので、この状態では、ガイド棒GB2に設けられたセンサ群により、ガイド棒GB2とウエハステージ本体63との位置関係を前述と同様に検出することが可能となっている。
【0082】
前記他方のウエハステージWST2は、図6(B)に示されるように、上述したウエハステージWST1と同様、例えば、前記金属基複合材等の軽量且つ高剛性の部材で構成されたXZ断面略T字状のウエハステージ本体63’と、該ウエハステージ本体63’に一体的に固定された可動子群とを備えている。この場合、ウエハステージWST2のウエハステージ本体63’周辺には、図6(B)に示されるように、ウエハステージWST1側の可動子DXと同様の構成を有する可動子DX’と、ウエハステージWST1側の可動子DY1〜DY3と同様の構成を有する可動子DY1’〜DY3’と、ウエハステージWST1側の可動子DZ1,DZ2と同様の構成を有する可動子DZ1’,DZ2’とがウエハステージWST1側と同様の配置で設けられている。
【0083】
従って、図2に示されるように、ウエハステージWST2とフォーク部672とが係合した状態では、前述したウエハステージWST1の場合と同様に、ウエハステージWST2の可動子群とフォーク部672の固定子群とにより、ウエハステージWST2が6自由度方向に駆動可能とされている。
【0084】
また、ウエハステージWST2を構成するウエハステージ本体63’にも、図6(B)に示されるように、ウエハステージWST1側のウエハステージ本体63と同様に、ガイド棒GB2に対応して貫通孔65’が形成されており、ウエハステージWST2とフォーク部672とが係合した状態では、ガイド棒GB2が貫通孔65’に挿入され、ガイド棒GB2とウエハステージWST2との位置関係を検出することが可能となっている。
【0085】
さらに、ウエハステージWST2も、フォーク部672のみならず、フォーク部671にも係合可能とされており、その係合状態では、ウエハステージWST2を構成する可動子群とフォーク部671を構成する固定子群とにより、前述と同様に、ウエハステージWST2が6自由度方向に駆動可能とされている。このウエハステージWST2がフォーク部671と係合した状態においても、貫通孔65’に挿入されたガイド棒GB1とウエハステージWST2との相対位置関係を検出することが可能となっている。
【0086】
これまでの説明から明らかなように、本実施形態のステージ装置20では、図2に示されるように、一方のウエハステージWST1が一方のフォーク部671と係合している状態では、ウエハステージWST1は、X軸リニアモータ73XとY軸リニアモータ84Y1,84Y2とによりX軸スライダ73Xと一体でX軸方向及びY軸方向へ長ストローク駆動される。また、フォーク部671を構成する前述の固定子群とウエハステージWST1を構成する前述の可動子群とによって構成される6自由度駆動機構によりフォーク部671に対して6自由度方向に微小駆動されるようになっている。更にウエハステージWST1が他方のフォーク部672と係合している状態では、ウエハステージWST1は、X軸リニアモータ75XとY軸リニアモータ85Y1,85Y2とによりX軸スライダ75Xと一体でX軸方向及びY軸方向へ長ストローク駆動される。そして、フォーク部672を構成する前述の固定子群とウエハステージWST1を構成する前述の可動子群とによって構成される6自由度駆動機構によりフォーク部672に対して6自由度方向に微小駆動されるようになっている。
【0087】
また、図2に示されるように、他方のウエハステージWST2がフォーク部672と係合している状態では、ウエハステージWST2は、X軸リニアモータ75XとY軸リニアモータ85Y1,85Y2とによりX軸スライダ75Xと一体でX軸方向及びY軸方向へ長ストローク駆動される。そして、フォーク部672を構成する前述の固定子群と、ウエハステージWST2を構成する前述の可動子群とによって構成される6自由度駆動機構によりフォーク部672に対して6自由度方向に微小駆動されるようになっている。また、ウエハステージWST2がフォーク部671と係合している状態では、ウエハステージWST2は、X軸リニアモータ73XとY軸リニアモータ84Y1,84Y2とによりX軸スライダ73Xと一体でX軸方向及びY軸方向へ長ストローク駆動される。そして、フォーク部671を構成する前述の固定子群とウエハステージWST2を構成する前述の可動子群とによって構成される6自由度駆動機構によりフォーク部671に対して6自由度方向に微小駆動されるようになっている。
【0088】
前記一方のウエハステージWST1の上面(+Z側面)には、図2に示されるように、Y軸方向の一側(−Y側)及び他側(+Y側)の端部に、X軸方向に延びるY移動鏡MY1a,MY1bがそれぞれ固定され、X軸方向の一側(+X側)の端部に、Y軸方向に延びるX移動鏡MX1が固定されている。移動鏡MY1a,MX1の各反射面には、後述する干渉計システムを構成するY干渉計116、X干渉計146からの干渉計ビーム(測長ビーム)がそれぞれ投射される。そして、Y干渉計116、X干渉計146で各反射面からの反射光をそれぞれ受光することにより、各反射面の基準位置(一般には投影光学系側面や、アライメント系の側面に固定ミラーを配置し、そこを基準面とする)からの変位が計測され、これにより、ウエハステージWST1の2次元位置が計測されるようになっている。なお、移動鏡MY1bの反射面には、図2の状態では、いずれの干渉計ビームも照射されていないが、後述するように、ウエハステージWST1とウエハステージWST2との交換が行われ、ウエハステージWST1がフォーク部672に係合し非接触で支持された状態では、干渉計システムを構成するY干渉計118からの干渉計ビーム(測長ビーム)が照射される。
【0089】
また、ウエハステージWST1の上面には、不図示のウエハホルダを介してウエハW1が静電吸着又は真空吸着により固定されている。
【0090】
