JPH08301650A - 連続鋳造用炭素含有耐火物及びその製造方法 - Google Patents

連続鋳造用炭素含有耐火物及びその製造方法

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JPH08301650A
JPH08301650A JP7131180A JP13118095A JPH08301650A JP H08301650 A JPH08301650 A JP H08301650A JP 7131180 A JP7131180 A JP 7131180A JP 13118095 A JP13118095 A JP 13118095A JP H08301650 A JPH08301650 A JP H08301650A
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JP
Japan
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carbon
weight
refractory
raw material
continuous casting
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Application number
JP7131180A
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English (en)
Inventor
Makoto Nakamura
真 中村
Takashi Kiwada
孝 木和田
Osamu Nomura
修 野村
Takashi Yamamura
隆 山村
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Shinagawa Refractories Co Ltd
Original Assignee
Shinagawa Refractories Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、耐スポーリング性及び耐食
性を損なうことなく、機械的強度を向上させることがで
きる連続鋳造用炭素含有耐火物及びその製造方法を提供
することにある。 【構成】 本発明の連続鋳造用炭素含有耐火物は、炭素
原料3〜40重量%、窒化ジルコニウム0.1〜10重
量%及びその他の耐火材料50〜96.9重量%を含有
してなる原料混合物を成形して得られた成形体を焼成し
た炭素含有耐火物であって、該耐火物がその組織内に酸
化ジルコニウム結合を有することを特徴とし、該炭素含
有耐火物は、炭素原料3〜40重量%、窒化ジルコニウ
ム0.1〜10重量%及びその他の耐火材料50〜96.
9重量%を含有してなる原料混合物にバインダーを加
え、所定の形状に成形し、得られた成形体を非酸化性雰
囲気中650℃以上の温度で焼成することを特徴として
製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶融金属連続鋳造用ノ
ズル、スライドゲートバルブプレート煉瓦等に使用され
る連続鋳造用炭素含有耐火物及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】アルミナやジルコニア等の酸化物と炭素
とを組み合わせた炭素含有耐火物が、連続鋳造用耐火部
材として広く使用されている。この炭素含有耐火物は、
溶鋼に対する耐食性や耐摩耗性に優れた酸化物原料と、
スラグに対する耐食性や耐熱衝撃性に優れた炭素原料と
を組み合わせることにより、耐食性、耐熱スポーリング
性などの耐火物に求められる特性をバランス良く実現し
ている。しかしながら、従来の酸化物系耐火物と比較す
ると、酸化物の焼結によるセラミックボンドの生成が少
なく、機械的強度が低い。
【0003】これを補うために、金属Al、Si等を添
加し、焼成することで、耐火物内に炭化物結合や窒化物
結合を生成させて機械的強度を改善する方法が広く行わ
れている。例えば、特公昭61−41861号公報には、マト
リックス中に窒化アルミニウム結合と炭化珪素結合を有
することを特徴とするカーボン・ボンド材質スライディ
ング・ノズル用プレートれんがが開示されている。ま
た、特公昭61−41862号公報には、マトリックス中に窒
化アルミニウム結合を有することを特徴とするカーボン
・ボンド材質スライディング・ノズル用プレートれんが
が開示されている。
【0004】また、窒化珪素と炭素との反応焼結による
SiCウィスカーによる機械的強度の向上を目的とし
