JP2599894B2 - 炭素含有耐火物 - Google Patents
炭素含有耐火物Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ロングノズル、浸漬ノ
ズル、スライドゲートバルブプレート等連続鋳造装置の
耐火性部材として好適な炭素含有耐火物に関するもので
ある。
ズル、スライドゲートバルブプレート等連続鋳造装置の
耐火性部材として好適な炭素含有耐火物に関するもので
ある。
【0002】ジルコニアが化学的に安定であることは広
く知られており、耐火物においても他の酸化物と比べス
ラグ溶損が極めて小さいことが示されている。ロングノ
ズルや浸漬ノズル等連続鋳造用ノズルの浸漬部は、タン
ディッシュスラグやモールドパウダーによる溶損が大き
く、しばしばジルコニア原料が適用される。また、スラ
イドゲートバルブプレートでも耐溶損性向上のためにジ
ルコニア原料が適用されている。ジルコニア原料は熱膨
張率が大きいため、カーボン原料と組み合わせ、ジルコ
ニア−カーボン質材質として使用されることも多い。
く知られており、耐火物においても他の酸化物と比べス
ラグ溶損が極めて小さいことが示されている。ロングノ
ズルや浸漬ノズル等連続鋳造用ノズルの浸漬部は、タン
ディッシュスラグやモールドパウダーによる溶損が大き
く、しばしばジルコニア原料が適用される。また、スラ
イドゲートバルブプレートでも耐溶損性向上のためにジ
ルコニア原料が適用されている。ジルコニア原料は熱膨
張率が大きいため、カーボン原料と組み合わせ、ジルコ
ニア−カーボン質材質として使用されることも多い。
【0003】このジルコニア−カーボン質材質は、カー
ボン量が多い程、耐スポーリング性は良くなるが、逆
に、耐食性は低下するので、ジルコニア原料とカーボン
原料の配合割合は自ずと限られる。この範囲内で、高い
耐スポール性を保持したまま、更に耐食性を向上すべ
く、様々な検討がなされている。例えば、特公昭59−12
29号公報には、パウダーライン部にZrO2:70〜9
3重量%、C:2〜10重量%、SiCと溶融シリカの
中の少なくとも何れか一方を5〜30重量%からなる耐
火物をパウダーライン部に被覆することが開示されてい
る。また、特開昭63−97344号公報には、ZrO2:55
〜87重量%、黒鉛:10〜30重量%、SiC:3〜
20重量%、Si:0〜5重量%よりなることを特徴と
する連鋳用浸漬ノズル外挿耐火物が開示されている。
ボン量が多い程、耐スポーリング性は良くなるが、逆
に、耐食性は低下するので、ジルコニア原料とカーボン
原料の配合割合は自ずと限られる。この範囲内で、高い
耐スポール性を保持したまま、更に耐食性を向上すべ
く、様々な検討がなされている。例えば、特公昭59−12
29号公報には、パウダーライン部にZrO2:70〜9
3重量%、C:2〜10重量%、SiCと溶融シリカの
中の少なくとも何れか一方を5〜30重量%からなる耐
火物をパウダーライン部に被覆することが開示されてい
る。また、特開昭63−97344号公報には、ZrO2:55
〜87重量%、黒鉛:10〜30重量%、SiC:3〜
20重量%、Si:0〜5重量%よりなることを特徴と
する連鋳用浸漬ノズル外挿耐火物が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ジルコ
ニアは加熱に伴い1100℃前後で単斜晶型から正方晶
型に転移する。この際、大きく体積変化し、耐火物の耐
スポーリング性を著しく損なう。単斜晶型ジルコニアを
耐火物に適用する場合、粒度構成の工夫、あるいは上記
2公報の如き炭素原料やSiCとの併用により、系全体
の熱膨張を多少少なくはできるが、転移による体積変化
の緩和とはならない。
ニアは加熱に伴い1100℃前後で単斜晶型から正方晶
型に転移する。この際、大きく体積変化し、耐火物の耐
スポーリング性を著しく損なう。単斜晶型ジルコニアを
耐火物に適用する場合、粒度構成の工夫、あるいは上記
2公報の如き炭素原料やSiCとの併用により、系全体
