JPH09329162A - ディスクブレーキ装置 - Google Patents

ディスクブレーキ装置

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JPH09329162A
JPH09329162A JP8147576A JP14757696A JPH09329162A JP H09329162 A JPH09329162 A JP H09329162A JP 8147576 A JP8147576 A JP 8147576A JP 14757696 A JP14757696 A JP 14757696A JP H09329162 A JPH09329162 A JP H09329162A
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disc rotor
pad
piston
disc
rotor
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JP8147576A
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Inventor
Tadanori Okada
忠紀 岡田
Shingo Shimizu
信吾 清水
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明はディスクブレーキ装置に関し、ディ
スクロータが傾いた場合に、ブレーキパッドの偏摩耗を
防止すると共に、ピストンとシリンダの間のこじりを防
止することを目的とする。 【解決手段】 シリンダ部材30及び中間部材44は夫
々球状摺動面26、42と球面接触することで、キャリ
パ22に対して揺動できる。インナーパッド36及びア
ウターパッド48がディスクロータ20に押圧された状
態でディスクロータ20が傾くと、インナーパッド36
とシリンダ部材30、及び、アウターパッド48と中間
部材44は夫々該傾きに追従して一体に揺動し、インナ
ーパッド36及びアウターパッド48がディスクロータ
20に一様に押圧されると共に、ディスクロータ20か
らピストン32への反力の方向はその摺動方向に一致す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両のブレーキ装
置に係わり、特に、ディスクブレーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両用ディスクブレーキ装置は、車輪と
共に回転するディスクロータと、ディスクロータに対向
して配置されたブレーキパッドと、ブレーキパッドをデ
ィスクロータに向けて押圧するピストンとを備えてい
る。ブレーキパッドがピストンによってディスクロータ
に押圧されることにより、制動力が発生される。ピスト
ンは、シリンダ内に摺動可能に配設されており、シリン
ダに発生する液圧に応じた押圧力を発生させる。
【0003】ディスクロータの取り付け誤差、あるい
は、コーナリング時のタイヤの傾き等により、ディスク
ロータの中心軸と、ホイールの回転軸との間に傾きが生
ずると、ディスクロータが回転する際、ディスクロータ
には、回転に同期した、その面に垂直な方向の振れが生
ずる。ディスクロータのかかる回転状態を、以下、振れ
回りと称する。ディスクロータにかかる振れ回りが生ず
ると、ディスクロータはブレーキパッドに対して相対的
に傾斜する。また、大きな制動力が発生された際には、
ブレーキパッドからディスクロータに及ぼされる押圧力
に起因して、キャリパに変形が生ずる場合がある。この
場合にも、ディスクロータはブレーキパッドに対して相
対的に傾くことになる。かかる状況下で制動が行われる
と、ブレーキパッドはディスクロータに対して傾斜した
状態で押圧されるため、ブレーキパッドの面圧分布が不
均一となって、ブレーキパッドに偏摩耗が生ずることが
ある。
【0004】このようなブレーキパッドの偏摩耗の防止
を目的としたディスクブレーキ装置として、例えば、特
開平7−305734号に開示されるディスクブレーキ