同様に、他方のウエハステージWST2の上面(+Z側面)には、図2に示されるように、Y軸方向の一側(−Y側)及び他側(+Y側)の端部に、X軸方向に延びるY移動鏡MY2a,MY2bがそれぞれ固定され、X軸方向の一側(+X側)の端部には、Y軸方向に延びるX移動鏡MX2が固定されている。移動鏡MY2b,MX2の各反射面には、後述する干渉計システムを構成するY干渉計118、X干渉計148からの干渉計ビーム(測長ビーム)がそれぞれ投射され、Y干渉計118及びX干渉計148により、前述と同様にして、ウエハステージWST2の2次元位置が計測されるようになっている。なお、移動鏡MY2aの反射面には、図2の状態では、いずれの干渉計ビームも照射されていないが、後述するように、ウエハステージWST1とウエハステージWST2との交換が行われ、ウエハステージWST2がフォーク部671に係合し非接触で支持された状態では、干渉計システムを構成するY干渉計116からの干渉計ビーム(測長ビーム)が照射される。
【0091】
また、ウエハステージWST2の上面には、不図示のウエハホルダを介してウエハW2が静電吸着又は真空吸着により固定されている。
【0092】
なお、干渉計システムを構成する各干渉計は、図1では、図示が省略されている。
【0093】
図1に戻り、前記投影光学系PLの+Y側には、オフアクシス(off−axis)方式のマーク検出系としてのアライメント系ALGが、投影光学系PLの光軸(レチクルパターン像の投影中心とほぼ一致)より所定距離だけ離れた位置に設置されている。
【0094】
前記アライメント系ALGとしては、本実施形態では、画像処理方式の結像式アライメントセンサの一種であるFIA(Field Image Alignment)系のアライメントセンサが用いられている。このアライメント系ALGは、光源(例えばハロゲンランプ)及び結像光学系、検出基準となる指標マークが形成された指標板、及び撮像素子(CCD)等を含んで構成されている。このアライメント系ALGでは、光源からのブロードバンド(広帯域)光により検出対象であるマークを照明し、このマーク近傍からの反射光を結像光学系及び指標を介してCCDで受光する。このとき、マークの像が指標の像とともにCCDの撮像面に結像される。そして、CCDからの画像信号(撮像信号)に所定の信号処理を施すことにより、検出基準点である指標マークの中心を基準とするマークの位置を計測する。アライメント系ALGのようなFIA系のアライメントセンサは、アルミ層やウエハ表面の非対称マークの検出に特に有効である。
【0095】
本実施形態では、アライメント系ALGは、ウエハステージWST1,WST2上に保持されたウエハ上のアライメントマーク、不図示の基準マーク板上に形成された基準マークの位置(XY座標値)の計測等に用いられる。
【0096】
アライメント系ALGからの画像信号は、不図示のアライメント制御装置により、A/D変換され、デジタル化された波形信号を演算処理して指標中心を基準とするマークの位置が検出される。このマーク位置の情報が、不図示のアライメント制御装置から主制御装置50に送られるようになっている。
【0097】
また、図示は省略されているが、本実施形態では、アライメント系ALGには、合焦位置を調べるためのオートフォーカス/オートレベリング計測機構(以下、「AF/AL系」という)が設けられている。また、同様のAF/AL系は、投影光学系PLにも設けられている。このように、投影光学系PL及びアライメント系ALGに、AF/AL系を設けた露光装置の構成は、例えば特開平10−214783号公報に詳細に開示されており、公知であるから、AF/AL系の構成などについては詳細説明を省略するが、主制御装置50は、これらのAF/AL系の出力に基づいて、露光時は勿論、ウエハアライメント時においても、ウエハステージWST1,WST2の光軸方向位置及びXY面に対する傾斜を調整する、いわゆるオートフォーカス/オートレベリングを行うようになっている。
【0098】
次に、各ウエハステージの2次元位置を計測する位置検出装置としての干渉計システムについて、図2を参照しつつ説明する。なお、ウエハステージWST1、WST2は前述のように、フォーク部671,672のいずれにも係合可能とされているが、以下では説明の便宜上、ウエハステージWST1がフォーク部671に係合し、ウエハステージWST2がフォーク部672に係合した状態(図2に示される状態)での干渉計システムの機能について説明するものとする。
【0099】
図2おいて、ウエハステージWST1上の移動鏡MY1aの反射面には、Y軸干渉計116から投影光学系PLの光軸を通るY軸に平行な方向の干渉計ビーム(測長ビーム)BI1Yが照射されている。同様に、ウエハステージWST2上の移動鏡MY2bの反射面には、Y軸干渉計118からアライメント系ALGの検出中心(指標マークの中心)を通るY軸に平行な方向の干渉計ビーム測長軸BI2Yが照射されている。そして、Y軸干渉計116、118では移動鏡MY1a、MY2bからの反射光をそれぞれ受光することにより、各反射面の基準位置からの相対変位を計測し、ウエハステージWST1,WST2のY軸方向位置を計測する。ここで、Y軸干渉計116、118は、測長軸を少なくとも3軸有する多軸干渉計であり、ウエハステージWST1,WST2のY軸方向の位置情報の計測以外に、ピッチング(X軸回りの回転(θx回転))及びヨーイング(θz方向の回転)の計測が可能となっている。各測長軸の出力値は独立に計測できるようになっている。
【0100】
また、ウエハステージWST1上の移動鏡MX1の反射面には、X軸干渉計146から投影光学系PLの光軸を通り、Y軸干渉計116の干渉計ビームBI1Yと垂直に交差する干渉計ビーム(測長ビーム)BI1Xが照射されている。同様に、ウエハステージWST2上の移動鏡MX2の反射面には、X軸干渉計148からアライメント系ALGの検出中心(指標マークの中心)を通り、Y軸干渉計118の干渉計ビームBI2Yと垂直に交差する干渉計ビーム(測長ビーム)BI2Xが照射されている。そして、X軸干渉計146、148では移動鏡MX1、MX2からの反射光をそれぞれ受光することにより、各反射面の基準位置からの相対変位を計測し、ウエハステージWST1,WST2のX軸方向位置を計測するようになっている。ここで、X軸干渉計146、148は、測長軸を少なくとも3つ有する多軸干渉計であり、ウエハステージWST1,WST2のX軸方向の位置情報の計測以外に、ローリング(Y軸回りの回転(θy回転))及びヨーイング(θz方向の回転)の計測が可能となっている。各光軸の出力値は独立に計測できるようになっている。
【0101】