の熱膨張を多少少なくはできるが、転移による体積変化
の緩和とはならない。
【0005】また、転移による体積変化を防ぐためカル
シアやマグネシア等を固溶し、安定化した状態で耐火物
原料として使用する方法が広く行われている。しかし、
安定化ジルコニアの熱膨張率は、アルミナ等の他の酸化
物と比較すると大きく、ジルコニア−ガーボン質材質で
さえも熱スポーリング性に優れた原料とは言い難い。
シアやマグネシア等を固溶し、安定化した状態で耐火物
原料として使用する方法が広く行われている。しかし、
安定化ジルコニアの熱膨張率は、アルミナ等の他の酸化
物と比較すると大きく、ジルコニア−ガーボン質材質で
さえも熱スポーリング性に優れた原料とは言い難い。
【0006】従って、本発明の目的は、単斜晶型ジルコ
ニアと炭化珪素の結晶が一つの粒子中で均一に分散した
組織を呈するジルコニア−炭化珪素複合原料を活用する
ことで、転移に伴う体積変化を緩和し熱膨張を低く抑え
ることで、耐スポーリング性、耐食性及び耐酸化性が良
好で、連続鋳造装置の耐火性部材の材質として有効な炭
素含有耐火物を提供することにある。
ニアと炭化珪素の結晶が一つの粒子中で均一に分散した
組織を呈するジルコニア−炭化珪素複合原料を活用する
ことで、転移に伴う体積変化を緩和し熱膨張を低く抑え
ることで、耐スポーリング性、耐食性及び耐酸化性が良
好で、連続鋳造装置の耐火性部材の材質として有効な炭
素含有耐火物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の炭素含有
耐火物は、必須成分として炭素原料を3〜40重量%及
びZrO2/SiCのモル比が50/1〜1/5の範囲
内にあるジルコニア−炭化珪素複合原料2〜97重量%
含有してなることを特徴とする。
耐火物は、必須成分として炭素原料を3〜40重量%及
びZrO2/SiCのモル比が50/1〜1/5の範囲
内にあるジルコニア−炭化珪素複合原料2〜97重量%
含有してなることを特徴とする。
【0008】更に、本発明の炭素含有耐火物は、安定化
ジルコニア原料及び/または未安定化ジルコニア原料を
95重量%以下の量で含有してもよい。
ジルコニア原料及び/または未安定化ジルコニア原料を
95重量%以下の量で含有してもよい。
【0009】また、本発明の炭素含有耐火物は、シリ
カ、ムライト、アルミナ及びスピネルからなる群から選
択された1種または2種以上の耐火性原料を95重量%
以下の量で含有することができる。
カ、ムライト、アルミナ及びスピネルからなる群から選
択された1種または2種以上の耐火性原料を95重量%
以下の量で含有することができる。
【0010】また、本発明の炭素含有耐火物は、炭化
物、硼化物、金属及び合金粉よりなる群から選択された
1種または2種以上を10重量%以下の量で含有するこ
とができる。
物、硼化物、金属及び合金粉よりなる群から選択された
1種または2種以上を10重量%以下の量で含有するこ
とができる。
【0011】
【作用】本発明に用いるジルコニア−炭化珪素複合原料
は、単斜晶型ジルコニアの転移に伴う体積変化を、一つ
の粒子中で炭化珪素と均一に分散させることで吸収さ
せ、かつ粒子の熱膨張自体も単斜晶型ジルコニアより低
く抑えることが可能である。このジルコニア−炭素珪素
複合原料は、カーボンと良く混合したジルコウムシリケ
ートを、Ar、N2、CO等の非酸化雰囲気中で焼成し
たものを、所定の粒度に粉砕、粒調したものである。ジ
ルコニア−炭化珪素複合原料は、必須成分として単斜晶
型ジルコニアと炭化珪素からなり、SiO2、Si
3N4、ZrN、ZrC等を微量含んでいても良い。
は、単斜晶型ジルコニアの転移に伴う体積変化を、一つ
の粒子中で炭化珪素と均一に分散させることで吸収さ
せ、かつ粒子の熱膨張自体も単斜晶型ジルコニアより低
く抑えることが可能である。このジルコニア−炭素珪素
複合原料は、カーボンと良く混合したジルコウムシリケ
ートを、Ar、N2、CO等の非酸化雰囲気中で焼成し
たものを、所定の粒度に粉砕、粒調したものである。ジ
