JP4826026B2 - (メタ)アクリル酸エステルの製造法 - Google Patents

(メタ)アクリル酸エステルの製造法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリオキシアルキレングリコール類の(メタ)アクリル酸エステルの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
(メタ)アクリル酸エステル(アクリル酸エステル又はメタアクリル酸エステル、以下同じ)は、熱、光、過酸化物等によって重合しやすい性質を持っているため、それらの特性を生かし電子線硬化塗料の成分として、又は紫外線硬化印刷用インク又は対応する塗料、表面剤、成形材料の成分、さらには塗料、コンクリート混和剤等の材料の成分に使用されている。しかし、これらの材料として使用されるポリオキシアルキレングリコール類及びポリオキシアルキレングリコール類の(メタ)アクリル酸エステルは、それ自身の構造より酸化を受けやすいため、過酸化物が生成しやすく、着色さらには重合反応が起こりやすい。そのため、ポリオキシアルキレングリコール類の(メタ)アクリル酸エステルを製造、貯蔵、あるいは移送する場合における着色さらには重合を防止する手段として、古くより提案がなされている種々の添加剤を配合する方法が適用できない。すなわちポリオキシアルキレングリコール類の(メタ)アクリル酸エステルは、添加剤によっては重合防止効果が充分でなかったり、過酸化物の生成の抑制をすることによる重合防止効果及び着色防止効果を持っても、新たな問題として添加剤に起因する着色を生じる場合がある。さらには、上述した重合防止効果、着色防止効果、添加剤に起因する着色のないこと等、全ての条件を満たしても上述した用途に使用するときに硬化材料としての硬化特性の弊害となってしまう。すなわち、上述した全ての条件を満足するポリオキシアルキレングリコール類の(メタ)アクリル酸エステルの製造法が確立されていない。
【0003】
具体的には(メタ)アクリル酸エステル類の重合反応を防止する手段として、種々の添加剤を配合する特許が公開されている。例えば、特開平8−81397号公報ではフェノール類の重合禁止剤とハロゲン化物を併用する方法が開示されているが、得られる(メタ)アクリル酸エステルが着色してしまう問題があった。特開平9−67307号公報では、(メタ)アクリル酸のアルカリ金属塩を添加する方法が開示されているが、ポリオキシアルキレングリコール類の(メタ)アクリル酸エステルには重合防止効果が得られない。
【0004】
一方、食品分野において、油脂類からの過酸化物除去に関しては古くより検討が重ねられ、種々の過酸化物除去剤に関する特許が公開されている。例えば、特開平7−188692号公報では、高度不飽和脂肪酸エステルを活性炭、活性白土等で処理し、油脂類の過酸化物の除去を行っている。
【0005】
また、吸着剤を用いての(メタ)アクリル酸エステル類の処理方法として、例えば特開平11−80082号公報では、ハイドロタルサイト類を(メタ)アクリル酸エステルに添加することで着色の少ない(メタ)アクリル酸エステルを得ている。
【0006】
本発明者らはポリオキシアルキレングリコール類の(メタ)アクリル酸エステルの着色・重合を防止する手段として、吸着剤で処理する検討を行ったが充分な結果は得られなかった。ところが、さらに検討を進めていたところ、ポリオキシアルキレングリコール類の(メタ)アクリル酸エステルの着色・重合を防止する手段として、水分の存在下で吸着剤処理の過酸化物を除去することができるという事実を見出し本発明に至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ポリオキシアルキレングリコール類と(メタ)アクリル酸エステルを、触媒の存在下にエステル交換反応した後、水分の存在下に吸着剤処理を行い、引き続き吸着剤の存在下に過剰の(メタ)アクリル酸エステルを除去する、ポリオキシアルキレングリコール類の(メタ)アクリル酸エステルの製造法に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明においては、ポリオキシアルキレングリコール類と(メタ)アクリル酸エステルを、触媒の存在下にエステル交換反応した後、過剰の(メタ)アクリル酸エステルを除去する際に、系内に水分を含有した状態で吸着剤処理される。具体的には、反応完了後に触媒を除去し、その後過剰の反応溶媒を回収するが、この時に吸着剤処理をする。
