JPH09328593A - 偏光フィルムの原反用組成物 - Google Patents

偏光フィルムの原反用組成物

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JPH09328593A
JPH09328593A JP8151228A JP15122896A JPH09328593A JP H09328593 A JPH09328593 A JP H09328593A JP 8151228 A JP8151228 A JP 8151228A JP 15122896 A JP15122896 A JP 15122896A JP H09328593 A JPH09328593 A JP H09328593A
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film
polarizing film
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raw fabric
raw
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Takanori Isozaki
孝徳 磯▲ざき▼
Hirotoshi Miyazaki
弘年 宮崎
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い透過度と偏光度を有し、かつ光学ムラの
少ない偏光フィルムを与える偏光フィルムの原反用組成
物及び偏光フィルム用原反フィルム並びに上記偏光フィ
ルムを効率よく製造する方法を提供すること。 【解決手段】 ビニルアルコール系重合体100重量部
に対し、3〜6価の多価アルコールのアルキレンオキサ
イド付加物(1〜4モル)1〜100重量部を配合した
偏光フィルムの原反用組成物、この組成物を製膜してな
る偏光フィルム用原反フィルム、並びに上記原反フィル
ムに、二色性物質を吸着させる処理と一軸延伸処理を施
すことにより、偏光フィルムを製造する方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、偏光フィルムの原
反用組成物,偏光フィルム用原反フィルム及び偏光フィ
ルムの製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、
偏光フィルムの製造時における延伸性が良好であって、
高い透過度と偏光度を有し、かつ光学ムラが少ないな
ど、光学特性に優れた偏光フィルムを与える偏光フィル
ムの原反用組成物と偏光フィルム用原反フィルム、及び
該光学特性に優れた偏光フィルムを効率よく製造する方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、液晶表示装置は、時計,電卓,ワ
ープロおよび機械の計器類等の比較的小画面の表示装置
として用いられ、表示品質に対する要求は特に厳しいも
のではなかった。しかし、近年液晶表示装置が、ラップ
トップワープロ,ラップトップパソコン,ノートブック
パソコン用のディスプレイ;自動車,航空機のインパネ
用ディスプレイ;液晶プロジェクター等として幅広く利
用されるようになり、大型化,表示品質の高級化および
耐久性の向上が要求されている。したがって、液晶表示
装置の構成要素である偏光フィルムに関しても、上記課
題を達成するために、大面積化,高偏光度ならびに高透
過度といった光学特性の向上が求められている。
【0003】従来、偏光フィルムとしては、ヨウ素や二
色性染料などの二色性物質を吸着させたビニルアルコー
ル系重合体(以下、PVAと省略することがある)の一
軸延伸フィルムが広く用いられている。PVAフィルム
は、延伸性を向上させるために、通常は可塑剤が配合さ
れている。このPVAフィルムの可塑剤としては、これ
までグリコール類,多価アルコール類,アミン類などが
単独であるいは混合して使用されている。グリコール類
や多価アルコール類としては、グリセリン,ポリエチレ
ングリコール,ポリプロピレングリコール,マンニトー
ル,ソルビトール,ペンタエリスリトールなどがあり、
このうちグリセリンが最も多く使用されている。しか
し、長期包装中に可塑剤のブリードのためにフィルム同
士が密着したり、偏光フィルムの製造中にグリセリンが
空気中や水中に移行し、フィルム中の可塑剤が減少し、
その結果、フィルムが硬く脆い物性に変化し、延伸性が
