JPH09327649A - 膜形成法 - Google Patents

膜形成法

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JPH09327649A
JPH09327649A JP35615296A JP35615296A JPH09327649A JP H09327649 A JPH09327649 A JP H09327649A JP 35615296 A JP35615296 A JP 35615296A JP 35615296 A JP35615296 A JP 35615296A JP H09327649 A JPH09327649 A JP H09327649A
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air
coating
ions
particles
paint
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JP35615296A
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Kuniyasu Oshima
邦康 大嶋
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AIBITSUKU KOGYO KK
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AIBITSUKU KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】粒子の付着効率が良く、かつ良質な塗膜を形成
することができる塗膜形成法を提供することを目的とす
る。さらに、本発明の目的は塗装における塗膜形成に限
定されるものではなく、基材表面に粒子を付着させて膜
を形成する方法全般において付着効率が良く、かつ良質
な膜を形成することにある。 【解決手段】基材表面に粒子を付着させて膜を形成する
方法において、粒子に正イオンに帯電した空気および負
イオンに帯電した空気を継続的に供給すると共に、基材
表面全体にわたって正イオンに帯電した空気および負イ
オンに帯電した空気を継続的に供給しながら付着させる
ようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は基材表面に粒子を付
着させるようにした膜形成法に係り、好ましくは、塗装
粒子を被塗装面に塗着させる塗膜形成法に関するもので
ある。本明細書においては好適な例として塗装を中心に
説明するが、本発明は塗装に限定されるものではなく、
印刷等をも含む膜形成法一般に広く応用できるものであ
り、カラ−プリンタ−やインクジェットプリンタ−等の
印刷技術にも用いることができる。また、本明細書にお
ける「膜」は広い概念を意味するものであり、塗膜のみ
ならず、例えば、接着のための膜(接着剤)をも含む。
【0002】
【従来の技術】従来より塗装法には様々な種類がある
が、最も一般的なのはスプレ−ガンを用いたものであ
る。スプレ−塗装には、圧縮空気の吹き出しにより発生
する低圧部に塗料を吸引し、該塗料を空気流によって微
粒子化して吹き付けるエアスプレ−、ポンプによって塗
料に高圧力を加えて、ノズル先端から高速で噴出させる
ことで微粒子化して吹き付けるエアレススプレ−があ
り、スプレ−塗装は、はけ塗りに比べて効率的であると
いう利点がある。しかしながら、塗着効率の点で問題が
あり、過剰塗料ミストをスラッジとして回収することが
必要となる。
【0003】塗料の塗着効率を向上させる手段としては
静電塗装法がその主流となっている。静電塗装法は、ア
−スした被塗物を陽極、塗料霧化装置を陰極とし、これ
に負の高電圧を与えて、両極間に静電界を作り、霧化し
た塗料粒子を負に帯電させて、反対極である被塗物に吸
着させる方法であり、他の塗装法に比べて塗着効率がよ
く、塗料を大幅に節減できるという利点がある。静電塗
装には、扱う材料として液体および粉体の2種類があ
り、いずれも塗料を細かくし、これに帯電させて静電気
の吸引力により塗料を無駄なく被塗物に塗着させるもの
である。
【0004】一例として、エア霧化型の静電塗装につい
て説明すると、高電圧発生器より高電圧を高電圧ケ−ブ
ルを通してガン先端の針状電極に加え、ガン内部には高
抵抗が挿入されており、針状電極先端の電位傾度は非常
に大きいため、局部的に空気の絶縁が破壊され、安定し
たコロナ放電が生じマイナスのイオン化圏域を形成す
る。一方、塗料はガン先端部より吐出され、エアの力に