【0009】
ここで用いられる吸着剤としては、活性白土、ハイドロタルサイト類等が挙げられ、添加量は、生成するポリオキシアルキレングリコール類の(メタ)アクリル酸エステルに対して0.05〜5.0重量%であることが好ましい。少ないと、過酸化物の除去効果が充分に得られず、多すぎても不経済なばかりでなく、製品をろ過する際に負荷を生じさせたりする。
【0010】
本発明では、ポリオキシアルキレングリコール類の(メタ)アクリル酸エステルを吸着剤処理する際に、系内に水分を含有した状態で行う必要がある。この時の水分量は、過剰の(メタ)アクリル酸エステルを回収する際の溶液に対して0.1〜10.0重量%であることが好ましい。水分量が低すぎると過酸化物除去効果が充分に得られず、多すぎても系内の水分除去に時間を要して不経済である。
【0011】
また、水分の存在下に吸着剤処理を行うときの処理時間としては10分〜3時間が好ましい。短すぎると、吸着を充分に行うことができず、結果として生成するポリオキシアルキレングリコール類の(メタ)アクリル酸エステルの着色・重合防止効果が充分でなくなり、長すぎても特に問題はないが不経済である。
【0012】
また、吸着剤処理を行うときの処理温度としては、系内の温度が40〜100℃が好ましい。低すぎると、過酸化物除去効果が得られなくなるばかりか、過剰の反応溶媒の回収に支障をきたす。逆に高すぎると、過酸化物の生成が多くなるため、吸着剤による過酸化物除去が追いつかなくなり、得られるポリオキシアルキレングリコール類の(メタ)アクリル酸エステルの着色、重合を引き起こしかねない。
【0013】
本発明に用いられるポリオキシアルキレングリコール類としては、分子内にエチレングリコール鎖、プロピレングリコール鎖、テトラメチレングリコール鎖等を有する化合物であり、具体的にはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリオキシエチレン化ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレン化ポリテトラメチレングリコール、ポリオキシプロピレン化ポリエチレングリコール、ポリオキシプロピレン化ポリテトラメチレングリコール、メトキシポリオキシエチレングリコール、メトキシポリプロピレングリコール、メトキシポリオキシエチレン化ポリプロピレングリコール、メトキシポリオキシプロピレン化ポリエチレングリコール、エトキシポリオキシエチレングリコール、エトキシポリプロピレングリコール、エトキシポリオキシエチレン化ポリプロピレングリコール、エトキシポリオキシプロピレン化ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン及び/又はポリオキシプロピレン化ビスフェノールA、ポリオキシエチレン及び/又はポリオキシプロピレン化ノニルフェノール、ポリオキシエチレン及び/又はポリオキシプロピレン化クミルフェノール、ポリオキシエチレン及び/又はポリオキシプロピレン化トリメチロールプロパン、ポリオキシエチレン及び/又はポリオキシプロピレン化ペンタエリスリトール、ポリオキシエチレン及び/又はポリオキシプロピレン化ジペンタエリスリトール、ポリオキシエチレン及び/又はポリオキシプロピレン化イソシアヌル酸等が挙げられ、その中でも分子量が200〜2,000、さらにはポリプロピレングリコール鎖を有するものについて高い効果が得られる。
【0014】