このように、本実施形態では、Y軸干渉計116、118及びX軸干渉計146,148の合計4つの干渉計によって、ウエハステージWST1,WST2のXY2次元座標位置を管理するウエハ干渉計システムが構成されている。このウエハ干渉計システムを構成する各干渉計の計測値は、主制御装置50に送られるようになっている。主制御装置50では、後述する露光時には、干渉計146、116の計測値に基づいて、ウエハステージWST1のXY面内の位置を、いわゆるアッベ誤差なく高精度に管理し、後述するウエハアライメント時(及びウエハ交換時)には、干渉計148、118の計測値に基づいて、ウエハステージWST2の位置を、いわゆるアッベ誤差なく高精度に管理するようになっている。
【0102】
但し、上述のように、本実施形態では、ウエハステージWST1はフォーク部672とも係合可能であるし、ウエハステージWST2はフォーク部671とも係合可能である。従って、ウエハステージWST1がフォーク部672に係合した状態では、ウエハステージWST1の位置は、干渉計118,148の計測値に基づいて管理されるようになっており、ウエハステージWST2がフォーク部671に係合した状態では、ウエハステージWST2の位置は、干渉計116,146の計測値に基づいて管理されるようになっている。
【0103】
更に、ウエハステージWST1,WST2のフォーク部間の移動の途中や、ウエハステージがフォーク部と係合していないときなど、状況によっては、干渉計システムのみでは各フォーク部の位置管理が困難となる。かかる点を考慮して、X軸スライダ73X,75XのX軸方向の位置を常時計測可能な不図示のリニアエンコーダが、X軸リニアガイド72X及び74XとX軸スライダ73X及び75Xとの間にそれぞれ設けられている。また、Y軸ガイド83Y1,83Y2の所定の一方、例えばY軸リニアガイド83Y1と、Y軸スライダ84Y1,85Y1との間に、X軸スライダ73X,75X(フォーク部671,672)のY軸方向の位置を常時計測可能な不図示のリニアエンコーダが、それぞれ設けられている。
【0104】
そして、主制御装置50が、ウエハステージWST1、WST2が、フォーク部671とフォーク部672との間を移動する際に、各X軸スライダ73X,75X(フォーク部671,672)のX軸方向、Y軸方向のいずれか一方の軸方向の干渉計による位置計測が不能となるときには、リニアエンコーダによって計測されるその一方の軸方向の位置情報と、干渉計によって計測される他方の軸方向の位置情報と、に基づいて、各ウエハステージのX位置、Y位置を管理する。
【0105】
勿論、主制御装置50では、上述のウエハステージWST1,WST2の移動中などに、それまで計測不能であった干渉計からの干渉計ビームが再度ウエハステージWST1,WST2の移動鏡に当たるようになったときは、それまで計測に用いられていなかった測長軸の干渉計の計測値をリセット(又はプリセット)し、以後、干渉計システムを構成するX軸干渉計,Y軸干渉計の計測値のみに基づいてウエハステージWST1,WST2(X軸スライダ73X,75X)の位置を管理する。
【0106】
更に、本実施形態では、図示は省略されているが、レチクルRの上方に、投影光学系PLを介してレチクルR上のレチクルマークとウエハステージWST1,WST2上の不図示の基準マーク板上のマークとを同時に観察するための露光波長を用いたTTR(Through The Reticle)方式のレチクルアライメント系が設けられている。これらのレチクルアライメント系の検出信号は、不図示のアライメント制御装置を介して主制御装置50に供給されるようになっている。なお、レチクルアライメント系の構成は、例えば特開平7−176468号公報等に開示されており、公知であるから詳細説明は省略する。
【0107】
次に、本実施形態の露光装置10で行われる、一方のウエハステージ上のウエハに対する露光動作と、他方のウエハステージ上のウエハに対するアライメント動作等との並行処理動作を含む、一連の動作について、図7(A)〜図9(B)に基づいて説明する。
【0108】
図7(A)には、ウエハステージWST1上のウエハW1に対して露光動作が行われるのと並行して、ウエハステージWST2上のウエハW2に対してウエハアライメント動作が行われている状態が示されている。
【0109】
この図7(A)に先立って、所定のローディングポジションにウエハステージWST2があるときに、不図示のウエハローダによって、ウエハステージWST2上に載置されていた露光済みのウエハのウエハステージWST2上からのアンロード及び新たなウエハW2のウエハステージWST2上へのロード(すなわちウエハ交換)が行なわれている。
【0110】
そして、主制御装置50は、干渉計118,148の計測値に基づいてウエハステージWST2のXY面内の位置を管理しつつ、アライメント系ALGを用いて、ウエハW2上の特定の複数のショット領域(サンプルショット領域)に付設されたアライメントマーク(サンプルマーク)の位置情報を検出する。このときの状態が、図7(A)に示されている。次いで、主制御装置50は、その検出結果とその特定のショット領域の設計上の位置座標とに基づいて、例えば特開昭61−44429号公報などに開示される最小二乗法を用いた統計演算によりウエハW2上の全てのショット領域の配列座標を求めるEGA(エンハンスト・グローバル・アライメント)方式のウエハアライメント計測を実行する。また、この場合、主制御装置50は、サンプルマークの位置情報の検出に前後して、ウエハステージWST2上の不図示の基準マーク板上の第1基準マークの位置情報を検出している。
【0111】
そして、主制御装置50は、先に求めたウエハW2上の全てのショット領域の配列座標を、第1基準マークの位置を原点とする位置座標に変換する。
【0112】
なお、上記のウエハ交換、ウエハアライメントの際、主制御装置50は、干渉計118,148による検出結果に基づいて、ウエハステージWST2を、前述したX軸リニアモータ75X、一対のY軸リニアモータ85Y1,85Y2を介して長ストロークで駆動するとともに、ウエハステージWST2を前述の6自由度駆動機構を介してフォーク部672に対して相対的にX,Y,Z,θx,θy,θz方向に関して微小駆動する。勿論、Z,θx,θy方向の駆動に際しては、前述のAF/AL系の計測結果が考慮される。
【0113】
