JP2006241505A - 高硬度異形炭化物粒子及びこれを用いた耐摩耗材 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高硬度炭化物粒子がマトリックス金属中に分散した複合耐磨耗材の耐磨耗性を更に改善する。
【解決手段】 マトリックス金属10中に高硬度異形炭化物粒子20を、断面積比で20〜70%となるように分散して混合する。高硬度異形炭化物粒子20は、マトリックス金属10からの脱離を抑制するためにマトリックス金属10中へ食い込むように本体21の表面の一部から突出した保持部22を有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、主に粉砕機のテーブルやローラのような高面圧摩擦を受ける用途に使用される耐摩耗性材料に関し、より詳しくは、耐磨耗材の耐磨耗性を向上させるために耐磨耗材中に混合される高硬度異形炭化物粒子及びこれを用いた耐摩耗材に関する。
従来、粉砕機のローラやテーブル等における破砕面の肉盛には、耐摩耗性に優れた高炭素高クロム鋳鉄系の合金が用いられてきた。その組成は例えばC3〜6%、Cr14〜35%を主成分とし、Nb,Mo,W,V,B,Ti等の高硬度炭化物を形成する合金元素を単独に又は複数種混合して含有させたものであり、代表的なものとしてはC5.5%−Cr22%−Nb7%−Mo7%−W2%−V1.5%がある。
高炭素高クロム鋳鉄系の肉盛用合金は、肉盛金属に多数の割れを生じ、破砕面に大きい衝撃が加わると剥離する危険性をもつものの、現時点では最も耐摩耗性に優れることから、やむを得ず使用されているのが実情である。ちなみに、高硬度炭化物形成元素を含有していない単なるマルテンサイト系合金やマンガンオーステナイト系合金、Mn−Crオーステナイト系合金等は、剥離脱落の危険性はないものの、低面圧下での使用では十分な耐摩耗性を示さないことが知られている。
このような状況下で本発明者は、マンガンオーステナイト系合金をマトリックスとする高性能な耐磨耗材を開発した(特許文献1)。
特許第3066390号公報
この耐磨耗材は、別途製造された高硬度炭化物粒子を前記マトリックス中に分散して混合させたものであり、マンガンオーステナイト系合金の長所を生かしつつ弱点を克服した複合材である。すなわち、マンガンオーステナイト系合金は高炭素高クロム鋳鉄系に比べて耐磨耗性に劣るものの優れた靱性を保有しており、その優れた靱性を維持しつつ耐磨耗性の低さを高硬度炭化物粒子により補ったのが、この複合耐磨耗材である。この耐磨耗材は大入熱を用いた経済的な単層立て向き溶接による肉盛も可能であり、100mm以上の硬化肉盛層を必要とする巨大粉砕ローラの製作をも可能にする。
これとは別に、本発明者は長寿命で破砕性能に優れた破砕面部材を先に開発し、各種の粉砕機ローラに適用してこれまでに大きな実績を上げている(特許文献2)。
特許第1618574号公報
この破砕面部材は、少なくとも表層部に耐磨耗性の高い材料と耐磨耗性の低い材料とを噛み込み方向に沿って交互に配置したものであり、例えば破砕機ローラの場合は、ローラ母材の表面に、耐磨耗性の低い材料として高さが20〜30mm、厚みが9mmのSS400フラットバーを母材の周方向に40〜50mmの間隔で溶接し、隣接するフラットバー間に耐磨耗性の高い材料として硬化肉盛金属を充填することにより構成される。硬化肉盛金属は、ローラ部材だけでなく両側のフラットバーとも溶接溶融している。
この破砕面部材においては、粉砕作業中に耐磨耗性の低い材料が選択磨耗を受け、その表面が凹状に窪むことにより、粉砕性能が上がる。前述した複合耐磨耗材は、このような破砕面部材における耐磨耗性の高い材料としても有効であり、実際、本発明者はこの複合耐磨耗材を耐磨耗性の高い材料に適用した各種粉砕機ローラを作製し、実用に供した。その結果、この複合耐磨耗材には、以下の問題のあることが判明した。