装置が知られている。上記従来のディスクブレーキ装置
においては、ブレーキパッドはピストンに対して揺動可
能に連結されている。従って、ディスクロータに相対的
な傾きが生じた場合、ブレーキパッドがディスクロータ
に追従するように揺動することにより、ブレーキパッド
はディスクロータに対して一様に押圧された状態が維持
される。従って、上記従来のディスクブレーキ装置によ
れば、ディスクロータに相対的な傾きが生じた場合に、
ブレーキパッドに偏摩耗が生ずることが防止される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のディスクブ
レーキ装置においては、上述の如く、ディスクロータに
傾きが生じた場合、ブレーキパッドはディスクロータの
傾きに追従して揺動するため、ディスクロータからブレ
ーキパッドに作用する反力の方向は、ディスクロータの
傾きに応じて変化する。このため、ピストンが発生する
押圧力の方向と、ディスクロータからブレーキパッドに
作用する反力の方向とは一致しなくなる。この反力は、
ブレーキパッドを介してピストンに伝達される。ピスト
ンの発生する押圧力の方向は、そのシリンダに対する摺
動方向に一致しているため、かかる状況においては、ピ
ストンには、シリンダに対する摺動方向と異なる方向の
外力が作用することになる。この結果、ピストンとシリ
ンダとの摺動面に摺動方向以外の力が作用することによ
り摺動面の面圧が部分的に増大し、摺動抵抗の増大や、
ひいては、摺動面の摩耗を招くことがある(互いに摺動
する2つの部材の摺動面に生ずるかかる現象を、以下、
こじりと称する)。このように、上記従来の技術は、デ
ィスクロータの振れ回りやキャリパの変形に起因してデ
ィスクロータとキャリパとの間に相対的な傾きが生じた
場合、パッドの偏摩耗を防止できるものの、ピストンと
シリンダとの間に、こじりを生じさせることがあった。
【0006】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、ディスクロータに相対的な傾きが生じた場合
に、ブレーキパッドの偏磨耗を防止し得ると共に、ピス
トンとシリンダとの間に、こじりが発生することを防止
し得るディスクブレーキ装置を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、車輪と共
に回転するディスクロータと、該ディスクロータに対向
して配置され、該ディスクロータに押圧されることによ
り制動力を発生させる摩擦部材と、シリンダと該シリン
ダに対して摺動可能に配設されたピストンとよりなり、
該シリンダに発生する液圧に応じた力で、該ピストンに
より前記摩擦部材を前記ディスクロータに向けて押圧す
る押圧機構と、前記押圧機構を支持する支持手段と、を
備えるディスクブレーキ装置であって、前記摩擦部材と
前記押圧機構とを前記支持手段に対して一体に揺動でき
るように構成したディスクブレーキ装置により達成され
る。
【0008】本発明において、摩擦部材は押圧機構のピ
ストンによりディスクロータに向けて押圧される。摩擦
部材と押圧機構とは支持手段に対して一体に揺動できる
ように構成されている。このため、摩擦部材がディスク
ロータに均一に押圧された状態でディスクロータが支持
部材に対して相対的に傾いた場合、摩擦部材と押圧機構
とは一体となって、摩擦部材がディスクロータに追従す
るように揺動する。従って、かかる場合にも、摩擦部材
はディスクロータに均一に押圧される。この場合、ピス
トンが発生する押圧力の方向と、摩擦部材がディスクロ
ータを押圧する方向とは一致している。従って、摩擦部
材を介してピストンに作用する、ディスクロータからの
反力の方向は、ピストンが発生する押圧力の方向と一致
する。ところで、押圧機構のピストンが発生する押圧力
の方向と、ピストンのシリンダに対する摺動方向とは一
致している。従って、ピストンに作用する上記反力の方
向は、ピストンのシリンダに対する摺動方向と一致す
る。このため、押圧機構のピストンとシリンダとの間