て、例えば、特公平5−11061号公報には、窒化珪素1
〜10重量%、炭素1〜35重量%及び残部が耐火性原
料からなる混合物を成形して得られた成形体を焼成した
カーボン含有耐火物であって、該耐火物がその組織内に
均一に微細な炭化珪素のウィスカーを有することを特徴
とする炭素含有耐火物が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特公昭61−41
861号公報及び特公昭61−41862号公報に開示されたれん
がは機械的強度の上昇と共に弾性率が大幅に上昇するた
め、耐スポーリング性が損なわれる欠点がある。また、
特公平5−11061号公報に開示された炭素含有耐火物で
は耐スポーリング性は損なわれないが、炭化珪素自体が
溶鋼に溶解し易いため、使用中に稼働面付近の強度が損
なわれたり、組織欠陥の原因となったりする欠点があ
る。
【0006】従って、本発明の目的は、耐スポーリング
性及び耐食性を損なうことなく、機械的強度を向上させ
ることができる連続鋳造用炭素含有耐火物及びその製造
方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、連続鋳造
用炭素含有耐火物において、優れた機械的強度と耐スポ
ーリング性、耐食性を具備する材質について検討した結
果、耐火原料中に窒化ジルコニウムを添加し、加熱によ
り酸化ジルコニウムを生成して酸化ジルコニウム結合を
造ることで、機械的強度に優れ、且つ耐食性、耐スポー
リング性にも優れた連続鋳造用炭素含有耐火物が得られ
ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明は、炭素原料3〜40重量
%、窒化ジルコニウム0.1〜10重量%及びその他の
耐火材料50〜96.9重量%を含有してなる原料混合
物を成形して得られた成形体を焼成した炭素含有耐火物
であって、該耐火物がその組織内に酸化ジルコニウム結
合を有することを特徴とする連続鋳造用炭素含有耐火物
に係る。
【0009】また、本発明は、炭素原料3〜40重量
%、窒化ジルコニウム0.1〜10重量%及びその他の
耐火材料50〜96.9重量%を含有してなる原料混合
物にバインダーを加え、所定の形状に成形し、得られた
成形体を非酸化性雰囲気中650℃以上の温度で焼成す
ることを特徴とする連続鋳造用炭素含有耐火物の製造方
法に係る。
【0010】
【作用】以下、本発明の連続鋳造用炭素含有耐火物の製
造方法を更に説明する。炭素含有耐火物が高温で空気に
曝され、空気中の酸素が直ちにCO(ガス)になったとす
る雰囲気(PN2=0.653気圧、PCO=0.347気圧)
において、Zr−O−N−C系では、1520℃以下の
温度でZrO2(固相)が安定相である。従って、この温
度範囲内では以下の(1)式で表されるZrN(固相)のC
O(ガス)による酸化反応が進行し、ZrN(固相)はZr
2(固相)へと変化する:
【化1】 ZrN(固相)+2CO(ガス)=ZrO2(固相)+2C(固相)+N2(ガス) (1)
【0011】本発明は上記(1)式の知見に基づきなされ
たものである。新しい相の反応生成による強度付与にお
いては、その反応の速度が重要であり、実用的な時間内
で反応が進行する必要がある。図1に、通常のAl23
・SiO2・C材質(後述する比較品1)と、4重量%の
窒化珪素を添加したAl23・SiO2・C材質(後述す
る比較品2)と、窒化ジルコニウムを添加したAl23
・SiO2・C材質(後述する本発明品2)の熱膨張率を
示すが、窒化ジルコニウムを添加すると、650℃程度
から(1)式の反応が進行し、熱膨張率が大きくなる。こ
のように、(1)式の実用的な反応開始温度は650℃付
近からで、窒化ジルコニウムを添加することで低温から
比較的容易に酸化ジルコニウム結合による強度付与が得
られる。
【0012】反応速度の上で、窒化ジルコニウムの比表
面積が大きい方が好ましいのは明らかである。従って、
本発明に用いられる窒化ジルコニウムは、100メッシ
ュ以下の微粉であることが望ましい。また、微粉の方が
耐火物中への分散性も良好である。窒化ジルコニウムの
純度は、少量の添加でも最大限に効果を発揮させ、且つ
不純物による耐食性の低下を最小限に抑えるため、80
重量%以上が好ましい。なお、窒化ジルコニウムの添加
量は0.1〜10重量%の範囲内である。ここで、窒化
ジルコニウムの添加量が0.1重量%未満では本発明の
特徴が発揮できず、また、10重量%を超えると耐スポ
ーリング性が損なわれる恐れがあるために好ましくな
い。
