JP2008050552A - (メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステル、該エステルの製造方法、該エステルを含む水溶液及びセメント分散剤 - Google Patents

(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステル、該エステルの製造方法、該エステルを含む水溶液及びセメント分散剤 Download PDF

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Abstract

【課題】濁りがなく、高温時の安定性が優れた、(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステル、該エステルの製造方法、該エステルを含む水溶液及び該エステルの重合体を含むセメント分散剤を提供する。
【解決手段】120℃でのゲル化時間が5時間以上の(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステルであって、前記(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステルの30重量%水溶液の色相がAPHAで40以下である(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステル。
【選択図】なし

Description

本発明は、(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステル、該エステルの製造方法に関し、さらには該エステルを含む水溶液及び該エステルの重合体を含むセメント分散剤に関する。
(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステル(ここで、(メタ)アクリル酸とはアクリル酸又はメタクリル酸を意味する。以下同様。)を含む単量体を重合して得られる高分子化合物は、石炭、カーボンブラック、顔料、石膏などの各種無機物又は有機物の分散剤、セメント分散剤、帯電防止剤、樹脂硬化剤など様々な分野で利用されている。例えば(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステルとポリカルボン酸との共重合体は粉流体の分散効果を有することで知られており、モルタルやコンクリート組成物の分散安定性に優れるため、セメント分散剤として広く利用されている。
このように(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステルは多岐の分野にわたって利用されている。かかる(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステルが常温で固体である場合、これを貯蔵したり移送したりした後に使用する際は加熱して融解する必要があるが、加熱により重合反応が進行しゲル状物が生成する恐れがある。また、加熱して融解させた状態で貯蔵したり移送したりする場合は、(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステルが酸化されて過酸化物が生成し、使用に際してゲル状物が生成する恐れがある。
この問題を解決する手段として、例えば特開2002−173593号公報では(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステルを水溶液として貯蔵及び/又は移送する方法が報告されている。この方法では加熱工程を減らすことができるため一応の効果は見られたが、(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステルそのものの安定性に関しては更なる改善が必要であった。前述したように、ポリアルキレングリコールエステルを含む単量体を重合して得られる高分子化合物は様々な分野で用いられているが、該高分子化合物は、一般的に(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステルを含む単量体を加熱条件下に重合を行って得ており、この観点から特に加熱時の安定性が優れた(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステルまたはその水溶液の開発が望まれている。
一方、特開2005−179609号公報では高純度の(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステルの製造法として、グリコール化合物と(メタ)アクリル酸エステルとをエステル交換反応させた後、水と吸着剤を用いて処理する方法が記載されている。この方法ではイオン性の不純物は除去できるものの、数百nm程度以下の微小不純物が吸着除去できず、濁りが発生してしまい透明性に優れた(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステルをえることが出来なかった。
特開2002−173593号公報 特開2005−179609号公報
本発明の目的は、濁りがなく、高温時の安定性が優れた、(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステル、該エステルの製造方法、該エステルを含む水溶液及び該エステルの重合体を含むセメント分散剤を提供することである。
即ち、本発明は、以下の(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステル、該エステルの製造方法、該エステルを含む水溶液及び該エステルの重合体を含むセメント分散剤に関する。
本発明は、(1)120℃でのゲル化時間が5時間以上の(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステルであって、前記(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステルの30重量%水溶液の色相がAPHAで40以下である(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステルに関する。
