JPH09328364A - 溶融金属用部材 - Google Patents

溶融金属用部材

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JPH09328364A
JPH09328364A JP8143088A JP14308896A JPH09328364A JP H09328364 A JPH09328364 A JP H09328364A JP 8143088 A JP8143088 A JP 8143088A JP 14308896 A JP14308896 A JP 14308896A JP H09328364 A JPH09328364 A JP H09328364A
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JP
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molten metal
carbon
ceramic particles
powder
weight
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JP8143088A
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English (en)
Inventor
Toshimi Fukui
俊巳 福井
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Kurosaki Refractories Co Ltd
Original Assignee
Kurosaki Refractories Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶融金属用部材として各種環境下で汎用的に
使用可能で、且つ高純度溶融金属への使用が可能な粉落
ちがないか、あるいはあっても極めて少ない安価な炭素
複合材料を得ることにある。 【解決手段】 メソフェーズ誘導炭素が40〜97容積
%と残部が実質的に1種又は2種以上のセラミックス粒
子である溶融金属用部材において、セラミックス粒子の
粒径が0.5mm以下であリ、モザイク組織マトリック
スを有することを特徴とする。セラミックス粒子は、炭
化物、硼化物より選ばれた1種又は2種以上の化合物を
含み、角張った形状のものを含有することが好ましく、
粒径10μmを超え0.5mm以下で90重量%以上で
あることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非晶質炭素よりな
る炭素質材料を含む耐酸化性に優れ、高強度、高導電性
の溶融金属用部材に関し、特に、アルミニューム、銀、
銅、錫等の非鉄金属溶融炉用の内張り、坩堝、取鍋、
樋、ノズル、ストッパー、保護管等の構成部材に適した
溶融金属用部材に関する。
【0002】
【従来の技術】溶融金属用部材は、耐熱性、熱伝導率、
耐熱衝撃性及び機械的強度に優れ、溶融金属との濡れ性
の低いことが要求され、さらには、電気伝導性の良いこ
と、耐酸化性、不浸透性等も要求される。このような要
求に対し、耐熱合金やセラミックス材料が従来より用い
られている。
【0003】炭素質材料は、前記の要求を満たす優れた
特性を有する材料の一つであり、高温での安定性に優
れ、自己潤滑性があり、溶融金属に対する濡れ性が低
く、耐蝕性に優れていることから、溶融金属用の部材と
して使用されている。
【0004】また、黒鉛等の炭素原料が鉄鋼用耐火物の
スラグ浸透性と熱衝撃抵抗性を改良するための添加成分
として用いられており、代表的な耐火物として、転炉用
マグネシア−炭素煉瓦、ミルスケールや蛍石が処理剤と
して用いられる溶銑予備処理炉用アルミナ−炭化珪素−
炭素煉瓦や連続鋳造用アルミナ−炭素系ノズル耐火物等
がある。
【0005】ところが、炭素材料は、酸化され易い、機
械的強度に劣る、あるいは緻密な材料の製造が難しい等
の欠点のため、優れた特性を有するにもかかわらず使用
条件が大きく限定されていた。一方、ガラス状炭素材料
は一般に黒鉛材料に比べ、高密度化が可能であり機械的
特性や気密性に優れているが、一般的に溶融金属に対す
る耐蝕性が劣ると考えられ、溶融金属用部材として殆ど
