JPH09328346A - セメント分散剤、セメントの分散方法およびセメント組成物 - Google Patents
セメント分散剤、セメントの分散方法およびセメント組成物Info
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- JPH09328346A JPH09328346A JP9082936A JP8293697A JPH09328346A JP H09328346 A JPH09328346 A JP H09328346A JP 9082936 A JP9082936 A JP 9082936A JP 8293697 A JP8293697 A JP 8293697A JP H09328346 A JPH09328346 A JP H09328346A
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Abstract
連行性を制御できるセメント分散剤、セメントの分散方
法およびセメント組成物を提供する。 【解決手段】 アルコキシポリアルキレングリコールと
(メタ)アクリル酸エステルとのエステル交換法によっ
て得られるアルコキシポリアルキレングリコールモノ
(メタ)アクリル酸エステル系単量体を含む単量体成分
を重合して得られる重合体を含むセメント分散剤および
該セメント分散剤を、少なくともセメントおよび水より
なるセメント組成物に配合してなるセメントの分散方法
および該セメント分散剤、セメントおよび水よりなるセ
メント組成物。
Description
セメントの分散方法およびセメント組成物に関するもの
である。さらに詳しくは、減水性能に優れ、かつ適度な
空気連行性と良好なスランプ保持性能を備えたセメント
分散剤、セメントの分散方法およびセメント組成物に関
するものである。 【0002】 【従来の技術および発明が解決しようとする課題】19
81年にコンクリート構造物の早期劣化が社会問題化し
て以来、コンクリート中の単位水量を減らしてその耐久
性と施工性を向上させることが強く求められている。 【0003】したがって、本発明の目的は、セメント分
散剤、セメントの分散方法およびセメント組成物の製造
方法を提供することにある。 【0004】本発明の他の目的は、ポリカルボン酸系に
特有の秀でた減水性能を維持しながら、過大な空気連行
性を制御できるセメント分散剤、セメントの分散方法お
よびセメント組成物を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記諸目的は、下記
(1)〜(13)によって達成される。 【0006】(1) エステル交換法によって得られる
アルコキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アク
リル酸エステル系単量体を含む単量体成分を重合して得
られる重合体を含むセメント分散剤。 【0007】(2) 一般式(1) 【0008】 【化8】【0009】(ただし、式中、R1 は炭素原子数1〜2
2のアルキル基、R2 Oは炭素原子数2〜4のオキシア
ルキレン基の1種または2種以上の混合物を表わし、2
種以上の場合はブロック状に付加していてもあるいはラ
ンダム状に付加していてもよく、mはオキシアルキレン
基の平均付加モル数であり、1〜100の数を表わ
す。)で示されるアルコキシポリアルキレングリコール
と、一般式(2) 【0010】 【化9】 【0011】(ただし、式中、R3 は水素原子またはメ
チル基を表わし、またR4 は炭素原子数1〜22のアル
キル基または炭素原子数3〜12のシクロアルキル基を
表わす。)で示される(メタ)アクリル酸エステルと
を、塩基性触媒の存在下にエステル交換反応に供して得
られる一般式(3) 【0012】 【化10】 【0013】(ただし、式中、R1 、R2 OおよびR3
は前記のとおりであり、またnはオキシアルキレン基の
平均付加モル数であり、1〜100の数を表わす。)で
示されるアルコキシポリアルキレングリコールモノ(メ
タ)アクリル酸エステル系単量体(a)5〜95重量
%、一般式(4) 【0014】 【化11】 【0015】(ただし、式中、R3 は前記のとおりであ
り、またM1 は水素原子、一価金属原子、二価金属原
子、アンモニウム基または有機アミン基を表わす。)で
示される(メタ)アクリル酸(塩)単量体(b)95〜
5重量%、およびこれらの単量体と共重合可能な単量体
(c)0〜50重量%(ただし、(a)、(b)および
(c)の合計は100重量%である。)を用いて導かれ
た重合体(A)および/または該重合体(A)をさらに
アルカリ性物質で中和して得られた重合体塩(B)を含
むセメント分散剤。 【0016】(3) 一般式(3)で示されるアルコキ
シポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸系
単量体(a)が、一般式(5) 【0017】 【化12】 【0018】(ただし、式中、R3 は水素原子またはメ
チル基、R7 Oは炭素原子数2〜4のオキシアルキレン
基の1種または2種以上の混合物を表わし、2種以上の
場合はブロック状に付加していてもランダム状に付加し
ていてもよく、R8 は炭素原子数1〜22のアルキル基
であり、またpはオキシアルキレン基の平均付加モル数
であり、1〜97の整数を表わす。)で示される第1の
アルコキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アク
リレート(a1 )と、一般式(6) 【0019】 【化13】【0020】(ただし、式中、R3 は水素原子またはメ
チル基、R9 Oは炭素原子数2〜4のオキシアルキレン
基の1種または2種以上の混合物を表わし、2種以上の
場合はブロック状に付加していてもランダム状に付加し
ていてもよく、R10は炭素原子数1〜22のアルキル基
であり、またqはオキシアルキレン基の平均付加モル数
であり、4〜100の整数を表わし、p≠qかつq−p
≧3である。)で示される第2のアルコキシポリアルキ
レングリコールモノ(メタ)アクリレート(a2)との
混合物である前記(2)に記載のセメント分散剤。 【0021】(4) 該混合物は、相当するアルコキシ
ポリアルキレングリコールの混合物と、一般式(2) 【0022】 【化14】 【0023】(ただし、式中、R3 は水素原子またはメ
チル基を表わし、またR4 は炭素原子数1〜22のアル