本発明では、先ずポリオキシアルキレングリコール類と(メタ)アクリル酸エステルを触媒の存在下にエステル交換反応させる。反応に際しては、(メタ)アクリル酸エステルを、ポリオキシアルキレングリコール類に対して過剰に使用することが、反応を短時間に終わらせるためや、反応転化率を向上させるために好ましい。通常、ポリオキシアルキレングリコール類1モルに対して、(メタ)アクリル酸エステルを2.5〜20モルの範囲で使用することが好ましい。(メタ)アクリル酸エステルの使用量が少なすぎると反応が遅くなり、未反応のポリオキシアルキレングリコール類が残りやすくなる。一方、(メタ)アクリル酸エステルの使用量が多すぎると生産性が悪くなるとともに、反応終了後に過剰の(メタ)アクリル酸エステルを回収する工程に長時間を要してしまう。
【0015】
エステル交換反応に使用される触媒としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸化物、リチウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシ等のアルカリ金属アルコキシド、リチウムアミド、ナトリウムアミド、カリウムアミド等のアルカリ金属アミド、チタン酸テトラメチル、チタン酸テトラエチル、チタン酸テトラプロピル、チタン酸テトライソプロピル、チタン酸テトラブチル等のチタン酸C1 〜C4 アルキルなどを挙げることができる。これらの触媒の中でも、触媒を水の添加により水層に取り込むことにより、系外へ除去することができるもの、すなわち触媒除去と同時に油層へ水分を含有させることのできるアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸化物、アルカリ金属アルコキシド及びチタン酸C1 〜C4 アルキルが好ましく、触媒の取り扱いの点からチタン酸C1 〜C4 アルキルがより好ましい。
【0016】
触媒の使用量は、原料の(メタ)アクリル酸エステルとポリオキシアルキレングリコール類の合計量に対して通常0.01〜5.0重量%の範囲が好ましい。少なすぎると反応の進行が遅くなり、逆にこれ以上多い場合でも、特に利点はなく不経済であるだけである。
なお、チタン酸C1 〜C4 アルキルを触媒として使用する場合には、良く知られているように反応系中に水分が多いと触媒が活性を失いやすいので、予め触媒を加える前に反応混和物を加熱還流して系内の水分を少なくしておいたり、反応中に水分の混入を防ぐような方法が実施される。
【0017】
ポリオキシアルキレングリコール類のエステル交換反応に使用される(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸プロピル等が挙げられる。
【0018】
また、本発明において、公知の重合防止剤を添加・併用することが可能である。かかる公知の重合防止剤としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル等のフェノール類、フェノチアジン、ジブチルジチオカルバミン酸銅等の銅塩、酢酸マンガン等のマンガン塩、ニトロ化合物、ニトロソ化合物、4−ヒドロキシ2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシル等のN−オキシル化合物が挙げられる。添加量は生成エステルに対して0.1重量%以下が好ましい。多すぎると、前述したように添加剤に起因する着色を生じる場合がある。
【0019】
なお本発明において、反応中の反応液の重合防止のために、さらに、少量の分子状酸素を吹き込むのが好ましい。分子状酸素としては、希釈された状態で使用するのが好ましく好適には空気が用いられる。また、分子状酸素の吹き込みは、蒸発して蒸気として存在したり、上部の釜壁等に凝縮した(メタ)アクリル酸エステルの重合を防止するためにも好ましい。分子状酸素の使用量としては、反応器の形状や攪拌動力などによっても影響を受けるが、ポリオキシアルキレングリコール類1モルに対して5〜500ml/min(空気として25〜2,500ml/min)の速度で吹き込めばよい。少なすぎると重合防止効果が充分でなく、多すぎると(メタ)アクリル酸エステルを系外に押し出してしまう効果が強くなり、(メタ)アクリル酸エステルのロスをまねく。
【0020】
また、エステル交換反応に際しては、反応に関与しない不活性なものであれば、適宜溶媒を使用することもできる。例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、シクロヘキサン等の炭化水素類、ジオキサン等のエーテル類などを挙げることができる。