このようにして、ウエハステージWST2側で、ウエハ交換、ウエハアライメントが実行される。このウエハ交換、ウエハアライメントと並行して、ウエハステージWST1側では、既に行われたウエハアライメント結果に基づいてウエハステージWST1上に載置されたウエハW1上の各ショット領域の露光のための加速開始位置にウエハステージWST1を移動させるショット間ステッピング動作と、レチクルR(レチクルステージRST)とウエハW1(ウエハステージWST1)とをY軸方向に相対走査してレチクルRに形成されたパターンをウエハW1上のショット領域に投影光学系PLを介して転写する走査露光動作と、を繰り返す、ステップ・アンド・スキャン方式の露光動作が行なわれる。
【0114】
上記のステップ・アンド・スキャン方式の露光動作の開始に先立って、主制御装置50は、干渉計116、146の計測値に基づいてウエハステージWST1の位置を管理しつつ、ウエハステージWST1上の不図示の基準マーク板上の一対の第2の基準マークとレチクルR上の一対のレチクルアライメントマークとを前述のレチクルアライメント系を用いて計測している。そして、主制御装置50では、その計測結果と前述のウエハアライメントの結果とに基づいてウエハW1上の各ショット領域の露光のための加速開始位置にウエハステージWST1を移動させる。
【0115】
上記のステップ・アンド・スキャン方式の露光動作中、主制御装置50は、ウエハステージWST1を、前述したX軸リニアモータ73X、一対のY軸リニアモータ84Y1,84Y2を介して長ストロークで駆動するとともに、ウエハステージWST1を前述の6自由度駆動機構を介してウエハステージWST1に対して相対的にX,Y,Z,θx,θy,θz方向に関して微小駆動する。勿論、Z,θx,θy方向の駆動に際しては、前述のAF/AL系の計測結果が考慮される。
【0116】
なお、この露光動作そのものの手順などは、通常のスキャニング・ステッパと同様なので、これ以上の詳細な説明は省略する。
【0117】
上述したウエハステージWST2上のウエハW2に対するウエハアライメント動作と、ウエハステージWST1上のウエハW1に対する露光動作とでは、通常は、ウエハアライメント動作の方が先に終了する。そこで、主制御装置50は、ウエハアライメントの終了後、X軸リニアモータ75X、一対のY軸リニアモータ85Y1,85Y2を介してウエハステージWST2を+Y方向及び−X方向に駆動する。そして、ウエハステージWST2を所定の待機位置(図7(B)に示されるウエハステージWST2の位置)に移動させ、その位置で待機させる。
【0118】
その後、ウエハステージWST1上のウエハW1に対する露光動作が終了すると、主制御装置50は、X軸リニアモータ73X及び一対のY軸リニアモータ84Y1,84Y2を介してウエハステージWST1を+X方向及び+Y方向に移動させる。図7(B)には、この移動完了後の状態が示されている。
【0119】
次いで、主制御装置50は、ウエハステージWST1側の前述の6自由度駆動機構を構成するフォーク部671の各固定子への電流の供給を停止する。これにより、第1、第2のZ軸微動モータVZ1,VZ2の固定子SZ1,SZ2への電流の供給も停止され、ウエハステージWST1をZ軸方向に非接触支持する支持力(駆動力)も解除され、ウエハステージWST1は、ステージベースSB上に載置される。この状態から、主制御装置50は、Y軸リニアモータ84Y1,84Y2を介してX軸リニアモータ73X及びフォーク部671を−Y方向に移動させる。これにより、ウエハステージWST1がフォーク部671から離脱される。図7(C)には、X軸リニアモータ73X及びフォーク部671の−Y方向への移動が終了し、ウエハステージWST1がフォーク部671から離脱された状態が示されている。
【0120】
次いで、主制御装置50は、X軸リニアモータ73X、Y軸リニアモータ84Y1,84Y2を介して、スライダ73Xと一体でフォーク部671を−X方向及び+Y方向に移動させるとともに、Y軸リニアモータ85Y1,85Y2を介して、ウエハステージWST2と一体でフォーク部672が設けられたスライダ75Xを−Y方向に移動させる。そして、図8(A)に示されるように、フォーク部671の+Y側端部とフォーク部672の−Y側端部とを最接近(又は接触)させる。図10(A)には、このときのフォーク部671,672の状態(ウエハステージWST2を取り除いた状態)が斜視図にて示されている。
【0121】
この図10(A)の場合、固定子SXと固定子TXとが連結され、固定子SY1と固定子TY1とが連結され、固定子SY2と固定子TY2とが連結され、固定子SY3と固定子TY3とが連結され、固定子SZ1と固定子TZ1とが連結され、固定子SZ2と固定子TZ2とが連結されている。また、ガイド棒GB1とガイド棒GB2とが連結されている。なお、ここで、連結とは、固定子同士、ガイド棒同士が、相互に接触する場合のみならず、固定子同士、ガイド棒同士が、数μm〜数mm程度のクリアランスを介して接近し、見かけ上一体に見えるような場合をも含む概念である。
【0122】
そして、上述のように、フォーク部671とフォーク部672とが連結された状態で、主制御装置50は、フォーク部672を構成する固定子TY1〜TY3が有する各電機子コイル、及びフォーク部671を構成する固定子SY1〜SY3が有する各電機子コイルに順次電流を供給し、ウエハステージWST2を、フォーク部672(及びフォーク部671)に対して−Y方向に移動させる。
【0123】
これにより、ウエハステージWST2は、フォーク部672からフォーク部671に受け渡される。図8(B)及びこの図8(B)におけるウエハステージWST2近傍を斜視図にて示す図10(B)には、このウエハステージWST2の受け渡しの途中の状態が示されている。
【0124】
この受け渡し(移動)の際には、ウエハステージWST2とフォーク部671,672との位置関係がガイド棒GB1,GB2に設けられたセンサ群SSにより計測されるので、フォーク部671とフォーク部672との位置が所期の位置から多少ずれていたとしても、そのセンサ群SSの検出結果に基づいて、ウエハステージWST2を6自由度微動機構により微小駆動(位置調整)することで、フォーク部672からフォーク部671へのウエハステージWST2の受け渡しを非接触でかつ高速で行うことが可能である。