キル基または炭素原子数3〜12のシクロアルキル基を
表わす。)で示される(メタ)アクリル酸エステルとの
エステル交換反応により得られる前記(3)に記載のセ
メント分散剤。 【0024】(5) 該第1のアルコキシポリアルキレ
ングリコールモノ(メタ)アクリレート(a1 )と該第
2のアルコキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)
アクリレート(a2 )との重量比は5:95〜95:5
である前記(3)に記載のセメント分散剤。 【0025】(6) R2 Oは炭素原子数2〜3のオキ
シアルキレン基であり、またR1 は炭素原子数1〜12
アルキル基である前記(2)に記載のセメント分散剤。 【0026】(7) R3 はメチル基である前記(6)
に記載のセメント分散剤。 【0027】(8) 一般式(4)においてM1 は水素
原子または一価金属原子である前記(2)に記載のセメ
ント分散剤。 【0028】(9) さらに、ナフタレン系セメント分
散剤、アミノスルホン酸系セメント分散剤、ポリカルボ
ン酸系セメント分散剤およびリグニン系セメント分散剤
よりなる群から選ばれた少なくとも1種のセメント分散
剤を配合してなる前記(1)〜(8)のいずれか一つに
記載のセメント分散剤。 【0029】(11) 前記(1)〜(9)のいずれか
一つに記載のセメント分散剤を、少なくともセメントお
よび水よりなるセメント組成物に配合してなるセメント
の分散方法。 【0030】(12) 該セメント分散剤がセメントに
対して0.01〜1.0重量%であり、また、水/セメ
ントの重量比が0.15〜0.7である前記(11)に
記載のセメントの分散方法。 【0031】(13) 前記(1)〜(9)のいずれか
一つに記載のセメント分散剤、セメントおよび水よりな
るセメント組成物。 【0032】 【発明の実施の形態】まず、本発明によるセメント分散
剤、セメントの分散方法およびセメント組成物において
使用されるセメント分散剤は、エステル交換法によって
得られるアルコキシポリアルキレングリコールモノ(メ
タ)アクリル酸エステル系単量体を含む単量体成分を重
合して得られる重合体よりなるものである。 【0033】このようなセメント分散剤として代表的な
ものとしては、例えば、一般式(1)で示されるアルコ
キシポリアルキレングリコールと、一般式(2)で示さ
れる(メタ)アクリル酸エステルとを、塩基性触媒の存
在下にエステル交換反応に供して得られる一般式(3)
で示されるアルコキシポリアルキレングリコールモノ
(メタ)アクリル酸エステル系単量体(a)5〜95重
量%、好ましくは50〜94重量%、さらに好ましくは
60〜93重量%、一般式(4)で示される(メタ)ア
クリル酸(塩)単量体(b)95〜5重量%、好ましく
は50〜6重量%、さらに好ましくは40〜7重量%お
よびこれらの単量体と共重合可能な単量体(c)0〜5
0重量%、好ましくは0〜30重量%、さらに好ましく
は0〜10重量%(ただし、(a)、(b)および
(c)の合計は100重量%である。)を用いて導かれ
た重合体(A)および/または該重合体(A)をさらに
アルカリ性物質で中和して得られた重合体塩(B)より
なるものがある。 【0034】一般式(1) 【0035】 【化15】【0036】同一般式(1)において、R1 は炭素原子
数1〜22、好ましくは1〜12のアルキル基、R2 O
は炭素原子数2〜4、好ましくは2〜3のオキシアルキ
レン基の1種または2種以上の混合物を表わし、2種以
上の場合はブロック状に付加していてもあるいはランダ
ム状に付加していてもよく、mはオキシアルキレン基の
平均付加モル数であり、1〜100、好ましくは1〜5
0の数を表わす。 【0037】一般式(2) 【0038】 【化16】 【0039】同一般式(2)において、R3 は水素原子
またはメチル基を表わし、またR4は炭素原子数1〜2
2、好ましくは1〜12のアルキル基または炭素原子数
3〜12、好ましくは4〜8のシクロアルキル基を表わ
す。 【0040】 【化17】 【0041】同一般式(3)において、R1 、R2 O
およびR3 は前記のとおりであり、またnはオキシアル
キレン基の平均付加モル数であり、1〜100、好まし
くは1〜50の数を表わす。 【0042】一般式(4) 【0043】 【化18】 【0044】同一般式(4)において、R3 は水素原子
またはメチル基であり、またM1 は水素原子、一価金属
原子、例えばナトリウム、カリウム等のアルカリ金属原
子、二価金属原子、例えばカルシウム、マグネシウム等
のアルカリ土類金属原子、アンモニウム基または有機ア
ミン基、例えばメチルアミン、ジメチルアミン、トリメ
チルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチ
ルアミン、プロピルアミン、ジプロピルアミン、トリプ
ロピルアミン、イソプロピルアミン等であり、好ましく
は水素原子または一価金属原子である。 【0045】アルコキシポリアルキレングリコールと、
(メタ)アクリル酸エステルとのエステル交換反応は、
塩基性触媒の存在下に40〜150℃の温度で1〜20
時間、好ましくは1〜10時間行なわれる。また、さら
に必要があれば、減圧下にエステル交換反応を進めるこ
ともできる。 【0046】一般に、アルコキシポリアルキレングリコ
ールモノ(メタ)アクリル酸エステル系単量体(a)を
得るには、本発明のごとく塩基性触媒の存在下にアルコ
キシポリアルキレングリコールと(メタ)アクリル酸エ
ステルとをエステル交換させるか、あるいは、酸触媒の
存在下にアルコキシポリアルキレングリコールと(メ
タ)アクリル酸とをエステル化させる方法が知られてい
る。 【0047】本発明のエステル交換反応により得られる
アルコキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アク
リル酸エステル系単量体(a)を含有する単量体成分を
重合して得られる重合体では、減水性能が大幅に改善さ
れること、さらには驚くべきことに単量体(a)を得る
までの反応時間が大幅に短縮でき工業的にも優位性があ
ること、を見出だし、本発明を完成するに到った。酸触
媒によるエステル化反応に比べて塩基性触媒によるエス
テル交換反応が、このように減水性能に好結果をももた
らす理由は不明だが、エステル交換反応では副反応を抑
制できるのが理由の一つかもしれない。酸触媒によるエ