【0013】ここで、以下の実施例における本発明品3
のエレクトロンプローブマイクロアナライザ(EPMA)
による分析結果を図2〜7に示す。図2は、低倍率で供
試体の組織を示す走査型電子顕微鏡(SEM)写真であ
る。図2において、輝度の高い白い粒が、窒化ジルコニ
ウムから生成した酸化ジルコニウムである。約30μm
以下の窒化ジルコニウムは全て酸化ジルコニウムに変化
している。一方、比較的粗い窒化ジルコニウムの粒で
は、窒化ジルコニウムが完全に酸化ジルコニウムに変化
しておらず、部分的に窒化ジルコニウムのまま残ってい
る。図2に示すSEM写真の中央部にある粒度の大きい
窒化ジルコニウム粒を拡大したSEM像を示す写真を図
3に示す。また、この窒化ジルコニウム粒のZr、N、
O、Cの化学成分組成を示すSEM写真をそれぞれ図4
(Zr)、図5(N)、図6(O)及び図7(C)として掲げ
る。図4〜図7の化学成分組成を示すSEM写真から分
かるように、図3に示すSEM写真において、粒子の中
心部付近の特に輝度の高い部分が未反応の窒化ジルコニ
ウムであり、それと比べるとやや輝度の低い外周やクラ
ックの周辺の部分が窒化ジルコニウムから酸化生成した
酸化ジルコニウムであることが分かる。これらから分か
るように、窒化ジルコニウムが酸化され、酸化ジルコニ
ウムのボンドを生成していると考えられる。
【0014】炭素原料は、連続鋳造用耐火物に高熱伝導
性を付与し、また、耐スポーリング性及びスラグに対す
る耐食性を付与するものであり、本発明において必須の
配合成分である。本発明における炭素原料の配合量につ
いて説明すると、炭素原料の含有量が少ないと耐スポー
リング性が損なわれ、逆に多過ぎると耐食性が劣化す
る。このため、炭素原料の添加量は3〜40重量%が好
ましく、より好ましくは5〜33重量%である。炭素原
料としては、鱗状黒鉛、土状黒鉛、人造黒鉛、キッシュ
黒鉛等の各種黒鉛原料やメソフェーズピッチ等のピッ
チ、コークス、カーボンブラック、無煙炭、木炭等の非
晶質炭素原料や、焼成後炭素化する樹脂粉末等の中から
選択された1種または2種以上を使用できるが、不純物
による耐食性の低下の点から、純度80重量%以上(樹
脂粉末等は炭化後の不純物量として換算)の炭素原料を
使用することが好ましい。この中で、耐スポーリング性
と耐食性の点から、鱗状黒鉛やカーボンブラック等の高
純度炭素原料の使用が好ましい。
【0015】また、耐火材料としては、シリカ、ムライ
ト、アルミナ、アルミナ・ジルコニア系原料、カルシア
・ジルコニア系原料、安定化ジルコニア、ジルコニア、
ジルコニア・ムライト系原料、スピネル系原料、マグネ
シア、粘土鉱物等の酸化物原料の中から選択された1種
または2種以上を使用することができる。本発明におい
て、これらの原料は電融品、焼結品のいずれでも使用で
きる。なお、耐火材料の添加量は50〜96.9重量%
の範囲内である。ここで、耐火性原料の添加量が96.
9重量%を超えると相対的に炭素原料の量が減少し耐ス
ポーリング性が損なわれる恐れがあり、また、50重量
%未満となると相対的に炭素原料の添加量が増加して耐
食性が低下するために好ましくない。
【0016】耐火材料の一部には、酸化防止の目的で炭
化珪素、炭化硼素等の炭化物や硼化物、強度付与の目的
で、窒化珪素、窒化アルミニウム等の窒化物、シリコ
ン、アルミニウム等の金属や合金類を5重量%以下の範
囲で加えることができる。これらは、炭素含有耐火物の
酸化防止剤、強度付与剤として有効性は公知であるが、
いずれも添加量が多いと耐スポーリング性を著しく損な
うため、添加する窒化ジルコニウムと等量以下の添加量
が好ましい。
【0017】以上に示したような組成の原料混合物にバ
インダーを適宜加え、室温もしくは加温下で混練する。
バインダーには、フェノール樹脂、シリコーン等の有機
樹脂、ピッチ、タール等の中から選択される1種または
2種以上を使用することができるが、使用環境上フェノ
ール樹脂等の有機樹脂バインダーを使用することが望ま
しい。混練後の坏土を所定の形状に成形する。成形に
は、オイルプレス、フリクションプレス等の一軸プレス
の他、等圧プレスのようなプレス成形を使用することが
できる。
【0018】このようにして得られた成形体を非酸化雰
囲気中で焼成する。非酸化雰囲気中での焼成とは、例え
ば窒素、アルゴン等の不活性ガス中での焼成や、炭素中
に成形体を埋めて焼成する等の方法を採ることができ
る。成形体を非酸化雰囲気中で焼成する際に、成形体内
の雰囲気は、前述の空気中の酸素が直ちにCO(ガス)に
なったとする雰囲気(PN2=0.653気圧、PCO=0.