【0125】
そして、ウエハステージWST2がフォーク部671に完全に渡された段階で、主制御装置50は、干渉計116、146の計測値に基づいてウエハステージWST2の位置を管理しつつ、ウエハステージWST2上の不図示の基準マーク板上の一対の第2の基準マークとレチクルR上の一対のレチクルアライメントマークとを前述のレチクルアライメント系を用いて計測する。そして、主制御装置50では、その計測結果と先に行われたウエハアライメントの結果とに基づいてウエハW2上の第1番目のショット領域の露光のための加速開始位置にウエハステージWST1を移動させる。その後は、ウエハW2に対するステップ・アンド・スキャン方式の露光動作が前述のウエハW1に対する露光と同様にして行われる。
【0126】
この一方、主制御装置50は、上記のウエハステージWST2のフォーク部672からフォーク部671への受け渡しの終了により、ウエハステージWST1、WST2のいずれとも係合せず、フリーの状態になっているフォーク部672を、スライダ75Xと一体で、Y軸リニアモータ85Y1,85Y2、X軸リニアモータ75Xを介して、ステージベースSB上に載置されているウエハステージWST1に接近するように移動する(図8(C)参照)。
【0127】
そして、ウエハステージWST1とフォーク部672とのX軸方向の位置が一致した図8(C)の状態から、主制御装置50は、ウエハステージWST1とフォーク部672とが係合するように、Y軸リニアモータ85Y1,85Y2を介して、フォーク部672を、スライダ75Xと一体で、−Y方向に駆動し、図9(A)の状態とする。この場合に、ウエハステージWST1に形成された貫通孔65に前記ガイド棒GB2が挿入された状態でガイド棒GB2に設けられたセンサ群を介して、ガイド棒GB2とウエハステージ本体63との位置関係を検出することができるので、主制御装置50は、該検出結果に基づいて、ウエハステージWST1とフォーク部672との関係を調整しつつ、フォーク部672を駆動することが可能である。このようにして、ウエハステージWST1がフォーク部672に係合した段階で、主制御装置50は、6自由度駆動機構を構成するZ軸微動モータに+Z方向の駆動力を発生させ、フォーク部672がウエハステージWST1を非接触支持するように、その駆動力を制御する。
【0128】
その後、主制御装置50は、ウエハステージWST1上に載置された露光済みのウエハW1と次の露光対象であるウエハW3(図9(B)参照)との交換を行うとともに、ウエハW3のウエハアライメント動作が上述と同様にして行われる。
【0129】
このようにして、本実施形態の露光装置10では、ウエハステージWST1,WST2の交換を行いつつ、一方のウエハステージ上のウエハに対する露光動作と、他方のウエハステージ上でのウエハ交換及びウエハアライメント動作とが、同時並行処理にて行われる。
【0130】
これまでの説明から明らかなように、本実施形態の露光装置10では、取り付け板691と、該取り付け板691にそれぞれの長手方向の一端が固定された固定子群(SX、SY1〜SY3、SZ1、SZ2)によって固定子ユニットが構成され、取り付け板692と、該取り付け板692にそれぞれの長手方向の一端が固定された固定子群(TX、TY1〜TY3、TZ1、TZ2)によって固定子ユニットが構成されている。
【0131】
また、ウエハステージWST1を構成する可動子群(DX、DY1〜DY3、DZ1、DZ2)によって、可動子ユニットが構成され、ウエハステージWST2を構成する可動子群(DX’、DY1’〜DY3’、DZ1’、DZ2’)によって、可動子ユニットが構成されている。
【0132】
また、X軸スライダ73X,取り付け板691及びフォーク部671によって第1の移動体が構成され、X軸スライダ75X,取り付け板692及びフォーク部672によって第2の移動体が構成されている。
【0133】
また、フォーク部671に相対移動可能に支持された状態で、当該フォーク部671に対してウエハステージWST1、WST2を6自由度方向に駆動する前述の6自由度駆動機構(すなわちX軸微動モータVX、Y軸リニアモータLY1〜LY3、Z軸微動モータVZ1,VZ2)と、フォーク部672に相対移動可能に支持された状態で、当該フォーク部672に対してウエハステージWST2、WST1を6自由度方向に駆動する前述の6自由度駆動機構(すなわちX軸微動モータVX’、Y軸リニアモータLY1’〜LY3’、Z軸微動モータVZ1’,VZ2’)とからフォーク部671、672のいずれかに相対移動可能に支持された状態で、当該フォーク部に対して各ウエハステージを6自由度方向に駆動する駆動系が構成されている。また、この駆動系によって、各ウエハステージを、前記第1、第2の移動体に対して非接触で支持し、各移動体に対して6自由度方向に関して微小駆動するとともに、前記第1、第2の移動体が近接した状態で、各ウエハステージを一方の移動体から他方の移動体に移動する駆動機構が構成されている。
【0134】
また、露光装置10では、照明系12と投影光学系PLとにより露光部が構成されている。
【0135】
以上詳細に説明したように、本実施形態に係るステージ装置20によると、Y軸方向に関して並列に配置され、かつ相互に独立してY軸方向に移動するX軸リニアガイド72X,74Xに沿って、スライダ73X,75XがX軸方向にそれぞれ移動可能である。すなわち、スライダ73X,75Xは、X軸及びY軸を含む2次元面内で移動可能である。また、スライダ73X,75Xそれぞれの相互に対向する側の面には、Y軸方向を長手方向とする片持ち支持状態のフォーク部671,672それぞれの一端が固定され、さらに、これらのフォーク部671,672に対して2つのウエハステージWST1,WST2が相対移動可能に個別に支持される。従って、2つのウエハステージWST1,WST2は、フォーク部671,672に対して個別に支持された状態では、それらのフォーク部671,672が設けられたスライダ73X,75XとともにXY2次元面内で移動可能である。
【0136】
また、ウエハステージWST1,WST2のそれぞれは、フォーク部671,672の両者に対してY軸方向に相対移動可能で、フォーク部671,672のいずれかに相対移動可能に支持された状態では、前述の駆動系により、そのフォーク部に対して6自由度方向に駆動可能となっている。また、ウエハステージWST1,WST2のそれぞれは、前記支持が解除された状態では、そのY軸方向の相対移動により、フォーク部671,672からの離脱が可能となっている。