【0021】
エステル交換反応は、常圧又は減圧下で60〜130℃で行うのが好ましい。温度が低すぎると反応速度が遅くなり、高すぎると(メタ)アクリル酸エステル及びポリオキシアルキレングリコール類の(メタ)アクリル酸エステルの着色さらには重合を引き起こしかねない。
【0022】
また、エステル交換反応の形態としては、(メタ)アクリル酸エステルと原料アルコールをエステル化反応により(メタ)アクリル酸エステルを製造する当業者間で一般的に知られている方法を採用することが出来る。この方法では、原料アルコールの転換率を高めるため、副生する低級アルコールと原料の(メタ)アクリル酸エステル又は溶剤を共沸蒸留することにより、副生する低級アルコールを系外に留去しながら合成を行うのが好ましい。このため、反応装置としては、精留塔の付いた回分式反応槽が使用される。
【0023】
過剰の反応溶媒を回収し終わった後、ろ過によりごみ及び添加した吸着剤を取り除く。ろ過は、加圧ろ過でも減圧ろ過でもよい。また、この際、ろ過の負荷防止のために、ケイ藻土をろ過助剤として使ってもよい。
【0024】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0025】
実施例1
攪拌機、温度計、空気導入管及び精留塔(15段)を取り付けた1リットルのフラスコに、ポリオキシエチレン化ポリプロピレングリコール(商品名:プロノン102、日本油脂)320g(0.25モル)、メタクリル酸メチル400g(4.0モル)、ヒドロキノンモノメチルエーテル0.03gを仕込み、常圧下、乾燥空気を100ml/minの速度で吹き込みながら加熱還流し系内の水分を除去した。次に、チタン酸テトライソプロピル3.0gを加え、エステル交換反応を行なった。はじめ、反応混合物を加熱還流し、精留塔塔頂温度はメタクリル酸メチルの沸点である100℃付近であったが、反応の進行と共に、メタノールとメタクリル酸メチルの共沸混合物の沸点に近づいたので、塔頂温度が64〜66℃の範囲になるように還流比を調節してメタノールをメタクリル酸メチルとの共沸物として留去しながら反応を行った。
触媒を加えてから、3時間経過した頃から塔頂温度が上昇し始め約90℃まで上昇したのでそれに合わせて還流比を徐々に大きくし、最終的には15にして反応を続けた。反応開始後、4時間目の反応液中のケン化価を測定し反応率が97%となったので反応を終了した。
【0026】
反応液を80℃まで冷却したところで17重量%の食塩水100gを加えて触媒を加水分解し不溶化した。30分間静置後、油層の過酸化物量を測定したところ得られるポリオキシエチレン化ポリプロピレングリコールのメタクリル酸エステルに対して4.2ppm(過酸化水素換算値)であった。
【0027】
続いて、デカンテーションにより油層を1リットルのナス型フラスコにとり、系内の水分量を測定したところ1.2重量%であった(なお、この時の水分測定は、電量滴定式のカールフィッシャー法により測定した。:以下の水分測定も同じ)。引き続き、吸着剤としてキョーワード500SH(協和化学工業(株)製ハイドロタルサイト、組成式Mg6 Al2 (OH)16CO3 ・4H2 O)を1.0g添加した後、80℃で1時間処理した。処理後の油層の過酸化物量を測定したところ得られるポリオキシエチレン化ポリプロピレングリコールのメタクリル酸エステルに対して0.7ppm以下(検出限界以下)であった。
【0028】
続いて、ロータリエバポレーターを用いて過剰のメタクリル酸メチルを減圧下留去し、減圧吸引ろ過によりナスフラスコ内液をろ過し目的物であるポリオキシエチレン化ポリプロピレングリコールのメタクリル酸エステルを得た(収量343g)。このポリオキシエチレン化ポリプロピレングリコールのメタクリル酸エステル中の過酸化物量は0.7ppm以下(検出限界以下)、120℃におけるゲル化時間は1時間30分であり(なお、この時のゲル化時間は18φの試験管にサンプルを10g採り、120℃のオイルバスに浸け、5分ごとに試験管を取り出してゲル化物の有無を確認し、ゲル化物が確認された時間をゲル化時間とした。:以下同じ)、色相はハーゼン色数で10であった。