347気圧)に近いと考えられ、(1)式の反応が速やか
に進行する。また、焼成温度は(1)式の反応が十分に進
行するためには650℃以上、好ましくは750℃以上
の温度が必要である。
【0019】本発明方法によって得られた連続鋳造用炭
素含有耐火物は、その組織内に酸化ジルコニウム結合が
存在し、耐スポーリング性及び耐食性を損なうことな
く、機械的強度を向上させることができる。
【0020】なお、本発明の連続鋳造用炭素含有耐火物
は、組織の緻密化と、それから導かれる製品品質の向上
を目的として、含浸処理を行っても良い。含浸剤には、
タール、ピッチ、フェノール樹脂等の合成樹脂の1種ま
たは2種以上が使用でき、1回または2回以上行うこと
ができる。炭素含有耐火物の使用環境の点から、含浸後
に加熱して含浸剤中の揮発分を除去することが好まし
い。なお、加熱温度は含浸剤の種類により適宜決めれば
よいが、経済上250〜700℃が好ましく、非酸化雰
囲気中で行うことが好ましい。
【0021】上述の記載は、本発明の連続鋳造用炭素含
有耐火物全般にわたる説明であるが、連続鋳造用耐火物
の各部材例えばスライドゲートバルブプレート材質や、
浸漬ノズル材質として好適な組成を以下に詳述する。
【0022】スライドゲートバルブプレートは、溶融金
属流の流量制御に使用されるものであり、耐熱衝撃性、
耐摩耗性並びに機械的強度が同時に求められる。材質と
してはAl23−C質のものが広く使用されている。こ
の材質の主要な耐火材料はアルミナである。アルミナは
溶鋼に対する耐食性や耐摩耗性、酸化物の中では低い熱
膨張性に由来する耐スポーリング性に優れていることが
特徴であり、電融アルミナ、焼結アルミナ、仮焼アルミ
ナのいずれをも使用することができ、通常純度99重量
%以上のものが使用されている。なお、スライドゲート
バルブプレート材質におけるアルミナの配合量は90〜
96.9重量%の範囲が好ましい。アルミナの配合量が
90重量%未満の場合には、耐食性及び耐摩耗性が低下
することがあるために好ましくなく、また、96.9重
量%を超えると耐スポーリング性が低下するために好ま
しくない。
【0023】なお、アルミナは耐火材料として使用され
るものであるが、その一部をアルミナ・ジルコニア、ジ
ルコニア・ムライト、スピネル・ジルコニア等のジルコ
ニアを含有する高耐食性耐火材料と置換することができ
る。一般に、これらの高耐食性耐火原料はアルミナと比
べると高価であり、置換量はアルミナ全量に対し半分以
下の量が経済的であり、好ましい。
【0024】更に、アルミナの一部は、炭素原料の酸化
防止の目的で炭化珪素、炭化硼素等の炭化物や硼化物、
強度付与の目的で窒化珪素、窒化アルミニウム等の窒化
物、シリコン、アルミニウム等の金属や合金類を耐スポ
ーリング性の点から5重量%以下の範囲で、より好まし
くは3重量%以下の範囲で置換することができる。これ
らは、炭素含有耐火物中の炭素原料の酸化防止剤とし
て、また、強度付与剤として有効性は公知であるが、カ
ーボンブラック等酸化され易い細粒の非晶質炭素原料を
使用することが多いスライドゲートバルブプレート煉瓦
では、少量の置換が炭素含有耐火物の良好な耐酸化特性
に繋がると考えられる。
【0025】炭素原料は、耐スポーリング性及び良好な
摺動性を付与するものであり、本発明において必須の配
合成分である。炭素原料の含有量が少ないと、耐スポー
リング性や摺動性が損なわれ、逆に多過ぎると耐食性が
劣化するため、炭素原料の含有量は3〜10重量%が好
ましい。炭素原料としては、炭素含有耐火物使用中のマ
トリックス部のアルミナ超微粉の過焼結を防止する意味
から粒度の細かいメソフェーズピッチ等の各種ピッチや
カーボンブラックの使用が好ましい。
【0026】窒化ジルコニウムは、上述のように、反応
速度及び耐火物中への分散性の点から、100メッシュ
以下の粒度であることが望ましく、また、80重量%以
上の純度であることが好ましい。なお、窒化ジルコニウ
ムの添加量は0.1〜10重量%の範囲内、より好まし
くは0.1〜5重量%の範囲内である。ここで、窒化ジ
ルコニウムの添加量が0.1重量%未満では本発明の特
徴が発揮できず、また、10重量%を超えると耐スポー
リング性が損なわれる恐れがあるために好ましくない。
【0027】また、ロングノズル、浸漬ノズル等のノズ
ル材質は、溶融金属の再酸化を防止する目的で使用さ
れ、耐熱衝撃性が特に重要視される。ノズル材質として
はAl23・SiO2・C質のものが広く使用されてい
る。