【0137】
従って、前述したようなシーケンスにより、ウエハステージの交換が可能となっている。すなわち、図2に示されるように、フォーク部671に一方のウエハステージWST1が支持され、フォーク部671に他方のウエハステージWST2が支持されているとき、フォーク部671による一方のウエハステージWST1の支持状態が解除され、X軸スライダ73Xがフォーク部672から離れるようにY軸方向(−Y方向)に移動する。これにより、一方のウエハステージWST1がX軸スライダ73Xに片持ち支持されたフォーク部671に対してY軸方向に相対移動し、フォーク部671から離脱される。その離脱後に、X軸スライダ73Xが移動し、該X軸スライダ73Xに一端が片持ち支持されたフォーク部671が、他方のウエハステージWST2を支持するフォーク部672にほぼ対向する位置まで移動し、フォーク部671とフォーク部672とが最接近し、これらフォーク部671とフォーク部672とがほぼ一直線上に並んだ状態で、駆動系により他方のウエハステージWST2がフォーク部672、671に対してY軸方向(−Y方向)に駆動されることにより、他方のウエハステージWST2が、フォーク部672からフォーク部671に移動する(受け渡される)。
【0138】
次いで、X軸スライダ75Xが移動し、該X軸スライダ75Xに一端が片持ち支持されたフォーク部672が、ウエハステージWST1に対向する位置まで移動し、X軸スライダ73XがウエハステージWST1に接近する方向に移動することにより、ウエハステージWST1がフォーク部672によって支持される。
【0139】
このようにして、フォーク部671にウエハステージWST1が支持され、フォーク部672にウエハステージWST2が支持された状態から、フォーク部672にウエハステージWST1が支持され、フォーク部671にウエハステージWST2が支持された状態へ移行する。すなわち、このようにしてウエハステージの交換を行うことができる。この場合、例えば上述のウエハステージWST2のフォーク部672からフォーク部671への受け渡しは、機械的につかむという不確実性を伴う動作を伴うことなく、駆動系によって高スループットでかつ非接触で行われるので、ウエハステージの交換を高スループットで実現できる。また、ウエハステージの交換のためのロボットアーム等の搬送機構を設ける必要も無いので、その分、ステージ装置の小型化を図ることも可能となっている。
【0140】
また、本実施形態に係るステージ装置20では、ウエハステージWST1,WST2のそれぞれは、駆動系が発生するZ軸方向の駆動力によりステージベースSB上方で非接触支持され、該駆動力の停止によりステージベースSB上に載置される。従って、このようにして、いずれかのウエハステージ、例えばウエハステージWST1が、ステージベースSB上に載置された状態で、X軸スライダ73Xが、そのウエハステージWST1から離れる方向にY軸方向に沿って移動することで、ウエハステージWST1と例えばフォーク部671との係合を解除することが可能となる。このようなウエハステージのフォーク部からの離脱は、その後のシーケンスで他方のウエハステージ等の移動の邪魔にならない領域内であれば、どこでも行うことができるので、ウエハステージを待機させておく台等を別途用意する必要がなく、その分コストダウンを図ることができる。
【0141】
また、本実施形態に係るステージ装置20では、フォーク部671,672と各ウエハステージとの位置関係を検出するセンサ群SSを備えているので、ウエハステージとフォーク部ひいてはスライダとの位置関係を常時検出することができる。これにより、フォーク部間でウエハステージを受け渡す場合に、ある程度フォーク部同士の位置がずれていた場合にも、リニアモータや微動モータの駆動力を制御することで、ウエハステージの受け渡しを位置ずれなく行うことが可能となる。
【0142】
また、本実施形態に係るステージ装置20によると、第1の移動体(X軸スライダ73X,取り付け板691及びフォーク部671)、第2の移動体(X軸スライダ75X,取り付け板692及びフォーク部672)のそれぞれに非接触で支持された2つのウエハステージWST1,WST2を、その支持状態で、6自由度方向に関して微小駆動する前述の駆動機構が、上記第1、第2の移動体が近接した状態で、各ウエハステージを一方の移動体から他方の移動体に移動する際にも用いられるので、ウエハステージが、高スループットで、第1、第2の移動体間を非接触で移動する(すなわち、第1、第2の移動体間でステージを非接触かつ高スループットで交換する)ことが可能となる。
【0143】
また、本実施形態の露光装置10によると、いずれかのウエハステージが第1位置(投影光学系PLの直下)の近傍にあるときに、前述の露光部によりそのウエハステージに載置されたウエハを照明光ILで露光する。また、アライメント系ALGでは、いずれかのウエハステージが第1位置から離れた第2位置(アライメント系ALGの直下)の近傍にあるときに、そのウエハステージに載置されたウエハに形成されたアライメントマーク(位置検出用マーク)を検出する。
【0144】
従って、一方のウエハステージ上に載置されたウエハに対する露光部による露光と、他方のウエハステージ上に載置されたウエハに形成されたアライメントマークのアライメント系による検出(EGA方式のウエハアライメント)等とを、並行して行うことができる。また、前述の如く、本実施形態では、高スループットのウエハステージ交換が可能なので、2つのウエハステージを用いて露光、ウエハアライメント(マーク検出)及びウエハ交換の同時並行処理をウエハステージを交換しながら、高いスループットで実現することができる。また、アライメント系を2つ用意する必要がないので、フットプリントが増大するのも防止することができる。
【0145】
