JPH09329918A - トナー用樹脂組成物及びトナー - Google Patents

トナー用樹脂組成物及びトナー

Info

Publication number
JPH09329918A
JPH09329918A JP15117896A JP15117896A JPH09329918A JP H09329918 A JPH09329918 A JP H09329918A JP 15117896 A JP15117896 A JP 15117896A JP 15117896 A JP15117896 A JP 15117896A JP H09329918 A JPH09329918 A JP H09329918A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
olefin polymer
ethylene
resin composition
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP15117896A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiharu Furukawa
敏治 古川
Takashi Kamiyama
隆司 上山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP15117896A priority Critical patent/JPH09329918A/ja
Publication of JPH09329918A publication Critical patent/JPH09329918A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 定着性、耐オフセット性、保存性、耐久性に
優れ、かつ白抜けの発生の少ないトナー用樹脂組成物及
びトナーを得る。 【解決手段】 ビニル系共重合体(A)と、DSCの融
点(ピーク値)が80℃以上のエチレン系オレフィン重
合体を酸化分解することにより得られる酸価3以上の酸
化エチレン系オレフィン重合体(B)と、DSCの融点
(ピーク値)が60〜100℃の範囲にあり、重量平均
分子量(Mw)が400≦Mw≦900で、数平均分子
量(Mn)が400≦Mn≦900であり、かつ100
℃での溶融粘度が6〜16cpであるエチレン系オレフ
ィン重合体(C)とからなり、上記ビニル系共重合体
(A)の少なくとも一部が酸と反応する官能基を有する
ビニル系共重合体であることを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真等に使用
するトナー用樹脂組成物及びトナーに関するものであ
り、さらに詳細には、静電荷像を現像する方式のうちの
いわゆる乾式現像方式に使用するトナー用樹脂組成物及
びトナーに関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】電子写
真等において静電荷像を現像する方式としては、乾式現
像方式が多用されている。乾式現像方式において、通常
トナーはキャリアーと呼ばれる鉄粉あるいはガラスビー
ズ等との摩擦によって帯電し、これが感光体上の静電潜
像に電気的引力によって付着し、次に、このトナーが用
紙上に転写され、熱ロール等によって定着されて永久可
視像となる。
【0003】定着の方法としては、トナーに対して離型
性を有する材料で表面を形成した加熱ローラーの表面
に、被定着シートのトナー画像を圧接させながら通過さ
せることにより行う加熱ローラー法が多用されている。
この加熱ローラー法において、消費電力等の経済性を向
上させるため、及び複写速度を挙げるため、より低温で
定着可能なトナー用樹脂が求められている。
【0004】また、加熱ローラー法では、熱ローラー表
面とトナーとが溶融状態で加圧下に接触するため、トナ
ーの一部が定着ローラー表面に付着し、それが紙に再転
写するといったオフセット現象が起こり易い。このオフ
セット現象の対策として、定着ローラー表面にシリコン
オイル等を塗布する方法があるが、この場合装置が複雑
になる問題がある。そこで、耐オフセット性に優れたト
ナー用樹脂も従来より要望されている。
【0005】耐オフセット性を向上させる方法として
は、従来よりトナー中に離型剤としての種々のワックス
を含有させることが提案されている。離型剤としてワッ
クス等をトナー中に含有させると、確かに耐オフセット
性は向上するが、ワックスの融点が高くなると定着性の
向上が望めなくなる。特公昭57−52574号公報、
特公昭63−32180号公報、及び特開昭57−14
8752号公報では、低分子量あるいは粘度の低いポリ
エチレンあるいはエチレン系オレフィン重合体を含有さ
せることにより、定着性と耐オフセット性を向上させる