ステル化反応ではアルコキシポリアルキレングリコール
(1)のエーテル開裂により両末端に水酸基を持つ(ポ
リ)アルキレングリコールが副生し、これが、(メタ)
アクリル酸とのエステル化反応で二官能のジ(メタ)ア
クリル酸エステル系単量体となる。そして、これは、次
工程の重合反応で架橋剤として作用し、セメント分散性
能の乏しい、高分子量架橋ポリマーを与える。しかし、
このような考え方によって本発明のセメント分散剤がな
んら制限を受けるものではない。 【0048】アルコキシポリアルキレングリコールと
(メタ)アクリル酸エステルとのエステル交換反応にお
いて、(メタ)アクリル酸エステル/アルコキシポリア
ルキレングリコールのモル比は1/1〜20/1、特に
1/1〜10/1の範囲内が好ましい。1/1未満では
エステル交換反応の転化率が低く、20/1を超える量
では反応装置等が大きくなり好ましくない。 【0049】本発明において行なわれるエステル交換反
応に使用される塩基性触媒としては、水酸化ナトリム、
水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸
化物;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等のアル
カリ土類金属水酸化物;ナトリウムメトキサイド、ナト
リウムエトキサイド、ナトリウムイソプロポキサイド、
カリウムメトキサイド、カリウムエトキサイド、カリウ
ムイソプロポキサイド等のアルカリ金属アルコキサイ
ド;アンモニウム塩型アミンを交換基に持つ強塩基性の
イオン交換樹脂等がある。これらの塩基性触媒の中でも
アルカリ金属水酸化物と金属アルコキサイドが好まし
く、中でも、水酸化ナトリウムあるいはナトリウムメト
キサイドが特に好ましい。塩基性触媒の使用量は、アル
コキシポリアルキレングリコール(1)に対して、0.
01〜20重量%、特に0.1〜10重量%が好まし
い。0.01重量%未満の量では触媒効果が充分発現さ
れず、20重量%を超える量を使用しても不経済なだけ
である。塩基性触媒は、一度に仕込む方法、連続あるい
は分割添加する方法が可能であるが、触媒表面が、系内
で不活性化し、触媒作用が失活するのを防ぐ面では、連
続あるいは分割添加するのが好ましい。 【0050】エステル交換反応は、回分、連続いずれに
よっても行ないうるが、例えば回分反応では内温を徐々
に上げていき、許容温度に達してもアルキルアルコール
が留出しなくなれば、反応の終結が確認される。そし
て、減圧下に原料の(メタ)アクリル酸エステルを留去
し、目的のアルコキシポリアルキレングリコールモノ
(メタ)アクリル酸エステル系単量体(a)が得られ
る。 【0051】前記のごとき特定のエステル交換反応によ
り得られた一般式(3)で示されるアルコキシポリアル
キレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステル系単
量体(a)は、一般式(4)で示される(メタ)アクリ
ル酸(塩)単量体(b)および必要によりこれらの単量
体と共重合可能な単量体(c)とともに重合反応に供さ
れる。 【0052】共重合体(A)を得るには、重合開始剤を
用いて前記単量体成分を共重合させれば良い。共重合
は、溶媒中での重合や塊状重合等の方法により行なうこ
とができる。 【0053】溶媒中での重合は回分式でも連続式でも行
なうことができ、その際使用される溶媒としては、水;
メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルア
ルコール等の低級アルコール;ベンゼン、トルエン、キ
シレン、シクロヘキサン、n−ヘキサン等の芳香族ある
いは脂肪族炭化水素;酢酸エチル等のエステル化合物;
アセトン、メチルエチルケトン等のケトン化合物;等が
挙げられる。原料単量体および得られる共重合体(A)
の溶解性ならびに該共重合体(A)の使用時の便から
は、水および炭素数1〜4の低級アルコールよりなる群
から選ばれた少なくとも1種を用いることが好ましい。
その場合、炭素数1〜4の低級アルコールの中でもメチ
ルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコ
ール等が特に有効である。 【0054】水媒体中で重合を行なう時は、重合開始剤
としてアンモニウムまたはアルカリ金属の過硫酸塩ある
いは過酸化水素等の水溶性の重合開始剤が使用される。
この際、亜硫酸水素ナトリウム、モール塩等の促進剤を
併用することもできる。また、低級アルコール、芳香族
炭化水素、脂肪族炭化水素、エステル化合物あるいはケ
トン化合物を溶媒とする重合には、ベンゾイルパーオキ
シドやラウロイルパーオキシド等のパーオキシド;クメ
ンハイドロパーオキシド等のハイドロパーオキシド;ア
ゾビスイソブチロニトリル等の芳香族アゾ化合物等が重
合開始剤として用いられる。この際アミン化合物等の促
進剤を併用することもできる。さらに、水−低級アルコ
ール混合溶剤を用いる場合には、上記の種々の重合開始
剤あるいは重合開始剤と促進剤との組み合わせの中から
適宜選択して用いることができる。重合温度は、用いる
溶媒や重合開始剤により適宜定められるが、通常0〜1
20℃の範囲内で行なわれる。 【0055】塊状重合は、重合開始剤としてベンゾイル
パーオキシドやラウロイルパーオキシド等のパーオキシ
ド;クメンハイドロパーオキシド等のハイドロパーオキ
シド;アゾビスイソブチロニトリル等の脂肪族アゾ化合
物等を用い、50〜200℃の温度範囲内で行なわれ
る。 【0056】また、得られる重合体(A)の分子量調節
のために、チオール系連鎖移動剤を併用することもでき
る。この際に用いられるチオール系連鎖移動剤は、一般
式HS−R5 −Eg (ただし、式中R5 は炭素数1〜2
のアルキル基を表わし、Eは−OH、−COOM2 、−
COOR6 または−SO3 M2 基を表わし、M2 は水
素、一価金属、二価金属、アンモニウム基または有機ア
ミン基を表わし、R6 は炭素数1〜10のアルキル基を
表わし、gは1〜2の整数を表わす。)で表わされ、例
えば、メルカプトエタノール、チオグリセロール、チオ
グリコール酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メル
カプトプロピオン酸、チオリンゴ酸、チオグリコール酸
オクチル、3−メルカプトプロピオン酸オクチル等が挙
げられ、これらの1種または2種以上を用いることがで
きる。 【0057】このようにして得られた重合体(A)は、
そのままでもセメント分散剤の主成分として用いられる
が、必要に応じて、さらにアルカリ性物質で中和して得
られる重合体塩(B)をセメント分散剤の主成分として
用いても良い。このようなアルカリ性物質としては、一
価金属および二価金属の水酸化物、塩化物および炭素塩
等の無機物;アンモニア;有機アミン等が好ましいもの
として挙げられる。 【0058】また、一般式(3)で示されるアルコキシ
ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エス
テル系単量体(a)としては、一般式(5) 【0059】 【化19】 【0060】(ただし、式中、R3 は水素原子またはメ
チル基、R7 Oは炭素原子数2〜4のオキシアルキレン
基の1種または2種以上の混合物を表わし、2種以上の
場合はブロック状に付加していてもランダム状に付加し
ていてもよく、R8 は炭素原子数1〜22、好ましくは
1〜15のアルキル基であり、またpはオキシアルキレ
ン基の平均付加モル数であり、1〜97、好ましくは1
〜10の整数を表わす。)で示される第1のアルコキシ
ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート
(a1 )と、一般式(6) 【0061】 【化20】 【0062】(ただし、式中、R3 は水素原子またはメ
チル基、R9 Oは炭素原子数2〜4のオキシアルキレン
基の1種または2種以上の混合物を表わし、2種以上の
場合はブロック状に付加していてもランダム状に付加し
ていてもよく、R10は炭素原子数1〜22、好ましくは
1〜15のアルキル基であり、またqはオキシアルキレ
ン基の平均付加モル数であり、4〜100、好ましくは
11〜100の整数を表わし、p≠qかつq−p≧3で
ある。)で示される第2のアルコキシポリアルキレング
リコールモノ(メタ)アクリレート(a2 )との混合物
であってもよい。 【0063】このような第1のアルコキシポリアルキレ
ングリコールモノ(メタ)アクリレート(a1 )と第2
のアルコキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)ア
クリレート(a2 )との混合物を製造するには、これら
の第1および第2のアルコキシポリアルキレングリコー
ルモノ(メタ)アクリレート(a1 )および(a2 )を
別々にエステル交換反応により製造してもよいが、別法
としては、それぞれ相当するアルコキシポリアルキレン
グリコールの混合物と、一般式(2)で示される(メ
タ)アクリル酸エステルとのエステル交換反応により製
造してもよく、特に後者の方法は工業的に安価の製造方
法を提供できる。 【0064】この場合、第1のアルコキシポリアルキレ
ングリコールモノ(メタ)アクリレート(a1 )と第2
のアルコキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)ア
クリレート(a2 )との重量比は5:95〜95:5、
好ましくは10:90〜90:10である。 【0065】一般式(5)で表わされるアルコキシポリ
アルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート
(a1 )としては、例えば、メトキシ(ポリ)エチレン
グリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシ(ポ
リ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、
メトキシ(ポリ)ブチレングリコールモノ(メタ)アク
リレート、メトキシ(ポリ)エチレングリコール(ポ
リ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、
メトキシ(ポリ)エチレングリコール(ポリ)ブチレン
グリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシ(ポ
リ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール
モノ(メタ)アクリレート、メトキシ(ポリ)エチレン
グリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチ
レングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシ
(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、エトキシ(ポリ)プロピレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート、エトキシ(ポリ)ブチレングリコー
ルモノ(メタ)アクリレート、エトキシ(ポリ)エチレ
ングリコール(ポリ)プロピレングリコールモノ(エ
タ)アクリレート、エトキシ(ポリ)エチレングリコー
ル(ポリ)ブチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、エトキシ(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブ
チレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシ
(ポリ)エチレングリコール(ポリ)プロピレングリコ
ール(ポリ)ブチレングリコールモノ(メタ)アクリレ
ート等が例示される。アルコキシポリアルキレングリコ
ール(メタ)アクリレート(a)は、その側鎖の短鎖ア
ルコキシポリアルキレングリコールに疎水性を有するこ
とが重要である。 【0066】また、共重合のし易さの面からは、側鎖は
エチレングリコール単位が多く含まれているのが好まし
い。したがって、アルコキシポリアルキレングリコール
モノ(メタ)アクリレート(a1 )としては、平均付加
モル数mが1〜97、好ましくは1〜10の(アルコキ
シ)(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレ
ートが好ましい。 【0067】本発明で用いられる長鎖アルコキシポリア
ルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート系単量体
(a2 )は前記一般式(6)で示されるものであり、例
えばメトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アク
リレート、メトキシポリエチレングリコール(ポリ)プ
ロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキ
シポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール
モノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリ
コール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレン
グリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシポリエ
チレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシ
ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール
モノ(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリ
コール(ポリ)ブチレングリコールモノ(メタ)アクリ
レート、エトキシポリエチレングリコール(ポリ)プロ
ピレングリコール(ポリ)ブチレングリコールモノ(メ
タ)アクリレートなどが例示される。 【0068】高い減水性を得るためには、アルコキシポ
リアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート(a
2 )の平均付加モル数4〜100のアルコキシポリアル
キレングリコール鎖による立体反発と親水性でセメント
粒子を分散させることが重要である。そのためには、ポ
リアルキレングリコール鎖にはオキシエチレン基が多く
導入されることが好ましく、ポリエチレングリコール鎖
が最も好ましい。アルコキシポリアルキレングリコール
モノ(メタ)アクリレート(a2 )のアルキレングリコ
ール鎖の平均付加モル数nは4〜100、好ましくは1
1〜100である。 【0069】カルボン酸系単量体(b)は、前記一般式
(4)で示されるものである。単量体(b)の例として
は、アクリル酸、メタクリル酸ならびにこれらの酸の一
価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩および有機アミ
ン塩を挙げることができ、これらの1種または2種以上
を用いることができる。 【0070】単量体(c)は、単量体(a)および
(b)と共重合可能な単量体である。単量体(c)の例
としては、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサ
コン酸、イタコン酸等のジカルボン酸類;これらのジカ
ルボン酸類とHO(R11O)r R12(ただし、R11Oは
炭素数2〜4のオキシアルキレン基の1種または2種以
上の混合物を表わし、2種以上の場合はブロック状に付
加していてもランダム状に付加していてもよく、rはオ
キシアルキレン基の平均付加モル数であり1から100
の整数を表わし、R12は水素または炭素数1〜22、好
ましくは1〜15のアルキル基を表わす。)で表わされ
るアルコールとのモノエステルあるいはジエステル類;
(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアルキルア
ミド等の不飽和アミド類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビ
ニル等のビニルエステル類;ビニルスルホン酸、(メ
タ)アリルスルホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレ
ート、2−メチルプロパンスルホン酸(メタ)アクリル
アミド、スチレンスルホン酸等の不飽和スルホン酸類お
よびそれらの一価金属塩、二価金属塩、アルモニウム
塩、有機アミン塩類;スチレン、α−メチルスチレン等
の芳香族ビニル類;炭素数1〜18、好ましくは1〜1
5の脂肪族アルコールあるいはベンジルアルコール等の
フェニル基含有アルコールと(メタ)アクリル酸とのエ
ステル類;ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アク
リレート;ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アリ
ルエーテル等が挙げられ、これらの1種または2種以上
を用いることができる。 【0071】また、本発明のセメント分散剤として用い
られる重合体(A)および/または重合体塩(B)の重
量平均分子量としては、500〜500,000、特に
5,000〜300,000の範囲とすることが好まし
い。重量平均分子量が500未満では、セメント分散剤
の減水性能が低下するために好ましくない。一方、50
0,000を越える分子量では、セメント分散剤の減水
性能、スランプロス防止能が低下するために好ましくな
い。 【0072】さらに上記セメント分散剤には、従来公知
のナフタレン系セメント分散剤、アミノスルホン酸系セ
メント分散剤、ポリカルボン酸系セメント分散剤および
リグニン系セメント分散剤よりなる群から選ばれた少な
くとも1種のセメント分散剤を配合してもよいことはも
ちろんである。 【0073】また、従来公知のセメント分散剤の他に、
空気連行剤、セメント湿潤剤、膨張剤、防水剤、遅延
剤、急結剤、水溶性高分子物質、増粘剤、凝集剤、乾燥
収縮低減剤、強度増進剤、硬化促進剤、消泡剤等を配合
することができる。 【0074】このようにして得られる重合体を主成分と
するセメント分散剤は、少なくともセメントおよび水よ
りなるセメント組成物に配合することによりセメントの
分散を促進する。 【0075】本発明のセメント分散剤は、ポルトランド
セメント、ビーライト高含有セメント、アルミナセメン
ト、各種混合セメント等の水硬セメント、あるいは、石
膏などのセメント以外の水硬材料などに用いることがで
きる。 【0076】本発明において使用されるセメント分散剤
は、従来のセメント分散剤に比較して少量の添加でも優
れた効果を発揮する。たとえば水硬セメントを用いるモ
ルタルやコンクリート等に使用する場合には、セメント
重量の0.01〜1.0%、好ましくは0.02〜0.
5%となる比率の量を練り混ぜの際に添加すればよい。
この添加により高減水率の達成、スランプロス防止性能
の向上、単位水量の低減、強度の増大、耐久性の向上な
どの各種の好ましい諸効果がもたらされる。添加量が
0.01%未満では性能的に不十分であり、逆に1.0
%を越える多量を使用しても、その効果は実質上頭打ち
となり経済性の面からも不利となる。 【0077】本発明によるセメント組成物は、上記セメ
ント分散剤、セメントおよび水よりなるものである。本
発明のセメント組成物は、該セメント組成物1m3 あた
りのセメント使用量、単位水量にはとりたてて制限はな
いが、単位水量120〜185kg/m3 、水/セメン
ト重量比=0.15〜0.7、好ましくは単位水量12
0〜175kg/m3 、水/セメント重量比=0.2〜
0.5%が推奨される。該セメント組成物には、さらに
必要により砂、砂利等の骨材が配合される。 【0078】 【実施例】以下、実施例を挙げ、本発明をさらに具体的
に説明する。なお、例中、特にことわりのない限り、%
は重量%を、また、部は重量部を表わすものとする。 【0079】実施例1 塩基性触媒存在下のエステル交換反応によるアルコキシ
ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エス
テル系単量体(a)の合成 300mlのセパラブルフラスコに温度計、攪拌機およ
びラシヒリングを充填した充填塔を設け、還流比を任意
に変えられるようにした。上記充填塔に、メチルメタク
リレート606g、メトキシポリエチレングリコール
(オキシエチレン基の平均付加モル数:10モル)40
8g、重合禁止剤としてフェノチアジン0.12gを仕
込み、塔頂温度が50℃に達したときに49%濃度の水
酸化ナトリウム2.65gを1時間30分かけて滴下し
た。減圧下にメタノール−メチルメタクリレート共沸物
を留去し、目的のメトキシポリエチレングリコールモノ
メタクリレート(1)467gを単離した。反応は3時
間で終了した。収率99%以上。また、副生するポリエ
チレングリコールジメタクリレートは、得られたメトキ
シポリエチレングリコールモノメタクリレートに対して
0.1%以下であった。結果を表1に示す。 【0080】実施例2 メトキシポリエチレングリコール(オキシエチレン基の
平均付加モル数:10モル)408gの代わりに、メト
キシポリエチレングリコール(オキシエチレン基の平均
付加モル数:10モル)69gとメトキシポリエチレン
グリコール(オキシエチレン基の平均付加モル数:25
モル)206gを用いた以外は、実施例1と同様の操作
を行ない、メトキシポリエチレングリコールモノメタク
リレートの混合物(2)を得た。結果を表1に示す。 【0081】比較例1 酸触媒存在下のエステル化反応によるアルコキシポリア
ルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステル系
単量体(a)の合成 300mlのセパラブルフラスコに温度計、攪拌機およ
び水分離器を設け、反応生成水を分離できるようにし
た。上記反応装置に、メタクリル酸805.5g、メト
キシポリエチレングリコール(オキシエチレン基の平均
付加モル数:10モル)1657.8g、酸触媒として
硫酸49.3g、重合禁止剤としてフェノチアジン0.
49g、溶媒としてシクロヘキサン73.9gを仕込み
攪拌しながら加熱した。常圧下にシクロヘキサン−水共
沸物を留出させ、反応生成水を分離器で除去しながらシ
クロヘキサンを還流させた。反応は25時間で終了し
た。反応後、常圧下に、シクロヘキサンおよび過剰のメ
タクリル酸を留去し、メトキシポリエチレングリコール
モノメタクリレート(3)1858.6gを単離した。
収率98%。副生するポリエチレングリコールジメタク
リレートは、得られたメトキシポリエチレングリコール
モノメタクリレートに対して12.0%であった。結果
を表1に示す。 【0082】比較例2 酸触媒としての硫酸の代わりに、パラトルエンスルホン
酸218.2gを使用した以外は、比較例1と同様の操
作を行ない、メトキシポリエチレングリコールモノメタ
クリレート(4)を得た。結果を表1に示す。 【0083】 【表1】【0084】実施例3 本発明のセメント分散剤(1)の製造 温度計、攪拌機、滴下漏斗、窒素導入管および還流冷却
器を備えたガラス製反応容器に水195gを仕込み、攪
拌下に反応容器内を窒素で置換し、窒素雰囲気下で95
℃まで加熱した。次に、実施例1で得られたメトキシポ
リエチレングリコールモノメタクリレート(1)47.
4g、メタクリル酸12.6g、水15gを混合した単
量体水溶液と1.5%過硫酸アンモニウム水溶液24g
をそれぞれ4時間で滴下し、滴下終了後、さらに1.5
%過硫酸アンモニウム6gを1時間で滴下した。その
後、1時間引き続いて95℃に温度を維持して重合反応
を完結させた。重量平均分子量36000の重合体から
なる本発明のセメント分散剤(1)を得た。結果を表2
に示す。 【0085】実施例4 本発明のセメント分散剤(2)の製造 実施例1で得られたメトキシポリエチレングリコールモ
ノメタクリレート(1)の代わりに、実施例2で得られ
たメトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート
の混合物(2)を用いた以外は、実施例3と同様の操作
を行ない本発明のセメント分散剤(2)を得た。結果を
表2に示す。 【0086】比較例3および4 比較セメント分散剤(1)および(2)の製造 実施例1で得られたメトキシポリエチレングリコールモ
ノメタクリレート(1)の代わりに、比較例1および2
で得られたメトキシポリエチレングリコールモノメタク
リレート(3)および(4)を用いた以外は、実施例3
と同様の操作を行ない比較セメント分散剤(1)および
(2)を得た。結果を表2に示す。 【0087】 【表2】【0088】実施例5および比較例6〜7 コンクリート試験 セメントとして普通ポルトランドセメント(秩父小野田
セメント:比重3.16)、細骨材として大井川水系産
陸砂(比重2.62、FM2.71)、粗骨材として青
梅産硬質砂岩砕石(比重2.64、MS20mm)を用
いた。セメント分散剤としては、本発明のセメント分散
剤(1)(実施例5)および比較セメント分散剤
(1)、(2)(比較例6、7)を用いた。コンクリー
トの配合条件は、単位セメント量320kg/m3 、単
位水量165kg/m3 および細骨材率47%である。 【0089】上記の条件下に、コンクリートを製造し、
スランプ、空気量の測定はすべて日本工業規格(JIS
A 1101、1128)に準拠して行なった。結果
を表3に示す。 【0090】 【表3】 【0091】実施例5と比較例6〜7の添加量を比較し
てみると、比較例6〜7が0.21%、0.18%であ
るのに対して、実施例5では0.09%と非常に低添加
量でよいことがわかる。また、コンクリート製造直後の
空気量を比較してみると、比較例6〜7ではそれぞれ
7.0%および8.9%であるのに対して実施例5では
6.4%と空気連行性を低減できることがわかる。 【0092】その理由としては、実施例1のエステル交
換反応で製造したメトキシポリアルキレングリコールモ
ノメタアクリレート(1)には架橋成分が0.1%以下
と非常に少ないのに対して、比較例1〜2のエステル化
法で製造したメトキシポリアルキレングリコールモノメ
タクリレート(3)および(4)にはそれぞれ架橋成分
が12.0%および14.6%と多いことに起因すると
推測される。 【0093】エステル交換反応で得られた単量体を用い
ることにより添加量および空気連行性を低減することが
できる。 【0094】実施例6〜7、比較例8〜9 モルタル試験 本発明のセメント分散剤(1)および(2)(実施例6
および7)および比較セメント分散剤(1)および
(2)(比較例8および9)をそれぞれ添加したモルタ
ルフロー値および空気量を測定した。試験に使用した材
料およびモルタル配合は、秩父小野田普通ポルトランド
セメント400g、豊浦標準砂800g、本発明あるい
は比較セメント分散剤を含む水240gである。 【0095】モルタルはモルタルミキサーを用いた機械
練りで調製した。調製したモルタルを、直径55mm、
高さ55mmの中空円筒に詰める。つぎに、円筒を垂直
に持ち上げ、その後テーブルに広がったモルタルの直径
を2方向について測定し、この平均をフロー値とした。
空気量はモルタルの重量と容量から算出した。結果を表
4に示す。 【0096】 【表4】 【0097】 【発明の効果】本発明によれば、優れた減水性能を維持
しながら、過大な空気連行性を制御できるセメント分散
剤、セメントの分散方法およびセメント組成物を提供す
ることができる。 【0098】また、本発明によるセメント分散剤は、ア
ルコキシポリアルキレングリコールと(メタ)アクリル
酸エステルとを、塩基性触媒の存在下にエステル交換反
応に供して得られるアルコキシポリアルキレングリコー
ルモノ(メタ)アクリル酸エステル系単量体および(メ