より微粒化され、このイオン圏域を通過してマイナスに
帯電され、帯電された塗料粒子はエアの力と電気力線に
沿ったク−ロン力との合成により反対電位のア−スされ
た被塗物に飛行し塗着する。
【0005】しかしながら、静電塗装によると、塗料の
塗着率が良いという反面、衝突時の勢いが強く、膜の形
成に乱れが生じて塗膜が荒くなり、効率のよい整然とし
た分子の結合ができず、仕上がりが悪くなるのが実情で
ある。また、静電塗装装置には種々の安全対策等を施す
必要があることから、装置全体が大がかりなものとな
り、コストも高いものとなっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来の塗装法を踏まえた上で、全く新しい視点に基づい
て創案されたものであって、簡単な構成でありながら、
粒子の付着効率が良く、かつ良質な塗膜を形成すること
ができる塗膜形成法を提供することを目的とするもので
ある。さらに、本発明の目的は塗装における塗膜形成に
限定されるものではなく、基材表面に粒子を付着させて
膜を形成する方法全般において付着効率が良く、かつ良
質な膜を形成することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる課題を達成するべ
く本発明が採用した技術手段は、基材表面に粒子を付着
させて膜を形成する方法において、粒子に正イオンに帯
電した空気および負イオンに帯電した空気を継続的に供
給すると共に、基材表面全体にわたって正イオンに帯電
した空気および負イオンに帯電した空気を継続的に供給
しながら付着させるようにしたことを特徴とするもので
あり、好適には、該粒子は塗料粒子であって、塗料粒子
に正イオン化空気および負イオン化空気を供給すると共
に、被塗装面全体にわたって正イオン化空気および負イ
オン化空気を供給し、塗料粒子を正イオン化空気および
負イオン化空気の雰囲気内で被塗装面に塗着させるよう
にしたことを特徴とするものである。また、空気イオン
における正イオンと負イオンのイオンバランスは略5
0:50であることが好ましく、これは、電極に正・負
の高電圧を印加してコロナ放電を起こさせ、電極周囲の
空気をイオン化することで達成できる。
【0008】塗料粒子に正イオン及び負イオンとに帯電
した空気を供給すると共に、該空気を塗料と同時に被塗
物表面に吹き付けたところ、仕上がり感がよく、かつ塗
着効率の良い塗装が得られ、走査型電子顕微鏡によって
塗膜の断面を観察したところ塗膜が被塗装表面に対して
膜厚方向に整然と形成されていることがわかった。従来
のスプレ−塗装や静電塗装によると、いわいる巻状状態
の塗膜が形成されることに鑑みれば、このことは驚くべ
きことである。
【0009】このことは、正イオン化および負イオン化
した空気が、塗料粒子および被塗物表面に何らかの影響
を与えることに起因するものと考えられ、そのことが塗
料粒子と被塗物表面との接着および塗料粒子同士の凝集
に寄与するものと考えられる。イオン化した空気が被塗
物表面に衝突することで、該表面に何らかの影響を与え
ることが考えられ、例えば、表面の濡れ性を向上させた
り、表面を活性化させる可能性がある。また、塗料粒子
および被塗物表面が何らかの形で帯電することで、塗料
粒子と被塗物表面の接着および塗装粒子同士の接着を向
上させる可能性がある。特に、形成される膜が厚いこと
に鑑みると、イオン浴による飛翔塗料粒子あるいは被塗
装面(塗膜形成の過程で塗料粒子により既に形成されて
いる膜面を含む)の帯電が何らかの形で関係している可
能性が大きい。
【0010】本発明の塗膜形成の機構については明らか
ではないが、ここで、一つの仮説を立てた。一般的に塗
料の残留静電気はプラスであり、例えばスプレ−ガンよ
り噴出された霧化塗料粒子1は当初はプラスに帯電して
いる。そして、塗料粒子1に陽イオン化空気および陰イ
オン化空気を供給することで、塗料粒子1が正と負の電
荷を偏在した形で持つようになる。塗料粒子がこのよう
に帯電するかについては立証されてはいないが、塗料粒
子が、正イオン、負イオンの雰囲気の中でこのように帯
電する可能性はある。正に帯電した粒子は当初は空気の
負イオンによって中和されるかも知れないが、正イオ
ン、負イオンの雰囲気の中で中和、帯電を繰返し、図1
のように帯電することも考えられる。
【0011】例えば、イオン化空気を被塗物表面に供給
することで、被塗物表面2が何らかの理由でマイナスに
帯電しているとする(実際、基材がFeの時に静電荷を
測定したところ(0)ないしマイナスであった。また、
基材がプラスに帯電していたとしても基本的な理論は同
