JPH09330517A - 磁気記録媒体の製造方法および製造装置 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法および製造装置

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JPH09330517A
JPH09330517A JP14607396A JP14607396A JPH09330517A JP H09330517 A JPH09330517 A JP H09330517A JP 14607396 A JP14607396 A JP 14607396A JP 14607396 A JP14607396 A JP 14607396A JP H09330517 A JPH09330517 A JP H09330517A
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polishing
magnetic
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tape
polishing means
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JP14607396A
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Kazunobu Chiba
一信 千葉
Toshiharu Uchiumi
俊治 内海
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 研磨時に発生するテープ表面の傷(スクラッ
チ傷)の発生を防止することができる磁気記録媒体の製
造方法を提供する。 【解決手段】 本発明は、非磁性支持体上に真空蒸着に
より磁性薄膜を形成する工程と、磁性薄膜の表面を研磨
する工程を有する磁気記録媒体の製造方法に関するもの
である。ここで、磁性薄膜の表面を研磨する工程は、2
つの研磨手段からなっている。非磁性支持体20の走向
方向に対して、1段目の研磨手段の研磨テープ29の走
向方向は逆方向であり、2段目の研磨手段の研磨テープ
30の走向方向は正方向である。また、1段目の研磨手
段の研磨処理テンションと2段目の研磨手段の研磨処理
テンションは同程度である。また、1段目の研磨手段の
研磨テープ送り速度と2段目の研磨手段の研磨テープ送
り速度は同程度である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁性層となる磁性薄
膜を真空蒸着により非磁性支持体上に形成する磁気記録
媒体の製造方法およびその方法に用いる製造装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、磁気記録媒体としては、非磁
性支持体上に酸化物磁性粉末あるいは合金磁性粉末等の
粉末磁性材料を塩化ビニルー酢酸ビニル系共重合体、ポ
リエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリウレタン樹脂等の
有機バインダー中に分散せしめた磁性塗料を塗布、乾燥
することにより作成される塗布型の磁気記録媒体が広く
使用されている。
【0003】これに対して、高密度磁気記録への要求の
高まりと共に、Co−Ni合金、Co−Cr合金、Co
−O等の金属磁性材料を、メッキや真空薄膜形成手段
(真空蒸着法やスパッタリング法、イオンプレーティン
グ法等)によってポリエステルフィルムやポリアミド、
ポリイミドフィルム等の非磁性支持体上に直接被着し
た、いわゆる金属磁性薄膜型の磁気記録媒体が提案され
注目を集めている。この金属磁性薄膜型の磁気記録媒体
は抗磁力や角形比等に優れ、短波長での電磁変換特性に
優れるばかりでなく、磁性層の厚みをきわめて薄くでき
る為、記録減磁や再生時の厚み損失が著しく小さいこ
と、磁性層中に非磁性材であるそのバインダーを混入す
る必要が無いため磁性材料の充填密度を高めることが出
来ることなど、数々の利点を有している。