に、こじりが生ずることが防止される。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施例である
ディスクブレーキ装置10の断面図である。また、図2
は、ディスクブレーキ装置10を図1の直線I−Iに沿
って切断した際の断面図である。更に、図3は、本ディ
スクブレーキ装置10を、図1に示す矢印III の方向か
ら見た際の図である。なお、車両が直進状態にある場合
に、図1の左右方向が車両の幅方向に相当し、図1の左
側が車両の外側に相当している。
【0010】図1及び図2において、ディスクロータ2
0は図示しないホイールに固定されており、車両走行時
にはホイールと共に回転する。ディスクロータ20は、
その図1中左右両側の面に摩擦面20a及び20bを備
えている。キャリパ22は、ディスクロータ20の外周
縁外側を跨ぐように配設されている。図2に示す如く、
キャリパ22は2つの部材22a及び22bに分割され
ており、例えば、ボルト等の図示しない連結手段により
結合されている。キャリパ22の、図1におけるディス
クロータ20の右側の部位には、ディスクロータ20に
向けて開口する円筒部24が設けられている。円筒部2
4の底面には、球状摺動面26が形成されている。球状
摺動面26は、シリンダ部24の中心軸と、ディスクロ
ータ20の中央面との交点に中心Odを有する球面形状
に形成されている。球状摺動面26の中心部には貫通穴
28が設けられている。
【0011】円筒部24には、シリンダ部材30が配設
されている。シリンダ部材30は、一端が閉じた略円筒
状の部材であり、その底面には、シリンダ部材30内部
に開口する油路管31が接続されている。油路管31
は、円筒部24内から、球状摺動面26に設けられた貫
通穴28を図1中右方へ向けて貫通し、その端部にはブ
レーキ配管を介して図示しないマスタシリンダが接続さ
れている。シリンダ部材30の外側の底面には球面30
aが設けられている。球面30aは球状摺動面26に沿
うような球面形状に形成されている。これにより、シリ
ンダ部材30は、球面30aが球状摺動面26に押圧さ
れた状態で、キャリパ22に対して任意の方向に揺動す
ることができる。
【0012】シリンダ部材30の内部には、ピストン3
2が液密かつ摺動可能に配設されている。ピストン32
の図1中右側の底面と、シリンダ部材30の底面との間
には液室33が形成されている。ピストン32の図1中
左側の端面には裏板34が、ディスクロータ20の回転
方向に僅かに摺動し得るように連結されている。裏板3
4にはインナーパッド36が固定されている。インナー
パッド36は、ブレーキペダルが操作されない非制動時
においては、ディスクロータ20の図1中右側の面に設
けられた摩擦面20aと所定の隙間L1を隔てて対向す
るように配設されている。
【0013】キャリパ22は、そのディスクロータ20
より図1中左側の部位に爪部38を備えている。爪部3
8には、ディスクロータ20を隔てて円筒部24と対向
するように開口する円筒部40が設けられている。円筒
部40の底面には、球状摺動面42が設けられている。
球状摺動面42は、球面摺動面26と同一の中心Odを
有する球面形状に形成されている。円筒部40には、略
円柱状の中間部材44が配設されている。中間部材44
の、円筒部40内部に位置する側の底面には、球面44
aが設けられている。球面44aは、球状摺動面42に
沿うような球面形状に形成されている。これにより、中
間部材44は、その球面44aが球状摺動面42に押圧
された状態で、キャリパ22に対して任意の方向に揺動
することができる。
【0014】中間部材44の他方の底面には、裏板46
が、ディスクロータ20の回転方向に僅かに摺動し得る
ように連結されている。裏板46にはアウターパッド4
8が連結されている。アウターパッド48は、非制動時
においては、ディスクロータ20の図1中左側の面に設
けられた摩擦面20bと所定の隙間L1を隔てて対向す
るように配設されている。図2及び図3に示す如く、裏
板34及び46はそれぞれ、ディスクロータ20の周方
向両側に突出する耳部34a、34b、及び46a、4