様である。)。とするならば、粒子は空気イオンの中で
一方にプラスに、他方でマイナスに帯電しており、基材
のマイナスに粒子のプラス側が高速で衝突し、次いで他
方のマイナス側に他の粒子のプラス側が衝突して食い込
み、このように各粒子が方向性を持って配列されていく
ことで順次密度の高い厚い膜が形成される。あるいは、
膜が形成される過程で常時イオン化空気が膜の表面に供
給されることにより膜の表面が何らかに帯電し、さらに
粒子を引き付けることで粒子が積層されていく。このよ
うに考えると、成膜速度が速い、膜が硬い、膜厚が厚
い、というような結果の説明がつく。尚、このような仮
説が成り立つには、正負のイオンバランスが同数である
ことが好ましいと考えられるが、実際、等量の正負イオ
ンを空気に乗せて供給した場合が最も効果がある。
【0012】塗装前処理として塗装面の静電気を除去す
るためにイオン化した空気を供給することは従来より行
われており、例えば、塗装前処理において、いわゆる除
電ガンによってイオン化空気を被塗物表面に吹き付ける
ことが行われているが、これは被塗物表面にイオン化空
気を当てることで、表面に付着している塵や埃を吹き飛
ばし、その際に被塗装物との摩擦で帯電した塵や埃を中
和すると共に、被塗物表面も中和するようにするもので
あって、すなわち塗装前処理であって塗装時に空気イオ
ンを供給するものではない。これに対して、本発明は、
正イオン及び負イオンに帯電した空気が被塗装面に供給
された状態で、正イオン及び負イオンに帯電した空気を
塗料粒子に供給すると共に、正イオン及び負イオンに帯
電した空気と共に該塗料粒子を該被塗装面に吹き付けて
塗着させるものであり、イオン化空気が継続的に供給さ
れた状態で塗装を行うという点において、除電処理とし
てイオン化空気を用いるものとは全く異質の技術思想に
係るものである。
【0013】本発明に用いられる基材の材質は特には限
定されず、例えば、金属、木材、プラスチック、紙等が
含まれる。粒子の材質についても特には限定されず、例
えば、水溶性樹脂塗料、粉体塗料、有機溶剤、インク等
が含まれる。また、塗料は樹脂粉体あるいは有機溶剤を
用いた場合のほうが、水溶性塗料を用いた場合に比べ良
好な塗膜形成が行われることがわかった。また、塗料を
霧化する場合において、エアスプレ−による塗装方法に
比べて、空気を用いない方法、例えば遠心霧化等による
塗装方法のほうが良好に塗膜を形成できることがわかっ
た。これは、通常の空気がイオンによる何らかの効果を
妨げる方向に働くためではないかと思われる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について塗装
による塗膜形成を一例として説明する。塗装の基本的な
流れは従来のものと同様であって、塗装の前段階におい
ては、被塗装表面が帯電しているとゴミ、埃が付着する
ので、被塗装物の静電除去を行うと共に、塗装ブ−ス内
においては、清掃、水まきを行う。床に水をまくことに
より床面からのゴミの飛び上がりをおさえ、落ちてきた
ゴミを押さえ込むことができ。ブ−ス内へは強制的に吸
気を行うようにし、フィルタ−を介して清浄空気を供給
するようにする。また、強制的に導入される空気は、理
想的な流れで排気されるべく、排気とのバランスがとれ
ていなければならない。
【0015】本実施の形態では、吸気装置を利用して正
イオン及び負イオンとに帯電した空気を供給するように
している。もっとも、吸気装置以外に別途装置を設けて
もよい。空気aをフィルタ−3を介して取り込み、フィ
ルタ−3により清浄化された空気を直流式コロナ放電装
置からなるイオン発生装置4をくぐらせ、空気をイオン
化させて、略同数の正イオンおよび負イオンを空気に乗
せて運ぶ。塗装ブ−ス内をかかる正イオンおよび負イオ
ンからなる雰囲気にさせ、被塗物5を空気イオンbによ
るイオン浴を受けるように配設し、被塗物表面全体に空
気に乗った正イオンおよび負イオンが供給されるように
する。かかるイオン化雰囲気中にスプレ−6によって霧
化塗料粒子を飛翔させることで、塗料粒子もかかる正イ
オンおよび負イオンの雰囲気の中で吹き付けられるよう
にする。塗装後には通常どおりセッティング(強制乾燥
に入る前の塗膜形成準備)及び焼き付けが行われる。
【0016】塗装ブ−ス内を正・負同数の空気イオンの
雰囲気とすることで、塗料粒子および被塗物表面に空気
イオンを供給するようにしたものについて説明したが、
要は、粒子に正イオンに帯電した空気および負イオンに
帯電した空気を継続的に供給すると共に、基材表面全体
にわたって正イオンに帯電した空気および負イオンに帯
電した空気を継続的に供給しながら付着させるようにし
たものであればよく、局所的に(少なくとも粒子および
基材表面)に空気イオンを供給しながら膜形成を行うよ
うにしてもよい。
【0017】〔実験1〕本発明に基づいて形成された塗
膜の性能(光沢、硬度、付着力)について比較実験を行
った。被塗物である基材はABS樹脂であり、使用塗料
は、エナメル塗料、クリヤ−塗料、硬化剤からなる。エ
ナメル塗料は、配合比率3.76%の顔料、配合比率6
1.33%の樹脂、配合比率22.94%の添加剤、配
合比率11.93%の溶剤から構成される。クリヤ−塗
料は樹脂73.61%、添加剤14.45%、溶剤1
1.94%から構成される。硬化剤は樹脂70.00
%、溶剤30%から構成される。もちろん、前記塗料は
通常使用される一般の塗料であると共に、単なる一例で
あって、これらは本発明に使用される塗料の種類を制限
するものではない。また、基材はABS樹脂であるが、
以下に述べる結果は他の基材においても達成されるもの
と考えられる。塗装は以下の2つの条件下で行った。 (1)摂氏25度で55%の通常の空気雰囲気でスプレ
−塗装を行った。手順としてはエナメル塗装を行い、次
いで10分間のセッティングを行い、クリア−塗装を施
し、摂氏70度で1時間焼き付け乾燥を行った。 (2)上記条件において、正イオンおよび負イオンに帯
電した空気を供給しながら塗装を行った。
【0018】塗膜結果について試験を実行した。供試物
品は上記(1)、(2)の条件で塗装を施したABS材
である。試験機は、デジタル変角光沢計(UGV−50
型、スガ試験機製)、鉛筆引っかき試験機(東洋精機
製)、クロスカットガイド(コ−テック製)で行ない、
試験はJIS K 5400(塗料一般試験方法)に準
拠する。結果は次のようになった。
【0019】
【0020】このように、表面塗膜試験では、(2)の
条件下における塗膜が光沢(反射率)において7.9度
の違い、硬度において2ランクの違いが認められ、
(2)の正イオン及び負イオンに帯電した空気を供給し
た状態での塗装による塗膜が光沢、硬度共に優れた物性
を示し、また、目視によっても美しい塗膜を形成してい
ることがわかった。付着力については、今回の実験では
同等であった。もっとも、このことは、比較された塗膜
が実際に有する付着力が同等であることを意味するもの
ではない。
【0021】〔実験2〕摩耗についての比較実験を行っ
た。基材に鉄を用いて通常のスプレ−塗装を施したもの
と、イオン化した空気を供給しながらスプレ−塗装した
ものとを用意し、落砂摩耗試験によって比較した。もち
ろん、両者の塗装条件は同じである。試験方法は、金鋼
砂(粒度36、3kg)を高さ90cm、45度で50
秒間、塗膜に向かって落下させた。両者に斑紋のような
ものが見受けられたが、本願発明に係る方法で塗装した
ものの斑紋の面積は、通常のスプレ−塗装の斑紋面積よ
りも小さいものであった。このことから、本願発明によ
る塗膜は耐摩耗度が大きいと考えられる。
【0022】〔実験3〕塗膜に傷を付けて、傷の経時変
化を調べた。試料は以下の4種類である。本発明によ
って形成した塗膜(基材は木材)、本発明によって形
成した塗膜(基材はABS)、通常のスプレ−塗装に
よる塗膜(基材は木材)、通常のスプレ−塗装による
塗膜(基材はABS)。塗膜硬さ試験機(三菱UNI HB:
木、三菱UNI H:ABS、加重:1kg)で傷を付け、
表面粗さ計(Dektak IIA)による観察を行った。分析結
果として、木の試料、ABSの試料共に、、の方が
、より復元力が大きいことが判った。
【0023】〔実験4〕通常のスプレ−コ−トと本発明
に係る塗膜形成法によるコ−トの膜厚を比較した。使用
基材はABS(ナチュラル)、使用塗料はエナメル(メ
タリック)、トップコ−ト(クリヤ−)共原液であっ
て、スプレ−ガンを使用して塗装を行った。スプレ−方
法は、使用空気圧(3.5気圧)、ハタ−ン(20
%)、塗圧(全開)であり、基材の面積は20cmX3
0cm、塗料使用量はエナメル(30g)、クリヤ−
(30g)であり、エナメルからクリヤ−塗装へはセッ
ティングタイム10分で行い、焼付乾燥時間は60℃X
1H、セッティングタイム2Hで塗膜を形成した。塗膜
の平均の厚さを計算したところ、通常のスプレ−コ−ト
が40ミクロンであったのに対して、本発明に係る膜厚
は70ミクロンであった。このように厚膜を形成できる
ということは、本発明が様々な分野に応用できる可能性
を秘めていることを意味する。
【0024】〔実験5〕塗装面のAFM観察測定を行っ
た。試料はABS一般塗装、ABSイオン雰囲気に
よる塗装、Feイオン雰囲気による塗装の3個であ
る。試験条件としては、圧電素子:10ミクロン、カン
チレバ−:100ミクロン、測定範囲:10ミクロン四
方、サンプリング周波数:2lines/sec 画像:256
X256 Pixels、Z軸分解能:16bit、画像処
理:圧電定数補正、傾き一次補正である。分析結果とし
てはABSを一般塗装した方がABSをイオン雰囲気で
塗装したものより表面がなめらかであった。また、イオ
ン雰囲気で塗装したものにおいてはABS、Fe共に表
面構造に溝のようなものが一面に見られた。このこと
が、どのようなことを意味するのかは定かではないが、
おそらく、粒子が膜厚方向に順次積層することと何らか
の関連があるのではないかと思われる。
【0025】これらの実験結果から明らかなように、理
論的な裏付けはともかくとして、イオン化した空気の雰
囲気で塗装を行うことで形成した塗膜と、通常の塗装で
形成された塗膜とには種々の差異が見受けられることは
間違いない。そして、その差異は、本発明に有利に働く
ものであることは実験結果から明らかである。本発明に
よれば、良質な厚膜を形成することができ、結果とし
て、付着効率がよいので塗料に無駄がなく、塗料の使用
量の削減ができるという効果を有する。本出願人が試算
したところによると、本発明によれば、仕上がりの良い
塗膜を形成するものでありながら、従来のスプレ−塗装
に比べると30%から35%の塗料の削減ができること
がわかった。
【0026】本発明に係る塗膜は、従来の塗装法による
塗膜に比べて耐候性においても優れるものと思われ、自
動車のボディ−や建物等の一般塗装に限らず、例えば、
船底や飛行機、ロケット等の特殊な塗装においても幅広
く用いられる可能性を有するものである。尚、本明細書
においては塗装方法を中心として説明したが、正イオン
と負イオンとに帯電した空気の雰囲気内で膜形成を行う
という方法は、基材表面に粒子を付着させて膜を形成す
る手段において幅広く適用できるものであり、塗装に限
定されるものではなく、カラ−プリンタ−やインクジェ
ットプリンタ−等の印刷技術にも応用できるものと考え
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】粒子の塗膜形成の機構を説明する図である。
【図2】本発明に係る膜形成法を示す概略図である。
【符号の説明】
1 塗料粒子 2 被塗装面 3 空気清浄フィルタ− 4 イオン発生器 5 被塗物 6 塗装スプレ− a 空気 b 正イオン及び負イオンに帯電した空気

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材表面に粒子を付着させて膜を形成する
    方法において、粒子に正イオンに帯電した空気および負
    イオンに帯電した空気を継続的に供給すると共に、基材
    表面全体にわたって正イオンに帯電した空気および負イ
    オンに帯電した空気を継続的に供給しながら付着させる
    ようにしたことを特徴とする膜形成法。
  2. 【請求項2】基材表面に粒子を付着させて膜を形成する
    方法において、粒子に正イオン化空気および負イオン化
    空気を供給すると共に、基材表面全体にわたって正イオ
    ン化空気および負イオン化空気を供給し、粒子を正イオ
    ン化空気および負イオン化空気の雰囲気内で基材表面に
    付着させるようにしたことを特徴とする膜形成法。
  3. 【請求項3】前記粒子は塗料粒子であることを特徴とす
    る請求項1乃至2に記載の塗膜形成法。
  4. 【請求項4】塗料を被塗装面に塗膜する方法において、
    庫内に被塗装物を収容すると共に、該庫内に正イオン化
    空気および負イオン化空気を供給することでイオン化気
    体雰囲気とし、該庫内にイオン化空気を継続的に導入し
    た状態で塗料粒子を被塗物に塗着させるようにしたこと
    を特徴とする塗膜形成法。
  5. 【請求項5】正イオンと負イオンのイオンバランスは略
    50:50であることを特徴とする請求項1乃至4に記
    載の膜形成法。
JP35615296A 1995-12-26 1996-12-25 膜形成法 Pending JPH09327649A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009060536A1 (ja) * 2007-11-09 2009-05-14 Cosmostechno Corporation 自動車の塗装診断方法

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