検討されていないのが現状である。
【0006】鉄鋼用炭素含有耐火物は、気孔率が大き
く、曲げ強度は高々数MPaであり、通常のセラミック
ス材料に比べ機械的強度が小さいため、ぼろつきが多く
欠落が発生し易すい。また、一般に、使用される原料の
不純物レベルが高く、高純度溶融金属処理に用いると、
粉落ちにより耐火物自体が溶融金属の汚染の原因となる
ため、高純度溶融金属へ使用できない。さらに、その製
造プロセスや使用耐火物骨材の構成より、薄物が出来な
い等の形状についても制限が多い。
【0007】なお、「粉落ち」は、黒鉛等の通常の炭素
材料に見られる、微量不純物の混入によって生じる汚染
の原因となるぼろつき等の欠落の発生や、撫たり擦るこ
とで容易に摩耗される現象をいう。「粉落ち」は、白色
紙で炭素材料の加工面を擦った時の黒色の付着の有無で
判断する。
【0008】このような欠点を改良するため、特開平6
−100366号では、セラミックス−炭素系複合材の
セラミックス粉末は平均粒径0.5〜10μmの粉末を
添加し、これを遊星ミル等で湿式粉砕して5μm以下と
し、粉砕過程で丸みを帯びた粒子形状のものとしている
が、破壊強さに弱く、かつ粉落ちに影響を与えている。
【0009】また、特公平7−35250号には、燐状
黒鉛、土状黒鉛、コークス、カーボンブラック等の炭素
原料、酸化物、炭化物、窒化物等の無機化合物、金属粉
末(以下「フィラー」という。)を予めメソフェーズピ
ッチ前駆体を含むタール留分中に懸濁し、加熱すること
でタール留分中の軽質留分を除去し、さらに350〜5
00°Cで熱処理しフィラー表面上に炭素を被覆した原
料を用い炭素複合材料を製造する方法が開示されている
が、工程が非常に煩雑であり、得られた材料の物性は実
施例によれば常温での曲げ強度で高々31〜69MPa
程度であり、十分に高強度化が達成されたとは言い難
い。また、黒鉛やコークス等をフィラーとして用いる場
合、粉落ちを回避できない。
【0010】特公昭62−12191号、特公昭62−
46508号、特開昭61−247661号によって、
生コークス粉末と炭化珪素と炭化硼素、さらに他の硼化
物を配合、磨砕処理した後、黒鉛化処理する方法によ
り、炭素複合材を製造する方法が開示されているが、炭
素マトリックスと分散粒子の形状が異なれば、当然のこ
とながら得られた炭素複合材料の物性値に影響を与え
る。すなわち、磨砕処理により丸みを帯びた粒子形状と
なるので、見掛気孔率が低く、密度が高い割には硬度が
低く弾性率が高い(表7の市販品参照)。
【0011】なお、特開平2−258675号記載の生
コークスに炭化珪素を配合した金属溶湯用炭素材料は、
銅等の溶融金属用部材として有効であるが、製造工程が
多岐繁雑化し、製品の価格が高くなり、汎用的に使用さ
れてない。
【0012】この様に非黒鉛材料を出発原料とした炭素
複合材料は多く開示されているが、これらの材料は黒鉛
を母材とした材料と明かに異なる特性を有する材料であ
り、常温域での摺動特性及び高温物性や高温での溶融金
属に対する特性が全く異り、溶融金属用部材として適し
てない。
【0013】他にも溶融金属用として、特公平6−28
780号、特公平6−99182号、特開平5−486
1号等でメソフェーズ炭素を使用した炭素含有耐火物が
開示されているが、その目的は結合剤であり、かつ炭素
原料の大部分は黒鉛質である。したがって、その耐火物
の気孔率は大きく、曲げ強度は高々数MPa程度であ
り、通常のセラミックス材料に比べ機械的強度が小さ
く、ぼろつきが多く欠落が発生し易い。また、黒鉛質の
材料を使用しているため粉落ちが避けられない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】以上のとおり、従来の
炭素材料は、溶融金属用であっても粉落ちによる溶融金
属の汚染等によって、溶融金属用部材として限られたも
のとなるばかりでなく、安価な材料が提供されるまでに
至ってないのが現状である。
【0015】そこで、本発明は、溶融金属用部材として
各種環境下で汎用的に使用可能で、且つ高純度溶融金属
への使用が可能な粉落ちがないか、あるいはあっても極
めて少ない安価な炭素複合材料を得ることにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、メソフェーズ