【0004】更に、この種の磁気記録媒体の電磁変換特
性を向上させ、より大きな出力を得ることが出来るよう
にするために、該磁気記録媒体の磁性層を形成する場
合、磁性層を斜めに蒸着するいわゆる斜方蒸着が提案さ
れ実用化されている。
【0005】この斜方蒸着テ−プは磁性層が通常200
nm程度と非常に薄いため非磁性基板上の付着物や形状
変形などが磁気ヘッドとの接触を妨げ当り不良やドロッ
プアウトなどになるため非磁性基板の製造工程や蒸着工
程などにおける付着物の発生や寝押しなどによる形状変
形には細心の注意がはらわれてきた。しかし、蒸着プロ
セスにおける磁性材料の微小粉塵などを完全に除去する
ことはできず、蒸着工程における微小な熱負けの発生や
蒸着機内の微小な粉塵などが付着したドロップアウトを
問題のないレベルまで少なくすることはできなかった。
特に、この熱負けは磁気記録層の部分的な特性劣下を生
じ、当り不良やいわゆるドロップアウトの原因となる。
このドロップアウト対策として従来、特開昭63ー16
7425や特開平2ー7225に示されるような磁性層
表面の研磨処理が提案されていた。これは、蒸着原反の
表面を研磨力の強いテープ(研磨テープ、または、ラッ
ピングテープ)で接触させることにより、表面に付着し
たごみや異物を除去または、研磨するというものであ
る。
【0006】従来方法では一般的に、蒸着原反の送り速
度にくらべ、研磨テープの送り速度が桁違いに遅いため
研磨テープに付着した蒸着原反の異物やごみ等が、逆に
蒸着原反に傷を付けてしまう弊害があった。この改善の
ため、従来から研磨処理時の条件設定等で様々な工夫が
されてきた。しかし、従来方法では基本的に研磨テープ
と蒸着原反が同一方向に送り速度を違えて(一般に研磨
テープの送り速度が蒸着原反の送り速度に比べて、けた
違いに遅い)走行するため、研磨テープに付着した異物
が、蒸着原反の長さ方向(走行方向)にかなりの長さで
傷をつけてしまうことになった。この傷はアナログ方式
のVTRで記録再生を行った場合。再生時の画面上で横
方向に筋状の信号の欠落として見られることから、製品
上の欠陥となる。このため、この傷が存在する部分は破
棄されるため、歩留まりを落とす原因ともなっていた。
また、研磨テープの走行方向を蒸着原反にたいして斜め
方向に走行することでスクラッチ傷の発生を抑える試み
もなされているが十分な効果は発揮されていなかった。
これらの手段では、近年の磁気記録システムの高密度記
録化(短波長記録化)、ディジタル記録化にともなうよ
り厳しい要求に答えるには十分ではなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明はかか
る従来の実情に鑑みて提案されたものであり、金属薄膜
磁気記録媒体、いわゆる、研磨時に発生するテープ表面
の傷(スクラッチ傷)の発生を防止することができる磁
気記録媒体の製造方法および製造装置を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
【0009】本発明は金属薄膜磁気記録媒体、いわゆ
る、蒸着テープを製造する蒸着以降の工程で磁性層表面
を複数の研磨手段により研磨することを特徴とする磁気
記録媒体の製造方法および製造装置であり、複数の研磨
手段により磁性層表面を研磨することで、ドロップアウ
トが少なくかつ研磨時に発生するテープ表面の傷が少な
い磁気記録媒体を実現する為の製造方法および製造装置
を提供するものである。
【0010】本発明に係わる磁気記録媒体の製造方法
は、研磨テープ等を用いて複数の研磨手段を用いて磁性
層表面を研磨し、蒸着やそれ以降の工程で発生した付着
物やテープ原反表面の異常突起を除去するものであり、
また、これらの機構を有する製造装置である。
【0011】本発明が適用される製造装置及び製造方法
で製造される磁気記録媒体は、非磁性材料よりなる非磁
性支持体上に磁性層として金属磁性薄膜を設けてなる金
属薄膜型の磁気テープ(いわゆる蒸着テープ)である。
【0012】上記非磁性支持体上には、強磁性金属材料
を直接被着することにより金属磁性薄膜が磁性層として