6bを備えている。
【0015】図2及び図3に示すマウント50は車体に
固定されている。図3に示す如く、マウント50はサポ
ート部50a、50bと、サポート部50a、50bを
接続する接続部50cとを備えている。図2及び図3に
示す如く、サポート部50a、50bは、キャリパ22
の、ディスクロータ20の周方向両側に設けられ、ディ
スクロータ20の外周縁を挟むように構成されている。
サポート部50a、50bはそれぞれ、裏金34、46
の耳部34a、34b及び46a、46bの端部と僅か
な間隔S1を隔てて対向するトルク受け部50d、50
eを備えている。更に、サポート部50a、50bはそ
れぞれz、裏板34、46の耳部34a、34b、及
び、46a、46bの図3中下側と係合する裏板保持部
50f、50gを備えている。このように裏板34、4
6の耳部34a、34b及び46a、46bが裏金保持
部50f、50gと係合することで、インナーパッド3
6、裏板34、ピストン32、シリンダ部材30、アウ
ターパッド48、裏板46、及び、中間部材44は、図
1〜図3に示す位置に保持されている。
【0016】上記したディスクブレーキ装置10の構成
によれば、ブレーキペダルが踏み込まれると、シリンダ
部材30内部の液室33には、ブレーキペダルへの踏力
に応じた液圧のブレーキフルードがマスタシリンダから
供給される。この液室33の液圧の上昇に応じて、ピス
トン32は図1中左方へ向けて押圧されて移動する。ピ
ストン32の移動量が所定の隙間L1を越えると、イン
ナーパッド36がディスクロータ20の摩擦面20aに
押圧されるようになる。この場合、キャリパ22のディ
スクロータ20の軸方向への運動は規制されていないた
め、液室33の液圧が更に上昇すると、ディスクロータ
20からインナパッド36へ作用する反力がキャリパ2
2に伝達され、キャリパ22全体が図1中右方へ移動す
る。この結果、アウターパッド48は、中間部材44及
び裏金46と共に、ディスクロータ20に向けて移動さ
れる。この移動量が所定の隙間L1を越えると、アウタ
ーパッド48はディスクロータ20の摩擦面20bに押
圧されるようになる。そして、ディスクロータ20と、
インナーパッド36及びアウターパッド48との間に発
生する摩擦力が、ホイールへの制動トルクとして作用
し、車両への制動が行われる。
【0017】この際、上述の如く作用する制動トルクに
対する反力として、裏金34及び46には、それぞれ、
インナーパッド36及びアウターパッド48を介して、
ディスクロータ20の回転方向のトルクが作用する。上
述の如く、裏板36及び48の耳部36a、36b及び
48a、48bの、ディスクロータ20の周方向両側に
は、それぞれ僅かな隙間S1を隔ててマウント50のト
ルク受け部50d、50eが配設されている。また、上
述の如く、裏板36及び48は、ディスクロータ20の
回転方向に僅かに摺動し得るように設けられている。こ
のため、裏金36及び48に上記トルクが作用した場
合、裏金36及び48は、隙間S1だけ、それぞれピス
トン32及び中間部材44に対して摺動したのち、その
摺動は、マウント50のトルク受け部50bにより規制
される。従って、制動時に、インナーパッド36及びア
ウターパッド48がディスクロータ20と共に回転する
ことが防止されると共に、ディスクロータ20からイン
ナーパッド36及びアウターパッド48に作用する反力
を、裏金36、48の耳部36a、48aを介して、マ
ウント50のトルク受け部50bが受けることにより、
この反力が、ピストン24、シリンダ部材30、及び、
中間部材44に作用することが防止されている。
【0018】ところで、ディスクロータ20の取り付け
誤差、あるいはコーナリング時のタイヤの傾き等によ
り、ディスクロータ20の中心軸がホイールの回転軸に
対して傾くと、ディスクロータ20には、振れ回りが生
ずる。かかる振れ回りが生じた場合、ディスクロータ2
0はキャリパ22に対して相対的に傾き、その傾き角は
ディスクロータ20の回転に同期して変化することにな
る。
【0019】また、制動時においては、インナーパッド