また、本発明は、(2)(メタ)アクリル酸エステルとポリアルキレングリコール類を、触媒及び水溶性重合防止剤の存在下にエステル交換反応した後、反応液にリン酸塩を添加し加熱処理することを特徴とする前記(1)に記載の(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステルの製造方法に関する。
また、本発明は、(3)前記水溶性重合防止剤の使用量が、ポリアルキレングリコール類に対し5ppm以上である前記(2)に記載の(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステルの製造方法に関する。
また、本発明は、(4)前記水溶性重合防止剤の使用量が、ポリアルキレングリコール類に対し2×10ppm以下である前記(2)または(3)に記載の(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステル単量体の製造方法に関する。
また、本発明は、(5)前記水溶性重合防止剤がN−OH基、またはNO・基を構造にもつ水溶性重合防止剤を含む、前記(2)〜(4)いずれか一項に記載の(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステルの製造方法に関する。
また、本発明は、(6)前記水溶性重合防止剤が−N−C(=SH)−S−結合を有する水溶性重合防止剤を含む、前記(2)〜(5)のいずれか一項に記載の(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステルの製造方法に関する。
また、本発明は、(7)前記(1)記載の(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステルを含有してなる高純度(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステル水溶液に関する。
また、本発明は、(8)前記(1)記載の(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステルを含む単量体を重合して得られる重合体を含むセメント分散剤に関する。
本発明の(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステルは、濁りがなく透明性に優れ、かつ高温時の安定性に優れており、セメント分散剤として好適である。
本発明の(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステルは、120℃でのゲル化時間が5時間以上、好ましくは5〜50時間、更に好ましくは5〜15時間である。120℃でのゲル化時間が5時間未満の場合は保存時の安定性に劣り、本発明の目的を達成できない。120℃でのゲル化時間とは、(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステルを120℃の雰囲気に保持し、目視観察で流動性を失うまでの時間をいう。
また、本発明の(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステルは、30重量%水溶液の色相がAPHAで40以下、好ましくは40〜10、更に好ましくは30〜10である。30重量%水溶液での色相がAPHAで40を超える場合は、濁りが生じ透明性に劣り外観不良となるため、本発明の目的を達成できない。色相(APHA)は、JIS K 1557記載の方法に準じ、(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステルの30重量%水溶液を比色管にとり、APHA標準液と比色する方法で測定できる。
本発明の(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステルは、(メタ)アクリル酸エステルとポリアルキレングリコール類とのエステル化物であり、下記一般式(I)で表されるエステル化物が好ましい。
Figure 2008050552
式中、Rは水素またはメチル基を示す。Rは炭素数2〜4のアルキレン基を示し、例えば、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基が挙げられ、これらのなかでもエチレン基が好ましい。Rは水素または炭素数1〜30の炭化水素基を示し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ウンデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ヘンエイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基、ペンタコシル基、ヘキサコシル基、ヘプタコシル基、オクタコシル基、ノナコシル基、トリアコンチル基などのアルキル基;シクロヘキシル基などのシクロアルキル基;フェニル基などのアリール基;ベンジル基、ノニルフェニル基などのアリールアルキル基;ビニル基、アリル基、3−ブテニル基、3−メチル−3−ブデニル基などのアルケニル基;アルキニル基などが挙げられ、これらのなかでも炭素数1〜18のアルキル基が好ましく、炭素数1〜5のアルキル基がより好ましい。
nは1〜300の数を示し、(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステルの使用用途に応じて適宜設定される。例えば、セメント分散剤用の重合体の製造原料として用いる場合は、nは1〜50が好ましく、7〜30がより好ましい。
(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステルの具体例としては、メトキシ(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシ(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシ(ポリ)ブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシ(ポリ)エチレングリコール(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシ(ポリ)エチレングリコール(ポリ)ブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシ(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシ(ポリ)エチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシ(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシ(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシ(ポリ)ブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシ(ポリ)エチレングリコール(ポリ)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシ(ポリ)エチレングリコール(ポリ)ブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシ(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシ(ポリ)エチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、プロポキシ(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ブトキシ(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、などが挙げられるが、これらは一例であって限定されない。ここで(ポリ)は前記nが2以上の場合を示す。
本発明の(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステルの製造方法は特に限定されず、(メタ)アクリル酸とポリアルキレングリコール類をエステル化反応させる方法、(メタ)アクリル酸エステルとポリアルキレングリコール類をエステル交換反応させる方法などが挙げられるが、副生成物の生成が抑えられ目的物の着色が少ないという点からエステル交換反応させる方法が好ましい。
以下、本発明のエステル交換反応による(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステルの製造方法について詳述する。
本発明の(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステルの製造方法においては、まず、(メタ)アクリル酸エステルとポリアルキレングリコール類を触媒及び水溶性重合防止剤の存在下にエステル交換反応させる。
メタアクリル酸エステルとしては、例えば、下記一般式(II)で示されるアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルが賞用される。
Figure 2008050552
式中、Rは前述と同様のものを示す。Rは炭素数1〜5の炭化水素を示し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基などが挙げられ、なかでも炭素数1〜3の低級アルキル基が好ましい。(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル等が挙げられる。
ポリアルキレングリコール類としては、例えば、下記一般式(III)で示されるグリコール類が賞用される。
Figure 2008050552
式中、R、R及びnは前述と同様のものを示す。ポリアルキレングリコール類の具体例としては、(ポリ)エチレングリコール、(ポリ)エチレングリコールモノメチルエーテル、(ポリ)エチレングリコールモノエチルエーテル、(ポリ)エチレングリコールモノプロピルエーテル、(ポリ)エチレングリコールモノブチルエーテル、(ポリ)プロピレングリコール、(ポリ)プロピレングリコールモノメチルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールモノエチルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールモノブチルエーテル、(ポリ)テトラメチレングリコール、(ポリ)テトラメチレングリコールモノメチルエーテル、(ポリ)テトラメチレングリコールモノエチルエーテル、(ポリ)テトラメチレングリコールモノプロピルエーテル、(ポリ)テトラメチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられるが、これらは一例であって限定されない。これらのなかでも、(ポリ)エチレングリコール類が好ましく、(ポリ)エチレングリコールモノ低級アルキルエーテルがより好ましい。
エステル交換反応において、(メタ)アクリル酸エステルをポリアルキレングリコール類に対して過剰量使用することが、反応時間の短縮、反応転化率の向上の点で好ましい。ポリアルキレングリコール類1モルに対して、(メタ)アクリル酸エステルを2.5〜50モルの範囲で使用することが好ましく、2.5〜30モルで使用することがより好ましい。(メタ)アクリル酸エステルの使用量が2.5モル未満では反応が遅くなり、未反応のポリアルキレングリコール類が残存する可能性があり、30モル超では反応設備が大きくなり生産性が悪くなるとともに、反応終了後に過剰の(メタ)アクリル酸エステルを回収する工程に長時間を要してしまう可能性がある。
エステル交換反応に使用される触媒は非スルホン酸系の触媒であり、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭酸化物;リチウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド;リチウムアミド、ナトリウムアミド、カリウムアミドのようなアルカリ金属アミド;チタン酸テトラメチル、チタン酸テトラエチル、チタン酸テトラプロピル、チタン酸テトライソプロピル、チタン酸テトラブチルのようなC〜Cアルキル基を有するチタン酸テトラアルキル;テトラメトキシジルコニウム、テトラエトキシジルコニウム、テトラノルマルプロポキシジルコニウム、テトライソプロポキシジルコニウム、テトラノルマルブトキシジルコニウム、テトライソブトキシジルコニウムなどのジルコニウムアルコキシドなどが挙げられる。これら触媒は1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、反応終了後の後処理の点でアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸化物、アルカリ金属アルコキシド、C〜Cアルキル基を有するチタン酸テトラアルキル、ジルコニウムアルコキシドなどが好ましく、取り扱い易さの点でC〜Cアルキル基を有するチタン酸テトラアルキルがより好ましい。
触媒の使用量は、(メタ)アクリル酸エステルとポリアルキレングリコール類の合計量100重量部に対して、0.01〜5.0重量部が好ましく、0.01〜1.0重量部がより好ましい。触媒の量が0.01重量部未満であると触媒としての効果が不充分でありエステル交換反応の進行が遅くなる傾向があり、5.0重量部より多く用いても特に利点はなく不経済であるだけである。
なお、C〜Cアルキル基を有するチタン酸テトラアルキルを触媒として使用する場合には、反応系中に水分が多いと触媒が活性を失いやすいので、反応系に触媒を加える前に反応混合物を加熱還流して系内の水分を少なくしたり、反応中に水分の混入を防ぐような方法を実施することが好ましい。
エステル交換反応に際しては、(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステルの保存安定性向上や透明性の点で水溶性重合禁止剤を存在させることが好ましい。油溶性重合防止剤では(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステルまたはその水溶液との相容性が低いために安定化効果が低いだけでなく、不溶分が濁りとなる場合があり、透明性を悪化させる原因となる。
水溶性重合防止剤の配合量は、ポリアルキレングリコール類に対し、5ppm以上であることが好ましく、2×10ppm以下であることが好ましい。水溶性重合防止剤の配合量が5ppm未満であると重合防止効果が得られず保存安定性や透明性に劣る傾向があり、2×10ppmを越えると(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステルをポリマ化する際にポリマ化を阻害する可能性がある。
水溶性重合防止剤としては、ジチオカルバミン酸塩類、マンガン塩、ヒドロキシアミン化合物、ニトロソ化合物、N−オキシル化合物等が好適に用いられる。これらは一種類を用いても、二種類以上を用いても良い。
ジチオカルバミン酸塩類は−N−C(=SH)−S−結合を有する化合物の塩類であり、例えば、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅、ジプロピルジチオカルバミン酸銅、ジブチルジチオカルバミン酸銅、ジペンチルジチオカルバミン酸銅、ジヘキシルジチオカルバミン酸銅、ジフェニルジチオカルバミン酸銅、メチルエチルジチオカルバミン酸銅、メチルプロピルジチオカルバミン酸銅、メチルブチルジチオカルバミン酸銅、メチルペンチルジチオカルバミン酸銅、メチルヘキシルジチオカルバミン酸銅、メチルフェニルジチオカルバミン酸銅、エチルプロピルジチオカルバミン酸銅、エチルブチルジチオカルバミン酸銅、エチルペンチルジチオカルバミン酸銅、エチルヘキシルジチオカルバミン酸銅、エチルフェニルジチオカルバミン酸銅、プロピルブチルジチオカルバミン酸銅、プロピルペンチルジチオカルバミン酸銅、プロピルヘキシルジチオカルバミン酸銅、プロピルフェニルジチオカルバミン酸銅、ブチルペンチルジチオカルバミン酸銅、ブチルヘキシルジチオカルバミン酸銅、ブチルフェニルジチオカルバミン酸銅、ペンチルヘキシルジチオカルバミン酸銅、ペンチルフェニルジチオカルバミン酸銅、ヘキシルフェニルジチオカルバミン酸銅、及びこれらの銅塩に対応するニッケル塩、亜鉛塩、鉄塩、各種遷移金属(Mn、Coなど)塩などが挙げられる。これらのジアルキルジチオカルバミン酸金属塩の中で、効果の点から、ジアルキルジチオカルバミン酸銅塩が好ましく、特にジブチルジチオカルバミン酸銅が好適である。
マンガン塩としては、例えば、蟻酸マンガン、酢酸マンガン、オクタン酸マンガン、ナフテン酸マンガン、過マンガン酸マンガン、エチレンジアミン四酢酸のマンガン塩等が挙げられる。これらのマンガン塩のなかでは酢酸マンガンが好適である。
ヒドロキシアミン化合物はN−OH基を有する化合物であり、例えば、ジエチルヒドロキシアミン、ジプロピルヒドロキシアミンなどが挙げられる。
ニトロソ化合物としては、例えば、ニトロソフェノール、N−ニトロソジフェニルアミン、亜硝酸イソアミル、N−ニトロソ−シクロヘキシルヒドロキシルアミン、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンおよびそれらの塩等が挙げられる。これらのニトロソ化合物なかではN−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンが好適である。
N−オキシル化合物はNO・基を有する化合物であり、例えば、2,2,4,4−テトラメチルアゼチジン−1−オキシル、2,2−ジメチル−4,4−ジプロピルアゼチジン−1−オキシル、2,2,5,5−テトラメチルピロリジン−1−オキシル、2,2,5,5−テトラメチル−3−オキソピロリジン−1−オキシル、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、6−アザ−7,7−ジメチル−スピロ(4,5)デカン−6−オキシル、2,2,6,6−テトラメチル−4−アセトキシピペリジン−1−オキシル、2,2,6,6−テトラメチル−4−ベンゾイルオキシピペリジン−1−オキシル、4,4’,4”−トリス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル)ホスファイト等が挙げられる。これらのN−オキシル化合物なかでは、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシルが好適である。
本発明では、上記重合防止剤と共に他の重合防止剤を併用することが可能である。他の重合防止剤としては、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、tert−ブチルハイドロキノン、2,6−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、ハイドロキノンモノメチルエーテル、クレゾール、tert−ブチルカテコール等のフェノール化合物;チオジフェニルアミン、フェノチアジン等のアミン化合物などが挙げられる。他の重合防止剤の配合量は、(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステルに対して、0〜2×10ppmであることが好ましい。他の重合防止剤の配合量が2×10ppmを越えると、(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステルが着色を生じる場合がある。
エステル交換反応において、反応中の反応液の重合防止のために、少量の分子状酸素を吹き込むのことが好ましい。分子状酸素としては、希釈された状態で使用するのが好ましく、より好適には空気が用いられる。水分により失活しやすい触媒を用いる場合は乾燥空気を用いることが好ましい。また、分子状酸素の吹き込みは、蒸発して蒸気として存在したり、上部の釜壁等に凝縮した(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステルの重合を防止するためにも好ましい。分子状酸素の使用量としては、反応器の形状や攪拌動力などによっても影響を受けるが、ポリオキシアルキレングリコール類1モルに対して5〜500ml/分(空気として25〜2,500ml/分)の速度で吹き込めばよい。分子状酸素の使用量が5ml/分未満では重合防止効果が充分でなく、500ml/分より多いと(メタ)アクリル酸エステルを反応系外に押し出してしまう効果が強くなり、(メタ)アクリル酸エステルの供給ロスをまねく可能性がある。
また、エステル交換反応に際しては、反応に関与しない不活性なものであれば、適宜溶媒を使用することもできる。例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、シクロヘキサン等の炭化水素類や、ジオキサン等のエーテル類などを挙げることができる。
エステル交換反応は、常圧又は減圧下で60〜130℃で行うのが好ましい。温度が60℃未満では反応速度が遅くなり効率が悪く、130℃を越えると重合などの副反応が発生する可能性がある。
エステル交換反応の装置としては特に限定されず、通常のエステル交換反応に用いる装置を採用することができる。この装置では、通常、ポリアルキレングリコール類の転換率を高めるため、副生する(メタ)アクリル酸エステル由来のアルコール(ROH)と(メタ)アクリル酸エステル又は溶媒を共沸蒸留することにより、副生するアルコールを反応系外に留去しながら反応を行うことが好ましい。このため、反応装置としては、精留搭の付いた回分式反応槽が好適に使用される。
本発明の(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステルの製造方法においては、上記エステル交換反応した後、反応液にリン酸塩を添加して加熱処理を行う。加熱処理に先立って、反応液は常法により水、または各種無機塩の水溶液を添加して、触媒を加水分解し不溶化して分離除去する。
リン酸塩としては、例えば、第一リン酸ナトリウム、第一リン酸カリウム、第一リン酸アンモニウム、第二リン酸ナトリウム、第二リン酸カリウム、第二リン酸アンモニウム、第三リン酸ナトリウム、第三リン酸カリウム、第三リン酸アンモニウム及びこれらの混合物などが挙げられ、これらのなかでは第ニリン酸塩が好ましく、第二リン酸ナトリウムがより好ましい。また、リン酸塩は水溶液で用いるのが好適であり、1〜8重量%のリン酸塩水溶液として用いられる。
リン酸塩の使用量は、(メタ)アクリル酸エステルとポリアルキレングリコール類の合計量1重量部に対して、20μ〜500μ重量部の範囲が好ましい。リン酸塩の使用量が20μ重量部未満では添加効果が少なく、500μ重量部より多くても特に利点はなく不経済であるだけである。
加熱処理は、60℃〜110℃で行うことが好ましく、70〜90℃で行うことがより好ましい。温度が60℃より低いと加熱による効果が薄く、110℃を越えると(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステルの重合が促進され、ゲル化物が発生しやすくなる可能性がある。加熱処理は常圧又は減圧下に行われる。
加熱処理により、過剰の(メタ)アクリル酸エステル及び溶媒を留去して除去回収し、次いで、必要によりろ過工程を経ることによって(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステルを得ることができる。ろ過は、加圧ろ過でも減圧ろ過でもよく、ろ過の負荷防止のためにケイ藻土等をろ過助剤として使ってもよい。リン酸を添加して加熱処理を行うことによるメカニズムの詳細は定かではないが、リン酸イオンによる陽イオン性不純物の捕捉に加え、加熱工程時に発生する過酸化物を捕捉し、(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステルの重合を阻害しているためと考えている。
以上により、濁りがなく透明性に優れ、かつ高温時の安定性に優れた本発明の(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステルを得ることができる。かかる(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステルは高品質であるため水溶液として用いた場合でも安定性に優れ、高温時や長期の貯蔵においても安定な品質が保てる。
本発明の(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステルを含む単量体を重合してなる重合体は、例えば、塗料、接着剤、各種有機、無機物の分散剤、セメント分散剤、帯電防止剤、樹脂の硬化剤などの用途で利用することができる。これら用途のなかでセメント分散剤として用いた場合にはセメント粒子の分散安定性や減水性能に優れた効果を発揮できる。
以下、(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステルを含む単量体を重合してなる重合体を含むセメント分散剤について述べる。セメント分散剤を構成する重合体は、(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステルの単独重合体であっても、不飽和カルボン酸系単量体(a1)及び必要によりこれら単量体と共重合可能な他の単量体(a2)との共重合体であってもよい。不飽和カルボン酸系単量体としては(a1)、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、アクリル酸塩、メタアクリル酸塩などが挙げられる。共重合可能な他の単量体(a2)としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸系単量体;ポリアルキレングリコールと不飽和ジカルボン酸とのエステル類;アルコキシアルキレングリコールと不飽和ジカルボン酸とのエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸ブチルなどの(メタ)アクリル酸アルキル系単量体;スチレン、メチルスチレン、クロロスチレンなどのスチレン系単量体;酢酸ビニルなどのビニルエステル系単量体;(メタ)アクリルアミドなどの不飽和アクリルアミド類;トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレートなどの多官能(メタ)アクリレート;不飽和アルコールエステル;(メタ)アリルスルホン酸塩等が挙げられる。
重合は、溶液重合、塊状重合、懸濁重合などの公知の方法により行われる。また、重合に際しては、重合開始剤、還元剤、連鎖移動剤などを使用することができる。
このようにして得られた重合体は、さらに必要に応じてアルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アンモニア、有機アミンなどのアルカリ性物質で中和して重合体塩として用いることができる。重合体または重合体塩の重量平均分子量は1000〜500,000の範囲が好ましく、5,000〜100,000の範囲がより好ましい。
セメント分散剤には、更に他のセメント分散剤、空気連行剤、消泡剤、遅延剤、早強剤、防水剤、増粘剤、分離低減剤、防錆剤、樹脂エマルジョン等の他のセメント添加剤を配合することができる。
以下、本発明を具体的に説明するため実施例により詳述するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
攪拌機、温度計、空気導入管、及び精留塔(5段)を取り付けた1リットルフラスコに、エチレンオキシドが22モル付加したメトキシポリエチレングリコール(エチレンオキシドの平均付加モル数22モル)200g(0.2モル)、メタクリル酸メチル500g(5.0モル)、ヒドロキノンモノメチルエーテル0.4g、商品名「LA−7RD」(株式会社アデカ製)0.04gを仕込み、常圧下、乾燥空気を100ml/minの速度で吹き込みながら加熱還流し系内の水分を除去した。
次に、チタン酸テトライソプロピル2.0gを加え、エステル交換反応させた。反応開始直後は、反応混合物を加熱還流し、精留塔頂温度はメタクリル酸メチルの沸点である100℃付近であったが、反応の進行と共に、メタクリル酸メチルと副生物のメタノールの共沸混合物の沸点に近づいたので、塔頂温度が65〜70℃の範囲になるように還流比を調節してメタノールをメタクリル酸メチルとの共沸物として留去しながら反応を行った。
チタン酸テトライソプロピルを加えてから、1時間経過した頃から塔頂温度が上昇し始め約90℃まで上昇したので、それに合わせて還流比を徐々に大きくし、最終的には15にして反応を続けた。反応開始後4時間目の反応液中の反応率を液体クロマトグラフィ−により測定し、反応率が98%となったので反応を終了した。反応液を80℃まで冷却したところで17重量%食塩水100gを加え、チタン酸テトライソプロピルを加水分解し不溶化したことを確認した後、攪拌を止め静置した。
続いて、デカンテ−ションにより油層を1リットルナス型フラスコにとり、1重量%第二リン酸ナトリウム(NaHPO)水溶液1mlを加え、70℃に加温し、ロータリエバポレーターを用いて過剰のメタクリル酸メチルを減圧下に留去し、減圧吸引ろ過によりナスフラスコ内液をろ過し目的物であるメトキシポリエチレングリコール(エチレンオキシドの平均付加モル数22モル)のメタクリル酸エステルを得た(収量210g、純度98.3%)。
得られたメトキシポリエチレングリコール(エチレンオキシドの平均付加モル数22モル)のメタクリル酸エステルを試験管に3gとり、この試験管を120℃の油浴に浸し、流動性を失うまでの時間を目視で観察して120℃でのゲル化時間を測定したところ、7時間であった。
また、得られたメトキシポリエチレングリコール(エチレンオキシドの平均付加モル数22モル)のメタクリル酸エステルに水490gを加え、30重量%水溶液を作成し、色相をJIS K 1557記載の方法に準じ、(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステルの30重量%水溶液を比色管にとり、APHA標準液と比色する方法に従い測定したところ、APHAで10であった。評価結果を下記表2に示した。
実施例2
第二リン酸ナトリウム(NaHPO)に代えて第ニリン酸カリウム(KHPO)を用いること以外は実施例1と同様に操作してメトキシポリエチレングリコール(エチレンオキシドの平均付加モル数22モル)のメタクリル酸エステルを得た(収量205g、純度98.6%)。
得られたメトキシポリエチレングリコール(エチレンオキシドの平均付加モル数22モル)のメタクリル酸エステルの120℃でのゲル化時間及び30重量%水溶液の色相(APHA)を実施例1と同様に測定した。結果を表2に示す。
実施例3
「LA−7RD」を0.4g用いること以外は実施例1と同様に操作してメトキシポリエチレングリコール(エチレンオキシドの平均付加モル数22モル)のメタクリル酸エステルを得た(収量211g、純度98.4%)。
得られたメトキシポリエチレングリコール(エチレンオキシドの平均付加モル数22モル)のメタクリル酸エステルの120℃でのゲル化時間及び30重量%水溶液の色相(APHA)を実施例1と同様に測定した。結果を表2に示す。
実施例4
「LA−7RD」に代えて商品名「DEHA」(株式会社アデカ製)を0.04g用いること以外は実施例1と同様に操作してメトキシポリエチレングリコール(エチレンオキシドの平均付加モル数22モル)のメタクリル酸エステルを得た(収量208g、純度98.1%)。
得られたメトキシポリエチレングリコール(エチレンオキシドの平均付加モル数22モル)のメタクリル酸エステルの120℃でのゲル化時間及び30重量%水溶液の色相(APHA)を実施例1と同様に測定した。結果を表2に示す。
実施例5
「LA−7RD」に代えて商品名「DEHA」(株式会社アデカ製)を0.1g用いること以外は実施例1と同様に操作してメトキシポリエチレングリコール(エチレンオキシドの平均付加モル数22モル)のメタクリル酸エステルを得た(収量206g、純度98.2%)。
得られたメトキシポリエチレングリコール(エチレンオキシドの平均付加モル数22モル)のメタクリル酸エステルの120℃でのゲル化時間及び30重量%水溶液の色相(APHA)を実施例1と同様に測定した。結果を表2に示す。
実施例6
「LA−7RD」に代えて商品名「Q−1300」(和光純薬工業株式会社製)を0.1g用いること以外は実施例1と同様に操作してメトキシポリエチレングリコール(エチレンオキシドの平均付加モル数22モル)のメタクリル酸エステルを得た(収量203g、純度98.7%)。
得られたメトキシポリエチレングリコール(エチレンオキシドの平均付加モル数22モル)のメタクリル酸エステルの120℃でのゲル化時間及び30重量%水溶液の色相(APHA)を実施例1と同様に測定した。結果を表2に示す。
実施例7
「LA−7RD」に代えて商品名「Q−1300」(和光純薬工業株式会社製)を0.2g用いること以外は実施例1と同様に操作してメトキシポリエチレングリコール(エチレンオキシドの平均付加モル数22モル)のメタクリル酸エステルを得た(収量206g。純度98.4%)。
得られたメトキシポリエチレングリコール(エチレンオキシドの平均付加モル数22モル)のメタクリル酸エステルの120℃でのゲル化時間及び30重量%水溶液の色相(APHA)を実施例1と同様に測定した。結果を表2に示す。
実施例8
「LA−7RD」に代えて商品名「SDD」(川口化学工業株式会社製)を0.4g用いること以外は実施例1と同様に操作してメトキシポリエチレングリコール(エチレンオキシドの平均付加モル数22モル)のメタクリル酸エステルを得た(収量204g、純度98.1%)。
得られたメトキシポリエチレングリコール(エチレンオキシドの平均付加モル数22モル)のメタクリル酸エステルの120℃でのゲル化時間及び30重量%水溶液の色相(APHA)を実施例1と同様に測定した。結果を表2に示す。
比較例1
「LA−7RD」及び第二リン酸ナトリウムを使用しないこと以外は実施例1と同様に操作してメトキシポリエチレングリコール(エチレンオキシドの平均付加モル数22モル)のメタクリル酸エステルを得た(収量209g、純度98.2%)。
得られたメトキシポリエチレングリコール(エチレンオキシドの平均付加モル数22モル)のメタクリル酸エステルの120℃でのゲル化時間及び30重量%水溶液の色相(APHA)を実施例1と同様に測定した。結果を表2に示す。
比較例2
第二リン酸ナトリウムを使用しないこと以外は実施例1と同様に操作してメトキシポリエチレングリコール(エチレンオキシドの平均付加モル数22モル)のメタクリル酸エステルを得た(収量204g、純度98.3%)。
得られたメトキシポリエチレングリコール(エチレンオキシドの平均付加モル数22モル)のメタクリル酸エステルの120℃でのゲル化時間及び30重量%水溶液の色相(APHA)を実施例1と同様に測定した。結果を表2に示す。
比較例3
「LA−7RD」を使用しないこと以外は実施例1と同様に操作してメトキシポリエチレングリコール(エチレンオキシドの平均付加モル数22モル)のメタクリル酸エステルを得た(収量202g、純度98.4%)。
得られたメトキシポリエチレングリコール(エチレンオキシドの平均付加モル数22モル)のメタクリル酸エステルの120℃でのゲル化時間及び30重量%水溶液の色相(APHA)を実施例1と同様に測定した。結果を表2に示す。
比較例4
第二リン酸ナトリウムに代えて炭酸カリウム(KCO)を使用すること以外は実施例1と同様に操作してメトキシポリエチレングリコール(エチレンオキシドの平均付加モル数22モル)のメタクリル酸エステルを得た(収量206g、純度98.5%)。
得られたメトキシポリエチレングリコール(エチレンオキシドの平均付加モル数22モル)のメタクリル酸エステルの120℃でのゲル化時間及び30重量%水溶液の色相(APHA)を実施例1と同様に測定した。結果を表2に示す。
比較例5
「LA−7RD」に代えて商品名「AO−40」(株式会社アデカ製)0.1g使用すること以外は実施例1と同様に操作してメトキシポリエチレングリコール(エチレンオキシドの平均付加モル数22モル)のメタクリル酸エステルを得た(収量204g、純度98.6%)。
得られたメトキシポリエチレングリコール(エチレンオキシドの平均付加モル数22モル)のメタクリル酸エステルの120℃でのゲル化時間及び30重量%水溶液の色相(APHA)を実施例1と同様に測定した。結果を表2に示す。
比較例6
「LA−7RD」に代えて商品名「AO−50」(株式会社アデカ製)0.1g使用すること以外は実施例1と同様に操作してメトキシポリエチレングリコール(エチレンオキシドの平均付加モル数22モル)のメタクリル酸エステルを得た(収量206g、純度98.7%)。
得られたメトキシポリエチレングリコール(エチレンオキシドの平均付加モル数22モル)のメタクリル酸エステルの120℃でのゲル化時間及び30重量%水溶液の色相(APHA)を実施例1と同様に測定した。結果を表2に示す。
比較例7
「LA−7RD」に代えて商品名「260」(株式会社アデカ製)0.1g使用すること以外は実施例1と同様に操作してメトキシポリエチレングリコール(エチレンオキシドの平均付加モル数22モル)のメタクリル酸エステルを得た(収量202g、純度98.7%)。
得られたメトキシポリエチレングリコール(エチレンオキシドの平均付加モル数22モル)のメタクリル酸エステルの120℃でのゲル化時間及び30重量%水溶液の色相(APHA)を実施例1と同様に測定した。結果を表2に示す。
比較例8
「LA−7RD」に代えて商品名「HP−10」(株式会社アデカ製)0.1g使用すること以外は実施例1と同様に操作してメトキシポリエチレングリコール(エチレンオキシドの平均付加モル数22モル)のメタクリル酸エステルを得た(収量202g、純度98.2%)。
得られたメトキシポリエチレングリコール(エチレンオキシドの平均付加モル数22モル)のメタクリル酸エステルの120℃でのゲル化時間及び30重量%水溶液の色相(APHA)を実施例1と同様に測定した。結果を表2に示す。
比較例9
「LA−7RD」に代えて商品名「DTTP」(株式会社エーピーアイ コーポレーション)0.1g使用すること以外は実施例1と同様に操作してメトキシポリエチレングリコール(エチレンオキシドの平均付加モル数22モル)のメタクリル酸エステルを得た(収量208g、純度98.1%)。
得られたメトキシポリエチレングリコール(エチレンオキシドの平均付加モル数22モル)のメタクリル酸エステルの120℃でのゲル化時間及び30重量%水溶液の色相(APHA)を実施例1と同様に測定した。結果を表2に示す。
実施例1〜8及び比較例1〜9で用いた重合防止剤の構造式及び水に対する溶解性について表1に示す。なお、溶解性は重合防止剤100mgを25℃の水100mlに溶かした時の状態を目視で観察し、溶解したものを○、溶解しないものを×で表した。
Figure 2008050552
Figure 2008050552
表2より、実施例1〜8のメトキシポリエチレングリコール(エチレンオキシドの平均付加モル数22モル)のメタクリル酸エステルは、120℃でのゲル化時間が5時間以上と長く高温時の安定性に優れ、かつその30重量%水溶液の色相がAPHAで40以下であり透明性に優れていることが分かる。
これに対し、重合防止剤及びリン酸塩を用いない比較例1はゲル化時間が短く、APHAの数値が高く、安定性と透明性共に劣っていることが分かる。水不溶性の重合防止剤を用いた比較例5〜8もゲル化時間が短く、APHAの数値が高く、安定性と透明性共に劣っていることが分かる。リン酸塩を用いない比較例2及び炭酸塩を用いた比較例4はAPHAの数値が高く透明性に劣っていることが分かる。重合防止剤を用いない比較例3はゲル化時間が短く安定性に劣っていることが分かる。

Claims (8)

  1. 120℃でのゲル化時間が5時間以上の(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステルであって、前記(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステルの30重量%水溶液の色相がAPHAで40以下である(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステル。
  2. (メタ)アクリル酸エステルとポリアルキレングリコール類を、触媒及び水溶性重合防止剤の存在下にエステル交換反応した後、反応液にリン酸塩を添加し加熱処理することを特徴とする請求項1に記載の(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステルの製造方法。
  3. 前記水溶性重合防止剤の使用量が、ポリアルキレングリコール類に対し5ppm以上である請求項2に記載の(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステルの製造方法。
  4. 前記水溶性重合防止剤の使用量が、ポリアルキレングリコール類に対し2×10ppm以下である請求項2または3に記載の(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステルの製造方法。
  5. 前記水溶性重合防止剤が、N−OH基、またはNO・基を有する水溶性重合防止剤を含む請求項2〜4のいずれか一項に記載の(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステルの製造方法。
  6. 前記水溶性重合防止剤が、−N−C(=SH)−S−結合を有する水溶性重合防止剤を含む請求項2〜5のいずれか一項に記載の(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステルの製造方法。
  7. 請求項1記載の(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステルを含有してなる高純度(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステル水溶液。
  8. 請求項1記載の(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステルを含む単量体を重合して得られる重合体を含むセメント分散剤。
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