ルコニア−炭化珪素複合原料は、必須成分として単斜晶
型ジルコニアと炭化珪素からなり、SiO2、Si
3N4、ZrN、ZrC等を微量含んでいても良い。
【0012】ジルコニア−炭化珪素複合原料のZrO2
/SiCのモル比は、出発原料であるジルコニウムシリ
ケートのZrO2/SiO2のモル比によりほぼ決定され
る。例えば、ジルコンを出発原料とすると理想的には、
/SiCのモル比は、出発原料であるジルコニウムシリ
ケートのZrO2/SiO2のモル比によりほぼ決定され
る。例えば、ジルコンを出発原料とすると理想的には、
【化1】ZrSiO4(固体)+3C(固体)→ZrO2(固
体)+SiC(固体)+2CO(気体)と、ZrO2/SiO
2モル比1/1となる。
体)+SiC(固体)+2CO(気体)と、ZrO2/SiO
2モル比1/1となる。
【0013】ジルコニウムシリケートと炭素原料との混
合比は、基本的には等モル比でよい。しかし、一般にS
iO2とCの反応ではSiO(気体)の生成が最初に生じ
るので、この飛散によりジルコニア−炭化珪素複合原料
の組成はZrO2リッチな方にシフトし易いこと、ま
た、原料の純度、不均一性があることから、混合比はあ
る程度の幅をもたせることができる。
合比は、基本的には等モル比でよい。しかし、一般にS
iO2とCの反応ではSiO(気体)の生成が最初に生じ
るので、この飛散によりジルコニア−炭化珪素複合原料
の組成はZrO2リッチな方にシフトし易いこと、ま
た、原料の純度、不均一性があることから、混合比はあ
る程度の幅をもたせることができる。
【0014】出発原料となるジルコニウムシリケートに
は、ジルコンなどの天然原料や合成のジルコニウムシリ
ケートゲル等を用いることができる。
は、ジルコンなどの天然原料や合成のジルコニウムシリ
ケートゲル等を用いることができる。
【0015】カーボンにはコークス、活性炭、カーボン
ブラック等の非晶質炭素や黒鉛等結晶質炭素のいずれで
も良い。炭素繊維やピッチなどの炭素含有物、フェノー
ル樹脂等加熱により炭素を生じる有機樹脂なども利用で
きる(ただし、炭素含有物または有機樹脂中の炭素は、
1000℃以下で揮発する成分を除去した後の炭素分と
して換算する)。SiO(気体)との反応の点から、比表
面積が高く、黒鉛化度が低く、反応性に富むものが良
い。
ブラック等の非晶質炭素や黒鉛等結晶質炭素のいずれで
も良い。炭素繊維やピッチなどの炭素含有物、フェノー
ル樹脂等加熱により炭素を生じる有機樹脂なども利用で
きる(ただし、炭素含有物または有機樹脂中の炭素は、
1000℃以下で揮発する成分を除去した後の炭素分と
して換算する)。SiO(気体)との反応の点から、比表
面積が高く、黒鉛化度が低く、反応性に富むものが良
い。
【0016】なお、高純度のジルコニア−炭化珪素複合
原料を得るには、出発物質であるジルコニウムシリケー
ト、カーボンの不純物はなるべく少ない方が好ましい。
原料を得るには、出発物質であるジルコニウムシリケー
ト、カーボンの不純物はなるべく少ない方が好ましい。
【0017】焼成時のSiOの飛散を食い止めるため、
混合後、または混合と同時にCMC、PVA、アラビア
ゴム、澱粉等の水溶液等を一次結合剤として造粒を行う
のが良いし、ペレットにするのが更に好ましい。造粒粒
度はSiO(気体)飛散を防止する点から、2mm以上が
好ましい。
混合後、または混合と同時にCMC、PVA、アラビア
ゴム、澱粉等の水溶液等を一次結合剤として造粒を行う
のが良いし、ペレットにするのが更に好ましい。造粒粒
度はSiO(気体)飛散を防止する点から、2mm以上が
好ましい。
【0018】焼成温度は、反応速度の点から1400℃
以上が必要であり、1700℃程度が望ましい。ただ、
1800℃以上になると炭化ジルコニウムが顕著に生成
するようになる。炭素原料は450℃以上、炭化ジルコ
ニウムは600℃以上、炭化珪素は800℃以上で酸化
し始めるので、ジルコニア−炭化珪素複合原料中の炭化
ジルコニウムを残したまま過剰な炭素原料を除去するに