使用により耐磨耗性の低い材料が磨耗を受けると、その結果として耐磨耗性の高い材料が突出する。特に突出当初は、耐磨耗性の低い材料と接する側のエッジ部が磨耗面に露出する。この耐磨耗性の高い材料も長期的には磨耗が進むが、その材料が前述した複合耐磨耗材であると、まずマトリックス金属が磨耗し、その結果、マトリックス金属の表面に高硬度炭化物粒子が露出し突出し始める。そうなると、粉砕負荷を集中的に受け、マトリックスからの脱落が促進され、期待するような寿命が得られなくなる。
特に前述したエッジ部は粉砕負荷を集中的に受け、元々欠けなどを生じやすい箇所であるため、高硬度炭化物粒子の脱落も顕著であり、結果、複合耐磨耗材の磨耗を促進し、その特質を十分に活用できない結果になっていた。また、マトリックス金属が前述したマンガンオーステナイト系合金の場合、延性を確保するために炭素量が1.8重量%以下に制限されるが、その結果として磨耗が早くなり、高硬度炭化物粒子の露出、脱落も早くなる傾向があった。
本発明の目的は、高硬度炭化物粒子がマトリックス金属中に分散した複合耐磨耗材の耐磨耗性を更に改善し得る高硬度異形炭化物粒子及びこれを用いた高耐磨耗性の耐摩耗材を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の高硬度異形炭化物粒子は、耐磨耗性を向上させるために耐磨耗材中に分散して混合される高硬度炭化物粒子であり、耐磨耗材中からの脱離を抑制するために耐磨耗材中へ食い込むように本体表面の一部から突出した保持部を有している。
また、本発明の耐磨耗材は、耐磨耗摩擦を受ける面部材に使用されて優れた耐摩耗性を示す耐摩耗材であって、マトリックス金属中に本発明の高硬度異形炭化物粒子を、断面積比で20〜70%となるように分散して混合した複合材である。
本発明における高硬度異形炭化物粒子は、本体とその表面の一部から突出した保持部とを有している。本体の形状は基本的に球であるが、角形のブロックでもよい。保持部は本体と同じ形状・サイズでもよいし、本体より小さいものや異形のものでもよい。保持部は又、本体と直接連結していてもよいし、棒状部等の連結部を介して本体と連結していてもよい。
本発明の高硬度異形炭化物粒子が例えば直径が異なる2個の球体が連結した雪だるま形状の場合、大径の球体が本体、小径の球体が保持部となるが、本体が表面に露出しても保持部がアンカー効果によりマトリックス金属中に深く食い込むため、当該粒子は容易には離脱しない。保持部の方が先に露出した場合も本体がアンカー効果によりマトリックス金属中に深く食い込むため、容易には離脱しない。このため保持部の方も耐磨耗性を考慮した形状が好ましく、例えば本体と同じ或いは類似した形状が好ましい。
高硬度異形炭化物粒子としては、材質面からはタングステン炭化物が耐磨耗性の点からも経済性の点からも好ましく、製法面からは焼結材が経済性の点から好ましい。タングステン炭化物以外の炭化物としては、B炭化物,Ti炭化物,Cr炭化物,Nb炭化物,V炭化物,Mo炭化物、Zr炭化物を挙げることができる。
本体の大きさは球体の場合、直径で1〜10mmの範囲が好ましい。角ブロックを考慮して体積で表せば1.5〜1500mm3 の範囲が好ましく、10〜500mm3 の範囲が特に好ましい。本体が小さすぎる場合は高温の溶接アーク熱により溶融しやすくなり、大きすぎる場合はそれを保持するマトリックス金属の占める割合が減少して破壊が生じやすくなる。保持部の大きさは体積比で本体の0.2〜1倍が好ましい。保持部が小さすぎる場合は保持効果が低下すると共に、溶接アーク熱により溶融しやすくなる。逆に大きすぎる場合は保持部に対するマトリックス金属のなじみ不良が生じやすくなる。
マトリックス金属としては、マンガンを主な合成成分とするマンガンオーステナイト系合金が好適である。これは、高クロム鋳鉄系の合金と比較して、低面圧の場合の耐摩耗性は良くないが、高面圧の場合の耐摩耗性はほぼ同等であり、そして何よりも靱性が格段に良好であるからである。
マンガンオーステナイト系合金は、JISではG5131に規定されており、重衝撃摩耗に強く靱性に著しく優れるので、従来から粉砕機やブルドーザーのツース等に適用されてきた。例えば14%マンガン鋼はエレクトロスラグ溶接法を適用して肉盛された場合、巨大入熱を与えられ緩慢冷却されるので肉盛金属が脆化しやすいが、例え脆化を生じても前記に示した高クロム鋳鉄系肉盛合金に発生する割れから判断して、このマトリックスと比較すれば遙かに耐摩耗性や破壊抵抗を保持しており、靱性に優れている。その脆化の程度は約300℃で1時間連続加熱した場合でさえ、引張強度や硬度は常温と比較しても殆ど変化なく伸びや絞りが約10%低下するに過ぎない。
本発明に用いられるマンガンオーステナイト系合金は、JIS G5131をベースとしたものであり、Mn以外の合金元素としてはオーステナイト組織を安定化させるNi、変形抵抗を高めるMoおよびCr、炭化物を形成しやすいNb,V,WおよびB等を適宜添加することができる。マンガンオーステナイト系合金がもつ基本的な性質に悪影響を及ぼさなければ如何なる合金元素の添加も可能であるが、例えばP,S等はマンガンオーステナイト系合金を脆化させるので、極力少なくするのが望ましい。望ましい成分組成は以下の通りである。
C:0.2〜1.8wt%
Cは硬度、耐摩耗性の確保に有効である。0.2%未満であると変形抵抗が大幅に減少し且つ耐摩耗性が減少する。Cが1.8%を超えると著しく靱性を減じるし、粒界に炭化物を析出し易い。又、エレクトロスラグ溶接においてはこれ以上の炭素量になるとスラグが不安定になり安定した溶接が困難になる。特に望ましいC量は0.5〜1.2%である。
Cr:25wt%以下
Crは変形抵抗を増すために非常に有効な元素であるが25%以上を超えると肉盛金属の伸びが減少し靱性か損なわれるようになる。あまりクロム含有量が多くなるとフェライト組織を高めるのでこれを限界とする。特に望ましいCr量は1.5〜20%である。
Mn:5〜30wt%
Mn単独では通常11%以下では十分な引張強度を得ることができないが、18%Cr,Ni8%の添加で十分な強度が得られていることは公知である。従って、5%以上が引張強度を得るために必要である。Mnが30%を超えると引張強度、硬度が上昇し靱性が損なわれるようになる。従って、Mn含有量の上限は30%までとする。特に望ましいMn量は11〜25%である。
Ni:10wt%以下
Niはオーステナイト組織を安定させるので好ましい合金元素であるが、10%以上になる耐摩耗性が悪くなり当初の目的とする高面圧下における耐摩耗性を持つマトリックスが得られない。特に望ましいNi量は0.3〜5%である。
Si:2.5wt%以下
Siは2%までは引張強さや摩耗抵抗を増すが2.5%を超えると急激に粘り強さや強度が低下する。特に望ましいSi量は0.3〜1.0%である。
その他、オーステナイト組織を安定にするために窒素が添加されることもある。その他、不可避不純物のP,S等が考えられるが、基本成分であるMn−オーステナイト系鋼の基本的性質に悪影響を与えない程度に含有されるのはやむを得ない。P<0.100%、S<0.050%がJISにて規定されている。
V,Mo,W,B,Ti等の元素は炭化物形成元素として添加されるが、一部マトリックスに溶解する。溶解によるマトリックスへの含有量は複数の元素の合計が10%を超えるとマトリックスの粘さや衝撃抵抗が損なわれる。
マトリックス中の炭化物は、マトリックス金属の耐摩耗性を高めるために、断面面積比率で20〜70%占めるように添加される。マトリックス金属の硬度が軟らかい場合には炭化物の添加量を多くし、硬度が高い場合には添加量を少なめに調整される。又、破砕面が受ける面圧が非常に高い場合に炭化物の量があまりに多いと、脱落現象を発生するので、面圧に応じて炭化物の量を調整しなければならない。炭化物が20%未満ならば十分な耐摩耗性を与えることができず、70%を超えると靱性の有るマトリックス金属の量が不足して使用中の高面圧を受けると炭化物がマトリックス金属から脱落しやすくなり早期摩耗を発生しやすい。
本発明の耐摩耗材は50kg/cm2 以上、特に100kg/cm2 以上の高面圧摩擦を受ける面部材に適する。破砕面の場合、破砕面の原料との接触面積をS,破砕面に付加される全荷重をMとすると、M/Sにより面圧が算出される。接触面積Sは破砕面が偏摩耗を発生して交換された時点で最も粉砕に寄与した想定される破砕面を取り上げ、その部分の面積を計測することにより求めることが可能である。接触面の荷重とはローラの重量以外にローラを保持するシャフト類等の全ての荷重が含まれる。又、ローラに外部から負荷される圧力も含めた荷重を採用する。
具体的な用途としては、粉砕機のローラやテーブル、タイヤ等があり、さらに具体的には2個の相対抗する破砕面で、例えば製鉄所のスラグ、セメント工場のクリンカー、石炭、石灰等を高面圧で粉砕する粉砕機の破砕面がある。しかし、高面圧を摩耗面に受ける用途ならば粉砕機の破砕面以外に適用しても良い。例えばブルドーザーのショベルの底板やツース等にも適用可能である。また、従来、オーステナイトマンガン鋼溶接棒やワイヤを使用して肉盛していた用途において、例えその用途が低応力研磨耗を受ける場合であっても炭化物が多量含有されているので以前に比べ優れた耐磨耗性を与えることが出来る。
本発明の耐摩耗材の製造に関しては、エレクトロスラグ、エレクトロガス、エレクトロノンガス等の大入熱溶接を用いた単層立て向き肉盛溶接を用いることが望ましいが、従来の下向き溶接姿勢で使用することも可能であり、その場合は1層当りの肉厚を厚く肉盛ができて能率を向上させることが可能である。
肉盛金属の厚さは10mm以上が望ましく、50mm以上が更に望ましく、100mm以上も可能である。このような極厚の単層肉盛も行い得ることに本発明の一つの意義がある。
マトリックス金属の線膨張係数は、肉盛母材金属の線膨張係数より大きいのが望ましい。線膨張係数の差異により発生する内部応力により肉盛金属と母材金属との境界面に故意に融合不良を発生させれば、肉盛金属に発生する割れを軽減しもしくは防止し、さらに溶接内部応力の蓄積を軽減して、例え粉砕時に高面圧摩耗を受けても溶着金属の微小剥離を抑えることができる。また、溶け込み不良により肉盛金属が母材金属から脱落する事故は溶け込み線の投錨効果を与える形状により回避することができる。
マトリックス金属への各種炭化物の添加は、管状溶接ワイヤの内に当初から包合させておく他、マトリックスと炭化物とを別に添加する外部供給方法も可能である。
本発明の高硬度異形炭化物粒子は、耐磨耗材中からの脱離を抑制するために耐磨耗材中へ食い込むように本体表面の一部から突出した保持部を有することにより、高硬度炭化物粒子がマトリックス金属中に分散した複合耐磨耗材において高硬度炭化物粒子の脱落を抑制し、その耐磨耗性の更なる向上を可能にする。
また、本発明の耐磨耗材は、マトリックス金属中に本発明の高硬度異形炭化物粒子を、断面積比で20〜70%となるように分散して混合したことにより、高硬度炭化物粒子の脱落を抑制でき、その耐磨耗性の更なる向上を可能にする。
以下に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施形態を示す耐磨耗材の断面図、図2は同耐磨耗材に使用されている高硬度異形炭化物粒子の外観図である。
本実施形態の耐磨耗材は、図1(a)に示すように、マンガンを主な合成成分とするマンガンオーステナイト系合金をマトリックス金属10として、その中に多数個の高硬度異形炭化物粒子20を分散して混合したものである。高硬度異形炭化物粒子20はタングステン炭化物であり、形状的には図2に示すように球状の本体21と、これに付随する保持部22とからなる。
保持部22は、ここでは本体21より小径の球体であり、本体21とはオーバーラップする形で一体化されている。オーバーラップ量Sは保持部22の半径をRとして1/2R以上、R以下が好ましい。オーバーラップ量Sが1/2R未満であると、連結部の機械的強度が低下し、連結部で破断が生じる危険がある。R超の場合は連結部にくびれがなくなり、アンカー効果が低下する。本体21の好ましい直径は1〜10mmであり、保持部22の好ましい直径は本体21の直径の0.25〜1倍である。高硬度異形炭化物粒子20の混合量は断面面積比で20〜70%である。
本実施形態の耐磨耗材は、例えば破砕機ロールの表層部に使用される。使用を始めると表面のマトリックス金属10が優先的に磨耗する。そうすると、図1(b)に示すように高硬度異形炭化物粒子20の一部が露出する。高硬度異形炭化物粒子20はマトリックス金属10より耐磨耗性が高く、以後の磨耗を効果的に抑制する。しかも、一部が露出した高硬度異形炭化物粒子20はアンカー効果によりマトリックス金属10に強固に保持されている。このため脱落が効果的に抑制され、本来の磨耗防止効果を発揮する。一方、マトリクス金属10は靱性に優れ、通常の硬化金属で問題となる割れなどを防止できる。これらの相乗により、本実施形態の耐磨耗材は特に高い耐久性を示す。
図3は本発明の他の実施形態を示す耐磨耗材の断面図である。本実施形態では、噛み込み方向に耐磨耗性の高い材料Aと耐磨耗性の低い材料Bが交互に配置されている。耐磨耗性の低い材料Bは、母材40の表面に溶接されたフラットバーであり、噛み込み方向に直角な方向を向けて配置されている。
一方、耐磨耗性の高い材料Aは溶接肉盛材であり、マトリックス金属10中に多数個の高硬度異形炭化物粒子20及び通常形状の高硬度炭化物粒子30を分散して混合した複合材である。2種類の炭化物粒子のうち、高硬度異形炭化物粒子20は耐磨耗性の低い材料Bの近く、或いは耐磨耗性の低い材料Bの近く及び耐磨耗性の高い材料Aの表層部に限定的に配置されている。他の部分には通常形状(保持部がない形状)の高硬度炭化物粒子30が配置されている。高硬度異形炭化物粒子20の形状は、先の実施形態の場合と同様の異径球体を結合した雪だるま状である。
耐磨耗性の高い材料Aと耐磨耗性の低い材料Bが交互に配置された耐磨耗材では、使用に伴い耐磨耗性の低い材料Bの表面が磨耗し、凹みができる。これに伴って粉砕性能が上がるが、耐磨耗性の高い材料Aのエッジ部が早期に欠けてなくなるため、高い粉砕性能が維持されない。炭化物粒子が配合されている場合もこれが容易に脱落し、エッジ部の欠損防止に寄与しない。しかるに、本実施形態の場合はここに高硬度異形炭化物粒子20が存在し、その脱落が抑制されるために、エッジ部の欠損が効果的に防止される。その結果、エッジ部の角張った形状が維持され、高い粉砕性能が維持される。
図4は本発明の更に別の実施形態を示す高硬度異形炭化物粒子の外観図である。本実施形態では、高硬度異形炭化物粒子20は、球状の本体21と、これに付随する保持部22とからなる。保持部22は、ここでは本体21と同じ直径の球体であり、本体21とはオーバーラップする形で一体化されている。本実施形態では、本体21と保持部22の機能的な差はなく、したがって方向性もなく、どちらが外面を向いていても脱落を効果的に防止できる。