誘導炭素が40〜97容積%と残部が実質的に1種又は
2種以上のセラミックス粒子である溶融金属用部材にお
いて、セラミックス粒子の粒径が0.5mm以下であ
リ、モザイク組織マトリックスを有することを特徴とす
る。
【0017】本発明において、「モザイク組織」とは
「モザイク組織」及び/又は「ファインモザイク組織」
をいう。
【0018】セラミックス粒子は、炭化物、硼化物より
選ばれた1種又は2種以上の化合物を含み、角張った形
状のものを含有することが好ましく、粒径10μmを超
え0.5mm以下で90重量%以上であることが好まし
い。
【0019】モザイク組織の炭素は90容積%以上であ
ることが好ましく、さらに、本発明の溶融金属用部材は
黒鉛又はコークスを含まないことが望ましい。
【0020】また、有機結合剤は、固定炭素量としてセ
ラミックス粒子の炭化物等の化合物以外の全炭素に対し
て10容量%以下とする。
【0021】本発明の溶融金属用部材は、溶融非鉄金属
用部材に適し、特に、溶融銅用部材に適している。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明に用いるセラミックス粒子
としては、粒径が0.5mm以下であリ、特に、粒径1
0μmを超え0.5mm以下が好ましく、炭素母材とセ
ラミックス粒子との間には直接的な結合は生成していな
いが、粒径が10μmを超えるとアンカー効果がより発
揮できるが、粒径が0.5mmを超えるとセラミックス
粒子の脱落防止を抑えることが出来なくなる。
【0023】また、セラミックス粒子の90重量%以上
を角張ったセラミックス粒子とすることにより、アンカ
ー効果を発揮し、セラミックス粒子の脱落、粉落ちを防
止することができる。
【0024】本発明のセラミックス粒子としては、目的
の溶融金属との濡れ性を大幅に低下させない限り特に限
定されるものではなく、炭化物、硼化物、窒化物、酸化
物など一般に入手可能なセラミックスでよく、用途、材
料に付与する機能、取り扱う溶融金属の種類や操業条件
等により選択される。例えば、耐酸化性の向上のために
は、炭化珪素、炭化硼素の使用が好ましく、導電率等の
物性値の向上のために、IVA、VA、VIA族金属の
炭化物、硼化物成分を含むことが好ましい。また、硬度
を向上させるには、炭化珪素、炭化硼素などの炭化物や
α−アルミナ等が好ましい。
【0025】高純度溶融銅用としては、溶融銅との濡れ
性を考慮すると、酸化物系セラミックス粒子の使用が可
能であるが、高純度、特に低酸素銅の場合、酸化物の使
用は、セラミックスから酸素の汚染が生じることもある
ため、炭化硼素、炭化珪素の一種又は2種以上を使用す
ることが好ましい。炭化硼素、炭化珪素のほかに、非酸
化物系のセラミックス材料、TiC、ZrC、WC等の
炭化物、TiB2、ZrB2等の硼化物、BN、AlN、
Si34、TiN、ZrN等の窒化物は、炭素材料と同
様に溶融銅との濡れ性に問題はない。
【0026】セラミックス粒子の含有量は3〜60容積
%が好ましく、3容積%未満では、強度等の機械特性が
小さくなり、その適用部位が限定され、60容積%を超
えると、機械的強度が低下し、溶融金属部材としての特
性が発揮できず、粉落ちが発生する。
【0027】メソフェーズ誘導炭素は炭素源としてマト
リックスに用いるため、その含有量は40〜97容積%
が好ましい。40容積%未満又は97容積%を超えると
機械的強度が低下し、特に、40容積%未満ではセラミ
ックス粒子の粉落ち又は脱落を防止することができなく
なり、目的とする溶融金属部材としての特性を発揮する
ことができない。
【0028】図1は角張ったセラミックス粒子とモザイ
ク組織のマトリックスを示す模式図、図2は偏光写真に
よるモザイク組織のマトリックスの拡大図で、図1にお
いて、黒い粒子は角張ったセラミックス粒子1を示し、
白と黒の線で示す部分はモザイク組織2を示す。メソフ
ェーズ誘導炭素により、マトリックスのミクロ領域で結
晶性炭素の黒鉛の配向による異方性の問題が解消できる
ため、マトリックス部をモザイク組織とすることがで
き、モザイク組織による機械的強度が大きいマトリック
スと角張ったセラミックス粒子とを相互に組み合わせる
ことができるので、機械的特性や溶融金属に対する耐蝕
性が向上すると考えられる。
【0029】黒鉛やコークス等の無定形炭素は強度が低