著しく低下するなどの問題が生じている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況下で、偏光フィルムの製造時における延伸性に優
れ、高い透過度と偏光度を有し、かつ光学ムラが少ない
など、光学特性に優れた偏光フィルムを与える偏光フィ
ルムの原反用組成物及び偏光フィルム用原反フィルム、
並びに該光学特性に優れた偏光フィルムを効率よく製造
する方法を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、ビニルアルコ
ール系重合体に、可塑剤として特定の多価アルコールの
アルキレンオキサイド付加物を所定の割合で配合した組
成物、及びこの組成物を製膜して得られたフィルムが、
それぞれ上記偏光フィルムの原反用組成物及び偏光フィ
ルム用原反フィルムとして、その目的に適合しうること
を見出した。また、この原反フィルムに特定の処理を施
すことにより光学特性に優れた偏光フィルムが効率よく
得られることをも見出した。本発明は、このような知見
に基づいて完成したものである。
【0006】すなわち、本発明は(1)ビニルアルコー
ル系重合体(A)100重量部、及び3〜6価の多価ア
ルコール1モル当たりアルキレンオキサイド1〜4モル
を付加させた化合物(B)1〜100重量部からなる偏
光フィルムの原反用組成物、(2)上記(1)の組成物
を製膜してなる偏光フィルム用原反フィルム、及び
(3)上記(2)の原反フィルムに、二色性物質を吸着
させる処理及び一軸延伸処理を施すことを特徴とする偏
光フィルムの製造方法、を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】上記原反用組成物において用いら
れる(A)成分であるPVAは、各種のものが挙げられ
るが、通常は酢酸ビニル等のビニルエステル系モノマー
をラジカル重合して得られたビニルエステル系重合体を
けん化することにより得られる。このビニルエステル系
重合体を得るための重合法としては、特に制限はなく、
状況によって適宜選定すればよいが、例えば溶液重合
法,塊状重合法,懸濁重合法および乳化重合法などが挙
げられる。
【0008】ビニルエステル系モノマーとしては、例え
ばギ酸ビニル,酢酸ビニル,プロピオン酸ビニル,バレ
リン酸ビニル,ラウリン酸ビニル,ステアリン酸ビニ
ル,安息香酸ビニル,ピバリン酸ビニルおよびバーサテ
ィック酸ビニル等が挙げられるが、とりわけ酢酸ビニル
が好ましい。
【0009】また、(A)成分のPVAとしては、上記
のビニルエステル系モノマーに共重合可能なモノマー
(コモノマー)を共重合させて得た共重合体であっても
よく、本発明の主旨を損なわない範囲で適宜選定すれば
よい。このようなコモノマーとして例えば、エチレン,
プロピレン,1−ブテン,イソブテン等のオレフィン
類、アクリル酸およびその塩、アクリル酸メチル,アク
リル酸エチル,アクリル酸n−プロピル,アクリル酸i
−プロピル,アクリル酸n−ブチル,アクリル酸i−ブ
チル,アクリル酸t−ブチル,アクリル酸2−エチルヘ
キシル,アクリル酸ドデシル,アクリル酸オクタデシル
等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸およびその
塩、メタクリル酸メチル,メタクリル酸エチル,メタク
リル酸n−プロピル,メタクリル酸i−プロピル,メタ
クリル酸n−ブチル,メタクリル酸i−ブチル,メタク
リル酸t−ブチル,メタクリル酸2−エチルヘキシル,
メタクリル酸ドデシル,メタクリル酸オクタデシル等の
メタクリル酸エステル類、イタコン酸およびその塩、イ
タコン酸の炭素数1〜18のモノまたはジアルキルエス
テル類、無水マレイン酸、マレイン酸およびその塩、マ
レイン酸の炭素数1〜18のモノまたはジアルキルエス
テル類、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、
N−エチルアクリルアミド、N, N−ジメチルアクリル
アミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリルアミドプ
ロパンスルホン酸およびその塩、アクリルアミドプロピ
ルジメチルアミンおよびその塩またはその4級塩、N−
メチロールアクリルアミドおよびその誘導体等のアクリ
ルアミド誘導体、メタクリルアミド、N−メチルメタク
リルアミド、N−エチルメタクリルアミド、メタクリル
アミドプロパンスルホン酸およびその塩、メタクリルア