【0029】
実施例2
実施例1で得られた触媒除去後の油層(水分1.2重量%)に、吸着剤としてキョーワード1000S(協和化学工業(株)製ハイドロタルサイト、組成式Mg4.5 Al2 (OH)13CO3 ・3.5H2 O)を1.0g添加して同様の加熱処理を行った。処理後の油層の過酸化物量を測定したところ得られるポリオキシエチレン化ポリプロピレングリコールのメタクリル酸エステルに対して0.7ppm以下(検出限界以下)であった。続いて過剰のメタクリル酸メチルの減圧留去、ろ過を行い、得られたポリオキシエチレン化ポリプロピレングリコールのメタクリル酸エステル(収量347g)中の過酸化物量は0.7ppm以下(検出限界以下)、120℃におけるゲル化時間は1時間40分であり、色相はハーゼン色数で10であった。
【0030】
実施例3
実施例1で得られた触媒除去後の油層(水分1.2重量%)に、吸着剤としてキョーワード500SH(協和化学工業(株)製)を1.0g添加して、60℃で1時間加熱処理を行った。処理後の油層の過酸化物量を測定したところ得られるポリオキシエチレン化ポリプロピレングリコールのメタクリル酸エステルに対して0.7ppm以下(検出限界以下)であった。続いて過剰のメタクリル酸メチルの減圧留去、ろ過を行い、得られたポリオキシエチレン化ポリプロピレングリコールのメタクリル酸エステル(収量347g)中の過酸化物量は0.7ppm以下(検出限界以下)、120℃におけるゲル化時間は1時間35分であり、色相はハーゼン色数で10であった。
【0031】
実施例4
実施例1で得られた触媒除去後の油層(水分1.2重量%)に、吸着剤としてキョーワード500SH(協和化学工業(株)製)を1.0g添加して、100℃で1時間加熱処理を行った。処理後の油層の過酸化物量を測定したところ得られるポリオキシエチレン化ポリプロピレングリコールのメタクリル酸エステルに対して0.7ppm以下(検出限界以下)であった。続いて過剰のメタクリル酸メチルの減圧留去、ろ過を行い、得られたポリオキシエチレン化ポリプロピレングリコールのメタクリル酸エステル(収量343g)中の過酸化物量は0.7ppm以下(検出限界以下)、120℃におけるゲル化時間は1時間20分であり、色相はハーゼン色数で10であった。
【0032】
実施例5
実施例1と同様の装置、反応、後処理条件で、原料のポリオキシアルキレングリコールにポリエチレングリコール#200(商品名:PEG200、日本油脂製)を使用した。触媒除去後、油層の過酸化物量を測定したところ5.6ppmであった。
続いて、デカンテーションにより得られた油層中の水分量は2.3重量%であった。引き続き、吸着剤としてキョーワード500SH(協和化学工業(株)製)を1.0g添加した後、80℃で1時間処理した。処理後の油層の過酸化物量を測定したところ得られるポリエチレングリコール#200のメタクリル酸エステルに対して0.7ppm以下(検出限界以下)であった。続いて過剰のメタクリル酸メチルの減圧留去、ろ過を行い、得られたポリエチレングリコール#200のメタクリル酸エステル(収量326g)中の過酸化物量は0.7ppm以下(検出限界以下)、120℃におけるゲル化時間は1時間10分であり、色相はハーゼン色数で30であった。
【0033】
比較例1
実施例1の触媒除去後の油層で吸着剤処理を行わずに、過剰のメタクリル酸メチルの減圧留去及びろ過を行った。得られたポリオキシエチレン化ポリプロピレングリコールのメタクリル酸エステル(収量347g)中の過酸化物量は12.8ppm、120℃におけるゲル化時間は10分であり、色相はハーゼン色数で120であった。
【0034】
比較例2
実施例1で得られた触媒除去後の油層(水分1.2重量%)に、吸着剤としてキョーワード500SH(協和化学工業(株)製)を0.1g添加して同様の加熱処理を行った。処理後の油層の過酸化物量を測定したところ得られるポリオキシエチレン化ポリプロピレングリコールのメタクリル酸エステルに対して3.0ppm以下であった。続いて過剰のメタクリル酸メチルの減圧留去、ろ過を行い、得られたポリオキシエチレン化ポリプロピレングリコールのメタクリル酸エステル(収量339g)中の過酸化物量は7.9ppm、120℃におけるゲル化時間は15分であり、色相はハーゼン色数で90であった。