なお、ウエハステージWST1、WST2としては、上記実施形態の構成に限られるものではなく、その他の構成を採用することもできる。すなわち、上記実施形態では、X駆動用の可動子を1つ、Y駆動用の可動子を3つ、Z駆動用の可動子を2つ、各ウエハステージに設けるものとしたが、これに限らず、X駆動用の可動子を2つ、Y駆動用の可動子を3つ、Z駆動用の可動子を1つ設けることとしても良い。すなわち、X,Y,Z軸方向への駆動用の可動子を各1つ含み、かつ合計6つの可動子が設けられ、これに対応して6つの固定子が各フォーク部に設けられていれば、各ウエハステージを、各フォーク部に対して6自由度方向に駆動することができる。但し、Z駆動用の可動子を1つとすると、ウエハステージの自重の支持が困難になる場合も考えられる。このような場合には、ウエハステージの底面に真空予圧型気体静圧軸受を設ける、あるいはシリンダ部とピストン部とを有し、その内部の陽圧によりウエハステージを定盤上で支持する自重キャンセラを設けることとしても良い。また、ウエハステージを6自由度方向に微小駆動する必要がない場合には、可動子の数を減らすことも可能である。例えば、各ウエハステージを、XY面内の3自由度方向に関してのみ移動可能に構成し、その上方にウエハを保持し、Z、θx、θy方向に微小駆動可能なウエハテーブルを搭載しても良い。
【0146】
これに限らず、本発明のステージ装置では、ステージは搬送ガイド又は移動体に対して、X軸、Y軸方向についてのみ駆動可能に構成しても良いし、あるいは、Y軸方向に関してのみ駆動可能に構成しても良い。
【0147】
なお、上記実施形態では、ウエハステージWST1,WST2上の+X端部、±Y端部近傍に移動鏡を設けることとしたが、本発明がこれに限られるものではなく、X、Y軸方向のいずれか一端部に1つずつ移動鏡を設けることとしても良い。この場合、干渉計の配置も変更する必要があるが、露光精度等に影響はない。
【0148】
なお、上記実施形態では、フォーク部とウエハステージの係合を解除する場合に、ウエハステージをステージベース上に載置する場合について説明したが、本発明がこれに限られるものではなく、例えば、ウエハステージがステージベース上に載置されただけでは不安定な場合には、ステージベース上又はステージベース近傍にウエハステージの収納場所を設けることとしても良い。
【0149】
なお、上記実施形態では、照明光ILとしてKrFエキシマレーザ光などの遠紫外光、F2レーザ、ArFエキシマレーザ等の真空紫外域光、あるいは超高圧水銀ランプからの紫外域の輝線(g線、i線等)などを用いるものとしたが、これに限らずAr2レーザ光(波長126nm)などの他の真空紫外光を用いても良い。また、例えば、真空紫外光として上記各光源から出力されるレーザ光に限らず、DFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(Er)(又はエルビウムとイッテルビウム(Yb)の両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いても良い。
【0150】
更に、照明光ILとしてEUV光、X線、あるいは電子線やイオンビームなどの荷電粒子線を用いる露光装置、投影光学系を用いない、例えばプロキシミティ方式の露光装置、ミラープロジェクション・アライナー、及び例えば国際公開WO99/49504号などに開示される、投影光学系PLとウエハとの間に液体が満たされる液浸型露光装置などにも本発明を適用しても良い。
【0151】
なお、上記実施形態では、ステップ・アンド・スキャン方式等の走査型露光装置に本発明が適用された場合について説明したが、本発明の適用範囲がこれに限定されないことは勿論である。すなわちステップ・アンド・リピート方式の縮小投影露光装置にも本発明は好適に適用できる。
【0152】
なお、複数のレンズから構成される照明光学系、投影光学系を露光装置本体に組み込み、光学調整をするとともに、多数の機械部品からなるレチクルステージやウエハステージを露光装置本体に取り付けて配線や配管を接続し、更に総合調整(電気調整、動作確認等)をすることにより、上記実施形態の露光装置を製造することができる。なお、露光装置の製造は温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0153】
なお、本発明は、半導体製造用の露光装置に限らず、液晶表示素子などを含むディスプレイの製造に用いられる、デバイスパターンをガラスプレート上に転写する露光装置、薄膜磁気ヘッドの製造に用いられるデバイスパターンをセラミックウエハ上に転写する露光装置、及び撮像素子(CCDなど)、マイクロマシン、有機EL、DNAチップなどの製造に用いられる露光装置などにも適用することができる。また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクル又はマスクを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。ここで、DUV(遠紫外)光やVUV(真空紫外)光などを用いる露光装置では一般的に透過型レチクルが用いられ、レチクル基板としては石英ガラス、フッ素がドープされた石英ガラス、螢石、フッ化マグネシウム、又は水晶などが用いられる。また、プロキシミティ方式のX線露光装置、又は電子線露光装置などでは透過型マスク(ステンシルマスク、メンブレンマスク)が用いられ、マスク基板としてはシリコンウエハなどが用いられる。
【0154】
半導体デバイスは、デバイスの機能・性能設計を行うステップ、この設計ステップに基づいたレチクルを製作するステップ、シリコン材料からウエハを製作するステップ、前述した実施形態の露光装置を用いて前述の方法によりレチクルのパターンをウエハに転写するステップ、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)、検査ステップ等を経て製造される。
【0155】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のステージ装置によれば、2つのステージの交換(入れ替え)を高スループットで実現することができるという効果がある。
【0156】
また、本発明の露光装置によれば、高いスループットで露光工程の処理を行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の露光装置を概略的に示す図である。
【図2】図1のステージ装置を、投影光学系、アライメント系等とともに概略的に示す斜視図である。
【図3】図2の状態から、干渉計システム及びウエハステージが取り除かれた状態のステージ装置の残部を示す斜視図である。
【図4】図4(A)は、フォーク部671を拡大して示す斜視図であり、図4(B)は、ウエハステージWST1を拡大して示す斜視図である。
【図5】フォーク部にウエハステージWST1が係合した状態を拡大して示す斜視図である。
【図6】図6(A)は、フォーク部672を拡大して示す斜視図であり、図6(B)は、ウエハステージWST2を拡大して示す斜視図である。
【図7】図7(A)〜図7(C)は、並行処理動作の流れを説明するための図(その1)である。
【図8】図8(A)〜図8(C)は、並行処理動作の流れを説明するための図(その2)である。
【図9】図9(A),図9(B)は、並行処理動作の流れを説明するための図(その3)である。
【図10】図10(A)は、ウエハステージ受け渡しの際のフォーク部の関係を示す図であり、図10(B)は、ウエハステージのフォーク部間での受け渡しの状態を示す図である。
【符号の説明】
10…露光装置、12…照明系(露光部の一部)、20…ステージ装置、671…フォーク部(第1の搬送ガイド、第1の移動体の一部)、672…フォーク部(第2の搬送ガイド、第2の移動体の一部)、691…取り付け板(固定子ユニットの一部、第1の移動体の一部)、692…取り付け板(固定子ユニットの一部、第2の移動体の一部)、72X…X軸リニアガイド(第1の移動ガイド)、73X…X軸スライダ(第1のスライダ、第1の移動体の一部)、74X…X軸リニアガイド(第2の移動ガイド)、75X…X軸スライダ(第2のスライダ、第2の移動体の一部)、116,118,146,148…干渉計(位置検出装置)、ALG…アライメント系(マーク検出系)、IL…照明光(エネルギビーム)、LY1,LY2,LY3…Y軸リニアモータ(駆動系の一部、駆動機構の一部)、PL…投影光学系(露光部の一部)、SB…ステージベース、SS…センサ群(検出装置)、VX…X軸微動モータ(駆動系の一部、駆動機構の一部)、VZ1,VZ2…Z軸微動モータ(駆動系の一部、駆動機構の一部)、W…ウエハ(感光物体)、WST1,WST2…ウエハステージ(ステージ)。
Claims (12)
- 2次元面内の第1軸方向をガイド方向とし、前記第1軸に前記2次元面内で直交する第2軸方向に関して並列に配置され、かつ相互に独立して前記第2軸方向に移動する第1、第2の移動ガイドと;
前記第1、第2の移動ガイドに沿って前記第1軸方向にそれぞれ移動する第1、第2のスライダと;
前記第1、第2のスライダそれぞれの相互に対向する側の面にそれぞれの一端が固定され前記第2軸方向を長手方向とする片持ち支持状態の第1、第2の搬送ガイドと;
前記第1、第2の搬送ガイドに相対移動可能に個別に支持され、前記第1、第2の搬送ガイドの両者に対して前記第2軸方向に相対移動可能で、前記支持が解除された状態では、前記第2軸方向の相対移動により、前記第1、第2の搬送ガイドからの離脱が可能な2つのステージと;
前記各ステージが前記第1、第2の搬送ガイドのいずれかに相対移動可能に支持された状態で、当該搬送ガイドに対して前記各ステージを少なくとも前記第2軸方向に駆動する駆動系と;を備えるステージ装置。 - 前記駆動系は、前記第1、第2の搬送ガイドを構成する2つの固定子ユニットと、前記各ステージにそれぞれ設けられ、前記各固定子ユニットとの間の個別の電磁相互作用により対応するステージに対する駆動力を発生する2つの可動子ユニットとを含むことを特徴とする請求項1に記載のステージ装置。
- 前記駆動系は、前記各ステージを、前記第2軸方向に駆動するとともに、前記2次元平面内の3自由度方向に微小駆動することを特徴とする請求項2に記載のステージ装置。
- 前記駆動系は、前記各ステージを、前記2次元平面に直交する第3軸方向に関しても微小駆動することを特徴とする請求項3に記載のステージ装置。
- 前記駆動系は、前記各ステージを、6自由度方向に関して微小駆動することを特徴とする請求項4に記載のステージ装置。
- 前記2つのステージを移動可能に支持するステージベースを更に備え、
前記各ステージは、前記駆動系が発生する前記第3軸方向の駆動力により前記ステージベース上方で非接触支持され、該駆動力の停止により前記ステージベース上に載置されることを特徴とする請求項4又は5に記載のステージ装置。 - 前記第1、第2の搬送ガイドと前記各ステージとの位置関係を検出する検出装置を更に備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のステージ装置。
- 2次元平面の直交2軸方向に独立して移動可能な第1、第2の移動体と;
前記2次元面内で移動可能な2つのステージと;
前記各ステージを、前記第1、第2の移動体に対して非接触で支持し、前記各移動体に対して少なくとも前記2次元面内の直交2軸方向に関して微小駆動するとともに、前記第1、第2の移動体が近接した状態で、前記各ステージを前記一方の移動体から前記他方の移動体に移動させる駆動機構と;を備えるステージ装置。 - 前記駆動機構は、前記各ステージを前記第1、第2の移動体に対して非接触で支持し、6自由度方向に微小駆動することを特徴とする請求項8に記載のステージ装置。
- 前記各移動体と前記各ステージとの位置関係を検出する検出装置を、更に備えることを特徴とする請求項8又は9に記載のステージ装置。
- 前記各ステージのステージ座標系上での位置情報を検出する位置検出装置を更に備えることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載のステージ装置。
- エネルギビームにより感光物体を露光して所定のパターンを前記感光物体上に形成する露光装置であって、
前記各ステージに前記感光物体がそれぞれ載置される請求項1〜11のいずれか一項に記載のステージ装置と;
いずれかの前記ステージが第1位置の近傍にあるときに、そのステージに載置された前記感光物体を前記エネルギビームで露光する露光部と;
いずれかの前記ステージが前記第1位置から離れた第2位置の近傍にあるときに、そのステージに載置された前記感光物体に形成された位置検出用マークを検出するマーク検出系と;を備える露光装置。
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