36及びアウターパッド48からディスクロータ20に
作用する押圧力に対する反力が、ディスクロータ20か
ら、インナーパッド36、裏板34、ピストン32、シ
リンダ部材30を介して、キャリパ22の球状摺動面2
6に図1中右方に向けて作用すると共に、ディスクロー
タ20から、アウターパッド48、裏金46、及び中間
部材44を介して、キャリパ22の爪部38の球状摺動
面42に図1中左方に向けて作用する。上述の如く、キ
ャリパ22はディスクロータ20の外周縁を跨ぐように
構成されているため、ディスクロータ20に垂直な方向
の面内での曲げ剛性は比較的小さい。このため、大きな
制動力が発生されて、キャリパ22の球状摺動面26及
び42に上述の如く作用する反力が大きくなると、キャ
リパ22には、ディスクロータ20をから遠ざかる方向
の撓み変形が生ずる。この場合、ディスクロータ20
と、キャリパ22の球状摺動面26及び42との間には
相対的な傾きが生ずることになる。
【0020】上述の如く、ディスクロータ20に相対的
な傾きが生じた状態で、インナーパッド36及びアウタ
ーパッド48が、ディスクロータ20の傾きが生じない
正規の姿勢での摩擦面20a、20bに対して垂直な方
向に押圧されたのでは、インナーパッド36及びアウタ
ーパッド48はそれぞれ、摩擦面20a、20bに対し
て傾斜した状態で押圧されることになり、インナーパッ
ド36及びアウターパッド48に偏摩耗が生ずる原因と
なる。また、この場合、従来技術の如く、インナーパッ
ド36及びアウターパッド48をディスクロータ20に
追従するように揺動させる構成では、上述の如き、イン
ナーパッド36及びアウターパッド48に偏磨耗が生ず
るのを防止できるものの、ピストン32の発する押圧力
の方向、即ち、ピストン32のシリンダ部材30に対す
る摺動方向と、ディスクロータ20からインナーパッド
36を介してピストン32に作用する反力の方向とが一
致しなくなり、ピストン32とシリンダ部材30との摺
動面に、こじりが生じてしまう。
【0021】これに対して、本実施例のディスクブレー
キ装置10は、上述の如く、ディスクロータ20に相対
的な傾きが生じた場合に、インナーパッド36及びアウ
ターパッド48とディスクロータ20とを常に均一に接
触させることでインナーパッド36及びアウターパッド
48に偏摩耗が生ずるのを防止しつつ、ディスクロータ
20の傾きに起因して、ピストン32とシリンダ部材3
0との間に摺動方向以外の力が作用するのを抑制するこ
とにより、ピストン32とシリンダ部材30との間に、
こじりが生ずるのを防止し得る点に特徴を有している。
以下、図4及び図5を参照して、ディスクロータ20と
キャリパ22との間に相対的な傾きが生じた場合の、本
ディスクブレーキ装置10の動作について説明する。
【0022】図4は、ディスクロータ20に傾きが生じ
た場合のディスクブレーキ装置10の断面図である。ま
た、図5は、ディスクブレーキ装置10を図4に示す直
線V−Vに沿って切断した際の断面図である。図4及び
図5に示す如く、ディスクロータ20は正規の状態、即
ち、傾きが生じていない状態から、図4における反時計
周り方向、図5における時計周り方向の傾きが生じてい
る。
【0023】ディスクロータ20が傾くことにより、イ
ンナーパッド36及びアウターパッド48が、それぞれ
ディスクロータ20の摩擦面20a、20bに対して傾
いた状態で、インナーパッド36及びアウターパッド4
8がディスクロータ20に向けて押圧されると、先ず、
インナーパッド36、及びアウターパッド48が部分的
にディスクロータ20の摩擦面20a、20bに押圧さ
れることになる。このため、インナーパッド36及びア
ウターパッド48には、ディスクロータ20の摩擦面2
0a、20bに対する傾きを解消しようとする方向のト
ルクが作用する。このトルクは、裏板34及びピストン
32を介してシリンダ部材30に伝達されると共に、裏
板46を介して中間部材44に伝達される。上述の如
く、シリンダ部材30及び中間部材44は、キャリパ2
2に対して揺動できるように設けられている。このた