図5は本発明の更に別の実施形態を示す高硬度異形炭化物粒子の外観図である。本実施形態では、高硬度異形炭化物粒子20は、球状の本体21と、これに付随する保持部22とが棒状の連結部23を介して連結されたバーベル状に形成されている。保持部22は本体21と同じ直径の球体でも、本体21より小径の球体でもよい。連結部23の存在は、本体21と保持部22の間のくびれを顕著化し、マトリックス金属からの脱落防止に寄与する。連結部23の直径Dは、保持部22の半径をRとして1/2R以上、R以下が好ましい。連結部23の直径Dが小さすぎると折れやすくなり、太すぎると効果的なくびれの形成が困難になる。連結部23の長さLについても、保持部22の半径をRとしてR以下が好ましい。連結部23が長すぎると折れやすくなる。連結部23によるくびれ効果を発現させるためには、1/2R以上の長さが望ましいが、0でもよい。すなわち、連結部23が存在せず、本体21に保持部22が直接一体化してもよいことは前述したとおりである。
図6は本発明の更に別の実施形態を示す高硬度異形炭化物粒子の外観図である。本実施形態では、球状の本体21と等径の球状の保持部22とが棒状の連結部23を介して連結されたバーベル状のものを直角に組み合わせた立体的形状をしている。この高硬度異形炭化物粒子は、雪だるま状やバーベル状のものよりも更に方向性がなく、マトリックス金属と分離し難い。
図7(a)〜(d)は本発明の更に別の実施形態を示す高硬度異形炭化物粒子の外観図である。本実施形態では、高硬度異形炭化物粒子20の本体21が角形のブロックである。このような本体21も保持部22の助けによりマトリックス金属と分離し難い特徴を有する。
本発明の高硬度異形炭化物粒子は単独で使用することができる他、通常形状(保持部がない形状)の高硬度炭化物粒子と混ぜて使用することができ、要求される耐磨耗性等に応じて配合率を決定する。本発明の高硬度異形炭化物粒子は焼結法により特別の金型を使用して製造するものであり、高価にならざるを得ないが、通常形状(保持部がない形状)の高硬度炭化物粒子と混ぜて使用することにより粒子コストを低減することができる。また、前述したようにマトリックス金属の一部に部分的、局部的に使用することによっても粒子コストを低減することができる。
本発明の一実施形態を示す耐磨耗材の断面図で、(a)は使用前、(b)は使用中を示す。 同耐磨耗材に使用されている高硬度異形炭化物粒子の外観図である。 本発明の他の実施形態を示す耐磨耗材の断面図である。 本発明の更に別の実施形態を示す高硬度異形炭化物粒子の外観図である。 本発明の更に別の実施形態を示す高硬度異形炭化物粒子の外観図である。 本発明の更に別の実施形態を示す高硬度異形炭化物粒子の外観図である。 (a)〜(d)は本発明の更に別の実施形態を示す高硬度異形炭化物粒子の外観図である。
符号の説明
10 マトリックス金属
20 高硬度異形炭化物粒子
21 本体
22 保持部
23 連結部

Claims (7)

  1. 耐磨耗性を向上させるために耐磨耗材中に分散して混合される高硬度炭化物粒子であり、耐磨耗材中からの脱離を抑制するために耐磨耗材中へ食い込むように本体表面の一部から突出した保持部を有する高硬度異形炭化物粒子。
  2. 材質がタングステン炭化物である請求項1に記載の高硬度異形炭化物粒子。
  3. 焼結材である請求項1に記載の高硬度異形炭化物粒子。
  4. 耐磨耗摩擦を受ける面部材に使用されて優れた耐摩耗性を示す耐摩耗材であって、マトリックス金属中に請求項1、2又は3に記載の高硬度異形炭化物粒子を、断面積比で20〜70%となるように分散して混合した複合材である耐摩耗材。
  5. 50kg/cm2 以上の高面圧摩擦を受ける面部材に使用される請求項4に記載の耐摩耗材。
  6. 前記マトリックス金属はマンガンを主な合金成分とするマンガンオーステナイト系合金である請求項4に記載の耐磨耗材。
  7. 前記マンガンオーステナイト系合金は重量比でC:0.2〜1.8%、Cr:25%以下、Mn:11〜25%、Ni:10%以下、Si:2.5%を含む請求項6に記載の耐磨耗材。
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