ミドプロピルジメチルアミンおよびその塩またはその4
級塩、N−メチロールメタクリルアミドおよびその誘導
体等のメタクリルアミド誘導体、メチルビニルエーテ
ル,エチルビニルエーテル,n−プロピルビニルエーテ
ル,i−プロピルビニルエーテル,n−ブチルビニルエ
ーテル,i−ブチルビニルエーテル,t−ブチルビニル
エーテル,ドデシルビニルエーテル,ステアリルビニル
エーテル等のビニルエーテル類、アクリロニトリル,メ
タクリロニトリル等のニトリル類、塩化ビニル,塩化ビ
ニリデン,フッ化ビニル,フッ化ビニリデン等のハロゲ
ン化ビニル、酢酸アリル,塩化アリル等のアリル化合
物、マレイン酸およびその塩またはそのエステル、ビニ
ルトリメトキシシラン等のビニルシリル化合物、酢酸イ
ソプロペニル等がある。
【0010】PVAの重合度は、特に制限はないが、通
常はフィルムの強度の点から、300以上、好ましくは
500以上、さらに好ましくは1000以上であり、か
つ製膜や延伸等の加工特性の点から、30000以下が
好ましい。PVAの重合度は、総合的な見地から、15
00〜10000の範囲が特に好ましい。ここで、PV
Aの重合度は、該PVAを再酢化したポリ酢酸ビニルの
アセトン中、30℃で測定した極限粘度[η]から次式
により求めた粘度平均重合度Pで表したものである。
【0011】 P=([η]×1000/7.94)(1/0.62) PVAのケン化度は、通常は85モル%以上、好ましく
は95モル%以上、さらに好ましくは98モル%以上で
ある。本発明の原反用組成物において用いられる(B)
成分、つまり化合物(B)は、3〜6価の多価アルコー
ル1モルに対してアルキレンオキサイド1〜4モルを付
加させて得られたものであり、これは製膜する際に可塑
剤などとして作用するものである。
【0012】この化合物(B)の原料である3〜6価の
多価アルコールとしては、例えばグリセリン,トリメチ
ロールプロパン,ジグリセリン,ペンタエリスリトー
ル,キシロース,アラビノース,リブロースおよびソル
ビトールなどが挙げられる。好ましくは、グリセリン,
ペンタエリスリトール,ソルビトールである。さらにこ
の中でも、ソルビトールが最も好ましい。
【0013】化合物(B)のもう一つの原料であるアル
キレンオキサイドとしては、通常は炭素数2〜5のアル
キレン基を有するアルキレンオキサイドが挙げられ、そ
のうちエチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド
が好ましく挙げられ、特に好ましくはエチレンオキサイ
ドである。また、場合によっては、エチレンオキサイド
とプロピレンオキサイドとを混合付加反応させても良
い。アルキレンオキサイドの好ましい付加モル数として
は2〜3である。アルキレンオキサイドの平均付加モル
数が1モル未満の場合には可塑剤の移行性に問題が生じ
る。また、平均付加モル数が4モルを越えると(A)成
分であるPVAとの相溶性が低下し、可塑効果も低下す
る。なお、ここで言う付加モル数は平均付加モル数であ
り、付加モル数に分布があってもよい。ただし、5モル
以上の付加物が50重量%以上混入するのは好ましくな
い。
【0014】PVA(A)に対する化合物(B)の配合
量は、PVA(A)100重量部に対して1〜100重
量部である。化合物(B)の配合量が1重量部未満では
柔軟性が不充分であり、100重量部を超えると二色性
物質の配向に不都合が生じる。柔軟性及び二色性物質の
配向などの面から、化合物(B)の好ましい配合量は、
PVA(A)100重量部に対して5〜30重量部の範
囲である。
【0015】本発明の偏光フィルムの原反用組成物にお
いては、所望によりさらに二色性物質(C)を配合させ
てもよい。この二色性物質(C)としては、ヨウ素化合
物のほか、いわゆる二色性染料が単独または混合して用
いられる。代表的なものとして例えばDirect black 17
,19,154 、Direct brown 44 ,106 ,195 ,210 ,2
23 、Direct red 2,23,28,31,37,39,79,81,240
,242 ,247 、Directblue 1 ,15,22,78,90,98,
151 ,168 ,202 ,236 ,249 ,270 、Directviolet 9
,12,51,98、Direct green 1,85、Direct yellow 8
,12,44,86,87、Direct orange 26、39,106 ,107
等が挙げられる。
【0016】この二色性物質の量は、少なすぎると得ら
れる偏光フィルムが光学的性質を発揮できず、また多す
ぎても光学的性質や耐水性,耐熱性を低下させる要因と
なることから、通常PVA(A)に対して、0.01〜1
重量%の範囲に調整される。
【0017】また、本発明の原反用組成物には、該化合
物(B)の他に、PVA(A)の可塑剤として一般に用
いられるものを本発明の特徴を損なわない範囲で、所望
により併用することもできる。これらの可塑剤として
は、グリセリン,ジエチレングリコールなどの多価アル
コール類、ポリエチレングリコール,ポリプロピレング
リコールなどのポリエーテル類、ビスフェノールA,ビ
スフェノールSなどのフェノール誘導体、N−メチルピ
ロリドンなどのアミド化合物、水などが挙げられる。
【0018】本発明の偏光フィルム用原反フィルムは、
このようにして調製された二色性物質を含有する又は含
有しない原反用組成物を製膜してなるものである。この
製膜は、例えばキャスト製膜や乾式製膜(空気中や窒素
等の不活性気体中への押し出し),湿式製膜,乾湿式製
膜,ゲル製膜(PVA溶液を一旦ゲル化させた後フィル
ムを得る方法)などによって行われる。このときに使用
される溶剤としては、例えばジメチルスルホキシド,ジ
メチルホルムアミド,ジメチルアセトアミド,メタノー
ル,n−プロパノール,i−プロパノール,フェノール
および水等が単独または混合して使用される。また塩化
リチウム,塩化カルシウム等の無機塩の水溶液も単独ま
たは前記有機溶媒と混合して使用できる。この中でも
水,ジメチルスルホキシドやジメチルスルホキシドと水
との混合溶媒;n−プロパノールと水との混合溶媒が好
適に使用される。
【0019】この原反フィルムの厚さは、各種の状況に
応じて適宜定めればよいが、延伸性とフィルム強度など
の点から、通常20〜200μmであり、好ましくは5
0〜100μmである。厚さが20μm未満では強度的
に問題が生じやすく、200μmを越えると均一な延伸
が困難となる場合がある。
【0020】次に、本発明の偏光フィルムの製造方法
を、前記原反フィルムが二色性物質を含有しない場合と
含有する場合について説明する。まず、二色性物質を含
有しない原反フィルムの場合は、この原反フィルムに前
記二色性物質を吸着させる処理及び一軸延伸による配向
処理を施すことにより、偏光フィルムを製造する。この
際、二色性物質を吸着させる処理及び配向処理の順序に
ついては特に制限はなく、吸着処理後配向処理を行って
もよいし、配向処理後吸着処理を行ってもよく、あるい
は吸着処理と配向処理を同時に行ってもよい。
【0021】延伸処理は湿式延伸や乾熱式延伸によって
行われ、一軸方向に3倍以上に延伸を行うことが好まし
く、5倍以上の延伸を行うことがより好ましい。延伸時
の温度は延伸の条件によっても異なるが、通常20〜2
50℃の範囲である。また乾熱延伸は不活性気体中で行
うのが好ましい。延伸後の膜厚は特に制限はないが、3
〜100μmが好ましく、5〜40μmが特に好まし
い。
【0022】一方、二色性物質の基材フィルム(延伸フ
ィルム又は原反フィルム)への吸着処理は、通常二色性
物質を含有する液体中に基材フィルムを浸漬させること
により行われるが、その処理条件や方法等に特に制限は
なく、例えばヨウ素化合物を用いる場合にはヨウ素−ヨ
ウ化カリウムの水溶液が好ましく用いられ、染料の場合
には染料水溶液が好ましく用いられる。また、これらの
水溶液にホウ酸,ホウ砂等のホウ素系化合物を添加して
も良い。
【0023】吸着処理と延伸処理が行われたフィルム
は、定長下で空気中または不活性気体中で乾燥される。
乾燥されたフィルムは耐水性,耐湿熱性などを付与する
ため、さらに80〜230℃の温度で熱処理を行っても
良い。また、基材フィルムへの二色性物質の吸着を強固
にすることを目的に、ホウ酸やホウ砂のようなホウ素化
合物を添加することがあるが、これは吸着処理や延伸処
理と同時に実施してもよく、またこれらの処理の前後や
処理の間のどの時点で実施してもよい。
【0024】次に、二色性物質を含有する原反フィルム
の場合は、そのまま一軸延伸処理することにより、偏光
フィルムを製造する。この際の延伸方法や延伸条件は上
記と同様である。また、延伸処理後のフィルムは耐水
性,耐湿熱性などを付与するために、さらに80〜23
0℃の温度で熱処理を行ってもよい。このようにして得
られた偏光フィルムは、通常は水溶液中における浸漬処
理や延伸処理(湿式延伸)の過程で、可塑剤などとして
作用する化合物(B)は水溶液中に実質的に溶出する
が、さらに必要に応じて、化合物(B)を除去するため
の後処理を行うこともできる。
【0025】本発明の方法によって得られた偏光フィル
ムは、様々な使用法があるが、通常はその両面あるいは
片面に光学的に透明で、かつ機械的強度を有する保護膜
を貼り合わせて偏光板として使用される。この保護膜と
しては、通常セルロースアセテート系フィルム,アクリ
ル系フィルム,ポリエステル系フィルム等が使用され
る。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明は実施例によりなんら制限されるも
のではない。なお、実施例、比較例中の「%」および
「部」は特に断りのない限りそれぞれ「重量%」および
「重量部」を表す。また、偏光フィルムの性能は下記の
方法に従って評価した。 (1)透過度及び偏光度 日本電子機械工業会規格(EIAJ)LD−201−1
983に準拠し、分光光度計を用いて、C光源,二度視
野にて計算した。偏光フィルムは通常保護フィルムをラ
ミネートした状態で使用されるが、以下の実施例および
比較例では、保護フィルムのない偏光フィルム単独につ
いて測定した。
【0027】(2)光学ムラ PVA原反フィルムを20℃の空気中で一軸方向に2倍
に延伸処理して、光学ムラ評価用サンプル(二色性物質
を含まないもの)を作製した。次に、光学ムラを測定し
ようとする偏光フィルムから2枚を切り取り、図1に示
すように、延伸方向の軸が90度になるように偏光フィ
ルム1及び1’を重ね、この2枚の偏光フィルムの間に
上記光学ムラ測定用サンプル2を延伸方向の軸が、上記
軸に対して45度になるように挿入し、A点を目視観察
し、次の判定基準に従って評価した。 ○:延伸による光学ムラ(細かい筋)が少し認められる △:延伸による光学ムラ(細かい筋)が上記○印の場合
の2〜3倍程度認められる。
【0028】実施例1 重合度4000,ケン化度99.7モル%のPVA100
部に、可塑剤としてソルビトール1モルに対してエチレ
ンオキサイド2モルを付加反応して得られた化合物20
部を配合した組成物の水溶液を調製し、該水溶液をポリ
エチレンテレフタレートフィルム上に流延し、室温下で
自然乾燥して厚さ75μmのPVA原反フィルムを得
た。このフィルムを130℃の空気中で8倍に一軸延伸
し、更に定長下で窒素ガス雰囲気中190℃で3分間熱
固定して延伸フィルム得た。該延伸フィルムをヨウ素0.
4g/リットル,ヨウ化カリウム40g/リットル,ほ
う酸40g/リットルを溶解した水溶液中に、30℃で
6分間浸漬した。続いて、ホウ酸40g/リットル,ヨ
ウ化カリウム40g/リットル,塩化亜鉛10g/リッ
トルを溶解した水溶液中で室温にて5分間のほう酸処理
を行った後、定長下で40℃の熱風下で乾燥して、厚さ
18μmの偏光フィルムを得た。この偏光フィルムの透
過度は43.1%、偏光度は99.2%であった。また、光
学ムラは○であった。
【0029】比較例1 可塑剤としてポリエチレングリコールを使用し、170
℃で7倍に延伸した以外は、実施例1と全く同様にして
偏光フィルムを作製した。該偏光フィルムの透過度は4
2.5%、偏光度は99.0%であった。また、光学ムラは
△であった。なお、7倍を超えて延伸するとフィルムが
切断した。
【0030】実施例2 延伸フィルムをヨウ素およびヨウ化カリウムの混合水溶
液中に浸漬する代わりに、二色性色素であるダイレクト
スカイブルー(住友化成(株)製)5.0g/リットルを
溶かした染色液に浸漬した以外は、実施例1と同様にし
て、厚さ18μmの偏光フィルムを得た。この偏光フィ
ルムの波長650nmにおける透過度は42.1%、偏光
度は95.4%であった。また、光学ムラは○であった。
【0031】実施例3 実施例1と同様のPVA原反フィルムを、ヨウ素0.2g
/リットル,ヨウ化カリウム20g/リットル,ほう酸
40g/リットルを溶解した水溶液中に、30℃で3分
間浸漬した。続いて、ほう酸40g/リットルを溶かし
た水溶液中で、45℃で4倍に一軸延伸し、ヨウ化カリ
ウム40g/リットル,ほう酸40g/リットル,塩化
亜鉛10g/リットルを溶解した水溶液中に4分間の浸
漬処理を行った後、定長下で40℃の熱風下に乾燥し
て、厚さ18μmの偏光フィルムとした。この偏光フィ
ルムの透過度は43.2%、偏光度は98.7%であった。
また、光学ムラは○であった。
【0032】比較例2 可塑剤としてグリセリンを使用し、50℃で4倍に延伸
した以外は、実施例3と全く同様にして、厚さ18μm
の偏光フィルムを作製した。該偏光フィルムの透過度は
42.5%、偏光度は98.1%であった。また、光学ムラ
は△であった。
【0033】実施例4 重合度1700,ケン化度99.9モル%のPVA100
部に、可塑剤としてソルビトール1モルに対してエチレ
ンオキサイド2モルを付加反応して得られた化合物10
部を配合した組成物の水溶液を調製し、60℃の熱ロー
ルに流延し、厚さ75μmのPVA原反フィルムを得
た。このPVAフィルムをヨウ素0.5g/リットル,ヨ
ウ化カリウム1.0g/リットル,ほう酸40g/リット
ルを溶解した水溶液に、25℃で4分間浸漬した。続い
て、ほう酸40g/リットルを溶かした水溶液中で、3
5℃で5.5倍に一軸延伸し、ヨウ化カリウム40g/リ
ットル,ほう酸40g/リットル,塩化亜鉛10g/リ
ットルを溶解した水溶液中に4分間の浸漬処理を行った
後、定長下で50℃の熱風下に乾燥して、厚さ24μm
の偏光フィルムを得た。この偏光フィルムの透過度は4
4.0%,偏光度は96.0%であった。また、光学ムラは
○であった。
【0034】比較例3 可塑剤としてグリセリンを使用し、35℃で5倍に延伸
した以外は、実施例4と全く同様にして、厚さ26μm
の偏光フィルムを作製した。該偏光フィルムの透過度は
43.7%、偏光度は95.3%であった。また、光学ムラ
は△であった。なお、5倍を超え延伸するとフィルムが
切断した。以上、実施例1〜4及び比較例1〜3の条件
及び結果をまとめて第1表に示した。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、PVAの可塑剤として
特定の多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物を
用いることにより、従来可塑剤として用いられているグ
リセリンやポリエチレングリコールなどに比べてPVA
との相溶性が著しく高められ、該可塑剤を含むPVAフ
ィルムを延伸処理する際の延伸性が向上し、その結果高
い透過度及び偏光度を有し、かつ光学ムラが少ないな
ど、光学特性に優れた偏光フィルムが容易に得られる。
本発明の方法で得られた偏光フィルムは、上記特徴を生
かして、高性能が要求される液晶ディスプレイ、例えば
液晶テレビやワープロ用ディスプレイなどに好適に用い
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 偏光フィルムの光学ムラを測定する方法を示
す説明図である。
【符号の説明】
1 偏光フィルム 1’偏光フィルム 2 光学ムラ測定用サンプル A 目視観察位置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビニルアルコール系重合体(A)100
    重量部、及び3〜6価の多価アルコール1モル当たりア
    ルキレンオキサイド1〜4モルを付加させた化合物
    (B)1〜100重量部からなる偏光フィルムの原反用
    組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の組成物を製膜してなる偏
    光フィルム用原反フィルム。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の原反フィルムに、二色性
    物質を吸着させる処理及び一軸延伸処理を施すことを特
    徴とする偏光フィルムの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008208347A (ja) * 2007-01-31 2008-09-11 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The ポリビニルアルコール系樹脂組成物およびフィルム
JP2011081399A (ja) * 2010-11-11 2011-04-21 Sumitomo Chemical Co Ltd 偏光板の製造方法
JPWO2013191095A1 (ja) * 2012-06-21 2016-05-26 住友化学株式会社 積層フィルムの製造方法

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