は450〜600℃で、過剰な炭素原料を除去すると共
に炭化ジルコニウムをジルコニアとして固定するには6
00〜800℃の温度でアニーリング(焼鈍)すれば良
い。
以上が必要であり、1700℃程度が望ましい。ただ、
1800℃以上になると炭化ジルコニウムが顕著に生成
するようになる。炭素原料は450℃以上、炭化ジルコ
ニウムは600℃以上、炭化珪素は800℃以上で酸化
し始めるので、ジルコニア−炭化珪素複合原料中の炭化
ジルコニウムを残したまま過剰な炭素原料を除去するに
は450〜600℃で、過剰な炭素原料を除去すると共
に炭化ジルコニウムをジルコニアとして固定するには6
00〜800℃の温度でアニーリング(焼鈍)すれば良
い。
【0019】上述のようにして得られたジルコニア−炭
化珪素複合原料は、ジルコニアと比べ相転移による体積
変化もなく熱膨張率が低くジルコニア−カーボン系耐火
物の原料として活用すると良好な耐スポーリング性を示
す。このほかにもジルコニア−炭化珪素複合原料を使用
することで、耐酸化性、耐食性を向上させることができ
る。
化珪素複合原料は、ジルコニアと比べ相転移による体積
変化もなく熱膨張率が低くジルコニア−カーボン系耐火
物の原料として活用すると良好な耐スポーリング性を示
す。このほかにもジルコニア−炭化珪素複合原料を使用
することで、耐酸化性、耐食性を向上させることができ
る。
【0020】なお、炭化珪素は酸化皮膜を形成し、有効
な酸化防止材として機能することや、スラグに対して良
好な濡れ性と耐食性を有することが知られている。ここ
で、本発明に用いるジルコニア−炭化珪素複合原料にお
いて、炭化珪素は該複合原料中に均等に分布しており、
炭化珪素の分散に特別の配慮することなく、炭素含有耐
火物中での均等な分散が容易となり、効果的に耐酸化
性、耐食性の向上に貢献できる点でも、単に、ジルコニ
ア、炭化珪素、炭素を混合してなる炭素含有耐火物とは
大きくその作用、効果を異にするものである。
な酸化防止材として機能することや、スラグに対して良
好な濡れ性と耐食性を有することが知られている。ここ
で、本発明に用いるジルコニア−炭化珪素複合原料にお
いて、炭化珪素は該複合原料中に均等に分布しており、
炭化珪素の分散に特別の配慮することなく、炭素含有耐
火物中での均等な分散が容易となり、効果的に耐酸化
性、耐食性の向上に貢献できる点でも、単に、ジルコニ
ア、炭化珪素、炭素を混合してなる炭素含有耐火物とは
大きくその作用、効果を異にするものである。
【0021】また、本発明の第2発明におけるジルコニ
ア−炭化珪素複合原料の添加量は、2〜97重量%、好
ましくは10〜90重量%の範囲内である。添加量が2
重量%未満では耐スポーリング性、耐酸化性、耐食性の
向上への貢献が少ないために好ましくなく、また、97
重量%を超えるとなると、耐火物へ炭素原料を充分に添
加できず耐スポーリング性が著しく損なわれるために好
ましくない。
ア−炭化珪素複合原料の添加量は、2〜97重量%、好
ましくは10〜90重量%の範囲内である。添加量が2
重量%未満では耐スポーリング性、耐酸化性、耐食性の
向上への貢献が少ないために好ましくなく、また、97
重量%を超えるとなると、耐火物へ炭素原料を充分に添
加できず耐スポーリング性が著しく損なわれるために好
ましくない。
【0022】ジルコニア−炭化珪素複合原料中のジルコ
ニア/炭化珪素のモル比は、任意の割合のものを使用で
きる。しかしながら、耐スポーリング性、耐酸化性、耐
食性のバランスの点から、好ましくは50/1〜1/
5、更に好ましくは20/1〜1/5の比率が好まし
い。該モル比が50/1よりもジルコニアの割合が多く
なると耐スポーリング性や酸化防止剤としての機能が不
充分となるため好ましくなく、また、1/5よりも炭化
珪素の割合が多くなると粒強度の低下と、それに伴う耐
食性の低下のために好ましくない。
ニア/炭化珪素のモル比は、任意の割合のものを使用で
きる。しかしながら、耐スポーリング性、耐酸化性、耐