ことが提案されている。しかしながら、これらの重合体
の中には、低融点成分を含むものがあり、保存性に悪影
響を及ぼす可能性がある。
【0006】特開平7−36218号公報では、低分子
量のポリエチレン系ワックスを用いることにより、定着
性、耐オフセット性及び保存性のバランスを改善させた
トナー用樹脂組成物が開示されている。しかしながら、
低分子量のポリエチレン系ワックスは、トナー化の混練
時に樹脂と良好に混合せず、分散が悪くなり、コピー後
の画像に白抜けが生じるという問題がある。また、分散
をよくするために、混練条件を低温にし樹脂に圧力がか
かるようにすると、樹脂の分子切断が起こり、耐オフセ
ット性が悪化する可能性がある。
【0007】特開昭63−46414号公報において
は、エチレンやプロピレンとビニル単量体とからなるグ
ラフト共重合体をトナー用樹脂組成物として用いること
が提案されている。このようなグラフト共重合体を含有
させることによりワックス等の分散性は向上するが、こ
のようなグラフト共重合体は、過酸化物系重合開始剤に
よりエチレンなどから水素原子を引き抜いてビニル単量
体とグラフト反応させて得られるものであるため、グラ
フト反応の制御が難しく、時には十分な耐オフセット性
が得られなかったり、あるいは長時間連続に安定した画
質が得られない場合がある。
【0008】本発明の目的は、定着性、耐オフセット
性、保存性、及び耐久性に優れ、かつ白抜けの発生が抑
制されたトナー用樹脂組成物及びトナーを得ることにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のトナー用樹脂組
成物は、ビニル系共重合体(A)と、DSCの融点(ピ
ーク値)が80℃以上のエチレン系オレフィン重合体を
酸化分解することにより得られる酸価3以上の酸化エチ
レン系オレフィン重合体(B)と、DSCの融点(ピー
ク値)が60〜100℃の範囲にあり、重量平均分子量
(Mw)が400≦Mw≦900で、数平均分子量(M
n)が400≦Mn≦900であり、かつ100℃での
溶融粘度が6〜16cpであるエチレン系オレフィン重
合体(C)とからなり、上記ビニル系共重合体(A)の
少なくとも一部が酸と反応する官能基を有するビニル系
共重合体であることを特徴としている。
【0010】本発明のトナーは、上記本発明のトナー用
樹脂組成物が用いられていることを特徴としている。本
発明のトナー用樹脂組成物において、酸化エチレン系オ
レフィン重合体(B)と、エチレン系オレフィン重合体
(C)の合計の含有量は、3〜15重量%であることが
好ましい。従って、ビニル系共重合体(A)は、85〜
97重量%であることが好ましい。このような含有量の
範囲内とすることにより、定着性、耐オフセット性に優
れ、かつ白抜けが発生しにくいトナー用樹脂組成物とす
ることができる。
【0011】本発明のトナー用樹脂組成物において、ビ
ニル系共重合体(A)の少なくとも一部は、酸と反応す
る官能基を有するビニル系共重合体である。このような
酸と反応する官能基を有するビニル系共重合体のもとと
なる酸と反応する官能基を有するビニル系単量体は、ビ
ニル系共重合体(A)中に0.5重量%以上含有されて
いることが好ましく、さらに好ましくは、1〜5重量%
である。酸と反応する官能基を有するビニル系単量体の
含有量が少なくなると、定着性及び耐オフセット性が悪
くなる傾向にある。
【0012】酸化エチレン系オレフィン重合体(B) 本発明において用いられる酸化エチレン系オレフィン重
合体(B)は、DSCの融点(ピーク値)が80℃以上
のエチレン系オレフィン重合体を酸化分解することによ
り得られるものである。エチレン系オレフィン重合体の
具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチ
レン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重
合体などを挙げることができる。
【0013】エチレン系オレフィン重合体のDSCの融
点(ピーク値)が80℃より低いと、十分な耐オフセッ
ト性を得ることができない。本発明において用いられる
酸化エチレン系オレフィン重合体(B)の酸価は3以上
とされる。酸価が3未満であると、十分な定着性及び耐
オフセット性を得ることができない。なお、酸価の測定
は、ASDM D1386−83に準じて測定すること
ができる。
【0014】本発明において用いられる酸化エチレン系
オレフィン重合体(B)の示差走査熱量測定(DSC
法)では、酸化分解したオレフィン重合体の融点ピーク
と、酸化分解する前の元のオレフィン重合体の融点ピー
クとが観察される。このような酸化分解したオレフィン
重合体の融点ピーク面積(S1)と、元のオレフィン重
合体の融点ピーク面積(S2)との比は、S1:S2=