いために粉落ちの原因となり、これらの炭素のまわりを
メソフェーズ誘導炭素で固めても、粉末原料内部から壊
れるので、黒鉛やコークス等の無定形炭素の添加は好ま
しくない。
【0030】メソフェーズ誘導炭素も高温処理すること
で黒鉛化し、黒鉛化には通常2500〜3000°C近
い高温が必要であるが、本発明の場合、焼成温度が低い
ので、焼成により生成する黒鉛はそれほど結晶子径が大
きくない、すなわち黒鉛化度が低いので問題となること
はない。
【0031】結合剤としては素地強度を高め作業性を向
上させるために、フェノール樹脂、PVA樹脂、セルロ
ース系化合物等の有機系結合剤が使用でき、特に、レゾ
ール系フェノール樹脂は高残炭率なのでよい。
【0032】結合剤のフェノール樹脂が炭化するとモザ
イク組織でなく等方組織となり、また、炭素の90容積
%以上がモザイク組織でない場合、耐食性が低下するの
で、結合剤の添加量は固定炭素量(JIS−K−342
5の測定による。)として化合物以外の全炭素に対して
10容積%以下、より好ましくは5容積%以下がよい。
【0033】結合剤は、有機結合剤に限らず、アルミナ
ゾル、シリカゾル、アルミナセメント等の無機系あるい
は有機珪素樹脂等も使用できる。
【0034】なお、素地強度がさほど大きくなく、かつ
作業性が特別に良くはないが、使用できるものとして、
上述の結合剤を用いることなく、単にエタノール等の有
機溶媒のみを用いることもできる。
【0035】本発明の材料は、公知の通常のセラミック
ス製造プロセスにより製造することができる。
【0036】メソフェーズ誘導炭素とセラミックス粒子
を所定量秤量した後、湿式もしくは乾式法で混合する。
より均質な混合を行うためには、湿式法による混合が好
ましい。溶媒としては、水、アルコール、アセトン、そ
の他の有機溶媒を用いることができ、好ましくは、水、
メタノールやエタノール等の低級アルコールを用いる。
水を分散媒とする場合、炭素粉末の水への分散性が低い
ためβ−ナフタリンスルホン酸誘導体等を分散剤として
使用することが好ましい。
【0037】得られたスラリーは、粘度及び溶剤量を調
整した後、鋳込法、射出法、ドクターブレード法などで
各種形状に成形する。また、スラリーを乾燥することに
より造粒粉体とし、1軸プレス法、CIP法により成形
する。混合粉末造粒には、噴霧乾燥法が一般に行われる
が、この他ミキサーにより溶媒と結合剤を添加しながら
混合する等の方法があり、特に限定されない。スラリー
調整時に、必要に応じ上述の有機系、無機系の結合剤が
用いられる。
【0038】成形体は、アルゴン、ヘリウム、窒素等の
非酸化雰囲気中、あるいはコークス等の炭素質材料に埋
め込み匣詰めし、1000°C以上の温度で加熱し製造
される。焼成温度が1000°C未満であると密度、強
度、硬さ、導電率などの物性が低下する。焼成温度の上
昇によりマトリックス炭素の黒鉛化度が増加し、その特
性は黒鉛を添加した炭素複合材料の物性に類似してく
る。特に、2000°Cを超す温度での焼成により黒鉛
化が著しく進行するが、2000°Cを超す高温で機械
的特性等の著しい向上が見られないので、特定の操業条
件での使用を除き、経済性を考慮すれば、1000〜2
000°Cの焼成がより好ましい。
【0039】昇温速度は、出発原料であるメソフェーズ
誘導炭素の特徴に大きく依存する。従来例では、焼結体
の発泡や割れを抑えるため通常5°C/時以下、速くて
も20°C/時程度であり、長時間の加熱処理が必要で
あり経済的とは言えない。速い昇温速度で発泡や割れを
抑えるには、メソフェーズ誘導炭素原料の固定炭素量を
84重量%以上、キノリンへの溶解成分量を14重量%
以下に調整したものが好ましく、このような原料の使用
により、1°C/分以上の昇温速度での焼成が可能とな
り、生産性が大幅に向上し、経済的メリットが非常に大
きい。
【0040】
【実施例】本発明の実施例及び比較例の配合割合、混合
成形法及び焼成条件を表1〜表3に示す。
【0041】なお、本発明は、セラミックス粒子の比重
が種類毎に異なるため、重量%で特定することが難しい
ので、含有量を容量%で特定したが、実施例及び比較例
では、セラミックス粒子が特定されているため、配合割
合は全て重量%で示した。また、表中の全炭素容量%は
メソフェーズ誘導炭素の炭素の真比重を2、黒鉛を2.
2とし、炭素重量とセラミックス粒子重量より計算した
炭素の容積%を記載している。したがって、セラミック
ス粒子の容積%は、セラミックス粒子の容積%=100
%−炭素の容積%で求めることができる。
【0042】さらに、有機結合剤は、外掛け(+で表
示)で示したが、固定炭素量40重量%のレゾール型フ
ェノール樹脂あるいは水溶性レゾール樹脂を用いている
ので、全炭素量の10容積%以下となっている。
【0043】表1〜3において、 混合方法:SDは、ボールミル混合後、スプレードライ
乾燥により造粒粉末を作製 混合方法:Mは、卓上ミキサーを用い、溶媒と結合剤を
添加しながら混合 成形方法:Cは、一軸成形後、CIP処理、Sは、鋳込
み成形 炭素組織:Mは、モザイク組織、Fは流れ構造、Iは等
方構造 をそれぞれ示す。
【0044】また、表4〜6中の〇は殆ど侵食されてい
ない、△は明確な反応相が見られるがほとんど侵食が見
られないことを示す。
【0045】
【表1】
【表2】
【表3】 表1〜表3の各実施例及び比較例の特性について表4〜
表6にそれぞれ示す。なお、表4〜表6中の〇は殆ど侵
食されていない、△は明確な反応相が見られるがほとん
ど侵食が見られないことを示す。
【0046】
【表4】
【表5】
【表6】 実施例1〜10,14,18〜25 メソフェーズ誘導炭素(平均粒径:20μm、固定炭素
量:88重量%、キノリン可溶成分:5重量%)と、所
定量の角張った粒子形状のセラミックス粒子を90重量
%含むセラミックス粒子と、結合剤として外掛け5重量
%のレゾール型フェノール樹脂(固定炭素量40重量
%)をSiCボールと樹脂製ポットを用い、エタノール
を溶媒としてポットミルで20時間混合した後、噴霧乾
燥法により混合造粒粉体を得た。一軸成形後、140M
PaでCIP処理し、50×50mm、厚さ約10mm
の成形体を得、150°Cでフェノール樹脂の硬化処理
をした後、昇温速度5°C/分で所定の1000〜20
00°Cで2時間、アルゴン気流中で焼成し炭素複合材
料を得た。
【0047】また、炭化硼素は粒径15μm以下で平均
粒径5μm、α−炭化珪素は粒径15μm以下で平均粒
径4μm、β−炭化珪素は粒径1μm以下で平均粒径
0.4μmのものをそれぞれ用いた。又、表1、2、3
の炭化硼素、α−炭化珪素の欄の上段は配合割合、下段
は粒径を示す。
【0048】実施例11 実施例6で得られた成形体と同様の硬化処理後、昇温速
度5°C/分で窒素雰囲気中で1600°Cで焼成し炭
素複合材料を得た。
【0049】実施例12 実施例6で得られた成形体と同様の硬化処理後、昇温速
度5°C/分で窒素雰囲気中で1600°Cで焼成し炭
素複合材料を得た。
【0050】実施例13 実施例6で得られた成形体と同様の硬化処理後、匣中の
コークス粉に埋め込み大気中で昇温速度50°C/時で
1480°C焼成し炭素複合材料を得た。
【0051】実施例15 実施例6の組成となるようにメソフェーズ誘導炭素(平
均粒径:20μm、固定炭素量:86重量%、キノリン
可溶成分:12重量%)とα−炭化珪素を配合しで得ら
れた成形体を実施例6と同様の硬化処理後、昇温速度5
0°C/時でアルゴン雰囲気中で1600°Cで焼成し
炭素複合材料を得た。
【0052】実施例16 実施例6と同配合の粉末に、β−ナフタリンスルホン酸
誘導体を分散剤として外掛0.3重量%加え卓上ミキサ
ーで混合し、水を外掛5重量%と結合剤として水溶性レ
ゾール樹脂(固定炭素40重量%)を外掛5重量%添加
し造粒粉体を作製した。一軸成形後、140MPaでC
IP処理し、50×50mm、厚さ約10mmの成形体
を得、実施例2と同条件で焼成し、炭素複合材料を得
た。
【0053】実施例17 実施例6と同配合の粉末に、β−ナフタリンスルホン酸
誘導体を分散剤として外掛0.3重量%、アルミナセメ
ントを外掛3重量%添加し水系スラリーを作製した。得
られたスラリーを樹脂型に鋳込、一晩放置し硬化させ
た。乾燥後、50×50mm、厚さ約10mmの成形体
を得、実施例2と同条件で焼成し、炭素複合材料を得
た。
【0054】実施例26 実施例2と同一条件で作成された成形体をN2中、5°
C/時で1600°Cで焼成した。
【0055】表に記載した以外に、窒化硼素、炭化チタ
ン、炭化ジルコニウム、硼化チタン、硼化ジルコニウ