形成されているがこの金属磁性材料としては、通常の蒸
着テ−プに使用されるものであれば如何なるものであっ
てもよい。例示すれば、Fe,Co,Niなどの強磁性
金属、Fe−Co,Co−Ni,Fe−Co−Ni,F
e−Cu,Co−Cu,Co−Au,Co−Pt,Fe
−Cr,Co−Cr,Ni−Cr,Fe−Co−Cr,
Co−Ni−Cr,Fe−Co−Ni−Cr等の強磁性
合金があげられる。これらの単層膜であってもよいし多
層膜であってもよい。さらには、非磁性支持体と金属磁
性薄膜間、あるいは多層膜の場合には、各層間の付着力
向上、並びに抗磁力の制御等のため、下地層または、中
間層を設けてもよい。また、例えば磁性層表面近傍が耐
蝕性改善等のために酸化物となっていてもよい。
【0013】金属磁性薄膜形成の手段としては、真空下
で強磁性材料を加熱蒸発させ非磁性支持体上に沈着させ
る真空蒸着法や、強磁性金属材料の蒸発を放電中で行う
イオンプレーティング法、アルゴンを主成分とする雰囲
気中でグロー放電を越こし生じたアルゴンイオンでター
ゲット表面の原子をたたき出すスパッタ法等、いわゆる
PVD技術によればよい。
【0014】また、上記非磁性支持体上に形成された強
磁性金属材料上には保護膜層が形成されていてもよいが
この材料としては、通常の金属磁性薄膜用保護膜として
一般に使用されるものであれば如何なるものであっても
よい。例示すれば、カーボン、CrO2 ,Al2 3
BN,Co酸化物、MgO、SiO2 、Si3 4 、S
iNX 、SiC、SiNX −SiO2 、ZrO2 、Ti
2 、TiC等があげられる。これらの単層膜であって
もよいし多層膜や金属との複合膜であってもよい。
【0015】もちろん、本発明にかかる磁気テープの構
成はこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸
脱しない範囲での変更、例えば必要に応じてバックコー
ト層を形成したり、非磁性支持体上に下塗層を形成した
り、潤滑剤、防錆剤などの層を形成することは何等差し
支えない。この場合、バックコート層に含まれる非磁性
顔料、樹脂結合剤あるいは潤滑剤、防錆剤層に含まれる
材料としては従来公知のものがいずれも使用できる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明磁気記録媒体の製造
方法および製造装置の実施例について図1および図2を
参照しながら説明する。
【0017】実施例1 本実施例において使用した蒸着原反を製造した蒸着製造
装置の構成は、従来使用されている一般的な連続巻き取
り式の蒸着機である。
【0018】本実施例では、表1に示す材質よりなる下
塗が施された非磁性支持体上に、酸素雰囲気中でCo−
Ni合金を斜め蒸着し、膜厚200nmの金属磁性薄膜
を磁性層として被着形成したものを使用した。
【0019】
【表1】
【0020】この後、正,逆,各々の方向に処理が可能
となるように適宜巻直しを加えた後、非磁性支持体裏面
にバックコートを施す際、図1に示す複数の研磨機構を
有する研磨装置を塗布装置のガイドロールの中間に設置
し表面研磨を行った。
【0021】ここで、この図1について以下に説明す
る。本装置ではガイドロール21からガイドロール24
にわたって走行する非磁性支持体20の表面にラッピン
グ処理を施すようにラッピングテープ29及びラッピン
グテープ30が配設されている。
【0022】このラッピングテープ29はガイドロール
22上で非磁性支持体20と接しながら、非磁性支持体
20の走行方向とは逆方向に走行するるようになされ、
非磁性支持体20の磁性面表面に付着した蒸着時のスプ
ラッシュ物や塵埃を除去するように配設されている。こ
のラッピングテープ29は近傍に配設されたラッピング
テープ用巻出しロール32から多数巻回されており、順
次研磨テープガイドロール22上を走行し、さらに近傍
に配設されたラッピングテープ巻き取りロール31に巻
きとられてなる。
【0023】また、同様にラッピングテープ30はガイ
ドロール23上で非磁性支持体20上の磁性層表面と接
しながら、非磁性支持体20の走行方向と同じ方向に走