【0028】この材質の主要な耐火原料はアルミナと溶
融シリカである。アルミナは前述のように溶鋼に対する
耐食性や耐スポーリング性に優れていることが特徴であ
り、電融アルミナ、焼結アルミナ、仮焼アルミナのいず
れをも使用することができ、通常純度99重量%以上の
ものが使用される。ノズル材質におけるアルミナの配合
量は40〜85重量%の範囲が好ましい。アルミナの配
合量が40重量%未満であると耐食性が低下するために
好ましくなく、また、85重量%を超えると炭素原料の
量が相対的に減り、耐スポーリング性が低下するために
好ましくない。
【0029】溶融シリカは低い熱膨張による耐スポーリ
ング性の良さが特徴である。しかし、溶鋼温度では炭素
含有耐火物中の炭素原料により次式の反応により還元さ
れ、強度や耐食性の劣化を引き起こす。
【化2】 SiO2(固相)+C(固相)=SiO2(ガス)+CO(ガス) (2) このため、溶融シリカの配合量は30重量%以下が好ま
しい。更に、アルミナと溶融シリカの合計量は50重量
%以上が好ましい。アルミナと溶融シリカの合計量が5
0重量%未満であると、炭素原料の量が相対的に増加
し、耐食性を損なうために好ましくない。
【0030】更に、アルミナ並びに溶融シリカの一部は
SiCに置換することができる。SiCは、炭素原料の
酸化防止剤として機能する。ただ、SiCは溶融に溶脱
し易く、耐食性の点から置換量は10重量%以下が好ま
しい。
【0031】また、炭素原料は、高熱伝導性と低熱膨張
により炭素含有耐火物に耐スポーリング性とスラグに対
する耐食性を付与するものであり、本発明において必須
の配合成分である。炭素原料の配合量が少ないと耐スポ
ーリング性が損なわれ、逆に多過ぎると耐食性が劣化す
るために、炭素原料の含有量は15〜35重量%が好ま
しい。なお、ノズル材質の炭素原料としては黒鉛の使用
が好ましい。
【0032】窒化ジルコニウムは、反応速度及び耐火物
中への分散性の点から、100メッシュ以下の粒度であ
ることが望ましく、また、80重量%以上の純度である
ことが好ましい。なお、窒化ジルコニウムの添加量は
0.1〜10重量%の範囲内である。ここで、窒化ジル
コニウムの添加量が0.1重量%未満では本発明の特徴
が発揮できず、また、10重量%を超えると耐スポーリ
ング性が損なわれる恐れがあるために好ましくない。
【0033】なお、上述のような原料組成を有するスラ
イドゲートバルブプレート材質や浸漬ノズル材質は、上
記連続鋳造用炭素含有耐火物の製造方法と同様の方法に
て製造することができることは言うまでもない。
【0034】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明の
連続鋳造用炭素含有耐火物を更に説明する。なお、以下
の実施例及び比較例の各試料に対する「曲げ強度」、
「スポーリング試験」並びに耐食性試験」の各試験につ
いて、まとめて説明する。曲げ強度は、50×50mm
の断面積をもつ長柱状に加工した試料を用い、スパン1
00mmの3点曲げにより測定した。スポーリング試験
は、試験を電気炉中で1500℃に加熱後、水冷したと
きの亀裂の発生状況で評価した。耐食性試験は、試験を
1600℃の電解鉄に10rpmで回転させながら60
分浸漬した際の溶損状況で評価した。なお、実施例1及
び2の中で耐スポーリング性、耐食性の数字は比較品1
を基準(100)としての相対評価で示してある。また、
実施例3及び4の耐スポーリング性、耐食性の数字は、
比較品6を基準(100)として指数にて相対評価した。
なお、数字の大きい方が良好な特性を示している。
【0035】実施例1 以下の表1に原料配合により原料混合物を調製し、この
原料混合物に対して外掛で10重量%のフェノール樹脂
をバインダーとして添加して坏土を調製した。なお、本
実施例において、窒化ジルコニウムは純度98重量%、
粒度20μm以下の市販品を使用した。この坏土を用い
て浸漬ノズル形状に成形し、得られた成形体をコークス
中に埋没して1000℃で3時間焼成することにより連
続鋳造用浸漬ノズルを作製した。得られた浸漬ノズルの
物性を表1に併記する。
【0036】
【表1】
【0037】実施例2 以下の表2に原料配合により原料混合物を調製し、この
原料混合物に対して外掛で10重量%のフェノール樹脂
をバインダーとして添加して坏土を調製した。なお、本
実施例において、窒化ジルコニウムは純度98重量%、
粒度20μm以下の市販品を使用した。この坏土を用い