め、シリンダ部材30及び中間部材44に上述の如きト
ルクが作用すると、シリンダ部材30及び中間部材44
はこのトルクの向きに揺動する。これにより、図4及び
図5に示す如く、インナーパッド36及びアウターパッ
ド48は、それぞれディスクロータ20の摩擦面20
a、20bに対して均一に押圧された状態となる。
【0024】この場合、上述の如く、球状摺動面26及
び42が共に、円筒部24及び40の軸と、ディスクロ
ータ20の中央面との交点に中心Od を有する球面形状
を有していることにより、ディスクロータ20の傾きに
追従してシリンダ部材30及び中間部材44が揺動した
場合、ピストン32及び中間部材44のそれぞれの底面
の中心Op 及びOm と、中心Od との距離は一定に保た
れる。このため、シリンダ部材30及び中間部材44が
揺動した場合に、ディスクロータ20の傾きに起因し
て、アウターパッド36及びインナーパッド48からデ
ィスクロータ30に作用する押圧力が変化することが防
止され、従って、ホイールへの制動トルクが変化するこ
とが防止されている。
【0025】図4及び図5に示す状態においては、イン
ナーパッド36は、ディスクロータ20の制動面20a
に向けて、制動面20aに対して垂直な方向に押圧され
ており、制動面20aからインナーパッド36に対し
て、この押圧力とは逆向きの反力Aが作用する。この場
合、インナーパッド36、裏金34、及びピストン32
は一体となって揺動しているため、ピストン32による
インナーパッド32への押圧力の方向、即ち、ピストン
32のシリンダ部材30に対する摺動方向と、ディスク
ロータ20からインナーパッド36及び裏板34を介し
てピストン32に作用する反力Aの方向とが一致した状
態が維持される。
【0026】このように、ディスクロータ20に傾きが
生じた場合にも、インナーパッド36、裏板34、ピス
トン32、及びシリンダ部材30が一体となって、かか
る傾きに追従して揺動することにより、ピストン32に
作用する反力とピストン32の摺動方向との間に傾きが
生ずることが防止されている。これにより、ピストン3
2とシリンダ部材30との間にこじりが生ずることが防
止されている。
【0027】また、上述の如く、インナーパッド36及
びアウターパッド48が共にディスクロータ20の傾き
に追従して姿勢を変化することで、インナーパッド36
及びアウターパッド48はディスクロータ20に対して
常に垂直に押圧される。これにより、インナーパッド3
6及びアウターパッド48の面圧分布は均一となり、イ
ンナーパッド36及びアウターパッド48に偏摩耗が生
ずることが防止されている。
【0028】なお、キャリパ22に撓み変形が生じた場
合には、ディスクロータ20の球状摺動面26に対する
相対的な傾き方向と、球状摺動面42に対する相対的な
傾き方向とは逆方向となるが、かかる場合にも、シリン
ダ部材30及び中間部材44がそれぞれ、球面摺動面2
6及び42に対して揺動することにより、上記した場合
と同様の効果が得られる。
【0029】ディスクロータ20に振れ回りが生じてい
る場合には、ディスクロータ20の傾き角は、その回転
に同期して変化する。かかる場合には、インナーパッド
36及びアウターパッド48が、ディスクロータ20の
摩擦面20a、20bに対して均一に押圧された状態で
ディスクロータ20の傾き角の変化に追従するように、
インナーバッド36がピストン32及びシリンダ部材3
0と一体に揺動すると共に、アウターパッド48が中間
部材44と共に揺動する。これにより、インナーパッド
36及びアウターパッド48がディスクロータ20に対
して均一に押圧された状態が維持されると共に、ディス
クロータ20からの反力の方向と、ピストン32の摺動
方向とが一致した状態が維持される。
【0030】上述の如く、本実施例のディスクブレーキ
装置10によれば、ディスクロータ20に振れ回りが生
じたり、あるいは、キャリパ22に変形が生じたりする
ことにより、ディスクロータ20に相対的な傾きが生じ
た場合にも、インナーパッド36及びアウターパッド4
8に偏摩耗が生ずるのを防止することができると共に、
ピストン32とシリンダ部材30との間に、こじりが生
ずるのを防止することができる。
【0031】また、上述の如く、キャリパ22が2つの
部材22a及び22bに分割されていることで、ディス
クブレーキ装置10を組み付ける際、部材22a及び2
2bを分離させた状態で、シリンダ部材30及び中間部
材44を、それぞれ、キャリパ22の円筒部24及び4
0に挿入した後、部材22a及び22bを結合すること
により、ディスクロータ装置の組み付けが容易とされて
いる。
【0032】なお、上記実施例においては、キャリパ2
2が上記した支持手段に、インナーパッド36が上記し
た摩擦部材に、シリンダ部材30及びピストン32が上
記した押圧機構に、それぞれ相当している。なお、上記
実施例においては、本発明が、ピストンをディスクロー
タの片側にのみ備えた浮動型キャリパを備えるディスク
ブレーキに適用された場合について示したが、本発明は
これに限定されるものではなく、ディスクロータの両側
にピストンを有する対向型キャリパを備えたディスクブ
レーキ装置に適用することもできる。この場合には、各
ピストンに対応するシリンダ部材を、上記実施例のシリ
ンダ部材30aの如く揺動可能に設ければよい。
【0033】また、上記実施例においては、ブレーキパ
ッド(上記実施例においては、インナーパッド36及び
アウターパッド48)がディスクロータの両側に設けら
れているが、本発明はこれに限定されるものではなく、
ブレーキパッドをディスクロータの片側にのみ設けても
よい。即ち、上記ディスクブレーキ装置10において、
中間部材44、裏金46、アウターパッド48を省いた
構成とすることもできる。
【0034】更に、上記実施例においては、ディスクロ
ータの両側にそれぞれ1つのブレーキパッドが設けてい
るが、本発明はこれに限定されるものではなく、ディス
クロータの両側にそれぞれ複数のブレーキパッドを設け
てもよい。この場合には、ディスクロータの少なくとも
一方の側のブレーキパッドをそれぞれ押圧するピストン
及び、揺動可能なシリンダ部材を設ければよい。
【0035】
【発明の効果】上述の如く、本発明によれば、ディスク
ロータに相対的な傾きが生じた場合にも、摩擦部材に偏
摩耗が生ずるのを防止することができると共に、ピスト
ンとシリンダとの間に、こじりが生ずるのを防止するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係わるディスクブレーキ装
置の断面図である。
【図2】本実施例のディスクブレーキ装置を図1に示す
直線II-II に沿って切断した際の断面図である。
【図3】本実施例のディスクブレーキ装置を図1に示す
矢印III の方向から見た際の図である。
【図4】本実施例のディスクブレーキ装置において、デ
ィスクロータに傾きが生じた場合の断面図である。
【図5】図4に示す直線V−Vに沿って切断した際の断
面図である。
【符号の説明】
10 ディスクブレーキ装置 20 ディスクロータ 22 キャリパ 26、42 球状摺動面 30 シリンダ部材 32 ピストン 36 インナーパッド 44 中間部材 48 アウターパッド

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪と共に回転するディスクロータと、
    該ディスクロータに対向して配置され、該ディスクロー
    タに押圧されることにより制動力を発生させる摩擦部材
    と、シリンダと該シリンダに対して摺動可能に配設され
    たピストンとよりなり、該シリンダに発生する液圧に応
    じた力で、該ピストンにより前記摩擦部材を前記ディス
    クロータに向けて押圧する押圧機構と、前記押圧機構を
    支持する支持手段と、を備えるディスクブレーキ装置で
    あって、 前記摩擦部材と前記押圧機構とを前記支持手段に対して
    一体に揺動できるように構成したことを特徴とするディ
    スクブレーキ装置
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