9:1〜3:7の範囲内であることが好ましい。元のオ
レフィン重合体の融点ピーク面積(S2)が1割未満で
あると、十分な耐オフセット性が得られない場合があ
る。逆に7割より多くなると、分散性が低下して、良好
な画質が得られない場合がある。このような面積の測定
は、DSCチャートの各領域を、株式会社内田洋行社製
のデジタルプラニメーター“KP−92N”により算出
して求めることができる。図1及び図2は、このような
DSCチャートにおける各融点ピーク面積S1及びS2
を示す図である。図2に示すように、2つの融点ピーク
に重なり部分が存在する場合には、重なりの交点から垂
直線を引いてそれぞれの融点ピークを分割して測定す
る。
【0015】エチレン系オレフィン重合体(C) 本発明において用いられるエチレン系オレフィン重合体
(C)は、DSCの融点(ピーク値)が60〜100
℃、好ましくは75〜90℃の範囲にあり、重量平均分
子量(Mw)が400≦Mw≦900で、数平均分子量
(Mn)が400≦Mn≦900であり、かつ100℃
での溶融粘度が6〜16cpのものである。
【0016】エチレン系オレフィン重合体の具体例とし
ては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロ
ピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などを
挙げることができる。
【0017】DSCの融点(ピーク値)が低すぎたり、
あるいはMwまたはMnが400より低いと、保存性に
悪影響を及ぼす。また逆に、DSCの融点(ピーク値)
が高すぎたり、あるいはMwまたはMnが900よりも
大きいと、定着性の向上が得られない。また、100℃
の溶融粘度が、低いと分散が悪くなり、溶融粘度が高い
と定着性の向上が得られない。
【0018】また、エチレン系オレフィン重合体(C)
のMw/Mnの比は、1〜1.1であることが好まし
い。これは、Mw/Mnが1.1以下で1に近づく程定
着性が向上するためである。
【0019】またDSCチャートにおける融点のピーク
値とショルダー値の関係は、(ピーク値)−(ショルダ
ー値)≦10℃の範囲内にあることが好ましい。このよ
うな関係のショルダー値を有することにより、融点の温
度付近で一瞬溶融し、定着性が向上するためである。
【0020】また、DSCチャートにおいて、ショルダ
ー値より低い温度領域にピークが存在しないことが好ま
しい。このようなピークが存在すると、保存性に悪影響
を生じるおそれがあるからである。図3は、DSCチャ
ートにおける融点のピーク値とショルダー値を示す図で
ある。図3においてAは融点のピーク値を示しており、
Bはショルダー値を示している。上述のようにショルダ
ー値より低い温度領域においてピークが存在しないこと
が好ましい。なお、上記ピークとは、図3に示す融点の
ピークの長さhの1/20より大きいようなピークを意
味する。
【0021】ビニル系共重合体(A) 本発明におけるビニル系共重合体(A)としては、スチ
レン系単量体、アクリル酸エステル単量体もしくはメタ
クリル酸エステル単量体を構成単位とすることが好まし
い。
【0022】スチレン系単量体の具体例としては、スチ
レンの他にo−メチルスチレン、m−メチルスチレン、
p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−エチル
スチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチル
スチレン、p−ter−ブチルスチレン、p−n−ヘキ
シルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ド
デシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニル
スチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチ
レンなどを挙げることができる。
【0023】アクリル系エステル単量体もしくはメタク
リル酸エステル単量体の具体例としては、アクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリ
ル酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸
−n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸−2
−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、メタクリル
酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピ
ル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチ
ル、メタクリル酸−n−オクチル、メタクリル酸ドデシ
ル、メタクリル酸ステアリル、などのアクリル酸または
メタクリル酸のアルキルエステルの他、アクリル酸−2
−クロルエチル、アクリル酸フェニル、α−クロルアク
リル酸メチル、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、ア
クリル酸−2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−2−
ヒドロキシブチル、アクリル酸グリシジル、メタクリル
酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタ
クリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸−2−ヒ
ドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシプロピ
ル、メタクリル酸−2−ヒドロキシブチル、メタクリル
酸グリシジル、ビスグリシジルメタクリレート、ポリエ
チレングリコールジメタクリレート、メタクリロキシエ
チルホスフェートなどを挙げることができ、アクリル酸
−2−エチルヘキシル、アクリル酸−n−ブチル、メタ
クリル酸メチル、メタクリル酸−n−ブチルなどが特に
好ましく用いられる。
【0024】その他にも単量体としてビニル系単量体が
用いられてもよく、その具体例としては、アクリル酸、
メタクリル酸、α−エチルアクリル酸、クロトン酸など
のアクリル酸及びそのα−あるいはβ−アルキル誘導
体、フマル酸、マイレン酸、シトラコン酸、イタコン酸
などの不飽和ジカルボン酸及びそのモノエステル誘導体
及びジエステル誘導体、コハク酸モノアクリロイルオキ
シエチルエステル、コハク酸モノメタクリロイルオキシ
エチルエステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、アクリルアミドなどを挙げることができる。
【0025】本発明におけるビニル系共重合体(A)は
架橋構造をとっていてもよく、以下の架橋剤と共重合し
ていてもよい。2官能の架橋剤としてジビニルベンゼ
ン、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチ
レングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオー
ルジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリ
レート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ジ
エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリ
コールジアクリレート、テトラエチレングリコールジア
クリレート、ペンタエチレングリコールジアクリレー
ト、ポリエチレングリコール#200,#400,#6
00の各ジアクリレート、ジプロピレングリコールジア
クリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレー
ト、及び以上のアクリレートをメタクリレートに変えた
もの全てが挙げられ、多官能の架橋剤としてペンタエリ
スリトールトリアクリレート、トリメチロールエタント
リアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレ
ート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オ
リゴエステルアクリレート及びそのメタクリレート、
2,2−ビス(4−メタクリロキシ,ポリエトキシフェ
ニル)プロパン、ジアリルフタレート、トリアリルシア
ヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルト
リメリテート、ジアリールクロレンデート等が挙げられ
る。
【0026】上述のように、本発明におけるビニル系共
重合体(A)の少なくとも一部は、酸と反応する官能基
を有するビニル系共重合体である。酸と反応する官能基
としては、水酸基、グリシジル基等を挙げることがで
き、酸と反応し得る官能基であれば特に限定されるもの
ではない。このような酸と反応する官能基は、このよう
な官能基を有する単量体を共重合させることによりビニ
ル系共重合体中に導入することができる。このような単
量体としては、例えば、グリシジルメタクリレート、グ
リシジルアクリレート、2ヒドロキシエチルメタクリレ
ート、2ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプ
ロピルモノメタクリレート、ヒドロキシプロピルモノア
クリレート、グリセロールモノメタクリレート、グリセ
ロールモノアクリレート、ヤシ脂肪酸グリシジルエステ
ル、各種脂肪酸グリシジルエステル等が挙げられる。
【0027】ビニル系共重合体(A)を重合するための
重合開始剤としては、例えば、過酸化物系開始剤、アゾ
系の重合開始剤等が挙げられる。酸と反応する官能基を
有するビニル系共重合体の合成方法としては、例えば、
エチレン系オレフィン重合体と酸化エチレン系オレフィ
ン重合体の共存下で溶液重合を行う方法、懸濁重合、乳
化重合、溶液重合、塊重合等で合成したビニル系共重合
体とエチレン系オレフィン重合体の共存下で溶液重合を
行う方法などが挙げられる。
【0028】本発明のトナー用樹脂組成物は、本発明の
達成し得る範囲内で、酢酸ビニル、塩化ビニル等がビニ
ル系共重合体(A)に共重合されてもよく、またこれら
のモノマーの重合体が混合されてもさしつかえない。ま
た、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、
またはビニル系樹脂でGPCの重量平均分子量3万〜3
0万の樹脂が混合されてもよい。さらに、脂肪族アミ
ド、ビス脂肪族アミド、金属石鹸またはパラフィン等が
トナー用樹脂組成物中に混合されてもよい。
【0029】本発明のトナーは前記樹脂組成物中に着色
剤、電荷制御剤、必要に応じて磁性粉等を分散混合し、
熱熔融混練及び粉砕して製造される。着色剤としては、
カーボンブラック、アニリンブラック、フタロシアニン
ブルー、キノリンイエロ−、ランプブラック、ローダミ
ン−B、キナクリドン等が例示され、通常樹脂組成物中
に1〜10重量%含有される。
【0030】電荷制御剤としては、正帯電用と負帯電用
とがある。正帯電用としては、ニグロシン染料、アンモ
ニウム塩、ピリジニウム塩、アジン等が例示される。負
帯電用としては、クロム錯体、鉄錯体等が例示される。
これらの電荷制御剤は、樹脂組成物中に0.1〜10重
量%含有される。
【0031】作用 本発明のトナー用樹脂組成物においては、ビニル系共重
合体(A)の少なくと一部が酸と反応する官能基を有す
るビニル系共重合体である。このような酸と反応する官
能基を有するビニル系共重合体は、酸化エチレン系オレ
フィン重合体(B)の一部と反応し、これによって、優
れた定着性、耐オフセット性、保存性、耐久性が得ら
れ、白抜けの発生が防止される。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を挙げて説
明する。なお、「部」とあるのは、「重量部」を意味す
る。
【0033】実施例1 〔樹脂組成物の製造〕スチレン20部、アクリル酸n−
ブチル5部を重合して得られた分子量の極大値が60万
の樹脂25部と、表1の物性の酸化エチレン系オレフィ
ン重合体a3部と、表2の物性のエチレン系オレフィン
重合体ア(中国精油社製、商品名:NOPALETS
MP80)6部と、トルエン100部とをフラスコに投
入し、溶解した。このフラスコ内を窒素ガスで置換した
後、トルエンの沸点まで加熱した。トルエンの還流が起
きた状態で攪拌しながら、スチレン66部と、アクリル
酸n−ブチル8部と、グリシジルメタクリレート1部
と、過酸化ベンゾイル(重合開始剤)3.4部の混合液
を3時間かけて滴下し、共存溶液重合を行った。滴下終
了後、トルエンの還流下で攪拌しながら、1時間かけて
熟成を行い分子量の極大値が1万の低分子量重合体を重
合した。その後フラスコ内の温度を180℃まで徐々に
上げながら、減圧下にトルエンを脱溶剤して、本発明の
トナー用樹脂組成物Iを得た。
【0034】〔トナーの製造〕上記により得られたトナ
ー用樹脂組成物Iを使用し、下記配合すなわち、 ・トナー用樹脂組成物I 100部 ・クロム含金染料(オリエント化学工業社製、商品名:S−34) 1.5部 ・カーボンブラック(三菱化成社製、商品名:MA−100) 6.5部 の配合組成物を混合し、150℃で熔融混練後、ジェッ
トミルで粉砕して得た約10μmのトナー粒子に対して
疎水性シリカ(日本アエロジル社製、商品名:R97
2)0.3重量%を添加して本発明のトナーIを得た。
【0035】実施例2 実施例1において表2の物性のエチレン系オレフィン重
合体アをイ(中国精油社製、商品名:NOPALETS
MP87S)に変更した以外は同様にして本発明の樹
脂組成物II及びトナーIIを得た。
【0036】実施例3 実施例1において表1の物性の酸化エチレン系オレフィ
ン重合体a3部をb1部に変更した以外は同様にして本
発明の樹脂組成物III 及びトナーIII を得た。
【0037】実施例4 実施例1において表1の物性の酸化エチレン系オレフィ
ン重合体a3部をc4部に変更した以外は同様にして本
発明の樹脂組成物IV及びトナーIVを得た。