て浸漬ノズル形状に成形し、得られた成形体をコークス
中に埋没して1000℃で3時間焼成することにより連
続鋳造用浸漬ノズルを作製した。得られた浸漬ノズルの
物性を表2に併記する。
【0038】
【表2】
【0039】実施例3 以下の表3に原料配合により原料混合物を調製し、この
原料混合物に対して外掛で5重量%のフェノール樹脂を
バインダーとして添加して坏土を調製した。なお、本実
施例において、窒化ジルコニウムは純度98重量%、粒
度20μm以下の市販品を使用した。この坏土を用いて
スライドゲートバルブブレート形状に成形し、得られた
成形体をコークス中に埋没して1200℃で3時間焼成
し、ピッチ含浸処理後、500℃で3時間の加熱処理に
より含浸ピッチの揮発分を除去して連続鋳造用スライド
ゲートバルブプレート煉瓦を作製した。得られたスライ
ドゲートバルブプレート煉瓦の物性を表3に併記する。
【0040】
【表3】
【0041】実施例4 以下の表4に原料配合により原料混合物を調製し、この
原料混合物に対して外掛で5重量%のフェノール樹脂を
バインダーとして添加して坏土を調製した。なお、本実
施例において、窒化ジルコニウムは純度98重量%、粒
度20μm以下の市販品を使用した。この坏土を用いて
スライドゲートバルブブレート形状に成形し、得られた
成形体をコークス中に埋没して1200℃で3時間焼成
し、ピッチ含浸処理後、500℃で3時間の加熱処理に
より含浸ピッチの揮発分を除去して連続鋳造用スライド
ゲートバルブプレート煉瓦を作製した。得られたスライ
ドゲートバルブプレート煉瓦の物性を表4に併記する。
【0042】
【表4】
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、耐スポーリング性及び
耐食性を損なうことなく、機械的強度を向上させること
ができる連続鋳造用炭素含有耐火物を提供することがで
きるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明品3、比較品1及び比較品2の各焼成温
度における熱膨張率を示すグラフである。
【図2】エレクトロンプローブマイクロアナライザ(E
PMA)による本発明品3の組織を示す走査型電子顕微
鏡像を示す写真である。
【図3】図2に示す走査型電子顕微鏡写真の中央部にあ
る粒度の大きい窒化ジルコニウム粒を拡大したEPMA
による走査型電子顕微鏡像を示す写真である。
【図4】図2に示す走査型電子顕微鏡写真の中央部にあ
る粒度の大きい窒化ジルコニウム粒のEPMAによるZ
rの分布を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図5】図2に示す走査型電子顕微鏡写真の中央部にあ
る粒度の大きい窒化ジルコニウム粒のEPMAによるN
の分布を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図6】図2に示す走査型電子顕微鏡写真の中央部にあ
る粒度の大きい窒化ジルコニウム粒のEPMAによるO
の分布を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図7】図2に示す走査型電子顕微鏡写真の中央部にあ
る粒度の大きい窒化ジルコニウム粒のEPMAによるC
の分布を示す走査型電子顕微鏡写真である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素原料3〜40重量%、窒化ジルコニ
    ウム0.1〜10重量%及びその他の耐火材料50〜9
    6.9重量%を含有してなる原料混合物を成形して得ら
    れた成形体を焼成した炭素含有耐火物であって、該耐火
    物がその組織内に酸化ジルコニウム結合を有することを
    特徴とする連続鋳造用炭素含有耐火物。
  2. 【請求項2】 炭素原料3〜40重量%、窒化ジルコニ
    ウム0.1〜10重量%及びその他の耐火材料50〜9
    6.9重量%を含有してなる原料混合物にバインダーを
    加え、所定の形状に成形し、得られた成形体を非酸化性
    雰囲気中650℃以上の温度で焼成することを特徴とす
    る連続鋳造用炭素含有耐火物の製造方法。
JP7131180A 1995-05-02 1995-05-02 連続鋳造用炭素含有耐火物及びその製造方法 Pending JPH08301650A (ja)

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