タ)アクリル酸(塩)単量体、さらに必要によりその他
の共重合性単量体を重合して得られるものであるから極
めて安価である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 エステル交換法によって得られるアルコ
キシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸
エステル系単量体を含む単量体成分を重合して得られる
重合体を含むセメント分散剤。 【請求項2】 一般式(1) 【化1】 (ただし、式中、R1 は炭素原子数1〜22のアルキル
基、R2 Oは炭素原子数2〜4のオキシアルキレン基の
1種または2種以上の混合物を表わし、2種以上の場合
はブロック状に付加していてもあるいはランダム状に付
加していてもよく、mはオキシアルキレン基の平均付加
モル数であり、1〜100の数を表わす。)で示される
アルコキシポリアルキレングリコールと、一般式(2) 【化2】 (ただし、式中、R3 は水素原子またはメチル基を表わ
し、またR4 は炭素原子数1〜22のアルキル基または
炭素原子数3〜12のシクロアルキル基を表わす。)で
示される(メタ)アクリル酸エステルとを、塩基性触媒
の存在下にエステル交換反応に供して得られる一般式
(3) 【化3】 (ただし、式中、R1 、R2 OおよびR3 は前記のとお
りであり、またnはオキシアルキレン基の平均付加モル
数であり、1〜100の数を表わす。)で示されるアル
コキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル
酸エステル系単量体(a)5〜95重量%、 一般式(4) 【化4】 (ただし、式中、R3 は前記のとおりであり、またM1
は水素原子、一価金属原子、二価金属原子、アンモニウ
ム基または有機アミン基を表わす。)で示される(メ
タ)アクリル酸(塩)単量体(b)95〜5重量%、お
よびこれらの単量体と共重合可能な単量体(c)0〜5
0重量%(ただし、(a)、(b)および(c)の合計
は100重量%である。)を用いて導かれた重合体
(A)および/または該重合体(A)をさらにアルカリ
性物質で中和して得られた重合体塩(B)を含むセメン
ト分散剤。 【請求項3】 一般式(3)で示されるアルコキシポリ
アルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸系単量体
(a)が、一般式(5) 【化5】 (ただし、式中、R3 は水素原子またはメチル基、R7
Oは炭素原子数2〜4のオキシアルキレン基の1種また
は2種以上の混合物を表わし、2種以上の場合はブロッ
ク状に付加していてもランダム状に付加していてもよ
く、R8 は炭素原子数1〜22のアルキル基であり、ま
たpはオキシアルキレン基の平均付加モル数であり、1
〜97の整数を表わす。)で示される第1のアルコキシ
ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート
(a1 )と、一般式(6) 【化6】(ただし、式中、R3 は水素原子またはメチル基、R9
Oは炭素原子数2〜4のオキシアルキレン基の1種また
は2種以上の混合物を表わし、2種以上の場合はブロッ
ク状に付加していてもランダム状に付加していてもよ
く、R10は炭素原子数1〜22のアルキル基であり、ま
たqはオキシアルキレン基の平均付加モル数であり、4
〜100の整数を表わし、p≠qかつq−p≧3であ
る。)で示される第2のアルコキシポリアルキレングリ
コールモノ(メタ)アクリレート(a2)との混合物で
ある請求項2に記載のセメント分散剤。 【請求項4】 該混合物は、相当するアルコキシポリア
ルキレングリコールの混合物と、一般式(2) 【化7】 (ただし、式中、R3 は水素原子またはメチル基を表わ
し、またR4 は炭素原子数1〜22のアルキル基または
炭素原子数3〜12のシクロアルキル基を表わす。)で
示される(メタ)アクリル酸エステルとのエステル交換
反応により得られる請求項3に記載のセメント分散剤。 【請求項5】 該第1のアルコキシポリアルキレングリ
コールモノ(メタ)アクリレート(a1 )と該第2のア
ルコキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリ
レート(a2 )との重量比は5:95〜95:5である
請求項3に記載のセメント分散剤。 【請求項6】 R2 Oは炭素原子数2〜3のオキシアル
キレン基であり、またR1 は炭素原子数1〜12アルキ
ル基である請求項2に記載のセメント分散剤。 【請求項7】 R3 はメチル基である請求項6に記載の
セメント分散剤。 【請求項8】 一般式においてM1 は水素原子または一
価金属原子である請求項2に記載のセメント分散剤。 【請求項9】 さらに、ナフタレン系セメント分散剤、
アミノスルホン酸系セメント分散剤、ポリカルボン酸系
セメント分散剤およびリグニン系セメント分散剤よりな
る群から選ばれた少なくとも1種のセメント分散剤を配
合してなる請求項1〜8のいずれか一つに記載のセメン
ト分散剤。 【請求項11】 請求項1〜9のいずれか一つに記載の
セメント分散剤を、少なくともセメントおよび水よりな
るセメント組成物に配合してなるセメントの分散方法。 【請求項12】 該セメント分散剤がセメントに対して
0.01〜1.0重量%であり、また、水/セメントの
重量比が0.15〜0.7である請求項11に記載のセ
メントの分散方法。 【請求項13】 請求項1〜9のいずれか一つに記載の
セメント分散剤、セメントおよび水よりなるセメント組
成物。
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