行するるようになされ、ラッピングテープ29で除去で
きなかった非磁性支持体20の磁性面表面に付着した蒸
着時のスプラッシュ物や塵埃をさらに除去するように配
設されている。
【0024】このラッピングテープ30は近傍に配設さ
れたラッピングテープ用巻出しロール33から多数巻回
されており、順次研磨テープガイドロール23上を走行
し、さらに近傍に配設されたラッピングテープ巻き取り
ロール34に巻きとられてなる。
【0025】なお、このラッピングテープ29及びラッ
ピングテープ30の幅は非磁性支持体20と略同一のも
のを使用した。
【0026】また、ラッピングテープ29、30の送り
速度は、非磁性支持体20の走行速度とは異なる速度で
走行するように設定されており、非磁性支持体20の表
面に付着した塵埃等が除去できるようになされている。
【0027】このときのサンプルテープ原反の送り速度
は、150m/分、また、ラッピングテープ29、ラッ
ピングテープ30の送り速度は、表2に示すように、
0.2m/分の条件で行った。このときの各ラッピング
テープの研磨処理テンションをW1、W2とする。W1
が1Kg/全幅にたいしてW2も同様の1.0Kg/全
幅と設定した。
【0028】
【表2】
【0029】ここで、ラッピングテンションW1、W2
は各巻きだしロールにかけるブレーキテンションと巻き
取りロールの引っ張りテンションの差の絶対値をとった
ものとした。ラッピングテンションのコントロールは引
っ張りテンションのコントロールにより調整したが研磨
テープガイドロール22、23の非磁性支持体20への
押し込み力を変化させても調整が可能である。
【0030】この後、磁性層表面にトップコートをほど
こし、所定のテープ幅に裁断してテープを作成した。
【0031】なお、本実施例で使用したラッピングテー
プは支持体として15μm厚のPETベースを用い平均粒
径3μmのアルミナ粒子をウレタンバインダーで混合し
5μm の塗布厚で作成した。
【0032】なお、支持体は従来から一般的に使用され
ているポリエステル類、ポリオレフィン類、セルロース
誘導体、ビニル系樹脂、ポリイミド類、ポリアミド類、
ポリカーボネート等に代表されるような高分子支持体等
が挙げられる。また、結合剤としては、塩化ビニル−酢
酸ビニル共重合体,塩化ビニル−プロピオン酸共重合
体,塩化ビニル酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合
体、等の塩化ビニル系樹脂や、ポリエステルポリウレタ
ン、ポリエーテルポリウレタン、ポリカーボネートポリ
ウレタン、等のポリウレタン樹脂等、一般的に使用され
ているものが使用可能である。研磨粒子はカーボン、ア
ルミナ、ジルコニア、クロミナ、SiO2 、などが可溶
可能である。
【0033】実施例2 本実施例では、表2に示すように、1段目のテンション
を0.8Kg/全幅に変えた以外は実施例1と同様であ
る。
【0034】実施例3 本実施例では、表2に示すように、1段目のテンション
を0.8Kg/全幅に変え、また、1段目のテープ送り
速度を0.6m/分に変えた。さらに、2段目のテンシ
ョンを0.6Kg/全幅に変えた。これ以外は実施例1
と同様である。
【0035】実施例4 本実施例では、表2に示すように、研磨テープ29の走
向方向を正方向にし、研磨テープ30の走向方向を逆方
向にした以外は実施例1と同様である。
【0036】比較例1 本比較例で用いた研磨装置は図2に示すとおりである。
この図2について以下に説明する。本装置ではガイドロ
ール10からガイドロール12にわたって走行する非磁
性支持体15の表面にラッピング処理を施すラッピング
ロール11が配設されている。
【0037】このラッピングロール11は図2中反時計
回り方向に回るようになされ、このラッピングロール1
1には、上記非磁性支持体15の磁性面表面に付着した
蒸着時のスプラッシュ物や塵埃を除去するラッピングテ
ープ16がガイドロール13からガイドロール14をわ
たるように走行するように配設されている。
【0038】このラッピングテープ16は上記ラッピン