食性のバランスの点から、好ましくは50/1〜1/
5、更に好ましくは20/1〜1/5の比率が好まし
い。該モル比が50/1よりもジルコニアの割合が多く
なると耐スポーリング性や酸化防止剤としての機能が不
充分となるため好ましくなく、また、1/5よりも炭化
珪素の割合が多くなると粒強度の低下と、それに伴う耐
食性の低下のために好ましくない。
【0023】本発明の炭素含有耐火物への炭素原料の配
合量は3〜40重量%、好ましくは10〜20重量%の
範囲内である。該配合量が3重量%未満では、耐スポー
ル性と耐スラグ浸潤性が失われ、40重量%を超えると
耐食性が失われるために好ましくない。炭素原料として
は、鱗状黒鉛、土状黒鉛、人造黒鉛等の各種黒鉛原料や
ピッチ、カーボンブラック等の非晶質炭素原料等を使用
することができる。
合量は3〜40重量%、好ましくは10〜20重量%の
範囲内である。該配合量が3重量%未満では、耐スポー
ル性と耐スラグ浸潤性が失われ、40重量%を超えると
耐食性が失われるために好ましくない。炭素原料として
は、鱗状黒鉛、土状黒鉛、人造黒鉛等の各種黒鉛原料や
ピッチ、カーボンブラック等の非晶質炭素原料等を使用
することができる。
【0024】また、本発明の炭素含有耐火物には、安定
化ジルコニア原料及び/または未安定化ジルコニア原料
を配合することもできる。ジルコニア原料の結晶相に
は、等方、正方、単斜があるが、これらのいずれを用い
ても良い。また、安定化ジルコニア原料はマグネシア及
び/またはカルシア及び/またはイットリア等と固溶さ
せたものでもよい。
化ジルコニア原料及び/または未安定化ジルコニア原料
を配合することもできる。ジルコニア原料の結晶相に
は、等方、正方、単斜があるが、これらのいずれを用い
ても良い。また、安定化ジルコニア原料はマグネシア及
び/またはカルシア及び/またはイットリア等と固溶さ
せたものでもよい。
【0025】本発明の炭素含有耐火物への安定化ジルコ
ニア原料及び/または未安定化ジルコニア原料の配合量
は、これらの合計量で95重量%以下、好ましくは80
重量%以下である。該配合量が95重量%を超えると、
ジルコニア−炭化珪素複合原料や炭素原料の配合量が少
なくなり、良好な耐食性、耐スポーリング性が得られな
いことがあるために好ましくない。
ニア原料及び/または未安定化ジルコニア原料の配合量
は、これらの合計量で95重量%以下、好ましくは80
重量%以下である。該配合量が95重量%を超えると、
ジルコニア−炭化珪素複合原料や炭素原料の配合量が少
なくなり、良好な耐食性、耐スポーリング性が得られな
いことがあるために好ましくない。
【0026】更に、本発明の炭素含有耐火物へ配合でき
る他の耐火性原料として、シリカ、ムライト、アルミ
ナ、スピネル等の酸化物を用いることができる。これら
の耐火性原料は周知のように熱膨張率が充分に低く耐ス
ポーリング性の上から有用な原料である。しかしなが
ら、本発明に使用するジルコニア−炭化珪素複合原料や
ジルコニア原料と比較すると、耐食性がかなり落ちるの
で、これらの耐火性原料を配合する範囲は、多くても9
5重量%以下、好ましくは80重量%以下である。
る他の耐火性原料として、シリカ、ムライト、アルミ
ナ、スピネル等の酸化物を用いることができる。これら
の耐火性原料は周知のように熱膨張率が充分に低く耐ス
ポーリング性の上から有用な原料である。しかしなが
ら、本発明に使用するジルコニア−炭化珪素複合原料や
ジルコニア原料と比較すると、耐食性がかなり落ちるの
で、これらの耐火性原料を配合する範囲は、多くても9
5重量%以下、好ましくは80重量%以下である。
【0027】また、本発明の炭素含有耐火物の特性を損
なわない範囲で、炭素含有耐火物に慣用の原料である炭
化珪素のような炭化物、硼化物、金属や合金粉を適宜添
加することもできる。これらの原料を配合する場合、こ
れらの配合量は多くても10重量%以下、好ましくは5
重量%以下の範囲である。これらの配合量が10重量%
を超えると、耐スポーリング性が損なわれるために好ま