【0038】実施例5 実施例1においてエチレン系オレフィン重合体ア6部を
10部に変更した以外は同様にして本発明の樹脂組成物
V及びトナーVを得た。
【0039】比較例1 実施例1において表1の物性の酸化エチレン系オレフィ
ン重合体aをdに変更した以外は同様にして比較用の樹
脂組成物VI及びトナーVIを得た。
【0040】比較例2 実施例1において表1の物性の酸化エチレン系オレフィ
ン重合体aをeに変更した以外は同様にして本発明の樹
脂組成物VII 及びトナーVII を得た。
【0041】比較例3 実施例1において表2の物性のエチレン系オレフィン重
合体アをウ(中国精油社製、商品名:THERMOLE
TS SF6099)に変更した以外は同様にして比較
用の樹脂組成物IX及びトナーIXを得た。
【0042】比較例4 実施例1において表2の物性のエチレン系オレフィン重
合体アをエ(中国精油社製、商品名:THERMOLE
TS SF2655)に変更した以外は同様にして比較
用の樹脂組成物X及びトナーXを得た。
【0043】比較例5 実施例1において表2の物性のエチレン系オレフィン重
合体アをオ(三洋化成工業社製、商品名:ビスコール
660P)に変更した以外は同様にして比較用の樹脂組
成物XI及びトナーXIを得た。
【0044】比較例6 実施例1において表1の物性の酸化エチレン系オレフィ
ン重合体a3部を1部に、またエチレン系オレフィン重
合体ア6部を1部に変更した以外は同様にして比較用の
樹脂組成物XII 及びトナーXII を得た。
【0045】比較例7 実施例1において表1の物性の酸化エチレン系オレフィ
ン重合体a3部を10部に、またエチレン系オレフィン
重合体ア6部を10部に変更した以外は同様にして比較
用の樹脂組成物XIII及びトナーXIIIを得た。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】評価試験 (1)定着性 各トナー(6.5部)を粒径約50〜80μmの鉄粉キ
ャリアー(93.5部)と混合して現像剤を作り、この
現像剤を用いて未定着画像を複数作製した。次に、熱定
着ロールの表面温度を150℃及び170℃に設定し、
前記未定着画像が形成された転写紙のトナー像の定着を
行った。使用した電子写真複写機は三田DC−5500
を改造したものである。そして、形成された定着画像に
対して綿パッドによる摺擦を施し、下記の式によって定
着強度を算出し低エネルギー定着性の指標とした。画像
濃度はマクベス社製の反射濃度計RD−914を使用し
た。 定着強度(%)=(摺擦後の定着画像の画像濃度/摺擦
前の定着画像の画像濃度)×100
【0049】(2)耐オフセット性 熱定着ロールの表面温度を段階的に変化させて、各表面
温度において前記未定着画像を有した転写紙のトナー像
の定着を行った複写物を得た。このとき余白部分にトナ
ー汚れが生じるか否かの観察を行い、汚れが生じない温
度領域を非オフセット温度領域とした。また、非オフセ
ット温度領域の最大値と最小値の差を非オフセット温度
幅とした。
【0050】(3)保存性 前記トナーI〜XII 各20gを150ccボトルに充填
し、50℃の恒温槽中で24時間放置した後、トナーの
ケーキング状態を目視により5段階評価で確認した。な
お、1:優秀、2:良好、3:問題無し、4:悪い、
5:ブロッキングである。
【0051】(4)白抜けの発生確認 熱定着ロールの表面温度を170℃に設定し、前記未定
着画像が形成された転写紙のトナー像の定着を行った複
写物を20枚得た。このとき、定着画像を目視により白
抜けの発生を確認した。
【0052】(5)耐久性 前記現像剤を用いて真っ黒の未定着画像を複数作製し、
熱定着ロールの表面温度を170℃に設定し、未定着画
像が形成された転写紙のトナー像の定着を行った。この
とき、定着画像の画質を目視により以下の評価基準で確
認した。また、1万枚後及び3万枚後の定着画像も目視
により画質を確認した。 ○:良好,×:色斑あり 上記項目の試験結果を表3に示す。
【0053】
【表3】
【0054】表3より明らかなように、本発明のトナー
用樹脂組成物及びトナーは、定着性、耐オフセット性、
保存性、耐久性に優れ、また白抜けの発生もしなかっ
た。それに比べ比較例では、低温側のオフセットが高
い、定着率が低い、保存性が悪い、耐久性が無いあるい
は、白抜けが発生したりしていた。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、定着性、耐オフセット
性、保存性、耐久性に優れ、かつ白抜けの発生の少ない
トナー用樹脂組成物及びトナーとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における酸化エチレン系オレフィン重合
体(B)のDSCチャートの一例を示す概念図。
【図2】本発明における酸化エチレン系オレフィン重合
体(B)のDSCチャートの他の例を示す概念図。
【図3】本発明におけるエチレン系オレフィン重合体
(C)のDSCチャートでのピーク値及びショルダー値
を示す概念図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03G 9/09 G03G 9/08 361 381

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ビニル系共重合体と、 (B)DSCの融点(ピーク値)が80℃以上のエチレ
    ン系オレフィン重合体を酸化分解することにより得られ
    る酸価3以上の酸化エチレン系オレフィン重合体と、 (C)DSCの融点(ピーク値)が60〜100℃の範
    囲にあり、重量平均分子量(Mw)が400≦Mw≦9
    00で、数平均分子量(Mn)が400≦Mn≦900
    であり、かつ100℃での溶融粘度が6〜16cpであ
    るエチレン系オレフィン重合体とからなり、 上記ビニル系共重合体(A)の少なくとも一部が酸と反
    応する官能基を有するビニル系共重合体であることを特
    徴とするトナー用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のトナー用樹脂組成物が
    用いられていることを特徴とするトナー。
JP15117896A 1996-06-12 1996-06-12 トナー用樹脂組成物及びトナー Pending JPH09329918A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15117896A JPH09329918A (ja) 1996-06-12 1996-06-12 トナー用樹脂組成物及びトナー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15117896A JPH09329918A (ja) 1996-06-12 1996-06-12 トナー用樹脂組成物及びトナー

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09329918A true JPH09329918A (ja) 1997-12-22

Family

ID=15513012

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15117896A Pending JPH09329918A (ja) 1996-06-12 1996-06-12 トナー用樹脂組成物及びトナー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09329918A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5072113B2 (ja) 電子写真用トナーおよびトナー用バインダー樹脂
JP3721205B2 (ja) 静電荷像現像用トナー
US5547801A (en) Toner resin composition and toner
JPS63217364A (ja) 第4級アンモニウム塩を含有する静電潜像現像トナ−
JPH11202555A (ja) トナー用樹脂組成物及びトナー
JPH08114942A (ja) 電子写真用現像剤
JP3209680B2 (ja) 電子写真用トナーおよびその製造方法
JP3169543B2 (ja) トナー用樹脂組成物及びトナー
JPH09329918A (ja) トナー用樹脂組成物及びトナー
JPH10123753A (ja) トナー用樹脂組成物及びトナー
JPH10228132A (ja) トナー用樹脂組成物及びトナー
JP3635140B2 (ja) 電子写真用トナー
JPH07168397A (ja) トナー用樹脂組成物およびそれを用いた電子写真用トナー
JP2812657B2 (ja) トナー用樹脂組成物及びトナー
JPH10133420A (ja) トナー用樹脂組成物及びトナー
JPH1026844A (ja) トナー用樹脂組成物及びトナー
JP3582039B2 (ja) 電子写真用トナー
JP2835969B2 (ja) 加熱定着用トナー
JP4408225B2 (ja) トナー用樹脂組成物及びトナー
JP3041132B2 (ja) 現像剤用添加剤及び現像剤組成物
JP4402246B2 (ja) トナー用樹脂組成物及びトナー
JPH1124307A (ja) トナー用樹脂組成物及びトナー
JPH10123752A (ja) トナー用樹脂組成物及びトナー
JPH08334921A (ja) トナー用樹脂組成物及びトナー
JPH10186718A (ja) トナー用樹脂組成物及びその製造方法並びにトナー