グロール11の近傍に配設されたラッピングテープ送り
ロール17に多数巻回され順次上記ラッピングロール1
1上を磁性層表面と接触しながら走行し、さらに上記ラ
ッピングロール11の近傍に配設されたラッピングテー
プ巻き取りロール18に巻きとられてなる。なお、この
ラッピングテープ16は非磁性支持体15と略同一の幅
に設定されている。さらに、送り速度は上記、非磁性支
持体15の走行速度とは異なる速度で走行するように設
定されており、上記非磁性支持体15の表面に付着した
塵埃等が除去できるようになされている。
【0039】ラッピング処理は磁性層の柱状構造の成長
方向に沿って研磨を実施した。このときのサンプルテー
プ原反の送り速度は150m/分、また、ラッピングテ
ープの送り速度は0.2 m/分の条件で行った。このとき
のラッピングテープ16の処理テンションをW3とす
る。効果の確認を行うため処理後の磁性面表面を目視観
察 しスクラッチ傷の発生の有無を確認した。
【0040】その後、磁性層表面にトップコートをほど
こし、所定のテープ幅に裁断してテープを作成した。
【0041】比較例2 本実施例では、表2に示すように、1段目の研磨テープ
29の走向方向を正方向にした以外は実施例1と同様で
ある(図1参照)。
【0042】以上の実施例1〜4、比較例1〜2につい
てスクラッチ傷の観察を行った。すなわち、裁断前の原
反を全長3000mにわたって表面検査を目視にておこ
ない、スクラッチ傷の有無を確認した。このときスクラ
ッチ傷の大きさを長さ1m以上とそれより小さいものと
に区別した。観察の結果は、表3に示すとおりである。
【0043】
【表3】
【0044】従来行われていた方法、すなわち比較例1
に示すような研磨テープの走向方向を非磁性支持体と同
じ方向(正方向)にした研磨装置においては、表3に示
すように、1m未満のスクラッチ傷が磁気テープ300
0mあたり15本、また1m以上のスクラッチ傷が7本
観察された。
【0045】これに対して、実施例1、すなわち比較例
1の研磨条件に対して、非磁性支持体の走向方向の手前
側(1段目)では、研磨テープの走向方向をを非磁性支
持体の走行方向とは逆にして、研磨処理テンションおよ
び研磨テープ送り速度を比較例1に示した研磨装置と同
じにした場合は、表3からもわかるように、1m未満の
スクラッチ傷が6本に減少し、さらに1m以上のスクラ
ッチ傷は3本に減少した。実施例1では、比較例1に比
べてスクラッチ傷が、1m未満のもの1m以上のもの双
方とも約半分に減少していることがわかる。
【0046】これは、非磁性支持体の磁性面表面に付着
した蒸着時のスプラッシュ物や塵を1段目で除去し、そ
の際発生した異物粉体が研磨テープと磁性面表面との間
に挟み込まれないように1段目研磨テープが非磁性支持
体の走行方向とは反対方向に走行しているので非磁性支
持体の磁性面表面には異物粉体が残らず、2段目の研磨
装置に送られるためであろうと考えられる。また、2段
目では、研磨テープが正方向に移動しながら非磁性支持
体の磁性面を研磨するのでスクラッチ傷の少ない磁性面
表面ができるものと考えられる。
【0047】実施例2では、1m未満のスクラッチ傷が
4本、また1m以上のスクラッチ傷が2本と実施例1に
比較してさらにスクラッチ傷の本数が減少している。こ
れは、実施例2では、実施例1に比較して1段目の研磨
処理テンションが1.0Kg/全幅に対して0.8Kg
/全幅と小さくなっている。経験上、非磁性支持体の走
向方向と逆方向の研磨(柱状構造の成長方向と逆の方向
の研磨)は、正方向の研磨(柱状構造の成長方向に沿っ
た研磨)に比較して研磨されやすいことがわかってい
る。従って、実施例2では逆方向の研磨のテンションを
正方向の研磨のテンションよりも小さくすることによ
り、逆方向での研磨を抑制して、より過度な研磨を防止
することができる。そのため、実施例2におけるスクラ
ッチの本数が実施例1に比較して少なくなったものと考
えるられる。
【0048】実施例3では、1m未満のスクラッチ傷は
9本、また1m以上の傷は4本と、実施例2に比較する
と本数が多いものの、実施例1と比較すると同様な効果