しくない。なお、これらの原料は炭素含有耐火物の酸化
防止剤として慣用のものである。
なわない範囲で、炭素含有耐火物に慣用の原料である炭
化珪素のような炭化物、硼化物、金属や合金粉を適宜添
加することもできる。これらの原料を配合する場合、こ
れらの配合量は多くても10重量%以下、好ましくは5
重量%以下の範囲である。これらの配合量が10重量%
を超えると、耐スポーリング性が損なわれるために好ま
しくない。なお、これらの原料は炭素含有耐火物の酸化
防止剤として慣用のものである。
【0028】上記配合割合を有する配合物を、バインダ
ーと共に混練し、所定の形状に成形した後、得られた成
形体を非酸化雰囲気下例えばコークスブリーズ中、窒素
雰囲気下で焼成することにより、連続鋳造用ノズルのよ
うな連続鋳造装置に用いられる耐火性部材を作成するこ
とができる。バインダーとしてはフェノール樹脂等の有
機樹脂やタール、ピッチなどを用いることができるが、
成形性に優れるフェノール樹脂が好ましい。なお、バイ
ンダーの添加配合量は、上記配合物に対して外掛で5〜
20重量%、好ましくは7〜15重量%の範囲内であ
る。また、混練は室温で行っても良いし、加熱混練して
も良い。所定の形状への成形は材質の均一性を得るため
等圧プレスが望ましいが、押出成形、一軸加圧型プレス
などの慣用の他の手段を用いてもよい。なお、焼成温度
は700〜1400℃、好ましくは900〜1400℃
の範囲内であり、焼成時間は10分〜24時間、好まし
くは1〜12時間の範囲内である。
ーと共に混練し、所定の形状に成形した後、得られた成
形体を非酸化雰囲気下例えばコークスブリーズ中、窒素
雰囲気下で焼成することにより、連続鋳造用ノズルのよ
うな連続鋳造装置に用いられる耐火性部材を作成するこ
とができる。バインダーとしてはフェノール樹脂等の有
機樹脂やタール、ピッチなどを用いることができるが、
成形性に優れるフェノール樹脂が好ましい。なお、バイ
ンダーの添加配合量は、上記配合物に対して外掛で5〜
20重量%、好ましくは7〜15重量%の範囲内であ
る。また、混練は室温で行っても良いし、加熱混練して
も良い。所定の形状への成形は材質の均一性を得るため
等圧プレスが望ましいが、押出成形、一軸加圧型プレス
などの慣用の他の手段を用いてもよい。なお、焼成温度
は700〜1400℃、好ましくは900〜1400℃
の範囲内であり、焼成時間は10分〜24時間、好まし
くは1〜12時間の範囲内である。
【0029】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明の炭素含有耐火
物を更に説明する。 ジルコニア−炭化珪素複合材料の製造: ZrO2/SiCモル比=1/1 ジルコン100重量部とカーボンブラック19.7重量
部に3重量%濃度ポリビニルアルコール(PVA)水溶液
を結合剤として5重量部加え、混練後、2mmφ×2m
mのペレットとした。これをAr雰囲気中1700℃で
1時間焼成して、ジルコニア−炭化珪素複合原料を得、
これを所定の粒度に粉砕、粒調することににより以下の
実施例に用いた。
物を更に説明する。 ジルコニア−炭化珪素複合材料の製造: ZrO2/SiCモル比=1/1 ジルコン100重量部とカーボンブラック19.7重量
部に3重量%濃度ポリビニルアルコール(PVA)水溶液
を結合剤として5重量部加え、混練後、2mmφ×2m
mのペレットとした。これをAr雰囲気中1700℃で
1時間焼成して、ジルコニア−炭化珪素複合原料を得、
これを所定の粒度に粉砕、粒調することににより以下の
実施例に用いた。
【0030】ZrO2/SiCモル比=1/5、20
/1、100/1 ジルコニウムシリケートゲル(ZrO2/SiO2モル比
=1/5、20/1、100/1)100重量部と、カ
ーボンブラックをそれぞれ37.8重量部、1.43重量
部、0.29重量部とを混合し、得られた混合物をCO
雰囲気中1700℃で1時間焼成してジルコニア−炭化
珪素複合原料を得、これを所定の粒度に粉砕、粒調する
ことにより以下の実施例に用いた。