【0035】
比較例3
実施例1で得られた触媒除去後の油層(水分1.2重量%)に、吸着剤としてキョーワード500SH(協和化学工業(株)製)を1.0g添加して40℃で1時間加熱処理を行った。処理後の油層の過酸化物量を測定したところ得られるポリオキシエチレン化ポリプロピレングリコールのメタクリル酸エステルに対して3.8ppmであった。続いて過剰のメタクリル酸メチルの減圧留去、ろ過を行い、得られたポリオキシエチレン化ポリプロピレングリコールのメタクリル酸エステル(343g)中の過酸化物量は8.5ppm、120℃におけるゲル化時間は10分であり、色相はハーゼン色数で100であった。
【0036】
比較例4
実施例1で得られた触媒除去後の油層(水分1.2重量%)に、吸着剤としてキョーワード500SH(協和化学工業(株)製)を1.0g添加して120℃で1時間加熱処理を行った。処理後の油層の過酸化物量を測定したところ得られるポリオキシエチレン化ポリプロピレングリコールのメタクリル酸エステルに対して10.8ppmであった。続いて過剰のメタクリル酸メチルの減圧留去、ろ過を行い、得られたポリオキシエチレン化ポリプロピレングリコールのメタクリル酸エステル(収量343g)中の過酸化物量は20.5ppm、120℃におけるゲル化時間は5分であり、色相はハーゼン色数で160であった。
【0037】
比較例5
実施例1で得られた触媒除去後の油層(水分1.2重量%)を、減圧下加熱し還流をかけた。留去してくる水分を除去し系内の水分が0.05重量%となったところで冷却した。このときの系内の過酸化物量を測定したところ、得られるポリオキシエチレン化ポリプロピレングリコールのメタクリル酸エステルに対して4.8ppmであった。ここに吸着剤としてキョーワード500SH(協和化学工業(株)製)を1.0g添加して80℃で1時間加熱処理を行った。処理後の油層の過酸化物量を測定したところ得られるポリオキシエチレン化ポリプロピレングリコールのメタクリル酸エステルに対して3.0ppmであった。続いて過剰のメタクリル酸メチルの減圧留去、ろ過を行い、得られたポリオキシエチレン化ポリプロピレングリコールのメタクリル酸エステル(収量347g)中の過酸化物量は5.5ppm、120℃におけるゲル化時間は35分であり、色相はハーゼン色数で40であった。
【0038】
【発明の効果】
実施例及び比較例から明らかなように、本発明によって着色が少なく熱安定性に優れた、ポリオキシアルキレングリコール類の(メタ)アクリル酸エステルが提供される。

Claims (4)

  1. ポリオキシアルキレングリコール類と(メタ)アクリル酸エステルを、触媒の存在下にエステル交換反応した後、系内の水分量が溶液に対して0.1〜10.0重量%となるように水分を添加するとともに、吸着剤としてハイドロタルサイトを前記エステル交換反応により生成するポリオキシアルキレングリコール類の(メタ)アクリル酸エステルに対して0.05〜5.0重量%添加し、前記水分の存在下に系内の温度が80℃〜100℃で吸着剤処理を行い、引き続きハイドロタルサイトの存在下に過剰の(メタ)アクリル酸エステルを除去することを特徴とするポリオキシアルキレングリコール類の(メタ)アクリル酸エステルの製造法。
  2. 水分の存在下に吸着剤処理を行う時間を10分〜3時間とする請求項1載のポリオキシアルキレングリコール類の(メタ)アクリル酸エステルの製造法。
  3. エステル交換反応に使用されるポリオキシアルキレングリコール類の分子量が200〜2,000である請求項1又は載のポリオキシアルキレングリコール類の(メタ)アクリル酸エステルの製造法。
  4. エステル交換反応に使用されるポリオキシアルキレングリコール類がポリプロピレングリコール鎖を有するものである請求項1、2又は載のポリオキシアルキレングリコール類の(メタ)アクリル酸エステルの製造法。
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