が現れている。実施例3では、実施例2に比較して、研
磨テープの送り速度を1段目で3倍と大きくし、2段目
のテンション0.6Kg/全幅と小さくしたものであ
る。
【0049】実施例4では、1m未満のスクラッチの本
数が13本、また1m以上のスクラッチ傷が7本と比較
例1に比較してわずかながら改善されている。実施例4
では実施例1と比較して1段目の走向方向と2段目の走
向方向を双方とも反対にしたものである。この場合は、
1段目で研磨テープの走向方向が正方向であるので研磨
により発生した異物粉体を挟み込まれる可能性があるこ
とは比較例1と同程度である。しかし、実施例4では、
さらに第2段目で逆方向の研磨をしているので、比較例
1に比較してスクラッチ傷の減少効果が現れている。
【0050】最後に、比較例2について述べる。この場
合は比較例1で用いた研磨装置を直列に連続させたもの
である。すなわち、1段目、2段目とも正方向に走行し
ているものであり、当然予想されるがごとく、1m未満
のスクラッチ傷が21本、また1m以上のスクラッチ傷
が9本と、比較例1と比較してスクラッチ傷が増加して
いる。
【0051】以上のことから本例によれば、金属薄膜磁
気記録媒体、いわゆる、蒸着テープを製造する蒸着以降
の工程内で磁性層表面を複数の研磨手段により研磨する
ことで、研磨時に発生するテープ表面の傷が少ない磁気
記録媒体を実現することができた。
【0052】また、本発明に用いた磁性層表面を研磨す
る機構は構造も比較的簡単であり、設置するスペースも
あまりとらない為、既存の設備にも容易に導入すること
が出来る。
【0053】なお、本発明は上述の実施例に限らず本発
明の要旨を逸脱することなくその他種々の構成を採り得
ることはもちろんである。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
金属薄膜磁気記録媒体、いわゆる、蒸着テープを製造す
る蒸着以降の工程内で磁性層表面を複数の研磨手段によ
り研磨することで、研磨時に発生するテープ表面の傷が
少ない磁気記録媒体を実現することができる。
【0055】また、本発明に用いた磁性層表面を研磨す
る機構は構造も比較的簡単であり、設置するスペースも
あまりとらない為、既存の設備にも容易に導入すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】複数の研磨手段により表面研磨を行う機構の構
成を示す模式図である。
【図2】従来使用されてきた表面研磨機構の構成を示す
模式図である。
【符号の説明】
10 ガイドロール、11 ラッピングロール、12
ガイドロール、13,14 ガイドロール、15 蒸着
テープ原反(非磁性支持体)、16 研磨テープ、17
ラッピングテープ用巻出しロール、18 ラッピング
テープ用巻取りロール、20 蒸着テープ原反(非磁性
支持体)、21,22,23,24 ガイドロール、2
5 研磨テープ用ガイドロール、26,27,28 研
磨テープ用ガイドロール、29,30 研磨テープ、3
1,34 ラッピングテープ用巻取りロール、32,3
3 ラッピングテープ用巻出しロール、35,36,3
8ガイドロール、37 ニップロール

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に真空蒸着により磁性薄
    膜を形成する工程と、上記磁性薄膜の表面を研磨する工
    程を有する磁気記録媒体の製造方法において、 上記磁性薄膜の表面を研磨する工程は、複数の研磨手段
    を有することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法
  2. 【請求項2】 複数の研磨手段は、2つの研磨手段から
    なることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 2つの研磨手段は、互いに異なる方向に
    研磨テープを走行させるものであることを特徴とする請
    求項2記載の磁気記録媒体の製造方法。
  4. 【請求項4】 非磁性支持体の走行方向に対して、1段