/1、100/1 ジルコニウムシリケートゲル(ZrO2/SiO2モル比
=1/5、20/1、100/1)100重量部と、カ
ーボンブラックをそれぞれ37.8重量部、1.43重量
部、0.29重量部とを混合し、得られた混合物をCO
雰囲気中1700℃で1時間焼成してジルコニア−炭化
珪素複合原料を得、これを所定の粒度に粉砕、粒調する
ことにより以下の実施例に用いた。
【0031】実施例1 上述のようにして得られたジルコニア−炭化珪素複合原
料を用い、下記の表1に示す配合割合の配合物に、フェ
ノール樹脂(配合物に対して外掛で10重量%)をバイン
ダーとして混練した。その後、アイソスタティックプレ
スで100mm×30mm×30mmの寸法に成形し、
粉末コークス中1000℃で焼成して供試試料を得た。
次に、これらの供試試料につき、スポーリング試験、溶
損試験、耐酸化試験を行った。スポーリング試験はAr
雰囲気中で試料を1600℃の溶鋼に120秒浸漬した
後、水冷した際の亀裂の発生状況にて、溶損テストはA
r雰囲気中で試料を1600℃の溶鋼に60分浸漬した
際の溶損状況にて、また、耐酸化試験は電気炉により大
気中で1300℃、60分間保持した際の酸化状況によ
りそれぞれ評価した。得られた結果を表1に併記する。
料を用い、下記の表1に示す配合割合の配合物に、フェ
ノール樹脂(配合物に対して外掛で10重量%)をバイン
ダーとして混練した。その後、アイソスタティックプレ
スで100mm×30mm×30mmの寸法に成形し、
粉末コークス中1000℃で焼成して供試試料を得た。
次に、これらの供試試料につき、スポーリング試験、溶
損試験、耐酸化試験を行った。スポーリング試験はAr
雰囲気中で試料を1600℃の溶鋼に120秒浸漬した
後、水冷した際の亀裂の発生状況にて、溶損テストはA
r雰囲気中で試料を1600℃の溶鋼に60分浸漬した
際の溶損状況にて、また、耐酸化試験は電気炉により大
気中で1300℃、60分間保持した際の酸化状況によ
りそれぞれ評価した。得られた結果を表1に併記する。
【0032】
【表1】
【0033】実施例2 下記の表2に記載する配合物に、フェノール樹脂(配合
物に対して外掛で10重量%)をバインダーとして混練
後、アイソスタティックプレスで100mm×30mm
×30mmの寸法に成形し、粉末コークス中1000℃
で焼成して供試試料を得た。得られた供試試料につき、
実施例1と同様にスポーリング試験、溶損試験、耐酸化
試験を行った。
物に対して外掛で10重量%)をバインダーとして混練
後、アイソスタティックプレスで100mm×30mm
×30mmの寸法に成形し、粉末コークス中1000℃
で焼成して供試試料を得た。得られた供試試料につき、
実施例1と同様にスポーリング試験、溶損試験、耐酸化
試験を行った。
【0034】
【表2】
【0035】実施例3 下記の表3に記載する配合物に、フェノール樹脂(配合
物に対して外掛で10重量%)をバインダーとして混練
後、アイソスタティックプレスで100mm×30mm
×30mmの寸法に成形し、粉末コークス中1000℃
で焼成して供試試料を得た。得られた供試試料につき、
実施例1と同様にスポーリング試験、溶損試験、耐酸化
試験を行った。なお、本実施例において使用したジルコ
ニア−炭化珪素複合材はZrO2/SiCモル比が1:
1のものである。
物に対して外掛で10重量%)をバインダーとして混練
後、アイソスタティックプレスで100mm×30mm
×30mmの寸法に成形し、粉末コークス中1000℃
で焼成して供試試料を得た。得られた供試試料につき、
実施例1と同様にスポーリング試験、溶損試験、耐酸化
試験を行った。なお、本実施例において使用したジルコ
ニア−炭化珪素複合材はZrO2/SiCモル比が1:
1のものである。
【0036】
【表3】
【0037】実施例4 本発明品2と比較品2とを使用して連続鋳造用浸漬ノズ
ルを作成し、ブルーム用連続鋳造機で試験した。その結
果、比較品2では約20%が熱衝撃により割れたのに対