ム、イットリア安定化ジルコニア、シリカ、金属シリコ
ン、二硫化モリブデン等との複合化により同等の物性の
炭素複合材料が得られ、窒素中で焼成しても同等の物性
を有する炭素複合材料が得られた。
【0056】また、実施例1の成形体を匣中のコークス
粉に埋め、1000°Cで2時間焼成することでも実施
例1と同等の物性となった。
【0057】本発明の実施例では粉落ちが全く認められ
なかった。
【0058】2000°Cで焼成した炭素複合材の黒鉛
化度は40重量%で、黒鉛化が進行していることが分か
る。また、母材炭素を偏光顕微鏡で観察すると全ての実
施例でモザイク組織が観察された。
【0059】さらに、本発明は表7にもあるように、見
掛気孔率(実際には気孔率も含む)が大きいにも関わら
ず同程度の強度を有している。さらに、同程度の強度で
あるのに弾性率が小さくなっている(通常、セラミック
ス材料では強度が大きくなれば弾性率も大きくな
る。)。炭素材料で気孔率を下げることは一般に非常な
労力を要する。したがって、ある程度の気孔率のままで
高強度化可能であることは非常にメリットがある。
【0060】
【表7】 比較例1 実施例6で用いたメソフェーズ炭素とα−炭化珪素を各
々30重量%と70重量%配合し、同様の手順で炭素複
合材料(炭素量は37.2容量%)を得たが、粉落ちが
見られた。
【0061】比較例2 実施例6で用いたメソフェーズ炭素とα−炭化珪素を各
々98重量%と2重量%配合し、同様の手順で得られた
炭素複合材料(炭素量は98.6容量%)を得たが、内
部に発泡や亀裂が見られ、その強度は50MPa以下と
本発明の実施例に比べ劣っていた。また、上記の様に内
部に亀裂が入っているので、耐食性試験ができなかっ
た。
【0062】比較例3 実施例6で用いたメソフェーズ炭素75重量%と1〜
0.5mm粗粒子の間に粒度調整したα−炭化珪素を2
5重量%配合し、実施例15の手順で炭素複合材料を得
たが、炭化珪素粒子の粗粒子の脱落が見られ、強度も3
3MPaと低くなっている。
【0063】比較例4 実施例6で用いたメソフェーズ炭素とα−炭化珪素を各
々50重量%と25重量%及び平均粒径3μmの土状黒
鉛粉末を25重量%配合し、実施例6の手順で炭素複合
材料を得たが、粉落ちが見られた。
【0064】比較用の炭素材料として、市販のガラス状
炭素材(東海カーボンCG20;比較例5)と人造黒鉛
(比較例6)を用いた。
【0065】高純度溶融銅での不純物の混入確認のた
め、実施例2と6と20の坩堝を作製し、純度99.9
9重量%の溶融Cu(1200°C×24時間)を入
れ、Cuの汚染状況を不純物の混入量と導電率の変化に
より調査した。比較として炭化珪素(粉落ちはない)を
同時に評価した。その結果を表2に示す。実施例2と6
では、Cuの汚染は認められず、導電率はCu中の酸素
濃度により純Cuの酸素濃度に関係なく導電率の低下は
殆ど見られないのでよい。炭化珪素焼結体では、導電率
の大幅な低下とAlによる汚染が見られた。また、試験
後の銅インゴット内部に混入物は認められなかった。
【0066】なお、導電率は100が標準となり数字が
小さくなると導電率が低下するので悪いことを示す。
【0067】
【表8】 得られた焼結体の密度をアルキメデス法で、JIS三点
曲げ法により強度と弾性率を測定した。ショア硬さ、4
端子法による比抵抗、熱機械分析法で50〜1000°
Cの間での熱膨張率を測定し炭素質材質の評価を行っ
た。
【0068】焼結体を20×20×20mmに加工し、
Ar中で溶融アルミニウム(ADC10材質、750°
Cで10日)、溶融銀(4N試薬(純度99.99重量
%を示す。以下同じ。)、1000°Cで48時間)、
溶融銅(4N試薬、1200°Cで48時間)、溶融錫
(4N試薬、1200°Cで48時間)中に漬け耐蝕性
の評価を行った。アルミニウムのみ大気中での侵食試験
を行った。ガラス状炭素材(東海カーボンCG20;比
較例3)と人造黒鉛(比較例4)を比較として用いた。
【0069】本発明による炭素複合材料は、各種の溶融
金属に対する耐蝕性が優れている。特に、炭化珪素と炭
化硼素を添加した実施例2〜4、18は大気中での使用
も可能であった。ガラス状炭素材(比較例5)は、特に
高融点の溶融金属に対する耐蝕性が低くなる傾向にあ
る。人造黒鉛(比較例6)は、各種溶融金属に対する耐
蝕性に問題はないが、酸化雰囲気での使用は不可能であ
る。また、表面の粉落ちが多く、クリーンな環境を提供
できない。
【0070】本発明で得られる炭素複合材は、溶融金属
用の部材として有効であるが、その用途は、機械的特性
を応用した分野にも当然適用可能であり、本発明に示さ
れた使用範囲に限定されるものではない。
【0071】
【発明の効果】
(1) メソフェーズ誘導炭素のモザイク組織のマトリ
ックスと特定粒径のセラミックスとにより、粉落ちのな
い溶融金属用部材として使用できる。
【0072】(2) モザイク組織を有することで、ミ
クロ領域で結晶性炭素の等方性が達成されるために黒鉛
の配向による異方性の問題が解消できることにより、結
果として機械的特性や溶融金属に対する耐蝕性が向上す
る。
【0073】(3) 特殊な黒鉛質複合材や金属炭化物
や硼化物焼結体に比べその製造が容易であり安価に供給
することが出来るという経済的効果を有する。
【0074】(4) 粉末の発生を嫌いクリーンな環境
を必要とするところで使用できる。
【0075】(5) 特定粒子形状の角張ったセラミッ
クス粒子相互に組み合せることで、粉落ちがないか、き
わめて少ない溶融金属用部材として使用可能な炭素複合
材料が得られる。
【0076】(6) 炭化物又は硼化物から選択した1
種以上のセラミックス粒子の各種成分特性の相乗効果に
より、各セラミックス材料の特徴である優れた機械的特
性、導電性、耐酸化性等の特性を付与できる。
【0077】(7) 前記の効果によって溶融非鉄金属
炉用、特に溶融銅用部材として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】角張ったセラミックス粒子とモザイク組織のマ
トリックスを示す模式図である。
【図2】偏光写真によるモザイク組織のマトリックスの
拡大図である。
【符号の説明】
1 セラミックス粒子 2 モザイク組織

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メソフェーズ誘導炭素が40〜97容積
    %と残部が実質的に1種又は2種以上のセラミックス粒
    子である溶融金属用部材において、セラミックス粒子の
    粒径が0.5mm以下であリ、モザイク組織のマトリッ
    クスを有することを特徴とする溶融金属用部材。
  2. 【請求項2】 セラミックス粒子が角張ったセラミック
    ス粒子を含有することを特徴とする請求項1記載の溶融
    金属用部材。
  3. 【請求項3】 セラミックス粒子が粒径10μmを超え
    0.5mm以下のセラミックス粒子を90重量%以上含
    有することを特徴とする請求項1又は2記載の溶融金属
    用部材。
  4. 【請求項4】 モザイク組織の炭素が90容積%以上で
    あることを特徴とする請求項1、2又は3記載の溶融金
    属用部材。
  5. 【請求項5】 黒鉛又はコークスが添加されていないこ
    とを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の溶融金属
    用部材。
  6. 【請求項6】 セラミックス粒子が炭化物、硼化物より
    選ばれた1種又は2種以上の化合物を含むことを特徴と
    する請求項1、2、3、4又は5記載の溶融金属用部
    材。
  7. 【請求項7】 有機結合剤を固定炭素量として化合物以
    外の全炭素に対して10容積%以下であることを特徴と
    する請求項1、2、3、4、5又は6記載の溶融金属用
    部材。
  8. 【請求項8】 溶融金属用部材が溶融非鉄金属用部材で
    あることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又
    は7記載の溶融金属用部材。
  9. 【請求項9】 溶融金属用部材が溶融銅用部材であるこ
    とを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7又は
    8記載の溶融金属用部材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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