    目の研磨手段の研磨テープの走行方向は逆方向であり、
    2段目の研磨手段の研磨テープの走向方向は正方向であ
    ることを特徴とする請求項2記載の磁気記録媒体の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 研磨手段は、1段目の研磨手段の研磨処
    理テンションと2段目の研磨手段の研磨処理テンション
    が同程度であることを特徴とする請求項2または3記載
    の磁気記録媒体の製造方法。
  6. 【請求項6】 研磨手段は、1段目の研磨処理の研磨処
    理テンションの方が2段目の研磨手段の研磨処理テンシ
    ョンよりも小さいことを特徴とする請求項2または3記
    載の磁気記録媒体の製造方法。
  7. 【請求項7】 研磨手段は、1段目の研磨手段の研磨テ
    ープ送り速度と2段目の研磨手段の研磨テープ送り速度
    が同程度であることを特徴とする請求項2または3記載
    の磁気記録媒体の製造方法。
  8. 【請求項8】 研磨手段は、1段目の研磨手段の研磨処
    理テンションおよび研磨テープ送り速度の方が2段目の
    研磨手段の処理テンションおよび研磨テープ送り速度よ
    りも大きいことを特徴とする請求項2または3記載の磁
    気記録媒体の製造方法。
  9. 【請求項9】 非磁性支持体の走向方向に対して、1段
    目の研磨手段の研磨テープの走向方向は正方向であり、
    2段目の研磨手段の研磨テープの走向方向は逆方向であ
    ることを特徴とする請求項2記載の磁気記録媒体の製造
    方法。
  10. 【請求項10】 非磁性支持体上に真空蒸着により磁性
    薄膜を形成した後に、該磁性薄膜の表面を研磨する磁気
    記録媒体の製造装置において、 上記磁性薄膜の表面の研磨は、複数の研磨手段により行
    うことを特徴とする磁気記録媒体の製造装置
  11. 【請求項11】 複数の研磨手段は、2つの研磨手段か
    らなることを特徴とする請求項10記載の磁気記録媒体
    の製造装置。
  12. 【請求項12】 2つの研磨手段は、互いに異なる方向
    に研磨テープを走行させるものであることを特徴とする
    請求項11記載の磁気記録媒体の製造装置。
  13. 【請求項13】 非磁性支持体の走向方向に対して、1
    段目の研磨手段の研磨テープの走向方向は逆方向であ
    り、2段目の研磨手段の研磨テープの走向方向は正方向
    であることを特徴とする請求項11記載の磁気記録媒体
    の製造装置。
  14. 【請求項14】 研磨手段は、1段目の研磨手段の研磨
    処理テンションと2段目の研磨手段の研磨処理テンショ
    ンが同程度であることを特徴とする請求項11または1
    2記載の磁気記録媒体の製造装置。
  15. 【請求項15】 研磨手段は、1段目の研磨手段の研磨
    処理テンションの方が2段目の研磨手段の研磨処理テン
    ションよりも小さいことを特徴とする請求項11または
    12記載の磁気記録媒体の製造装置。
  16. 【請求項16】 研磨手段は、1段目の研磨手段の研磨
    テープ送り速度と2段目の研磨手段の研磨テープ送り速
    度が同程度であることを特徴とする請求項11または1
    2記載の磁気記録媒体の製造装置。
  17. 【請求項17】 研磨手段は、1段目の研磨手段の研磨
    処理テンションおよび研磨テープ送り速度の方が2段目
    の研磨手段の処理テンションおよび研磨テープ送り速度
    よりも大きいことを特徴とする請求項11または12記
    載の磁気記録媒体の製造装置。
  18. 【請求項18】 非磁性支持体の走向方向に対して、1
    段目の研磨手段の研磨テープの走向方向は正方向であ
    り、2段目の研磨手段の研磨テープの走向方向は逆方向
    であることを特徴とする請求項11記載の磁気記録媒体
    の製造装置。
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