し、本発明品2では熱衝撃による割れは見られなかっ
た。また、溶損状況は本発明品2の方が1割程度良好で
あった。
ルを作成し、ブルーム用連続鋳造機で試験した。その結
果、比較品2では約20%が熱衝撃により割れたのに対
し、本発明品2では熱衝撃による割れは見られなかっ
た。また、溶損状況は本発明品2の方が1割程度良好で
あった。
【0038】
【発明の効果】本発明の炭素含有耐火物は、必須成分と
してZrO2/SiCモル比が50/1〜1/5の範囲
にあるジルコニア−炭化珪素複合原料を配合しているの
で、耐スポール性並びに耐食性に優れた連続鋳造用装置
の耐火性部材に適した材質を提供することができる。
してZrO2/SiCモル比が50/1〜1/5の範囲
にあるジルコニア−炭化珪素複合原料を配合しているの
で、耐スポール性並びに耐食性に優れた連続鋳造用装置
の耐火性部材に適した材質を提供することができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 必須成分として炭素原料を3〜40重量
%及びZrO2/SiCのモル比が50/1〜1/5の
範囲内にあるジルコニア−炭化珪素複合原料2〜97重
量%含有してなることを特徴とする炭素含有耐火物。 - 【請求項2】 安定化ジルコニア原料及び/または未安
定化ジルコニア原料を95重量%以下の量で含有してな
る請求項1記載の炭素含有耐火物。 - 【請求項3】 シリカ、ムライト、アルミナ及びスピネ
ルからなる群から選択された1種または2種以上の耐火
性原料を95重量%以下の量で含有してなる請求項1ま
たは2記載の炭素含有耐火物。 - 【請求項4】 炭化物、硼化物、金属及び合金粉よりな
る群から選択された1種または2種以上を10重量%以
下の量で含有してなる請求項1ないし3のいずれか1項
記載の炭素含有耐火物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6154758A JP2599894B2 (ja) | 1994-07-06 | 1994-07-06 | 炭素含有耐火物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6154758A JP2599894B2 (ja) | 1994-07-06 | 1994-07-06 | 炭素含有耐火物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0812451A JPH0812451A (ja) | 1996-01-16 |
JP2599894B2 true JP2599894B2 (ja) | 1997-04-16 |
Family
ID=15591259
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6154758A Expired - Fee Related JP2599894B2 (ja) | 1994-07-06 | 1994-07-06 | 炭素含有耐火物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2599894B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6686112B2 (en) | 2000-03-10 | 2004-02-03 | Seiko Epson Corporation | Electrophotographing dry-type toner and production method therefor |
-
1994
- 1994-07-06 JP JP6154758A patent/JP2599894B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0812451A (ja) | 1996-01-16 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |